JP2004175779A - 経口吸収性が改善された抗菌性医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】患者に安全に投与することが可能であり、かつ、セフジトレン ピボキシルの濡れ性を改善するだけでなく、経口吸収性の高い非晶質粒子を液体中で長時間維持することにより消化管からの吸収性がより改善されたセフジトレン ピボキシル製剤の提供。
【解決手段】セフジトレン ピボキシルの非晶質粒子と、ショ糖脂肪酸エステルと、場合によっては1種以上の薬学上許容される高分子とを含んでなる、医薬組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、経口吸収性が改善された抗菌性医薬組成物に関し、更に詳細には、非晶質セフジトレン ピボキシルを含んでなる抗菌性医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
抗菌性化合物であるセフジトレン(Cefditoren)は式(A):
【化1】
Figure 2004175779
で表されるセフェム化合物である。その化学名は、(+)−(6R,7R)−7−〔(Z)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセトアミド〕−3−〔(Z)−2−(4−メチルチアゾール−5−イル)エテニル〕−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクト−2−エン−2−カルボン酸である。この化合物は特公平3−64503号公報(特許文献1)において、7−〔2−メトキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体、シス異性体)の化学名で記載されている。
【0003】
このセフェム化合物の経口投与時の消化管吸収性(以下、この意味で単に「経口吸収性」ということがある)を高めることを目的として、そのセフェム化合物の2位カルボン酸基がピバロイルオキシメチル基でエステル化させてあるセフジトレンのピバロイルオキシメチルエステルはセフジトレン ピボキシル(Cefditoren Pivoxil)と呼ばれる。このプロドラック化合物は、式(B):
【化2】
Figure 2004175779
で表わされ、その化学名は(−)−(6R,7R)−7−〔(Z)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセトアミド〕−3−〔(Z)−2−(4−メチルチアゾール−5−イル)エテニル〕−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクト−2−エン−2−カルボン酸 2,2−ジメチルプロピオニルオキシメチルエステルである。このエステル化合物は酸型の元の薬物と比較して高い経口吸収性を示し得るものと一般に考えられている。しかしながら、セフジトレンのエステル化は必ずしも満足し得る程度に経口吸収性の増強または向上をもたらさなかった。
【0004】
セフジトレン ピボキシルの経口吸収性を向上させるべく、シクロデキストリン、あるいは水溶性のセルロース系高分子誘導体であるヒドロキシプロピルセルロースをセフジトレン ピボキシルに配合した製剤が提案された(特公平6−78234号公報(特許文献2)および特開平7−17866号公報(特許文献3))。しかしながらセフジトレン ピボキシルへのシクロデキストリンの添加はセフジトレン ピボキシルに由来の苦味を非常に増強させることになり、またヒドロキシプロピルセルロースの添加により得られる錠剤または顆粒剤の製剤が嵩高くなって服用しづらくなるという問題が生じた。
【0005】
これらの問題を解決すべく、水溶性カゼイン塩をセフジトレン ピボキシルに配合した製剤が近年に提案された(特許第2831135号公報(特許文献4))。しかしながら、カゼインが牛乳由来のタンパク質であるため、牛乳アレルギーを有する患者への投与はできなかった。
【0006】
このように、セフジトレン ピボキシルを患者に安全に投与することが可能で、かつその薬効を期待するに十分な経口吸収性を確保する製剤が求められていた。
【0007】
一方、難溶性薬物の経口吸収性を向上させる手段として、難溶性薬物を高分子基剤および非イオン性界面活性剤の存在下で非晶質化してなる固体組成物がWO96/19239号公報(特許文献5)に開示されている。上記組成物は液体に分散したときに薬物の非晶質が維持され、イヌに経口投与した場合の最高血中濃度(Cmax)および血中濃度曲線下面積(AUC)の増大が図られること、すなわち、経口吸収性の向上が図られることが記載されている。しかし、即効性の指標となる最高血中濃度到達時間(Tmax)の短縮は達成されていない。また、開示された固体組成物は、薬物、高分子基剤、および非イオン性界面活性剤が分子状態で混合していること、すなわち、固体分散体の状態であることが大きな特徴である。更にまた、このような製剤を製造するために噴霧乾燥法が使用されているが、噴霧乾燥法においてはジクロロメタン等の溶媒を使用する場合があり、その際には環境対策や安全性確保が必要となる。
【0008】
また、特許第3290970号公報(特許文献6)には難溶性薬物の経口吸収性を向上させる手段として難溶性NSAIDsと水溶性高分子基剤と非イオン性界面活性剤とを含有する固形製剤が開示され、その特徴として、難溶性NSAIDsが結晶の形態であることが挙げられている。
【0009】
更に、WO99/34832号公報(特許文献7)には結晶学的に安定な非晶質セファロスポリン組成物とその製造法が開示され、セファロスポリンを非晶質化することにより経口吸収性の改善が図られることが開示されている。また、特開2001−131071号公報(特許文献8)には非晶質セフジトレン ピボキシルの製造法が開示され、セフジトレン ピボキシルを非晶質化することにより経口吸収性の改善が図られることが開示されている。更に、WO02/87588号公報(特許文献9)にはセフジトレン ピボキシル結晶に有機高分子を混合し、粉砕して非晶質組成物を製造する方法が開示されている。
【0010】
【特許文献1】
特公平3−64503号公報
【特許文献2】
特公平6−78234号公報
【特許文献3】
特開平7−17866号公報
【特許文献4】
特許第2831135号公報
【特許文献5】
WO96/19239号公報
【特許文献6】
特許第3290970号公報
【特許文献7】
WO99/34832号公報
【特許文献8】
特開2001−131071号公報
【特許文献9】
WO02/87588号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らが確認したところ、セフジトレン ピボキシルの結晶を十分に懸濁させた懸濁液は非晶質の懸濁液と比較してイヌにおける経口吸収性が著しく低かった。このため特許第3290970号公報に開示された方法はセフジトレン ピボキシルには実用上適用できないことが分かった。その一方で、非晶質セフジトレン ピボキシルは溶液中で結晶に変化しやすいことから、非晶質セフジトレン ピボキシルを含んでなる抗菌性医薬組成物については依然として改良の余地があるといえる。
【0012】
すなわち本発明は、患者に安全に投与することが可能であり、かつセフジトレン ピボキシルの濡れ性を改善するだけでなく、経口吸収性の高い非晶質粒子を液体中で長時間維持することにより消化管からの吸収性がより改善されたセフジトレン ピボキシル製剤の提供をその目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は今般、非晶質セフジトレン ピボキシルをショ糖脂肪酸エステルと単に混合することにより、非晶質セフジトレン ピボキシルの結晶化が抑制されることを見いだした。本発明者等はまた、非晶質セフジトレン ピボキシルとショ糖脂肪酸エステルとの物理的混合物を含んでなる固形組成物が、吸収性および即効性に優れていることを確認した。非晶質化した薬物を製剤化するに当たって、有効成分を単に混合した製剤は固体分散体やシクロデキストリン等との可溶性複合体よりも吸収性および即効性において劣ると認識されていたことから、この事実は驚くべきものであった。
【0014】
すなわち本発明は、非晶質セフジトレン ピボキシルとショ糖脂肪酸エステルとを含んでなる医薬組成物であって、非晶質セフジトレン ピボキシルを含有する粒子をその粒子状態を維持したままショ糖脂肪酸エステルと混合または湿式造粒してなる医薬組成物を提供するものである。
【0015】
本発明による医薬組成物によれば、非晶質セフジトレン ピボキシルの非晶質の状態を長期にわたって維持することができ、セフジトレン ピボキシルの経口吸収性および即効性に優れている点で有利である。本発明による医薬組成物はまた、濡れ性に優れていることから水溶液に対する高い分散性や溶出性が期待できる。本発明による医薬組成物は、非晶質セフジトレン ピボキシルを含有する粒子をショ糖脂肪酸エステル等と単純に混合することにより製造でき、製剤化工程において溶媒が不要であることから、製造操作が簡便で、かつ安全面および環境面でも問題がない点で有利である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明による医薬組成物において、非晶質セフジトレン ピボキシルは粒子内に存在し、ショ糖脂肪酸エステルはその粒子外に存在する。このような粒子としては非晶質セフジトレン ピボキシルから実質的になる粒子や、非晶質セフジトレン ピボキシルと、ショ糖脂肪酸エステル以外の1種以上の薬学上許容される添加剤(例えば、水溶性高分子)との混合物から構成された粒子が挙げられる。
【0017】
非晶質セフジトレン ピボキシルを含有する粒子は市販されているものを使用しても、公知の方法に従って製造したものを使用してもよい。非晶質セフジトレン ピボキシルから実質的になる粒子は特公平3−64503号公報に記載される方法に従って製造できる。非晶質セフジトレン ピボキシルから実質的になる粒子はまた、例えば、セフジトレン ピボキシル溶液を低溶解性有機溶媒で沈殿することにより、セフジトレン ピボキシルの酢酸エチル溶液をイソプロピルエーテルで沈殿することにより、セフジトレン ピボキシル溶液を噴霧乾燥することにより、セフジトレン ピボキシル溶液を凍結乾燥することにより、あるいは結晶セフジトレン ピボキシルを粉砕することにより、製造することができる。このような粒子の製造にあたっては特開2001−131071号公報を参照できる。非晶質セフジトレン ピボキシルと水溶性高分子との均質混合物から構成された粒子は、例えば、セフジトレン ピボキシルと水溶性高分子とを共沈殿させることにより製造することができる。このような粒子の製造に当たっては、WO99/34832号公報を参照できる。
【0018】
本発明による医薬組成物に添加されるショ糖脂肪酸エステルは、市販されているものから選択して使用できる。
【0019】
ショ糖脂肪酸エステルは、薬学上許容され、かつ非晶質セフジトレン ピボキシルの非晶質維持期間を延長するものであればその種類は特に限定されないが、HLB値が高い親水性のものが好ましく、例えば、HLB値が10以上のもの、好ましくはHLB値が11〜20のものを用いることができる。HLB値は日本油化学協会編「基準油脂分析試験法」(1971)に準じて算出することができる。ショ糖脂肪酸エステルは、1種または必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
【0020】
ショ糖脂肪酸エステルの配合量はセフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対して0.1〜100mgとすることができ、好ましくは0.1〜5mgである。
【0021】
本発明による医薬組成物は、好ましくは、薬学上許容される高分子を更に含んでいてもよい。薬学上許容される高分子をショ糖脂肪酸エステルとともに非晶質セフジトレン ピボキシルを含有する粒子に添加することにより非晶質セフジトレン ピボキシルの非晶質維持期間を著しく延長することができる。
【0022】
本発明による医薬組成物に添加できる薬学上許容される高分子は、市販されているものから選択して使用できる。
【0023】
高分子は非晶質セフジトレン ピボキシルの非晶質維持期間の延長を阻害しないもの、あるいは非晶質維持期間をより延長させるものであればその種類は特に限定されないが、好ましくは薬学上許容される水溶性高分子を使用できる。
【0024】
使用できる高分子としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が挙げられ、好ましくは、HPMC、MC、およびHECである。高分子は1種または必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
【0025】
非晶質セフジトレン ピボキシルを含有する粒子への高分子の配合量はセフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対して1〜100mgとすることができ、好ましくは1〜50mgである。
【0026】
本発明による医薬組成物は、非晶質セフジトレン ピボキシルを含有する粉体または粒体をショ糖脂肪酸エステルおよび場合によっては薬学上許容される高分子および/または1種以上の薬学上許容される添加剤中に粒子を維持したまま存在させた混合物または湿式造粒物であることを特徴とする。すなわち本発明による医薬組成物は、有効成分をショ糖脂肪酸エステルを含む他の成分中に分子レベルで分散させた混合物、例えば、有効成分およびショ糖脂肪酸エステルを含む他の成分を溶媒に溶解させ、次いで溶媒を留去することにより得られた固体分散体、とは区別される。本発明による医薬組成物は、例えば、▲1▼粉体または粒体の各種成分をそのまま混合することによって、▲2▼固形状の各種成分を解砕しながら混合することによって、あるいは▲3▼有効成分以外の結合剤等を溶媒(例えば精製水)に溶解して得られた結合液を、有効成分を含む粉末混合物に加えて湿式造粒することによって、製造することができる。
【0027】
本発明による医薬組成物は、薬剤として経口投与に適した種々の剤形に処方することができる。経口投与に適した製剤としては、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤が挙げられる。経口投与に適した製剤は、賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、表面活性剤、潤滑剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤などの通常使用される1種以上の薬学上許容される添加剤を用いて常法により製造することができる。
【0028】
医薬組成物中におけるセフジトレン ピボキシルの含有量はその剤形に応じて異なるが、全組成物中5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%とすることができる。細菌による感染症などの治療および予防のための投与量は、用法、患者の年齢、性別、症状の程度などを考慮して適宜決定されるが、通常成人1日当り約300〜800mg程度とするのがよく、これを1日1回または数回に分けて投与することができる。
【0029】
【実施例】
以下の例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0030】
参考例1〜5および実施例1〜5
表1に示す配合比率で非晶質セフジトレン ピボキシルを含有する粒子と界面活性剤とを混合して均一な粉末混合物を得た。
【0031】
なお、実施例で使用した非晶質セフジトレン ピボキシルを含有する粒子は、WO99/34832号公報に従って、セフジトレン ピボキシルと水溶性高分子とを共沈殿させることにより製造した。
【0032】
【表1】
Figure 2004175779
試験例1
非晶質セフジトレン ピボキシルの懸濁濃度が10mg/mLであり、表1に示す組成比となるように各添加物を添加した懸濁液を調製した。具体的には、水350mLあるいは水350mLに各界面活性剤を溶解した水溶液を、3.5g力価相当量の非晶質セフジトレン ピボキシルに加え、懸濁液とした。調製した懸濁液について、非晶質維持期間を評価した。
【0033】
非晶質維持期間は次のように測定した。すなわち、懸濁液を25℃(気密)条件下で保存し、調製直後、1、2、3、5、7、10、14日後にサンプリングした。サンプリングした懸濁液を遠心分離し、残渣を減圧乾燥したものについて、粉末X線回折測定を行った。結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
Figure 2004175779
ショ糖脂肪酸脂肪酸エステル以外の界面活性剤では、非晶質セフジトレン ピボキシルの結晶化が促進されているのに対し、ショ糖脂肪酸エステルでは、非晶質維持期間が延長された。
【0035】
実施例6〜13
表3に示す配合比率で非晶質セフジトレン ピボキシルを含有する粒子と界面活性剤と高分子とを混合して均一な粉末混合物を得た。
【0036】
【表3】
Figure 2004175779
試験例2
非晶質セフジトレン ピボキシルの懸濁濃度が10mg/mLであり、表3に示す組成比となるように各添加物を添加した懸濁液を調製した。具体的には、水350mLにショ糖脂肪酸エステル(DKエステルSS)および各高分子を溶解し、この水溶液を3.5g力価相当量の非晶質セフジトレン ピボキシルに加え、懸濁液とした。調製した懸濁液について、非晶質維持期間を評価した。
【0037】
非晶質維持期間は次のように測定した。すなわち、懸濁液を25℃(気密)条件下で保存し、調製直後、1、2、3、5、7、10、14日後にサンプリングした。サンプリングした懸濁液を遠心分離し、残渣を減圧乾燥したものについて、粉末X線回折測定を行った。結果を表4に示す。
【0038】
【表4】
Figure 2004175779
ショ糖脂肪酸エステルは僅か0.1mgの添加により非晶質維持期間の延長が認められた。また、各高分子の添加により、非晶質維持期間の更なる延長が認められた。
【0039】
参考例6、7および実施例14
表5に示す配合比率で錠剤を製造した。参考例6においては結合剤、参考例7においてはヒドロキシプロピルメチルセルロース、実施例14においてはショ糖脂肪酸エステルとヒドロキシプロピルメチルセルロースを、それぞれ精製水に溶解し、結合液を得た。次いで残りの成分の粉末混合物に適量の上記結合液を加え、常法により湿式造粒した後、精製水を留去して顆粒を得た。この顆粒200mgを圧縮成型し、両面が平らな錠剤を得た。
【0040】
【表5】
Figure 2004175779
試験例3
参考例6、7、実施例14で得た錠剤について濡れ性を評価した。得られた錠剤に水10μLを滴下し、水滴が完全に錠剤中に吸収されるまでの時間を測定した。結果を表6に示す。
【0041】
【表6】
Figure 2004175779
カゼインナトリウムおよびショ糖脂肪酸エステルを含有しない錠剤(参考例7)と比較し、カゼインナトリウムを含有する錠剤(参考例6)は水の浸透時間が速くなった。さらに、ショ糖脂肪酸エステルを含有する錠剤(実施例14)は、カゼインナトリウムを含有する錠剤よりも顕著に水の浸透時間が短縮された。本発明による組成物は従来の濡れ性改善方法よりも顕著に濡れ性を改善することが判明した。
【0042】
試験例4
参考例6および実施例14で得た顆粒について、ヒトにおける経口吸収性を評価した。すなわち、健常成人24名によるクロスオーバー試験を実施した。顆粒1000mgを絶食下、水150mLで服用し、所定時間後に採血、HPLCで血中濃度を測定した。結果を表7および8並びに図1に示す。
【0043】
【表7】
Figure 2004175779
【表8】
Figure 2004175779
従来の経口吸収性が向上した顆粒(参考例6)と比較し、本発明による組成物(実施例14)は最高血中濃度(Cmax)および血中濃度曲線下面積(AUC)が増大、最高血中濃度到達時間(Tmax)が短縮し、経口吸収性および即効性が顕著に向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による医薬組成物(実施例14)および参考例6の組成物を健常成人に経口投与したときの血中セフジトレン濃度推移(n=24の平均±S.D.)を示した図である。

Claims (6)

  1. 非晶質セフジトレン ピボキシルとショ糖脂肪酸エステルとを含んでなる医薬組成物であって、非晶質セフジトレン ピボキシルを含有する粒子をその粒子状態を維持したままショ糖脂肪酸エステルと混合または湿式造粒してなる、医薬組成物。
  2. ショ糖脂肪酸エステルをセフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対し、0.1〜100mg含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 薬学上許容される高分子を更に含んでなる、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 高分子がヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、およびヒドロキシプロピルセルロースから選択される1種または2種以上の水溶性高分子である、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 高分子をセフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対し、1〜100mg含有する、請求項3または4に記載の医薬組成物。
  6. 1種以上の薬学上許容される添加剤を更に含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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