JP2004174420A - 同位体の分離濃縮方法及び同位体分離濃縮装置 - Google Patents

同位体の分離濃縮方法及び同位体分離濃縮装置 Download PDF

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博之 蔦谷
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Abstract

【課題】一酸化炭素から14COを容易に分離濃縮することが可能な分離濃縮方法並びに分離濃縮装置を提供する。
【解決手段】少なくとも12CO及び14COを含む原料ガスを同位体選択性吸着剤が含まれる吸着系に供給して、14COを前記同位体選択性吸着剤に吸着させるとともに12COを前記吸着系から流過させる吸着工程と、前記吸着系中に前記原料ガスの供給方向と同一方向から14CO富化ガスを供給する並流パージ工程と、前記同位体選択性吸着剤を吸着工程時より低圧に導くことにより、14COを脱着させて回収するとともに前記同位体選択吸着剤を再生する再生工程とを備え、前記再生工程において脱着された14COの一部を14CO富化ガスとして前記並流パージ工程に送ることを特徴とする同位体の分離濃縮方法を採用する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同位体選択性吸着剤及び同位体の分離濃縮方法並びに同位体分離濃縮装置に関し、特に一酸化炭素中の14COの分離濃縮法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭素同位体の1つである14Cは、医療分野や原子力産業の分野において需要が高まっている。特に医療分野においては、核磁気共鳴法や磁気共鳴画像表示法による診断を行う際のマーカー試薬としての需要が高まっている。また最近では、この14Cを原料として製造された尿素を腫瘍マーカーとして用いる診断方法が開発されており、14Cの需要はますます高まっている。
14Cは、天然存在比が微量であるので、上記の用途で利用するにはこれを分離濃縮する必要があり、最近では一酸化炭素(CO)から14COを分離濃縮して14Cを抽出する手法が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、14COの分離濃縮方法は、高度な技術を要するとともに多大なエネルギーを消費することで知られている。即ち、従来の14COの分離濃縮方法である液化精密蒸留法は、14COと12COの蒸気圧の差を利用して分離するものであるが、14COと12COの沸点差がわずか1Kであるため非常に大きな分離段数が必要となり、また分離する際に−150℃以下の低温にする必要があって分離効率が少なく、このため分離に掛かる手間と消費電力が大きいものであった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、一酸化炭素から14COを容易に分離濃縮することが可能な分離濃縮方法並びにこの吸着剤を用いた分離濃縮装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の同位体の分離濃縮方法は、少なくとも12CO及び14COを含む原料ガスを同位体選択性吸着剤が含まれる吸着系に供給して、14COを前記同位体選択性吸着剤に吸着させるとともに12COを前記吸着系から流過させる吸着工程と、前記吸着系中に前記原料ガスの供給方向と同一方向から14CO富化ガスを供給する並流パージ工程と、前記同位体選択性吸着剤を吸着工程時より低圧に導くことにより、14COを脱着させて回収するとともに前記同位体選択吸着剤を再生する再生工程とを備え、前記再生工程において脱着された14COの一部を14CO富化ガスとして前記並流パージ工程に送ることを特徴とする。
【0006】
係る同位体の分離濃縮方法は、いわゆる圧力スイング法による分離濃縮方法であり、14COを吸着させると同時に12COを流過させることで、14COと12COを分離して14COを減容濃縮することができる。
また、14CO富化ガスを用いて並流パージを行うことにより、吸着系内のデッドスペース等に残留する12COを排出させ、この後に14COを脱着回収するので、14COを高濃度で回収できる。
【0007】
また本発明の同位体の分離濃縮方法は、先に記載の同位体の分離濃縮方法であり、脱着した14COの全量に対する前記14CO富化ガス量の比率が90%以上であることを特徴とする。
係る同位体の分離濃縮方法によれば、並流パージ工程に送る14CO富化ガス量の比率が、脱着した14COの全量の90%以上なので、14COの濃縮率を向上することができる。
【0008】
また本発明の同位体の分離濃縮方法は、先に記載の同位体の分離濃縮方法であり、前記同位体選択性吸着剤を低圧に導く際に、前記吸着系中に前記原料ガスの供給方向と逆方向から不活性ガスを供給することを特徴とする
係る同位体の分離濃縮方法によれば、再生工程時に不活性ガスを供給して当該吸着系内の14COを脱着するので、同位体選択性吸着剤を迅速に再生できる。
【0009】
また本発明の同位体の分離濃縮方法は、先に記載の同位体の分離濃縮方法であり、前記同位体選択性吸着剤がフォウジャサイト、ペンタシルゼオライト又はモルデナイトのいずれかであることを特徴とする。
また本発明の同位体の分離濃縮方法は、先に記載の同位体の分離濃縮方法であり、前記同位体選択性吸着剤のSiO/Alのモル比が2〜4000の範囲であることを特徴とする。
また本発明の同位体の分離濃縮方法は、先に記載の同位体の分離濃縮方法であり、前記同位体選択性吸着剤がNa、Li、Ca、Fe、Co及びCuからなる群より選ばれる1種以上のイオンを含むものであることを特徴とする。
【0010】
係る同位体の分離濃縮方法によれば、14COと12COとの分離係数が高い上記の同位体選択性吸着剤を用いるので、14COを選択的に分離濃縮することができる。
【0011】
また本発明の同位体の分離濃縮方法は、先に記載の同位体の分離濃縮方法であり、前記吸着系のn個(nは2以上)を並列に配置し、各吸着系における工程の進行を1/nずつずらして14COの吸着を行うことを特徴とする。
係る同位体の分離濃縮方法によれば、複数の吸着系を用い、各吸着系における工程の進行を1/nずつずらして分離濃縮を行うので、14CO富化ガスを連続的に得ることができる。
【0012】
次に本発明の同位体分離濃縮装置は、少なくとも12CO及び14COを含む原料ガスを同位体選択性吸着剤に接触させて14COを吸着させるとともに12COを流過させた後に、吸着時よりも低圧条件で前記同位体選択性吸着剤から前記14COを脱着させて回収する同位体分離濃縮装置であり、同位体選択性吸着剤が充填された少なくとも1以上の吸着塔と、前記原料ガスを前記吸着塔に導入するために前記吸着塔の入口側に接続された入口側流路と、前記吸着塔の出口側に接続されて12CO富化ガスを排出する出口側流路と、前記吸着塔を低圧にして14CO富化ガスを脱着させて回収するとともに不活性ガスを該吸着塔出口側から流す再生部と、脱着後の14CO富化ガスを一時的に貯留し、該14CO富化ガスを前記吸着塔の入口側に供給する並流パージ部とを具備してなることを特徴とする。
【0013】
係る同位体分離濃縮装置によれば、いわゆる圧力スイング法による分離濃縮方法を採用でき、14COを吸着剤に吸着させて12COから分離し、更に14COを吸着剤から脱着させるので、高濃度な14COを得ることができる。
また、14CO富化ガスを用いて並流パージを行うことができ、これにより吸着系内のデッドスペース等に残留する12COを排出させた後に14COを脱着回収するので、14COを高濃度で回収できる。
【0014】
また本発明の同位体分離濃縮装置は、先に記載の同位体分離濃縮装置であり、前記同位体選択性吸着剤がフォウジャサイト、ペンタシルゼオライト又はモルデナイトのいずれかであることを特徴とする。
また本発明の同位体分離濃縮装置は、先に記載の同位体分離濃縮装置であり、前記同位体選択性吸着剤のSiO/Alのモル比が2〜4000の範囲であることを特徴とする。
また本発明の同位体分離濃縮装置は、先に記載の同位体分離濃縮装置であり、前記同位体選択性吸着剤がNa、Li、Ca、Fe、Co及びCuからなる群より選ばれる1種以上のイオンを含むものであることを特徴とする。
【0015】
係る同位体分離濃縮装置によれば、14COと12COとの分離係数が高い上記の同位体選択性吸着剤を用いるので、高濃度な14COを得ることができる。
【0016】
また本発明の同位体分離濃縮装置は、先に記載の同位体分離濃縮装置であり、先のいずれかに記載の同位体分離濃縮装置が複数直列に接続してなることを特徴とする。
【0017】
係る同位体分離濃縮装置によれば、分離濃縮により得られた14CO富化ガスを次の段の同位体分離濃縮装置で更に濃縮するので、極めて高濃度の14COを得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に、本発明に係る同位体分離濃縮装置の一例を示す。この同位体分離濃縮装置は、同位体選択性吸着剤が充填された2つの吸着塔31,32と、原料ガスを各吸着塔31、32に導入するために各吸着塔31、32の入口側に接続された入口側流路Aと、各吸着塔31、32の出口側に接続されて12CO富化ガス(14COが除かれたガス)を排出する出口側流路Bと、各吸着塔を低圧にして14CO富化ガスを脱着させるとともに不活性ガスを各吸着塔出口側から流す再生部Cと、脱着後の14CO富化ガス(14COが濃縮されたガス)の一部を一時的に貯留し、この一部の14CO富化ガスを各吸着塔の入口側に供給する並流パージ部Dとを主体として構成されている。
【0019】
各吸着塔31、32はコールドボックス30内に配置されている。コールドボックス30は、原料ガスの供給時に各吸着塔31、32内の同位体選択性吸着剤を−155℃以上0℃以下の温度に保つものである。
次に、入口側流路Aは、各吸着塔31、32の入口側に接続された流路34と、流路34の途中に配置されて原料ガスを各吸着塔31、32に送るブロア35と、各吸着塔31、32の入口側(流路34)に設けられた開閉自在なバルブ1,7から構成されている。
次に、出口側流路Bは、各吸着塔31、32の出口側に接続された流路38と、流路38の途中に配置されて12CO富化ガスを排出するためのブロア39と、各吸着塔31、32の出口側(流路38)に設けられた開閉自在なバルブ4,10から構成されている。
【0020】
次に、再生部Cは、各吸着塔31、32の入口側に接続された流路41と、流路41の途中に配置されて各吸着塔31、32を低圧にして14CO富化ガスを脱着させる真空ポンプとア37と、14CO富化ガス(並流パージガス)を一時的に貯留するバッファタンク36と、各吸着塔31、32の入口側(流路41)に設けられた開閉自在なバルブ2,8から構成されている。バッファタンク36内に回収された14CO富化ガスは、並流パージガスとしてバルブ2,8を通じて吸着塔31、32に送り並流パージに使われる。
更に再生部Cには、各吸着塔31、32の出口側に接続された流路42と、流路42に接続されてヘリウム、アルゴン等の向流パージガスを貯留する向流パージタンク43と、各吸着塔31、32の出口側(流路42)に設けられた開閉自在なバルブ5,11が備えられている。
次に並流パージ部Dは、バッファタンク36内の14CO富化ガスの一部(並流パージガス)を各吸着塔31、32の入口側に送る流路45と、各吸着塔31、32の入口側(流路45)に設けられた開閉自在なバルブ3、9と、各吸着塔31、32の出口側から排出された並流パージガスを入口側流路Aに還流する流路46と、各吸着塔31、32の出口側(流路46)に設けられた開閉自在なバルブ6,12とから構成されている。
並流パージにより吸着塔31、32から流過した並流パージガスには14COが含まれるため、原料ガスに戻して再び分離濃縮に使用される。
また、バッファタンク36内の14CO富化ガスの残部は、製品として装置外に取り出される。
【0021】
次に、この同位体分離濃縮装置の動作を説明する。
各吸着塔31、32では、14CO吸着(吸着工程)−並流パージ(並流パージ工程)−減圧(再生工程)−向流パージ(再生工程)−昇圧という操作サイクルが繰り返し行われる。すなわち、各吸着塔では、
(1)原料ガスの供給(14CO吸着及び12CO排出)、
(2)14COが濃縮された14CO富化ガスの供給(並流パージ)と、それによる塔内残留12COの置換、
(3)減圧による14COの脱着及び貯留、
(4)14COを含まない向流パージガスを用いた、塔頂よりの逆洗による塔内洗浄(向流パージ)、そして
(5)昇圧
という操作サイクルが行われ、14COの吸着と12COの排出が再び可能な状態となる。このような操作サイクルを繰り返すことで14COを効率よく濃縮できる。
【0022】
上記操作サイクルを吸着塔31に着目して図1を用いてより詳細に説明すると、まず吸着工程では、バルブ1を開き、ブロワ35によって、流路34から、12CO及び14COを含有する原料ガスを、コールドボックス30内の吸着塔31に供給する。このとき原料ガス中に含まれる14COが、吸着塔31内の同位体選択性吸着剤によって選択的に吸着される。14COが吸着された後の原料ガスは12COが多く含まれたもの(12CO富化ガス)となり、この12CO富化ガスがバルブ4及び流路38を通って装置外に排出される。吸着時の圧力は0.102MPa以上0.3MPa以下の範囲とすることが好ましい。吸着時の圧力が0.102MPa未満だと14COの吸着が困難となり、また0.3MPaを超えても格別な効果が得られない。
原料ガスの供給時には、各吸着塔31、32内の同位体選択性吸着剤を−155℃以上0℃以下の温度に保つことが好ましい。温度が0℃を超えると14COの吸着率が低くなって濃縮率が低下するので好ましくなく、温度を−155℃以下にすると、低温に保つためのエネルギーが莫大となるので好ましくない。
なお、この時、吸着塔32,33のいずれか一方では、同位体選択性吸着剤に吸着した14COの脱着が行われる。脱着された14CO富化ガスはバッファタンク36に貯留される。
【0023】
次に並流パージ工程では、バルブ1と4を閉じ、バルブ3と6を開き、バッファタンク36から14CO富化ガスの一部(並流パージガス)を吸着塔31に供給する。これにより並流パージガスに含まれる14COが、吸着塔31内のデッドスペース(死容積部)に残存する12CO及び同位体選択性吸着剤に吸着された12COと置換され(並流パージ)、塔内の12CO濃度を減少させる。並流パージ後に吸着塔31出口側から排出されたガスは、12CO濃度が高くなっているので、原料ガスの流路34に還流させ、これを別の吸着塔32に供給する。
【0024】
並流パージを行わない場合は、吸着塔31内に12COが残存するため、この時点で塔内を低圧に導いて14COを脱着した場合には12COが同時に混入してしまう。そこで、バッファタンク36から、一旦回収した14CO富化ガスの一部を、原料ガスと同じ方向から吸着塔31に供給する(並流パージ)ことによって、塔内に残存する12COを塔外に追い出し、再度入口側の流路34に戻すことができる。この並流パージは、予めバッファタンク36内に回収、貯留しておいた14CO富化ガスを用いて行うことができる。14CO富化ガスが未回収である1回目の操作サイクルにおいては、予め14CO富化ガスをバッファタンク36内に供給しておくことが好ましい。あるいは、1回目の操作サイクルではこの工程を省略することもできる。
さらに、12CO富化ガスの除去効果はわずかに低下するが、並流パージを行わなくても、高効率で14COを分離濃縮することもできる。この場合、操作は更に簡略化される。したがって、必要な14CO濃縮率、経済性、操作性等を勘案して並流パージを行うか否かを決定すればよい。
【0025】
尚、吸着剤から脱着された14CO富化ガスの全量をGdとし、吸着塔31に供給する14CO富化ガス量をGrとしたとき、並流パージ率Rは、R=Gr/Gdと定義される。
本実施形態においては、並流パージ率Rを90%以上、より好ましくは99%以上、最も好ましくは99.9%以上にすると良い。向流パージ率Rが高くなるほど、14COの濃縮率を向上できる。
【0026】
次に再生工程では、吸着塔31のバルブ2を開け、残りのバルブ1及び3〜6を閉じ、真空ポンプ37を用いて吸着塔31内を吸着工程時より低圧、好ましくは0.0005〜0.1MPaにして、吸着した14COを含む14CO富化ガスを脱着させ、バッファタンク36に一時的に貯留する。このバッファタンク36内の14CO富化ガスは、流路45を介して別の吸着塔32の並流パージに用いる。尚、脱着の際の圧力が上記の範囲から外れると吸着剤の再生が困難になるので好ましくない。
【0027】
更に、バルブ5を開き、向流パージタンク43内の向流パージガスを用いて、吸着塔31の塔頂よりの逆洗による塔内洗浄(向流パージ)を行い、吸着塔31内の14COを完全に除去する。向流パージに必要なガス量Gp(1N/batch)は、原料ガス量をG0(1N/batch)、吸着圧力(吸着時の圧力)をPa(atm)、再生圧力をPd(atm)とすると、Gp=G0×K×(Pd/Pa)[式中、K=1.2〜1.5]で表される。
【0028】
これは、真空ポンプ37による単純な減圧で塔内の14COの大半は回収されるが、並流パージで塔内14CO濃度を著しく高めているので単純な減圧だけでは14COの除去が不十分な可能性があるので、減圧による14CO回収に続いて減圧条件下で原料ガスとは逆方向から14COを含まない向流パージガスを供給すること(向流パージ)によって塔内の14COを完全に除去するためである。この向流パージを行うことで、同位体選択性吸着剤を十分に再生させることができ、再度14COの吸着を行う前に14COの完全な吸着除去を達成できる。
【0029】
この後、バルブ2を閉じ、向流パージガスで吸着塔32内を吸着圧力(0.102〜0.3MPa)にまで昇圧する。これによって再び14COの吸着が可能となる。これら一連の操作を繰り返すことによって、14COの著しい濃縮を達成することができる。
【0030】
また、n個の吸着塔において、上述した操作サイクルの工程の進行を1/nずつずらして行うことにより、連続した14CO吸着及び12COの流過排出、並流パージ、向流パージによる14CO脱着回収並びに吸着剤の再生を行うことができる。例えば、1n=2)の場合、例えば吸着塔32の並流パージの際に吸着塔32から排出されたガスは、原料ガスの流路34に還流され、ブロワ35によって吸着塔31に供給される。このように、本発明の方法を用いることによって、簡単な操作で連続的且つ効率的な14CO濃縮を行うことができる。
【0031】
通常の一酸化炭素ガス中に含まれる COは1.1%程度であるが、本発明の方法により COが1.15〜1.3%程度の CO富化ガスを得ることができる。なお、適宜吸着塔の数を増やし、吸着工程と CO富化ガスの脱着工程を順次切り替えて行うようにすれば、 CO富化ガス(及び12CO富化ガス)を連続的に製造することができる。また、得られた13CO富化ガスを再度吸着塔に導入して複数段の処理を行うことにより13COの濃度を高めることも可能である。
【0032】
次に、図2に同位体分離濃縮装置の別の構成例を示す。
図2に示す同位体分離濃縮装置100は、図1に示した同位体分離濃縮装置1(1a〜1e)が直列に5つ接続されて構成されている。各同位体分離濃縮装置1a〜1eは、吸着塔31a〜32e、入口側の流路34a〜34e、出口側の流路38a〜38e、並流パージガスを回収、供給する流路41a〜41e、45a〜45e、真空ポンプ36a〜36e、並びに向流パージ後の排ガスを還流する流路46b〜46eとから構成されている。
【0033】
同位体分離濃縮装置1aに着目すると、この同位体分離濃縮装置1aには、吸着塔31a、32aに原料ガスを供給する流路34aと、吸着塔31a、32aから流過した12CO富化ガスを排出する流路38aと、吸着塔31a、32aから脱着した14CO富化ガス(並流パージガス)を貯留、供給するための流路41a、45aと、並流パージガスを貯留するバッファタンク36aと、並流パージガス(14CO富化ガス)の一部を隣の同位体分離濃縮装置1bに送る流路39aとから構成されている。
また、同位体分離濃縮装置1aの流路34aには、同位体分離濃縮装置1bから並流パージ後のガス(12CO富化ガス)を供給する流路46bが接続されている。
【0034】
図2に示す同位体分離濃縮装置100の動作について簡単に説明すると、流路34aから同位体分離濃縮装置1aの吸着塔31a、32aに原料ガスを供給することにより、吸着塔内の吸着剤に14COを吸着させるとともに12COを流過させ、12COを流路38aから排気する。このとき、後段の同位体分離濃縮装置1bにおける並流パージ後のガスが流路46bを通って流路34aの原料ガスに混合され、吸着塔31a、32aに供給される。
吸着剤に吸着された14CO富化ガスは真空ポンプ37aによって脱着されてバッファタンク36aに貯留され、一部が並流パージに用いられ、残りが流路39aを介して隣の同位体分離濃縮装置1bに送られる。
流路39aを通して隣の装置に送られた14COを含む14CO富化ガスは、同位体分離濃縮装置1bの手前にて、流路46cを通って後段の同位体分離濃縮装置1cから送られた並流パージ後のガスと混合され、同位体分離濃縮装置1bの吸着塔31b、32bに供給され、同位体分離濃縮装置1bにおいて14CO富化ガスの濃縮が行われる。
以後、同様にして同位体分離濃縮装置1c、1d、1eにおいて順次14CO富化ガスの濃縮が行われ、最後に、各同位体分離濃縮装置1a〜1dを経て濃縮された14CO富化ガスが流路39eを通って回収される。
【0035】
上記の同位体分離濃縮装置100によれば、直列に接続した複数の同位体分離濃縮装置1a〜1eによって、14CO富化ガスを順次濃縮することができ、高純度の14COを得ることができる。
【0036】
次に、上記の同位体分離濃縮装置に用いられる同位体選択性吸着剤について説明する。
本発明に係る同位体選択性吸着剤としては、ゼオライト系吸着剤や活性炭、シリカゲル、アルミナなどが使用できるが、特にゼオライト系吸着剤が好ましく、中でもフォウジャサイト、ペンタシルゼオライト又はモルデナイトが特に好適である。また、ゼオライト系吸着剤のSiO/Alの比率はモル比で2〜4000の範囲が好ましい。モル比が4000より大きくなると吸着量が少なくなり、2より小さいとゼオライトの定義に入らなくなる。ゼオライト系吸着剤は通常、SiO/Alの骨格中にNaなどの陽イオンを含む形で得られるが、前記陽イオンとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属及び遷移金属からなる群より選ばれる1種以上のイオンを含むものが好ましく、中でもNa、Li、Ca、Fe、Co又はCuが特に好ましい。
【0037】
フォウジャサイト型の吸着剤は、例えば次のようにして製造できる。まず、合成水ガラスとアルミン酸ナトリウムを所定の配合で仕込み、水酸化ナトリウムをpH11程度となるように添加する。このとき水は分子比で15以上添加する。温度を90℃として3時間十分撹拌し、その後70℃で一夜静置し、結晶を得る。得られた固形分を3回水で洗浄することによりフォウジャサイトが得られる。
【0038】
またペンタシル型の吸着剤は、例えば次のようにして製造できる。まず、合成水ガラスと硫酸アルミニウムを所定の配合で仕込み、水酸化ナトリウムをpH10.2〜10.4程度となるように添加する。なお、テンプレートとしては4級アミンを使用することが好ましい。次にオートクレーブ等で結晶化(結晶化温度150〜170℃、結晶化時間20時間以上)を行い、結晶化終了後約70℃まで空冷し、生成物を吸引ろ過する。最後に乾燥器中で乾燥させ、空気中で530℃で焼成することにより、Na−ZSM−5タイプのペンタシル型ゼオライトが得られる。
【0039】
また、モルデナイトは、例えば次のようにして製造できる。まず、合成水ガラスと硫酸アルミニウムを所定の配合で仕込み、水酸化ナトリウムをpH10.2〜10.4程度となるように添加する。次にオートクレーブ等にて結晶化(結晶化温度120〜140℃、結晶化時間20時間以上)を行い、結晶化終了後約70℃まで空冷し、生成物を吸引ろ過する。最後に乾燥器中で乾燥させ(70〜110℃)、空気中で530℃で焼成することにより、Na−モルデナイトが得られる。
【0040】
ゼオライト骨格中のNaの一部を置換してアルカリ金属、アルカリ土類金属及び遷移金属等のイオンを含むようにするには、次のようなイオン交換を行うことが好ましい。
即ち、上記のようにして製造したゼオライトを精製水中に添加・撹拌してスラリとし、脱気、冷却、イオン交換をおこなう。 イオン交換は、塩化リチウム、硝酸カルシウム又はシュウ酸銅等をスラリに投入し、数時間撹拌することによりイオン交換を行う。最後にろ過、洗浄、乾燥、焼成を行うことにより、イオン交換されたゼオライト型吸着剤が得られる。
【0041】
【実施例】
次に実施例により、本発明を更に詳細に説明する。
(実験例1)
図1に示した構成の同位体分離濃縮装置を使用し、吸着剤としては後述する方法で作製したゼオライト系吸着剤を使用して圧力スイング吸着法(PSA)により12COと14COの分離試験を行った。本試験では、並流パージ工程は行わず、吸着−減圧−向流パージ−昇圧の各工程により14COの濃縮を行った。分離操作条件を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 2004174420
【0043】
(吸着剤の合成)
1.フォウジャサイト型ゼオライト吸着剤の合成
水ガラスとアルミン酸ナトリウムを表2に示すケイ素とアルミニウムの比率となるように仕込み、水酸化ナトリウムをpH11となるように添加する。このとき水は分子比で15以上添加する。温度を90℃として3時間十分撹拌し、その後70℃で一夜静置し、結晶を得る。デカンテーションで得られた固形分を3回水で洗浄し、表2に示すSiO/Al比のフォウジャサイトを得た。
【0044】
2.ペンタシル型ゼオライト吸着剤の合成
水ガラスと硫酸アルミニウムを表2に示すケイ素とアルミニウムの比率となるように仕込み、水酸化ナトリウムをpH10.2〜10.4となるように添加する。なお、テンプレートとして4級アミンを使用した。次にオートクレーブにて結晶化(結晶化温度150〜170℃、結晶化時間20時間以上)を行い、結晶化終了後約70℃まで空冷し、生成物を吸引ろ過する。最後に乾燥器中で乾燥させ(70〜110℃)、空気中で530℃で焼成し、Na−ZSM−5タイプのペンタシル型ゼオライトを得た。
【0045】
3.モルデナイトの合成
水ガラスと硫酸アルミニウムを表2に示すケイ素とアルミニウムの比率となるように仕込み、水酸化ナトリウムをpH10.2〜10.4となるように添加する。次にオートクレーブにて結晶化(結晶化温度120〜140℃、結晶化時間20時間以上)を行い、結晶化終了後約70℃まで空冷し、生成物を吸引ろ過する。最後に乾燥器中で乾燥させ(70〜110℃)、空気中で530℃で焼成し、Na−モルデナイトを得た。
【0046】
4.ゼオライトのイオン交換
前記の方法で作製したゼオライトを使用し、次の操作によりイオン交換を行いNaをCu、Li又はCaでイオン交換したゼオライトを作製した。
1)スラリ化:ゼオライトを精製水中に添加し、撹拌してスラリとした。
2)脱気:100℃で3時間煮沸・撹拌(水分の蒸発に応じて適宜精製水を加える)して脱気した。
3)冷却:加熱を止め、精製水を加え液温40℃以下まで自然冷却した。
4)イオン交換:目的とする金属でイオン交換するため、3)で得たスラリに塩化リチウム、硝酸カルシウム又はシュウ酸銅を選択投入し、2時間撹拌してイオン交換した。
5)吸引ろ過:イオン交換後のスラリを吸引ろ過して固形分を分離。
6)洗浄:分離した固形分を精製水中に投じて撹拌後、吸引ろ過し未交換金属を洗い流した。
7)乾燥:洗浄後の固形分を110℃で15時間乾燥した。
8)焼成:650℃にてテンプレートがなくなるまで焼成し、表3のイオン交換ゼオライトとした。
【0047】
前記のようにして作製したゼオライト系吸着剤を使用し、表1に示した分離操作条件により、12COと14COの分離試験を行った結果を表2に示す。なお、表2中のCa−A(試料19)及びNa−A(試料20)はそれぞれ市販のA型ゼオライト(Ca−Aは5A、Na−Aは4A)を700℃で熱処理したものである。
【0048】
【表2】
Figure 2004174420
【0049】
表2から次のことがわかる。
1)表2に示したゼオライト系吸着剤は、供給ガスの14CO/12CO同位体比(%)が1.1%(天然存在比)であるのに対し、吸着塔の出口側から排出されたガス中の同位体比(%)がNa−Aを除いていずれも1.1%を下回ることから、14COが選択的に吸着剤に吸着されていることがわかる。
【0050】
2)出口側のガスの14CO/12CO同位体比が小さいほど14COを選択的に吸着することとなるので、最も14CO選択性の高いのは試料4〜15のNa、Li、Ca等のアルカリ金属、アルカリ土類金属を交換カチオンとして有するフォウジャサイト(faujasite)であり、これに続いて試料16〜18のモルデナイト(mordenite)、試料1〜3のペンタシル(pentasil)の順となる。
3)試料6、7、9のフォウジャサイト、試料16、18のモルデナイト、試料2、3のペンタシルの比較では、いずれもSiO/Al比が小さいほど高い14CO選択性を示した。
【0051】
4)14CO吸着量も12CO/14CO分離においては重要な要素となる。本試験では出口側の12CO流過率が20%における出口ガス量が大きいほど14CO吸着量が大きく、吸着剤としてはファウジャサイト、モルデナイト、ペンタシルの順である(試料9、16、2の比較)。また各吸着剤でSiO/Al比が小さいほど14CO吸着量が大きい。交換カチオンとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属の場合14CO吸着量が大きい。
5)試料9、11、12、13の比較から吸着温度の降下に伴い14CO選択性の増大、14CO吸着量の増加が認められる。
6)試料9、14、15の比較から吸着圧力の増大に伴い13CO吸着量の増加が認められる。
【0052】
(実験例2)
図1に示した構成の同位体分離濃縮装置を使用し、吸着剤としては先の方法で得られたNa型のファウジャサイトを使用して圧力スイング吸着法(PSA)により12COと14COの分離試験を行った。本試験では、吸着−並流パージ−減圧−向流パージ−昇圧の各工程により14COの濃縮を行った。分離操作条件を表3に示す。
【0053】
【表3】
Figure 2004174420
【0054】
吸着工程において、入口側から一酸化炭素とヘリウムからなる原料ガス(一酸化炭素:10%(一酸化炭素中の14CO:1.1%))を流し、この原料ガスをブロアにより120kPa程度に加圧した状態で5LN/バッチの流量で吸着塔に供給した。尚、各吸着塔には、先のNa型ファウジャサイトが1kg充填されている。
その結果、原料ガス中に含まれる14COの約80%が吸着剤により吸着され、残りの20%が12CO及びヘリウムとともに吸着塔の出口から流過した。
【0055】
次に、並流パージ工程により、予め脱着しておいた14CO富化ガスを並流パージしたところ、各吸着塔のデッドスペースに残留していた12COを含むガスが吸着塔から排出された。
次に、吸着塔内を低圧にして14CO富化ガスを脱着させた。さらに、吸着塔出口側から不活性ガスを流し、吸着剤から14COを完全に脱着させた。
その結果、吸着剤からの14COの回収率は98%、原料ガスからの14COの濃縮率は2.2倍となり、従来の濃縮法に比べて高い濃縮率を示すことが判明した。
【0056】
(実験例3)
同位体分離濃縮装置を7段に配置したこと以外は図2に示した同位体分離濃縮装置と同一の構成の分離濃縮装置を使用して14COの分離濃縮を行った。吸着剤として先の方法で得られたNa型のファウジャサイトを使用し、圧力スイング吸着法(PSA)により12COと14COの分離濃縮を行った。また本試験では、吸着−並流パージ−減圧−向流パージ−昇圧の各工程により14COの濃縮を行った。分離操作条件を表4に示す。
【0057】
【表4】
Figure 2004174420
【0058】
吸着工程において、入口側から一酸化炭素とヘリウムからなる原料ガス(一酸化炭素:10%(一酸化炭素中の14CO:1.1%))を流し、この原料ガスをブロアにより120kPa程度に加圧した状態で1mN/hの流量で1段目の濃縮装置の吸着塔に供給し、並流パージ、減圧、向流パージの各工程を行ったところ、14COの回収率は95%以上、原料ガスからの14COの濃縮率は2.2倍、得られた14CO富化ガス中の14CO濃度は2.42%となった。
【0059】
次に、第1段目の濃縮装置により濃縮された14CO富化ガスをヘリウムで稀釈してCO濃度を10%とした。このガスを2段目の濃縮装置に供給し、1段目の場合と同様にして分離濃縮を行ったところ、14COの回収率は95%以上、原料ガスからの14COの濃縮率は2.2倍、得られた14CO富化ガス中の14CO濃度は5.32%となった。
更に上記と同様にして分離濃縮操作を行ったところ、最終的に99.2%の14COを含む14CO富化ガスが得られた。また14COの回収率は98%、一段当たりの14COの濃縮率は2.2倍であった。
【0060】
(実験例4)
図1に示した構成の同位体分離濃縮装置を使用し、吸着剤としては先の方法で得られたNa型のファウジャサイトを使用して圧力スイング吸着法(PSA)により12COと14COの分離試験を行った。本試験では、まず初期の操作サイクルとして、吸着−並流パージ−減圧−向流パージ−昇圧の各工程を行い、次にバッファタンク内の14CO富化ガスを用いて並流パージ−減圧−向流パージ−昇圧の操作サイクルを繰り返し行うことにより、14COの濃縮を行った。分離操作条件は、並流パージ率を95%,99%、99.9%としたこと以外は実験例3に準じた。
そして、各操作サイクル毎の濃縮率を求めた。結果を図3に示す。
【0061】
図3に示すように、並流パージ率を99.9%とした場合、250サイクルに達した辺りで濃縮率が7.8倍に達しており、高い濃縮率を示すことが分かる。また、並流パージ率を99%とした場合は濃縮率が2.7倍、並流パージ率を95%とした場合は濃縮率が1.5倍となり、比較的高い濃縮率を示すことが分かる。
このように、並流パージ率を高くすることにより、濃縮率が向上して高濃度の14CO富化ガスが得られることが判明した。
【0062】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の同位体の分離濃縮方法は、いわゆる圧力スイング法によって分離濃縮する方法であり、14COを吸着させると同時に12COを流過させることで、14COと12COを分離して14COを減容濃縮することができる。また、14CO富化ガスを用いて並流パージを行うことにより、吸着系内のデッドスペース等に残留する12COを排出させ、この後に14COを脱着回収するので、14COを高濃度で回収できる。
また、並流パージ工程に送る14CO富化ガス量の比率が、脱着した14COの全量の90%以上なので、14COの濃縮率を向上することができる。
【0063】
また本発明の同位体分離濃縮装置によれば、いわゆる圧力スイング法による分離濃縮方法を採用でき、14COを吸着剤に吸着させて12COから分離し、更に14COを吸着剤から脱着させるので、高濃度な14COを得ることができる。また、14CO富化ガスを用いて並流パージを行うことができ、これにより吸着系内のデッドスペース等に残留する12COを排出させた後に14COを脱着回収するので、14COを高濃度で回収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である同位体分離濃縮装置の一例を示す模式図。
【図2】本発明の実施形態である同位体分離濃縮装置の別の例を示す模式図。
【図3】操作サイクル回数と14COの濃縮率との関係を向流パージ率毎に示したグラフ。
【符号の説明】
1 同位体分離濃縮装置
31、32 吸着塔
A 入口側流路
B 出口側流路
C 再生部
D 並流パージ部

Claims (12)

  1. 少なくとも12CO及び14COを含む原料ガスを同位体選択性吸着剤が含まれる吸着系に供給して、14COを前記同位体選択性吸着剤に吸着させるとともに12COを前記吸着系から流過させる吸着工程と、
    前記吸着系中に前記原料ガスの供給方向と同一方向から14CO富化ガスを供給する並流パージ工程と、
    前記同位体選択性吸着剤を吸着工程時より低圧に導くことにより、14COを脱着させて回収するとともに前記同位体選択吸着剤を再生する再生工程とを備え、
    前記再生工程において脱着された14COの一部を14CO富化ガスとして前記並流パージ工程に送ることを特徴とする同位体の分離濃縮方法。
  2. 前記再生工程において脱着された14CO量に対する前記14CO富化ガス量の比率が90%以上であることを特徴とする請求項1に記載の同位体の分離濃縮方法。
  3. 前記同位体選択性吸着剤を低圧に導く際に、前記吸着系中に前記原料ガスの供給方向と逆方向から不活性ガスを供給することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の同位体の分離濃縮方法。
  4. 前記同位体選択性吸着剤がフォウジャサイト、ペンタシルゼオライト又はモルデナイトのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の同位体の分離濃縮方法。
  5. 前記同位体選択性吸着剤のSiO/Alのモル比が2〜4000の範囲であることを特徴とする請求項4に記載の同位体の分離濃縮方法。
  6. 前記同位体選択性吸着剤がNa、Li、Ca、Fe、Co及びCuからなる群より選ばれる1種以上のイオンを含むものであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の同位体の分離濃縮方法。
  7. 前記吸着系のn個(nは2以上)を並列に配置し、各吸着系における工程の進行を1/nずつずらして14COの吸着を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の同位体の分離濃縮方法。
  8. 少なくとも12CO及び14COを含む原料ガスを同位体選択性吸着剤に接触させて14COを吸着させるとともに12COを流過させた後に、吸着時よりも低圧条件で前記同位体選択性吸着剤から前記14COを脱着させて回収する同位体分離濃縮装置であり、
    同位体選択性吸着剤が充填された少なくとも1以上の吸着塔と、
    前記原料ガスを前記吸着塔に導入するために前記吸着塔の入口側に接続された入口側流路と、
    前記吸着塔の出口側に接続されて12CO富化ガスを排出する出口側流路と、
    前記吸着塔を低圧にして14CO富化ガスを脱着させて回収するとともに不活性ガスを該吸着塔出口側から流す再生部と、
    脱着後の14CO富化ガスを一時的に貯留し、該14CO富化ガスを前記吸着塔の入口側に供給する並流パージ部とを具備してなることを特徴とする同位体分離濃縮装置。
  9. 前記同位体選択性吸着剤がフォウジャサイト、ペンタシルゼオライト又はモルデナイトのいずれかであることを特徴とする請求項8に記載の同位体分離濃縮装置。
  10. 前記同位体選択性吸着剤のSiO/Alのモル比が2〜4000の範囲であることを特徴とする請求項9に記載の同位体分離濃縮装置。
  11. 前記同位体選択性吸着剤がNa、Li、Ca、Fe、Co及びCuからなる群より選ばれる1種以上のイオンを含むものであることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の同位体分離濃縮装置。
  12. 請求項8乃至請求項11のいずれかに記載の同位体分離濃縮装置が複数直列に接続してなることを特徴とする同位体分離濃縮装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110465196A (zh) * 2019-08-16 2019-11-19 清华大学 一种绿色高效的分离碳稳定同位素的方法

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