JP2004173840A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係るパチンコ遊技機によれば、電源投入直後は、大当たり判定用カウンタ値のカウンタ初期値が不特定なカウンタ値となるので、電源投入直後の1回目にランされたときも大当たり判定用カウンタ値が予測不可能となる。また、電源投入後も常に、大当たり判定用カウンタ値のカウンタ初期値がランダムなカウンタ値に変更されるので、遊技実行中においても、大当たり判定用カウンタ値が予測不能となる。さらに、遊技中にRAMクリアスイッチ81をオンして、リセットした場合でも、カウンタ値更新領域R1とカウンタ初期値更新領域R3に格納されているカウンタ値がクリアされず、リセット時のカウンタ値から更新処理が開始されるので、大当たり判定用カウンタ値が予測不可能となる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記憶手段に更新記憶された数値に基づいて遊技を制御する遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技機では、乱数カウンタを所定の数値範囲内で周期的に更新し、所定の条件が成立した際に乱数カウンタの数値を取得して、その数値に基づいて遊技の当否を判定していた。そして、遊技者に乱数カウンタの周回毎の初期値を予測不可能とするために、乱数カウンタが周回更新される毎に、次の周回の乱数カウンタの初期値を変更する構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−70252号公報(段落[0018]〜[0023]、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した構成の遊技機では、電源投入時に乱数カウンタが一定の初期値(例えば、0)になるので、電源投入直後の1回目の乱数カウンタの初期値から特別遊技に係わるカウンタが予測可能となり、特別遊技の取得タイミングが予側可能となっていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、電源投入直後の1回目の乱数カウンタの初期値を不特定な値とすることで、乱数カウンタの初期値から特別遊技の取得タイミングを予測不可能とし、不正に特別遊技を行うことを防止可能な遊技機の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る遊技機は、カウンタ値更新領域とカウンタ値取得領域とを含む記憶領域を有し、電源供給が断たれたときに記憶内容が揮発する揮発性の記憶手段と、カウンタ値更新領域に格納されているカウンタ値を所定の更新許容範囲内で更新するカウンタ更新手段と、カウンタ値取得条件が成立したときにカウンタ値更新領域に格納されているカウンタ値をカウンタ値取得領域に格納する取得手段と、カウンタ値取得領域に格納されているカウンタ値に基づいて特別遊技の当否判定を行う判定手段とを備えた遊技機において、記憶領域を初期設定する初期化処理手段を備え、初期化処理手段は、カウンタ値更新領域を初期化することなく、カウンタ値更新領域に格納されているカウンタ値をカウンタ値更新手段の更新開始値とするように構成したところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の遊技機において、初期化処理手段による初期設定は、遊技機の電源投入時及び/又は遊技機のリセット時に行われるように構成されたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の遊技機において、カウンタ値更新領域は、記憶手段の記憶領域における先頭アドレス又は終端アドレスに配置されたところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の遊技機において、更新許容範囲には上限値及び下限値が設けられ、カウンタ更新手段は、カウンタ値を周期的に更新すると共に、カウンタ値が更新許容範囲の上限又は下限の一方に達したときには、カウンタ値を上限又は下限の他方の数値にして、カウンタ値の更新を行うところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の遊技機において、更新許容範囲には上限値及び下限値が設けられ、カウンタ更新手段は、カウンタ値を周期的に更新するように構成され、カウンタ値が更新許容範囲の上限又は下限の一方に達したときの次の周回における初期のカウンタ値を更新許容範囲内におけるランダムな値に設定する周回初期値更新手段を備えたところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項4又は5に記載の遊技機において、カウンタ値更新領域は、更新許容範囲の上限値又は下限値を超えたカウンタ値を格納可能なバイト数又はビット数で構成され、初期化処理手段による初期設定時にカウンタ値更新領域に格納されていたカウンタ値が、更新許容範囲の上限値又は下限値を超えていた場合に、カウンタ値更新領域に格納されていたカウンタ値を利用して、更新許容範囲内の新たな初期のカウンタ値を生成する初期値設定手段を備えたところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の遊技機において、電源供給が断たれたときにカウンタ値更新領域及びカウンタ値取得領域のカウンタ値を保持するためのバックアップ電源供給手段が設けられ、電源供給が復旧した場合に、カウンタ値更新領域及びカウンタ値取得領域に保持されていたカウンタ値を用いて遊技が続行されるように構成したところに特徴を有する。
【0013】
【発明の作用及び効果】
<請求項1及び2の発明>
請求項1の遊技機では、初期化処理手段は、初期設定時にカウンタ値更新領域に格納されているカウンタ値をカウンタ値更新手段の更新開始値とする。即ち、初期化処理手段による初期設定時からの1回目のカウンタ値の更新開始値が特定の値とならずに不特定の値となるので、更新開始値を予測することが不可能となる。これにより、特別遊技に係わるカウンタ値更新領域のカウンタ値が1周するまでの間に、特別遊技の取得タイミングを予測することが不可能となるので、不正に特別遊技を行うことが防止できる。ここで、初期化処理手段による初期設定は、遊技機の電源投入時及び/又は遊技機のリセット時に行われるように構成してもよい(請求項2の発明)。このようにすれば、特別遊技に係わるカウンタ値更新領域のカウンタ値が電源投入直後及び/又はリセット直後に1周するまでの間に、特別遊技の取得タイミングを予測することが不可能となり、不正に特別遊技を行うことを防止できる。
【0014】
<請求項3の発明>
カウンタ値更新領域を記憶領域の中間のアドレスに配置した場合には、初期化処理手段によって記憶領域を初期化する際に、記憶領域の先頭アドレスから中間のアドレスのカウンタ値更新領域まで初期化してから、そのカウンタ値更新領域をジャンプし、さらに終端アドレスまで初期化するという処理を要する。しかしながら、本発明では、カウンタ値更新領域を、記憶手段の記憶領域における先頭アドレス又は終端アドレスに配置したので、カウンタ値更新領域をジャンプする処理が必要がなくなり、初期化処理が容易になる。
【0015】
<請求項4及び5の発明>
カウンタ更新手段は、カウンタ値を周期的に更新すると共に、カウンタ値が更新許容範囲の上限又は下限の一方に達したときには、カウンタ値を上限又は下限の他方の数値にして、カウンタ値の更新を行う構成にしてもよい(請求項4の発明)。
【0016】
また、カウンタ更新手段が、カウンタ値を周期的に更新すると共に、カウンタ値が更新許容範囲の上限又は下限の一方に達したときの次の周回における初期のカウンタ値を更新許容範囲内におけるランダムな値に設定する周回初期値更新手段を設けてもよい(請求項5の発明)。このようにすれば、遊技進行中においてもカウンタ値が1周したときの次の周回における初期のカウンタ値が特定の値とならず、ランダムな値となるのでカウンタ値の予測が困難になる。
【0017】
<請求項6の発明>
請求項6の遊技機では、初期化処理手段による初期設定時にカウンタ値更新領域に格納されていた不特定な初期のカウンタ値が、更新許容範囲の上限値又は下限値を超えていた場合に、初期設定時にカウンタ値更新領域に格納していたカウンタ値を利用して、更新許容範囲内の新たな初期のカウンタ値を生成することで、遊技の誤動作を防ぐことができる。
【0018】
<請求項7の発明>
請求項7の遊技機では、電源供給が断たれたときも、バックアップ電源供給手段により電源供給が断たれる前のカウンタ値がカウンタ値更新領域及びカウンタ値取得領域に保持されたままになる。そして、電源供給が復旧した場合に、それらカウンタ値更新領域及びカウンタ値取得領域に格納されているカウンタ値を用いて遊技が続行される。ここで、電源供給が断たれる前にカウンタ値更新領域及びカウンタ値取得領域に保持されたカウンタ値は予測不可能なので、電源供給が断たれた後、復旧したときもカウンタ値の予測が困難になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したパチンコ遊技機に係る一実施形態を、図1〜図6に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機の遊技盤11には、ガイドレール12で囲まれたほぼ円形の遊技領域Qが形成され、遊技領域Qの中央部に、表示装置13が備えられている。遊技領域Qのうち表示装置13の下方には、始動入賞口14、大入賞口15及び外れ球受け入れ口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。また、遊技領域Qのうち表示装置13等を挟んだ左右の両側には、上から順に、ランプ風車17、始動ゲート18、風車19、一般入賞口20,21が設けられ、ガイドレール12に沿った両側端部には、サイドランプ22,22が設けられている。また、遊技領域Q全体に亘って、図示しない複数の障害釘が起立している。
【0020】
パチンコ遊技機のうち遊技盤11より下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。そして、下皿27Bの右端部に設けた操作ノブ28を操作することで、上皿27Aに収容された遊技球が遊技盤11に向けて弾き出される。また、上皿27Aに設けたボタン29を押せば、上皿27Aから下皿27Bに遊技球が移動して収容される。さらに、上皿27Aを挟んだ両側には、スピーカ59Sが備えられている。
【0021】
次に所要の各部位についてさらに詳説する。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は、その始動ゲート18に内蔵した普通図柄始動スイッチ30(図3参照)によって検出される。そして、その検出信号に基づいて、後述する普通図柄表示領域24の図柄が変動表示される。
【0022】
始動入賞口14は、所謂、ポケット構造をなして上方に向かって開口しており、その開口の両側部には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた始動入賞口14の開口幅は、遊技球が約1つ入る大きさになっている。そして、遊技盤11の裏に設けたソレノイドが駆動されると、可動翼片14C,14Cが横に倒され、遊技球が可動翼片14Cに案内されて始動入賞口14に入り得る状態になる。
【0023】
始動入賞口14に遊技球が入賞すると、始動入賞口14内に設けた特別図柄始動スイッチ31(図3参照)が遊技球を検出し、その検出信号に基づいて表示装置13が後述するように図柄を変動表示する。なお、表示装置13が図柄を変動表示している間に、始動入賞口14に入賞した入賞球は、4個まで保留記憶される。
【0024】
大入賞口15は、横長に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、後述する所定条件の成立によって、パチンコ遊技機が「大当たり状態」になると、遊技盤11の裏に設けたソレノイド15S(図3参照)が駆動され、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒れる。これにより、大入賞口15が開放され、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能になる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が29秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか、の何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。
【0025】
大入賞口15の内部には、継続入賞口と計数入賞口とが設けられており、これら継続入賞口及び計数入賞口が開放される。より詳細には、可動扉15Tが開いたときには、継続入賞口は開放しており、継続入賞口に入賞後、ソレノイド15Sが駆動されて、継続入賞口が閉鎖される一方、計数入賞口は開放されたままとなる。そして、継続入賞口内に設けた大当たり状態継続スイッチ32(図3を参照)が遊技球の入賞を検出すると、前述した終了条件を満たしてラウンドが終了した後で、連続して次のラウンドが実行される。また、計数入賞口内に設けた入賞球数カウントスイッチ33(図3参照)が遊技球の入賞を検出すると、前記継続入賞口への入賞球と合わせて、大入賞口15への入賞球がカウントされ、これらが前記したように計10個に達したか否かがチェックされる。
【0026】
表示装置13は、全体として枠形構造をなした表示枠体23の後端面に、図示しない液晶モジュール(詳細には、TFT−LCDモジュール)を組み付けてなる。液晶モジュールのうち表示枠体23によって取り囲まれた前面部分は、表示部34となっており、遊技者は、表示枠体23を通して表示部34に表示された画像を見ることができる。
【0027】
表示部34の中央部分には、特別図柄表示領域が設けられ、図1に示すように、通常は、3つの左、中、右の特別図柄80,81,82が、横並びに表示されている。これら各特別図柄80,81,82は、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄80,81,82ごと、所定の種類のものが、表示部34に確定表示されている。そして、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに当否判定され、各特別図柄80,81,82が、上下方向にスクロールして変動表示され、所定時間後に、例えば、左、中、右の順で各特別図柄80,81,82が停止表示される。このとき、例えば、当否判定の結果が当たりで全ての特別図柄80,81,82が同じ図柄、即ち、ぞろ目になった場合に、遊技が「大当たり状態(特別遊技状態)」になり、可動扉15Tが開かれる。
【0028】
また、各特別図柄80,81,82が変動表示している間に、或いは、大当たり状態で、始動入賞口14に遊技球が入球した場合には、その入球に起因して所定の乱数が最大4つまで保留されて、一時記憶される。そして、表示部34において特別図柄80,81,82の変動表示が開始されるときに、保留記憶数が1つ減らされて、保留記憶数が0になるまでこの動作が繰り返される。また、この保留記憶数は、前記表示枠体23の上辺のうち表示枠体23の両側に1対ずつ配設された計4つのLED25の点灯数でもって遊技者に報知される。
【0029】
表示部34のうち、特別図柄表示領域の左下隅には、普通図柄表示領域24が設けられている。この普通図柄表示領域24は、始動ゲート18内に設けた普通図柄始動スイッチ30(図3参照)が遊技球の通過を検出したときに当否判定され、例えば、「0」〜「9」までの数字(普通図柄)を所定期間に亘って変動表示した後、所定の数字を確定表示する。そして、確定表示された数字が、例えば、奇数の場合に、前記始動入賞口14に設けた前記可動翼片14C,14Cが所定期間(例えば、0.4秒)に亘って横に倒される。なお、普通図柄表示領域24で表示する普通図柄は、数字に限るものではなく、アルファベットや記号等でもよい。
【0030】
また、普通図柄表示領域24が変動表示している間に遊技球が始動ゲート18を通過すると、その通過した遊技球が最大3つまで累積カウントされる。そして、普通図柄表示領域24が停止表示されると、累積数が1つ減らされて普通図柄表示領域24の変動表示が開始され、累積数が0になるまでこの動作が繰り返される。また、累積数は、表示枠体23の上辺中央に並んで設けた3つの計数ランプ24Sの点灯数によって遊技者に報知される。
【0031】
図2に示すように、パチンコ遊技機の後面中央には、主制御基板50が設けられ、この主制御基板50に重なるようにして、ランプ制御基板55、音声制御基板56及び表示制御基板57が設けられている。また、これら各基板50,55,56,57の下方には、電源基板70や払出制御基板58、発射制御基板等の種々の制御基板が設けられている。
【0032】
次いで、図3を参照しつつ、本実施形態のパチンコ遊技機の電気的な構成について説明する。同図において、50は、主制御基板であって、CPU51AとROM51B及び本発明の「揮発性の記憶手段」に相当するRAM51Cを合わせてパッケージしてなるワンチップマイコン51を主要部として備える。
【0033】
主制御基板50には、定期リセット回路が備えられ(図示せず)、周期的(例えば、2msecごと)に割り込みパルスをワンチップマイコン51に出力する。ワンチップマイコン51は、割り込みパルスを受ける度に、ROM51Bに記憶した種々のプログラムをランする。
【0034】
ワンチップマイコン51は、入出力回路54を介して、前述した入賞球を検出するためのスイッチ30〜33等から信号を受けると共に、ランした種々のプログラムに従って、ランプ制御基板55、音声制御基板56、表示制御基板57、払出制御基板58等に制御信号を出力して各部位を制御する。
【0035】
ランプ制御基板55は、左右のサイドランプ22,22や、表示装置13の表示枠体23等への電力供給をオンオフする駆動回路(図示せず)を内蔵して備え、ワンチップマイコン51から受けた信号に基づき、前記駆動回路を作動させて、各ランプ、LEDを駆動制御する。
【0036】
音声制御基板56は、ワンチップマイコン51から受けた信号に基づいて、所定の音声信号を図示しないROMから取り出し、これをアナログ信号に変換及び増幅してスピーカ59Sに出力する。
【0037】
表示制御基板57は、主制御基板50から受けた信号を表示用CPU61で処理すると共に、表示用CPU61の処理結果に基づき、VDP(図示せず)が画像データを生成して、これを表示部34へと出力する。
【0038】
払出制御基板58は、CPU58AとROM58B及びRAM58Cを合わせてパッケージしてなるワンチップマイコンを備えてなり、主制御基板50のワンチップマイコン51から受けた信号に基づき、所定数の遊技球を賞球として、前記上皿27Aに払い出す。
【0039】
上記した各基板50,55〜58は、電源基板70から受電して作動する。詳細には、パチンコホールでは、AC24V設備電源が備えられている。そして、各パチンコ遊技機の電力ケーブル83(図2を参照)が、そのAC24V設備電源に接続されている。AC24V設備電源からの電力は、受電基板71を介して、電源基板70に給電される。
【0040】
受電基板71は、主電源スイッチ71S(図2を参照)を備える。そして、この主電源スイッチ71Sの操作により、AC24V設備電源からの受電をオンオフすることができる。
【0041】
ここで、パチンコ遊技機には、電源基板70にバックアップ回路70B(本発明の「バックアップ電源供給手段」に相当する)が備えられたものがある。バックアップ回路70Bは、例えば、蓄電基板としてのコンデンサを備えてなり、常には、受電基板71から電力を受けて充電されると共に、RAM51Cに電力を供給している。そして、バックアップ回路70Bは、受電基板71からの給電が停止しても、充電された電力によってRAM51Cの記憶を保持する。
【0042】
バックアップ回路70Bを備えた電源基板70には、RAMクリアスイッチ81(図2を参照)が備えられている。例えば、電源投入時にRAMクリアスイッチ81をオンすると、主制御基板50及び払出制御基板58に備えたRAM51C,58Cの記憶領域のデータがクリアされる。RAMクリアスイッチ81は、例えば、モメンタリタイプの押しスイッチであり、円柱状をなして、電源基板70から突出した状態に付勢されている。
【0043】
なお、モメンタリタイプのスイッチとは、オフ状態になる第1の位置と、オン状態になる第2の位置との間で変位可能に構成されると共に、常には、オフ状態になるように第1の位置へと付勢され、操作により、第2の位置に変位してオン状態にされるものをいう。また、本実施形態では、RAMクリアスイッチ81が、押しスイッチであるが、モメンタリタイプの引きスイッチで構成されていてもよい。
【0044】
ところで、主制御基板50に備えられたRAM51Cは、例えば256バイトの記憶領域R0を有し、その記憶領域R0は、図6に示すように2バイトずつアドレス空間に区分されてアドレス(番地)が付されている。そして、本実施形態では、例えば記憶領域R0における先頭アドレス「0000番地」のアドレス空間が、本発明の「カウンタ値更新領域」としての大当たり判定用のカウンタ値更新領域R1に設置されている。また、例えば、「0001番地」のアドレス空間がカウンタ初期値更新領域R3とされ、「0002番地」のアドレス空間がカウンタの更新初期値を記憶しておくためのカウンタ初期値取得領域R4とされている。さらに、表1に示された「大当たり判定用」以外のカウンタ値やその他のデータが所定のアドレスに割り振られている。なお、これら各区分毎のアドレス空間は、前述したように2バイトで構成されているので、それぞれ16進数で「0000」〜「FFFF」、10進数で「0」〜「65535」の数値を格納することができる。
【0045】
なお、本実施形態では、カウンタ値更新領域R1を記憶領域R0の先頭アドレスに配置してあるが、この場合以下の効果を奏する。即ち、カウンタ値更新領域R1を記憶領域R0の中間アドレスの例えば「0011」に配置した場合には、記憶領域R0を初期化設定する際に、記憶領域R0の先頭アドレス「0000」から「0010」まで初期化し、カウンタ値更新領域R1の「0011」をジャンプし、さらに終端アドレスまで初期化するという処理を要する。しかしながら、本実施形態では、カウンタ値更新領域R1を、記憶領域R0における先頭アドレス「0000」に配置したのでジャンプ処理を必要とせずに、初期化処理を簡素化することができる。
【0046】
カウンタ値更新領域R1には、大当たり判定用のカウンタ値が格納され、後述するカウンタ値更新処理(S22、本発明の「カウンタ更新手段」に相当する)が実行される毎に(2msec毎に)、1インクリメントされて更新される。本実施形態において、大当たり判定用カウンタ値は「0〜315」の数値範囲(更新許容範囲)で更新される。
【0047】
カウンタ値取得領域R2には、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに、カウンタ値更新領域R1から取得された大当たり判定用カウンタ値が格納される。そして、このカウンタ値取得領域R2に格納された大当たり判定用カウンタ値に基づいて大当たり遊技の当否判定が行われる。
【0048】
カウンタ初期値更新領域R3には、大当たり判定用カウンタ値が1周りする毎に、次の周回のカウンタ初期値を決定する初期値決定用カウンタ値が格納されている。初期値決定用カウンタ値は、後述するカウンタ初期値更新処理(S10)が行われる毎に1インクリメントされると共に、前記カウンタ値更新処理(S22)が実行される毎に(2msec毎に)、1インクリメントされて更新される。本実施形態では、初期値決定用カウンタ値は、「0〜315」の数値範囲(更新許容範囲)で更新されるようになっており、初期値決定用カウンタ値が上限、即ち「315」となると、下限、即ち「0」にリセットされ、再び更新される。
【0049】
カウンタ初期値取得領域R4には、初期化処理時において、16進数で「0000」〜「FFFF」の数値範囲のうちの不特定なカウント値が格納されている。また、大当たり判定用カウンタ値が1周りしたとき(「0〜315」のカウンタ値が1回ずつカウンタ値更新領域R1に格納されたとき)には、カウンタ初期値更新領域R3に格納されている初期値決定用カウンタ値が取得され、これが大当たり判定用カウンタ値のカウンタ初期値として格納されている。そして、大当たり判定用カウンタ値が1周りする毎に、新たな初期値決定用カウンタ値を取得する。
【0050】
なお、本実施形態では、大当たり判定用カウンタ値及び初期値決定用カウンタ値の他に、普通図柄判定用カウンタ値、外れ図柄決定カウンタ値、リーチ有無決定カウンタ値、変動パターン決定カウンタ値及び大当たり図柄決定カウンタ値等の各種カウンタ値が備えられており、RAM51Cには、これらカウンタ値の更新領域及び取得領域が備えられている。また、各カウンタが更新可能な数値範囲(更新許容範囲)は表1に示すとおりである。なお、大当たり判定用カウンタ値以外のカウンタは、何れも数値範囲の上限値に達すると下限値にリセットされ、下限値から再び更新が開始される。
【0051】
【表1】
【0052】
さて、主制御基板50及び払出制御基板58では、それぞれに備えたCPU51A,58Aが、受電基板71からの給電の停止と開始に連動して、以下の動作を行う。なお、主制御基板50及び払出制御基板58で行われる動作は、同じなので、主制御基板50の動作についてのみ説明する。
【0053】
本実施形態のように、バックアップ機能を有する(バックアップ回路70Bを有する)パチンコ遊技機において、受電基板71からの給電が停止するときには、その直前に、主制御基板50が、電源基板70から電源断信号を受ける。すると、主制御基板50のCPU51Aは、バックアップ回路70Bからの給電によってRAM51Cの各記憶領域のデータを保持する。具体的には、RAM51Cの記憶領域のうち、遊技情報を記憶した使用領域F(図6参照)のデータを全て加算し、その加算結果の1バイト値を全ビット反転させて、これをバックアップ検証値として、記憶領域の所定のアドレスR5(図6参照)に格納する。それと共に、CPU51Aは、RAM51Cの他の所定のアドレスR6(図6参照)に設定した電源断処理フラグをセットする。そして、CPU51Aによる処理が終了したタイミングで、電源基板70からリセット信号が出力され、このリセット信号を受けた主制御基板50、ランプ制御基板55、音声制御基板56、表示制御基板57及び払出制御基板58が停止状態になる。
【0054】
受電基板71からの給電が開始したときには、主制御基板50が電源基板70からの電源断信号及びリセット信号を受信する。すると、主制御基板50のCPU51Aは、ROM51Cから図4に示した制御プログラムMを取り出してランする。なお、この制御プログラムMにおいて、ステップS1〜S9は、電源投入時や停電からの復電時のみでなく、電源供給された状態でRAMクリアスイッチ81がオンされた場合、即ち主制御基板50がリセットされた場合にも実行される。
【0055】
制御プログラムMが実行されると、まず、主制御基板50に備えたデバイスの初期設定(S1)が行われ、例えばスタックの設定、定数設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定等が行われる。次いで、RAMクリアスイッチ81がオンされたか否かをチェックする(S2)。
【0056】
ここで、バックアップ機能を有する本実施形態のパチンコ遊技機では、RAMクリアスイッチ81がオフしていた場合には(S2でNo)、電源断処理フラグがセットされかつ遊技状態が正常にバックアップされているか否かをチェックする(S3)。具体的には、RAM51Cの記憶領域のうち、遊技情報を記憶した使用領域F(図6参照)のデータを全て加算し、その加算結果の1バイト値を全ビット反転させたものと、記憶領域の所定のアドレスR5(図6参照)に格納されたバックアップ検証値とが一致したか否かをもって、遊技状態が正常にバックアップされているか否かをチェックする。そして、バックアップが正常であった場合には(S3でYes)、停電等の電源遮断から復電したものと判断して(S4)、電源断処理フラグをリセットして、RAM51Cに記憶された遊技情報、即ち電源断時にRAM51Cの各記憶領域に保持されたカウンタ値に基づき、電源遮断時の遊技状態を復元して、電源遮断時の遊技状態の遊技を続行する。ここで、電源断時にRAM51Cの各記憶領域に保持されたカウンタ値を予測することは困難なので、電力復旧直後の場合も、1周目のカウンタ値を予測することは困難となっている。また、遊技状態が正常にバックアップされていなかった場合は(S3でNo)、ステップS5にジャンプする。なお、電源投入(初回の電源投入)直後において、前記所定のアドレスR5(図6参照)にはバックアップ検証値が格納されておらず、16進数で「0000」〜「FFFF」の数値範囲のうちの不特定な値が格納されているので、必ずステップS5にジャンプする。また、バックアップ機能(バックアップ回路70B)を有さないパチンコ遊技機の場合には、ステップS2〜S4の処理は実行せずに、ステップS1に次いでS5を実行するプログラムとすればよい。
【0057】
一方、RAMクリアスイッチ81がオンしていた場合には(S2でYes)、電源投入(即ち、初回の電源投入)又はリセットと判断し、RAM51Cの記憶領域のうち、カウンタ値更新領域R1及びカウンタ初期値更新領域R3を除く各記憶領域のデータをクリアする(S5)。ここで、初回の電源投入直後において、RAM51Cの各記憶領域には、16進数で「0000」〜「FFFF」の数値範囲のうちの不特定なカウンタ値が格納されている。即ち、この処理(S5)が終了した時点で、RAM51Cの記憶領域のうち、カウンタ値更新領域R1及びカウンタ初期値更新領域R3には予測不可能な不特定なカウンタ値が格納されており、その他の記憶領域には、予め定められた所定の初期値(更新許容範囲の下限値)が格納されている。なお、バックアップ機能を有さないパチンコ遊技機の場合にも、上述した処理と同様な処理が実行される。
【0058】
次いで、初回の電源投入直後にカウンタ値更新領域R1に格納されている不特定なカウンタ値が、更新許容範囲内の「0〜315」の何れかであるか否かがチェックされる(S6)。カウンタ値更新領域R1に格納されたカウンタ値が「0〜315」の数値範囲のうちの何れかの値であった場合には(S6でYes)、各領域R1,R3に格納されたカウンタ値をそのままとして、ステップS8にジャンプする。ここで、バックアップ機能を有する本実施形態のパチンコ遊技機のリセット時には、各領域R1,R3には「0〜315」の数値範囲の何れかのカウンタ値が格納されているので、必ずステップS8にジャンプする。
【0059】
一方、カウンタ値更新領域R1に格納されたカウンタ値が「0〜315」の数値範囲の何れでもなかった場合には(S6でNo)、カウンタ値更新領域R1に格納されたカウンタ値を「0〜315」の数値範囲内で、例えば「0」にセットする(S7)。その後、カウンタ値更新領域R1に格納されたカウンタ値をカウンタ初期値更新領域R3及びカウンタ初期値取得領域R4に格納する(S8)。即ち、初回の電源投入時やリセット時に設定される大当たり判定カウンタ値の更新開始値が、更新許容範囲内の「0〜315」のうちの不特定な値に設定される。なお、ステップS7は、カウンタ値更新領域R1の不特定なカウンタ値が更新許容範囲ではない場合に、カウンタ値を更新許容範囲内の「0」に設定するので、本発明の「初期値設定手段」に相当する。
【0060】
その後、RAM51C内のタイマー設定や、払出制御基板58に備えたRAM58Cの初期化等のその他の初期設定処理(S9)が行われる。なお、これらステップS1〜S9の処理が、本発明の「初期化処理手段」に相当し、初回の電源投入後や停電等からの復電後及びリセット後の1回目にランされたときだけ実行され、その後は実行されない。
【0061】
その他の初期設定(S9)に次いで、カウンタ初期値更新処理(S10)が行われる。カウンタ初期値更新処理(S10)は、カウンタ初期値更新領域R3から初期値決定用カウンタ値を取り出し、1インクリメントしてから再びカウンタ初期値更新領域R3に格納する。カウンタ初期値更新処理(S10)は、割り込み処理(S11)が終了後、次回の割り込み処理(S11)が開始されるまでの間に繰り返し実行される。また、大当たり判定用のカウンタ初期値は、割り込み処理(S11)中のカウンタ値更新処理(S22)の実行時(2msec毎)にも更新される。即ち、カウンタ初期値更新処理(S10)と割り込み処理(S11)中のカウンタ値更新処理(S22)とは、異なる周期で実行される。
【0062】
割り込み処理(S11)は、図5に示されている。この処理(S11)が実行されると、まずCPU51Aに備えたアキュムレータレジスタの値を一時的にスタックエリアに待避させて(S20)から、ステップS21〜S28の処理を実行する。
【0063】
賞球制御処理(S21)では、賞球払出数の制御や、払出不足の監視等が行われる。
【0064】
カウンタ値更新処理(S22)では、普通図柄当否判定用カウンタ値、大当たり判定用カウンタ値、外れ図柄決定用カウンタ値、リーチ有無決定カウンタ値、変動パターン決定用カウンタ値、大当たり図柄決定用カウンタ値の各カウンタ値の更新を行う。より具体的には、例えば、大当たり判定用カウンタ値の更新処理は、カウンタ値更新領域R1に格納されている大当たり判定用カウンタ値を取り出して1インクリメントしてから、再びカウンタ値更新領域R1に格納する。
【0065】
ここで、大当たり判定用カウンタ値及びカウンタ初期値は、電源投入直後や復電直後又はリセット直後の1回目にランされたときには、前述したステップS8において設定されたカウンタ値(更新開始値)となっており、このカウンタ値から更新が開始される。そして、カウンタ値更新領域R1のカウンタ値が1周りしたとき、即ち、カウンタ値更新領域R1のカウンタ値が、カウンタ初期値取得領域R4に格納されているカウンタ値(更新開始値)と等しくなると、カウンタ初期値更新領域R3から初期値決定用カウンタ値が取り出され、カウンタ初期値取得領域R4のカウンタ値(更新開始値)がこの初期値決定用カウンタ値に更新される。すると、この初期値決定用カウンタ値が、新たなカウンタ初期値としてカウンタ値更新領域R1に設定され、次にカウンタ値更新処理(S22)が実行されたときには、この新たなカウンタ初期値(初期値決定用カウンタ値)から更新が開始される。なお、カウンタ初期値更新処理(S10)が本発明の「周回初期値更新手段」に相当する。
【0066】
次いで、スイッチ検出処理が行われる(S23)。この処理(S23)では、始動ゲート18内に設けた普通図柄始動スイッチ30又は、始動入賞口14内に設けた特別図柄始動スイッチ31による遊技球の検出処理が行われる。そして、この処理(S23)に基づいて、普通図柄関係処理(S24)及び特別図柄関係処理(S25)が実行される。
【0067】
普通図柄関係処理(S24)では、スイッチ検出処理(S23)において、普通図柄始動スイッチ30が遊技球を検出したときに、RAM51Cに設けられた普通図柄判定用のカウンタ値取得領域に格納されたカウンタ値に基づいて当否判定を行うと共に、その当否判定に基づいて普通図柄表示領域24における普通図柄の変動及び停止に関わる処理と、始動入賞口14に備えた可動翼片14C,14Cの駆動処理を行う。
【0068】
特別図柄関係処理(S25)では、スイッチ検出処理(S23)において、特別図柄始動スイッチ31が遊技球を検出したときに、大当たり判定用のカウンタ値更新領域R1に格納されている大当たり判定用カウンタ値を取り出してカウンタ値取得領域R2に格納し、このカウンタ値取得領域R2に格納された大当たり判定用カウンタ値に基づいて当否判定を行う。そして、当否判定結果に応じて特別図柄80,81,82の変動及び停止に関わる処理と、大入賞口15に備えた可動扉15Tの駆動処理を行う。なお、この特別図柄関係処理(S25)とスイッチ検出処理(S23)とが本発明の「取得手段」に相当する。また、特別図柄関係処理(S25)は、本発明の「当否判定手段」に相当する。
【0069】
次いでランプ制御処理(S26)が行われ、普通図柄の保留数や大当たり当否判定の保留数に応じて、計数ランプ24SやLED25等の遊技機の係わるランプ類の点灯制御を行う。
【0070】
その後、スピーカ59Sの制御や賞球の払出し制御等の本発明に深く関係しないその他の処理(S27)を実行後、スタックエリアに待避させていたアキュムレータレジスタの値を復帰して(S28)、再び、カウンタ初期値更新処理(S10)を実行する。
【0071】
次に、上記構成からなる本実施形態の作用・効果を説明する。
パチンコホールの開店時に、パチンコホールに備えた設備電源スイッチや各パチンコ遊技機に備えた主電源スイッチ71Sを操作してパチンコ遊技機に電源投入すると、その電源投入時(リセット時)には、RAM51Cの各記憶領域に、デバイスの値として「0000」〜「FFFF」のうちの何れかの不特定な値が格納されたまま保持される。なお、バックアップ回路70Bによるバックアップ用電力が全て消費された場合や、バックアップ機能を有していないパチンコ遊技機の場合にも、上述のように、RAM51Cの各記憶領域に、デバイスの値として「0000」〜「FFFF」のうちの何れかの不特定な値が格納されたまま保持される。
【0072】
そして、電源投入後に制御プログラムMが実行されると、RAM51Cの記憶領域R0のうち、先頭アドレス「0000」の大当たり判定用のカウンタ値更新領域R1と2番目のアドレス「0001」のカウンタ初期値更新領域R3を除いて、3番目のアドレス「0003」から終端アドレスまでの記憶領域が予め定められた所定の値となるように初期化される。
【0073】
さて、カウンタ値更新領域R1とカウンタ初期値更新領域R3に関する初期化処理は以下のようである。即ち、電源投入直後或いはリセット時にカウンタ値更新領域R1に格納されていた不特定な値が、大当たり判定用カウンタ値の更新許容範囲「0〜315」の何れかであった場合には、カウンタ値更新領域R1には電源投入直後或いはリセット時に格納された不特定な値がそのまま初期値として設定される。一方、電源投入直後或いはリセット時にカウンタ値更新領域R1に格納されていた不特定な値が、大当たり判定用カウンタ値の更新許容範囲「0〜315」から外れていた場合には、更新許容範囲内の所定のカウンタ値(本実施形態では「0」)に設定する。また、カウンタ初期値更新領域R3に関しても全く同じ処理が行われる。これにより、カウンタ値更新領域R1とカウンタ初期値更新領域R3には、電源投入直後或いはリセット時にも不特定な値が格納される。
【0074】
なお、電源投入直後或いはリセット時にカウンタ値更新領域R1に格納された不特定な値が、大当たり判定用カウンタ値の更新許容範囲「0〜315」から外れていた場合には、例えば、電源投入直後或いはリセット時の不特定な値を「315」で除した余りを大当たり判定用カウンタの初期値とする構成にしてもよい。このようにすれば、その電源投入直後或いはリセット時の不特定な値に基づいて、更新許容範囲「0〜315」内の不特定な初期値を設定することができる。
【0075】
上述のように設定された初期値を利用して、カウンタ値の更新処理が行われる。即ち、電源投入後或いはリセット時に、大当たり判定用カウンタ値が更新されるときには、前記した不特定な初期値に所定の周期で1ずつインクリメントされて、大当たりカウンタ値が更新されていく。従って、不正にリセットされても、大当たりカウンタ値を予測することは困難である。
【0076】
また、大当たりカウンタ値は、1周りする(「0〜315」までのカウント値が1回ずつカウンタ値更新領域R1に格納される)ごとに、カウンタ初期値が変更される。即ち、例えば、大当たり判定用のカウンタ初期値が「200」に設定された場合には、大当たり判定用カウンタ値が「200」からカウンタ値更新処理(S22)が実行される毎に、1ずつインクリメントされ、「315」を経て「200」に達すると(大当たり判定用カウンタ値が1周りしたとき)、大当たり判定用のカウンタ初期値更新領域R3から初期値決定用カウンタ値が取得されてカウンタ初期値取得領域R4に格納される。
【0077】
そしてカウンタ初期値取得領域R4のカウンタ値が読み出され、これが新たなカウンタ初期値としてカウンタ値更新領域R1に設定される。設定されたカウンタ初期値が、例えば、「300」だった場合には、大当たり判定用のカウンタ値更新領域R1においてカウンタ値が「200」から「300」に更新され、「300」から1ずつ更新される。また、このとき、カウンタ初期値としてのカウンタ値「300」は、カウンタ初期値取得領域R4に格納されており、カウンタ値更新領域R1のカウンタ値が、カウンタ初期値取得領域R4に格納されたカウンタ初期値と等しくなったとき、即ち、「300」となったときに、新たなカウンタ初期値がカウンタ初期値更新領域R3からカウンタ初期値取得領域R4に取り込まれカウンタ値更新領域R1に設定される。
【0078】
なお、パチンコホールの営業中に停電が発生すると、バックアップ機能を有した各パチンコ遊技機は、主制御基板50及び払出制御基板58が、遊技情報をバックアップして停止状態になる。そして、停電から復旧した後には、バックアップした遊技情報に基づいて、電源遮断時の遊技状態が復元され(S4)、遊技者は、電源遮断時の遊技を続行することができる。
【0079】
ところで、パチンコホールの営業中に所定のパチンコ遊技機にトラブルが発生した場合には、RAMクリアスイッチ81をオンして遊技をリセットする。ここで、RAMクリアスイッチ81をオンした場合でも、前記電源投入時と同様に、RAM51Cの記憶領域のうち、大当たり判定用のカウンタ値更新領域R1とカウンタ初期値更新領域R3は初期化されず、RAM51Cの記憶領域R0のうち、カウンタ値更新領域R1とカウンタ初期値更新領域R3以外の記憶領域が初期化される。従って、リセット処理後であっても、大当たりカウンタ値を予測することは困難である。
【0080】
このように本実施形態によれば、電源投入直後或いはリセット時は、大当たり判定用カウンタ値のカウンタ初期値が不特定なカウンタ値となるので、初期化処理実行後の1周目の大当たり判定用カウンタ値が予測不可能となる。また、初期化処理実行後の2周目以降の大当たり判定用カウンタ値のカウンタ初期値もランダムなカウンタ値に変更されるので、遊技実行中においても、大当たり判定用カウンタ値が予測不能となる。さらに、バックアップ機能を有するパチンコ遊技機の遊技中にRAMクリアスイッチ81等により、リセットした場合でも、カウンタ値更新領域R1とカウンタ初期値更新領域R3に格納されているカウンタ値がクリアされず、リセット時のカウンタ値から更新処理が開始されるので、大当たり判定用カウンタ値が予測不可能となる。これらにより、大当たり判定用カウンタを予測して不正に大当たり状態とする行為を防ぐことができる。
【0081】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を例示したが、本発明はこれに限られず、遊技機であれば、コイン遊技機やスロットマシン等に適用してもよい。
【0082】
(2)上記実施形態では、カウンタ値更新領域R1及びカウンタ初期値更新領域R3が、RAM51Cの記憶領域のうちの先頭アドレスとその次のアドレスとに位置していたが、終端アドレスとその直前のアドレスとに位置していてもよい。
【0083】
(3)上記実施形態では、電源投入直後或いはリセット時のカウンタ値更新領域R1のカウンタ値が更新許容範囲内ではなかった場合に、カウンタ値更新領域R1のカウンタ値を「0」となるように処理していたが、更新許容範囲内の値であれば「0」に限るものではない。また、電源投入直後或いはリセット時のカウンタ値更新領域R1のカウンタ値に基づいて所定の計算式によって求めた値をカウンタ値としてもよい。
【0084】
(4)上記実施形態では、各カウンタ値の更新の際には、カウンタ値がインクリメントされていたが、ディクリメントされるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図
【図2】パチンコ遊技機の背面図
【図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図
【図4】主制御基板がランするプログラムのフローチャート
【図5】割り込み処理のフローチャート
【図6】主制御基板に備えたRAMの記憶空間の概念図
【符号の説明】
51C…RAM(記憶手段)
70B…バックアップ回路(バックアップ電源供給手段)
R1…カウンタ値更新領域
R2…カウンタ値取得領域
Claims (7)
- カウンタ値更新領域とカウンタ値取得領域とを含む記憶領域を有し、電源供給が断たれたときに記憶内容が揮発する揮発性の記憶手段と、
前記カウンタ値更新領域に格納されているカウンタ値を所定の更新許容範囲内で更新するカウンタ更新手段と、
カウンタ値取得条件が成立したときに前記カウンタ値更新領域に格納されているカウンタ値を前記カウンタ値取得領域に格納する取得手段と、
前記カウンタ値取得領域に格納されているカウンタ値に基づいて特別遊技の当否判定を行う判定手段とを備えた遊技機において、
前記記憶領域を初期設定する初期化処理手段を備え、
前記初期化処理手段は、前記カウンタ値更新領域を初期化することなく、前記カウンタ値更新領域に格納されているカウンタ値を前記カウンタ値更新手段の更新開始値とするように構成したことを特徴とする遊技機。 - 前記初期化処理手段による初期設定は、遊技機の電源投入時及び/又は遊技機のリセット時に行われるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記カウンタ値更新領域は、前記記憶手段の記憶領域における先頭アドレス又は終端アドレスに配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
- 前記更新許容範囲には上限値及び下限値が設けられ、前記カウンタ更新手段は、カウンタ値を周期的に更新すると共に、カウンタ値が前記更新許容範囲の上限又は下限の一方に達したときには、前記カウンタ値を前記上限又は下限の他方の数値にして、カウンタ値の更新を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の遊技機。
- 前記更新許容範囲には上限値及び下限値が設けられ、前記カウンタ更新手段は、カウンタ値を周期的に更新するように構成され、
カウンタ値が前記更新許容範囲の上限又は下限の一方に達したときの次の周回における初期のカウンタ値を前記更新許容範囲内におけるランダムな値に設定する周回初期値更新手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の遊技機。 - 前記カウンタ値更新領域は、前記更新許容範囲の上限値又は下限値を超えたカウンタ値を格納可能なバイト数又はビット数で構成され、
前記初期化処理手段による初期設定時に前記カウンタ値更新領域に格納されていたカウンタ値が、前記更新許容範囲の上限値又は下限値を超えていた場合に、前記カウンタ値更新領域に格納されていたカウンタ値を利用して、前記更新許容範囲内の新たな初期のカウンタ値を生成する初期値設定手段を備えたことを特徴とする請求項4又は5に記載の遊技機。 - 電源供給が断たれたときに前記カウンタ値更新領域及びカウンタ値取得領域のカウンタ値を保持するためのバックアップ電源供給手段が設けられ、電源供給が復旧した場合に、前記カウンタ値更新領域及びカウンタ値取得領域に保持されていたカウンタ値を用いて遊技が続行されるように構成したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の遊技機。
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