JP2004173403A - 回転電機の電機子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】頭部側コイルエンド又は端部側コイルエンドをなすセグメント導体C1〜P9の頭部又は端部の周方向への屈曲開始点P1、P2、P3とステータコア2の端面との間の軸方向距離a、b、cを、同相で互いに隣接するセグメント導体間で変更する。これにより、作業の複雑化、困難化を抑止しつつコイルエンドにおける電圧耐性を改善可能な回転電機の電機子を実現することができる。
【選択図】図22
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機の電機子及びその製造方法に関し、特にセグメント導体接合型電機子コイルを有する電機子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、ステータコアのスロットに挿通された多数のセグメント導体を順次接合して形成されたセグメント導体接合型電機子コイルが提案されている。たとえば、本出願人が所有する下記特許文献1、2は、略U字形状を有する導体片であるセグメント導体を順次接合して形成されたセグメント導体接合型電機子コイルの製造について開示している。
【0003】
更に説明すると、これらのセグメント導体接合型電機子コイルは、セグメント導体の一対の脚部を回転子の略磁極ピッチだけ互いに離れた一対のスロットに個別に挿通して飛び出した一対の端部を周方向へ互いに反対側に曲げ、各セグメント導体の両脚部の先端を順次接合して形成されている。
【0004】
上記したセグメント導体接合型電機子コイルとして、一対の脚部がスロット内にて径方向に隣接する2つの導体収容位置に個別に収容される1種類のセグメント導体により構成される2導体径方向配置型コイルと、二対の脚部がスロット内にて径方向に順次隣接する4つの導体収容位置に個別に収容される2種類のセグメント導体により構成される4導体径方向配置型コイル、三対の脚部がスロット内にて径方向に順次隣接する6つの導体収容位置に個別に収容される3種類のセグメント導体により構成される6導体径方向配置型コイルなどが公知となっている。相巻線のターン数を増大するためには、上記した各種のコイルを径方向に複数配置し、相ごとに直列することができる。
【0005】
相巻線のターン数を増大するために、毎極毎相当たりのスロット数を増大することも知られている。たとえば、本出願人の出願になる下記特許文献4、5は、毎極毎相当たり複数のスロット(をもつ回転電機のセグメント導体接合型電機子コイルを開示している。
【0006】
これらの公報は、同一相の相巻線を構成する複数のセグメント導体を、互いに隣接する複数のスロットからなる隣接同相スロット群に収容することにより、極数を増大することなく相巻線のターン数を増加することを開示している。このような隣接同相スロット群を用いる場合、隣接同相スロット群のうちの周方向同一順位のスロットのセグメント導体だけを連ねて部分コイルを構成し、各部分コイルを直列に接続してコイルを構成する。
【0007】
上記2導体径方向配置型コイルや4導体径方向配置型コイルを前記コイルとして1つのみ用いる場合には、このコイルが相巻線を構成する。上記2導体径方向配置型コイルや4導体径方向配置型コイルをそれぞれ前記コイルとして径方向へ複数配置する場合には、これら2導体径方向配置型又は4導体径方向配置型コイルからなる上記コイルを複数、直列又は並列に接続して相巻線が構成される。
【0008】
しかしながら、相巻線のターン数増大のために隣接同相スロット群のスロット数を増大すると、スロット間のティースの周方向幅縮小により、隣接する異なる相のセグメント導体の頭部又は端部が近接し、コロナ放電などが生じやすくなるという問題があった。
【0009】
この問題を改善するために、下記の特許文献6は、隣接同相スロット群からそれぞれ突出した後、周方向へ屈曲する各コイルエンド導体の屈曲点近傍における曲率半径を周方向一方側から順次増大することを提案している。このようにすれば、隣接同相スロット群から突出して周方向へ屈曲する各コイルエンド導体は周方向において互いに固まり、その結果として互いに隣接する異なる相のコイルエンド導体同士の間の周方向ギャップを増加し、両者間の電気絶縁性を改善し、コロナ放電も抑止することができる。
【0010】
しかしながら、上記した特許文献6が提案するコイルエンド導体の屈曲点近傍における曲率半径を種々変更するという解決案は、隣接同相スロット群から突出する各コイルエンド導体(以下、簡単のために隣接同相コイルエンド導体群ともいう)の屈曲後の進行方向が正確には互いに異なるためにそれらの間の周方向ギャップが一定せず、それらの間で擦れ合いなどが生じる可能性が新たに生じた。
【0011】
また、各コイルエンド導体の先端部の周方向ピッチがばらついてしまい、コイルエンド導体の先端部を径方向に隣接する他のコイルエンド導体の先端部と接合する作業が難しくなる。
【0012】
更に、隣接同相コイルエンド導体群に属する各コイルエンド導体の上記屈曲点近傍における曲率半径をそれぞれ異ならせるために、種々の曲率半径をもつ多くの曲げ治具を製作、使用せねばならず、治具製造及び角度調整作業が極めて煩雑となる。
【0013】
更に、各コイルエンド導体の頭部又は端部を周方向へ展開処理する工程を自動的に一斉に行う場合、このような曲げ治具をもつ自動装置を開発することが困難であり、かつ、径方向に多数ならぶコイルエンド導体のうち、径方向最外側あるいは径方向最内側のコイルエンド導体以外はこのような曲げ治具により曲率半径を調整することは容易ではない。
【0014】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、作業の複雑化、困難化を抑止しつつコイルエンドにおける電圧耐性を改善可能な回転電機の電機子を提供することをその目的としている。
【0015】
【特許文献1】特許第3118837号公報
【特許文献2】特許第3196738号公報
【特許文献3】特願2001−397259号公報
【特許文献4】特願2002−171230号公報
【特許文献5】特願2002−171242号公報
【特許文献6】特開平5−137285号公報
【0016】
【課題を解決するための手段】
第一発明の回転電機の電機子は、U字形状を有して電機子鉄心の各スロットに挿通される多数のセグメント導体を前記電機子鉄心の軸方向一方側にて順次接続してなる電機子巻線を有し、前記セグメント導体は、略U字状に形成されて頭部側コイルエンドを構成する頭部と、前記頭部の両端から延設されて二つのスロット内に個別に延設される一対のスロット導体部と、前記一対のスロット導体部から前記スロット外へそれぞれ飛び出した後、周方向に曲成されて端部側コイルエンドを構成する一対の端部とからなり、前記各スロットは、同相の前記セグメント導体を収容して互いに隣接する複数の前記スロットからなる隣接同相スロット群に相ごとに順次区分される回転電機の電機子であって、
前記頭部又は端部は、前記電機子鉄心の端面から軸方向に所定距離離れた屈曲開始点から所定の曲率半径にて周方向へ所定角度屈曲し、前記隣接同相スロット群のうち最も周方向一方側に位置する前記スロットから突出する前記頭部又は端部の前記屈曲開始点は、前記隣接同相スロット群のうちの残りの前記スロットから突出する前記頭部又は端部の前記屈曲開始点よりも前記電機子鉄心の端面に接近し、前記隣接同相スロット群うち最も周方向他方側に位置する前記スロットから突出する前記頭部又は端部の前記屈曲開始点は、前記隣接同相スロット群のうちの残りの前記スロットから突出する前記頭部又は端部の前記屈曲開始点よりも前記電機子鉄心の端面から離れていることを特徴としている。
【0017】
この発明によれば、作業の複雑化、困難化を抑止しつつコイルエンドにおける電圧耐性を改善可能な回転電機の電機子を実現することができる。更に具体的に説明すると、この発明では、上記した特許文献6のように、隣接同相スロット群の各スロットから突出する各コイルエンド導体(本発明で言う頭部又は端部)の屈曲点近傍における曲率半径を種々変更するのではなく、電機子鉄心の端面から屈曲開始点までの軸方向距離を変更することにより、隣接同相スロット群から出る各コイルエンド導体(頭部又は端部)間の周方向ギャップを縮小し、互いに異なる隣接同相スロット群に個別に収容されかつ互いに隣接する一対のコイルエンド導体(頭部又は端部)の周方向ギャップを広げる。このため、各コイルエンド導体の屈曲後の進行方向自体はそれぞれ等しくなり、それらの間の周方向ギャップは等しくなり、それらの間に必要なギャップを確保することができる。また、各コイルエンド導体の先端部の周方向ピッチは一定となり、コイルエンド導体の先端部を径方向に隣接する他のコイルエンド導体の先端部と接合する作業が確実、簡単となる。更に、後述するように、電機子鉄心の端面から屈曲開始点までの軸方向距離の変更は、非常に簡単であるので、作業が容易かつ簡素となり、作業の一斉処理及びその自動化が簡単となる。また更に、径方向に多数ならぶコイルエンド導体のうち、径方向最外側あるいは径方向最内側のコイルエンド導体以外も容易に上記軸方向距離調整を行うことができる。
【0018】
第二発明の回転電機の電機子は、U字形状を有して電機子鉄心の各スロットに挿通される多数のセグメント導体を前記電機子鉄心の軸方向一方側にて順次接続してなる電機子巻線を有し、前記セグメント導体は、略U字状に形成されて頭部側コイルエンドを構成する頭部と、前記頭部の両端から延設されて二つのスロット内に個別に延設される一対のスロット導体部と、前記一対のスロット導体部から前記スロット外へそれぞれ飛び出した後、周方向に曲成されて端部側コイルエンドを構成する一対の端部とからなり、前記各スロットは、同相の前記セグメント導体を収容して互いに隣接する複数の前記スロットからなる隣接同相スロット群に相ごとに順次区分される回転電機の電機子であって、
前記隣接同相スロット群内のスロットピッチは、互いに異なる前記隣接同相スロット群に個別に属して互いに隣接する一対のスロット間のスロットピッチよりも狭く設定されていることを特徴としている。
【0019】
この発明によれば、作業の複雑化、困難化を抑止しつつコイルエンドにおける電圧耐性を改善可能な回転電機の電機子を実現することができる。更に具体的に説明すると、この発明では、上記した特許文献5のように、隣接同相スロット群の各スロットから突出する各コイルエンド導体(本発明で言う頭部又は端部)の屈曲点近傍における曲率半径を種々変更するのではなく、電機子鉄心のスロットピッチを変更することによりコイルエンド導体(頭部又は端部)の周方向ギャップを変更して、隣接同相コイルエンド導体群の各コイルエンド導体間の周方向ギャップを縮小し、異なる隣接同相コイルエンド導体群に個別に属しかつ互いに隣接する一対のコイルエンド導体(頭部又は端部)間の周方向ギャップを広げる。
【0020】
このため、コイルエンド導体の曲率変更のみならず、上記軸方向距離の変更も不要となるため、作業は上記第一発明よりも更に一層簡素となる。
【0021】
請求項1記載の回転電機の電機子の製造方法において、前記セグメント導体の頭部を周方向へ展開する頭部展開工程、同一の前記隣接同相スロット群に属する各スロットの前記セグメント導体を互いに異なる所定距離だけ軸方向へ変位させる軸方向変位前工程、前記セグメント導体の端部を周方向へ展開する端部展開工程、同一の前記隣接同相スロット群に属する各スロットの前記セグメント導体を互いに異なる所定距離だけ軸方向へ変位させる軸方向変位後工程を上記順序で実施する。
【0022】
このようにすれば、各コイルエンド導体(頭部又は端部)の上記軸方向距離の調整を簡単に実施することができ、自動化、一斉処理も容易となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態である車両用交流発電機のステータコイルとその製造について図面を参照して説明する。
【0024】
ただし、コイルエンド導体(頭部又は端部)の周方向ギャップを調整するこの実施例の電機子及びその製造方法の特徴点を説明する前に、それを行わないステータコイル及びその製造方法の参考例1、2として予め具体的に説明し、その後、コイルエンド導体(頭部又は端部)の周方向ギャップを調整するこの実施例の電機子及びその製造方法を実施例として説明するものとする。
(参考例1)
以下、参考例1を説明する。図1は車両用交流発電機の縦断面図、図2はステータコイルの一部をなすセグメントの斜視図、図3はスロット内におけるセグメントの収容状態を示す断面図である。
(全体構成)
図1において、車両用交流発電機1は、ロータ2、ステータ3、ハウジング4、レクチファイア5、出力端子6、回転軸7、ブラシ8、スリップリング9を有している。ステータ3は、ステータコイル31と、ハウジング4の周壁内周面に固定されたステータコア32とを有し、ステータコイル31はステータコア32の各スロットに巻装されている。ロータ3は、ハウジング4に回転自在に支持された回転軸7に固定されたランデル型のロータコア71と、ロータコア71に巻装された界磁コイル72とを有し、ステータ3の径内側に配置されている。ステータコイル31は三相電機子巻線であって、その三つの交流出力端から出力される三相交流電圧は、三相全波整流回路を構成するレクチファイア5で整流されて出力端子6から出力される。界磁コイル72は、ブラシ8およびスリップリング9を通じて給電された界磁電流により磁化されて界磁磁界を発生する。界磁電流は、図示しないレギュレータにより調整されて発電電圧が所定レベルに制御される。この種の車両用交流発電機の構造、動作はオルタネータとしてもはや周知であるので、これ以上の説明は省略する。
(ステータコイル31の説明)
ステータコイル31は、図2に示す所定数のセグメント導体(以下、単にセグメントと略称する場合もあるものとする)33をステータコア32の一側からステータコア32の各スロットに挿通して、スロットから各セグメント33の飛び出し端部をステータコア32の他側に必要長さだけ突出させ、各セグメント33の飛び出し端部を周方向に略電気角π/2だけそれぞれ捻り、各セグメント33の飛び出し端部の先端部(接合部)を所定の組み合わせで溶接して構成されている。セグメント33は、溶接部分すなわち上記飛び出し端部の先端部(接合部)を除いて樹脂皮膜で被覆された長板U字形状を有している。この種のセグメント接合型ステータコイル自体は、上述したようにもはや公知となっている。
【0025】
セグメント33の詳細を更に詳しく説明する。
【0026】
セグメント33は、略U字状の頭部と、この頭部の両端から直線的に伸びてスロットに収容されている一対のスロット導体部と、両スロット導体部の先端からそれぞれ伸びる一対の端部とからなる。これにより、ステータコイル31は、ステータコア32の一側に全体としてリング状に存在する第一のコイルエンド部(頭部側コイルエンド)と、ステータコア32の他側に全体としてリング状に存在する第二のコイルエンド部(端部側コイルエンド)と、スロット内に存在するスロット導体部とに区分される。したがって、頭部側コイルエンドは各セグメント33の上記頭部により構成され、端部側コイルエンドは各セグメント33の上記端部により構成されている。
【0027】
セグメント33は、図2に示すように、大きい(大回り状の)大セグメント331と、小さい(小回り状の)小セグメント332とを有している。
【0028】
大セグメント331において、331a、331bはスロット導体部、331cは頭部、331f、331gは端部である。端部331f、331gの先端部331d、331eは接合部分であるので端部先端又は接合部とも称する。スロット導体部331aを最内層のスロット導体部と称し、スロット導体部331bを最外層のスロット導体部と称する。
【0029】
小セグメント332において、332a、332bはスロット導体部、332cは頭部、332f、332gは端部である。端部332f、332gの先端部332d、332eは接合部分であるので端部先端又は接合部とも称する。スロット導体部332aを中内層のスロット導体部と称し、スロット導体部332bを中外層のスロット導体部と称する。
【0030】
符号’は、図示しない大セグメント又は小セグメントの符号’がない部分と同じ部分を示す。したがって、図2では、互いに径方向に隣接する接合部331dと接合部332d’とが溶接され、互いに径方向に隣接する接合部332dと接合部331d’とが溶接され、互いに径方向に隣接する接合部332eと接合部331e’とが溶接されている。
【0031】
図2では、一対のセグメント331、332の最内層のスロット導体部331aと中内層のスロット導体部332aが、ロータコア71の所定のスロットに収容される場合、一対のセグメント331、332の最外層のスロット導体部331bと中外層のスロット導体部332bはこの所定のスロットから所定奇数磁極ピッチT(この実施例では1磁極ピッチ(電気角度π))離れたスロットに収容される。小セグメント332の頭部332cは大セグメント331の頭部331cに囲まれるようにして配置されている。
【0032】
スロットのセグメント配置状態を図3に示す。
【0033】
最内層のスロット導体部331aはステータコア32のスロット35の径方向最内側に配置され、以下、径方向外側へ順に、中内層のスロット導体部332a、中外層のスロット導体部332b’、最外層のスロット導体部331b’の順に配置され、結局、各スロット35は4本のスロット導体部を4層1列に収容する。図3において、スロット導体部332b’、332b’は、スロット導体部332a、331aをもつ大セグメント331、小セグメント332とは異なる大セグメント331、小セグメント332に属している。
【0034】
大セグメント331と小セグメント332とをスロット35に挿通する状態の一例を図4に示す。ただし、この例は、1磁極ピッチが3スロットピッチから構成される場合を示す。
【0035】
三相のステータコイルを構成する3つの合成相コイルをそれぞれ二つの相コイルを相間接続線で直列接続して構成する場合を、図5に示す。
【0036】
U相コイルとX相コイルとが直列接続されてU−X相の合成相コイルが構成され、同様に、V−Y相の合成相コイルと、W−Z相の合成相コイルが構成される。更に説明すると、この場合には1磁極ピッチ(電気角π)は互いに隣接する6スロットで構成され、スロット配列は、U、X、ーV、ーZ、W、Y、ーU、ーX、V、Z、ーW、ーYとなる。このスロット配列方式では、互いに隣接するU相コイルとX相コイルとが相間接続線1000で直列接続されて両端が中性点CとU−X出力端子とされ、互いに隣接するW相コイルとY相コイルとが相間接続線1000で直列接続されて両端が中性点CとW−Y出力端子とされ、互いに隣接するV相コイルとZ相コイルとが相間接続線1000で直列接続されて両端が中性点CとV−Z出力端子とされる。
【0037】
この相間接続線1000に連なる一対のスロット導体部をもつセグメント(相間接続線用セグメントとも呼ぶ)は、スロット導体部対が磁極ピッチ離れる上記同角度位置セグメントとは異なって磁極ピッチより1ピッチよけいにずれた周方向ピッチをもつ。
【0038】
同じく、相出力端子に連なるたとえばU相の最初のスロット導体部と、中性点Cに連なるたとえばX相の最後のスロット導体部とからなるセグメント(端子用セグメントとも呼ぶ)とは、後で切り離すことにより出力端子(引き出し端子とも呼ぶ)2000と中性点渡り線3000とを構成している。この端子用セグメントは、スロット導体部対が磁極ピッチ離れる上記同角度位置セグメントとは異なって、磁極ピッチより1ピッチ少ない周方向ピッチをもつ。
(製造方法の説明)
1.頭部捻り工程(頭部展開工程)
頭部捻り工程を図6、図7を参照して以下に説明する。ただし、上記端子用セグメントと上記相間接続線用セグメントとからなる異角度位置セグメントは、後述する予捻り工程により既に1スロットピッチだけ既に捻られているものとする。
【0039】
この頭部捻り工程におけるセグメント挿入前の状態を図6に示す。図6において、10は頭部捻り装置、11は小リング、12は大リングであり、両者は相対回転可能に同軸配置されている。大リング11にはそれぞれ径方向へ並んだ一対の孔121、122が周方向所定ピッチで設けられ、小リング12には孔121、122と周方向等ピッチで径方向へ並んだ一対の孔111、112が設けられている。孔111〜114は径方向へ一列に並んでいる。大回りセグメント(大セグメント)331の両スロット導体部を、最も内側の孔111と最も外側の孔122に挿入し、小回りセグメント(小セグメント)332の両スロット導体部は、最も内側の孔111の外側の孔112と、最も外側の孔122の内側の孔121とに挿入する。
【0040】
図7は、すべての大セグメント331とすべての小セグメント332とを小リング11と大リング12との孔111、112、121、122に嵌挿した状態を示す。図7において、16は小リング11と大リング12の軸方向上方に配置された頭部押さえプレートである。頭部押さえプレート16の下端面には、同一周方向位置の大セグメント331の頭部の頂部と小セグメント332の頭部の頂部とのペアを、周方向に挟む爪部160を有している。すなわち、各セグメント33を孔111、112、121、122に挿入した後、押さえプレート16が降下して、各対の爪部160が、同一周方向位置の大セグメント331の頭部の頂部と小セグメント332の頭部の頂部とを周方向両側から挟む。
【0041】
その後、大リング12及び小リング11とを、静止するこの頭部押さえプレート16に対して半磁極ピッチ(3スロットピッチ)だけ互いに逆方向に回動される。これにより、すべてのセグメント33の二本の脚部は、互いに周方向1磁極ピッチだけ捻られる(周方向に展開される)。なお、リング11、12とのこの回動時に、セグメント33の頭部の頂部はリング11、12の回動とともにリング11、12にむけて軸方向に変位するので、頭部押さえプレート16はそれに合わせて軸方向に変位される。
【0042】
次に、頭部押さえプレート16により各セグメント33を保持したまま、小リング11と大リング12とを各セグメント33から離脱させる。
【0043】
2.セグメント挿入工程
次に、これらリング11、12から離脱したセグメント33を、互いの相対空間位置及び姿勢を乱すことなく、図4に一部示すようにステータコア32のスロット35の中内層位置及び中外層位置に一挙に挿通する。その後、この頭部押さえプレート16は取り外されるが、この頭部押さえプレート16を次の端部捻り工程でも用いても良い。
【0044】
3.端部捻り工程(端部展開工程)
上記のようにスロットに挿通されたセグメント33の端部の捻り成形工程を図8、図9を参照して以下に説明する。この工程は本質的に従来と同じである。図8はステータコイル捻り装置500の模式縦断面図、図9は図8におけるAーA断面矢視図である。
【0045】
大セグメント331の最外層スロット導体部331bに連なる端部331g(外層側端部ともいう)は周方向一方側に捻られ、大セグメント331の最内層スロット導体部331aに連なる端部331f(内層側端部ともいう)は周方向他方側に捻られる。小セグメント332の中内層のスロット導体部332aに連なる端部332f(内層側端部ともいう)は周方向一方側に捻られ、小セグメント332の中外層のスロット導体部332bに連なる端部332g(外層側端部ともいう)は周方向他方側に捻られている。導体部331fと332fとの周方向捻り量の合計は1磁極ピッチとされ、導体部331gと332gとの周方向捻り量の合計は1磁極ピッチとされている。
【0046】
まず、図8に示すステータコイル捻り装置500の構成を説明する。
【0047】
ステータコイル捻り装置500は、ステータコア32の外周部を受けるワーク受け51、ステータコア32の径方向の動きを規制して保持するクランパ52、ステータコア32の浮き上がりを防止するワーク押さえ53、ステータコア32の一端から出たセグメント33の飛び出し脚部を捻るための捻り整形部54、捻り整形部54を軸方向に駆動するための昇降用シャフト54a、捻り整形部54を周方向に回転駆動する回転駆動機構541a〜544a、昇降用シャフト54aを軸方向に移動するための昇降駆動機構54b、及び、回転駆動機構541a〜544aと昇降駆動機構54bとを制御するコントローラ55を備えている。
【0048】
捻り整形部54は、同心状に配置された4つの円筒状の捻り治具541〜544がそれらの先端面を揃えて配置されている。各捻り治具541〜544は回転駆動機構541a〜544aにより独立に回転可能とされ、かつ、昇降駆動機構54bにより昇降用シャフト54aを昇降することにより同時に昇降可能となっている。
【0049】
図9に示されているように、捻り治具541〜544の先端面には、挿入されたセグメント33の端部331f、331g、332f、332gの各先端(接合部)を保持するセグメント挿入部541b〜544bが穿設されている。このセグメント挿入部541b〜544bは、ステータコア32のスロット35と等しい数だけ、各捻り治具541〜544の周方向に並べて形成されている。なお、図3において、34は絶縁用樹脂シートである。
【0050】
セグメント挿入部541b〜544bは、図9に示すように、互いに径方向に隣接するセグメント挿入部541b〜544b同士の連通を防止するための隔壁541c〜544c、542d、543dが設けられている。隔壁541c〜544c、542d、543dの厚みは、径方向外側から数えて1層目と2層目との間の隔壁541c、542cで形成される間隔d1及び3層目と4層目の間の隔壁543c、544cで形成される間隔d3よりも、2層目と3層目との間の隔壁542d、543dで形成される間隔d2の方が大きくなるように設定されている。
【0051】
次に、ステータコイル捻り装置500の作動を説明する。
【0052】
スロット35内にセグメント33が配置されたステータコア32をワーク受け51にセットする。次に、ステータコア32の外周部をクランパ52に固定する。その後、ワーク押さえ53でステータコア32の上部及び大セグメント331の頭部331cを押さえることにより、ステータコア32及びセグメント33の上下方向の動きを規制する。
【0053】
セグメント33が配置されたステータコア32をクランパ52及びワーク受け53により固定した後、昇降用シャフト54aによって捻り整形部54を上昇させ、各捻り治具541〜544に形成されたセグメント挿入部541b〜544bにセグメント33の端部331f、331g、332f、332gを挿入する。
【0054】
セグメント挿入部541b〜544bにはセグメント33の端部331f、331g、332f、332gの先端すなわち後に接合部となる部分だけが挿入可能となっている。セグメント33の端部331f、331g、332f、332gはテーパ状に形成されているため、セグメント挿入部541b〜544bにスムーズに挿入されることができる。
【0055】
セグメント33の端部331f、331g、332f、332gを捻り整形部54のセグメント挿入部541b〜544bに挿入した後、捻り整形部54は、回転駆動機構541a〜544aおよび昇降駆動機構54bにより回動され、昇降される。捻り整形部54は捻り整形部541〜544の全て同時に行う。
【0056】
次に、捻り整形部554の回転について説明する。
【0057】
捻り治具541および治具543を時計回り方向に半磁極ピッチだけ回転させ、捻り治具542および捻り治具544を反時計回り方向に半磁極ピッチだけ回転させる。その後、セグメント33の端部331f、331g、332f、332gのうちスロット35の出口からセグメント挿入部541b〜544bの入口までの部分の長さを一定に保つように、昇降駆動機構54bおよび回転駆動機構541a〜544aを制御しながら捻り整形部54を回転しながら上昇させる。この時、セグメント33の端部331f、331g、332f、332gは円弧状の軌跡を描くように回転しながら上昇する。この円弧状の軌跡を描く捻りは、スプリングバックによるセグメント33の変形を防止するため、半磁極ピッチ(T/2)に相当する角度を所定量超えた角度まで行われる。
【0058】
なお、この工程においては、捻り整形部541〜544は、周方向だけでなく軸方向にも規定の加工量を所定量超えて駆動されるが、セグメント33のスロット35の出口部分が既に曲げられているため、セグメント33が上昇してスロット35から抜け出すことはない。
【0059】
その後、昇降駆動機構54bおよび回転駆動機構541a〜544aを上記前工程と逆向きの回転と下降をさせる。このようにして、セグメント33の捻り行程を終了し、捻り整形部54を下降させて捻り治具541〜544のセグメント挿入部541b〜544bからセグメント33の端部331f、331g、332f、332gを取り外す。セグメント33が外された捻り整形部54は回転駆動機構541a〜544aによって回転され、原位置に戻される。最後に、クランパ52及びワーク押さえ53が外され、セグメント33に捻りが加えられたステータが取り出される。
【0060】
結局、この捻り工程は、まずセグメント33の端部を周方向にのみ回転変位させてセグメント3を周方向に倒し、続いてセグメント33の端部を周方向並びに軸方向に変位させてセグメント3を深く傾け、その後、所定の加工量を超えてセグメント3の端部を周方向ならびに軸方向に変位させてセグメント33を過剰に深く傾け、その後でセグメント33の端部を所定の加工量まで戻すことにより行われる。
【0061】
なお、捻り整形部54はステータコア32に対して、周方向だけでなく軸方向にも相対移動する。そのため、セグメント33の端部331f、331g、332f、332gのうち、スロット35の出口からセグメント挿入部541b〜544bの入口までの部分、すなわち、端部331f、331g、332f、332gからその端部先端(接合部)331d、331e、332d、332eの長さを差し引いた長さを一定に保つように、セグメント33の端部331f、331g、332f、332gが円弧状の軌跡を描くように捻じることができ、これにより、セグメント33がセグメント挿入部541b〜544bから抜け出るのを防止することができる。
【0062】
また、隔壁541c〜544c、542d、543dの厚みは、1層目と2層目との隔壁541c、542c及び3層目と4層目との間の隔壁543c、544cよりも、3層目と4層目との間の隔壁541d、542dが大きくなるように設定されている。1層目と2層目および3層目と4層目とをそれぞれ逆方向に半磁極ピッチ回転すると、1層目と2層目および3層目と4層目の電位導体3が互いに接近する。一方、2層目と3層目のセグメント3挿入部542b、543bは隔壁542d、543dの厚みが大きく設定されているため、2層目と3層目のセグメント33の間の間隔は大きくなる。これにより、接合するセグメント3間、即ち1層目と2層目並びに3層目と4層目のセグメント3間は接近させることができ、また、接合しない3層目と4層目のセグメント3間は隙間を大きくして、接合工程を容易にすることができる。
【0063】
4.接合工程
次に行う接合工程を以下に説明する。この工程は本質的に従来と同じである。
【0064】
上記端部の捻りの後、図2に示すように、径方向内側から1層目と2層目の端部先端(接合部)が溶接され、径方向内側から3層目と4層目の端部先端(接合部)が溶接されて、ステータコイル31が完成される。溶接には、TIG溶接、ロー付け、抵抗溶接、電子ビーム溶接、レーザー溶接等が用いられる。
【0065】
(参考例2)
以下、参考例2を説明する。ただし、以下の参考例2で用いる符号は、上記参考例1で用いた符号と無関係とする。図11は車両用交流発電機の縦断面図、図12はステータコイルの一部をなすセグメントの斜視図、図13はスロット内におけるセグメントの収容状態を示す断面図である。
(全体構造)
図11はこの車両用交流発電機の縦断面図である。図11において、1は固定子(ステータ)、2は固定子鉄心、3はステータコイル、4は回転子(ロータ)、5はハウジング、6は回転軸である。
【0066】
固定子1は、ハウジング5の周壁内周面に固定され、ロータ4が嵌着される回転軸6は一対の軸受けによりハウジング5の両端壁に回転自在に支承されて、図示しないエンジンに図示しないベルトによりプーリー結合されている。
【0067】
ロータ4の外周面近傍には、図示しない永久磁石が周方向所定ピッチで極性交互に埋設されており、全体として永久磁石型三相ブラシレスDCモータ(IPM型同期モータ)を構成している。なお、ロータ構造には、ランデルポールコア構造他、種々の形式が可能であるが、このような種々の形式の同期機自体は周知であるので説明を省略する。
【0068】
固定子1は、スロットSおよび歯部Tを有する固定子鉄心(図12参照)2と、各スロットSを軸方向に貫通する複数のセグメント導体を順次接合して構成される固定子巻線(三相星形接続されたステータコイル)3と、固定子鉄心2と各セグメント導体との間を電気絶縁するインシュレータ7とにより構成されている。
【0069】
ステータコイル3は、U字状のセグメント導体30を各スロットSへ図11において軸方向右側から左側へ挿通し、各セグメント導体の先端部を一対づつ溶接して形成された3個の相コイル(U相コイル、V相コイル、W相コイル)を接続した三相星形巻線からなるが、三相デルタ巻線としてもよい。
【0070】
各セグメント導体30は、図13に示すように、略V字状の頭部31と、頭部31の両端からそれぞれ延在する一対の脚部32とからなる。脚部32は、スロットS内に収容されているスロット導体部33と、固定子鉄心2の前端部から突出した後、略周方向へ屈曲し、径方向に隣接する他のセグメント導体30の他の端部34と溶接されて端部側コイルエンド8を構成する端部34とからなる。セグメント導体30の頭部31も固定子鉄心2の後端部から突出して頭部側コイルエンド9を構成している。
【0071】
一つのスロットSには、図12に示すように、6本のスロット導体部33が径方向へ一列に配置されている。スロット導体部33の径方向位置は径方向内側から順番に1層、2層、3層、4層、5層、6層と呼ばれるものとする。すなわち、スロット導体部331は1層に、スロット導体部332は2層に、スロット導体部333は3層に、スロット導体部334は4層に、スロット導体部335は5層に、スロット導体部336は6層に収容されている。同一セグメント導体30の一対のスロット導体部33、33は、互いに略1磁極ピッチ(電気角π)離れた一対のスロットSに挿通され、かつ、径方向において異なる位置に収容されている。
【0072】
この実施例では、図11、図14に示すように、セグメント導体30は、それぞれ略U字形状に形成された3種類のセグメント導体300、301、302を有している。
【0073】
セグメント導体300は、1層のスロット導体部331と4層のスロット導体部334とを有し、大セグメントとも呼ばれる。セグメント導体301は、2層のスロット導体部332と3層のスロット導体部333とを有して、小セグメントとも呼ばれる。セグメント導体300、301は、共同して第1コイル(既述した4導体径方向配置型コイル)を構成する。セグメント導体302は、5層のスロット導体部335と6層のスロット導体部336とを有し、小セグメントとも呼ばれる。セグメント導体302は、単独で第2コイル(既述した2導体径方向配置型コイル)を構成する。
【0074】
したがって、図14において、同一のセグメント導体300に属する1層のスロット導体部331及び4層のスロット導体部334は略磁極ピッチ離れた2つのスロットに個別に属する。同様に、同一のセグメント導体301に属する2層のスロット導体部332及び3層のスロット導体部333は略磁極ピッチ離れた2つのスロットに個別に属する。同様に、同一のセグメント導体302に属する5層のスロット導体部335及び6層のスロット導体部336は略磁極ピッチ離れた2つのスロットに個別に属する。
【0075】
図15の等価回路図に示すように、セグメント導体300、301を交互に連結してなる上記4導体径方向配置型コイル400と、セグメント導体302を順次連結してなる2導体径方向配置型コイル200とは、相ごとに直列接続されてそれぞれの相の相巻線を構成する。500は、コイル接続線をなす略U字状のグメント導体であり、その一つのスロット導体部は4導体径方向配置型コイルの最終のスロット導体部をなし、もう一つのスロット導体部は2導体径方向配置型コイルの最初のスロット導体部をなす。2導体径方向配置型コイルの最終のスロット導体部は略L字状のセグメント導体600に属しており、このセグメント導体600は中性点用渡り線を兼ねている。4導体径方向配置型コイルの最初のスロット導体部は略L字状のセグメント導体700に属しており、このセグメント導体700は各相の外部引き出し端子を兼ねている。2導体径方向配置型コイル200、4導体径方向配置型コイル400を図16に拡大図示する。
【0076】
各相の2導体径方向配置型コイル200及び4導体径方向配置型コイル400のスロット内への具体的な巻線パターンは、毎極毎相のスロット数、巻線方式(全節巻きか短節巻きか)により異なるが用途に応じて好適な巻線パターンを採用すればよく、もはや当業者においてよく知られているので、詳細な説明は省略する。
(コイル製造工程)
次に、上記した2導体径方向配置型コイル200及び4導体径方向配置型コイル400の製造方法を以下に説明する。
【0077】
1.頭部捻り工程(頭部展開工程)
頭部捻り工程を図17〜図19を参照して以下に説明する。図17、図18は、3種類のセグメント導体300〜302の頭部31を周方向に捻る前の状態すなわち頭部展開前の状態を示し、セグメント導体300〜302の第1脚部321と第2脚部322は、それぞれ頭部31の両端から一直線に延在している。
【0078】
1000〜1002は互いに相対回動自在に配置されたリングであり、同軸配置されている。リング1000の径は最小、リング1002の径は最大とされている。リング1000〜1002は、それぞれ、スロット数に等しい溝又は孔hをスロットと等ピッチに有している。
【0079】
リング1000〜1002の各溝又は孔にセグメント導体300〜302の各脚部34が収容され、セグメント導体300〜302の各頭部31はリング1000〜1002の上方に突出している。
【0080】
セグメント導体300のスロット導体部331とセグメント導体301のスロット導体部332はリング1000の溝又は孔に挿通され、セグメント導体301のスロット導体部333とセグメント導体301のスロット導体部334とセグメント導体302のスロット導体部335はリング1001の溝又は孔に挿通され、セグメント導体302のスロット導体部336はリング1002の溝又は孔に挿通されている。頭部展開前であるので、同一のセグメント導体の一対のスロット導体部33は周方向同位置に配置されている(図18参照)。
【0081】
セグメント導体300、301の頭部31の先端は、押さえリング1003から垂下する一対の挟み爪(図では周方向奥側の一個のみ図示)1004により周方向に挟持されている。セグメント導体302の頭部31の先端は、押さえリング1003から垂下する一対の挟み爪(図では周方向奥側の一個のみ図示)1005により周方向に挟持されている。
【0082】
この状態にて、押さえリング1003を回動しない状態にて、リング1000、1002をたとえば時計方向に回動させ、リング1001を反時計方向に回動させる。この実施例では、各リング1000〜1002の回動角度は半磁極ピッチに設定されるが、リング1000、1002の回動角とリング1001の回動角との和が磁極ピッチ(電気角π)となればよい。
【0083】
リング1000〜1002の上記回動により、各セグメント導体300〜302の頭部31は周方向に展開され、同一のセグメント導体の第1脚部321と第2脚部322とは1磁極ピッチ離れる。
【0084】
この頭部展開工程を行うと、各セグメント導体300〜302の頭部31の軸方向高さは縮小するので、それに合わせて押さえリング1003をリング1000〜1002に向けて降下させる。展開完了後、押さえリング1003によりセグメント導体300〜302を保持したまま、リング1000〜1002からセグメント導体300〜302を離脱させる。
【0085】
なお、この頭部展開工程において、リング1000の回動角とリング1001の回動角の合計が1磁極ピッチになれば、リング1000の回動角及びリング1001の回動角はそれぞれ自由に設定することができる。また、この頭部展開工程の変形態様として、リング1000、1002を回動させず、リング1001を1磁極ピッチ、押さえリング1003をたとえば半磁極ピッチだけ同一方向に回動させてもよく、リング1001を回動させず、リング1000、1002を1磁極ピッチ、押さえリング1003をたとえば半磁極ピッチだけ同一方向に回動させてもよい。
【0086】
上記説明した頭部展開工程によれば、2導体径方向配置型コイル200に属するセグメント導体302の第1脚部321と、4導体径方向配置型コイル400に属するとともにセグメント導体302の第1脚部321に径方向に隣接するセグメント導体300の第1脚部321とを同じリング1001にて保持し、セグメント導体302の第2脚部322をリング1001より径方向外側のリング1002に保持し、セグメント導体300の第2脚部322をリング1001より径方向内側のリング1000に保持し、これらリング1000〜1002を相対回動するので、更に要約すれば、異なるコイルに属するとともに径方向に隣接する二つのセグメント導体300、302の各脚部を同一リングにて保持しつつ頭部展開を行うので、リング数を減らすとともに、セグメント導体300の頭部31とセグメント導体302の頭部31との擦れ合いを防止することができる。
【0087】
2.セグメント導体挿入工程
次に、これらセグメント導体300〜302をを、互いの相対空間位置及び姿勢を乱すことなく、ステータコア2のスロットSに挿通し、その後で、押さえリング1003を取り外す。
【0088】
3.端部捻り工程(端部展開工程)
上記のようにスロットに挿通されたセグメント導体300〜302の端部34を捻り成形する端部展開工程を図20を参照して以下に説明する。なお、実際の捻り装置の具体的構成については、本出願人の出願になる上記特許文献を参照されたい。
【0089】
2000〜2004は互いに相対回動自在に配置されたリングであり、同軸配置されている。リング2000〜2004は、それぞれ、スロット数に等しい溝又は孔h’をスロットと等ピッチに有している。
【0090】
リング2000〜2004の上端面に凹設された各溝又は孔h’には端部34の先端部35が収容されている。端部34は、ステータコア2から飛び出したセグメント導体300〜302の各脚部32からスロット導体部33を除いた部分である。
【0091】
341はセグメント導体300の第2脚部322に属する端部、342はセグメント導体301の第2脚部322に属する端部、343はセグメント導体301の第1脚部321に属する端部、344はセグメント導体300の第1脚部321に属する端部、345はセグメント導体302の第1脚部321に属する端部、346はセグメント導体302の第2脚部322に属する端部である。
【0092】
端部341の先端部35はリング2000に、端部342の先端部35はリング2001に、端部343の先端部35はリング2002に、端部344の先端部35と端部345の先端部35はリング2003に、端部346の先端部35はリング2004にそれぞれ保持される。
【0093】
この状態にて、径方向内側から奇数番目のリング2000、2002、2004を時計方向へ半磁極ピッチ、偶数番目のリング2001、2003を反時計方向へ半磁極ピッチ回動すれば、各脚部341〜346は、周方向へ展開される。また、脚部341の先端部35と脚部342の先端部35とは磁極ピッチ離れ、脚部343の先端部35と脚部344の先端部35とは磁極ピッチ離れ、脚部345の先端部35と脚部346の先端部35とは磁極ピッチ離れる。この端部展開完了後、リング2000〜2004を端部341〜346から離脱させる。なお、端部展開とともに、端部341〜346の軸方向高さが縮小するので、ステータコア2を降下させたり、あるいは、リング2000〜2004を上昇させたりすることが好適である。
【0094】
この端部展開工程において、偶数番目のリング2000、2002、2004、2006の回動角と奇数番目のリング2001、2003の回動角との合計が1磁極ピッチになれば、偶数番目のリングの回動角及び奇数番目のリングの回動角はそれぞれ自由に設定することができる。また、この端部展開工程の変形態様として、奇数番目のリングと偶数番目のリングの一方を回動させず、他方を1磁極ピッチ、ステータコア2を所定角度回動させてもよい。
【0095】
上記説明した端部展開工程によれば、2導体径方向配置型コイル200に属するセグメント導体302の第1脚部321(端部345)と、4導体径方向配置型コイル400に属するとともにセグメント導体302の第1脚部321(端部345)に径方向に隣接するセグメント導体300の第1脚部321(端部344)とを同じリング2003にて保持しているので、これら端部344、345との擦れ合いを防止し、またリング数を減らすことができる。
【0096】
4.接合工程
次に行う接合工程を以下に説明する。この工程は本質的に従来と同じである。
【0097】
上記した端部341〜346を展開した後、互いに径方向に隣接する端部341の先端部35と端部342の先端部35とを溶接し、互いに径方向に隣接する端部343の先端部35と端部344の先端部35とを溶接し、互いに径方向に隣接する端部345の先端部35と端部346の先端部35とを溶接する。溶接には、TIG溶接、ロー付け、抵抗溶接、電子ビーム溶接、レーザー溶接等が用いられる。
【0098】
図15で説明した異形のセグメント導体500、600、700は上記頭部展開工程、端部展開工程で展開してもよいが、予め展開したものをスロットに挿入しても良い。また、2導体径方向配置型コイル200や4導体径方向配置型コイル400内においても、毎極毎相2以上の同相スロットを隣接配置する場合には、互いに隣接するこれら同相スロットのセグメント導体同士を接続するためのスロット渡り用のU字状セグメントを採用するが、これらの詳細については、たとえば上記した特許文献3、4等を参照されたい。
(実施例1)
以下、コイルエンド導体(頭部又は端部)の周方向ギャップを調整する本発明の電機子について以下の実施例1(本明細書でいう第2発明に対応する)により説明する。回転電機の全体構成やステータコイルの構造、製法自体は、上記参考例1、2により既に説明したので、この実施例の電機子の特徴点のみを説明するものとする。なお、この実施例1の説明において用いる符号は、上記参考例1、2で用いた符号と無関係であるとする。
(コイルエンドの構造)
以下、この実施例におけるコイルエンドの構造を図21を参照して説明する。図21は、ステータコイルの頭部側コイルエンドを示すが、端部側コイルエンドにおいてもまったく同じである。
【0099】
図21において、S1〜S3はU相の一つの隣接同相スロット群G1を構成する3つのスロット、S4〜S6はV相の一つの隣接同相スロット群G2を構成する3つのスロット、S7〜S9はW相の一つの隣接同相スロット群G3を構成する3つのスロット、S10〜S12はU相の一つの隣接同相スロット群G4を構成する3つのスロットである。すなわち、このステータコア(電機子鉄心)2は毎極毎相当たり3つのスロットを有している。
【0100】
C1は隣接同相スロット群G1、G4の周方向一方側から数えて一番目のスロットS1、S10を貫通するセグメント導体である。C2は隣接同相スロット群G1、G4の周方向一方側から数えて二番目のスロットS2、S11を貫通するセグメント導体である。C3は隣接同相スロット群G1、G4の周方向一方側から数えて三番目のスロットS3、S12を貫通するセグメント導体である。セグメント導体C1、C2、C3は、一つのU相の隣接同相コイルエンド導体群G1’を構成している。
【0101】
C4は隣接同相スロット群G2、G5の周方向一方側から数えて一番目のスロットS4、S13を貫通するセグメント導体である。C5は隣接同相スロット群G2、G5の周方向一方側から数えて二番目のスロットS5、S14を貫通するセグメント導体である。C6は隣接同相スロット群G1、G4の周方向一方側から数えて三番目のスロットS6、S15を貫通するセグメント導体である。セグメント導体C4、C5、C6は、一つのV相の隣接同相コイルエンド導体群G2’を構成している。
【0102】
C7は隣接同相スロット群G3、G6の周方向一方側から数えて一番目のスロットS7、S16を貫通するセグメント導体である。C8は隣接同相スロット群G3、G6の周方向一方側から数えて二番目のスロットS8、S17を貫通するセグメント導体である。C9は隣接同相スロット群G3、G6の周方向一方側から数えて三番目のスロットS9、S18を貫通するセグメント導体である。セグメント導体C7、C8、C9は、一つのW相の隣接同相コイルエンド導体群G3’を構成している。
【0103】
この実施例では、各隣接同相スロット群に属しかつ互いに隣接する一対のスロット間のスロットピッチdが、互いに異なる隣接同相スロット群に属しかつ互いに隣接する一対のスロット間のスロットピッチeよりも狭く設定されている。
【0104】
その結果、各セグメント導体C1〜C9の曲率半径、屈曲位置などの形状を等しく設定しているにもかかわらず、各隣接同相コイルエンド導体群に属しかつ互いに隣接する一対のセグメント導体間のギャップXに比較して、互いに異なる隣接同相コイルエンド導体群に属しかつ互いに隣接する一対のセグメント導体間のギャップYを広く設定することができ、かつ、すべてのセグメント導体間のギャップを等しくした場合よりも広く設定することができる。
【0105】
これにより、各隣接同相コイルエンド導体群に属しかつ互いに隣接する一対のセグメント導体間の電圧に比較して、互いに異なる隣接同相コイルエンド導体群に属しかつ互いに隣接する一対のセグメント導体間に大きな電圧(相間電圧)が掛かっても、コロナ放電の発生を良好に防止し、コイルエンドの電圧耐性を向上することができる。
【0106】
また、この実施例によるコイルエンドの電圧耐性向上は、コイルエンドの曲げ作業(展開作業)を複雑化することがないため、作業性に優れる。ただし、上記した頭部展開工程においてセグメント導体の頭部の先端部分を爪で保持する場合、爪の位置を調整する必要は生じる。また、上記した端部展開工程においてセグメント導体の端部の先端部分を保持するリングの穴又は溝の位置を調整する必要は生じる。
(実施例2)
以下、コイルエンド導体(頭部又は端部)の周方向ギャップを調整する本発明の電機子について以下の実施例2(本明細書でいう第1発明に対応する)により説明する。回転電機の全体構成やステータコイルの構造、製法自体は、上記参考例1、2により既に説明したので、この実施例の電機子の特徴点のみを説明するものとする。なお、この実施例1の説明において用いる符号は、上記参考例1、2で用いた符号と無関係であるとする。
(コイルエンドの構造)
以下、この実施例2におけるコイルエンドの構造を図21を参照して説明する。図21は、ステータコイルの頭部側コイルエンドを示すが、端部側コイルエンドにおいてもまったく同じである。また、すべてのスロットピッチが一定である点を除いて、スロットS1〜S12、隣接同相コイルエンド導体群G1〜G4の配置は実施例1(図21参照)と等しい。また、隣接同相コイルエンド導体群G1’、G2’、G3’とそれらを構成するセグメント導体C1〜C9の配置も、後述する屈曲開始点の位置が異なる点を除いて実施例1(図21参照)と等しい。
【0107】
同じ隣接同相コイルエンド導体群に属する3つのセグメント導体の頭部(又は端部)は、それぞれスロットからまず軸方向へ一直線に飛び出して屈曲開始点P1、P2、P3に達した後、図22に示すように互いに等しい曲率半径にて周方向へ互いに等しい角度だけ曲げられ、その後、再度一直線に延在して頭部(又は端部)の先端に達している。
【0108】
この実施例2の特徴は、同じ隣接同相コイルエンド導体群に属する3つのセグメント導体の頭部(たとえばC4、C5、C6)がそれぞれ異なる屈曲開始点を有する点にある。更に説明すると、隣接同相コイルエンド導体群のうち周方向一方側に最もずれた頭部(たとえばC4)は屈曲開始点P1を、隣接同相コイルエンド導体群のうち周方向中央の頭部(たとえばC5)は屈曲開始点P2を、隣接同相コイルエンド導体群のうち周方向他方側に最もずれた頭部(たとえばC6)は屈曲開始点P3を有している。
【0109】
屈曲開始点P1とステータコア2の端面との間の軸方向距離aは他の屈曲開始点P2、P3の軸方向距離b、cよりも小さく設定され、屈曲開始点P3とステータコア2の端面との間の軸方向距離cは他の屈曲開始点P2、P3の軸方向距離a、bよりも大きく設定されている。
【0110】
このようにすれば、実施例1の場合と同じく、各セグメント導体C1〜C9の曲率半径、スロットピッチなどを等しく設定しているにもかかわらず、各隣接同相コイルエンド導体群に属しかつ互いに隣接する一対のセグメント導体間のギャップXに比較して、互いに異なる隣接同相コイルエンド導体群に属しかつ互いに隣接する一対のセグメント導体間のギャップYを広く設定することができ、かつ、すべてのセグメント導体間のギャップを等しくした場合よりも広く設定することができる。
【0111】
これにより、各隣接同相コイルエンド導体群に属しかつ互いに隣接する一対のセグメント導体間の電圧に比較して、互いに異なる隣接同相コイルエンド導体群に属しかつ互いに隣接する一対のセグメント導体間に大きな電圧(相間電圧)が掛かっても、コロナ放電の発生を良好に防止し、コイルエンドの電圧耐性を向上することができる。
【0112】
また、この実施例によるコイルエンドの電圧耐性向上は、コイルエンドの曲げ作業(展開作業)を複雑化することがないため、作業性に優れる。ただし、上記した頭部展開工程においてセグメント導体の頭部の先端部分を爪で保持する場合、爪の位置を調整する必要は生じる。また、上記した端部展開工程においてセグメント導体の端部の先端部分を保持するリングの穴又は溝の位置を調整する必要は生じる。
(頭部(又は端部)の屈曲開始点の設定方法)
以下、頭部(又は端部)の屈曲開始点の好適な設定方法について、以下に説明する。
【0113】
まず、既述した頭部展開工程の実施により頭部が展開された(捻られた)セグメント導体をステータコア2にその軸方向一端側から挿入し、端部展開工程を実施するが、端部展開工程の前の上記セグメント導体の挿入において、最終的にスロット内に入ってスロット導体部となるべき部分を頭部側コイルエンド側に所定距離だけすべて抜き出しておいて上記端部展開工程を実施する。その後、図22に示すように、隣接同相コイルエンド導体群のうち周方向一方側のセグメント導体(たとえばセグメント導体C1、C4、C7、C10)は深く押し込み、隣接同相コイルエンド導体群のうち周方向中央のセグメント導体(たとえばセグメント導体C2、C5、C8、C11)はそれよりも浅く押し込む。また、隣接同相コイルエンド導体群のうち周方向他方側のセグメント導体(たとえばセグメント導体C2、C5、C8、C11)は押し込まない。
【0114】
これにより、図22に示す屈曲開始点の調整を実現することができる。同時に、端部側コイルエンドにおいても、隣接同相コイルエンド導体群のうち周方向一方側のセグメント導体(たとえばセグメント導体C1、C4、C7、C10)の屈曲開始点はステータコア2の端面から遠く離れ、隣接同相コイルエンド導体群のうち周方向中央のセグメント導体(たとえばセグメント導体C2、C5、C8、C11)はステータコア2の端面から中程度に離れ、隣接同相コイルエンド導体群のうち周方向他方側のセグメント導体(たとえばセグメント導体C2、C5、C8、C11)はステータコア2の端面からほとんど離れない。
【0115】
これにより、簡単に屈曲開始点の調整を実施することができる。なお、この場合、セグメント導体の端部の先端がセグメント導体ごとにばらつく可能性があるが、あらかじめセグメント導体の端部導体の軸方向長さを調整すておくことにより、各セグメント導体の端部の先端部の軸方向長さを等しくすることもできる。これはその後の溶接作業を簡単化する。
【0116】
なお、上記セグメント導体の端部展開工程後の軸方向押し込みにより頭部側コイルエンド及び端部側コイルエンドにおける上記屈曲開始点を調整する代わりに、頭部展開工程及び端部展開工程において治具を用いて各セグメント導体の屈曲開始点を変更することも可能である。
【0117】
このようにすれば、各コイルエンド導体(頭部又は端部)の上記軸方向距離の調整を簡単に実施することができ、自動化、一斉処理も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1の車両用交流発電機の縦断面図である。
【図2】図1のセグメントの模式斜視図である。
【図3】図1のステータコアの部分断面図である。
【図4】セグメントのスロット挿通直前の状態を示す模式斜視図である。
【図5】6つの相コイルを用いた三相星形接続方式の三相ステータコイルの巻線図である。
【図6】頭部捻りのためのリングを示す斜視図である。
【図7】頭部捻り装置の断面図である。
【図8】端部捻り整形装置の模式縦断面図である。
【図9】図8の捻り治具の平面図である。
【図10】頭部の本捻り工程の前後を示す展開図である。
【図11】参考例2の車両用交流発電機の模式軸方向断面図である。
【図12】図11のステータコアの部分断面図である。
【図13】図11のセグメント導体の模式軸方向断面図である。
【図14】図11のセグメント導体の模式斜視図である。
【図15】6つのコイルを用いた三相星形接続方式の三相電機子コイルの巻線図である。
【図16】図11のステータコイルの軸方向にみた模式側面図である。
【図17】頭部捻り工程を示す模式説明図である。
【図18】頭部捻り工程(捻り前)を示す模式斜視図である。
【図19】頭部捻り工程(捻り後)を示す模式斜視図である。
【図20】端部捻り工程を示す模式説明図である。
【図21】実施例1の頭部側コイルエンドを示す部分平面図である。
【図22】実施例2の頭部側コイルエンドを示す部分平面図である。
【符号の説明】
2 ステータコア(電機子鉄心)
G1〜G4 隣接同相スロット群
S1〜S3 U相の一つの隣接同相スロット群を構成する3つのスロット
S4〜S6 V相の一つの隣接同相スロット群を構成する3つのスロット
S7〜S9 W相の一つの隣接同相スロット群を構成する3つのスロット
S10〜S12 U相の一つの隣接同相スロット群を構成する3つのスロット
C1〜 C9 セグメント導体
G1’〜G3’ 隣接同相コイルエンド導体群
d 各隣接同相スロット群に属しかつ互いに隣接する一対のスロット間のスロットピッチ
P1 隣接同相コイルエンド導体群のうち周方向一方側に最もずれた頭部の屈曲開始点
P2 隣接同相コイルエンド導体群のうち周方向中央の頭部の屈曲開始点
P3 隣接同相コイルエンド導体群のうち周方向他方側に最もずれた頭部の屈曲開始点
Claims (3)
- U字形状を有して電機子鉄心の各スロットに挿通される多数のセグメント導体を前記電機子鉄心の軸方向一方側にて順次接続してなる電機子巻線を有し、
前記セグメント導体は、略U字状に形成されて頭部側コイルエンドを構成する頭部と、前記頭部の両端から延設されて二つのスロット内に個別に延設される一対のスロット導体部と、前記一対のスロット導体部から前記スロット外へそれぞれ飛び出した後、周方向に曲成されて端部側コイルエンドを構成する一対の端部とからなり、
前記各スロットは、同相の前記セグメント導体を収容して互いに隣接する複数の前記スロットからなる隣接同相スロット群に相ごとに順次区分される回転電機の電機子であって、
前記頭部又は端部は、前記電機子鉄心の端面から軸方向に所定距離離れた屈曲開始点から所定の曲率半径にて周方向へ所定角度屈曲し、
前記隣接同相スロット群のうち最も周方向一方側に位置する前記スロットから突出する前記頭部又は端部の前記屈曲開始点は、前記隣接同相スロット群のうちの残りの前記スロットから突出する前記頭部又は端部の前記屈曲開始点よりも前記電機子鉄心の端面に接近し、
前記隣接同相スロット群うち最も周方向他方側に位置する前記スロットから突出する前記頭部又は端部の前記屈曲開始点は、前記隣接同相スロット群のうちの残りの前記スロットから突出する前記頭部又は端部の前記屈曲開始点よりも前記電機子鉄心の端面から離れていることを特徴とする回転電機の電機子。 - U字形状を有して電機子鉄心の各スロットに挿通される多数のセグメント導体を前記電機子鉄心の軸方向一方側にて順次接続してなる電機子巻線を有し、
前記セグメント導体は、略U字状に形成されて頭部側コイルエンドを構成する頭部と、前記頭部の両端から延設されて二つのスロット内に個別に延設される一対のスロット導体部と、前記一対のスロット導体部から前記スロット外へそれぞれ飛び出した後、周方向に曲成されて端部側コイルエンドを構成する一対の端部とからなり、
前記各スロットは、同相の前記セグメント導体を収容して互いに隣接する複数の前記スロットからなる隣接同相スロット群に相ごとに順次区分される回転電機の電機子であって、
前記隣接同相スロット群内のスロットピッチは、互いに異なる前記隣接同相スロット群に個別に属して互いに隣接する一対のスロット間のスロットピッチよりも狭く設定されていることを特徴とする回転電機の電機子。 - 請求項1記載の回転電機の電機子の製造方法において、
前記セグメント導体の頭部を周方向へ展開する頭部展開工程、
同一の前記隣接同相スロット群に属する各スロットの前記セグメント導体を互いに異なる所定距離だけ軸方向へ変位させる軸方向変位前工程、
前記セグメント導体の端部を周方向へ展開する端部展開工程、
同一の前記隣接同相スロット群に属する各スロットの前記セグメント導体を互いに異なる所定距離だけ軸方向へ変位させる軸方向変位後工程、
を上記順序で実施することを特徴とする回転電機の電機子の製造方法。
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