JP2004175607A - 基板製造装置および基板製造方法 - Google Patents

基板製造装置および基板製造方法 Download PDF

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Hiroshi Ishiyama
弘 石山
Yasuo Kawada
保夫 川田
Yukiyasu Sugano
幸保 菅野
Shoichi Miyauchi
昭一 宮内
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Abstract

【課題】簡単な構造で、所定の精度で容易に基板のエッチング量を検出可能な基板製造装置および基板製造方法を提供する。
【解決手段】エッチング槽11において、フッ酸25により、LCD基板30のガラス基板をエッチングし、エッチング後に洗浄・乾燥処理されたLCD基板30の質量を、ロードセル200によって測定する。コントローラ190は、エッチング前後のLCD基板30の質量差に基づいてエッチング量を検出し、再度エッチングを行なうか否かを判断する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばガラス基板を所定の厚さにエッチングして、液晶表示パネル等の表示用その他の基板を製造する製造装置および製造方法に関する。
特定的には、本発明は、エッチング対象である基板の質量を測定することによって基板のエッチング量を検出する基板製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)等の、ガラス基板を用いたディスプレイの薄型化および軽量化のために、ディスプレイ用のガラス基板のエッチングが行なわれている。
LCDを例に挙げて述べると、まず、複数枚のLCDのための画素が作り込まれた1対のガラス基板を対向させて貼り合わせることにより、マザー基板を組立てる。次に、エッチング時にマザー基板内部の画素が損傷しないように、2枚のガラス基板間を、エポキシ樹脂等のシール剤によってシールする。
その後、薬液を用いてマザー基板のガラス基板をエッチングする。エッチング後のマザー基板を洗浄した後に、画素が形成された部分をスクライブ・ブレーク法やレーザー分断法によって切り出すと、所定の厚さに薄型化された複数のLCDが得られる。
【0003】
上述のガラス基板のエッチングとして、たとえば特許文献1に開示されているような、フッ酸による反応エッチングが知られている。
フッ酸によるエッチングは、フッ酸がリサイクル可能であることから生産性が高い。また、化学的機械研磨のように外力を加える必要がなく、種々の厚さのガラス厚さを容易に得ることができるため、利便性が高い。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−147474号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載のようにフッ酸をリサイクルしながら用いると、フッ酸の濃度が見かけ上同じでも、エッチング時の反応によりエッチング溶液の組成が変化する場合がある。このため、ガラス基板を同じ量エッチングする場合にも、リサイクル回数に応じて反応温度や時間が変化する。
したがって、エッチング量を規定するための基準となる条件を得ることが困難であり、エッチング量の検出および制御が非常に困難であった。
【0006】
エッチング不足の場合に再エッチングする時にも、それまでにどの程度エッチングされていたかが分からないと、追加のエッチング量を決定することができない。エッチング量の情報が誤っており、追加のエッチング量が多過ぎると、オーバーエッチングされた規格外の製品を製造することにもつながる。
【0007】
本発明の目的は、構造が簡単であり、所定の精度で容易に基板のエッチング量を検出可能な基板製造装置を提供することである。
また、本発明の別の目的は、所定の精度で容易に基板のエッチング量を検出可能な基板製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る基板製造装置は、所定の薬液によって基板をエッチングするエッチング手段と、前記エッチング手段によりエッチングされた前記基板の質量を測定する測定手段と、前記測定手段で測定された、エッチング後の前記基板の質量と、所定の基準質量とに基づいて、前記基板のエッチング量を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された前記エッチング量に基づいて、前記基板のエッチングを再度行なう必要があるか否かを判断する判断手段とを有する基板製造装置である。
【0009】
また、本発明に係る基板製造方法は、所定の薬液で基板をエッチングするエッチング工程と、エッチングされた前記基板の質量を測定する測定工程と、前記測定工程で測定された、エッチングされた前記基板の質量と、所定の基準質量とに基づいて、前記基板のエッチング量を検出する検出工程と、前記検出工程で検出された前記エッチング量に基づいて、前記基板のエッチングを再度行なう必要があるか否かを判断する判断工程とを有する基板製造方法である。
【0010】
本発明においては、測定手段によって基板の質量を測定する。測定手段は、エッチング前の基板の質量を測定することも、エッチング後の基板の質量を測定することも可能である。
基板は、エッチング手段によって、所定の薬液でエッチングされる。
検出手段は、測定手段によって測定された、エッチングされた基板の質量を入手する。検出手段は、入手したエッチング後の基板の質量と、比較のために用いられる所定の基準質量とに基づいて、基板のエッチング量を検出する。
検出手段によって検出されたエッチング量に基づいて、基板を再度エッチングする必要があるか否かが、判断手段によって判断される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について述べる。
なお、以下では、一例として、画素が作り込まれたLCD基板、即ちマザー基板をエッチング対象とし、マザー基板の1対のガラス基板を、フッ酸を用いてエッチングして所定の厚さのマザー基板を製造する場合について述べる。
【0012】
第1実施形態
図1が、本発明に係る基板製造装置の第1実施形態の概略構成図である。図1に図解の基板製造装置1は、エッチング槽11と、第1のリンス槽12と、乾燥・洗浄槽13と、第2のリンス槽14と、乾燥槽15と、搬送ロボット20と、コントローラ190とを有する。
エッチング槽が本発明におけるエッチング手段の一実施態様に相当し、第1のリンス槽12または第2のリンス槽14が本発明における洗浄手段の一実施態様に相当し、乾燥・洗浄槽13または乾燥槽15が本発明における乾燥手段の一実施態様に相当する。また、搬送ロボット20が本発明における搬送手段の一実施態様に相当し、コントローラ190が本発明における検出手段および判断手段の一実施態様に相当する。
また、後ほど詳述するが、乾燥槽15には、圧電素子やロードセル等の、質量を測定する測定手段が設置される。
【0013】
エッチング槽11、第1のリンス槽12、乾燥・洗浄槽13、第2のリンス槽14、および乾燥槽15は、一例としてこの順で基板製造装置1に直列的に配置される。
搬送ロボット20は、ロボットアーム22が、伸縮可能、かつ、各槽の配置位置に応じて配設されているレール21に沿って移動可能になっている。また、この搬送ロボット20にコントローラ190が接続されており、ロボットアーム22は、コントローラ190からの指令信号に基づいて、LCD基板30を収容したカセット27を把持して各槽の間で搬送する。
【0014】
図2が、LCD基板30の一例を示す図である。図2(a)が模式的な平面図を示しており、図2(b)が図2(a)における断面I−Iから見た模式的な部分拡大断面図を示している。
図2(a),(b)に示すように、LCD基板30は、2枚の基板32,32を有している。一例として、基板32には、ホウ珪酸ガラスや石英ガラス等のガラス製の基板が用いられる。
【0015】
ガラス基板32には、ITO(Indium Thin Oxide)等の電極や、TFT(Thin FilmTransistor)等のスイッチング素子や、カラーフィルター、配向膜等の構成部材を用いて、画像表示のための画素が作り込まれた表示部37が複数形成されている。
【0016】
複数の表示部37が形成されたガラス基板32には、図示しないスペーサが散布される。その後、表示部37の周囲にLCDパネルシール剤34を塗布して、表示部37同士を対向させてガラス基板32を貼り合わせて、2枚のガラス基板32が組立てられる。
2枚のガラス基板32間のギャップGの大きさが、図示しないスペーサにより制御される。ギャップGの大きさは、一例として約3μm〜6μmである。
なお、LCDパネルシール剤34には、一例として、紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂等の樹脂材料が用いられる。
【0017】
本実施形態においては、図2(a)に示すように、2枚のガラス基板32は、縦方向と横方向にそれぞれたとえば1mm程度ずらせて組立てられる。したがって、表示部37は、2枚のガラス基板32をずらせて組立てたときに対向する位置に形成される。
以上により、LCDパネルシール剤34によって区切られた表示部37をそれぞれ有するLCDパネル30aが、1つのLCD基板30に、一度に複数形成される。
【0018】
スクライブ・ブレーク法やレーザー分断法によってLCD基板30から不要なガラス基板32を分断することにより、複数のLCDパネル30aを入手することができる。
なお、液晶は、LCD基板30を分断してLCDパネル30aを得た後に、LCDパネル30aのLCDパネルシール剤34の開口部から、表示部37間の空間38に注入される。液晶注入後、封止用の樹脂により開口部を塞ぐことにより、LCDパネル20aに液晶が封止される。
【0019】
ところで、LCDパネル30aの薄型化および軽量化のために、ガラス基板32を薄くすることが望まれている。従来は、一例として、厚さLが約0.7mmのガラス基板32を用いていた。ガラス基板32間のギャップGの大きさがガラス基板32の厚さLと比較して大幅に小さいことから、LCDパネル30aの厚さWが、ガラス基板32の厚さLによって規定されると仮定すると、この場合には厚さWは約1.4mmとなる。
【0020】
LCDパネル30aの薄型化・軽量化の点から、厚さWは、一例として約1mmかそれ以下にすることが望まれている。
また、LCD基板30の大きさが大きいほど、1つのLCD基板30から得られるLCDパネル30aの数が増え、生産効率が上がる。このため、ガラス基板32としては、一例として、縦横の長さが720mm×600mmかそれ以上のものが用いられている。
しかしながら、ガラス基板32の縦横の長さが650mm×550mm以上になると、厚さLが0.6mm以下のガラス基板32を製造することが非常に困難になる。このため、厚さWがたとえば1mm以下のLCDパネル30aを効率良く製造することができなかった。
【0021】
本実施形態においては、たとえば720mm×600mm以上の大きさのガラス基板32を用いて作成されたLCD基板30をエッチングして、LCD基板30ひいてはLCDパネル30aの厚さWを薄くする。
LCD基板30が、本発明における基板の一実施態様に相当する。
2枚のガラス基板32を対向させて組立てたLCD基板30をそのままエッチングすると、エッチング用の薬液や、洗浄用の純水がガラス基板32間に入り込み、表示部37を損傷させるおそれがある。このため、LCD基板シール剤36により、ガラス基板32間の隙間を封止するように、LCD基板30の周囲をエッチング前に予めシールする。
LCD基板シール剤36としては、一例として、エポキシ樹脂や紫外線硬化樹脂等の硬化性樹脂を用いる。
【0022】
上述のように周辺をシールされたLCD基板30は、このLCD基板30を1枚から複数枚収容可能な1個のカセット27に収容される。一例として、20枚程度のLCD基板30が、20mm程度の間隔で並列的に配置されて1個のカセット27に収容される。
LCD基板30を収容したカセット27は、同様にLCD基板30を収容した複数のカセット27が保管されている図示しないローディング部から、搬送ロボット20のロボットアーム22によって把持されて、基板製造装置1内に搬送される。
【0023】
基板製造装置1内に搬送されたLCD基板30は、まず乾燥槽15まで搬送され、そこで質量が測定される。図1に示すように、乾燥槽15の槽内の底部にはロードセル200が設置されている。LCD基板30を収容したカセット27がロードセル200上に載置されて、その質量が測定される。
【0024】
ロードセル200によって測定されて得られた質量は、コントローラ190に送信される。
コントローラ190は、ワークステーション等のコンピュータによって実現される。コントローラ190は、入手した質量を図示しないメモリ等の記憶手段に記憶する。その際に、入手した質量をそのまま記憶してもよいし、あらかじめ測定されて得られているカセット27の質量の値を差し引いて、LCD基板30の質量の値のみを記憶してもよい。以下では、一例として、LCD基板30の質量のみを記憶するものとする。
質量入手後、コントローラ190は、搬送ロボット20に指令信号を出力して、カセット27ごとLCD基板30をエッチング槽11まで搬送させる。
【0025】
エッチング用の薬液としては、たとえば、フッ化水素の水溶液であるフッ化水素酸、即ちフッ酸を用いる。エッチング槽11には、一例として15質量%のフッ酸25が蓄えられている。
エッチング槽11まで搬送されたLCD基板30は、ロボットアーム22によってカセット27ごとフッ酸25に浸漬される。カセット27は、カセット27内のLCD基板30へ外部からアクセスし易いように、LCD基板30を取り囲む周囲の面が、たとえば格子状のように開口している。
フッ酸25が、LCD基板30のうちのガラス基板32と反応してガラス基板32がエッチングされ、LCD基板30の厚さWが薄くなる。
【0026】
所定の温度のフッ酸25で所定時間エッチングを行なうことにより、所望の厚さWのLCD基板30が得られる。
エッチングされたLCD基板30は、ロボットアーム22によりカセット27ごと次の第1のリンス槽12へ搬送される。
【0027】
なお、フッ酸25には、エッチングにより濃度変化や不純物の混入が生じる。このため、フッ酸25はエッチング時間やエッチング枚数等のパラメータにより管理され、使用済みのフッ酸25は、エッチング槽11から図示しないエッチング液再生槽へ導かれ、リサイクルすることが可能になっている。
フッ酸25の入換えの際には、エッチング液再生槽おいて不純物が取り除かれ、濃度を再調整されたリサイクル済のフッ酸25が、エッチング液再生槽からエッチング槽11へ供給される。ただし、ある程度の大きさの不純物を取り除き、濃度を調整したとしても、リサイクルされたフッ酸は、リサイクル前のフッ酸25とは組成が変化している場合がある。このため、ガラス基板32を同じ量エッチングする場合にも、反応温度や時間は変化する場合がある。
【0028】
第1のリンス槽12には、純水が蓄えられている。カセット27に収容されているLCD基板30は、ロボットアーム22により純水中に浸漬されて洗浄される。これにより、LCD基板30からフッ酸が除去される。
純水を、流水にしてLCD基板30を洗浄するようにしてもよいし、シャワーによってLCD基板30に噴射することも可能である。
また、純水に加えて、N(窒素)ガスや乾燥空気(ドライエアー)をLCD基板30に噴射するようにしてもよい。これにより、洗浄効率が向上する。
【0029】
第1のリンス槽12においてフッ酸25がすすぎ落とされたLCD基板30は、ロボットアーム22によってカセット27ごと乾燥・洗浄槽13内に搬送される。
乾燥・洗浄槽13においては、まず、図示しない温風送出装置から、LCD基板30に向けて温風HAを送出して、LCD基板30を乾燥させる。これにより、フッ酸25とガラス基板32との反応により生成されていた反応生成物を析出させる。
フッ酸25とガラス基板32との反応により、たとえば、コロイダルシリカの集合体や、フッ化物や水酸化物が生成されると考えられる。これらの反応生成物は、たとえば白粉状となって析出する。
【0030】
本実施形態においては、乾燥・洗浄槽13にさらに図示しないドライエアー送出装置および純水噴射装置を設けている。ドライエアー送出装置および純水噴射装置による、LCD基板30へのドライエアーDAの噴射および純水WSのシャワーにより、LCD基板30およびカセット27から、析出物45の一部を除去することができる。
ドライエアーDAと純水WSによっては、比較的大きな析出物45を除去することができる。
【0031】
乾燥・洗浄槽13において除去しきれなかった比較的小さい析出物45は、次の第2のリンス槽14において除去する。
第2のリンス槽14には純水WTが蓄えられている。純水WTは、LCD基板30から除去した析出物45を含む不要物のLCD基板30への再付着防止の観点から、流水として第2のリンス槽14に供給されることが好ましい。この純水WT中に、LCD基板30およびカセット27が浸漬される。
【0032】
また、第2のリンス槽14の内部には、図1に示すように、超音波発生部18が設置されている。超音波発生部18は、一例として、カセット27に収容されたLCD基板30を、側面から挟んで対向するように配置される。
超音波発生部18からは超音波USがLCD基板30およびカセット27に向けて照射される。超音波USの振動作用により、乾燥・洗浄槽13においては除去しきれなかった細かな析出物45をも除去することができる。
【0033】
第2のリンス槽14において、析出した生成物45が除去されたLCD基板30およびカセット27は、ロボットアーム22によって、再び乾燥槽15内へ搬送され、乾燥槽15の底部に設置されているロードセル200上に載置される。
乾燥槽15には、乾燥・洗浄槽13と同様に温風送出装置が設置されており、この温風送出装置からの温風HAにより、カセット27およびLCD基板30が乾燥される。
【0034】
ロードセル200からは、エッチングされたLCD基板30を収容したカセット27の質量がコントローラ190に送信される。
コントローラ190は、送信された質量からカセット27の質量を差し引いて、エッチングされたLCD基板30の質量のみを入手し、このLCD基板30の質量を用いて、LCD基板30のエッチング量を検出する。
以下、LCD基板30の質量を用いたエッチング量の検出原理について詳細に述べる。
【0035】
図3(a)〜(c)が、エッチング量の検出原理について述べるための図である。
図3(a)に示すように、ロードセル200によって測定したエッチング前のLCD基板30の質量をXとする。また、図3(b)に示すように、同様にロードセル200によって測定したエッチング後のLCD基板30の質量をYとする。
このとき、コントローラ190は、図3(c)に示すような、ガラス基板32のうちのエッチングされた部分30bの質量Zを、Z=X−Yとして算出する。
質量Xが、本発明における基準質量の一実施態様に相当する。
【0036】
算出された質量Zが、LCD基板30のエッチング量となる。ただし、所望の厚さのLCD基板30を得るためには、この質量Zによりガラス基板32、ひいてはLCD基板の厚さがどの程度変化するかを明らかにしておくことが重要である。
したがって、以下では、LCD基板30を所望の厚さにするためには、質量Z、すなわち質量Yをいくらにすればよいかを、図4を参照しながら数値例を挙げてさらに詳細に述べる。
【0037】
図4(a)は、図2(a)と同様のLCD基板30の模式的な平面図であり、図4(b)はその模式的な断面図である。
一例として、図4(a)に示すガラス基板32の縦方向の長さHを720mmとし、横方向の長さAを600mmとする。また、ガラス基板32の厚さLをたとえば0.7mmとする。
前述のように、対向するガラス基板32間のギャップの大きさは無視するものとし、ガラス基板32を0.2mmずつエッチングして、LCD基板30全体の厚さWを、1.4mmから1.0mmにする場合を考える。
この場合、ガラス基板32の板厚方向のエッチング厚さTH1と、周辺部におけるエッチング厚さTH2は、ともに0.2mmとなる。
ただし、1対のガラス基板32の対向面は、LCD基板シール剤36によってシールされているためにエッチングされない。
【0038】
エッチング厚さTH1が0.2mmの場合に、1枚のLCD基板30のガラス基板32の板厚方向におけるエッチング量は、面積が720mm×600mmの面を、2枚でのべ0.4mmエッチングするため、ガラスの密度を一例として2.51(g/cm)とすれば、以下のように、約434gとなる。
【0039】
【数1】
72×60×0.04×2.51=433.728(g)・・・(1)
【0040】
LCD基板30の周辺方向においては、1枚のガラス基板32の周辺の長さが(72+60)×2(cm)である。この長さを、2枚のガラス基板32でのべ1mmの幅にわたって0.2mmの厚さ分エッチングする。
したがって、1枚のLCD基板30の周辺部におけるエッチング量は、以下のように約1.33gとなる。
【0041】
【数2】
(72+60)×2×0.02×0.10×2.51=1.32528(g)・・・(2)
【0042】
以上により、厚さWが約1.4mmのLCD基板30を約1.0mmの厚さにしたときにエッチングされるガラスの量は、1枚のLCD基板30当たり約435(g)(≒433.728+1.32528)となる。
したがって、カセット27にLCD基板30をたとえば20枚収容して1度にエッチングする場合には、エッチングされるガラスの量、即ち質量Zは、435.05×20で、のべ約8701gとなる。
【0043】
エッチング前に乾燥槽15において測定したLCD基板30の20枚分ののべ質量Xが、たとえば30360gであったとする。このとき、LCD基板30の1枚の質量は、1518gとなる。なお、この値は、72×60×0.07×2.51×2からも計算できる。
したがって、下記(3)式から、20枚のLCD基板30のエッチング後の質量Yが21659gになるまでエッチングすれば、1枚のLCD基板30の厚さWが平均して1.0mmとなることが分かる。
【0044】
【数3】
=X−Z=30360−8701=21659(g)・・・(3)
【0045】
上記(1)式から、LCD基板30の板厚方向に寄与するエッチング量は、433.728×20により、20枚分でのべ8674.56gである。このとき、1枚のLCD基板30は、両面でのべ0.4mmエッチングされている。
したがって、LCD基板30を20枚一度にエッチングする場合に、1枚のLCD基板30を1μmエッチングしたときのガラスの質量は、8674.56(g)/400(μm)=21.7(g/μm)となる。
【0046】
ここで、ロードセル200の測定精度を±100gとする。このとき、測定誤差は最大で200gとなる。したがって、200(g)/21.7(g/μm)≒9.22(μm)より、ロードセル200を用いてLCD基板30の質量を測定して、1枚のLCD基板30を両面で0.4mmエッチングする場合には、最大約±4.6μm、即ち1.15%の誤差が生じる可能性があることが分かる。
ガラス基板32のエッチング誤差は、一例として5%〜7%は許容可能である。したがって、本実施形態のようにロードセル200を用いてLCD基板30のエッチング量を算出することにより、実用上十分な精度を得ることができる。さらに高精度なロードセル、または他の質量測定手段を用いれば、さらに高精度にエッチング量を検出可能であることは言うまでもない。
【0047】
コントローラ190は、エッチング後のLCD基板30がカセット27ごとロードセル200上に載置された場合に、ロードセル200から質量Yを入手して、上述の原理に基づいてエッチング量を検出する。
そして、コントローラ190は、検出したエッチング量が、所定の規定範囲内であるかどうかを判断する。エッチング量が規定範囲外であり、エッチング不足であると判断した場合には、コントローラ190は搬送ロボット20に指令信号を出力し、乾燥槽15におけるロードセル200上のLCD基板30をカセット27ごとエッチング槽11まで搬送させ、LCD基板30を再度エッチングさせる。
【0048】
たとえば、測定した質量Yが22765gであったとする。したがって、この場合には質量Zは、30360−22765=7595(g)となる。このとき、1枚のLCD基板30が板厚方向にのべどの程度エッチングされたかを計算すると、7595/21.7=350(μm)=0.35(mm)となる。この値は、エッチング量の目標値である0.4mmよりも少ない。また、エッチング誤差は50μmであり、これは、許容誤差を7%としたときの値28μmよりも大きく、この場合のLCD基板30のエッチング量は、規定範囲外にある。
したがって、コントローラ190はこのLCD基板30を再エッチングさせる。
【0049】
コントローラ190は、算出した質量Zと、目標とするエッチング量の値8701gから、追加エッチング量を、8701−7595=1106(g)と算出する。上記の目標とするエッチング量の値は、コントローラ190の図示しないメモリ等の記憶手段に記憶させておけばよい。
【0050】
ところで、エッチング量は、薬液(フッ酸25)の温度や、時間等の様々なパラメータによって管理することが可能である。しかし、本実施形態のように、予めある程度エッチングしており、追加のエッチング量が最初のエッチング量と比較して微小である場合には、追加エッチング量はエッチング時間によって管理することが好ましい。その理由は、エッチング温度がフッ酸25のリサイクル回数の影響を受けやすく、条件により変化する追加エッチング量を管理することが困難であるのに対し、エッチング時間はリサイクル回数にあまり影響されず、精密な追加エッチング時間を算出することが温度の場合よりも容易であるためである。
【0051】
図5は、フッ酸25によってガラス基板32をエッチングした場合の、エッチング時間とエッチング量との関係を、フッ酸25のリサイクル回数別に表わしたグラフである。
図5において、横軸がエッチング量Xを表わしており、縦軸がエッチング時間Yを表している。
図5に示すように、フッ酸25を用いてガラス基板32をエッチングしたときのエッチング量Xとエッチング時間Yとの関係は、フッ酸25のリサイクル回数に応じた異なる関数Y=fi(X)(ただし、i=0,1,2,…,n)として表わされる。
この関数Y=fi(X)は、たとえば、リサイクル回数の異なるフッ酸25を用いて実際にLCD基板30をエッチングし、エッチング時間とエッチング量のデータを実際に採取することにより、実験的に得ることができる。
【0052】
上記の関数Y=fi(X)は、たとえばコントローラ190のメモリに蓄えておく。コントローラ190は、入力されるリサイクル回数の情報と、それに応じた関数Y=fi(X)とにより、追加エッチング量VEに応じた追加エッチング時間VTを算出する。
コントローラ190は、エッチング槽11中に搬送したLCD基板30を、追加エッチング時間VT経過後引き上げさせる指令信号を、搬送ロボット20に対して送信する。これにより、所望の厚さWのLCD基板30を得ることができる。
【0053】
再エッチングが終了したLCD基板30は、再び第1のリンス槽12、乾燥・洗浄槽13、第2のリンス槽14、乾燥槽15の順に搬送され、そこで再び洗浄および乾燥される。乾燥槽15において、再エッチングされたLCD基板30の質量をロードセル200によってもう一度測定する。コントローラ190は、再エッチングされたLCD基板30の質量に基づいて、エッチング量を再度検出する。
【0054】
ロードセル200によってLCD基板30の質量を測定した結果得られたエッチング量が、所定のエッチング誤差量の範囲、またはその範囲より多過ぎてオーバーエッチングされた場合には、LCD基板30はロボットアーム22によってカセット27ごと図示しないアンロード部から基板製造装置1の外部へ搬出される。オーバーエッチングされたLCD基板30は、規格外品としてたとえば廃棄する。
再エッチングした場合にもまだエッチング量が不足していると判断した場合には、コントローラ190は、エッチングから質量測定までの工程を、エッチング不足が解消されるまで繰り返す。
【0055】
以上の工程をプロセスフロー図としてまとめると、図6のようになる。
まず、前工程において製造されたLCD基板30がカセット27ごと基板製造装置1内に搬入される。搬入されたLCD基板30は、乾燥槽15において、ロードセル200によって質量が測定される(ステップST1)。
ただし、前工程における製造精度が高く、エッチング前のLCD基板30の質量がほぼ一定である場合には、LCD基板30の質量を予めコントローラ190に入力しておき、ステップST1を省略することも可能である。
質量が測定された後に、LCD基板30はエッチング槽11に搬送され、たとえばフッ酸によってエッチングされる(ステップST2)。
【0056】
エッチング終了後には、LCD基板30は第1のリンス槽12へ搬送され、少なくとも純水によってリンスし、エッチング薬液(フッ酸)が除去されるようにする(ステップST3)。
リンス後、乾燥・洗浄槽13において、まず、たとえば温風HAによってLCD基板30を乾燥させ、反応生成物を析出させる。
その後、析出した生成物45を、ドライエアーDAの噴射や純水WSのシャワーによって除去する(ステップST4)。
これにより、比較的大きな析出物45が除去される。
【0057】
乾燥・洗浄槽13における洗浄後、第2のリンス槽14においてLCD基板30ならびにカセット27をさらに超音波洗浄する(ステップST5)。
超音波を用いて洗浄することにより、ステップST4における純水WSやドライエアーDAでは除去しきれなかった細かな析出物45を、LCD基板30ならびにカセット27から除去することができる。
【0058】
超音波洗浄後のLCD基板30は、乾燥槽15においてたとえば温風HAによって乾燥されるとともに、ロードセル200によって質量が測定される。(ステップST6)
コントローラ190は、入手した測定質量に基づいて、LCD基板30のエッチング量を検出し、LCD基板30が規定量エッチングされたかどうかを判断する(ステップST7)。
コントローラ190は、エッチング量が規定の範囲外であり、エッチング不足であると判断した場合には、LCD基板30を再度エッチングする必要があると判断する。この場合には、ステップST2に戻り、ステップST2〜7の、エッチング、洗浄、乾燥、質量測定のステップを、エッチング量が規定範囲内に入るまで繰り返す。
コントローラ190は、ステップST7において、LCD基板30のエッチング量が規定の範囲内に入っており、エッチングを再度行なう必要がないと判断した場合には、次工程に進む。
第1回目のエッチング工程におけるエッチング量は、オーバーエッチングを防止するために、目標量よりもある程度小さくされる。しかし、第1回目のエッチング工程後の質量測定によりオーバーエッチングと判断された場合、または第2回目以降のエッチングによりオーバーエッチングが生じた場合には、その時点でLCD基板30は基板製造装置1の外部へ搬出される。
【0059】
ステップST7において、エッチング量が規定範囲内に収まったと判断した場合には、コントローラ190は、洗浄・乾燥を含むLCD基板30のエッチング処理を終了させて、アンロード部からLCD基板30を基板製造装置1の外部へ搬出させる(ステップST8)。
【0060】
以上のように、本第1実施形態によれば、LCD基板30を、容易かつ確実に所定量エッチングすることができる。
その際に、ロードセル200を用いてエッチング量を検出するため、実用上十分なエッチング精度を簡単な構造により得ることができる。したがって、基板製造装置1のコスト上昇を抑制可能であり、コストパフォーマンスに優れたLCD基板30を提供することができる。
また、エッチング量を制御するためには、薬液の温度やエッチング時間等のパラメータを細かく精密に管理する必要があったが、本実施形態のようにLCD基板30の質量測定を併用することにより、これらのパラメータの管理を大幅に簡略化することができる。
さらに、実際のエッチング量を検出してエッチングを進めることができるため、同一の基板製造装置においてエッチング処理されるLCD基板30の、バッチごとの製造精度のバラツキを抑制し、LCD基板30の製造精度を大幅に向上させることができる。
また、LCD基板30の厚さを実際に計測するわけではないため、複雑な形状のエッチング対象物に対しても、エッチング量を高精度に検出することができる。
【0061】
第2実施形態
第1実施形態においては、ロードセル200は、乾燥槽15の内部に設置されていたが、ロードセル200の設置対象は乾燥槽15に限らない。
以下の第2実施形態では、エッチング槽11から乾燥槽15までが収容されている装置とは別な領域にロードセル200が設置されている場合について述べる。
【0062】
図7が、本発明に係る基板製造装置の第2実施形態の概略構成図である。図7に図解の基板製造装置10は、エッチング処理装置10Eと、搬送ロボット20Aと、コントローラ190と、ロードセル200とを有している。
エッチング処理装置10Eは、第1実施形態における基板製造装置1に相当し、エッチング槽11と、第1のリンス槽12と、乾燥・洗浄槽13と、第2のリンス槽14と、乾燥槽15と、搬送ロボット20とを有している。これらは、第1実施形態の場合と機能・構成が同じであるため、同一構成要素には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。ただし、本第2実施形態における乾燥槽15には、ロードセル200は設置されていない。
【0063】
本第2実施形態においては、ロードセル200は、エッチング処理装置10Eとは異なる領域に設置される。ただし、作業の効率化のために、ロードセル200はエッチング処理装置10E近傍に設置されることが好ましい。
ロードセル200には、第1実施形態の場合と同様にコントローラ190が接続される。ロードセル200およびコントローラ190の機能も第1実施形態の場合と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0064】
コントローラ190はさらに搬送ロボット20Aに接続され、搬送ロボット20Aに対して指令信号を出力する。
搬送ロボット20Aは、ロードセル200とエッチング処理装置10Eとの間に配設されたレール21Aに沿って移動するロボットアーム22Aを有する。搬送ロボット20Aは、コントローラ190からの指令信号を受けて、LCD基板30が所定枚数収容されたカセット27を、ロボットアーム22Aによって把持し、ロードセル200とエッチング処理装置10との間で搬送させる。
この場合には、搬送ロボット20Aと、エッチング処理装置10E内部の搬送ロボット20は別体となっているが、両者を一体化することも可能である。
【0065】
本第2実施形態においては、LCD基板30のエッチング前に、ロボットアーム22AによってLCD基板30をカセット27ごと図示しないローディング部から搬出し、エッチング処理装置10E外部のロードセル200上に載置させる。
ロードセル200により、LCD基板30の質量が測定される。
【0066】
質量測定後に、LCD基板30はロボットアーム22Aによって把持されて、エッチング処理装置10E内に搬入される。
エッチング処理装置10E内においては、LCD基板30はロボットアーム20によって搬送されて、第1実施形態と同様にエッチング槽11におけるエッチングから乾燥槽15における乾燥までのエッチング処理が行なわれる。
【0067】
エッチングおよび乾燥後に、コントローラ190は搬送ロボット20Aに指令信号を出力して、LCD基板30およびカセット27をエッチング処理装置10Eから搬出して、ロードセル200上に載置させる。
これにより、エッチングされたLCD基板30の質量が測定される。
測定したLCD基板30の質量に基づいてエッチング量を検出し、コントローラ190によりエッチング量および再エッチングの必要性があるか否かを判断して、エッチング量が規定範囲内に収まるまでエッチングおよび質量測定を繰り返させる手順は、第1実施形態の場合と同様である。
なお、エッチング後のLCD基板30の質量測定は、乾燥槽15における乾燥後に限らず、任意のエッチング処理後に行なうことも可能である。
【0068】
以上のように、本第2実施形態においても、LCD基板30のエッチング量を所定の精度で制御することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。その際に、LCD基板30をわざわざ乾燥槽15まで搬送して質量を測定する必要がないため、LCD基板30の搬送作業を簡略化することができる。また、エッチング処理プロセス中の任意の工程において質量を測定することができるため、プロセス設計の自由度が増す。
さらに、たとえば乾燥槽15において、あるLCD基板を乾燥中にも、ロードセル200において他のLCD基板の質量を測定することも可能になるため、生産性を向上させることができる。
【0069】
変形形態
図8に、本発明に係る基板製造装置の変形形態の概略構成図を示す。図8に図解の基板製造装置100においては、第1のリンス槽12内にロードセルを設置しており、そのロードセルにコントローラ190が接続されている。
それ以外の基板製造装置の構成および機能は第1実施形態の場合と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0070】
また、図8に図解の基板製造装置100においては、ロードセル200よりも小型のロードセル210を複数用いている。個々のロードセル210が本発明における測定部の一実施態様に相当し、複数のロードセル210により、1つの測定手段が構成される。
LCD基板30をリンスする場合には、LCD基板30が収容されたカセット27を第1のリンス槽12中の所定の位置に配置する必要がある。複数のロードセル210を、カセット27の配置位置に設置しておくことにより、カセット27の位置決めと質量測定を同時に行なうことが可能になる。
【0071】
ロードセル210を第1のリンス槽12に設置した場合には、エッチング量の制御のためのプロセスフロー図は、図9のようになる。
前工程において製造されたLCD基板30は、カセット27ごと基板製造装置100内に搬入され、第1のリンス槽12において、ロードセル210によって質量が測定される(ステップST21)。
この場合にも、エッチング前のLCD基板30の質量がほぼ一定であれば、LCD基板30の質量を予めコントローラ190に入力しておき、ステップST21を省略することも可能である。
【0072】
質量測定後のLCD基板30はエッチング槽11に搬送され、フッ酸によってエッチングされる(ステップST22)。
エッチング終了後には、LCD基板30は第1のリンス槽12へ搬送され、少なくとも純水によってリンスし、エッチング薬液(フッ酸)が除去されるようにする。また、フッ酸25の除去とともに、エッチング後のLCD基板30の質量もロードセル210によって測定される。(ステップST23)。
【0073】
第1のリンス槽12には純水が蓄えられていることにより、LCD基板30をロードセル210によって測定した場合の質量と、純水が存在しない場合に測定した場合の質量とは異なる。本実施形態においては、コントローラ190によって、LCD基板30と純水の密度差から、質量差を補正するようにしておくことにより、エッチング量に誤差が発生することを防止することができる。
また、第1のリンス槽12におけるリンス時点では、エッチングによる反応生成物の一部がLCD基板30に付着している可能性がある。しかしながら、このような反応生成物の質量は、LCD基板30の質量と比較して小さいため、エッチング精度に与える影響は無視できる程度に小さいと考えられる。
【0074】
コントローラ190は、入手した測定質量に基づいて、LCD基板30のエッチング量を検出し、LCD基板30が規定量エッチングされたかどうかを判断する(ステップST24)。
エッチング不足であり、再エッチングが必要であると判断した場合にはステップST22へ戻り、コントローラ190はLCD基板30のエッチングおよび質量測定のステップを、エッチング量が規定範囲内に入るまで繰り返させる。
コントローラ190は、ステップST24において、LCD基板30のエッチング量が規定の範囲内に入っており、再エッチングの必要がないと判断した場合には、次工程に進む。
【0075】
次の工程は図6のステップST4およびST5と同じであり、乾燥・洗浄槽13において、比較的大きい析出物45を含む不要物が除去され(ステップST25)、第2のリンス槽14において細かな析出物45を含む細かな不要物が超音波を用いて除去される(ステップST26)。
規定量エッチングされた後に洗浄されたLCD基板30は、乾燥槽15に搬送されて乾燥される(ステップST27)。
【0076】
以上のように、所望の厚さWとなったLCD基板30は、ロボットアーム22によって基板製造装置100の外部に搬出されて、LCD基板30のエッチング処理が終了する(ステップST28)。
なお、第1実施形態の場合と同様に、エッチング後の質量測定によってオーバーエッチングされたと判断されたLCD基板30は、その時点において規格外品として搬出される。
【0077】
図8に図解の基板製造装置100の場合には、第2実施形態の場合よりもさらにエッチング処理のタクトタイムを短縮することができ、生産性を向上可能である。
また、ロードセルにかかる荷重が分散されるため、耐荷重性は低くとも高精度なロードセルを使用することが可能になり、エッチング精度のさらなる向上を図ることもできる。
なお、ロードセル210またはロードセル200は、第1のリンス槽12以外の、エッチング槽11、乾燥・洗浄槽13、第2のリンス槽14のいずれにも設置することが可能である。その場合にも、第2実施形態と比較した場合のタクトタイムの減少および生産性向上の効果がある。
【0078】
エッチング槽11にロードセルを設置する場合には、フッ酸25によってロードセルが損傷を受ける可能性がある。このため、たとえばステンレスのようなSUS鋼を用いてロードセルを構成することが好ましい。
ロードセルに耐酸性を付与しない場合には、図10に図解のような構造のロードセルを用いることにより、LCD基板30のエッチング中にもその質量を測定することが可能になる。
【0079】
たとえば、図10(a)に示すように、エッチング槽11の両側に土台11aを設け、土台11aに測定部としてのロードセル220を設置する。
2つのロードセル220をつないで接続された耐酸性のロープ等の吊り下げ部材に載置板115を設置する。この載置板を、たとえば滑車WHを介してエッチング槽11内部に懸垂させて配置する。載置板115が、本発明における載置部の一実施態様に相当する。
載置板115上に、図示しないカセットに収容されたLCD基板30を載置することにより、LCD基板30の質量を測定することができる。
【0080】
または、図10(b)に図解の構造によっても、エッチングしながらLCD基板30の質量を測定することができる。
図10(b)に図解の場合には、エッチング槽11内の底部に、載置板117が配置されている。載置板117も、本発明における載置部の一実施態様に相当する。
載置板117には支持棒118が接続されている。支持棒118は、載置板117から、エッチング槽11の底部を貫通して、エッチング槽11の外部まで伸びている。
支持棒118の、載置板117が接続されている端部とは反対側の端部に、ロードセル200が接続されている。なお、エッチング槽11と支持棒118の境界は、パッキン等の封止手段により封止することが、エッチング薬液の漏れを防ぐために好ましい。
載置板117上に、図示しないカセットに収容されたLCD基板30を載置することにより、LCD基板30の質量を測定することができる。
【0081】
以上の構成により、エッチングにともなうLCD基板30の質量変化を、リアルタイムに測定することができる。したがって、タクトタイムをさらに低減可能であり、生産性をさらに向上させることも可能である。また、エッチング精度をさらに向上させることもできる。
なお、図10(a),(b)に図解のように構造されるロードセルは、エッチング槽11に限らず、その他の槽に設置することも可能である。このように槽の外部にロードセルを設置した場合には、ロードセルの保守・点検、交換等の作業が容易になる。
【0082】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。
たとえば、LCD基板30の質量を測定した際に、予想される範囲よりも大きい質量変化が検出された場合には、たとえばガラス基板32の欠けや割れ等の損傷が発生したとして、アラームを発生するようにしてもよい。
【0083】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、構造が簡単であり、所定の精度で容易に基板のエッチング量を検出可能な基板製造装置を提供することができる。
また、本発明によれば、所定の精度で容易に基板のエッチング量を検出可能な基板製造方法を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る基板製造装置の第1実施形態の概略構成図である。
【図2】図2(a),(b)は、本発明に係るLCD基板の一例を示す図である。
【図3】図3(a)〜(c)は、本発明に係るエッチング量の検出原理について述べるための図である。
【図4】図4(a),(b)は、図2(a),(b)と同じLCD基板を示す模式図である。
【図5】図5は、フッ酸によってガラス基板をエッチングした場合の、エッチング時間とエッチング量との関係を、フッ酸のリサイクル回数別に表わしたグラフである。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に係る基板製造方法の一例を示すプロセスフロー図である。
【図7】図7は、本発明に係る基板製造装置の第2実施形態の概略構成図である。
【図8】図8は、本発明に係る基板製造装置の変形形態の概略構成図である。
【図9】図9は、本発明の異なる実施形態に係る基板製造方法の一例を示すプロセスフロー図である。
【図10】図10(a),(b)は、槽の外部にロードセルを設置する場合の設置例を示す図である。
【符号の説明】
1,10,100…基板製造装置、10E…エッチング処理装置、11…エッチング槽、12…第1のリンス槽、13…乾燥・洗浄槽、14…第2のリンス槽、15…乾燥槽、18…超音波発生部、20,20A…搬送ロボット、21,21A…レール、22,22A…ロボットアーム、25…フッ酸(フッ化水素酸)、27…カセット、30…LCD基板、30a…LCDパネル、32…ガラス基板、34…LCDパネルシール剤、36…LCD基板シール剤、37…表示部、45…析出反応生成物(析出物)、190…コントローラ、200,210…ロードセル、US…超音波

Claims (13)

  1. 所定の薬液によって基板をエッチングするエッチング手段と、
    前記エッチング手段によりエッチングされた前記基板の質量を測定する測定手段と、
    前記測定手段で測定された、エッチング後の前記基板の質量と、所定の基準質量とに基づいて、前記基板のエッチング量を検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出された前記エッチング量に基づいて、前記基板のエッチングを再度行なう必要があるか否かを判断する判断手段と
    を有する基板製造装置。
  2. 指令信号に基づいて、前記エッチング手段と前記測定手段との間で前記基板を搬送する搬送手段をさらに有し、
    前記判断手段は、検出した前記エッチング量が所定の規定範囲外である場合には、前記指令信号を前記搬送手段に出力して、前記基板を前記エッチング手段により再度エッチングさせ、当該基板を前記測定手段まで搬送させて、エッチング量の再検出を行なわせる。
    請求項1に記載の基板製造装置。
  3. 前記判断手段は、前記基板の前記エッチング手段によるエッチングおよび当該基板の前記測定手段までの搬送後のエッチング量の検出を、検出した当該エッチング量が前記規定範囲内になるまで繰り返させる
    請求項2に記載の基板製造装置。
  4. 前記測定手段は前記エッチング手段に設置され、前記測定手段は、前記基板のエッチングの進行にともなって変化する質量を測定する
    請求項1に記載の基板製造装置。
  5. 前記エッチング手段に設置される前記測定手段は、
    前記エッチング手段のエッチング槽の外部の両側に設置される測定部と、
    前記測定部に連結されて、前記エッチング槽の内部に懸垂されて配置され、前記基板が載置される載置部と
    を有する請求項4に記載の基板製造装置。
  6. 前記エッチング手段によりエッチングされた前記基板を洗浄する洗浄手段をさらに有し、
    前記測定手段は、前記洗浄手段によって洗浄される前記基板の質量を測定する
    請求項1に記載の基板製造装置。
  7. エッチング後に洗浄された前記基板を乾燥させる乾燥手段をさらに有し、
    前記測定手段は、前記乾燥手段によって乾燥される前記基板の質量を測定する
    請求項1に記載の基板製造装置。
  8. 前記測定手段は、
    前記基板が載置され、前記基板を位置決め可能な複数の測定部を有する
    請求項1に記載の基板製造装置。
  9. 前記測定手段は、
    前記基板が収容される槽の内部に配置され、当該基板が載置される載置部と、
    前記載置部に載置された前記基板が当該載置部を押圧する押圧方向において、前記槽を貫通して前記載置部を支持し、前記基板の質量を測定する測定部と
    を有する
    請求項1に記載の基板製造装置。
  10. 所定の薬液で基板をエッチングするエッチング工程と、
    エッチングされた前記基板の質量を測定する測定工程と、
    前記測定工程で測定された、エッチングされた前記基板の質量と、所定の基準質量とに基づいて、前記基板のエッチング量を検出する検出工程と、
    前記検出工程で検出された前記エッチング量に基づいて、前記基板のエッチングを再度行なう必要があるか否かを判断する判断工程と
    を有する基板製造方法。
  11. 前記検出工程において検出した前記エッチング量が所定の規定範囲外である場合には、前記基板を再度エッチングし、当該基板のエッチング量の再検出を行なう
    請求項10に記載の基板製造方法。
  12. 前記基板のエッチングおよび当該基板のエッチング量の検出を、検出した当該エッチング量が前記規定範囲内になるまで繰り返す
    請求項11に記載の基板製造方法。
  13. 前記測定工程を前記エッチング工程と同時に行ない、前記基板のエッチングの進行にともなって変化する質量を測定する
    請求項10に記載の基板製造方法。
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