JP2004177097A - 流体吐出方向制御装置 - Google Patents

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JP2004177097A JP2002382794A JP2002382794A JP2004177097A JP 2004177097 A JP2004177097 A JP 2004177097A JP 2002382794 A JP2002382794 A JP 2002382794A JP 2002382794 A JP2002382794 A JP 2002382794A JP 2004177097 A JP2004177097 A JP 2004177097A
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Abstract

【課題】スペースをほとんど必要としないで、構造が単純で安価にでき操作も容易なのに、流体の吐出方向をマルチ方向に明確に変換できる流体吐出方向制御装置を提供する。
【解決手段】箱体2上にスライド可能に3枚以上の板3を重ね合わせて複層体4を形成し、この複層体4の各板3面にほぼ同径の小孔5を開けて吐出孔6を構成し、この吐出孔6は複層体4の各板3をスライドさせて各小孔5を任意にずらし、吐出孔6からの流体7の吐出方向を任意に変えることを可能とし、複層体4の一面4A側から反対面4B側に向けて吐出孔6に流体7を通すと、順次存在する一端部側段差により次々に塞ぎ押して方向を変換し、一方、順次存在する反対端部側段差により次々に安定した渦14を発生させ、流体7がこれらの反対端部側段差から引き剥がされるのを押さえ、逆に引き込まれて方向を変換して、これら2つの方向変換の相乗効果によって、流体7の吐出方向を任意に変えることで、上記課題を達成する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体清浄機器や流体調和機器などに使用される流体吐出方向制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の流体吐出方向制御装置、例えば、エアーカーテンの吹出方向の制御装置では、パイプの周壁にマルチ方向変換可能なノズルを所定間隔で多数取り付け、これらのノズルを希望する吹出方向に向けるものが知られている。また、図18、19に示すように、風洞a中に、水平方向にエアーの向きを変えることができる一群の羽根bを取り付けてなる水平方向制御器c、並びに垂直方向にエアーの向きを変えることができる一群の羽根dを取り付けてなる垂直方向制御器eを前後して取り付け、これらの水平方向制御器c並びに垂直方向制御器eを操作して希望する吹出方向にエアーを向けるものも知られている。
【0003】
更に、簡易的な流体吐出方向制御装置としては、パイプの周壁に方向変換できないノズルを所定間隔で多数取り付け、パイプ自体を正逆回転させて希望する吹出方向にエアーを向けるものがある。ただし、これはノズルの吹出方向をパイプの回転方向に変換はできても、軸方向の変換はできない。また、上記の後者の例で風洞a中にスペースが十分でない場合に、風洞a中に水平方向制御器c並びに垂直方向制御器eのいずれか一方を設置して、設置した方向制御器cまたはeを操作し水平方向または垂直方向における希望する吹出方向に向けるものも知られている。
【0004】
また、本出願人は、図20、21に示すように、肉、魚介類、野菜などの焼物器fにおいて、加熱部の上方に位置したこれら食材の焼き部gの囲いhに、2つの小孔i、jをずらして重ね合わせてなるエアー吹出孔kを複数設け、これらエアー吹出孔kのエアーlの吹出方向は、同一回転方向の旋回気流mを生じさせるように、焼き部gの軸心部に対して一定方向に片寄らせて、旋回気流mを生じさせたものを、すでに出願している(特願2001−268045号、2001年8月1日出願)。すなわち、このエアー吹出孔kは、囲いhの一部をスライド可能な2枚重ねの板n、oにて構成し、2枚の板n、oに小孔i、jを開け、これら2枚の板n、oをスライドして各板n、oの各小孔i、jをずらすようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
パイプの周壁にマルチ方向変換可能な多数のノズルを取り付けたものは、流体吐出方向を自在に変えることができ都合がよいが、多数のノズル毎に方向を変換しなければならず厄介であり、高価なノズルが多数必要になり、しかもパイプの周壁に多数のノズルを取り付けるのも煩わしく、コストアップの要因となる。更に、方向変換できないノズルを取り付けたものは、コストアップの要因を除去できるが、ノズルの吹出方向をパイプの回転方向に変換することができても、軸方向に変換することはできない。
【0006】
また、図18、19の風洞a中に水平方向制御器c並びに垂直方向制御器eを前後して取り付けたものは、両方向制御器c、eを操作するだけで、流体吐出方向を自在に変えることができ都合がよいが、両方向制御機器c、eがともに多数の羽根b、dを有し複雑な構造となりスペースをとり、その結果風洞aが大きくなって、場所的に制限がある場合では採用できず、加えてコストアップの要因となる。更に、水平方向制御器c並びに垂直方向制御器eのいずれかを設置し、風洞aのスペースを狭くしたものは、設置した方向制御器cまたはeの方向のみしか変換できない。
【0007】
また、図20、21の本出願人による出願中のものは、エアー吹出孔kの小孔i、jを開けた2枚の板n、oをスライドして、各板n、oの小孔i、jを焼き部gの軸心部に対して一定方向に片寄らせるようにずらすことで、エアー吹出孔kからのエアーlの吹出方向を同一回転方向とし、旋回気流mを生じさせることができる。しかしながら、2枚の板n、oをスライドして各小孔i、jをずらすだけでは、旋回気流mを生じさせることができても、エアー吹出孔kからのエアーlの吹出方向を明確に変換することは困難である。すなわち、2枚の板n、oをスライドして各小孔i、jをずらし、その結果得られるエアー吹出孔kからのエアーlの吹出方向の変換は、板n、oの厚みや小孔i、jの径により多少変わるが、角度にして10ないし15度程度である。したがって、旋回気流mを生じさせ得るがエアーlの吹出方向を明確に変換するまでには到っていない。
【0008】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、スペースをほとんど必要とせず、しかも構造が単純で安価にでき操作も容易であるのに、流体の吐出方向をマルチ方向に明確に変換することができる流体吐出方向制御装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、スライド可能に3枚以上の板を重ね合わせて複層体を形成し、該複層体の各板面にほぼ同径の小孔を開けて吐出孔を構成し、該吐出孔は前記各板をスライドさせて前記各小孔を任意にずらし前記吐出孔からの流体の吐出方向を任意に変えることを可能とし、前記複層体の一面側から反対面側に向けて前記吐出孔に流体を通すことで、流体の吐出方向を任意に変え得るようにしたことを特徴とする。したがって、この特徴によれば、複層体の一面側から反対面側に向けて、その流体の吐出方向を任意に変えた吐出孔に流体を通すと、吐出孔を構成する各小孔の一端部は段差を形成しつつすぼまり、その反対端部は段差を形成しつつ広がっているから、吐出孔を通過する流体を順次存在する一端部側段差により次々に塞ぎ押して方向を変換し、一方、順次存在する反対端部側段差により次々に安定した渦を発生させ、流体がこれらの反対端部側段差から引き剥がされるのを押さえ、逆に引き込まれて方向を変換して、これら2つの方向変換の相乗効果によって、流体の吐出方向を任意に変え得る。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記3枚以上の板のうち少なくとも1枚の板は、流体入口を有した空間区画体であることを特徴とする。したがって、この特徴によれば、各小孔を任意方向にずらし吐出孔の吐出方向を任意に変えて、流体入口から流体を空間区画体内に送り込むことで、吐出孔から流体を任意方向に吐出する。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記小孔の孔径(R)と複層体を構成する3枚以上の各板の板厚(t)との比(R/t)は1〜12であることを特徴とする。したがって、この特徴によれば、孔径(R)と板厚(t)との比(R/t)が1〜12の範囲であると、一面側の板の小孔を通過する流体を、小孔の径に対して一定範囲の板厚を持ち且つ順次存在する一端部側段差により、次々に塞ぎ押して方向を確実に変換し、一方、同じく小孔の径に対して一定範囲の板厚を持ち且つ順次存在する反対端部側段差に次々に安定した渦を発生させ、流体がこれらの反対端部側段差から引き剥がされるのを押さえ、逆に引き込まれて方向を確実に変換して、これら2つの方向変換の相乗効果によって、流体の吐出方向を任意に確実に変え得る。
【0012】
請求項4記載の発明は、前記空間区画体は鉄製であり、前記板は磁性体であることを特徴とする。したがって、この特徴によれば、鉄製の空間空間区画体に磁性体の板を貼り変えることにより、空間空間区画体及び板の各小孔をずらせる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜17に基づいて詳述する。
図1は本発明の実施の形態である流体吐出方向制御装置の斜視図、図2はこの流体吐出方向制御装置の断面図、図3、4は流体吐出方向制御装置の使用状態を示す断面図、図5は流体吐出方向制御装置の制御機構を説明する断面図、図6〜8は流体吐出方向制御装置の使用状態の板の動きを示す平面図である。図面において、この流体吐出方向制御装置1は、箱体2上にスライド可能に3枚以上の板3を重ね合わせて複層体4を形成し、この複層体4の各板3面にほぼ同径の小孔5を開けて吐出孔6を構成し、この吐出孔6は複層体4の各板3をスライドさせて各小孔5を任意にずらし、吐出孔6からの流体7の吐出方向を任意に変えることを可能とし、複層体4の一面4A側から反対面4B側に向けて吐出孔6に流体7を通すことで、流体7の吐出方向を任意に変え得るようにしたものである。
【0014】
前記箱体2は、直方体をなし、その一側面2aに流体入口10が取り付けられ、箱体2上にスライド可能に3枚以上、この実施の形態では3枚の板3、すなわち、各板3の区別をつけるため上から順次板3a、3b、3cと命名し、これらが互いにスライド可能に重ね合わせられ、離脱不可となって前記複層体4を形成している。その内の一番下の板3cは、箱体2の上面板を兼ねているから、空間区画体11が形成されていることになる。したがって、この複層体4は、空間区画体11の板3c上に板3b、3aが重ね合わせられ、互いにスライド可能であるが離脱不可となっている。
【0015】
前記複層体4の板3は、上述のとおり、スライド可能に3枚以上あればよく、板3の枚数が多い方がより確実に流体吐出方向を制御できるが、装置的に複雑となり構造が簡単であるというメリットが減殺されてしまうから、現実的には5〜6枚程度が限界であると想定される。ここでは、3枚の板3a、3b、3cを重ね合わせて複層体4を形成し、これら板3a、3b、3cに、それぞれほぼ同形で真円の小孔5a、5b、5cが開けられ、全体として吐出孔6が構成されたものについて説明する。そして、これらの板3a、3b、3cは、互いに密封状態を保持して、少なくとも各小孔5a、5b、5cの開口の範囲内でスライド自在であれば、特に板の形状、材質などの限定がない。なお、この密封状態は、無論厳密であることが望ましいが、それにこだわらなくてもよく、多少の流体7の漏れは許容され、すなわち、流体入口10から入った流体7が100%前記吐出孔6から出なくても、多少の漏れがあり、例えば、98%も出れば良いという程度である。
【0016】
前記吐出孔6は、図2に示す状態が流体吐出方向を制御する前の状態を示すものであり、図3に示すように、複層体4の各板3a、3b、3cをほぼ同方向、ほぼ同距離ずらすだけでよい(1〜2割程度のぶれは許容される。)この状態で流体入口10から空間区画体11となっている箱体2内に流体7を供給すれば、流体7は吐出孔6からα1の角度で吐出する。図4に示すように、更に複層体4の各板3a、3b、3cをほぼ同方向、同距離にずらせば、流体7は吐出孔6から更に鋭角のα2の角度で吐出することになる。この吐出孔6を3以上の小孔5により構成すると、2つの小孔5にて構成した場合よりも、大きく吐出方向を変えることができる機構については明確ではないが、次のように想定できる。
【0017】
すなわち、複層体4の各板3a、3b、3cをほぼ同方向、同距離にずらすと、吐出孔6を構成する各小孔5a、5b、5cの一端部は、図5に示すように、段差12、12を形成しつつすぼまり、その反対端部は段差13、13を形成しつつ広がっているから、吐出孔6を通過する流体7を順次存在する一端部側段差12、12により次々に塞ぎ押して方向を変換し、一方、順次存在する反対端部側段差13、13により次々に安定した渦14、14を発生させ、流体7がこれらの反対端部側段差13、13から引き剥がされるのを押さえ、逆に渦14、14により引き込まれて方向を変換して、これら一端部側段差12及びこの反対端部側段差13に起きている2つの方向変換の相乗効果によって、流体7の吐出方向を任意に且つ大きく変えることができるものと、想定される。
【0018】
上記のような想定から、吐出孔6における小孔5の孔径と各板3の板厚との比が重要となる。孔径に対して板厚が極端に薄かったり、板厚に対して孔径が極端に大きかったりすると、その境界に一端部側段差12及び反対端部側段差13を形成しつつ、吐出孔6を次々に塞ぎ及び次々に安定した渦14、14を発生させることにならず、このような形状の吐出孔6では流体7の吐出方向を任意に且つ大きく変えることができない。したがって、小孔5の孔径と各板3の板厚との比について種々の実験を行った結果、吐出孔6における小孔5の孔径(R)と各板3の板厚(t)との比(R/t)は、1〜12の範囲であり、より好ましくは3〜8の範囲である。仮に、板厚(t)が1mmであると孔径(R)は1mm〜12mmの範囲となり、より好ましくは2mm〜8mmの範囲である。
【0019】
この比(R/t)が1未満ものは、小孔5をずらして一端部側段差12及び反対端部側段差13を形成すると、吐出孔6を塞ぎ過ぎることになり、圧力損失が大きくなりすぎる。逆に比(R/t)が12を越えるものは、一端部側段差12及反対端部側段差13を形成しつつ、吐出孔6を次々に塞ぎ及び次々に安定した渦14、14を発生させることが困難となる。なお、吐出孔6を構成する各小孔5a、5b、5cの形状は、この実施形態では真円であるが、他の形状、楕円、長円、三角、四角、それ以上の多角でもよい。また、各板3の板厚(t)は同じであるのがよいが、多少の差、例えば、2〜3割ぐらいの差があっても差し支えない。
【0020】
図6は複層体4の各板3a、3b、3cをほぼ時計の9時方向、同距離にずらして、各小孔5a、5b、5cを9時方向にずらし吐出孔6からの流体の吐出方向を9時方向にした場合を示す。図7は複層体4の各板3a、3b、3cをほぼ時計の12時方向、同距離にずらして、各小孔5a、5b、5cを12時方向にずらし吐出孔6からの流体の吐出方向を12時方向にした場合を示す。図8は複層体4の各板3a、3b、3cをほぼ時計の7時30分方向、同距離にずらして、各小孔5a、5b、5cを7時30分方向にずらし吐出孔6からの流体の吐出方向を7時30分方向にした場合を示す。
【0021】
図9は本発明の他の実施の形態である流体吐出方向制御装置を示すもので、この流体吐出方向制御装置1aと図1〜8の実施形態との相違点は、板3a及び3bを箱体2a内に収納し、それを支持板20にて支持して、更に板3a及び3bが支持板20上をスライドしても、流体7の通路を確保するために支持板20に開口21を開けている点にある。その他の構成、作用は図1〜8の実施形態と同様なので、図面に符号を付してその説明を省略する。
【0022】
図10〜13は本発明の他の実施の形態である流体吐出方向制御装置を示すもので、この流体吐出方向制御装置1bと図1〜8の実施形態との相違点は、箱体2に相当する有底円筒体22内に板3bに相当する円筒体23bを軸方向にスライド自在且つスライド回転自在に嵌挿し、更に、円筒体23b内に板3aに相当する円筒体23aを軸方向にスライド自在且つ回転方向にスライド自在に嵌挿して、これらの有底円筒体22の側壁24、円筒体23b及び円筒体23aに順次同径の小孔5c、5b及び5aを開けて吐出孔6を構成する点にある。すなわち、有底円筒体22の側壁24は、図1〜8の実施形態の板3cに相当するから、円筒体23a、円筒体23b及び側壁24にて複層体4aを形成することになる。
【0023】
したがって、図10及び11の吐出方向を制御していない状態から、図12に示すように軸方向にスライドさせて小孔5c、5b及び5aを軸方向にずらし、更に、図13に示すように回転方向にスライドさせて小孔5c、5b及び5aを回転方向にずらせば、前記吐出孔6の吐出方向をマルチ方向に自在に変えることができる。なお、この流体吐出方向制御装置1bに対する流体7の供給は、円筒体23aの外部開口25からでも、また、この外部開口25を塞ぎ、有底円筒体22の底板26に流体入口10を設けて、この流体入口10からでも良い。この場合、箱体2に相当する有底円筒体22に流体入口10を設けているから、空間区画体11aを構成することになる。その他の構成、作用は図1〜8の実施形態と同様なので、図面に符号を付してその説明を省略する。
【0024】
図14は本発明の他の実施の形態である流体吐出方向制御装置を示すもので、この流体吐出方向制御装置1cと図1〜8の実施形態との相違点は、箱体2の上面板が板3cを兼ね且つ流体入口10を有してなる空間区画体30が鉄製であり、この鉄製空間区画体30の小孔5c開きの板3c上に、小孔5b開きの磁性体の小板31をはり付け、更に、この磁性体の小板31上に小孔5a開きの磁性体の小板32をはり付けている点にある。したがって、鉄製空間区画体30の板3cに磁性体の小板31及び32を任意にはり変えてずらして、小孔5cに対して小孔5b、5aを任意にずらすことができ、吐出孔6からの流体7の吐出方向を任意に変えることができる。その他の構成、作用は図1〜8の実施形態と同様なので、図面に符号を付してその説明を省略する。
【0025】
図15は本発明の実施の形態である流体吐出方向制御装置を利用した流体分散機を示すものである。この流体分散機40は、底板41に小孔5cを開けた前記箱体2に相当する円筒状ハウジング42と、この円筒状ハウジング42の底板41内面にスライドし小孔5bを開け且つ回転軸43を取り付けた下部円盤体44と、この下部円盤体44の上面にスライドし小孔5aを開け且つ回転軸43を通すことのできる円筒軸45を取り付けた上部円盤体46とからなる。すなわち、上部円盤体46、下部円盤体44及び底板41で複層体4bを構成し、これらに開けられた小孔5a、5b及び5cで吐出孔6を構成して、更に、円筒状ハウジング42に流体入口10が取り付けられて空間区画体47をなすから、あたかも流体吐出方向制御装置が前記流体分散機40に組み込まれた状態となる。したがって、流体入口10から流体7を送り込み、上部円盤体46と下部円盤体44とを回転速度を変えてやれば、上部円盤体46の小孔5a、下部円盤体44の小孔5b及び底板41の小孔5cがずれて、これらの小孔5a、5b及び5cで構成する吐出孔6からの流体7の吐出方向は次々とマルチ方向に変わり、流体7を分散することになる。この流体分散機40は、なるべく流体7、例えば、冷気や暖気を部屋の多方向に吐出して均質化を図りたいような場合に利用できる。
【0026】
図16、17は本発明の実施の形態である流体吐出方向制御装置を利用した焼物器50を示すものである。この焼物器50は、加熱部の上方に位置した肉、魚介類、野菜などの食材の焼き部51の囲い52に、3つの小孔5a、5b、5cをずらして重ね合わせてなるエアーの吐出孔6を所定間隔で複数設け、これらエアーの吐出孔6のエアー7aの吹出方向は、同一回転方向の旋回気流53を生じさせるように、焼き部51の軸心部に対して一定方向に片寄らせて、旋回気流53を生じさせるものである。すなわち、このエアーの吐出孔6は、囲い52の一部をスライド可能な3枚重ねの板54、55、56にて構成し、3枚の板54、55、56に小孔5a、5b、5cを開け、これら3枚の板54、55、56をスライドして各小孔5a、5b、5cをずらすようにしたものである。したがって、3枚重ねの板54、55、56で複層体4cを構成し、これらに開けられた小孔5a、5b及び5cで吐出孔6を構成して、更に、囲い52からエアー7aを吹き出すものであるから最内の板56は空間を区画する一部をなし、これには当然流体入口10を取り付けるから空間区画体を構成し、あたかも流体吐出方向制御装置が前記焼物器50に組み込まれた状態となっている。
【0027】
このように流体吐出方向制御装置を組み込んだ焼物器50は、複層体4の各板3a、3b、3cをほぼ同方向、同距離にずらすと、吐出孔6を構成する各小孔5a、5b、5cの一端部は、図17に示すように、段差12、12を形成しつつすぼまり、その反対端部は段差13、13を形成しつつ広がっているから、吐出孔6を通過するエアー7aを順次存在する一端部側段差12、12により次々に塞ぎ押して方向を変換し、一方、順次存在する反対端部側段差13、13により次々に安定した渦14、14を発生させ、これら渦14、14がエアー7aをこれらの反対端部側段差13、13から引き剥がされるのを押さえ、逆に渦14、14により引き込まれて方向を変換して、これら一端部側段差12及びこの反対端部側段差13に起きている2つの方向変換の相乗効果によって、エアー7aの吐出方向を任意に且つ大きく変える。このエアーの吐出孔6は、所定間隔で複数設けてあり、これら吐出孔6のエアー7aの吹出方向は、同一回転方向の旋回気流53を生じさせるように、焼き部51の軸心部に対して一定方向に片寄らせているから、旋回気流53を生じさせる。
【0028】
そして、焼物器50の上方にはフードが設けられファンにより吸引するから、旋回気流53は収束されて竜巻を形成し、この竜巻の有する渦収束性により、焼き部51上の食材からの煙を巻き込み外部に漏らさず、且つファンによりエアー7aの吐出速度を調整すれば、すなわち、焼き部51からのエアーの上昇速度より早い吐出速度とすれば、食材からの煙を食材上に漂わせ、いわゆる燻し効果を発現することも可能となる。
【0029】
以上、本発明を主に気体についての実施形態にて説明したが、液体にも適用できることは言うまでもない。さらに、具体的な構成は上記の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内での変更、追加は本発明の範囲内である。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、以下のような効果がある。
請求項1の発明の流体吐出方向制御装置は、複層体の一面側から反対面側に向けて、その流体の吐出方向を任意に変えた吐出孔に流体を通すと、吐出孔を構成する各小孔の一端部は段差を形成しつつすぼまり、その反対端部は段差を形成しつつ広がっているから、吐出孔を通過する流体を順次存在する一端部側段差により次々に塞ぎ押して方向を変換し、一方、順次存在する反対端部側段差により次々に安定した渦を発生させ、流体がこれらの反対端部側段差から引き剥がされるのを押さえ、逆に引き込まれて方向を変換して、これら2つの方向変換の相乗効果によって、流体の吐出方向を任意に変え得る。したがって、3枚以上の板を重ね合わせ小孔を開けたものであるからスペースをほとんど必要とせず、しかも構造が単純であるから安価にでき、操作も3枚以上の板をずらすだけであるから容易であるのに、流体の吐出方向をマルチ方向に明確に変換することができる効果がある。
【0031】
請求項2の発明の流体吐出方向制御装置は、小孔を任意方向にずらし吐出孔の吐出方向を任意に変えて、流体入口から流体を空間区画体内に送り込むことで、吐出孔から流体を任意方向に吐出する。したがって、上記効果に加えて、流体入口から流体を空間区画体内に送り込めば、吐出孔から流体を任意方向に吐出できる。
【0032】
請求項3の発明の流体吐出方向制御装置は、孔径(R)と板厚(t)との比(R/t)が1〜12の範囲であると、一面側の板の小孔を通過する流体を、小孔の径に対して一定範囲の板厚を持ち且つ順次存在する一端部側段差により、次々に塞ぎ押して方向を確実に変換し、一方、同じく小孔の径に対して一定範囲の板厚を持ち且つ順次存在する反対端部側段差に次々に安定した渦を発生させ、流体がこれらの反対端部側段差から引き剥がされるのを押さえ、逆に引き込まれて方向を確実に変換して、これら2つの方向変換の相乗効果によって、流体の吐出方向を任意に確実に変え得る。したがって、上記効果をより顕著にする。
【0033】
請求項4の発明の流体吐出方向制御装置は、鉄製の空間空間区画体に磁性体の板を貼り変えることにより、空間空間区画体及び板の各小孔をずらせる。したがって、上記効果に加えて、吐出孔から流体の吐出方向の変換を簡易的に且つ極めて容易にできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である流体吐出方向制御装置の斜視図。
【図2】この流体吐出方向制御装置の断面図。
【図3】流体吐出方向制御装置の使用状態を示す断面図。
【図4】流体吐出方向制御装置の使用状態を示す断面図。
【図5】流体吐出方向制御装置の制御機構を説明する断面図。
【図6】流体吐出方向制御装置の使用状態の板の動きを示す平面図。
【図7】流体吐出方向制御装置の使用状態の板の動きを示す平面図。
【図8】流体吐出方向制御装置の使用状態の板の動きを示す平面図。
【図9】本発明の他の実施の形態である流体吐出方向制御装置の斜視図。
【図10】本発明の他の実施の形態である流体吐出方向制御装置の縦断面図。
【図11】本発明の他の実施の形態である流体吐出方向制御装置の横断面図。
【図12】図10の流体吐出方向制御装置の使用状態を示す縦断面図。
【図13】図11の流体吐出方向制御装置の使用状態を示す横断面図。
【図14】本発明の他の実施の形態である流体吐出方向制御装置の断面図。
【図15】本発明の実施の形態である流体吐出方向制御装置を組み込んだ流体分散機の断面図。
【図16】本発明の実施の形態である流体吐出方向制御装置を組み込んだ焼物器の平面図。
【図17】本発明の実施の形態である流体吐出方向制御装置を組み込んだ焼物器の要部の断面図。
【図18】従来例を示す横断面図。
【図19】従来例を示す縦断面図。
【図20】従来例を示す平面図。
【図21】従来例を示す要部の断面図。
【符号の説明】
1、1a 流体吐出方向制御装置
2、2a 箱体
3、3a、3b、3c、54、55、56、n、o 板
4、4a、4b、4c 複層体
4A 一面
4B 反対面
5、5a、5b、5c、i、j 小孔
6 吐出孔
7 流体
7a、l エアー
10 流体入口
11、11a、47 空間区画体
12 一端部側段差
13 反対端部側段差
14 渦
20 支持板
21 開口
22 有底円筒体
23a、23b 円筒体
24 側壁
25 外部開口
26、41 底板
30 鉄製空間区画体
31、32 磁性体の小板
40 流体分散機
42 円筒状ハウジング
43 回転軸
44 下部円盤体
45 円筒軸
46 上部円盤体
50、f 焼物器
51、g 焼き部
52、h 囲い
53、m 旋回気流
a 風洞
b、d 羽根
c 水平方向制御器
e 垂直方向制御器

Claims (4)

  1. スライド可能に3枚以上の板を重ね合わせて複層体を形成し、該複層体の各板面にほぼ同径の小孔を開けて吐出孔を構成し、該吐出孔は前記各板をスライドさせて前記各小孔を任意にずらし前記吐出孔からの流体の吐出方向を任意に変えることを可能とし、前記複層体の一面側から反対面側に向けて前記吐出孔に流体を通すことで、流体の吐出方向を任意に変え得るようにしたことを特徴とする流体吐出方向制御装置。
  2. 前記3枚以上の板のうち少なくとも1枚の板は、流体入口を有した空間区画体であることを特徴とする請求項1記載の流体吐出方向制御装置。
  3. 前記小孔の孔径(R)と複層体を構成する3枚以上の各板の板厚(t)との比(R/t)は1〜12であることを特徴とする請求項1または2記載の流体吐出方向制御装置。
  4. 前記空間区画体は鉄製であり、前記板は磁性体であることを特徴とする請求項1、2または3記載の流体吐出方向制御装置。
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