JP2004174409A - 空気清浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】汚染された室内空気を取り込み、浄化した空気を室内に放出する空気清浄装置において、室内に再度放出されやすい揮発性の空気汚染物質に対して除去効率の向上を図った空気清浄装置を提供する。
【解決手段】室内空気を吸込口2から取り込み、浄化した空気を吹出口3から放出するものであり、正イオン化した汚染物質を収集するための正イオン収集手段6と、正イオン収集手段6を冷却して当該正イオン収集手段6の表面に空気中の水分を凝縮させるための冷却手段7と、凝縮した水分を収集するための凝縮水収集手段8とを備えるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】室内空気を吸込口2から取り込み、浄化した空気を吹出口3から放出するものであり、正イオン化した汚染物質を収集するための正イオン収集手段6と、正イオン収集手段6を冷却して当該正イオン収集手段6の表面に空気中の水分を凝縮させるための冷却手段7と、凝縮した水分を収集するための凝縮水収集手段8とを備えるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、室内空気を浄化する空気清浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気清浄装置は、室内空気を取り入れ、帯電部で空気中の微粒子を負に帯電させ、電気集塵器で負帯電の微粒子を捕集して、室内空気を清浄化している。このとき、帯電部では放電によって負イオンおよびオゾンが発生する。このうちオゾンのみをオゾン分解触媒で分解し、負イオンのみを空間に放出している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−259470号公報(第3−4頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の空気清浄装置では、シックハウス症候群などの要因物質となるホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)は、活性炭などに一度吸着しても、揮発性のために室内に再度放出される。よって、VOCを完全に浄化処理できないという問題がある。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、室内に再度放出されやすい揮発性の空気汚染物質に対して除去効率の向上を図った空気清浄装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明における空気清浄装置は、正イオン化した汚染物質を収集するための正イオン収集手段と、正イオン収集手段を冷却して当該正イオン収集手段の表面に空気中の水分を凝縮させるための冷却手段と、凝縮した水分を収集するための凝縮水収集手段とを備えるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明が適用される空気清浄装置の実施の形態1を説明するための概略構成図である。この空気清浄装置は、筐体1に設けられた吸込口2から汚染された室内空気をファン5の動作によって取り込み、浄化した空気を吹出口3から室内に放出するものである。
【0008】
室内空気の汚染物質として、塵埃等の比較的大きい粒子状のものと、正イオン化した分子状のものとが混在している。まず、塵埃等は吸込口2の近傍に設けられた塵埃除去フィルター4によって捕集される。塵埃除去フィルター4には、活性炭やゼオライトなどの吸着剤を用いたもの、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルター、ULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルターなどの無機フィルター、カテキンなどのバイオフィルターを、単独もしくは組み合わせて使用できる。
【0009】
塵埃除去フィルター4で捕集されなかった汚染物質、例えば粒子径0.15μm以下のものは、ファン5より図示上方の空間へと移動する。この空間には、正イオン化した汚染物質を収集するための負電極6が設けられている。室内壁紙や家具等の接着剤あるいは塗料から発生するホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのVOCは正イオン化しやすいことが知られている。そのため、正イオン化したVOCは、負電極6によって電気的に収集される。このとき、負電極6の形状は適宜設計できる。また、負電極6に負電圧を印加する電源として直流電源9を例示しているが、これに限定するものではない。
【0010】
負電極6は冷却装置7によって冷却され。負電極6の表面には空気中の水分が凝縮される。例えば、気温30℃、相対湿度80%の室内空気では、負電極6の温度を25℃に冷却すると乾燥空気1kgあたり2gの水分を凝縮させることが可能となる。気温15℃、相対湿度60%の室内空気においても、負電極6の温度を5℃に冷却することによって乾燥空気1kgあたり0.7gの水分を凝縮させることが可能となる。すなわち凝縮水の量は、室内空気の気温と相対湿度、冷却された負電極6の温度によって決まるものである。したがって、負電極6の温度は室内空気の状態に応じて適宜設定される。このように負電極6の表面に凝縮水が付着すると、高い水溶性を示すホルムアルデヒドやアセトアルデヒドは、この凝縮水に容易に溶解する。
【0011】
図2は、この実施の形態における負電極6への印加電圧と正イオン除去率との関係を示した特性図である。ここでの処理空気量は25m3/minとした。印加電圧が絶対値1V付近まで正イオン除去率は急激に向上する。さらに、印加電圧が絶対値3V以上になると正イオン除去率はほぼ飽和に達している。
【0012】
ところで、負電極6には凝縮水が付着した状態で電圧を印加されても変質しないことが求められる。鉄を負電極6に用いた場合について述べる。凝縮水が酸性から弱アルカリ性の場合(pHが9以下)は、負電極6に絶対値0.6V以上の負電圧を印加することによって、鉄は不活性態を示し変質しない。さらに、負電極6に絶対値1V以上の負電圧を印加することによって、凝縮水がいかなるpHであっても、鉄は不活性態を示す。なお、炭素等の微量成分を含む鉄、いわゆる鉄鋼であっても、このような不活性態を示すものであればかまわない。よって、負電極6が鉄または鉄鋼から形成される場合、絶対値1V以上の負電圧を印加することにより、効果的な正イオン除去と負電極6の変質防止とを達成できる。さらに、鉄や鉄鋼は加工性にすぐれるため、負電極6の形状を適宜設計できる。
【0013】
ところで、負電極6には、耐腐食性の強いステンレス、チタン、ニッケル合金、白金あるいは金などを用いることによっても変質を防ぐことができる。これらの金属は、負電極6の印加電圧にかかわらず不活性態を示す。そのため、空気清浄装置の運転を停止する際、負電極6に付着した凝縮水を乾燥させる必要がない。とくにステンレスは、SUS304やSUS316と呼ばれるオーステナイト系ステンレスが好ましい。
【0014】
さらに、負電極6の表面を親水化処理することにより、凝縮水が負電極6表面に一様に広がり、広範囲においてVOCを溶解できるためにVOCの除去効率が向上する。
【0015】
また、冷却装置7は、ペルチェ素子、熱交換器、水冷式冷却装置あるいは空冷式冷却装置を用いることができる。さらに、負電極6をペルチェ素子そのもので作製してもよい。
【0016】
さらに、負電極6の図示下方には凝縮した水分を収集するための凝縮水収集容器8が設けられている。このVOCが溶解した凝縮水を収集することにより、室内空気のVOCを効果的に除去できる。ここで、凝縮水収集容器8の開口部を十分に小さくすれば、凝縮水やVOCが再び気化して放出されることがない。凝縮水収集容器8には、汚染物質フィルターとして活性炭や合成ゼオライトが備えられていてもよく、凝縮水を固形化する凝固剤などが備えられていてもよい。これらにより、凝縮水に溶解したVOCの再揮発を防止できる。このようにして、室内空気の汚染物質を除去できる。
【0017】
実施の形態2.
図3は、実施の形態2を説明するための空気清浄装置の概略構成図である。この実施の形態は、実施の形態1における凝縮水収集容器に代えて、凝縮水収集トレイ及びホースを用いて凝縮水を室外に廃棄するものである。図において、負電極6の図示下方には凝縮した水分を収集するための凝縮水収集トレイ10が設けられている。凝縮水収集トレイ10は開口部を有しており、その開口部にはホース11が取り付けられている。
【0018】
この実施の形態においても、実施の形態1と同様にして室内空気の汚染物質を除去できる。さらに、この空気清浄装置を例えばエアコンに搭載すれば、ホース11はエアコンのドレインホースを転用することもできる。そのため、室内温度の調整に伴なって湿気を室外に放出する際に、VOCを室外に廃棄でき、一層快適な室内環境を提供できる。なお、ホース11の図示右下の開放端をさらに凝縮水を回収するタンクなどに接続するのは適宜実施できる。
【0019】
実施の形態3.
図4は、実施の形態3を説明するための空気清浄装置の概略構成図である。この実施の形態は、実施の形態1において、オゾン発生器及びオゾン分解フィルターを付加したものである。図において、ファン5と負電極6が設けられた空間との間に、オゾン発生器12が設けられている。さらに、負電極6が設けられた空間と吹出口3との間に、オゾン分解フィルター13が設けられている。
【0020】
この実施の形態では、塵埃除去フィルター4によって捕集されなかったVOCのうち、非水溶性を示すトルエンやキシレンを酸化反応によって親水化する。オゾン発生器12から発生されたオゾンは、トルエンやキシレンを酸化する。その際、ケトン基、カルボキシル基または水酸基などの親水基が生成される。非水溶性のVOCであっても親水基の生成により、実施の形態1と同様にして除去できる。余剰のオゾンは、人体に影響を及ぼさないようにオゾン分解フィルター13により分解され、室内には放出されないようにする。なお、トルエンやキシレンを酸化して親水化する親水化手段としてオゾン発生器を例示したが、これに限定するものではない。紫外線ランプやコロナ放電ユニットを用いても、トルエンやキシレンを酸化して同様の効果が得られる。
【0021】
実施の形態4.
図5は、実施の形態4を説明するための空気清浄装置の概略構成図である。この実施の形態は、実施の形態1において、正電極と、この正電極に正電圧を印加するための電源と、さらに空気イオン極性を測定するための電流計とを付加したものである。図において、負電極6と対向するように正電極14が配置されている。直流電源15は正電極14に正電圧を印加するための電源である。電流計16は空気イオン極性を測定するためのものであり、普段は正電極14に接続されている。この場合、正電極14は空気イオン極性を測定するためのセンシング電極として機能する。そして、空気イオン極性が負側に過剰となった場合に、正電極14は直流電源15との接続に切り替わり、負イオンを中和するものである。
【0022】
空気イオン極性とは、イオン総数に対する正イオンと負イオンの数量の差比率であり、下式のように表現できる。空気イオン極性が−0.5〜0であれば、適切なイオンバランスといわれている。
【0023】
【数1】
【0024】
空気イオン極性が−0.5よりも負側になった場合、この実施の形態では正電極14が負イオン中和手段として作動し、適切なイオンバランスにすることができる。なお、空気イオン極性が適切な範囲の場合、負電極6による正イオンの収集を自動的に停止して省エネを図ることは、適宜実施できる。
【0025】
【発明の効果】
この発明によれば、VOCのような揮発性の空気汚染物質に対して除去効率の向上を図った空気清浄装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1を説明するための空気清浄装置の概略構成図である。
【図2】実施の形態1を説明するための正イオン除去率の特性図である。
【図3】実施の形態2を説明するための空気清浄装置の概略構成図である。
【図4】実施の形態3を説明するための空気清浄装置の概略構成図である。
【図5】実施の形態4を説明するための空気清浄装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 筐体、2 吸込口、3 吹出口、4 塵埃除去フィルター、5 ファン、6 負電極、7 冷却装置、8 凝縮水収集容器、9 直流電源、10 凝縮水収集トレイ、11 ホース、12 オゾン発生器、13 オゾン分解フィルター、14 正電極、15 直流電源、16 電流計。
【発明の属する技術分野】
この発明は、室内空気を浄化する空気清浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気清浄装置は、室内空気を取り入れ、帯電部で空気中の微粒子を負に帯電させ、電気集塵器で負帯電の微粒子を捕集して、室内空気を清浄化している。このとき、帯電部では放電によって負イオンおよびオゾンが発生する。このうちオゾンのみをオゾン分解触媒で分解し、負イオンのみを空間に放出している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−259470号公報(第3−4頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の空気清浄装置では、シックハウス症候群などの要因物質となるホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)は、活性炭などに一度吸着しても、揮発性のために室内に再度放出される。よって、VOCを完全に浄化処理できないという問題がある。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、室内に再度放出されやすい揮発性の空気汚染物質に対して除去効率の向上を図った空気清浄装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明における空気清浄装置は、正イオン化した汚染物質を収集するための正イオン収集手段と、正イオン収集手段を冷却して当該正イオン収集手段の表面に空気中の水分を凝縮させるための冷却手段と、凝縮した水分を収集するための凝縮水収集手段とを備えるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明が適用される空気清浄装置の実施の形態1を説明するための概略構成図である。この空気清浄装置は、筐体1に設けられた吸込口2から汚染された室内空気をファン5の動作によって取り込み、浄化した空気を吹出口3から室内に放出するものである。
【0008】
室内空気の汚染物質として、塵埃等の比較的大きい粒子状のものと、正イオン化した分子状のものとが混在している。まず、塵埃等は吸込口2の近傍に設けられた塵埃除去フィルター4によって捕集される。塵埃除去フィルター4には、活性炭やゼオライトなどの吸着剤を用いたもの、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルター、ULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルターなどの無機フィルター、カテキンなどのバイオフィルターを、単独もしくは組み合わせて使用できる。
【0009】
塵埃除去フィルター4で捕集されなかった汚染物質、例えば粒子径0.15μm以下のものは、ファン5より図示上方の空間へと移動する。この空間には、正イオン化した汚染物質を収集するための負電極6が設けられている。室内壁紙や家具等の接着剤あるいは塗料から発生するホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのVOCは正イオン化しやすいことが知られている。そのため、正イオン化したVOCは、負電極6によって電気的に収集される。このとき、負電極6の形状は適宜設計できる。また、負電極6に負電圧を印加する電源として直流電源9を例示しているが、これに限定するものではない。
【0010】
負電極6は冷却装置7によって冷却され。負電極6の表面には空気中の水分が凝縮される。例えば、気温30℃、相対湿度80%の室内空気では、負電極6の温度を25℃に冷却すると乾燥空気1kgあたり2gの水分を凝縮させることが可能となる。気温15℃、相対湿度60%の室内空気においても、負電極6の温度を5℃に冷却することによって乾燥空気1kgあたり0.7gの水分を凝縮させることが可能となる。すなわち凝縮水の量は、室内空気の気温と相対湿度、冷却された負電極6の温度によって決まるものである。したがって、負電極6の温度は室内空気の状態に応じて適宜設定される。このように負電極6の表面に凝縮水が付着すると、高い水溶性を示すホルムアルデヒドやアセトアルデヒドは、この凝縮水に容易に溶解する。
【0011】
図2は、この実施の形態における負電極6への印加電圧と正イオン除去率との関係を示した特性図である。ここでの処理空気量は25m3/minとした。印加電圧が絶対値1V付近まで正イオン除去率は急激に向上する。さらに、印加電圧が絶対値3V以上になると正イオン除去率はほぼ飽和に達している。
【0012】
ところで、負電極6には凝縮水が付着した状態で電圧を印加されても変質しないことが求められる。鉄を負電極6に用いた場合について述べる。凝縮水が酸性から弱アルカリ性の場合(pHが9以下)は、負電極6に絶対値0.6V以上の負電圧を印加することによって、鉄は不活性態を示し変質しない。さらに、負電極6に絶対値1V以上の負電圧を印加することによって、凝縮水がいかなるpHであっても、鉄は不活性態を示す。なお、炭素等の微量成分を含む鉄、いわゆる鉄鋼であっても、このような不活性態を示すものであればかまわない。よって、負電極6が鉄または鉄鋼から形成される場合、絶対値1V以上の負電圧を印加することにより、効果的な正イオン除去と負電極6の変質防止とを達成できる。さらに、鉄や鉄鋼は加工性にすぐれるため、負電極6の形状を適宜設計できる。
【0013】
ところで、負電極6には、耐腐食性の強いステンレス、チタン、ニッケル合金、白金あるいは金などを用いることによっても変質を防ぐことができる。これらの金属は、負電極6の印加電圧にかかわらず不活性態を示す。そのため、空気清浄装置の運転を停止する際、負電極6に付着した凝縮水を乾燥させる必要がない。とくにステンレスは、SUS304やSUS316と呼ばれるオーステナイト系ステンレスが好ましい。
【0014】
さらに、負電極6の表面を親水化処理することにより、凝縮水が負電極6表面に一様に広がり、広範囲においてVOCを溶解できるためにVOCの除去効率が向上する。
【0015】
また、冷却装置7は、ペルチェ素子、熱交換器、水冷式冷却装置あるいは空冷式冷却装置を用いることができる。さらに、負電極6をペルチェ素子そのもので作製してもよい。
【0016】
さらに、負電極6の図示下方には凝縮した水分を収集するための凝縮水収集容器8が設けられている。このVOCが溶解した凝縮水を収集することにより、室内空気のVOCを効果的に除去できる。ここで、凝縮水収集容器8の開口部を十分に小さくすれば、凝縮水やVOCが再び気化して放出されることがない。凝縮水収集容器8には、汚染物質フィルターとして活性炭や合成ゼオライトが備えられていてもよく、凝縮水を固形化する凝固剤などが備えられていてもよい。これらにより、凝縮水に溶解したVOCの再揮発を防止できる。このようにして、室内空気の汚染物質を除去できる。
【0017】
実施の形態2.
図3は、実施の形態2を説明するための空気清浄装置の概略構成図である。この実施の形態は、実施の形態1における凝縮水収集容器に代えて、凝縮水収集トレイ及びホースを用いて凝縮水を室外に廃棄するものである。図において、負電極6の図示下方には凝縮した水分を収集するための凝縮水収集トレイ10が設けられている。凝縮水収集トレイ10は開口部を有しており、その開口部にはホース11が取り付けられている。
【0018】
この実施の形態においても、実施の形態1と同様にして室内空気の汚染物質を除去できる。さらに、この空気清浄装置を例えばエアコンに搭載すれば、ホース11はエアコンのドレインホースを転用することもできる。そのため、室内温度の調整に伴なって湿気を室外に放出する際に、VOCを室外に廃棄でき、一層快適な室内環境を提供できる。なお、ホース11の図示右下の開放端をさらに凝縮水を回収するタンクなどに接続するのは適宜実施できる。
【0019】
実施の形態3.
図4は、実施の形態3を説明するための空気清浄装置の概略構成図である。この実施の形態は、実施の形態1において、オゾン発生器及びオゾン分解フィルターを付加したものである。図において、ファン5と負電極6が設けられた空間との間に、オゾン発生器12が設けられている。さらに、負電極6が設けられた空間と吹出口3との間に、オゾン分解フィルター13が設けられている。
【0020】
この実施の形態では、塵埃除去フィルター4によって捕集されなかったVOCのうち、非水溶性を示すトルエンやキシレンを酸化反応によって親水化する。オゾン発生器12から発生されたオゾンは、トルエンやキシレンを酸化する。その際、ケトン基、カルボキシル基または水酸基などの親水基が生成される。非水溶性のVOCであっても親水基の生成により、実施の形態1と同様にして除去できる。余剰のオゾンは、人体に影響を及ぼさないようにオゾン分解フィルター13により分解され、室内には放出されないようにする。なお、トルエンやキシレンを酸化して親水化する親水化手段としてオゾン発生器を例示したが、これに限定するものではない。紫外線ランプやコロナ放電ユニットを用いても、トルエンやキシレンを酸化して同様の効果が得られる。
【0021】
実施の形態4.
図5は、実施の形態4を説明するための空気清浄装置の概略構成図である。この実施の形態は、実施の形態1において、正電極と、この正電極に正電圧を印加するための電源と、さらに空気イオン極性を測定するための電流計とを付加したものである。図において、負電極6と対向するように正電極14が配置されている。直流電源15は正電極14に正電圧を印加するための電源である。電流計16は空気イオン極性を測定するためのものであり、普段は正電極14に接続されている。この場合、正電極14は空気イオン極性を測定するためのセンシング電極として機能する。そして、空気イオン極性が負側に過剰となった場合に、正電極14は直流電源15との接続に切り替わり、負イオンを中和するものである。
【0022】
空気イオン極性とは、イオン総数に対する正イオンと負イオンの数量の差比率であり、下式のように表現できる。空気イオン極性が−0.5〜0であれば、適切なイオンバランスといわれている。
【0023】
【数1】
【0024】
空気イオン極性が−0.5よりも負側になった場合、この実施の形態では正電極14が負イオン中和手段として作動し、適切なイオンバランスにすることができる。なお、空気イオン極性が適切な範囲の場合、負電極6による正イオンの収集を自動的に停止して省エネを図ることは、適宜実施できる。
【0025】
【発明の効果】
この発明によれば、VOCのような揮発性の空気汚染物質に対して除去効率の向上を図った空気清浄装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1を説明するための空気清浄装置の概略構成図である。
【図2】実施の形態1を説明するための正イオン除去率の特性図である。
【図3】実施の形態2を説明するための空気清浄装置の概略構成図である。
【図4】実施の形態3を説明するための空気清浄装置の概略構成図である。
【図5】実施の形態4を説明するための空気清浄装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 筐体、2 吸込口、3 吹出口、4 塵埃除去フィルター、5 ファン、6 負電極、7 冷却装置、8 凝縮水収集容器、9 直流電源、10 凝縮水収集トレイ、11 ホース、12 オゾン発生器、13 オゾン分解フィルター、14 正電極、15 直流電源、16 電流計。
Claims (5)
- 汚染された室内空気を取り込み、浄化した空気を室内に放出する空気清浄装置において、
正イオン化した汚染物質を収集するための正イオン収集手段と、正イオン収集手段を冷却して当該正イオン収集手段の表面に空気中の水分を凝縮させるための冷却手段と、凝縮した水分を収集するための凝縮水収集手段とを備えることを特徴とする空気清浄装置。 - 正イオン化した汚染物質を酸化反応によって親水化するための親水化手段を備えることを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
- 正イオン収集手段は鉄または鉄鋼で形成された負電極であり、負電極に絶対値1V以上の負電圧を印加することを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
- 正イオン収集手段は、ステンレス、チタン、ニッケル合金、白金及び金からなる群から選択された金属で形成された負電極であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
- 室内空気の空気イオン極性が−0.5より負側になったときに作動する負イオン中和手段を備えることを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002345147A JP2004174409A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 空気清浄装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002345147A JP2004174409A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 空気清浄装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004174409A true JP2004174409A (ja) | 2004-06-24 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002345147A Pending JP2004174409A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 空気清浄装置 |
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JP (1) | JP2004174409A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006038461A1 (ja) * | 2004-10-01 | 2006-04-13 | Isuzu Motors Limited | ガス処理装置 |
JP2006150162A (ja) * | 2004-11-25 | 2006-06-15 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 空気浄化装置及び空気調和機 |
JP2006149538A (ja) * | 2004-11-26 | 2006-06-15 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 空気調和機の空気清浄装置 |
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JP2008212696A (ja) * | 2008-04-03 | 2008-09-18 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 空気浄化装置及び空気調和機 |
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CN102210881A (zh) * | 2011-06-13 | 2011-10-12 | 戴卓智 | 空气离子过滤装置 |
-
2002
- 2002-11-28 JP JP2002345147A patent/JP2004174409A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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