JP2004176901A - ボルト - Google Patents
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Abstract
【課題】締結されたねじの接触面に潤滑油等の摩擦係数を低下させる溶剤の浸透等があっても緩みを防止することができる構成のねじを提供する
【解決手段】ボルト1の受圧ねじ面1aに粒径が10μm以下の硬質粒子2を付着させたので、ボルト1の締結後硬質粒子2によりめねじの受圧ねじ面に対し楔効果が発生して緩み止めが形成される。そのためボルトの緩みが防止される。
【選択図】 図1
【解決手段】ボルト1の受圧ねじ面1aに粒径が10μm以下の硬質粒子2を付着させたので、ボルト1の締結後硬質粒子2によりめねじの受圧ねじ面に対し楔効果が発生して緩み止めが形成される。そのためボルトの緩みが防止される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は締結用のボルトに関し、詳しくは、緩みを防止することができるボルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
締結したねじの緩み止め構造としては、受圧ねじ面に溝を形成し軸力分担部と回転防止部とを分離することによりボルトの緩みを防止する構造が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−37130号公報(第3頁
【0011】および
【図1】参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記文献1における構成においては、めねじ面との接触はねじ山の摩擦で成り立っているため、接触面に潤滑油等の摩擦係数を低下させる溶剤の浸透等があると緩みが生ずるおそれがある。そこで本発明は、締結されたねじの接触面に潤滑油等の摩擦係数を低下させる溶剤の浸透等があっても緩みを防止することができる構成のねじを提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題の解決を目的としてなされた請求項1の発明は、ボルトの軸面に形成されたねじ面の内、受圧ねじ面に粒径が10μm以下の硬質粒子を付着させたことを特徴とする。また、請求項2の発明は、前記硬質粒子が、WC、Cr3C2、B4C、TiC、ZrC、NbC等の炭化物およびAl2O3、TiO2等の酸化物の内の1種以上であることを特徴とする。また、請求項3の発明は、前記硬質粒子の付着割合が面積比で5〜40%であることを特徴とする。また、請求項4の発明は、前記硬質粒子を高速火炎溶射方法で付着させたことを特徴とする。
【0006】
【作用】
上述のように、請求項1ないし4の発明においては、硬質粒子がねじ締結後の受圧ねじ面に存在する場合、めねじの受圧ねじ面に対し、楔効果が発生し緩み止めが形成される。すなわち、締結力により硬質粒子がボルトおよびめねじの受圧面に変形しながら食い込むため楔の役目を果たして緩みが防止される。硬質粒子の大きさは10μmを超えるとねじ締結時に障害となるため10μm以下が望ましい。硬質粒子の付着量は面積割合で2%未満では緩み止め効果がなく、40%を超えるとねじ締結時に隙間が発生しやすいため、5〜40%が望ましい。硬質粒子の付着方法としては、受圧ねじ面にだけ硬質粒子を付着させる必要があるため、接着剤による付着もあるが受圧ねじ面に向けて一方向の吹き付けができることから溶射方法が望ましい。溶射方法としてはプラズマ溶射や高速火炎溶射方法があるが、ボルト自身に熱影響を与えず確実に項知る粒子を付着させるには高速火炎溶射方法が望ましい。高速火炎溶射方法は、2000〜3000℃の可燃性ガスの燃焼炎で、溶射粒子の飛行速度が400m/秒以上の条件で吹き付けるため、硬質粒子は確実に受圧ねじ面に付着する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の望ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1において、ボルト1に螺刻されたねじ山の上側、すなわち、斜線で示す受圧ねじ面1aには粒径が10μm以下の硬質粒子2が付着されている。この硬質粒子2は緩み止めの効果を有するものであれば何でもよいが、特に、WC、Cr3C2、B4C、TiC、ZrC、NbC等の炭化物およびAl2O3、TiO2等の酸化物の内の1種類以上により構成されるのが望ましい。また、硬質粒子2の付着量は、特に制限はないが面積比で2〜40%が効果的であることが実験的に確認されている。硬質粒子2の付着方法については、接着やプラズマ溶射などがあるが、受圧ねじ面1aだけに付着させる方が、使用する硬質粒子量および付着させるための工数等において経済的なので、高速火炎溶射方法が望ましい。図2は硬質粒子の粒径が3μmのWCを面積割合が10%になるように溶射した受圧ねじ面の面粗度の測定結果である。
【0008】
【発明の効果】
本発明は上述の、ように構成されているので以下の効果を奏する。すなわち、請求項1ないし3の発明においては、ボルトの受圧ねじ面に粒径が10μm以下の硬質粒子を付着させたので、ボルトの締結後硬質粒子によりめねじの受圧ねじ面に対し楔効果が発生して緩み止めが形成される。そのためボルトの緩みが防止される。また、請求項4の発明においては、硬質粒子を高速火炎溶射方法で付着させるようにしたので、ボルト自身に熱影響を与えず、受圧ねじ面だけに硬質粒子を付着させることが出来るため、製造工数がかからず経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の一実施形態に係るボルトの正面図である。
図1(b)はその受圧ねじ面の拡大斜視図である。
図1(c)はその断面A−Aの概念図である。
【図2】本発明に係るボルトの受圧ねじ面の面粗度測定結果である。
【符号の説明】
1 ボルト
1a 受圧ねじ面
2 硬質粒子
【発明の属する技術分野】
本発明は締結用のボルトに関し、詳しくは、緩みを防止することができるボルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
締結したねじの緩み止め構造としては、受圧ねじ面に溝を形成し軸力分担部と回転防止部とを分離することによりボルトの緩みを防止する構造が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−37130号公報(第3頁
【0011】および
【図1】参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記文献1における構成においては、めねじ面との接触はねじ山の摩擦で成り立っているため、接触面に潤滑油等の摩擦係数を低下させる溶剤の浸透等があると緩みが生ずるおそれがある。そこで本発明は、締結されたねじの接触面に潤滑油等の摩擦係数を低下させる溶剤の浸透等があっても緩みを防止することができる構成のねじを提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題の解決を目的としてなされた請求項1の発明は、ボルトの軸面に形成されたねじ面の内、受圧ねじ面に粒径が10μm以下の硬質粒子を付着させたことを特徴とする。また、請求項2の発明は、前記硬質粒子が、WC、Cr3C2、B4C、TiC、ZrC、NbC等の炭化物およびAl2O3、TiO2等の酸化物の内の1種以上であることを特徴とする。また、請求項3の発明は、前記硬質粒子の付着割合が面積比で5〜40%であることを特徴とする。また、請求項4の発明は、前記硬質粒子を高速火炎溶射方法で付着させたことを特徴とする。
【0006】
【作用】
上述のように、請求項1ないし4の発明においては、硬質粒子がねじ締結後の受圧ねじ面に存在する場合、めねじの受圧ねじ面に対し、楔効果が発生し緩み止めが形成される。すなわち、締結力により硬質粒子がボルトおよびめねじの受圧面に変形しながら食い込むため楔の役目を果たして緩みが防止される。硬質粒子の大きさは10μmを超えるとねじ締結時に障害となるため10μm以下が望ましい。硬質粒子の付着量は面積割合で2%未満では緩み止め効果がなく、40%を超えるとねじ締結時に隙間が発生しやすいため、5〜40%が望ましい。硬質粒子の付着方法としては、受圧ねじ面にだけ硬質粒子を付着させる必要があるため、接着剤による付着もあるが受圧ねじ面に向けて一方向の吹き付けができることから溶射方法が望ましい。溶射方法としてはプラズマ溶射や高速火炎溶射方法があるが、ボルト自身に熱影響を与えず確実に項知る粒子を付着させるには高速火炎溶射方法が望ましい。高速火炎溶射方法は、2000〜3000℃の可燃性ガスの燃焼炎で、溶射粒子の飛行速度が400m/秒以上の条件で吹き付けるため、硬質粒子は確実に受圧ねじ面に付着する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の望ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1において、ボルト1に螺刻されたねじ山の上側、すなわち、斜線で示す受圧ねじ面1aには粒径が10μm以下の硬質粒子2が付着されている。この硬質粒子2は緩み止めの効果を有するものであれば何でもよいが、特に、WC、Cr3C2、B4C、TiC、ZrC、NbC等の炭化物およびAl2O3、TiO2等の酸化物の内の1種類以上により構成されるのが望ましい。また、硬質粒子2の付着量は、特に制限はないが面積比で2〜40%が効果的であることが実験的に確認されている。硬質粒子2の付着方法については、接着やプラズマ溶射などがあるが、受圧ねじ面1aだけに付着させる方が、使用する硬質粒子量および付着させるための工数等において経済的なので、高速火炎溶射方法が望ましい。図2は硬質粒子の粒径が3μmのWCを面積割合が10%になるように溶射した受圧ねじ面の面粗度の測定結果である。
【0008】
【発明の効果】
本発明は上述の、ように構成されているので以下の効果を奏する。すなわち、請求項1ないし3の発明においては、ボルトの受圧ねじ面に粒径が10μm以下の硬質粒子を付着させたので、ボルトの締結後硬質粒子によりめねじの受圧ねじ面に対し楔効果が発生して緩み止めが形成される。そのためボルトの緩みが防止される。また、請求項4の発明においては、硬質粒子を高速火炎溶射方法で付着させるようにしたので、ボルト自身に熱影響を与えず、受圧ねじ面だけに硬質粒子を付着させることが出来るため、製造工数がかからず経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の一実施形態に係るボルトの正面図である。
図1(b)はその受圧ねじ面の拡大斜視図である。
図1(c)はその断面A−Aの概念図である。
【図2】本発明に係るボルトの受圧ねじ面の面粗度測定結果である。
【符号の説明】
1 ボルト
1a 受圧ねじ面
2 硬質粒子
Claims (4)
- ボルトの軸面に形成されたねじ面の内、受圧ねじ面に粒径が10μm以下の硬質粒子を付着させたことを特徴とするボルト。
- 前記硬質粒子が、WC、Cr3C2、B4C、TiC、ZrC、NbC等の炭化物およびAl2O3、TiO2等の酸化物の内の1種以上であることを特徴とする請求項1記載のボルト。
- 前記硬質粒子の付着割合が面積比で5〜40%であることを特徴とする請求項1または2記載のボルト。
- 前記硬質粒子を高速火炎溶射方法で付着させたことを特徴とする請求項1または2あるいは3記載のボルト。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002382703A JP2004176901A (ja) | 2002-11-26 | 2002-11-26 | ボルト |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002382703A JP2004176901A (ja) | 2002-11-26 | 2002-11-26 | ボルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004176901A true JP2004176901A (ja) | 2004-06-24 |
Family
ID=32708663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002382703A Pending JP2004176901A (ja) | 2002-11-26 | 2002-11-26 | ボルト |
Country Status (1)
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006126742A1 (ja) * | 2005-05-26 | 2006-11-30 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | ボルト締め付け方法およびボルト締め付け装置 |
JP2010276124A (ja) * | 2009-05-28 | 2010-12-09 | West Nippon Expressway Co Ltd | 締結具およびその製造方法 |
KR20120060159A (ko) | 2010-12-01 | 2012-06-11 | 가부시키가이샤 후지엔지니어링 | 봉공처리제, 체결구, 볼트 및 그 제조 방법 |
JP2013096466A (ja) * | 2011-10-31 | 2013-05-20 | Fukasawa:Kk | 木質系材料用自穿孔ねじ |
US8944735B2 (en) | 2012-12-17 | 2015-02-03 | Fuji Engineering Co., Ltd. | Sealer, fastener, bolt and method of fabricating bolt |
JP2015137700A (ja) * | 2014-01-22 | 2015-07-30 | トヨタ自動車株式会社 | アース用ボルト |
TWI627357B (zh) * | 2016-10-24 | 2018-06-21 | Zheng jun jie | Locking device with fine abrasive particles |
-
2002
- 2002-11-26 JP JP2002382703A patent/JP2004176901A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006126742A1 (ja) * | 2005-05-26 | 2006-11-30 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | ボルト締め付け方法およびボルト締め付け装置 |
US7836794B2 (en) | 2005-05-26 | 2010-11-23 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Bolt fastening method and bolt fastening device |
JP2010276124A (ja) * | 2009-05-28 | 2010-12-09 | West Nippon Expressway Co Ltd | 締結具およびその製造方法 |
KR20120060159A (ko) | 2010-12-01 | 2012-06-11 | 가부시키가이샤 후지엔지니어링 | 봉공처리제, 체결구, 볼트 및 그 제조 방법 |
KR101970260B1 (ko) | 2010-12-01 | 2019-04-18 | 가부시키가이샤 후지엔지니어링 | 봉공처리제, 체결구, 볼트 및 그 제조 방법 |
JP2013096466A (ja) * | 2011-10-31 | 2013-05-20 | Fukasawa:Kk | 木質系材料用自穿孔ねじ |
US8944735B2 (en) | 2012-12-17 | 2015-02-03 | Fuji Engineering Co., Ltd. | Sealer, fastener, bolt and method of fabricating bolt |
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TWI627357B (zh) * | 2016-10-24 | 2018-06-21 | Zheng jun jie | Locking device with fine abrasive particles |
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