【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高放熱性を有する放熱部材用錠剤、それを溶融成形してなる放熱部材およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、溶融成形可能な錠剤による放熱性だけでなく、耐冷熱衝撃性、寸法保持性に優れた放熱部材用錠剤、それを溶融成形してなる、低コストで製造可能な放熱部材およびその効率的な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車分野において環境対策のための燃費向上、軽量化あるいは安全性向上、快適性向上のため、種々の電装部品がコンピュータにより電子制御されるようになってきている。また、電気・電子分野においてもパソコンの高性能化はもちろんのこと、冷蔵庫、洗濯機などの家庭用電化製品に関しても省エネルギーなどを目的としてコンピュータによる電子制御化が進められている。
【0003】
これら電子制御を行うLSIやCPU等の電子素子は、コンピュータの集積度の増大及び動作の高速化により消費電力が増大し、その発熱量の増大により電子素子の損傷等の問題を抱えている。
【0004】
そのためコンピュータは放熱対策が必要であり、従来、発熱源である電子部品のパッケージ等にアルミニウムやダイキャスト製の放熱部材を用い、熱を放散するようにしている。
【0005】
しかし、今後進む部品の更なる小型化・軽量化あるいは複雑形状化の際に、ダイキャストなどの金属では生産性が悪く、形状が制限される。
【0006】
そこでこれらの問題を解決するために、ポリフェニレンスルフィド樹脂に酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、ガラス繊維、炭素繊維、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウムなどの無機充填材を配合し、熱伝導率が1W/mK以上の射出成形可能で良熱伝導性の成形品を得る方法(特許文献1)が提案されている。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示された方法は、組成物を溶融混練により製造するものであるため、多量の無機充填材を配合することが困難であり、高々熱伝導率1.4W/mKの組成物しか得られておらず、近年のコンピュータの高集積化、高速化による一層の高発熱に対応するには未だ放熱性が低く、放熱部材としての機能を十分果たすことが困難である。さらに、実用面においても使用環境下において例えば、激しい温度変化が想定される部材に使用された場合、その温度変化についていくことができず、部材が変形あるいは、クラックが発生するという問題が懸念される。
【0008】
そこで、本発明は上述の問題を鑑みて解消すること、即ち、熱伝導性と耐冷熱衝撃性、寸法保持性に優れた放熱部材を提供することを課題とする。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−151905号公報(第2頁、実施例)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
【0011】
したがって、本発明は、熱伝導性充填材を高充填し、その特性を高効率に発揮する、放熱性と耐冷熱衝撃性、寸法保持性に優れた溶融成形加工が可能な放熱部材用錠剤、それを溶融成形してなる放熱部材およびその効率的な製造方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。
【0013】
すなわち本発明は、
(1)熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)及び熱伝導性充填材(B)の合計100容量%に対し、(A)成分5〜50容量%、(B)成分95〜60容量%を含有してなる放熱部材用錠剤、
(2)熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)及び熱伝導性充填材(B)の合計100容量%に対し、(A)5〜40容量%、(B)95〜60容量%である上記(1)記載の放熱部材用錠剤、
(3)熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)が液晶性ポリエステルである上記(1)または(2)記載の放熱部材用錠剤、
(4)熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)が非液晶性ポリエステルである上記(1)または(2)記載の放熱部材用錠剤、
(5)熱伝導性充填材(B)が、レーザーフラッシュ法により測定した熱伝導率で20W/mK以上の無機充填材である(1)〜(4)のいずれか記載の放熱部材用錠剤、
(6)さらに25〜250℃の温度範囲で固体から液体または気体に変化する物質(C)を(A)成分および(B)成分の合計100重量部に対し、0.01〜30重量部含有してなる上記(1)〜(5)のいずれか記載の放熱部材用錠剤、
(7)さらに25℃における粘度が1〜10000m Pa・sの液状有機化合物(D)を(A)成分および(B)成分の合計100重量部に対し、0.01〜30重量部含有してなる上記(1)〜(5)のいずれか記載の放熱部材用錠剤、
(8)上記(1)〜(7)のいずれか記載の放熱部材用錠剤を溶融成形してなる放熱部材、
(9)放熱部材がシャーシ、筐体、あるいはその一部を構成する放熱部材である(8)記載の放熱部材、
(10)フィン状突起物を有するものである上記(8)または(9)記載の放熱部材、
(11)上記(1)〜(7)のいずれか記載の放熱部材用錠剤を射出成形することを特徴とする放熱部材の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
【0015】
本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)は、分子内にエステル構造を有するものであり、主鎖がエステル結合で構成されているものでも、エステル結合の他アミド結合などを含んで構成されているものであってもよい。例えば、非液晶性半芳香族ポリエステル、非液晶性全芳香族ポリエステルなどの非液晶性ポリエステル、液晶性半芳香族ポリエステル、液晶性全芳香族ポリエステルなどの液晶性ポリエステルおよび液晶性ポリエステアミドなどが挙げられ、これらは1種または2種以上で用いることができる。
【0016】
非液晶性半芳香族ポリエステルの具体例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートおよびポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどのほか、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレートおよびポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフタレートなどの共重合ポリエステル等が挙げられる(“/”は共重合を表す。以下同じ)。
【0017】
また、非液晶性全芳香族ポリエステルとしては、非晶性ポリアリレートなどが挙げられる。
【0018】
また、液晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミドは、異方性溶融相を形成し得るポリエステル、ポリエステルアミドであり、例えば芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位、アルキレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル、あるいは、上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミノ単位、芳香族イミノオキシ単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルアミドなどが挙げられ、具体的には、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物および/または脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸およびイソフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボンから生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステルなどである。
【0019】
上記液晶性ポリエステルのうち、好ましい構造の具体例としては、下記(I)、(II)、(III) および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、または、(I)、(III) および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルなどが挙げられる。
【0020】
特に好ましいのは(I)、(II)、(III)および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルである。
【0021】
【化1】
【0022】
(ただし式中のR1は
【0023】
【化2】
【0024】
から選ばれた1種以上の基を示し、R2は
【0025】
【化3】
【0026】
から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素原子または塩素原子を示す。)。
【0027】
上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(III)はエチレングリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。これらのうちR1が
【0028】
【化4】
【0029】
であり、R2が
【0030】
【化5】
【0031】
であるものが特に好ましい。
【0032】
本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエステルは、上記したように、構造単位(I)、(III)、(IV)からなる共重合体および上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重合体から選択される1種以上であり、上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)の共重合量は任意である。しかし、本発明の特性を発揮させるためには次の共重合量であることが好ましい。
【0033】
すなわち、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜85モル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%が好ましく、60〜15モル%がより好ましい。また、構造単位(I)の(II)に対するモル比[(I)/(II)]は好ましくは75/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)および(III)の合計と実質的に等モルであることが好ましい。
【0034】
一方、上記構造単位(II) を含まない場合は流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および(III)の合計に対して40〜90モル%であることが好ましく、60〜88モル%であることが特に好ましく、構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に等モルであることが好ましい。
【0035】
ここで実質的に等モルとは、末端を除くポリマー主鎖を構成するユニットが等モルであるが、末端を構成するユニットとしては必ずしも等モルとは限らないことを意味する。
【0036】
上記好ましく用いることができる液晶性ポリエステルは、上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノ安息香酸などを液晶性を損なわない程度の範囲でさらに共重合せしめることができる。
【0037】
本発明において使用する上記液晶性ポリエステルの製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造できる。
【0038】
例えば、上記液晶性ポリエステルの製造において、次の製造方法が好ましく挙げられる。
(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
(4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
(5)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルのポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)または(2)の方法により液晶性ポリエステルを製造する方法。
【0039】
本発明に使用する液晶性ポリエステルは、熱伝導性充填材を高充填した場合の流動性低下を抑制するため、溶融粘度は0.5〜80Pa・sが好ましく、特に1〜50Pa・sがより好ましい。また、流動性がより優れた組成物を得ようとする場合には、溶融粘度を40Pa・s以下とすることが好ましい。
【0040】
なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。
【0041】
ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定において、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0042】
上述したポリエステル系樹脂のうち機械的性質、成形性などの点からポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートおよびポリエチレンテレフタレートなどの非液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボンから生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、から選ばれる1種または2種以上の混合物が好ましく用いることができる。
【0043】
なかでも非液晶性ポリエステルとしてポリブチレンテレフタレート、液晶性ポリエステルとしてp−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位の液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位の液晶性ポリエステルを特に好ましく用いることができる。
【0044】
なかでも液晶性ポリエステルが、流動性に優れるだけでなく熱伝導率が高効率で向上することができ、好ましい。また、ポリブチレンテレフタレートなどの非液晶性ポリエステルは高熱伝導率となることにより、飛躍的に耐冷熱衝撃特性が向上することを見いだした。
【0045】
本発明で用いる熱伝導性充填材(B)としては、例えば、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属繊維、ベリリア、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム酸化チタンなどの金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素などの窒化物、炭化珪素、ホウ酸アルミニウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、窒化珪素ウィスカーなどのウィスカー、セラミック繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、結晶性シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維などの繊維、結晶性シリカ、ジルコニア、熱伝導性物質で被覆された無機フィラー、カーボン粉末、黒鉛、PAN系あるいはピッチ系炭素繊維、カーボンフレーク、鱗片状カーボンおよびカーボンナノチューブなどが挙げられる。
【0046】
なかでも、樹脂に充填した際に放熱部材としての高放熱性を付与するためには、レーザーフラッシュ法により測定した熱伝導率が20W/mK以上の熱伝導性充填材(B)を用いることが好ましい。このような熱伝導性充填材の具体例としては、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属繊維、ベリリア、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素などの窒化物、熱伝導性物質で被覆された無機フィラー、カーボン粉末、黒鉛、PAN系あるいはピッチ系炭素繊維、カーボンフレーク、鱗片状カーボンおよびカーボンナノチューブなどが挙げられる。
【0047】
なかでも、放熱部材をより軽量にし得る点において、アルミナ、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、カーボン粉末、黒鉛、PAN系あるいはピッチ系炭素繊維、カーボンフレーク、鱗片状カーボンおよびカーボンナノチューブなどが好ましい。
【0048】
ここで、上記金属粉、金属フレークおよび金属リボンの金属種の具体例としては、銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロムおよび錫などを例示することができる。
【0049】
また、上記金属繊維の金属種の具体例としては、鉄、銅、ステンレス、アルミニウムおよび黄銅などを例示することができる。
【0050】
かかる金属粉、金属フレーク、金属リボンおよび金属繊維は、いずれもチタネート系、アルミネート系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
【0051】
上記金属酸化物の具体例としては、SnO2 (アンチモンドープ)、In2 O3 (アンチモンドープ)およびZnO(アルミニウムドープ)などを例示することができ、これらはチタネート系、アルミ系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
【0052】
上記窒化物の具体例としては、AlN(窒化アルミニウム)、BN(窒化ホウ素)、Si3N4(窒化珪素)などを例示することができ、これらはチタネート系、アルミ系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
【0053】
上記熱伝導性物質で被覆された無機フィラーにおける熱伝導性物質の具体例としては、アルミニウム、ニッケル、銀、カーボン、SnO2 (アンチモンドープ)およびIn2 O3 (アンチモンドープ)などを例示することができる。また、被覆される無機フィラーとしては、マイカ、ガラスビーズ、ガラス繊維、炭素繊維、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、および炭化珪素ウィスカーなどを例示することができる。被覆方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、無電解メッキ法および焼き付け法などが挙げられる。そして、これらの熱伝導性物質で被覆された無機フィラーもまた、チタネート系、アルミネート系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
【0054】
上記カーボン粉末は、その原料および製造法から、アセチレンブラック、ガスブラック、オイルブラック、ナフタリンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラックおよびディスクブラックなどに分類される。本発明で用いることのできるカーボン粉末は、その原料および製造法については特に限定されないが、なかでもアセチレンブラックおよびファーネスブラックが特に好適に用いられる。また、カーボン粉末としては、その粒子径、表面積、DBP吸油量および灰分などの特性の異なる種々のカーボン粉末が製造されている。本発明で用いることのできるカーボン粉末は、これら特性については特に制限はないが、強度および熱伝導率のバランスの点から、平均粒径が500nm以下、特に5〜100nm、さらには10〜70nmの範囲にあることが好ましい。また、表面積(BET法)が10m2 /g以上、さらには30m2 /g以上の範囲にあることが好ましい。さらに、DBP給油量が50ml/100g以上、特に100ml/100g以上の範囲にあることが好ましい。さらにまた、灰分が0.5%以下、特に0.3%以下の範囲にあることが好ましい。
【0055】
かかるカーボン粉末は、チタネート系、アルミネート系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。また、樹脂との溶融混練作業性を向上させるために造粒されたものを用いることも可能である。
【0056】
本発明において用いる熱伝導性充填材の形状に特に制限はないが、熱伝導性向上効果の異方性を低減し得る点では、繊維状の熱伝導性充填材よりも、粉状、粒状、板状、鱗片状等の非繊維状の熱伝導性充填材を用いることが好ましい。ここでいう粉状、粒状、板状、鱗片状の熱伝導性充填材としては、アルミナ、酸化亜鉛、黒鉛およびカーボンブラックが好適に用いられる。
【0057】
また、本発明においては、上記熱伝導性充填材は、2種以上を併用して用いてもよく、その組み合わせに特に制限はないが、熱伝導性効果の異方性を低減せしめる点では、繊維状の熱伝導性充填材と非繊維状の熱伝導性充填材の組み合わせ、非繊維状の熱伝導性充填材から2種以上の組み合わせとすることが好ましく、後者の方がより好ましい。また、強度を向上させる場合は、カーボンブラックを含む2種以上の熱伝導性充填材、熱伝導率を大きく向上させる場合は、黒鉛を含む2種以上の熱伝導性充填材とすることが好ましい。
【0058】
本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル系樹脂と熱伝導性充填材との配合量は、用いる熱伝導性充填材の特性を発揮し、かつ溶融加工性とのバランスの点から、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)の合計量100容量%に対し、通常、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)5〜50容量%、熱伝導性充填材(B)95〜50容量%であり、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)5〜40容量%、熱伝導性充填材(B)95〜60容量%であることが好ましく、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)7〜25容量%、熱伝導性充填材(B)93〜75容量%であることがより好ましい。
【0059】
さらに本発明においては、錠剤としての形状保持と成形時の錠剤の安定的な圧壊による計量安定性付与効果の両立を図るためにさらに25〜250℃の温度範囲で力学的に固体の状態から液体または気体に変化する物質(C)を添加することが可能である。
【0060】
本発明に使用される物質(C)とは、すなわち、25〜250℃の温度範囲の中で力学的に固体の状態から流動性に富む液体や気体の状態になる物質であるが、このような物質として、例えば、脂肪酸の一価アルコールエステル、脂肪酸金属塩、多塩基酸の脂肪酸エステル、多価アルコールの脂肪酸エステル、およびそれらの誘導体、エポキシ化合物、グリセリンの脂肪酸エステル、シリコーンレジン、フェノール系化合物、ホスフェート系化合物、ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アミド基含有化合物、シアヌレート化合物およびその塩等で融点または軟化点が40〜250℃のものが挙げられる。
【0061】
具体的には、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ステアレートなどのステアリン酸エステル、ミリスチン酸ミリスチルなどのミリスチン酸エステル、モンタン酸エステル、メタクリル酸ベヘニルなどのメタクリル酸エステルなどの脂肪酸の1価アルコールエステルおよびその誘導体、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸カリウム、モンタン酸リチウム、モンタン酸亜鉛、モンタン酸バリウム、モンタン酸アルミニウムなどの脂肪酸金属塩、フタル酸ジステアリル、トリメリット酸ジステアリルなどの多塩基酸の脂肪酸エステル、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリプロピレングリコールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレートなどの多価アルコールの脂肪酸エステル、ステアリン酸モノグリセライド、パルミチン酸・ステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノ・ジグリセライド、ステアリン酸・オレイン酸・モノ・ジグリセライド、ベヘニン酸モノグリセライドなどのグリセリンの脂肪酸エステル、ビスフェノール型単官能および多官能エポキシ化合物、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスフェート、ジ(2,4−ジ−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフェート、ビス−(2,6−ジ−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフェートなどのホスフェート化合物、ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのホスファイト系化合物、トリエチレングリコール−ビス(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、2,2−チオ−ジエチレンビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テルペンフェノール、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンなどのフェノール系化合物、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、ステアリルエルカミドなどのアミド基含有化合物、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、メラミン/シアヌレート塩などのシアヌレート化合物およびその塩、2,5−ビス(5’−t−ブチルベンゾオキソザリル(2))チオフェン、エポキシ基または、メタクリル基または、アミノ基含有あるいは未官能のシリコーンレジンが挙げられる。また、分解発泡剤のように25℃以下で固体で、25〜250℃の温度範囲で気体に変化する物質が挙げられる。そのような物質として具体的には、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジン、アゾジカルボン酸バリウム、トリヒドラジノトリアジン、5−フェニルテトラゾール等が挙げられる。
【0062】
本発明において物質(C)として上記の物質のいずれか1種、または2種以上の混合物であってもよい。
【0063】
本発明に用いる物質(C)は、ハンドリング性、溶融可塑化特性の点から25〜250℃の温度範囲で固体から液体または気体に変化するものであり、好ましくは、40〜230℃、より好ましくは、50〜220℃、さらに好ましくは、60〜200℃で固体から液体または気体に変化することが好ましい。
【0064】
本発明においては、錠剤製造の際、物質(C)は固体で存在し、錠剤を溶融成形する際には液体または気体に変化することができる。本発明においては、このような物質(C)を用いることにより、錠剤としての形状保持と成形時の錠剤の安定的な圧壊による計量安定性付与効果の両立が図れるものと推察される。
【0065】
上記物質(C)の添加量は、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)の合計量100重量部に対し、0.01〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜15重量部、なかでも1〜10重量部が、特に好ましい。
【0066】
物質(C)の添加量が本発明の範囲より多すぎる場合、得られた成形品表面にブリードアウトしてくると共に、それによって熱可塑性ポリエステル系樹脂と熱伝導性充填材界面の剥離を引き起こし、機械物性が低下する傾向にあり、少なすぎる場合、添加による成形時の圧壊による計量安定性付与効果が小さくなる傾向にある。
【0067】
また、本発明には、錠剤製造の際に組成分布を低減し、溶融成形する際に錠剤の圧壊性を均一とすることで成形時の計量時間の安定を図るための手法として25℃における粘度が1〜10000mPa・sの液状有機化合物(D)を添加することが可能である。25℃における粘度が1〜10000mPa・sの液状有機化合物とは、25℃で液状で流動性のある有機化合物である。
【0068】
このような物質として、例えば、脂肪酸の一価アルコールエステル、多塩基酸の一価アルコールエステル、多価アルコールの脂肪酸エステル、およびそれらの誘導体、グリセリンの脂肪酸エステル、シリコーンオイル、ホスファイト系化合物等で融点が25℃未満のものが挙げられる。具体的には、2−エチルヘキサン酸セチル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソトリデシル、カプリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、オレイン酸メチル、オレイン酸オクチル、オレイン酸ラウリル、オレイン酸オレイル、オレイン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチドデシル、オレイン酸イソブチルなどの脂肪酸の一価アルコールエステル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジオレイル、アジピン酸エステル、フタル酸ジトリデシル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジブチルグリコール、フタル酸2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジデシル、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリイソデシル等の多塩基酸の一価アルコールエステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセキスオレート、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシメチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシメチレンソルビタンモノパルミネート、ポリオキシメチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシメチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシメチレンソルビタンテトラオレート、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールモノオレートなどの多価アルコールの脂肪酸エステルおよびそれらの誘導体、オレイン酸モノジグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、2−エチルヘキサン酸トリグリセライド、カプリル酸モノジグリセライド、カプリル酸トリグリセライド、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ミリスチル、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−2−エチルヘキチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチレングリコレート、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、メチルアセチルリシノレート、グリセルトリアセテート、2−エチルヘキシルアセテートなどのグリセリンの脂肪酸エステル、トリフェニルホスファイト、ジブチルハイドロジエンホスファイト、ヘキサトリデシル−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシル−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラトリデシル−4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)−ジ−ホスファイトなどのホスファイト系化合物、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイルなどのシリコーンオイル等が挙げられる。
【0069】
本発明において25℃における粘度が1〜10000mPa・sの液状有機化合物(D)のいずれか1種、または2種以上の混合物であってもよい。
【0070】
本発明に用いる液状有機化合物(D)の25℃における粘度は、組成物中への液状有機化合物(D)の分散性、本発明の効果である成形時の計量時間の安定化の点から、1〜10000mPa・sであるものであり、好ましくは、2〜9000mPa・s、より好ましくは100〜9000mPa・s、さらに好ましくは200〜9000mPa・sである。
【0071】
なお、25℃における粘度は、回転式粘度計(B型粘度計)により測定する。
【0072】
本発明においては、このような液状有機化合物(D)を用いることにより、錠剤を製造する際に均一に分散し、錠剤を溶融成形する際に計量時の圧壊が均一となり成形時の計量時間の安定を図れるものと推察される。
【0073】
上記液状有機化合物(D)を添加する場合の添加量は、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)の合計量100重量部に対し、0.01〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜15重量部、なかでも1〜10重量部が、最も好ましい。
【0074】
液状有機化合物(D)の添加量が本発明の範囲より多すぎる場合、得られた成形品表面にブリードアウトしてくると共に、それによって熱可塑性ポリエステル系樹脂と熱伝導性充填材界面の剥離を引き起こし、かえって機械物性の低下する傾向にあり、少なすぎる場合、添加により得られる成形時の計量時間の安定化による成形品の特性バラツキ低減付与効果が小さくなる傾向にある。
【0075】
また、本発明において上記物質(C)あるいは、液状有機化合物(D)の中でもリン酸エステルを添加する場合には、錠剤の成形時の易圧壊性と流動性を向上させることが可能である。本発明に使用されるリン酸エステルとしては、リン酸のモノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステルから選ばれ、好ましくは、下記式(1)で表されるものが挙げられる。
【0076】
【化6】
【0077】
まず前記式(1)で表されるリン酸エステルの構造について説明する。前記式(1)の式中nは0以上の整数であり、好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜5である。上限は分散性の点から40以下が好ましい。
【0078】
またk、mは、それぞれ0以上2以下の整数であり、かつk+mは、0以上2以下の整数であるが、好ましくはk、mはそれぞれ0以上1以下の整数、特に好ましくはk、mはそれぞれ1である。
【0079】
また前記式(1)の式中、R3〜R10は同一または相異なる水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す。ここで炭素数1〜5のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−イソプロピル、ネオペンチル、tert−ペンチル基、2−イソプロピル、ネオペンチル、tert−ペンチル基、3−イソプロピル、ネオペンチル、tert−ペンチル基、ネオイソプロピル、ネオペンチル、tert−ペンチル基などが挙げられるが、水素、メチル基、エチル基が好ましく、とりわけ水素が好ましい。
【0080】
またAr1、Ar2、Ar3、Ar4は同一または相異なる芳香族基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換された芳香族基を表す。かかる芳香族基としては、ベンゼン骨格、ナフタレン骨格、インデン骨格、アントラセン骨格を有する芳香族基が挙げられ、なかでもベンゼン骨格、あるいはナフタレン骨格を有するものが好ましい。これらはハロゲンを含有しない有機残基(好ましくは炭素数1〜8の有機残基)で置換されていてもよく、置換基の数にも特に制限はないが、1〜3個であることが好ましい。具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ナフチル基、インデニル基、アントリル基などの芳香族基が挙げられるが、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基が好ましく、特にフェニル基、トリル基、キシリル基が好ましい。
【0081】
またYは直接結合、O、S、SO2、C(CH3)2、CH2、CHPhを表し、Phはフェニル基を表す。
【0082】
このようなリン酸エステルの具体例としては、大八化学社製PX−200、PX−201、PX−130、CR−733S、TPP、CR−741、CR−747、TCP、TXP、CDPから選ばれる1種または2種以上が使用することができ、中でも好ましくはPX−200、TPP、CR−733S、CR−741、CR−747から選ばれる1種または2種以上、特に好ましくはPX−200、CR−733S、CR−741を使用することができるが、最も好ましくはPX−200である。
【0083】
本発明においてリン酸エステルのいずれか1種、または2種以上の混合物であってもよい。
【0084】
本発明においては、リン酸エステルは成形加工時の可塑化特性に優れるだけでなく、熱可塑性ポリエステル系樹脂と熱伝導性充填材との馴染みが良いために、リン酸エステルを用いることにより、錠剤としての形状保持と成形時の錠剤の安定的な圧壊による計量安定性付与効果の両立とさらに金型内での流動性向上効果を併せて得られるものと推察される。
【0085】
上記リン酸エステルを添加する場合の添加量は、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)の合計量100重量部に対し、0.1〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜25重量部、さらに好ましくは1〜20重量部、特に好ましくは2〜15重量部である。なかでも3〜10重量部が好ましい。
【0086】
リン酸エステルの添加量が本発明の範囲より多すぎる場合、得られた成形品表面にブリードアウトしてくると共に、それによって熱可塑性ポリエステル系樹脂と熱伝導性充填材界面の剥離を引き起こし、機械物性が低下する傾向にあり、少なすぎる場合、添加による成形時の計量安定性、流動安定性付与効果が小さくなる傾向にある。
【0087】
本発明の放熱部材用錠剤は、さらに機械強度その他の特性を付与するために、その他の充填材を添加することが可能であり、繊維状、板状、粉末状、粒状などの充填材を使用することができる。具体的には、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、アスベスト繊維、ロックウールなどの繊維状、ウィスカー状充填材、およびムライト、コーディエライト、マイカ、タルク、カオリン、溶融シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、ポリリン酸カルシウムなどの粉状、粒状あるいは板状の充填材が挙げられる。上記充填材のなかでも、特にガラス繊維が好ましく使用される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、上記の充填材は2種以上を併用して使用することが可能であり、例えば、機械強度と成形品の低そり性の両立を得る目的として使用される。なお、本発明に使用する上記の充填材は、その表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤およびチタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤など)や、その他の表面処理剤で処理して用いることもできる。
【0088】
また、使用するガラス繊維は、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
【0089】
上記の充填材の添加量は、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対し、通常0.5〜150重量部、好ましくは5〜100重量部、より好ましくは10〜80重量部の範囲である。
【0090】
本発明における放熱部材には、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体など)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系およびヒンダードアミン系など)、離型剤および滑剤(モンタン酸およびその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワックスなど)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニンおよび着色用カーボンブラックなど)、染料(ニグロシンなど)、結晶核剤、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチルおよびN−ブチルベンゼンスルホンアミドなど)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤およびベタイン系両性帯電防止剤など)、難燃剤(例えば、赤燐)、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせなど)、他の重合体などを含有することができる。
【0091】
本発明において、錠剤は、粉末状の原料を含む原料を固相状態で押し固めた粒状物をいうが、かかる錠剤は、粉末状の原料を含む原料を固相状態で圧縮成形することにより得ることができる。なお、上記において固相状態とは、原料に含まれる熱可塑性樹脂成分が溶融していない状態であることを意味する。圧縮成形には、打錠機(ロータリー、単発式、2連式、3連式)あるいはブリケットマシンなどの圧縮ロールを有する成形機を用いることが好ましい。上記粉末状の原料としては、樹脂組成物中に含有せしめるべき、熱可塑性ポリエステル系樹脂の粉末(ポリエステル系樹脂粉末)、熱伝導性充填材などが挙げられるが、予め熱可塑性ポリエステル系樹脂と熱伝導性充填材とを溶融混練して得られる組成物の粉末を用いることもでき、これらの一種以上を所望の組成となるよう適宜選択して用いることができる。
【0092】
本発明の放熱部材用錠剤の製造方法は、たとえば熱可塑性ポリエステル系樹脂粉末および熱伝導性充填材をバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機などを用い、固相状態で均一ブレンドし、打錠機あるいは圧縮ロールを有する成形機により錠剤(タブレット)化することにより得ることができる。また、熱可塑性ポリエステル系樹脂と熱伝導性充填材とをバンバリーミキサー、ニーダー、ロールを用いて予めドライブレンドし、もしくはドライブレンドしないで、単軸もしくは二軸の押出機などを用い、一度溶融混練し、冷却粉砕して粉末状としたのち、打錠機あるいは圧縮ロールを有する成形機により錠剤(タブレット)化することも可能である。この場合、溶融混練に供する熱可塑性ポリエステル系樹脂としては、溶融混練が可能であれば、粉末状でもペレット状でも特に制限はないが、熱伝導性充填材の分散不良による特性のバラツキを低減する点から粉末状あるいは粉砕品であることが好ましい。また、単軸もしくは2軸押出機を用いて、予め溶融混練した組成物を粉末状とする場合、熱伝導性充填材の使用量が多いと、流動性が悪化するため、ダイからの押出ができずペレット化が困難になる場合があるが、その場合には、特開平8−1663号公報に記載の如く、押出機のヘッド部を開放した状態で混練・押出すことも可能である。熱伝導性充填材が多量である場合、フレーク状の組成物が得られることもある。本発明においてはこれらの方法で予め溶融混練して得られたペレットもしくはフレーク状の組成物を必要により、冷却粉砕して粉末状とした後、錠剤化する。また、これらの方法を組み合わせて錠剤化することも可能である。すなわち、熱可塑性ポリエステル系樹脂と熱伝導性充填材を溶融混練してなる組成物の粉末と、熱可塑性ポリエステル系樹脂粉末および/又は熱伝導性充填材とを、所望の含有量となるよう調整し、錠剤化することも可能である。上記方法のうち、工程が簡素である点で、熱可塑性ポリエステル系樹脂粉末および熱伝導性充填材を固相状態で均一ブレンドした混合物を打錠機あるいは圧縮ロールを有する成形機により錠剤(タブレット)化する方法が好ましい。
【0093】
上記熱可塑性ポリエステル系樹脂粉末としては、通常、粉末状で入手できるポリエステル系樹脂の他、ペレットを常温あるいは冷凍粉砕することによっても得ることができる。冷凍粉砕は、ドライアイスあるいは液体窒素等で凍結させた後、一般的に知られている通常のハンマータイプ(アトマイザー)粉砕機、カッタータイプ粉砕機あるいはグラインダー型または石臼型の粉砕機により行うことができる。本発明において用いる熱可塑性ポリエステル系樹脂粉末としては、得られる錠剤間の組成の均一化および得られた錠剤のハンドリング性を良好にする点から、レーザー回折式粒度分布測定法に基づき測定した場合の粒子の最大長径の数平均粒子径が1000μm以下であることが好ましく、800μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることがさらに好ましい。また、5μmに相当する篩は実質的に通過しないものであることが取り扱い性の観点から好ましい。かかる粒径を有する粉末を得るには、粉砕などにより得られた粉体を適宜所望の大きさの篩を用いてふるい分けすればよい。
【0094】
また、熱伝導性充填材についても溶融加工性、得られる成形品の表面外観等を考慮した場合、熱伝導性充填材のサイズはJIS−K0069に基づく篩分け試験法に基づき測定した場合、1000μmに相当する篩を通過するものであることが好ましく、より好ましくは800μmに相当する篩を通過するもの、特に500μmに相当する篩を通過するものであることが好ましい。また、0.1μmに相当する篩は実質的に通過しないものであることが好ましい。なお、ここで「実質的に通過しない」とは、95重量%以上が通過しないことを意味する。
【0095】
かかる熱伝導性充填材は市販されているものから選択してもよいし、また、篩を用いて分級し、必要なサイズのものを取り出し使用することも可能である。また、用いる熱伝導性充填材の形状については、組成物のペレットの取得性から、繊維状、板状、鱗片状および破砕品が好ましく用いられ、さらに製造上得られた成形品の強度等の点から繊維状あるいは板状、鱗片状が好ましい。
【0096】
さらに、必要特性によっては、異なった粒子径のものを2種以上併用しても良い。
【0097】
本発明において、必要に応じて配合し得る他の成分を配合する場合、その配合方法に特に制限はなく、予め熱可塑性ポリエステル系樹脂に溶融混練した熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の粉末を熱可塑性ポリエステル系樹脂粉末として用いてもよいし、熱可塑性ポリエステル系樹脂粉末と熱伝導性充填材を固相状態で均一にブレンドする際に、かかる他の成分も一緒に添加してブレンドしてもよい。また、予め熱可塑性ポリエステル系樹脂と熱伝導性充填材とを溶融混練した組成物の粉末を用いる場合には、その溶融混練の際に他の成分も一緒に添加してブレンドしてもよい。さらには錠剤のまわりに付着せしめることにより添加してもよい。
【0098】
本発明の錠剤の形状としては、輸送時の形状保持性と成形時の易圧壊性を考慮した場合、例えば、円柱状、楕円柱状、円錐台形状、球状、楕円球状、鶏卵型形状、マセック型、円盤状、キュービック状、角柱状のものが挙げられる。なかでも加工時の計量安定性の点から円柱状、楕円柱状、球状、楕円球状、円錐台形状、鶏卵型形状、マセック型が好ましい。
【0099】
また、錠剤の錠剤サイズとしては、底面15mm直径以下×長さ20mm以下が好ましく、なかでも底面の直径または長さ(高さ)の最大値が15mm未満であることが好ましく、最小値が1mm以上であることが好ましい。なお、底面が円状でないものに関して、最大径、最小径の規定方法としては、外接円の最大直径、最小直径で特定する場合、その最大直径が15mm未満、最小直径1mm以上であることが好ましく、更に好ましくは最大直径12mm以下、最小直径1.5mm以上であるのがよい。
【0100】
また、輸送時等の形状を安定に保つために、錠剤における打錠面の側面もしくは圧縮ロールでの圧縮面に対し、垂直に圧力をかけた時の圧縮破壊強度値(圧壊強度値)が、好ましくは5〜100N、より好ましくは15〜80Nである。好ましい圧壊強度値を得るための方法としては、例えば、原料組成によるところが最も大きく、上記物質(C)、液状有機化合物(D)あるいはリン酸エステルなどを添加することにより、あるいは錠剤化工程において、原料供給ポケットに均一に原料を供給する方法、圧縮ロールの回転数を下げ圧縮ロール上での材料への加圧時間を延ばす方法、ホッパー内にフィードスクリューを用い、そのスクリューによりロール圧縮前において効果的な脱気と予備圧縮する方法などにより、高い錠剤密度が得られ、高い圧壊強度が得られる。なお、圧壊強度値の測定は、ロードセルなどの歪ゲージの上に錠剤を置き、その上から圧子を低速(好ましくは0.1〜2.0mm/sec)で降下させ、錠剤の圧縮破壊時に歪ゲージが示す圧力を測定する方法を用い行うことができる。
【0101】
かかる方法を用いることにより、従来、成し得なかった放熱部材用錠剤を得ることが可能となる。
【0102】
かかる方法を用いることにより、従来、成し得なかった熱伝導性充填材を高充填化した組成物を得ることが可能となる。
【0103】
かくして得られた錠剤は、射出あるいはプレスなどの溶融成形、なかでも射出成形方法(一般射出成形、射出圧縮成形、2色成形、サンドイッチ成形など、なかでも一般射出成形、射出圧縮成形が好ましい。)により、三次元成形品、シート、容器状物などに加工することができる。
【0104】
本発明においては、上記の成形方法よって得られた成形品は、高放熱性をはじめ、耐冷熱衝撃性、寸法保持性等の特性を付与することが可能となる。
【0105】
また、かくして得られる放熱部材は熱伝導率が高く、好ましい態様においては、熱伝導率が5W/mK以上という高い放熱性を有する。さらに好ましい態様においては、10W/mK以上、より好ましい態様においては20W/mK以上の放熱部材を得ることができる。材料の設計上特に限定するものではないが、熱伝導性充填材としてより高い熱伝導性を有するものを用い、かつ成形加工の時に低速高圧で成形し、熱伝導性充填材を配向・配列させることにより熱伝導パスを形成することで100W/mK程度のものも得ることができる。
【0106】
なお、熱伝導率の測定方法は、レーザーフラッシュ法定数測定装置により測定した。
【0107】
本発明の放熱部材用錠剤は、溶融成形可能で、かつ、高い放熱性と従来得られない耐冷熱衝撃性、寸法保持性を果たす放熱部材を与えることが可能となるため、それから得られる放熱部材は、上記の優れた特性を生かして、パソコン、家庭用ゲーム機等のコンピューター類のCPUの放熱板および放熱ファン、DVDプレーヤー、DVDレコーダーのディスク駆動部分の放熱部品、HDDレコーダー用放熱部品、家庭用テレビ、プラズマディスプレイ、液晶テレビ等のディスプレイの電源ユニットなどの放熱部品、、プリンター、ファックスなどのOA機器の制御部品および転写装置周辺部、玩具およびパチンコ台などの娯楽用途に用いられるICカバー(筐体)および放熱ファン、携帯電話、各種コンピュータ類、各種AV機器、OA機器等の筐体やシャーシ、またはその一部を構成する放熱部材、カーステレオ、ABS(アンチロックブレーキシステム)、インバーター、照明、エアコンの自動車電装部材の放熱板および筐体などに用いる放熱部品など、高熱伝導性が必要とされる用途、自動車部品、内燃機関用途をはじめとする発電システムなどの熱機器、電気・電子部品、医療機器などの蓄熱防止あるいは放熱性が必要な各種用途のヒートシンクなどの放熱部材として有用である。なお上記において、筐体やシャーシなど各種部品は全体が本発明の放熱部材用錠剤を溶融成形したものであってもよいし、その一部を構成する放熱部材であってもよい。特にフィン状突起物を有する放熱部材やシャーシ、筐体またはその一部を構成する放熱部材として有効である。
【0108】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【0109】
参考例1 熱可塑性樹脂
LCP(液晶性ポリエステル):p−ヒドロキシ安息香酸995重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレ−ト216重量部及び無水酢酸960重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、室温から150℃まで昇温しながら3時間反応させ、150℃から250℃まで2時間で昇温し、250℃から320℃まで1.5時間で昇温させた後、320℃、1.5時間で0.5mmHg(67Pa)に減圧し、さらに約0.25時間反応させ重縮合を行った結果、芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当量、エチレンジオキシ単位12.5モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量からなるペレットを得た。得られたペレットを液体窒素に浸し、サンプルミル(協立理工社製SK−M型)にて粉砕し、篩にて80メッシュパス、150メッシュオンで分級して数平均粒子径150μmのものを得た。
PBT(ポリブチレンテレフタレート):1100S(東レ社製)を液体窒素に浸し、サンプルミル(協立理工社製SK−M型)にて粉砕し、篩にて42メッシュパス、80メッシュオンで分級して数平均粒子径300μmのものを得た。
PA6(ナイロン6):CM1001(東レ社製)を液体窒素に浸し、サンプルミル(協立理工社製SK−M型)にて粉砕し、篩にて42メッシュパス、80メッシュオンで分級して数平均粒子径300μmのものを得た。
なお、上記において数平均粒子径は島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した。
【0110】
参考例2 熱伝導性充填材
グラファイト(KS):KS−150(鱗片状充填材、平均粒径48μm、ティムカルジャパン社製)熱伝導率150W/mK。
アルミナ(Al):AL−43−KT(微粒低ソーダアルミナ、平均粒径4.6μm、昭和電工社製)熱伝導率27W/mK。
酸化亜鉛(Zn):PZ(大型粒子酸化亜鉛、平均粒径5μm、ハクスイテック社製)熱伝導率54W/mK。
【0111】
上記熱伝導率は、各種フィラーを10mm直径×2mm厚の円盤状に卓上プレスを用いて20MPaの圧力で押し固めたサンプルを用い、リガク社製レーザーフラッシュ法定数測定装置により測定した。
【0112】
参考例3 充填材
シリカ(Si):FB−20S(球状溶融シリカ、平均粒径20μm、電気化学工業社製)熱伝導率2W/mK
上記熱伝導率は、各種フィラーを10mm直径×2mm厚の円盤状に卓上プレスを用いて20MPaの圧力で押し固めたサンプルを用い、リガク社製レーザーフラッシュ法定数測定装置により測定した。
【0113】
後述の表中の充填材サイズは、500gの試料をとり、そのサイズに相当する粗さの篩を用いて分級した時、篩上に残留しなかったことを表す。
【0114】
参考例4 25〜250℃の温度範囲で固体から液体または気体に変化する物質(C)(篩にて42メッシュパスしたものを使用)
HWE:モンタン酸エステルワックス
“リコワックス”E(クラリアントジャパン社製)融点78℃
PX−200:“PX−200”(大八化学工業社製粉末状芳香族縮合リン酸エステル、CAS No. 139189−30−3)融点95℃、篩にて42メッシュパスしたものを使用した。
【0115】
参考例5 液状有機化合物(D)
PN411:“PN−411”(味の素ファインテクノ社製ポリグリセリン酸エステル)25℃における粘度8000mPa ・s。
【0116】
なお、上記粘度は、回転式粘度計(B型粘度計)を用いて25℃で測定したものである。
【0117】
実施例1〜6
参考例1の熱可塑性樹脂、および参考例2に示した熱伝導性充填材所定量をヘンシェルミキサーでブレンドし、自動原料供給フィーダーを備えた月島機械製ロータリー打錠機を用いて常温タブレット化により、7mm直径×3mm長の円柱状のタブレット(錠剤)(最大値7mm、最小値3mm)を得た。
【0118】
次いで、得られた各タブレットをもちいて下記の評価を行った。
【0119】
比較例1〜3
実施例と同様の処方で参考例1の熱可塑性樹脂、参考例2に示した熱伝導充填材、参考例3に示した充填材所定量をヘンシェルミキサーで表1に示す量でブレンドし、ヘッド部をはずしたPCM30(2軸押出機;池貝社製)にて表1示す樹脂温度で溶融混練を行い、不定形状の組成物を得た。ついで140℃の熱風乾燥機で3時間乾燥した後、下記の評価を行った。
【0120】
これらの結果を表1に示す。
【0121】
【表1】
【0122】
実施例7〜13
参考例1の熱可塑性樹脂、参考例2に示した熱伝導性充填材、および参考例4に示した25〜250℃の温度範囲で固体から液体または気体に変化する物質(C)を表2に示す所定量、ヘンシェルミキサーでブレンドし、自動原料供給フィーダーを備えた月島機械製ロータリー打錠機を用いて常温タブレット化により、7mm直径×3mm長の円柱状のタブレット(最大値7mm、最小値3mm)を得た。次いで、得られた各タブレットをもちいて下記の評価を行った。
【0123】
比較例4
実施例と同様の処方で参考例1の熱可塑性樹脂、参考例3に示した充填材および参考例4に示した25〜250℃の温度範囲で固体から液体または気体に変化する物質(C)所定量をヘンシェルミキサーで表2に示す量でブレンドし、ヘッド部をはずしたPCM30(2軸押出機;池貝社製)にて表2示す樹脂温度で溶融混練を行い、不定形状の組成物を得た。ついで140℃の熱風乾燥機で3時間乾燥した後、下記の評価を行った。
【0124】
これらの結果を表2に示す。
【0125】
【表2】
【0126】
実施例14〜17
参考例1の熱可塑性樹脂、参考例2に示した熱伝導性充填材、および参考例5に示した液状有機化合物を所定量、ヘンシェルミキサーでブレンドし、自動原料供給フィーダーを備えた月島機械製ロータリー打錠機を用いて常温タブレット化により、7mm直径×3mm長の円柱状のタブレット(最大値7mm、最小値3mm)を得た。次いで、得られた各タブレットをもちいて下記の評価を行った。
【0127】
これらの結果を表3に示す。
【0128】
【表3】
【0129】
(1)熱伝導率
UH1000(80t)射出成形機(日精樹脂工業社製)を用い、表1〜3の樹脂温度、金型温度の温度条件で、50mm×50mm×厚さ3mmの角形成形品(フィルムゲート)を成形し、この成形品をレーザーフラッシュ法定数測定装置(リガク社製LF/TCM−FA8510B)により熱伝導率を測定した。
【0130】
(2)耐冷熱衝撃性
UH1000(80t)高速高圧射出成形機(日精樹脂工業社製)を用い、表1〜3の樹脂温度、金型温度の温度条件、成形下限圧+5MPaで、50mm×50mm×厚さ30mmの金属片を金型内に設置し、厚さ0.7mmでオーバーモールドして、冷熱衝撃試験用成形品を成形し、TSA−70L冷熱衝撃試験機(タバイエスペック社製)を用い、130℃さらし時間1時間、常温さらし時間なし、−40℃さらし時間1時間を1サイクルとして5サイクルごとに成形品を目視で観察し、成形品に亀裂や表面に膨れが発生したサイクルを測定した。
【0131】
(3)うねり量(急速冷却時うねり性)
UH1000(80t)高速高圧射出成形機(日精樹脂工業社製)を用い、表1〜3の樹脂温度、金型温度の温度条件で、50mm×50mm×厚さ0.7mmの角形成形品を成形した。角形成形品を140℃×1時間オーブン内で放置し、−5℃の恒温槽内で急速冷却し、角形成形品を平板上に置き、その成形品の四隅のうち一カ所を固定し、残り3カ所と平板との距離を測定し、得られた数値の最大値をうねり量とした。(うねり量の値が小さい程温度変化による耐変形性に優れる)。
【0132】
(4)流動性
UH1000(80t)射出成形機(日精樹脂工業社製)を用い、表2の樹脂温度、金型温度の温度条件で、50mm×50mm×厚さ3mmの角形成形品(フィルムゲート)を成形し、その時の成形下限圧を測定した(成形下限圧が低いほど流動性に優れる)。なお、実施例2の錠剤を同様に流動性を評価したところ、200MPaであった。
【0133】
(5)錠剤溶融性
ホットプレートを用い、表3の樹脂温度の温度条件で、錠剤を10個ホットプレート上に並べて置き、錠剤上にプレパラートを載せ、さらにその上に50gのおもりをのせ、錠剤が溶融する時間をストップウォッチで測定した(溶融時間が短いほど溶融性に優れ、成形時の計量時間が短縮できる)。なお、実施例2の錠剤を同様に錠剤溶融性を評価したところ、40秒であった。
【0134】
(6)圧壊強度測定
ロードセルの上に錠剤を置き、その上から圧縮面が16mmφの平面である圧子を低速で降下させ、錠剤圧縮破壊時にロードセルが示す圧力を測定した。なお、使用した圧壊強度測定器について示す。
圧力印可部:リニアモーテーション(オリエンタルモーター社製)、6RK60RGK−AM、60W(モーター部)、6LF13−1A(リニアヘッド部)、MAX140kgf、降下速度0.8〜13.0mm/sec
表示器:ASG−156A−42−17−1(アサヒ計器社製)、0.1〜300kgf、分解能1/3000。
【0135】
比較例5
ポリフェニレンスルフィド(トープレン製、T−3AG)45.5重量%(70.2容量%)に参考例2のアルミナ45.5重量%(23.6容量%)をヘンシェルミキサーにてドライブレンドした混合物を二軸押出機に供給し、ホウ酸アルミニウムウィスカー(四国化成工業社製、アルボレックス)9重量%(6.2容量%)を押出機側面より供給して溶融混練を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。このペレットをUH1000(80t)高速高圧射出成形機(日精樹脂工業社製)を用いて、樹脂温度320℃、金型温度150℃の温度条件で、50mm×50mm×厚さ3mmの角形成形品(フィルムゲート)を成形し、この成形品について(株)リガク製 LF/TCM−FA8510Bレーザーフラッシュ法定数測定装置により熱伝導率を測定した。熱伝導率は1.5W/mKであった。また、UH1000(80t)高速高圧射出成形機(日精樹脂工業社製)を用い、樹脂温度320℃、金型温度150℃の温度条件、成型下限圧+5MPaで、50mm×50mm×厚さ30mmの金属片をインサートし、樹脂組成物を厚さ0.7mmでオーバーモールドして、冷熱衝撃試験用成形品を成形し、この成形品についてTSA−70L冷熱衝撃試験機(タバイエスペック社製)を用い、130℃さらし時間1時間、常温さらし時間なし、−40℃さらし時間1時間を1サイクルとして5サイクルごとに冷熱衝撃試験用成形品を目視で観察し、成形品に亀裂や表面に膨れが発生したサイクルを測定した。冷熱衝撃性は、5サイクル以下であった。さらに、UH1000(80t)高速高圧射出成形機(日精樹脂工業社製)を用い、表1〜3の樹脂温度、金型温度の温度条件で、50mm×50mm×厚さ0.7mmの角形成形品を成形した。角形成形品を140℃×1時間オーブン内で放置し、5℃の冷蔵庫内で急速冷却し、角形成形品を平板上に置き、その成形品の四隅のうち一カ所を固定し、残り3カ所と平板との距離を測定し、得られた数値の最大値をうねり量とした。うねり量は、4.5mmであった。
【0136】
実施例18
実施例10の錠剤を用いて、縦25mm×横25mm×高さ5mm×厚さ2mmの箱状成形品の側面に、直径5mm、高さ5mmの円柱型のフィン状突起物4個のついた筐体の成形品を実施例10と同様の樹脂温度、金型温度の条件で射出成形し、その筐体にパソコンのCPUを設置し、パソコンを作動させ、1時間後の筐体の内部温度を測定した結果、温度上昇が低減し、データの処理速度が低下することなく良好に作動した。このことから、実際に、放熱部材として使用可能である。
【0137】
表1〜3の結果から明らかなように本発明の放熱性部材の製造方法によれば、熱伝導性充填材が高充填化可能となり、従来得られなかった熱伝導性、耐冷熱衝撃性、寸法保持性が得られることがわかる。また、成形性(流動性、錠剤溶融性)に優れた溶融加工が可能であることから、高放熱性を得るために用いられるヒートシンクをはじめとする金属代替用途、熱可塑性樹脂では従来不可能であった複雑形状の新規高放熱性用途への展開を図ることが可能となる。
【0138】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の放熱部材は、従来得られなかった熱伝導性充填材を高充填した放熱部材の取得が可能となり、また、溶融加工が可能で流動性の良好な高熱伝導性、耐冷熱衝撃性、寸法保持性に優れた成形品が得られるため、高放熱性が必要な筐体、放熱板等に用いる電気・電子関連機器、精密機械関連機器、自動車・車両関連部品、建材、などの各種形状を有する部材用途に適している。また、金属製のものと比較し、軽量かつ形状選択性が極めて高く、射出成形可能であるため生産性が高い。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a heat dissipating member tablet having a high heat dissipating property, a heat dissipating member obtained by melt-molding the tablet, and a method for producing the same. The present invention relates to a tablet for a heat dissipating member having excellent impact resistance and dimension retention, a heat dissipating member which can be manufactured at low cost by melt-molding the tablet, and an efficient method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, in the field of automobiles, various electronic components have been electronically controlled by computers in order to improve fuel efficiency, reduce weight or improve safety and comfort for environmental measures. In addition, in the electric and electronic fields, not only the performance of personal computers has been improved, but also the electronic control of home electric appliances such as refrigerators and washing machines by computers has been promoted for the purpose of energy saving.
[0003]
These electronic devices such as LSIs and CPUs that perform electronic control have a problem that power consumption increases due to an increase in the degree of integration of a computer and a high-speed operation, and damage to the electronic devices due to an increase in the amount of heat generated.
[0004]
Therefore, a computer needs to take measures against heat radiation, and conventionally, heat is dissipated by using a heat-dissipating member made of aluminum or die-cast for a package of an electronic component as a heat source.
[0005]
However, when further miniaturization, weight reduction, or complicated shape formation of components is required in the future, metal such as die-casting has poor productivity and limits the shape.
[0006]
In order to solve these problems, inorganic fillers such as magnesium oxide, aluminum oxide, glass fiber, carbon fiber, wollastonite, potassium titanate, and aluminum borate are blended with polyphenylene sulfide resin to reduce the thermal conductivity. There has been proposed a method of obtaining a molded article having a good thermal conductivity that can be injection-molded at 1 W / mK or more (Patent Document 1).
[0007]
However, in the method disclosed in Patent Document 1, since the composition is produced by melt-kneading, it is difficult to mix a large amount of an inorganic filler, and the thermal conductivity of at most 1.4 W / mK. Since only a composition is obtained, heat dissipation is still low to cope with higher heat generation due to recent high integration and high speed of computers, and it is difficult to sufficiently fulfill the function as a heat dissipation member. Furthermore, in practical use, for example, when used for a member that is expected to undergo a severe temperature change in a use environment, it is not possible to keep up with the temperature change, and there is a concern that the member may be deformed or cracked. You.
[0008]
In view of the above, an object of the present invention is to solve the above problems, that is, to provide a heat dissipating member excellent in heat conductivity, cold shock resistance, and dimension retention.
[0009]
[Patent Document 1]
JP 2001-151905 A (Page 2, Example)
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been achieved as a result of studying solving the problems in the above-described conventional technology.
[0011]
Therefore, the present invention provides a heat-dissipating member capable of being melt-molded with high heat-conducting filler, exhibiting its properties with high efficiency, heat-dissipating properties, cold-shock resistance, and dimension retention. It is an object of the present invention to provide a heat dissipating member obtained by melt-molding the heat dissipating member and an efficient manufacturing method thereof.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to achieve the above object, and as a result, have reached the present invention.
[0013]
That is, the present invention
(1) For a total of 100% by volume of the thermoplastic polyester resin (A) and the thermally conductive filler (B), 5 to 50% by volume of the component (A) and 95 to 60% by volume of the component (B). Tablets for heat dissipating members,
(2) The above (1), wherein (A) is 5 to 40% by volume and (B) is 95 to 60% by volume, based on a total of 100% by volume of the thermoplastic polyester resin (A) and the thermally conductive filler (B). ) Tablet for heat dissipation member described in
(3) The tablet for a heat radiating member according to the above (1) or (2), wherein the thermoplastic polyester resin (A) is a liquid crystalline polyester.
(4) The tablet for a heat radiation member according to the above (1) or (2), wherein the thermoplastic polyester resin (A) is a non-liquid crystalline polyester.
(5) The heat-dissipating member tablet according to any one of (1) to (4), wherein the thermally conductive filler (B) is an inorganic filler having a thermal conductivity of 20 W / mK or more measured by a laser flash method.
(6) 0.01 to 30 parts by weight of a substance (C) that changes from a solid to a liquid or a gas in a temperature range of 25 to 250 ° C. based on a total of 100 parts by weight of the components (A) and (B). The tablet for a heat radiation member according to any one of the above (1) to (5),
(7) 0.01 to 30 parts by weight of a liquid organic compound (D) having a viscosity of 1 to 10,000 mPa · s at 25 ° C. based on 100 parts by weight of the total of the components (A) and (B). A tablet for a heat radiation member according to any one of the above (1) to (5),
(8) a heat dissipating member obtained by melting and molding the tablet for a heat dissipating member according to any one of the above (1) to (7);
(9) The heat dissipating member according to (8), wherein the heat dissipating member is a heat dissipating member constituting a chassis, a housing, or a part thereof.
(10) The heat dissipating member according to the above (8) or (9), which has a fin-like projection.
(11) A method for manufacturing a heat radiating member, which comprises injection-molding the tablet for a heat radiating member according to any one of the above (1) to (7).
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described. In the present invention, “weight” means “mass”.
[0015]
The thermoplastic polyester resin (A) used in the present invention has an ester structure in the molecule. Even if the main chain is formed of an ester bond, the thermoplastic polyester resin (A) may contain an amide bond in addition to the ester bond. May be used. For example, non-liquid crystalline semi-aromatic polyester, non-liquid crystalline polyester such as non-liquid crystalline wholly aromatic polyester, liquid crystalline semi-aromatic polyester, liquid crystalline polyester such as liquid crystalline wholly aromatic polyester and liquid crystalline polyesteramide and the like. These can be used alone or in combination of two or more.
[0016]
Specific examples of the non-liquid crystalline semi-aromatic polyester include polyethylene terephthalate, polypropylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polyethylene-2,6-naphthalate, polybutylene naphthalate, poly-1,4-cyclohexylene dimethylene terephthalate and polyethylene-1, In addition to 2-bis (phenoxy) ethane-4,4'-dicarboxylate, etc., polyethylene isophthalate / terephthalate, polybutylene terephthalate / isophthalate, polybutylene terephthalate / decane dicarboxylate and polycyclohexane dimethylene terephthalate / isophthalate And the like (“/” represents a copolymer. The same applies hereinafter).
[0017]
Examples of the non-liquid crystalline wholly aromatic polyester include amorphous polyarylate.
[0018]
The liquid crystalline polyester and the liquid crystalline polyester amide are polyesters and polyester amides capable of forming an anisotropic molten phase, for example, an aromatic oxycarbonyl unit, an aromatic dioxy unit, an aromatic and / or an aliphatic dicarbonyl unit. A liquid crystalline polyester comprising a structural unit selected from an alkylenedioxy unit and the like and forming an anisotropic molten phase, or an aromatic iminocarbonyl unit, an aromatic diimino unit, an aromatic iminooxy unit and the above structural unit And a liquid crystalline polyesteramide which comprises a structural unit selected from and forms an anisotropic molten phase. Specific examples include a structure formed from p-hydroxybenzoic acid and 6-hydroxy-2-naphthoic acid. Liquid crystalline polyester consisting of units, a structure formed from p-hydroxybenzoic acid Liquid crystalline polyester comprising a unit, a structural unit formed from 6-hydroxy-2-naphthoic acid, a structural unit formed from an aromatic dihydroxy compound and / or an aliphatic dicarboxylic acid, a structural unit formed from p-hydroxybenzoic acid, Liquid crystalline polyester comprising a structural unit formed from 4,4'-dihydroxybiphenyl, an aromatic dicarboxylic acid such as terephthalic acid and isophthalic acid and / or an aliphatic dicarboxylic acid such as adipic acid and sebacic acid; Structural unit generated from hydroxybenzoic acid, structural unit generated from ethylene glycol, liquid crystalline polyester including structural unit generated from terephthalic acid, structural unit generated from p-hydroxybenzoic acid, structural unit generated from ethylene glycol, terephthal Acid and isof Liquid crystalline polyester comprising a structural unit derived from lactic acid, a structural unit derived from p-hydroxybenzoic acid, a structural unit derived from ethylene glycol, a structural unit derived from 4,4′-dihydroxybiphenyl, terephthalic acid and / or Adipic acid, liquid crystalline polyester composed of structural units generated from aliphatic dicarboxylic acids such as sebacic acid, structural units generated from p-hydroxybenzoic acid, structural units generated from ethylene glycol, structural units generated from aromatic dihydroxy compounds, Examples of the liquid crystalline polyester include structural units formed from aromatic dicarboxylic acids such as terephthalic acid, isophthalic acid, and 2,6-naphthalenedicarboxylic acid.
[0019]
Among the above-mentioned liquid crystalline polyesters, specific examples of preferred structures include a liquid crystalline polyester comprising the following structural units (I), (II), (III) and (IV), or (I), (III) and And a liquid crystalline polyester comprising the structural unit (IV).
[0020]
Particularly preferred are liquid crystalline polyesters comprising the structural units of (I), (II), (III) and (IV).
[0021]
Embedded image
[0022]
(However, R1 in the formula is
[0023]
Embedded image
[0024]
And represents one or more groups selected from
[0025]
Embedded image
[0026]
And at least one group selected from In the formula, X represents a hydrogen atom or a chlorine atom. ).
[0027]
The structural unit (I) is a structural unit generated from p-hydroxybenzoic acid, and the structural unit (II) is 4,4′-dihydroxybiphenyl, 3,3 ′, 5,5′-tetramethyl-4,4 '-Dihydroxybiphenyl, hydroquinone, t-butylhydroquinone, phenylhydroquinone, methylhydroquinone, 2,6-dihydroxynaphthalene, 2,7-dihydroxynaphthalene, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane and 4,4'- Structural units generated from one or more aromatic dihydroxy compounds selected from dihydroxydiphenyl ether, structural unit (III) is a structural unit generated from ethylene glycol, and structural unit (IV) is terephthalic acid, isophthalic acid, 4,4 '-Diphenyldicarboxylic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid Selected from 1,2-bis (phenoxy) ethane-4,4'-dicarboxylic acid, 1,2-bis (2-chlorophenoxy) ethane-4,4'-dicarboxylic acid and 4,4'-diphenyletherdicarboxylic acid The structural units formed from one or more aromatic dicarboxylic acids are shown below. Of these, R1
[0028]
Embedded image
[0029]
And R2 is
[0030]
Embedded image
[0031]
Is particularly preferred.
[0032]
As described above, the liquid crystalline polyester that can be preferably used in the present invention includes a copolymer composed of the structural units (I), (III), and (IV) and the structural units (I), (II), (III), At least one selected from copolymers consisting of (IV), and the copolymerization amount of the above structural units (I), (II), (III) and (IV) is arbitrary. However, in order to exhibit the characteristics of the present invention, the following copolymerization amount is preferable.
[0033]
That is, in the case of a copolymer consisting of the structural units (I), (II), (III), and (IV), the total of the structural units (I) and (II) is the sum of the structural units (I), (II) ) And (III) are preferably from 30 to 95 mol%, more preferably from 40 to 85 mol%. Further, the structural unit (III) is preferably from 70 to 5 mol%, more preferably from 60 to 15 mol%, based on the total of the structural units (I), (II) and (III). The molar ratio of the structural unit (I) to (II) [(I) / (II)] is preferably from 75/25 to 95/5, more preferably from 78/22 to 93/7. Further, it is preferable that the structural unit (IV) is substantially equimolar to the total of the structural units (II) and (III).
[0034]
On the other hand, when the structural unit (II) is not contained, the structural unit (I) is preferably 40 to 90 mol% based on the total of the structural units (I) and (III) from the viewpoint of fluidity. It is particularly preferably 60 to 88 mol%, and the structural unit (IV) is preferably substantially equimolar to the structural unit (III).
[0035]
Here, “substantially equimolar” means that the units constituting the polymer main chain excluding the terminal are equimolar, but the units constituting the terminal are not necessarily equimolar.
[0036]
The liquid crystalline polyester which can be preferably used is an aromatic dicarboxylic acid such as 3,3′-diphenyldicarboxylic acid and 2,2′-diphenyldicarboxylic acid in addition to the components constituting the structural units (I) to (IV). Aliphatic dicarboxylic acids such as adipic acid, azelaic acid, sebacic acid and dodecanedioic acid, alicyclic dicarboxylic acids such as hexahydroterephthalic acid, chlorohydroquinone, 3,4'-dihydroxybiphenyl, 4,4'-dihydroxydiphenyl Aromatic diols such as sulfone, 4,4'-dihydroxydiphenyl sulfide, 4,4'-dihydroxybenzophenone, and 3,4'-dihydroxybiphenyl; propylene glycol; 1,4-butanediol; 1,6-hexanediol; Pentyl glycol, 1,4-cyclohexanedio , Aliphatic cycloaliphatic diols such as 1,4-cyclohexanedimethanol and aromatic hydroxycarboxylic acids such as m-hydroxybenzoic acid and 2,6-hydroxynaphthoic acid, and p-aminobenzoic acid. Can be further copolymerized within a range that does not impair.
[0037]
The method for producing the liquid crystalline polyester used in the present invention is not particularly limited, and it can be produced according to a known polyester polycondensation method.
[0038]
For example, in the production of the liquid crystalline polyester, the following production method is preferably mentioned.
(1) p-acetoxybenzoic acid and diacylated aromatic dihydroxy compounds such as 4,4'-diacetoxybiphenyl and diacetoxybenzene, and aromatic dicarboxylic acids such as 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, terephthalic acid and isophthalic acid A method for producing a liquid crystalline polyester from an acetic acid condensation polymerization reaction.
(2) reacting acetic anhydride with p-hydroxybenzoic acid and an aromatic dihydroxy compound such as 4,4'-dihydroxybiphenyl or hydroquinone and an aromatic dicarboxylic acid such as 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, terephthalic acid or isophthalic acid; A phenolic hydroxyl group is acylated, and then a liquid crystalline polyester is produced by a deacetic acid polycondensation reaction.
(3) Phenyl esters of p-hydroxybenzoic acid and aromatic dihydroxy compounds such as 4,4'-dihydroxybiphenyl and hydroquinone and diphenyl esters of aromatic dicarboxylic acids such as 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, terephthalic acid and isophthalic acid A method for producing a liquid crystalline polyester from a polyphenol by a phenol removal reaction.
(4) A predetermined amount of diphenyl carbonate is reacted with p-hydroxybenzoic acid and an aromatic dicarboxylic acid such as 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, terephthalic acid, or isophthalic acid to form diphenyl esters, and then 4,4 ′ A method for producing a liquid crystalline polyester by adding an aromatic dihydroxy compound such as dihydroxybiphenyl and hydroquinone, and subjecting the mixture to a dephenol polycondensation reaction.
(5) In the presence of a bis (β-hydroxyethyl) ester of an aromatic dicarboxylic acid such as a polymer or oligomer of a polyester such as polyethylene terephthalate or an aromatic dicarboxylic acid such as bis (β-hydroxyethyl) terephthalate, the liquid crystal is prepared by the method of (1) or (2). Method for producing conductive polyester.
[0039]
The liquid crystalline polyester used in the present invention preferably has a melt viscosity of 0.5 to 80 Pa · s, more preferably 1 to 50 Pa · s, in order to suppress a decrease in fluidity when the heat conductive filler is highly filled. preferable. When a composition having better fluidity is to be obtained, the melt viscosity is preferably set to 40 Pa · s or less.
[0040]
The melt viscosity is a value measured by a Koka flow tester under the conditions of melting point (Tm) + 10 ° C. and a shear rate of 1,000 (1 / second).
[0041]
Here, the melting point (Tm) is defined as Tm1 + 20 after the endothermic peak temperature (Tm1) observed when the polymerized polymer is measured from room temperature under a heating condition of 20 ° C./min. After holding at a temperature of 5 ° C. for 5 minutes, once cooling to room temperature under a temperature-lowering condition of 20 ° C./min, it indicates an endothermic peak temperature (Tm 2) observed when measured again at a temperature-raising condition of 20 ° C./min. .
[0042]
Among the polyester-based resins described above, in terms of mechanical properties, moldability, and the like, non-polymers such as polybutylene terephthalate, polybutylene naphthalate, poly-1,4-cyclohexylene dimethylene terephthalate, polyethylene-2,6-naphthalate, and polyethylene terephthalate. Liquid crystalline polyester, liquid crystalline polyester composed of structural units formed from p-hydroxybenzoic acid and 6-hydroxy-2-naphthoic acid, structural unit formed from p-hydroxybenzoic acid, structural unit formed from ethylene glycol, 4, A structural unit formed from 4'-dihydroxybiphenyl, a liquid crystalline polyester including a structural unit formed from an aliphatic dicarboxylic acid such as terephthalic acid and / or adipic acid or sebacic acid, a structural unit formed from p-hydroxybenzoic acid, Selected from structural units generated from ethylene glycol, structural units generated from aromatic dihydroxy compounds, and liquid crystalline polyesters including structural units generated from aromatic dicarboxylic acids such as terephthalic acid, isophthalic acid, and 2,6-naphthalenedicarboxylic acid. One or a mixture of two or more of these can be preferably used.
[0043]
Among them, polybutylene terephthalate as a non-liquid crystalline polyester, a liquid crystalline polyester comprising a structural unit formed from p-hydroxybenzoic acid and 6-hydroxy-2-naphthoic acid as a liquid crystalline polyester, and a structural unit formed from p-hydroxybenzoic acid A structural unit generated from ethylene glycol, a structural unit generated from an aromatic dihydroxy compound, a liquid crystalline polyester of a structural unit generated from terephthalic acid, a structural unit generated from p-hydroxybenzoic acid, a structural unit generated from ethylene glycol, A liquid crystalline polyester having a structural unit formed from terephthalic acid can be particularly preferably used.
[0044]
Among them, a liquid crystalline polyester is preferred because it not only has excellent fluidity but also can improve the thermal conductivity with high efficiency. In addition, it has been found that non-liquid crystalline polyesters such as polybutylene terephthalate have a high thermal conductivity, so that the thermal shock resistance is dramatically improved.
[0045]
Examples of the thermally conductive filler (B) used in the present invention include metal powders, metal flakes, metal ribbons, metal fibers, beryllia, alumina, zinc oxide, magnesium oxide, titanium oxide and other metal oxides, aluminum nitride, and nitride. Borides such as boron and silicon nitride, silicon carbide, aluminum borate whiskers, zinc oxide whiskers, barium titanate whiskers, whiskers such as silicon nitride whiskers, ceramic fibers, zirconia fibers, alumina fibers, crystalline silica fibers, and titanium oxide fibers And fibers such as silicon carbide fibers, crystalline silica, zirconia, inorganic fillers coated with a thermally conductive substance, carbon powder, graphite, PAN-based or pitch-based carbon fibers, carbon flakes, flaky carbon, and carbon nanotubes. Can be
[0046]
Above all, in order to provide high heat dissipation as a heat dissipation member when filled in resin, it is necessary to use a heat conductive filler (B) having a heat conductivity of 20 W / mK or more measured by a laser flash method. preferable. Specific examples of such a thermally conductive filler include metal powders, metal flakes, metal ribbons, metal fibers, beryllia, alumina, zinc oxide, metal oxides such as magnesium oxide, aluminum nitride, boron nitride, silicon nitride, and the like. And inorganic fillers coated with a thermally conductive substance, carbon powder, graphite, PAN-based or pitch-based carbon fiber, carbon flake, flaky carbon, and carbon nanotube.
[0047]
Above all, alumina, zinc oxide, aluminum nitride, boron nitride, silicon nitride, carbon powder, graphite, PAN-based or pitch-based carbon fiber, carbon flake, flaky carbon, carbon nanotube, etc. Is preferred.
[0048]
Here, specific examples of the metal species of the metal powder, metal flake, and metal ribbon include silver, nickel, copper, zinc, aluminum, magnesium, stainless steel, iron, brass, chromium, and tin.
[0049]
Further, specific examples of the metal species of the metal fiber include iron, copper, stainless steel, aluminum, brass, and the like.
[0050]
Such metal powders, metal flakes, metal ribbons, and metal fibers may be surface-treated with a surface treatment agent such as titanate, aluminate, or silane.
[0051]
Specific examples of the above metal oxide include SnO 2 (Antimony doped), In 2 O 3 (Antimony-doped) and ZnO (aluminum-doped). These may be surface-treated with a surface treating agent such as titanate, aluminum, and silane.
[0052]
Specific examples of the nitride include AlN (aluminum nitride), BN (boron nitride), Si 3 N 4 (Silicon nitride) and the like, and these may be subjected to a surface treatment with a surface treating agent such as a titanate, aluminum, or silane.
[0053]
Specific examples of the heat conductive substance in the inorganic filler coated with the heat conductive substance include aluminum, nickel, silver, carbon, and SnO. 2 (Antimony doped) and In 2 O 3 (Antimony doping) and the like. Examples of the inorganic filler to be coated include mica, glass beads, glass fibers, carbon fibers, barium sulfate, zinc oxide, titanium oxide, and silicon carbide whiskers. Examples of the coating method include a vacuum deposition method, a sputtering method, an electroless plating method, and a baking method. The inorganic filler coated with these heat conductive substances may also be subjected to a surface treatment with a surface treating agent such as titanate, aluminate and silane.
[0054]
The carbon powder is classified into acetylene black, gas black, oil black, naphthalene black, thermal black, furnace black, lamp black, channel black, roll black, disk black and the like according to the raw material and the production method. The raw material and production method of the carbon powder that can be used in the present invention are not particularly limited. Among them, acetylene black and furnace black are particularly preferably used. As the carbon powder, various carbon powders having different characteristics such as particle diameter, surface area, DBP oil absorption, and ash content are produced. The carbon powder that can be used in the present invention is not particularly limited in these properties, but from the viewpoint of the balance between strength and thermal conductivity, the average particle size is 500 nm or less, particularly 5 to 100 nm, and more preferably 10 to 70 nm. It is preferably within the range. The surface area (BET method) is 10m 2 / G or more, and 30m 2 / G or more. Further, it is preferable that the DBP refueling amount is in the range of 50 ml / 100 g or more, particularly 100 ml / 100 g or more. Furthermore, it is preferable that the ash content is in the range of 0.5% or less, particularly 0.3% or less.
[0055]
Such a carbon powder may be subjected to a surface treatment with a surface treating agent such as a titanate-based, aluminate-based, or silane-based. It is also possible to use a granulated material for improving the workability of melt-kneading with a resin.
[0056]
There is no particular limitation on the shape of the heat conductive filler used in the present invention, but, in terms of being able to reduce the anisotropy of the heat conductivity improving effect, powdery, granular, It is preferable to use a non-fibrous heat-conductive filler such as a plate or a scale. Alumina, zinc oxide, graphite, and carbon black are preferably used as the powdery, granular, plate-like, or scale-like heat conductive filler.
[0057]
Further, in the present invention, the heat conductive filler may be used in combination of two or more, and the combination is not particularly limited, but in terms of reducing the anisotropy of the heat conductive effect, It is preferable to use a combination of a fibrous heat conductive filler and a non-fibrous heat conductive filler, or a combination of two or more non-fibrous heat conductive fillers, and the latter is more preferable. In order to improve the strength, it is preferable to use two or more kinds of thermally conductive fillers containing carbon black, and to greatly improve the thermal conductivity, it is preferable to use two or more kinds of thermally conductive fillers containing graphite. .
[0058]
The blending amount of the thermoplastic polyester resin and the thermally conductive filler used in the present invention exhibits the properties of the thermally conductive filler used and, in view of the balance with the melt processability, the thermoplastic polyester resin. Usually, 5 to 50% by volume of the thermoplastic polyester resin (A) and 95 to 50% by volume of the thermally conductive filler (B) based on 100% by volume of the total amount of (A) and the thermally conductive filler (B). It is preferable that the thermoplastic polyester resin (A) is 5 to 40% by volume and the thermally conductive filler (B) is 95 to 60% by volume, and the thermoplastic polyester resin (A) is 7 to 25% by volume. The heat conductive filler (B) is more preferably 93 to 75% by volume.
[0059]
Further, in the present invention, in order to achieve a balance between the shape retention as a tablet and the effect of imparting measurement stability by stable crushing of the tablet at the time of molding, the liquid is further changed from a solid state to a liquid at a temperature range of 25 to 250 ° C. Alternatively, it is possible to add a substance (C) that changes to a gas.
[0060]
The substance (C) used in the present invention is a substance that dynamically changes from a solid state to a liquid or gas state having a high fluidity within a temperature range of 25 to 250 ° C. Examples of suitable substances include fatty acid monohydric alcohol esters, fatty acid metal salts, polybasic acid fatty acid esters, polyhydric alcohol fatty acid esters, and derivatives thereof, epoxy compounds, glycerin fatty acid esters, silicone resins, and phenolic compounds. And phosphate compounds, phosphite compounds, thioether compounds, benzophenone compounds, amide group-containing compounds, cyanurate compounds and salts thereof having a melting point or softening point of 40 to 250 ° C.
[0061]
Specifically, methyl stearate, stearic acid esters such as stearic acid stearate, myristic acid esters such as myristyl myristate, montanic acid esters, monohydric alcohol esters of fatty acids such as methacrylic acid esters such as behenyl methacrylate and the like. Derivatives, sodium stearate, calcium stearate, magnesium stearate, potassium stearate, lithium stearate, zinc stearate, barium stearate, aluminum stearate, sodium montanate, calcium montanate, magnesium montanate, potassium montanate, montan Fatty acid metal salts such as lithium oxide, zinc montanate, barium montanate, aluminum montanate, distearyl phthalate, distetri trimellitate Fatty acid esters of polybasic acids such as ril, sorbitan tristearate, sorbitan monostearate, sorbitan monostearate, sorbitan distearate, sorbitan monopalmitate, sorbitan monostearate, polyethylene glycol monostearate, polyethylene glycol distearate Fatty acid esters of polyhydric alcohols such as glycerol, polypropylene glycol monostearate, pentaerythritol monostearate, stearic acid monoglyceride, palmitic acid / stearic acid monoglyceride, stearic acid mono / diglyceride, stearic acid / oleic acid / mono / diglyceride, behenin Fatty acid esters of glycerin such as acid monoglyceride, bisphenol-type monofunctional and polyfunctional epoxy compounds, 2-methylenebis (4,6-di-t-butylphenyl) octyl phosphate, di (2,4-di-butylphenyl) pentaerythritol diphosphate, bis- (2,6-di-di-t-butyl-4) Phosphate compounds such as -methylphenyl) pentaerythritol diphosphate, bisphenol A pentaerythritol phosphite, tris (2,4-di-t-butylphenyl) phosphite, di (2,4-di-t-butylphenyl) penta Phosphite compounds such as erythritol diphosphite and bis (2,6-di-t-butyl-4-methylphenyl) pentaerythritol diphosphite; triethylene glycol-bis (3- (3-t-butyl-5 -Methyl-4-hydroxyphenyl) propionate), 1,6-hexane Diol-bis (3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate), 2,4-bis- (n-octylthio) -6- (4-hydroxy-3,5-di- t-butylanilino) -1,3,5-triazine, pentaerythyl-tetrakis (3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate), 2,2-thio-diethylenebis (3 -(3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate), octadecyl-3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate, N, N'-hexamethylenebis (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxy-hydrocinnamamide), 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxy-benzylphosphonate-diethyl ester, Phenols such as 1,3,5-trimethyl-2,4,6-tris (3,5-di-t-butyl-4-hydroxybenzyl) benzene, terpene phenol, 2-hydroxy-4-n-octyloxybenzophenone Compounds, amide group-containing compounds such as ethylene bisstearyl amide, ethylene bis oleyl amide, stearyl erucamide, tris- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxybenzyl) -isocyanurate, triallyl cyanurate, Cyanurate compounds such as melamine / cyanurate salts and salts thereof, 2,5-bis (5'-t-butylbenzooxozalyl (2)) thiophene, epoxy groups, methacryl groups, or amino group-containing or non-functional silicone resins Is mentioned. Further, a substance such as a decomposition foaming agent which is solid at 25 ° C. or lower and changes to gas at a temperature in the range of 25 to 250 ° C. may be used. Specific examples of such a substance include azodicarbonamide, azobisisobutyronitrile, N, N′-dinitrosopentamethylenetetramine, P, P′-dinitrosopentamethylenetetramine, and P, P′-oxybis. Benzenesulfonylhydrazine, barium azodicarboxylate, trihydrazinotriazine, 5-phenyltetrazole and the like are mentioned.
[0062]
In the present invention, the substance (C) may be any one of the above substances or a mixture of two or more thereof.
[0063]
The substance (C) used in the present invention changes from a solid to a liquid or a gas in a temperature range of 25 to 250 ° C from the viewpoint of handling properties and melt plasticization properties, and preferably 40 to 230 ° C, more preferably. Preferably changes from solid to liquid or gas at 50 to 220 ° C, more preferably at 60 to 200 ° C.
[0064]
In the present invention, the substance (C) exists as a solid during tablet production, and can be changed to a liquid or gas when melt-molding the tablet. In the present invention, it is presumed that by using such a substance (C), it is possible to achieve both the retention of shape as a tablet and the effect of imparting measurement stability by stable crushing of the tablet during molding.
[0065]
The addition amount of the substance (C) is preferably 0.01 to 30 parts by weight based on 100 parts by weight of the total amount of the thermoplastic polyester resin (A) and the thermally conductive filler (B). It is preferably 0.1 to 20 parts by weight, more preferably 0.5 to 15 parts by weight, and particularly preferably 1 to 10 parts by weight.
[0066]
If the amount of the substance (C) is too large, it bleeds out to the surface of the obtained molded article, thereby causing peeling of the interface between the thermoplastic polyester resin and the thermally conductive filler, Mechanical properties tend to decrease, and if too small, the effect of imparting measurement stability by crushing during molding due to addition tends to decrease.
[0067]
The present invention also provides a method for reducing the composition distribution during tablet production and stabilizing the measurement time during molding by making the tablet crushable uniform during melt molding. However, it is possible to add a liquid organic compound (D) having a viscosity of 1 to 10000 mPa · s. The liquid organic compound having a viscosity at 25 ° C of 1 to 10,000 mPa · s is an organic compound which is liquid at 25 ° C and has fluidity.
[0068]
Examples of such a substance include monohydric alcohol esters of fatty acids, monohydric alcohol esters of polybasic acids, fatty acid esters of polyhydric alcohols, and derivatives thereof, fatty acid esters of glycerin, silicone oil, and phosphite compounds. Those having a melting point of less than 25 ° C. are exemplified. Specifically, cetyl 2-ethylhexanoate, methyl coconut fatty acid, methyl laurate, isopropyl myristate, octyl dodecyl myristate, butyl stearate, 2-ethylhexyl stearate, isotridecyl stearate, methyl caprate, methyl myristate Monohydric alcohol esters of fatty acids such as methyl oleate, octyl oleate, lauryl oleate, oleyl oleate, 2-ethylhexyl oleate, decyl oleate, octidodecyl oleate, isobutyl oleate, dimethyl adipate, adipic acid Dioleyl, adipate, ditridecyl phthalate, diisobutyl adipate, diisodecyl adipate, dibutyl glycol adipate, 2-ethylhexyl phthalate, diisono phthalate Monobasic alcohol esters of polybasic acids such as dimethyl, didecyl phthalate, tri-2-ethylhexyl trimellitate, and triisodecyl trimellitate, sorbitan monolaurate, sorbitan triolate, sorbitan monooleate, sorbitan sesquiolate, sorbitan monolaurate , Polyoxymethylene sorbitan monolaurate, polyoxymethylene sorbitan monopalmate, polyoxymethylene sorbitan monostearate, polyoxymethylene sorbitan monooleate, polyoxymethylene sorbitan tetraoleate, polyethylene glycol, polyethylene glycol monolaurate, polyethylene glycol Monooleate, polyoxyethylene bisphenol A laurate, pentaerythritol, pentaerythritol Fatty acid esters of polyhydric alcohols such as rumonooleate and derivatives thereof, oleic acid monodiglyceride, oleic acid monoglyceride, oleic acid monoglyceride, 2-ethylhexanoic acid triglyceride, caprylic acid monodiglyceride, caprylic acid triglyceride, lauryl methacrylate, myristyl methacrylate Dimethyl phthalate, diethyl phthalate, dibutyl phthalate, diheptyl phthalate, di-2-ethylhexyl phthalate, di-n-octyl phthalate, diisodecyl phthalate, butyl benzyl phthalate, diisononyl phthalate, ethyl phthalyl ethylene glycolate, tri-2 -Ethylhexyl trimellitate, methylacetyl ricinoleate, glyceryl triacetate, 2-ethylhexylurea Fatty acid esters of glycerin such as acetate, triphenyl phosphite, dibutyl hydrogen phosphite, hexatridecyl-1,1,3-tris (2-methyl-4-hydroxyl-5-t-butylphenyl) butanetriphosphite; Phosphite compounds such as tetratridecyl-4,4'-butylidenebis- (3-methyl-6-t-butylphenol) -diphosphite, dimethyl silicone oil, methyl phenyl silicone oil, methyl hydrogen silicone oil, alkyl Modified silicone oil, polyether-modified silicone oil, alcohol-modified silicone oil, amino-modified silicone oil, epoxy-modified silicone oil, phenol-modified silicone oil, carboxyl-modified silicone oil, etc. And the like.
[0069]
In the present invention, any one of the liquid organic compounds (D) having a viscosity of 1 to 10,000 mPa · s at 25 ° C. or a mixture of two or more thereof may be used.
[0070]
The viscosity at 25 ° C. of the liquid organic compound (D) used in the present invention is determined from the viewpoint of the dispersibility of the liquid organic compound (D) in the composition and the stabilization of the measuring time at the time of molding which is the effect of the present invention. It is 1 to 10000 mPa · s, preferably 2 to 9000 mPa · s, more preferably 100 to 9000 mPa · s, and still more preferably 200 to 9000 mPa · s.
[0071]
The viscosity at 25 ° C. is measured with a rotary viscometer (B-type viscometer).
[0072]
In the present invention, by using such a liquid organic compound (D), the tablet is uniformly dispersed at the time of tablet production, and the crushing at the time of measurement at the time of melt-molding the tablet becomes uniform, so that the measurement time at the time of molding is reduced. It is assumed that stability can be achieved.
[0073]
The amount of the liquid organic compound (D) to be added is 0.01 to 30 parts by weight based on 100 parts by weight of the total amount of the thermoplastic polyester resin (A) and the thermally conductive filler (B). Preferably, it is 0.1 to 20 parts by weight, more preferably 0.5 to 15 parts by weight, and most preferably 1 to 10 parts by weight.
[0074]
If the amount of the liquid organic compound (D) is too large, the bleed-out will occur on the surface of the obtained molded product, and the peeling of the interface between the thermoplastic polyester resin and the thermally conductive filler will be prevented. If the amount is too small, the effect of reducing the variation in the properties of the molded product due to the stabilization of the measuring time at the time of molding obtained by the addition tends to be small.
[0075]
Further, in the present invention, when a phosphoric acid ester is added among the above-mentioned substance (C) or liquid organic compound (D), it is possible to improve the easy crushing property and the fluidity during tablet molding. The phosphoric acid ester used in the present invention is selected from monoesters, diesters, triesters and tetraesters of phosphoric acid, and preferably includes those represented by the following formula (1).
[0076]
Embedded image
[0077]
First, the structure of the phosphate represented by the formula (1) will be described. In the formula (1), n is an integer of 0 or more, preferably 0 to 10, and particularly preferably 0 to 5. The upper limit is preferably 40 or less from the viewpoint of dispersibility.
[0078]
K and m are each an integer of 0 or more and 2 or less, and k + m is an integer of 0 or more and 2 or less. Preferably, k and m are each an integer of 0 or more and 1 or less, particularly preferably k or m. Is 1.
[0079]
In the formula (1), R 3 ~ R 10 Represents the same or different hydrogen or an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms. Here, specific examples of the alkyl group having 1 to 5 carbon atoms include methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, sec-butyl group, tert-butyl group, n-isopropyl and neopentyl. Tert-pentyl group, 2-isopropyl, neopentyl, tert-pentyl group, 3-isopropyl, neopentyl, tert-pentyl group, neoisopropyl, neopentyl, tert-pentyl group, and the like, including hydrogen, methyl group, and ethyl group. Are preferable, and hydrogen is particularly preferable.
[0080]
Ar 1 , Ar 2 , Ar 3 , Ar 4 Represents the same or different aromatic groups or aromatic groups substituted with halogen-free organic residues. Examples of such an aromatic group include aromatic groups having a benzene skeleton, a naphthalene skeleton, an indene skeleton, and an anthracene skeleton. Among them, those having a benzene skeleton or a naphthalene skeleton are preferable. These may be substituted with a halogen-free organic residue (preferably an organic residue having 1 to 8 carbon atoms). The number of substituents is not particularly limited, but may be 1 to 3. preferable. Specific examples include aromatic groups such as a phenyl group, a tolyl group, a xylyl group, a cumenyl group, a mesityl group, a naphthyl group, an indenyl group, and an anthryl group.A phenyl group, a tolyl group, a xylyl group, a cumenyl group, A naphthyl group is preferable, and a phenyl group, a tolyl group and a xylyl group are particularly preferable.
[0081]
Y is a direct bond, O, S, SO 2 , C (CH 3 ) 2 , CH 2 , CHPh, and Ph represents a phenyl group.
[0082]
Specific examples of such a phosphate ester are selected from PX-200, PX-201, PX-130, CR-733S, TPP, CR-741, CR-747, TCP, TXP, and CDP manufactured by Daihachi Chemical Co., Ltd. One or two or more selected from PX-200, TPP, CR-733S, CR-741, and CR-747 are preferably used, and particularly preferably PX-200 is used. , CR-733S, CR-741, but most preferably PX-200.
[0083]
In the present invention, any one of phosphoric acid esters or a mixture of two or more thereof may be used.
[0084]
In the present invention, the phosphate ester is not only excellent in the plasticizing property at the time of molding processing, but also has good compatibility between the thermoplastic polyester resin and the heat conductive filler, so that the use of the phosphate ester makes the tablet It is presumed that both the effect of maintaining the shape as described above and the effect of imparting measurement stability by stable crushing of the tablet at the time of molding and the effect of improving the fluidity in the mold can be obtained.
[0085]
The amount of the phosphoric acid ester added is 0.1 to 30 parts by weight based on 100 parts by weight of the total amount of the thermoplastic polyester resin (A) and the thermally conductive filler (B). It is preferably 0.1 to 25 parts by weight, more preferably 1 to 20 parts by weight, and particularly preferably 2 to 15 parts by weight. Among them, 3 to 10 parts by weight is preferable.
[0086]
If the amount of the phosphoric acid ester is too large, the bleed-out will occur on the surface of the obtained molded article, thereby causing peeling of the interface between the thermoplastic polyester-based resin and the thermally conductive filler. If the physical properties tend to decrease, and if the amount is too small, the effects of imparting metering stability and flow stability at the time of molding by addition tend to decrease.
[0087]
The tablet for a heat-radiating member of the present invention can further include other fillers for imparting mechanical strength and other properties, and uses fillers such as fibrous, plate-like, powder-like, and granular-like fillers. can do. Specifically, glass fibers, organic fibers such as aromatic polyamide fibers, gypsum fibers, asbestos fibers, fibrous materials such as rock wool, whisker-like fillers, and mullite, cordierite, mica, talc, kaolin, fused silica , Calcium carbonate, glass beads, glass flakes, glass microballoons, clay, molybdenum disulfide, wollastenite, calcium polyphosphate, and other powdery, granular or plate-like fillers. Among the above fillers, glass fibers are particularly preferably used. The type of the glass fiber is not particularly limited as long as it is generally used for reinforcing a resin. For example, a long fiber type or a short fiber type chopped strand, a milled fiber or the like can be used. In addition, the above-mentioned fillers can be used in combination of two or more, and are used, for example, for the purpose of achieving both mechanical strength and low warpage of a molded product. The surface of the filler used in the present invention may be a known coupling agent (for example, a silane coupling agent and a titanate coupling agent, an aluminate coupling agent, etc.) or other surface treatment. It can also be used after treating with an agent.
[0088]
Further, the glass fiber used may be covered or bundled with a thermoplastic resin such as an ethylene / vinyl acetate copolymer or a thermosetting resin such as an epoxy resin.
[0089]
The amount of the filler is usually 0.5 to 150 parts by weight, preferably 5 to 100 parts by weight, more preferably 10 to 80 parts by weight, based on 100 parts by weight of the thermoplastic polyester resin (A). It is.
[0090]
The heat radiation member according to the present invention may include other components such as an antioxidant and a heat stabilizer (such as a hindered phenol, a hydroquinone, a phosphite and a substituted body thereof), as long as the effects of the present invention are not impaired. Agents (resorcinol-based, salicylate-based, benzotriazole-based, benzophenone-based, and hindered amine-based), release agents and lubricants (montanic acid and its metal salts, esters, half-esters, stearyl alcohol, stearamide, various bisamides, bisureas And polyethylene wax, etc.), pigments (such as cadmium sulfide, phthalocyanine and coloring carbon black), dyes (such as nigrosine), crystal nucleating agents, plasticizers (such as octyl p-oxybenzoate and N-butylbenzenesulfonamide), charging Inhibitor (A Kill sulfate type anionic antistatic agents, quaternary ammonium salt type cationic antistatic agents, nonionic antistatic agents such as polyoxyethylene sorbitan monostearate, betaine amphoteric antistatic agents, etc.), flame retardants (for example, , Red phosphorus), melamine cyanurate, hydroxides such as magnesium hydroxide and aluminum hydroxide, ammonium polyphosphate, brominated polystyrene, brominated polyphenylene ether, brominated polycarbonate, brominated epoxy resin or brominated flame retardants thereof. And antimony trioxide), other polymers, and the like.
[0091]
In the present invention, a tablet refers to a granular material obtained by compacting a raw material containing a powdery raw material in a solid state, and such a tablet is obtained by compression-molding a raw material containing a powdery raw material in a solid state. be able to. In the above, the solid state means that the thermoplastic resin component contained in the raw material is not melted. For the compression molding, it is preferable to use a molding machine having a compression roll such as a tableting machine (rotary, single-shot type, double type, triple type) or a briquette machine. Examples of the powdery raw material include thermoplastic polyester-based resin powder (polyester-based resin powder), a thermally conductive filler, and the like to be included in the resin composition. Powders of the composition obtained by melt-kneading the conductive filler and the filler can also be used, and one or more of these can be appropriately selected and used so as to have a desired composition.
[0092]
The method for producing a tablet for a heat-radiating member of the present invention is, for example, a method in which a thermoplastic polyester resin powder and a thermally conductive filler are uniformly mixed in a solid state using a Banbury mixer, a kneader, a roll, a single-screw or twin-screw extruder, or the like. It can be obtained by blending and tableting with a tableting machine or a molding machine having a compression roll. In addition, the thermoplastic polyester resin and the thermally conductive filler are dry-blended in advance using a Banbury mixer, kneader, or roll, or are not melt-blended, but are melt-kneaded once using a single-screw or twin-screw extruder. Then, after cooling and pulverizing into a powder, it is also possible to form a tablet using a tableting machine or a molding machine having a compression roll. In this case, the thermoplastic polyester resin to be subjected to melt-kneading is not particularly limited in powder or pellet form as long as melt-kneading is possible, but reduces variation in characteristics due to poor dispersion of the thermally conductive filler. From the viewpoint, it is preferable that the powdery or pulverized product is used. Also, when using a single-screw or twin-screw extruder to make the composition melt-kneaded in advance into a powder, if the amount of the thermally conductive filler used is large, the fluidity deteriorates. In some cases, pelletization becomes difficult, and in such a case, as described in JP-A-8-1663, kneading and extrusion can be performed with the extruder head open. When the amount of the thermally conductive filler is large, a flake-like composition may be obtained. In the present invention, a pellet or flake composition obtained by melt-kneading in advance by these methods is cooled and pulverized into a powder, if necessary, and then tableted. It is also possible to form a tablet by combining these methods. That is, the powder of the composition obtained by melt-kneading the thermoplastic polyester resin and the heat conductive filler and the thermoplastic polyester resin powder and / or the heat conductive filler are adjusted to have a desired content. It is also possible to make tablets. Among the above-mentioned methods, a mixture obtained by uniformly blending a thermoplastic polyester-based resin powder and a thermally conductive filler in a solid state in a solid-state state by a tableting machine or a molding machine having a compression roll, in that the process is simple, is a tablet (tablet). Is preferred.
[0093]
The thermoplastic polyester-based resin powder can be obtained by pulverizing the pellets at room temperature or by freezing, in addition to the polyester-based resin which is usually available in powder form. Freezing and pulverization can be performed by using a commonly known hammer type (atomizer) pulverizer, cutter type pulverizer, grinder type or millstone type pulverizer after freezing with dry ice or liquid nitrogen or the like. it can. As the thermoplastic polyester resin powder used in the present invention, from the viewpoint of homogenizing the composition between the obtained tablets and improving the handleability of the obtained tablets, when measured based on a laser diffraction particle size distribution measurement method. The number average particle diameter of the maximum major axis of the particles is preferably 1,000 μm or less, more preferably 800 μm or less, and even more preferably 500 μm or less. Further, it is preferable that the sieve corresponding to 5 μm does not substantially pass through from the viewpoint of handleability. In order to obtain a powder having such a particle size, the powder obtained by pulverization or the like may be appropriately sieved using a sieve having a desired size.
[0094]
In addition, the size of the heat conductive filler is 1000 μm when measured based on a sieving test method based on JIS-K0069, in consideration of the melt processability, the surface appearance of the obtained molded product, and the like. Preferably, it passes through a sieve corresponding to 800 μm, more preferably, passes through a sieve corresponding to 500 μm. Further, it is preferable that a sieve corresponding to 0.1 μm does not substantially pass through. Here, "substantially does not pass" means that 95% by weight or more does not pass.
[0095]
Such a thermally conductive filler may be selected from commercially available ones, or may be classified using a sieve, and a required size may be taken out and used. Further, regarding the shape of the thermally conductive filler used, from the ease of obtaining pellets of the composition, fibrous, plate-like, scale-like and crushed products are preferably used, and furthermore, such as the strength of the molded product obtained in production. From the viewpoint, a fibrous shape, a plate shape, and a scale shape are preferred.
[0096]
Further, depending on the required characteristics, two or more particles having different particle diameters may be used in combination.
[0097]
In the present invention, when blending other components that can be blended as necessary, there is no particular limitation on the blending method, and the thermoplastic polyester resin composition powder previously melt-kneaded with the thermoplastic polyester resin is thermoplastically mixed. It may be used as a polyester resin powder, or when the thermoplastic polyester resin powder and the thermally conductive filler are uniformly blended in a solid state, such other components may be added together and blended. . When a powder of a composition in which a thermoplastic polyester resin and a heat conductive filler are melt-kneaded in advance is used, other components may be added together during the melt-kneading and blended. Further, it may be added by adhering around the tablet.
[0098]
As the shape of the tablet of the present invention, when considering shape retention during transportation and easy crushing during molding, for example, cylindrical, elliptical column, truncated conical, spherical, elliptical spherical, egg-shaped, Macek-shaped , Disk, cubic, and prismatic. Among them, a cylindrical shape, an elliptical column shape, a spherical shape, an elliptical spherical shape, a truncated cone shape, a chicken egg shape, and a Macek shape are preferred from the viewpoint of measurement stability during processing.
[0099]
In addition, the tablet size of the tablet is preferably 15 mm or less in diameter at the bottom and 20 mm or less in length, and in particular, the maximum value of the diameter or length (height) of the bottom surface is preferably less than 15 mm, and the minimum value is 1 mm or more. It is preferable that In addition, as for the method of defining the maximum diameter and the minimum diameter with respect to the bottom surface which is not circular, when specifying by the maximum diameter and the minimum diameter of the circumscribed circle, it is preferable that the maximum diameter is less than 15 mm and the minimum diameter is 1 mm or more. More preferably, the maximum diameter is 12 mm or less, and the minimum diameter is 1.5 mm or more.
[0100]
In addition, in order to maintain the shape of the tablet during transportation, etc., the compression breaking strength value (crushing strength value) when pressure is applied perpendicularly to the side of the tableting surface of the tablet or the compression surface with the compression roll, Preferably it is 5-100N, More preferably, it is 15-80N. As a method for obtaining a preferable crushing strength value, for example, the largest one depends on the raw material composition, and by adding the above-mentioned substance (C), liquid organic compound (D) or phosphate ester, or in a tableting step, A method of uniformly supplying the raw material to the raw material supply pocket, a method of lowering the number of rotations of the compression roll and extending the time for pressing the material on the compression roll, using a feed screw in the hopper, and using the screw before the roll is compressed A high tablet density and a high crushing strength can be obtained by a method such as deaeration and preliminary compression. The crushing strength value was measured by placing a tablet on a strain gauge such as a load cell, and lowering the indenter at a low speed (preferably 0.1 to 2.0 mm / sec) from above the tablet. It can be performed using a method of measuring the pressure indicated by a gauge.
[0101]
By using such a method, it is possible to obtain a tablet for a heat dissipating member, which could not be achieved conventionally.
[0102]
By using such a method, it is possible to obtain a composition in which a thermally conductive filler, which could not be achieved conventionally, is highly filled.
[0103]
The tablets obtained in this manner are melt-molded by injection or pressing, especially injection molding methods (general injection molding, injection compression molding, two-color molding, sandwich molding, etc., among which general injection molding and injection compression molding are preferred). Thereby, it can be processed into a three-dimensional molded product, a sheet, a container, or the like.
[0104]
In the present invention, the molded article obtained by the above-mentioned molding method can be imparted with properties such as high heat dissipation, resistance to thermal shock and dimensional retention.
[0105]
The heat dissipating member thus obtained has a high heat conductivity, and in a preferred embodiment, has a high heat dissipating property with a heat conductivity of 5 W / mK or more. In a further preferred embodiment, a heat radiating member of 10 W / mK or more, more preferably 20 W / mK or more can be obtained. Although there is no particular limitation in the design of the material, a material having higher thermal conductivity is used as the heat conductive filler, and the material is formed at a low speed and a high pressure during the forming process to orient and align the heat conductive filler. By forming a heat conduction path in this way, about 100 W / mK can be obtained.
[0106]
The thermal conductivity was measured by a laser flash method constant measuring device.
[0107]
The tablet for a heat-radiating member of the present invention can be melt-molded, and can provide a heat-radiating member that achieves high heat-radiating properties and resistance to cold and thermal shock that has not been obtained conventionally, and dimension retention. Utilizing the above-mentioned excellent characteristics, a heat radiating plate and a heat radiating fan of a CPU of a computer such as a personal computer and a home game machine, a radiating component of a disk drive portion of a DVD player and a DVD recorder, a radiating component of an HDD recorder, Components such as power supply units for displays such as televisions, plasma displays, and liquid crystal televisions; control parts for OA equipment such as printers and fax machines; and IC covers used for entertainment purposes such as peripherals of transfer devices, toys, and pachinko machines. Housing) and heat dissipation fan, mobile phone, various computers, various AV equipment, OA equipment High heat, such as heat dissipating members used for heat dissipating members that constitute the housing or chassis, or a part thereof, car stereos, ABS (anti-lock brake system), inverters, lighting, heat dissipating plates and housings for automotive electrical components of air conditioners Heat dissipation for applications requiring conductivity, thermal equipment such as power generation systems such as automotive parts and internal combustion engines, electric / electronic parts, medical equipment, etc. It is useful as a member. In the above description, the various components such as the housing and the chassis may be entirely formed by melting and molding the tablet for a heat radiating member of the present invention, or may be a heat radiating member constituting a part thereof. In particular, it is effective as a heat dissipating member having fin-like projections, a heat dissipating member constituting a chassis, a housing or a part thereof.
[0108]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to Examples, but the gist of the present invention is not limited to the following Examples.
[0109]
Reference Example 1 Thermoplastic resin
LCP (liquid crystalline polyester): 995 parts by weight of p-hydroxybenzoic acid, 126 parts by weight of 4,4'-dihydroxybiphenyl, 112 parts by weight of terephthalic acid, 216 parts by weight of polyethylene terephthalate having an intrinsic viscosity of about 0.6 dl / g Parts and 960 parts by weight of acetic anhydride were charged into a reaction vessel equipped with a stirring blade and a distilling tube, and reacted for 3 hours while raising the temperature from room temperature to 150 ° C., and the temperature was raised from 150 ° C. to 250 ° C. for 2 hours. After raising the temperature from 150 ° C. to 320 ° C. for 1.5 hours, the pressure was reduced to 0.5 mmHg (67 Pa) at 320 ° C. for 1.5 hours, and further reacted for about 0.25 hours to perform polycondensation. Consisting of 80 molar equivalents of an aromatic oxycarbonyl unit, 7.5 molar equivalents of an aromatic dioxy unit, 12.5 molar equivalents of an ethylenedioxy unit, and 20 molar equivalents of an aromatic dicarboxylic acid unit. A pellet was obtained. The obtained pellets are immersed in liquid nitrogen, pulverized by a sample mill (SK-M type manufactured by Kyoritsu Riko Co., Ltd.), classified by a sieve with an 80-mesh pass, 150-mesh on, and a particle having a number average particle diameter of 150 μm is obtained. Obtained.
PBT (polybutylene terephthalate): 1100S (manufactured by Toray Industries, Inc.) is immersed in liquid nitrogen, pulverized with a sample mill (manufactured by Kyoritsu Riko Co., Ltd., SK-M type), and classified with a sieve using a 42 mesh pass, 80 mesh on. Thus, one having a number average particle size of 300 μm was obtained.
PA6 (Nylon 6): CM1001 (manufactured by Toray Industries, Inc.) is immersed in liquid nitrogen, pulverized by a sample mill (SK-M type manufactured by Kyoritsu Riko Co., Ltd.), and classified using a sieve with a 42 mesh pass and 80 mesh on. One having a number average particle size of 300 μm was obtained.
In the above, the number average particle diameter was measured using a laser diffraction particle size distribution analyzer manufactured by Shimadzu Corporation.
[0110]
Reference Example 2 Thermally conductive filler
Graphite (KS): KS-150 (scale filler, average particle size 48 μm, manufactured by Timcal Japan) thermal conductivity 150 W / mK.
Alumina (Al): AL-43-KT (fine-particle low-soda alumina, average particle size 4.6 μm, manufactured by Showa Denko KK) Thermal conductivity 27 W / mK.
Zinc oxide (Zn): PZ (large particle zinc oxide, average particle size 5 μm, manufactured by Hakusuitek Co., Ltd.) Thermal conductivity 54 W / mK.
[0111]
The thermal conductivity was measured with a laser flash method constant measuring device manufactured by Rigaku Corporation using a sample obtained by compacting various fillers into a disk having a diameter of 10 mm and a thickness of 2 mm using a tabletop press at a pressure of 20 MPa.
[0112]
Reference Example 3 Filler
Silica (Si): FB-20S (spherical fused silica, average particle size 20 μm, manufactured by Denki Kagaku Kogyo KK) Thermal conductivity 2 W / mK
The thermal conductivity was measured with a laser flash method constant measuring device manufactured by Rigaku Corporation using a sample obtained by compacting various fillers into a disk having a diameter of 10 mm and a thickness of 2 mm using a tabletop press at a pressure of 20 MPa.
[0113]
The filler size in the table below indicates that when a sample of 500 g was taken and classified using a sieve having a roughness corresponding to the size, the filler did not remain on the sieve.
[0114]
Reference Example 4 Substance (C) that changes from a solid to a liquid or a gas within a temperature range of 25 to 250 ° C. (use a 42-mesh pass through a sieve)
HWE: montanic acid ester wax
"Lico Wax" E (manufactured by Clariant Japan) Melting point 78 ° C
PX-200: "PX-200" (powder aromatic condensed phosphoric acid ester manufactured by Daihachi Chemical Industry Co., Ltd., CAS No. 139189-30-3) having a melting point of 95 [deg.] C. and passed through a 42-mesh sieve was used.
[0115]
Reference Example 5 Liquid Organic Compound (D)
PN411: "PN-411" (polyglycerate ester manufactured by Ajinomoto Fine Techno Co.) Viscosity at 25 ° C of 8000 mPa · s.
[0116]
The above viscosity was measured at 25 ° C. using a rotary viscometer (B-type viscometer).
[0117]
Examples 1 to 6
The thermoplastic resin of Reference Example 1 and a predetermined amount of the thermally conductive filler shown in Reference Example 2 were blended by a Henschel mixer, and tableted at room temperature using a rotary tableting machine manufactured by Tsukishima Kikai equipped with an automatic feeder feeder. And a columnar tablet (tablet) having a diameter of 7 mm and a length of 3 mm (maximum value: 7 mm, minimum value: 3 mm).
[0118]
Next, the following evaluation was performed using each obtained tablet.
[0119]
Comparative Examples 1-3
The thermoplastic resin of Reference Example 1, the heat conductive filler shown in Reference Example 2, and a predetermined amount of the filler shown in Reference Example 3 were blended in the same amount as shown in Table 1 with a Henschel mixer in the same formulation as in the Example. Melt kneading was performed at a resin temperature shown in Table 1 by using a PCM30 (a twin screw extruder; manufactured by Ikegai Co., Ltd.) from which a part was removed to obtain a composition having an irregular shape. Then, after drying with a hot air dryer at 140 ° C. for 3 hours, the following evaluation was performed.
[0120]
Table 1 shows the results.
[0121]
[Table 1]
[0122]
Examples 7 to 13
Table 2 shows the thermoplastic resin of Reference Example 1, the thermally conductive filler shown in Reference Example 2, and the substance (C) which changes from a solid to a liquid or a gas in the temperature range of 25 to 250 ° C. shown in Reference Example 4. A predetermined amount shown in Table 2 was blended with a Henschel mixer, and tableted at room temperature using a rotary tableting machine made by Tsukishima Machinery equipped with an automatic raw material feeder to obtain a columnar tablet having a diameter of 7 mm and a length of 3 mm (maximum value 7 mm, minimum value 3 mm). Next, the following evaluation was performed using each obtained tablet.
[0123]
Comparative Example 4
The thermoplastic resin of Reference Example 1, the filler shown in Reference Example 3, and the substance (C) which changes from a solid to a liquid or a gas in the temperature range of 25 to 250 ° C. shown in Reference Example 4 with the same formulation as in the Examples. A predetermined amount was blended with a Henschel mixer in an amount shown in Table 2 and melt-kneaded at a resin temperature shown in Table 2 by a PCM 30 (twin-screw extruder; manufactured by Ikegai Co., Ltd.) from which the head was removed to obtain a composition having an irregular shape. Obtained. Then, after drying with a hot air dryer at 140 ° C. for 3 hours, the following evaluation was performed.
[0124]
Table 2 shows the results.
[0125]
[Table 2]
[0126]
Examples 14 to 17
A predetermined amount of the thermoplastic resin of Reference Example 1, the thermally conductive filler shown in Reference Example 2, and the liquid organic compound shown in Reference Example 5 were blended by a Henschel mixer, and the mixture was manufactured by Tsukishima Kikai equipped with an automatic raw material supply feeder. By using a rotary tableting machine and forming tablets at room temperature, columnar tablets (maximum value: 7 mm, minimum value: 3 mm) having a diameter of 7 mm and a length of 3 mm were obtained. Next, the following evaluation was performed using each obtained tablet.
[0127]
Table 3 shows the results.
[0128]
[Table 3]
[0129]
(1) Thermal conductivity
Using a UH1000 (80t) injection molding machine (manufactured by Nissei Plastic Industry Co., Ltd.), a 50 mm × 50 mm × thickness 3 mm square formed product (film gate) is molded under the resin temperature and mold temperature conditions shown in Tables 1 to 3. The thermal conductivity of this molded product was measured by a laser flash method constant measuring device (LF / TCM-FA8510B manufactured by Rigaku Corporation).
[0130]
(2) Cold shock resistance
Using a UH1000 (80t) high-speed high-pressure injection molding machine (manufactured by Nissei Plastic Industry Co., Ltd.), a metal piece having a size of 50 mm × 50 mm × thickness of 30 mm at resin temperature and mold temperature conditions in Tables 1 to 3 and a molding lower limit pressure of +5 MPa. Was placed in a mold and overmolded to a thickness of 0.7 mm to form a molded article for a thermal shock test, and exposed to 130 ° C. for 1 hour using a TSA-70L thermal shock tester (manufactured by Tabaispec). The molded article was visually observed every five cycles, with one cycle of one hour of exposure at -40 ° C., no exposure time at room temperature, no exposure time at room temperature, and the cycle at which cracks and swelling occurred on the surface of the molded article was measured.
[0131]
(3) Amount of undulation (undulation during rapid cooling)
Using a UH1000 (80t) high-speed and high-pressure injection molding machine (manufactured by Nissei Plastic Industries, Ltd.), 50 mm × 50 mm × 0.7 mm thick square formed products are molded under the resin temperature and mold temperature conditions shown in Tables 1-3. did. The square formed article was left in an oven at 140 ° C. for 1 hour, rapidly cooled in a constant temperature bath at −5 ° C., the square formed article was placed on a flat plate, and one of the four corners of the formed article was fixed. The distance between the three places and the flat plate was measured, and the maximum value of the obtained numerical values was defined as the amount of undulation. (The smaller the value of the undulation, the better the deformation resistance due to temperature change).
[0132]
(4) Liquidity
Using a UH1000 (80t) injection molding machine (manufactured by Nissei Plastic Industry Co., Ltd.), a square-shaped product (film gate) having a size of 50 mm × 50 mm × thickness 3 mm was formed under the resin temperature and mold temperature conditions shown in Table 2, The minimum molding pressure at that time was measured (the lower the molding minimum pressure, the better the fluidity). In addition, when the fluidity of the tablet of Example 2 was similarly evaluated, it was 200 MPa.
[0133]
(5) Tablet meltability
Using a hot plate, under the resin temperature conditions shown in Table 3, place 10 tablets side by side on a hot plate, place a preparation on the tablet, place a 50 g weight on it, and stop the time for the tablet to melt. It was measured with a watch (the shorter the melting time, the better the meltability and the shorter the weighing time during molding). When the tablet meltability of the tablet of Example 2 was evaluated in the same manner, it was 40 seconds.
[0134]
(6) Crushing strength measurement
A tablet was placed on a load cell, and an indenter having a compression surface of 16 mmφ was lowered from above at a low speed, and the pressure indicated by the load cell at the time of tablet compression breaking was measured. In addition, the crushing strength measuring device used is shown.
Pressure application part: Linear motion (manufactured by Oriental Motor Co.), 6RK60RGK-AM, 60W (motor part), 6LF13-1A (linear head part), MAX140kgf, descent speed 0.8-13.0mm / sec
Display: ASG-156A-42-17-1 (manufactured by Asahi Keiki Co., Ltd.), 0.1 to 300 kgf, resolution 1/3000.
[0135]
Comparative Example 5
A mixture obtained by dry blending 45.5% by weight (20.2% by volume) of the alumina of Reference Example 2 with 45.5% by weight (70.2% by volume) of polyphenylene sulfide (manufactured by Toprene, T-3AG) using a Henschel mixer. 9 wt% (6.2 vol%) of aluminum borate whiskers (Shikoku Kasei Kogyo Co., Ltd., Arbolex) are supplied to the twin screw extruder from the side of the extruder and melt-kneaded to obtain a pellet-shaped resin composition. I got something. Using a UH1000 (80t) high-speed and high-pressure injection molding machine (manufactured by Nissei Plastic Industry Co., Ltd.), the pellets were formed into a 50 mm × 50 mm × thickness 3 mm square shaped product at a resin temperature of 320 ° C. and a mold temperature of 150 ° C. A film gate was molded, and the thermal conductivity of this molded product was measured by a LF / TCM-FA8510B laser flash method constant measuring device manufactured by Rigaku Corporation. Thermal conductivity was 1.5 W / mK. In addition, using a UH1000 (80t) high-speed high-pressure injection molding machine (manufactured by Nissei Plastic Industry Co., Ltd.), at a resin temperature of 320 ° C., a mold temperature of 150 ° C. and a molding minimum pressure of +5 MPa, a 50 mm × 50 mm × 30 mm thick metal A piece was inserted and the resin composition was overmolded to a thickness of 0.7 mm to form a molded article for a thermal shock test. The molded article was molded using a TSA-70L thermal shock tester (manufactured by Tabai Espec Corporation). The molded product for the thermal shock test was visually observed every 5 cycles, with the exposure time at 130 ° C. being 1 hour, the exposure time at room temperature being no time, and the exposure time at -40 ° C. being 1 hour, and cracks and swelling were generated on the molded product. The cycle was measured. Thermal shock resistance was 5 cycles or less. Further, using a UH1000 (80t) high-speed and high-pressure injection molding machine (manufactured by Nissei Plastic Industry Co., Ltd.), a square formed product having a size of 50 mm × 50 mm × 0.7 mm thick was obtained under the conditions of resin temperature and mold temperature shown in Tables 1 to 3. Was molded. The square-shaped article was left in an oven at 140 ° C. for 1 hour, rapidly cooled in a refrigerator at 5 ° C., the square-shaped article was placed on a flat plate, and one of the four corners of the molded article was fixed. The distance between the plate and the flat plate was measured, and the maximum value of the obtained values was defined as the amount of undulation. The amount of undulation was 4.5 mm.
[0136]
Example 18
Using the tablet of Example 10, four cylindrical fin-shaped protrusions having a diameter of 5 mm and a height of 5 mm were attached to the side surfaces of a box-shaped molded product having a length of 25 mm × a width of 25 mm × a height of 5 mm × a thickness of 2 mm. The molded article of the housing was injection-molded under the same resin temperature and mold temperature conditions as in Example 10, the CPU of the personal computer was installed in the housing, the personal computer was operated, and the internal temperature of the housing after one hour was increased. As a result of the measurement, the temperature rise was reduced, and the device operated well without reducing the data processing speed. From this, it can be actually used as a heat dissipation member.
[0137]
As is clear from the results of Tables 1 to 3, according to the method for manufacturing a heat-dissipating member of the present invention, the heat-conductive filler can be highly filled, and the heat conductivity and cold-shock resistance, which were not obtained conventionally, It can be seen that dimensional retention can be obtained. In addition, since it is possible to perform melt processing with excellent moldability (fluidity, tablet meltability), it is not possible with thermoplastic resins, such as heat sinks and other metals used for obtaining high heat dissipation. It will be possible to develop new complicated heat dissipation applications with complicated shapes.
[0138]
【The invention's effect】
As described above, the heat dissipating member of the present invention makes it possible to obtain a heat dissipating member highly filled with a heat conductive filler, which has not been obtained conventionally, and also has a high heat conductivity that can be melt-processed and has good fluidity. Because it can provide molded products with excellent thermal shock resistance and dimensional retention, electrical and electronic equipment used for housings and heat sinks that require high heat dissipation, precision equipment, automotive and vehicle parts, It is suitable for use in members having various shapes such as building materials. Further, as compared with metal-made ones, they are lightweight and extremely high in shape selectivity, and are highly productive because they can be injection-molded.