JP2004177320A - 異物検査分析方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造プロセス段階の半導体基板や液晶基板などの試料上の異物検出と分析を同一装置内で行い、検査時間が短く高精度な異物検査分析方法およびそれを用いた装置を提供する。
【解決手段】半導体基板や液晶基板などの試料上に赤外光を集光し、試料裏面には赤外光を反射するミラーを配置した上で走査する。このとき、試料上の異物から生じる散乱光の強弱によって異物の存在やその大きさを検出し、これと同期的に試料裏面のミラーにより反射されて試料上から射出される赤外光を検出して赤外反射吸収分析を行うことによってその異物の成分を特定することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体基板や液晶基板などの試料上に赤外光を集光し、試料裏面には赤外光を反射するミラーを配置した上で走査する。このとき、試料上の異物から生じる散乱光の強弱によって異物の存在やその大きさを検出し、これと同期的に試料裏面のミラーにより反射されて試料上から射出される赤外光を検出して赤外反射吸収分析を行うことによってその異物の成分を特定することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、検査対象物上の異物を検出するための異物検査分析方法および装置に関し、主として半導体基板や液晶基板における外観検査を行う方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板や液晶表示パネルは、室内の浮遊塵埃濃度を低減させたクリーンルーム内で製造される。しかし、製造工程で発生する塵埃などを完全に防ぐことは困難であり、塵埃など異物が基板に混在すると製品の歩留りを低下させ、または、信頼性の低下をもたらすおそれがある。したがって、製造工程前や間において、予め基板を検査し、異物が検出された基板に対し洗浄や排除する適切な処理を施す必要がある。また異物の成分を分析し、その異物を低減させる発塵対策は、歩留りを向上させるので非常に重要である。
【0003】
従来例として、異物検査方法の基本構成図を図2に示す。200は異物検査装置で、検査対象物201を走査する走査部210と、検査対象物201に光を照射する照射部220と、検査対象物201の上方に配設されて検査対象物201からの散乱光を受光して受光量に応じた受光信号を出力する受光部230と、受光信号を処理する電気回路部240で構成される。
【0004】
検査対象物の走査中で照射点に異物が現れた場合、強い散乱光が発生するので受光部230で撮らえることができた。そして、異物の大きさにより散乱光強度が変化することを用いて、電気回路部240にて受光信号を予め求めておいた閾値と比較し、大きさを検出していた。また、走査部210への走査信号と受光信号との同期をとることで、検査対象物の異物の位置を確認できた。
【0005】
また、検出した異物の成分や形状を知りたい場合には、検査した検査対象物のデータを、ハードディスクなどの補助記憶装置に保存し、入出力インターフェース(RS−232C規格など)を介した転送により、成分分析装置や電子顕微鏡に取り込み分析・観察を行っていた。
【0006】
次に、異物を分析する従来の方法としては、異物を気相状態にし各成分を分離し、質量分析により成分の検出を行うガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MSと略す)、検査対象物に単色のX線束を照射した際に放出される光電子エネルギーの測定で異物を分析するX線光電子分光法(XPSと略す)、赤外光を検査対象物に入射したときの内部全反射を利用して異物の成分を特定する減衰全反射法(ATRと略す)、赤外光を検査対象物に入射したときに得られる反射−吸収スペクトルより異物の成分を特定する反射吸収分光法(RASと略す)が用いられていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−243569号公報
【特許文献2】
特開2002−243652号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の異物検査装置では、検査対象物上の異物の位置と大きさしか検出できないため、異物の形状や成分を特定したい場合には別の分析装置が必要であった。検査工程も『異物の検査』→『データ転送』→『異物の分析』の流れとなり、多量の時間を費やした。
【0009】
更に、異物検査装置と、分析装置では、装着した検査対象物に設定する座標系が一致しないため、データ転送後に座標変換する必要があった。異物検査装置の分解能が通常数百平方μm程度であるのに対し、分析装置の分解能は通常一平方μm以下であった。そこで、座標変換後でも更に抽出された数百平方μmの走査点の中から、分析装置で所望の異物(1μm以下の微粒子の場合もある)を捜し出さなければならず、困難極まる作業であった。
【0010】
上記従来のGC/MS分析方法では検査対象物の加熱が必要であり、XPS分析方法では真空中で測定する必要があった。その上これらの分析方法は、検査対象物を適当な大きさに切り出す必要があり、実際の製造工程においての検査対象物を分析することは困難であった。
【0011】
また、ATR分析方法では、プリズム状に加工された検査対象物やGeプリズムを検査対象物に密着される必要があるため、製造工程でのその場観察(in−situ)には適していなかった。RAS分析方法でも、金属表面上の微量な化学種のその場観察は可能だが、検査対象物上の微量な有機物の検出は困難であった。
【0012】
また、本出願人は、異物の検出と成分を同定できない問題点解決に向けて、既に特開2002−243652号公報で提案している。それは、従来例と同様の異物検査装置により位置と大きさを検出した異物に対してレーザ光を照射し、異物より発生されるラマン散乱光(固体・液体・気体及びその混合物の分子振動スペクトル測定法として知られていて、物質の存在状態の評価に用いられる)を分光分析することによって異物を特定していた内容であった。しかし、異物の位置と大きさを決める散乱光に比べ、成分分析するラマン散乱光は6桁ほど光量が小さい。このため、異物の検出と成分分析を同期的に行えるのは、異物のごく一部であり、成分分析の精度向上が必要であり、今回の発明するに至った。
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑み、検査対象物上の異物の位置と大きさを検出すると同時に、異物の形状や成分を特定できる異物検査分析方法および装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の異物検査分析方法は、検査対象物の検査面上の異物を検出する工程と、前記異物を分析する工程とを備え、前記検査対象物の検査面上の異物を検出する工程は、前記検査対象物の検査面に光を照射し、前記照射した光により発生する検査面上の異物の散乱光を検出し、前記検出した散乱光から前記検査面上の異物の座標位置を特定する工程で成り、一方、前記異物を分析する工程は、前記特定した異物の座標位置または近傍位置に光を照射し、前記検査対象物の検査面の反対側に配置されているミラーからの反射光を検出し、前記散乱光の強度と前記反射光のスペクトル情報との関係から前記検査面上の異物を分析することを特徴としている。
【0015】
本発明の異物検査分析装置は、検査対象物を移動させる移動部と、前記検査対象物の検査面に光を照射する照射部と、前記検査対象物の検査面の反対側と前記移動部との間に配置されているミラーと、前記検査対象物の上方に配設されて前記検査面上の異物の散乱光を受光する散乱光受光部と、前記散乱光と閾値との比較で異物の大きさを検出する第1の信号処理部と、前記検査対象物の上方に配設されて前記ミラーにより反射された反射光を受光する反射光受光部と、前記反射光を分光して前記異物の成分を特定する第2の信号処理部とを備えている。
【0016】
上述した光の性質を利用して、前記散乱光受光部により散乱光を受光し、第1の検査信号の示すピーク値により異物の存在を検出でき、且つそのピークの大きさにより異物の大きさを測定することができる。
【0017】
また、前記反射光受光部では、反射光を受光して第2の検査信号を得る。そして、前記第1の検査信号で異物が検出された場合、これと同期的に前記第2の検査信号をスペクトル分析することで当該異物の成分を特定することができる。前述のラマン散乱光よりも圧倒的に光量の大きい反射光を分光するので、検査対象物上の微量化学種をその場観察によって定性的且つ定量的に分析することができる。
【0018】
すなわち、異物の検査と成分分析とを同じ条件で行うことにより、座標変換や分解能の差に因る問題点を解消し、検査時間を短縮させ、異物検査分析方法および装置を提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の実施の形態を示し、図3に本実施形態による赤外吸収スペクトルの分光曲線の例を示す。
【0020】
図1は、本発明の異物検査分析装置の構成概要である。赤外光源1から出射された光線は収束レンズ2を経て検査対象物である基板3の表面へ斜め方向から10μm程度の直径で照射される。基板3はX−Yステージ4上にあり、0.1μmの精度で位置決めが可能である。
【0021】
基板3の上方には検出光学系が配設されており、散乱光は集光レンズ5および散乱光を検出するための検出部6へ導かれる。検出部6の出力は、コンピュータなどを有する制御部7に接続され、結果がモニターテレビ8で表示されるようになっている。
【0022】
また、入射光の反射方向には検出器9が設けられており、反射された赤外光を検出できる。反射された赤外光はレンズ10で集光されたのち分光器9aへ導かれ、後段の信号検出器9bで検出されたスペクトル出力は制御部7に接続され、結果がモニターテレビ8で表示される。
【0023】
また、X−Yステージ4は制御部7によって制御される。基板3裏面とX−Yステージ4の間には、例えば金ミラーよりなる赤外線反射率がほぼ100%のミラー11が配置されている。
【0024】
まず、基板3からの散乱光を検出して異物の座標位置を特定する。X−Yステージ4は、先にX座標を固定し基板3をY方向移動し、散乱光が強く生成されるY座標位置を検出する。同様にしてX座標を移動して他の値に固定し、基板3をY方向移動し、散乱光が検出されるY座標位置を検出する。これによって、異物の存在する座標位置が特定され、この座標位置は制御部7で記憶される。
【0025】
散乱強度が強いことは異物の断面積が大きいことであり、散乱強度が強いほど異物は大きいことがわかる。したがって、散乱強度を知ることで、異物の大きさの目安がわかることになる。そこで異物の座標位置だけでなく散乱強度を測定しておく。
【0026】
次に赤外吸収分光が行う。異物の存在する座標位置にX−Yステージ4を移動し、赤外光源1から出射された光線は収束レンズ2を経て、検査対象物である基板3の表面へ斜め方向から10μm程度の直径で照射される。このとき基板3の表面に有機物などの化学種がある場合には、その化学種特有の赤外吸収が生じる。
【0027】
基板3裏面に達した赤外光は、ミラー11により反射されて再び基板3内部を透過し、表面より出射される。裏面より出射された赤外光は検出器9により検出され、この赤外光をフーリエ変換して赤外吸収分光(FT−IRと略す)する。なお、FT−IR測定は、予め測定しておいたリファレンス基板の結果とサンプル基板の測定結果とを比較し、リファレンス基板に対するサンプル基板の反射率変化から赤外吸収スペクトルの分光曲線を得る(図3)。
【0028】
そして、制御コンピュータ内部の既知物質の分光曲線データベースの中で、検出した赤外吸収分光曲線と形状が近似する物質を選定し、発塵源を特定することができる(表1参照)。例えば、異物の成分が人体タンパクである場合には、皮膚片や毛髪が異物として混入したと特定できる。
【0029】
【表1】
【0030】
以上の本実施例によれば、散乱光検出と吸収分光とを組み合わせて用いることにより、散乱光検出により予め異物の座標位置(x、y)を特定し、効率的に赤外吸収分光を行うことができる。また、1台の装置で異物の位置測定と成分分析が行えるようになり、異物の検出から成分分析までの時間が大幅に短縮できる。
【0031】
また、基板3をX−Yステージ4上に載置して走査するとしたが、照射光や検出光学系を基板3に対し走査することも可能である。
【0032】
これ以外にも、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施し得るものである。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明の異物検査分析方法によれば、上記した構成によって、赤外吸収分光を用いることにより、基板上の微量化学種をその場観察によって定性的且つ定量的に分析することができる。したがって、半導体基板や液晶基板などの製造技術分野において大きな工業的効果が得られる。
【0034】
また、本発明の異物検査分析装置は、上記した構成によって、装置の複雑化が避けられ、検査時間が短縮して処理効率が向上した高精度な異物検査分析が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板の異物検査分析装置の構成概要図
【図2】従来例の異物検査装置の構成概要図
【図3】赤外吸収スペクトルの分光曲線を示す図
【符号の説明】
1 赤外光源
2 収束レンズ
3 基板
4 X−Yステージ
5 散乱光集光レンズ
6 散乱光検出部
7 制御部
8 モニターテレビ
9 検出器
9a 分光器
9b 信号検出部(赤外吸収スペクトル検出部)
10 反射光集光レンズ
11 赤外光反射ミラー
【発明の属する技術分野】
本発明は、検査対象物上の異物を検出するための異物検査分析方法および装置に関し、主として半導体基板や液晶基板における外観検査を行う方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板や液晶表示パネルは、室内の浮遊塵埃濃度を低減させたクリーンルーム内で製造される。しかし、製造工程で発生する塵埃などを完全に防ぐことは困難であり、塵埃など異物が基板に混在すると製品の歩留りを低下させ、または、信頼性の低下をもたらすおそれがある。したがって、製造工程前や間において、予め基板を検査し、異物が検出された基板に対し洗浄や排除する適切な処理を施す必要がある。また異物の成分を分析し、その異物を低減させる発塵対策は、歩留りを向上させるので非常に重要である。
【0003】
従来例として、異物検査方法の基本構成図を図2に示す。200は異物検査装置で、検査対象物201を走査する走査部210と、検査対象物201に光を照射する照射部220と、検査対象物201の上方に配設されて検査対象物201からの散乱光を受光して受光量に応じた受光信号を出力する受光部230と、受光信号を処理する電気回路部240で構成される。
【0004】
検査対象物の走査中で照射点に異物が現れた場合、強い散乱光が発生するので受光部230で撮らえることができた。そして、異物の大きさにより散乱光強度が変化することを用いて、電気回路部240にて受光信号を予め求めておいた閾値と比較し、大きさを検出していた。また、走査部210への走査信号と受光信号との同期をとることで、検査対象物の異物の位置を確認できた。
【0005】
また、検出した異物の成分や形状を知りたい場合には、検査した検査対象物のデータを、ハードディスクなどの補助記憶装置に保存し、入出力インターフェース(RS−232C規格など)を介した転送により、成分分析装置や電子顕微鏡に取り込み分析・観察を行っていた。
【0006】
次に、異物を分析する従来の方法としては、異物を気相状態にし各成分を分離し、質量分析により成分の検出を行うガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MSと略す)、検査対象物に単色のX線束を照射した際に放出される光電子エネルギーの測定で異物を分析するX線光電子分光法(XPSと略す)、赤外光を検査対象物に入射したときの内部全反射を利用して異物の成分を特定する減衰全反射法(ATRと略す)、赤外光を検査対象物に入射したときに得られる反射−吸収スペクトルより異物の成分を特定する反射吸収分光法(RASと略す)が用いられていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−243569号公報
【特許文献2】
特開2002−243652号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の異物検査装置では、検査対象物上の異物の位置と大きさしか検出できないため、異物の形状や成分を特定したい場合には別の分析装置が必要であった。検査工程も『異物の検査』→『データ転送』→『異物の分析』の流れとなり、多量の時間を費やした。
【0009】
更に、異物検査装置と、分析装置では、装着した検査対象物に設定する座標系が一致しないため、データ転送後に座標変換する必要があった。異物検査装置の分解能が通常数百平方μm程度であるのに対し、分析装置の分解能は通常一平方μm以下であった。そこで、座標変換後でも更に抽出された数百平方μmの走査点の中から、分析装置で所望の異物(1μm以下の微粒子の場合もある)を捜し出さなければならず、困難極まる作業であった。
【0010】
上記従来のGC/MS分析方法では検査対象物の加熱が必要であり、XPS分析方法では真空中で測定する必要があった。その上これらの分析方法は、検査対象物を適当な大きさに切り出す必要があり、実際の製造工程においての検査対象物を分析することは困難であった。
【0011】
また、ATR分析方法では、プリズム状に加工された検査対象物やGeプリズムを検査対象物に密着される必要があるため、製造工程でのその場観察(in−situ)には適していなかった。RAS分析方法でも、金属表面上の微量な化学種のその場観察は可能だが、検査対象物上の微量な有機物の検出は困難であった。
【0012】
また、本出願人は、異物の検出と成分を同定できない問題点解決に向けて、既に特開2002−243652号公報で提案している。それは、従来例と同様の異物検査装置により位置と大きさを検出した異物に対してレーザ光を照射し、異物より発生されるラマン散乱光(固体・液体・気体及びその混合物の分子振動スペクトル測定法として知られていて、物質の存在状態の評価に用いられる)を分光分析することによって異物を特定していた内容であった。しかし、異物の位置と大きさを決める散乱光に比べ、成分分析するラマン散乱光は6桁ほど光量が小さい。このため、異物の検出と成分分析を同期的に行えるのは、異物のごく一部であり、成分分析の精度向上が必要であり、今回の発明するに至った。
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑み、検査対象物上の異物の位置と大きさを検出すると同時に、異物の形状や成分を特定できる異物検査分析方法および装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の異物検査分析方法は、検査対象物の検査面上の異物を検出する工程と、前記異物を分析する工程とを備え、前記検査対象物の検査面上の異物を検出する工程は、前記検査対象物の検査面に光を照射し、前記照射した光により発生する検査面上の異物の散乱光を検出し、前記検出した散乱光から前記検査面上の異物の座標位置を特定する工程で成り、一方、前記異物を分析する工程は、前記特定した異物の座標位置または近傍位置に光を照射し、前記検査対象物の検査面の反対側に配置されているミラーからの反射光を検出し、前記散乱光の強度と前記反射光のスペクトル情報との関係から前記検査面上の異物を分析することを特徴としている。
【0015】
本発明の異物検査分析装置は、検査対象物を移動させる移動部と、前記検査対象物の検査面に光を照射する照射部と、前記検査対象物の検査面の反対側と前記移動部との間に配置されているミラーと、前記検査対象物の上方に配設されて前記検査面上の異物の散乱光を受光する散乱光受光部と、前記散乱光と閾値との比較で異物の大きさを検出する第1の信号処理部と、前記検査対象物の上方に配設されて前記ミラーにより反射された反射光を受光する反射光受光部と、前記反射光を分光して前記異物の成分を特定する第2の信号処理部とを備えている。
【0016】
上述した光の性質を利用して、前記散乱光受光部により散乱光を受光し、第1の検査信号の示すピーク値により異物の存在を検出でき、且つそのピークの大きさにより異物の大きさを測定することができる。
【0017】
また、前記反射光受光部では、反射光を受光して第2の検査信号を得る。そして、前記第1の検査信号で異物が検出された場合、これと同期的に前記第2の検査信号をスペクトル分析することで当該異物の成分を特定することができる。前述のラマン散乱光よりも圧倒的に光量の大きい反射光を分光するので、検査対象物上の微量化学種をその場観察によって定性的且つ定量的に分析することができる。
【0018】
すなわち、異物の検査と成分分析とを同じ条件で行うことにより、座標変換や分解能の差に因る問題点を解消し、検査時間を短縮させ、異物検査分析方法および装置を提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の実施の形態を示し、図3に本実施形態による赤外吸収スペクトルの分光曲線の例を示す。
【0020】
図1は、本発明の異物検査分析装置の構成概要である。赤外光源1から出射された光線は収束レンズ2を経て検査対象物である基板3の表面へ斜め方向から10μm程度の直径で照射される。基板3はX−Yステージ4上にあり、0.1μmの精度で位置決めが可能である。
【0021】
基板3の上方には検出光学系が配設されており、散乱光は集光レンズ5および散乱光を検出するための検出部6へ導かれる。検出部6の出力は、コンピュータなどを有する制御部7に接続され、結果がモニターテレビ8で表示されるようになっている。
【0022】
また、入射光の反射方向には検出器9が設けられており、反射された赤外光を検出できる。反射された赤外光はレンズ10で集光されたのち分光器9aへ導かれ、後段の信号検出器9bで検出されたスペクトル出力は制御部7に接続され、結果がモニターテレビ8で表示される。
【0023】
また、X−Yステージ4は制御部7によって制御される。基板3裏面とX−Yステージ4の間には、例えば金ミラーよりなる赤外線反射率がほぼ100%のミラー11が配置されている。
【0024】
まず、基板3からの散乱光を検出して異物の座標位置を特定する。X−Yステージ4は、先にX座標を固定し基板3をY方向移動し、散乱光が強く生成されるY座標位置を検出する。同様にしてX座標を移動して他の値に固定し、基板3をY方向移動し、散乱光が検出されるY座標位置を検出する。これによって、異物の存在する座標位置が特定され、この座標位置は制御部7で記憶される。
【0025】
散乱強度が強いことは異物の断面積が大きいことであり、散乱強度が強いほど異物は大きいことがわかる。したがって、散乱強度を知ることで、異物の大きさの目安がわかることになる。そこで異物の座標位置だけでなく散乱強度を測定しておく。
【0026】
次に赤外吸収分光が行う。異物の存在する座標位置にX−Yステージ4を移動し、赤外光源1から出射された光線は収束レンズ2を経て、検査対象物である基板3の表面へ斜め方向から10μm程度の直径で照射される。このとき基板3の表面に有機物などの化学種がある場合には、その化学種特有の赤外吸収が生じる。
【0027】
基板3裏面に達した赤外光は、ミラー11により反射されて再び基板3内部を透過し、表面より出射される。裏面より出射された赤外光は検出器9により検出され、この赤外光をフーリエ変換して赤外吸収分光(FT−IRと略す)する。なお、FT−IR測定は、予め測定しておいたリファレンス基板の結果とサンプル基板の測定結果とを比較し、リファレンス基板に対するサンプル基板の反射率変化から赤外吸収スペクトルの分光曲線を得る(図3)。
【0028】
そして、制御コンピュータ内部の既知物質の分光曲線データベースの中で、検出した赤外吸収分光曲線と形状が近似する物質を選定し、発塵源を特定することができる(表1参照)。例えば、異物の成分が人体タンパクである場合には、皮膚片や毛髪が異物として混入したと特定できる。
【0029】
【表1】
【0030】
以上の本実施例によれば、散乱光検出と吸収分光とを組み合わせて用いることにより、散乱光検出により予め異物の座標位置(x、y)を特定し、効率的に赤外吸収分光を行うことができる。また、1台の装置で異物の位置測定と成分分析が行えるようになり、異物の検出から成分分析までの時間が大幅に短縮できる。
【0031】
また、基板3をX−Yステージ4上に載置して走査するとしたが、照射光や検出光学系を基板3に対し走査することも可能である。
【0032】
これ以外にも、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施し得るものである。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明の異物検査分析方法によれば、上記した構成によって、赤外吸収分光を用いることにより、基板上の微量化学種をその場観察によって定性的且つ定量的に分析することができる。したがって、半導体基板や液晶基板などの製造技術分野において大きな工業的効果が得られる。
【0034】
また、本発明の異物検査分析装置は、上記した構成によって、装置の複雑化が避けられ、検査時間が短縮して処理効率が向上した高精度な異物検査分析が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板の異物検査分析装置の構成概要図
【図2】従来例の異物検査装置の構成概要図
【図3】赤外吸収スペクトルの分光曲線を示す図
【符号の説明】
1 赤外光源
2 収束レンズ
3 基板
4 X−Yステージ
5 散乱光集光レンズ
6 散乱光検出部
7 制御部
8 モニターテレビ
9 検出器
9a 分光器
9b 信号検出部(赤外吸収スペクトル検出部)
10 反射光集光レンズ
11 赤外光反射ミラー
Claims (3)
- 検査対象物の検査面上の異物を検出する工程と、前記異物を分析する工程とを備え、
前記検査対象物の検査面上の異物を検出する工程は、
前記検査対象物の検査面に光を照射し、前記照射した光により発生する検査面上の異物の散乱光を検出し、前記検出した散乱光から前記検査面上の
異物の座標位置を特定する工程から成り、
次に、前記異物を分析する工程は、
前記特定した異物の座標位置または近傍位置に光を照射し、前記検査対象物の検査面の反対側に配置されているミラーからの反射光を検出し、前記散乱光の強度と前記反射光のスペクトル情報との関係から前記検査面上の異物を分析する工程から成ることを特徴とする異物検査分析方法。 - 反射光のスペクトル情報は、光の分光曲線であり、光の波長における吸光度で異物の物質を特定できることを特徴とする請求項1記載の異物検査分析方法。
- 検査対象物を移動させる移動部と、前記検査対象物の検査面に光を照射する照射部と、前記検査対象物の検査面の反対側と前記移動部との間に配置されているミラーと、前記検査対象物の上方に配設されて前記検査面上の異物の散乱光を受光する散乱光受光部と、前記散乱光と閾値との比較で異物の大きさを検出する第1の信号処理部と、前記検査対象物の上方に配設されて前記ミラーにより反射された反射光を受光する反射光受光部と、前記反射光を分光して前記異物の成分を特定する第2の信号処理部とを備えた異物検査分析装置。
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JP2002345488A JP2004177320A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 異物検査分析方法および装置 |
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2002
- 2002-11-28 JP JP2002345488A patent/JP2004177320A/ja active Pending
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