近年、携帯電話機が広く普及しているが、その形状としてはストレートタイプ、フリップタイプ、クラムシェルタイプの3種類に大きく分類される。中でもクラムシェルタイプは折り畳むことによる小型化ができるため、他の2つのタイプよりニーズが高い。
また、最近では液晶ディスプレイの背面に液晶サブディスプレイを備えたものやカメラ機能を備えた携帯電話機が提案されている。
図10は、従来のクラムシェルタイプのカメラ付携帯電話機100を開いた状態での外観を示す斜視図である。携帯電話機100は第1の筐体101と第2の筐体102からなり、第1の筐体101と第2の筐体102は、ヒンジ103を介して連結され、ヒンジ103を軸として角変位自在に動くことで折り畳み可能に構成されている。図10に示すように携帯電話機100は第1の筐体101には第1表示部104を備える。第1表示部104は携帯電話機100が折り畳まれた時に内側に位置するように配置されている。第1表示部104(メインディスプレイ)は液晶ディスプレイやELディスプレイなどで実現され、筐体内に設けられた第1表示ドライバ部を介して送られてくる画像データに基づく画像を表示する。第1の筐体101の背面にはアンテナ部105と上下可能なヘリカル部106を備え、第1の筐体101の側面には、カメラ機能の第2のシャッターボタン107を備える。また、第1表示部104の上部には通話時に使用する第1のスピーカー108を備える。
開閉検出部109は、携帯電話機100が折り畳まれているか否かを検出する検出手段である。第1の筐体101下部のヒンジ103の近傍には小さな突起109aが形成されており、第2の筐体102上部のヒンジ103近傍には小さな孔109bが形成されている。孔109bの内部には図示しない検出スイッチが設けられており、開閉検出部109は、突起109a、孔109bおよびスイッチから構成される。携帯電話機100が折り畳まれると、第1の筐体101の突起109aが第2の筐体102の孔109bに入り、図示しない検出スイッチが働き、筐体内に設けられた制御部によって携帯電話機100が折り畳まれていることを判断する。
次に従来の携帯電話機100の第2の筐体102について説明する。入力ボタン部110は、数字および文字を入力するためのキーなどから構成される。機能ボタン部111は携帯電話機における各種設定/機能切替を行うためのボタン群であり、電源のON/OFF切替を行う電源ボタン112、後述するカメラ機能の第1のシャッターボタン113、メール機能とガイダンス表示を行うメール/ガイダンス用ボタン114、通話開始とスピーカー受話を行う開始/スピーカー受話ボタン115、機能選択画面での上下左右選択と決定を行う4方向ボタンと決定ボタンで構成されたマルチガイドボタン116から構成される。また、第2の筐体102の下部には送話マイク117を備えている。
一般的な携帯電話機の第2の筐体102の配置構成としては、ヒンジ103、機能ボタン群111、入力ボタン群110、送話マイク117の順番に配置するのが普通である。
図11は、図10に示された携帯電話機100を背面側からの外観を示す斜視図である。第1の筐体101の背面は、第2表示部120、カメラ部121、ライト部122、既に説明したアンテナ部105から構成される。
第2表示部120は携帯電話機100が折り畳まれた時に外側に位置するように配置されている。第2表示部120(サブディスプレイ)は液晶ディスプレイやELディスプレイなどで実現され、筐体内に設けられた第2表示ドライバ部を介して送られてくる画像データに基づく画像を表示する。
カメラ部121は撮像レンズとCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサあるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子とRGBの3色のカラーフィルタとを備える。カメラ部2は被写体で反射されて撮像レンズに入射した光を、カラーフィルタを通してRGBの3色光にし、RGBの3色光をそれぞれ前記撮像素子に変換する。図11に示すようにカメラ部121は携帯電話機100が折り畳まれた時に外側に位置するように設けられている。
ライト部122は、カメラ部121で撮像する際の補助光源として使われる。一般的に、キセノン管を用いるものが多いが、最近ではRGBのLEDを同時発光させて、白色光を発光させて補助光源に用いるものもある。
第2の筐体の背面は、バッテリーを格納するバッテリー部123と着信音を鳴らす第2のスピーカー124を備えている。
図12は、携帯電話機100を折り畳んだ状態での外観斜視図を示し、図13は、同じく携帯電話機100を折り畳んだ状態での外観側面図である。
従来の携帯電話機100を用いてカメラ撮影を行う場合の利用方法について、図14を用いて説明する。図14(a)は撮影者が被写体を撮影する場合の一般的な利用方法を示す。携帯電話機100を開き、カメラ部121を被写体に向け、撮影者は第1表示部104をファインダーとして利用する。図14(b)は撮影者が撮影者自身を撮影する場合の一般的な利用方法を示す。この場合、撮影者は第2表示部120をファインダーとして利用することにより、撮影画像を確認しながら撮影をすることが可能である。一般的な携帯電話機では、第2表示部120で表示する際には、画面確認時の違和感をなくすため、画像を左右反転させ、鏡のように表示することが多い。図14(a)において、シャッターボタンは第1のシャッターボタン113または、第1の筐体101の側面に備えた第2のシャッターボタン107のいずれかを使用することが可能である。図14(b)では、携帯電話機100を折り畳んだ状態で第2のシャッターボタン107を使用して撮影しているが、開いた状態でも撮影可能である。その場合は、第1の筐体101側面に配置された第2のシャッターボタン107を使用すればよい。
なお、以上本発明についての従来の技術を、出願人の知得した一般的技術情報に基づいて説明したが、出願人の記憶する範囲において、本分割出願の原出願における出願前までに、先行技術文献情報として開示すべき情報を出願人は有していない。
上記のような2つの表示手段を備えたクラムシェルタイプのカメラ付携帯電話機にも多くの課題が残されている。
第1の課題は、持ち替えの問題である。クラムシェルタイプの携帯電話機の場合、開いた時及び折り畳んだ時で携帯電話機の上下方向は図10及び図12に示されるように、ヘリカル部106の方向を上側にして利用することになる。従って例えば、図14に示すように、利用者が携帯電話機100を閉じて利用者自身を撮影した(図14(b))後に、他の被写体を撮影する(図14(a))場合あるいは第1表示部104を使用して各種画像設定を行う場合には、一旦、携帯電話機100を上下に180度回転した方向に持ち替えた後に携帯電話機100を開かなくてはならない。
また、第2表示部120に表示されたメールや通話の着信表示あるいは時刻表示を見た後に携帯電話機100を開いて使用する場合も、同様に携帯電話機100を上下に180度回転した方向に持ち替えた後に携帯電話機100を開かなくてはならない。
逆に、携帯機電話100を開いた状態から、閉じた状態にした場合も、折り畳んだ後に、携帯電話機100を逆方向に持ち替えなくてはならない。携帯電話機を持ち替えてから使うという動作は利用者にとって煩わしいものである。
第2の課題は、第1の筐体101の背面に設けられたアンテナ部105が大きなスペースを占有することである。携帯電話機を閉じた状態であっても、より多くの情報をユーザーに表示できるよう、背面側のサブディスプレイ第2表示部120の大型化が進んでいるが、図11または図12に示すように、第1の筐体101の背面には、アンテナ部105が大きなスペースを占有していることから、第2表示部120サブディスプレイの配置自由度が制限され、大きないわゆるサブディスプレイを配置することが不可能である。
第3の課題もアンテナに関係する。アンテナ部105が第1の筐体101の背面に凸型に形成されるため、前記背面にシャッターボタンやサブディスプレイ操作ボタンを設置しようとしても、使用者が指でボタン操作する際にアンテナ部105が邪魔になり、快適な操作を行いづらいという問題がある。
第4の課題は、携帯電話機の小型化に関する問題である。利用者のニーズとして携帯電話機の小型化が求められているが、カメラ付携帯電話機100の場合、カメラ部121はレンズとCCDから構成されることから、一定の厚みが必要であり、カメラ部を第1の筐体101の先端に配置した場合には、先端部はカメラ部の厚みを必要とするため、先端部の薄型化ができない。逆にヒンジ103側にカメラを配置した場合、折り畳んで撮影する際に、利用者の手でレンズの視界を遮ることもあり、あまり実用的ではない。
第5の課題は、手ブレに関するものである。カメラ部を第1の筐体101の先端に配置した場合、携帯電話機を開いた状態で撮影する際に、利用者が携帯電話機を持つ第2の筐体102から離れた位置にカメラ部があるために、利用者の手ブレの影響をもっとも受けやすい。逆にヒンジ部側にカメラを配置した場合、第4の課題にて上述したように折り畳んで撮影する際に、利用者の手でレンズの視界を遮ることもあり、あまり実用的ではない。
本発明に従った携帯電話機は、第1の筐体と第2の筐体が連結部によって折り畳み可能に構成される携帯電話機であって、前記第1の筐体の内面に配置された第1表示手段と、前記第1の筐体の外面に配置された、撮像手段および第2表示手段と、前記第1の筐体の上部に内蔵された内蔵アンテナとを備え、前記第1の筐体と前記第2の筐体が折り畳まれた状態では、前記第2表示手段は、前記連結部を上方向として画像または文字を表示することが可能であることを特徴とする。
本発明に従えば、携帯電話機が折り畳まれた状態では、第2表示手段に表示される画像または文字が連結部を上方向にして表示される。これによって、ユーザーは折り畳んだ状態でも連結部を上側にした状態で携帯電話機を使用することができる。
このように、ユーザーが携帯電話機を開いた状態でも閉じた状態でも第2の筐体の向きが変わらない。従って、携帯電話機を開いたり閉じたりするたびに、携帯電話機の向きを変えたり持ち替えたりする必要がなくなり、操作性および利便性が向上する。
また、本発明に従った携帯電話機は、前記第1の筐体に、前記連結部側から、前記撮像手段、前記第2表示手段、前記内蔵アンテナの順に配置されることが好ましい。
また、本発明の携帯電話機は、前記第1の筐体の外面に配置され、前記撮像手段からの画像データの記憶を指示する、シャッターボタンをさらに備えることが好ましい。
これにより、携帯電話機を閉じた状態でユーザー自身を撮影する場合に、第1の筐体の外面に設けられたシャッターボタンを押すことで撮影が可能になる。これによって、ユーザーは閉じた状態で簡単にシャッターボタン位置を確認し容易に撮影することができる。従って、従来機種のように、第1の筐体の側面等に小さく設けられたボタン位置の確認しずらいシャッターボタンを探す必要がなくなり、操作性および利便性が向上する。
また、本発明の携帯電話機は、前記第1の筐体の外面に、前記連結部側から、前記撮像手段、前記第2表示手段、前記シャッターボタンの順に配置されることが好ましい。
本発明に従えば、撮像手段とシャッターボタンの間に第2表示手段が配置されることから、撮像手段とシャッターボタンの間に一定の距離が確保できる。これによって、ユーザーが撮影しようとする際にシャッターボタンを押すユーザーの手が撮像手段に被さることを防ぐことができる。従って、ユーザーが撮像手段の位置を気にせずにシャッターボタンを押すことができることから、操作性および利便性が向上すると同時に、ユーザーの指が撮像手段に触れて、レンズ等の部品に傷やゴミが付くことを防ぐことができ、結果として携帯電話機の耐久性の向上ならびに性能維持が図られる。
また、本発明の携帯電話機は、前記第1の筐体の外面に配置され、前記第2表示手段の表示を操作する操作手段をさらに備えることが好ましい。
これにより、操作手段によって、折り畳んだ状態であっても、第2表示手段の表示を操作できるため、携帯電話機を閉じた状態であっても、多くの操作を行うことができ、携帯電話機を開かなくても済むようになり、操作性および利便性が向上する。
また、本発明の携帯電話機では、前記連結部側から、前記撮像手段、前記第2表示手段、前記操作手段の順に配置されたことことが好ましい。
これにより、撮像手段と操作手段の間に第2表示手段が配置されることから、撮像手段と操作ボタンの間に一定の距離が確保できる。これによって、操作手段を操作するユーザの手が撮像手段に被さることを防ぐことができる。従って、ズーム操作等の撮影に関する各種設定時にユーザーが撮像手段の位置を気にせずに操作ボタンの操作ができることから、操作性および利便性が向上すると同時に、ユーザーの指が撮像手段に触れて、レンズ等の部品に傷やゴミが付くことを防ぐことができ、結果として携帯電話機の耐久性の向上ならびに性能維持が図られる。
以上のように本発明によれば、携帯電話機が折り畳まれた状態では、第2表示手段に表示される画像または文字が連結部を上方向にして表示される。これによって、ユーザーは折り畳んだ状態でも連結部を上側にした状態で携帯電話機を使用することができる。
このように、ユーザーが携帯電話機を開いた状態でも閉じた状態でも第2の筐体の向きが変わらない。従って、携帯電話機を開いたり閉じたりするたびに、携帯電話機の向きを変えたり持ち替えたりする必要がなくなり、操作性および利便性が向上する。
また、本発明によれば、アンテナを内蔵させることができる。
また本発明によれば、携帯電話機を閉じた状態でユーザー自身を撮影する場合に、第1の筐体の外面に設けられたシャッターボタンを押すことで撮影が可能になる。これによって、ユーザーは閉じた状態で簡単にシャッターボタン位置を確認し容易に撮影することができる。従って、従来機種のように、第1の筐体の側面等に小さく設けられたボタン位置の確認しずらいシャッターボタンを探す必要がなくなり、操作性および利便性が向上する。
また本発明によれば、撮像手段とシャッターボタンの間に第2表示手段が配置されることから、撮像手段とシャッターボタンの間に一定の距離が確保できる。これによって、ユーザーが撮影しようとする際にシャッターボタンを押すユーザーの手が撮像手段に被さることを防ぐことができる。従って、ユーザーが撮像手段の位置を気にせずにシャッターボタンを押すことができることから、操作性および利便性が向上すると同時に、ユーザーの指が撮像手段に触れて、レンズ等の部品に傷やゴミが付くことを防ぐことができ、結果として携帯電話機の耐久性の向上ならびに性能維持が図られる。
また本発明によれば、第2表示手段を用いて、機能設定やアドレス帳やメールの確認/表示等の各種情報を選択的に表示または発信することが可能になる。また、操作手段にて折り畳んだ状態であっても、撮像画像のズーム操作等が可能になる。これによって、携帯電話機を閉じた状態であっても、多くの操作を行うことができ、携帯電話機を開かなくても済むようになり、操作性および利便性が向上する。
また本発明によれば、撮像手段と操作手段の間に第2表示手段が配置されることから、撮像手段と操作手段の間に一定の距離が確保できる。これによって、ユーザーが撮影しようとする際に操作手段を操作するユーザーの手が撮像手段に被さることを防ぐことができる。従って、ズーム操作等の撮影に関する各種設定時にユーザーが撮像手段の位置を気にせずに操作手段の操作ができることから、操作性および利便性が向上すると同時に、ユーザーの指が撮像手段に触れて、レンズ等の部品に傷やゴミが付くことを防ぐことができ、結果として携帯電話機の耐久性の向上ならびに性能維持が図られる。
この発明の実施の形態について図面を参照し説明する。図1は本発明の実施の一形態であるクラムシェルタイプのカメラ付携帯電話機1を開いた状態での外観を示す斜視図である。携帯電話機1は第1の筐体2と第2の筐体3からなり、第1の筐体2と第2の筐体3は、ヒンジ4を介して連結され、ヒンジ4を軸として角変位自在に動くことで折り畳み可能に構成されている。図1に示すように携帯電話機1は第1の筐体2には第1表示部5を備える。第1表示部5は携帯電話機1が折り畳まれた時に内側に位置するように配置されている。第1表示部5は液晶ディスプレイやELディスプレイなどで実現され、後述する第1表示ドライバ部43を介して送られてくる画像データに基づく画像を表示する。また、第1表示部5の上部には通話時に使用する第1のスピーカー6を備える。
次に本発明の実施の一形態である携帯電話機1の第2の筐体3について説明する。入力ボタン群7は、数字および文字を入力するためのキーなどから構成される。機能ボタン群8は携帯電話機における各種設定/機能切替を行うためのボタン群であり、電源のON/OFF切替を行う電源ボタン9、後述するカメラ機能の第1のシャッターボタン10、メール機能とガイダンス表示を行うメール/ガイダンス用ボタン11、通話開始とスピーカー受話を行う開始/スピーカー受話ボタン12、機能選択画面での上下左右選択と決定を行う4方向ボタンと決定ボタンで構成されたマルチガイドボタン13から構成される。また、第2の筐体102の下部には送話マイク14を備えている。
携帯電話機1の第2の筐体3の配置構成としては、ヒンジ4、機能ボタン群8、入力ボタン群7、送話マイク14の順番に配置するのが普通であるが、これに限定されるものではない。
図2は、図1に示された携帯電話機1を背面側からの外観を示す斜視図であり、図3は携帯電話機1を折り畳んだ状態での外観斜視図である。図2または図3に示すように、第1の筐体2の背面は、ヒンジ4側から順番にカメラ部21とライト部22が並んで配置され、第2表示部20、第2のシャッターボタン23および第2の操作ボタン群24が続いて配置される。
第2表示部20は携帯電話機1が折り畳まれた時に外側に位置するように配置される。第2表示部20は液晶ディスプレイやELディスプレイなどで実現される。後述する第2表示ドライバ部44を介して送られてくる撮像画像や時刻情報、電波強度、メール受信表示等のキャラクタ画像の画像データに基づく画像を表示する。これらの画像を表示する際に、第2表示ドライバ部44から第2表示部20に送られてくる画像データは、表示した時にヒンジ4方向が上になるように表示される。第2表示部20は、ヒンジ4方向が上になるように画像表示を行うことにより、ユーザーは携帯電話機1を折り畳んだ状態で使用する際に、ヒンジを上に向けて使用することになり、ユーザーが携帯電話機1を開いた状態でも閉じた状態でも第2の筐体3の向きが変わらない。言い換えれば、携帯電話機1を開いたり閉じたりするたびに、携帯電話機1の向きを変えたり持ち替えたりする必要がなくなり、操作性および利便性が向上する。第2表示部20での画像表示には撮像画像も含まれ、撮像画像を見る場合にも、携帯電話機1の向きを変えたり持ち替えたりする必要がなくなり、操作性および利便性が向上する。
また、後述するようにアンテナを第1の筐体2の背面から別の場所に移したことにより、第1の筐体2の背面に制約がなくなり、従来よりも大きなサイズの第2表示手段20を設けることができ、テキストや撮像画像の大量の情報表示が可能である。さらに第2の操作ボタン群24を設けることにより、携帯電話機1を閉じた状態であっても、メールの内容確認や住所録の参照、複数画像の順次表示等のさまざまな表示が第2表示部20にて可能になる。第2表示部20での画像表示には撮像画像も含まれ、ユーザーは撮像画像を折り畳んだ状態でも第2表示部20にて大きな画面で確認することができる。従って、撮像画像を見る場合にも、携帯電話機1を開いたり閉じたりする必要がなくなり、操作性および利便性が向上する。
カメラ部21は撮像レンズとCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサあるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子とRGBの3色のカラーフィルタとを備える。カメラ部21は被写体で反射されて撮像レンズに入射した光を、カラーフィルタを通してRGBの3色光にし、RGBの3色光をそれぞれ前記撮像素子に変換する。図2に示すようにカメラ部21は携帯電話機1が折り畳まれた時に外側にあって、ヒンジ4と第2表示部との間に位置するように設けられている。ユーザーは携帯電話機1を開いて撮影する時には、第2の筐体3を持って撮影する。カメラ部21は上記配置により、結果的にヒンジ4の近くに設けられるので、第1の筐体2を持つ時、カメラ部21の近辺を支持することから、撮影時にユーザーによる手ブレの影響を減少させることができる。しかも、アンテナを第1の筐体2の背面から除いたことによる大きな第2表示部20によって、被写体撮影時に、被写体からも大きな画面にて手ブレの少ない自画像を容易に確認することができる。
ライト部22は、カメラ部21で撮像する際の補助光源として使われる。一般的に、キセノン管を用いるものが多いが、最近ではRGBのLEDを同時発光させて、白色光を発光させて補助光源に用いるものもある。
第2のシャッターボタン23は、第1の筐体2の背面中央に配置され、図3に示す携帯電話機1を折り畳んだ状態では第2表示部20の下側に位置する。この位置に第2のシャッターボタン23を配置することにより、ユーザーは折り畳んだ状態で簡単にシャッターボタン位置を確認し、容易に撮影することができる。また、従来機種のように第1の筐体の側面等に小さく設けられた、位置の確認しづらいシャッターボタンを探す必要がなくなり、操作性および利便性が向上する。
また、第2のシャッターボタン23の両横には第2表示部3を用いて各種設定/操作を行うための第2の操作ボタン群24a,24bが設けられている。第2の操作ボタン群24a,24bは、第2表示部20と連動して、各種機能設定,アドレス帳の表示/検索,メールの確認/表示/発信を操作することができる。また、撮影時のズーム操作や複数の撮像画像の順送り/逆送り等を操作することができる。
この位置に第2の操作ボタン群24を配置することにより、ユーザーは折り畳んだ状態で簡単に第2の操作ボタン群24位置を確認し、容易に第2の操作ボタン群24を操作することができる。
図2に戻り、第2の筐体3の背面にはアンテナ部25と上下可能なヘリカル部26、バッテリーを格納するバッテリー部27と着信音を鳴らす第2のスピーカー28を備えている。
図3は、携帯電話機1を折り畳んだ状態での外観斜視図を示し、図4は、同じく携帯電話機1を折り畳んだ状態での外観側面図である。以下、図3、図4を用いて説明を続ける。
第1の筐体2はヒンジ4を通して第2の筐体3と機構的に接続されるが、ヒンジ4内には第1の筐体2と第2の筐体3を電気的に接続するための可撓性基板が組み込まれている。第1の筐体2のヒンジ付近には可撓性基板やケーブルを第1の筐体2内に設けられた各種基板に接続するためのコネクターがあり、このコネクターの厚みが第1の筐体2の厚みに最も影響する。一方、カメラ部21の厚みは前記コネクターの厚みよりも薄いため、前記コネクター近辺にカメラ部21を配置しても、第1の筐体2の厚みには影響しない。したがって、従来の携帯電話機は、カメラ部が第1の筐体2の先端付近(図3での下方付近)に配置されていたために、カメラ部の厚みによって、アンテナ部を除いた第1の筐体2の先端付近の厚みが決まっていたが、カメラ部をアンテナ部25と第2表示部20の間、すなわちヒンジ4付近に配置したことから第1の筐体2の中央部は第2表示部20の厚みを確保し、第1の筐体2の先端付近に至ってはさらなる薄型化/小型化が可能になった。図4に示すように、第1の筐体2は中央部から先端部にかけて曲線状に厚みが狭まっているが、折り畳んだ状態で携帯電話機1の下部に相当する第1の筐体2の先端付近が薄型化される形状にすることにより、ユーザーが洋服のポケット等に携帯電話機1を収納する際に収納しやすく、利便性が向上している。
また、カメラ部21と第2のシャッターボタン23または第2の操作ボタン群24の間に第2表示部を配置することによりカメラ部21と第2のシャッターボタン23または第2の操作ボタン群24の間に一定の距離が保てる。ユーザーが第2のシャッターボタン23または第2の操作ボタン群24を操作する際に、ユーザーの指が誤ってカメラ部21に触れたり、カメラ部21の視界を遮ることを防ぐことができる。ユーザーの指がカメラ部21に触れて、レンズ等の部品に傷やゴミが付くことを防ぐことは、結果として携帯電話機の耐久性の向上ならびに性能維持が図られる。
さらに、折り畳んだ状態でヒンジ4側を上にして持つように構成することにより、ユーザーが折り畳んだ状態で携帯電話機1を持った時に、ユーザーの手でカメラ部21を塞ぐことがなくなり、カメラ部21の位置を気にせずに携帯電話機1を持つことができる。
本発明の実施の一形態である携帯電話機1を用いてカメラ撮影を行う場合の利用方法を、図5を用いて説明する。図5(a)は撮影者が被写体を撮影する場合の一般的な利用方法を示す。携帯電話機1を開き、カメラ部21を被写体に向け、撮影者は第1表示部5をファインダーとして利用する。シャッターボタンは第1のシャッターボタン10を使用するが、第1の筐体2の背面に備えた第2のシャッターボタン23を使用することも可能である。図5(b)は撮影者が撮影者自身を撮影する場合の一般的な利用方法を示す。この場合、撮影者は第2表示部20をファインダーとして利用することにより、撮影画像を確認しながら撮影をすることが可能である。
一般的な携帯電話機では、第2表示部20で表示する際には、画面確認時の違和感をなくすため、画像を左右反転させ、鏡のように表示することが多いがそれに限定されるものではない。なお、本発明の実施の一形態である携帯電話機1では、携帯電話機1を開いた状態でも利用者自身を撮影可能だが、わざわざ開くよりも、折り畳んだ状態で撮影した方が使い勝手が良い。
次に本発明の実施の一形態である携帯電話機1のアンテナ部25について詳細に説明する。図6は携帯電話機1の第2の筐体3の断面図である。アンテナ部25のホイップ部30が2の筐体3内の左端側に格納可能に構成されており、ヘリカル部26は筐体外に露出している。ホイップ部30とヘリカル部26は、通話時の電波強度に応じて第2の筐体3から引き出し可能である。また、必ずしも上記ホイップ部30とヘリカル部26で構成されるアンテナに限定される必要はなく、例えば図7に示すように、逆F型内蔵アンテナ32を第2の筐体3のヒンジ4近く上部(図7(a))、もしくは第1の筐体2の上部(図7(b))に配置してもよい。
次に携帯電話機1の内部回路について、内部ブロック図である図8とともに説明する。制御部40は携帯電話機1を構成する各部位の動作を制御する制御手段、シャッターボタン制御手段、バックライト制御手段、ライト制御手段および表示制御手段である。画像処理部41は、増幅部、A/D(アナログ/デジタル)変換部、信号処理部からなる。増幅部は、カメラ部21から送られてくるRGBに対応した電気信号を増幅し、A/D変換部に送る。A/D変換部は増幅部で変換されたRGBに対応した電気信号(アナログ)をデジタル信号に変換して画像データを出力し、信号処理部に送る。信号処理部は、A/D変換部から送られてくる画像データに対して、画素の補間処理などの信号処理を行う。また信号処理部は、制御部40から送られてくる制御信号に基づいて、信号処理を施した画像データを第1メモリ42に送る。カメラ部21および画像処理部41は、入射光を電気信号に変換して画像データとして出力する撮像手段である。第1メモリ42は、信号処理部から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶している。たとえば、時間的に古い画像データは消去する、あるいは最も新しい画像データを上書きすることで一時的に記憶する。
制御部40は、第1および第2表示ドライバ部43,44に制御信号を送信するとともに、第1メモリ42に記憶された画像データを、第1および第2表示ドライバ部43,44に送る。第1および第2ドライバ部43,44は、第1および第2表示部5,20に表示しようとする画像データに従って、第1および第2表示部5,20の各画素電極に対して駆動電圧を印加する。
第1および第2バックライト45,46は発光素子である発光ダイオードなどから構成され、第1および第2表示部5,20に光を当てて輝度を増加させる。第1および第2バックライト45,46の点灯、消灯の制御および輝度調整などの制御は、制御部40によって行われる。また、第1および第2バックライト45,46は各々独立して制御することが可能であり、画像が第1表示部5に表示されている時は第1バックライト45が、第2表示部20に表示されている場合は第2バックライト46が点灯するように制御される。なお、第1および第2バックライト45,46はユーザーによって消灯するための所定の操作が行われるまで点灯する構成としてもよいし、点灯してから所定時間が経過すると消灯する構成としてもよい。
第1の操作ボタン群47は前述した第2の筐体3の入力ボタン群7と機能ボタン群8から構成される。第2の操作ボタン群は前述したように第1の筐体2に設置されている。
第1および第2のシャッターボタン10,23は、第1メモリ42に連続的に送られ、一時的に記憶されている画像データの中からユーザーが保存を希望する画像データを、第2メモリ48に記憶させる時に、ユーザーによって操作され、記憶させる旨の指示信号を制御部40に出力する。制御部40は第1および第2のシャッターボタン10,23からの指示信号に応答して、第1メモリ42に記憶されている画像データを第2メモリ48に記憶させる。なお、第2メモリ48は、第1メモリ42に記憶されている画像データ、およびアンテナ部25を介して受信した各種受信データを記憶する受信手段である。また、第2のシャッターボタン23は図3に示すように、第2表示部20の下部に携帯電話機1が折り畳まれた時に外側に位置するように配置されている。第1のシャッターボタン10は図1に示すように、機能ボタン群8に配置されている。第1のシャッターボタン10は独立して配置されてもよいし、他の機能ボタンと兼用してもよい。
開閉検出部49は携帯電話機1が折り畳まれているか否かを検出する検出手段である。ヒンジ4内部に図示しない検出スイッチが設けられており、開閉状態に応じて信号が制御部40に送られ、制御部40によって携帯電話機1が折り畳まれているかどうかを判断する。
アンテナ部25は、無線電波を介して基地局と無線通信を行うときに、音声データ、文字データおよび画像データなどを送受信する。無線部50は、受信時は、基地局からアンテナ部25を介して受信したデータを復調し、送信時は、通信制御部51から送られてくる文字データおよび画像データを所定のプロトコルに基づいて制御部40に送る。無線部50、通信制御部51を介して受信した相手先からの受信データは、第2メモリ48に記憶される。図8に示す本発明の実施の一形態である携帯電話機1はテレビジョン信号も受信可能であり、アンテナ部25から、無線通信用電波とテレビジョン放送信号波を分離するための分波器52を備えている。分波器52は無線通信用電波を無線部50に、テレビジョン信号放送波をチューナー53に送る。テレビジョン信号放送波を受信したチューナー53は、信号処理回路に受信したチャンネルの信号を信号処理回路54に送る。信号処理回路54で映像信号、音声信号に分離し、映像信号は第1または第2表示部5,20に、音声信号は第1または第2のスピーカー6,28にて出力される。
制御部40は、第1メモリに一時的に保存されている画像データに基づく画像を表示する表示部を、開閉検出部49の検出結果に基づいて切り換える。開閉検出部49によって、携帯電話機1が折り畳まれていることが検出された場合、制御部40は、第1メモリ42からの画像データを第2表示ドライバ部44に出力し、第2表示部20に画像を表示させる。開閉検出部49によって、携帯電話機1が折り畳まれていない(開いている)ことが検出された場合、制御部40は、第1メモリ42からの画像データを第1表示ドライバ部43に出力し、第1表示部5に画像を表示させる。
前述のようにカメラ部21は、携帯電話機1が折り畳まれたときの外側に設けられているので、携帯電話機1のユーザー以外の被写体を撮像するときは、図5(a)に示すように、ユーザーは、携帯電話機1を開いた状態でカメラ部21をユーザーと反対側にある被写体側に向けて撮像する。この状態では、携帯電話機1が開いていること、すなわち折り畳まれていないことが開閉検出部49によって検出され、カメラ部21から出力された画像データに基づく画像が第1表示部5に表示される。これによって、ユーザーは第1表示部5を撮像時のファインダーとして使用することができる。
一方、ユーザー自身を被写体として撮像するときは、図5(b)に示すように、ユーザーは、携帯電話機1を折り畳んだ状態でカメラ部21をユーザー側に向けて撮像する。この状態では、携帯電話機1が折り畳まれていることが開閉検出部49によって検出され、カメラ部21から出力された画像データに基づく画像が第2表示部20に表示される。これによって、ユーザーは第2表示部20を撮影時のファインダーとして使用することができる。
本発明の実施の一形態である携帯電話機1は、ユーザーが携帯電話機1の第2の筐体3を固定したまま、第1の筐体2を折り畳むもしくは開くだけで、撮像時にファインダーとして使用する表示部5,20が適切に切り換わり、撮影可能となるので、ユーザーは被写体を切り替えるために、従来の携帯電話のように第2の筐体3を持ち替える必要がなくなり、被写体を切り替える際のユーザーの手間を省くことができ、操作性および利便性が向上する。
次に、第1および第2シャッターボタン10,23の制御について説明する。
制御部40は、開閉検出部49の検出結果に基づいて、入力が有効なシャッターボタンを切り換える。開閉検出部49によって、携帯電話機1が折り畳まれていることが検出された場合、制御部40は、第2シャッターボタン23の入力を有効とする。開閉検出部49によって、携帯電話機1が開いていることが検出された場合、制御部40は、第1シャッターボタン10の入力を有効とし、第2シャッターボタン23の入力を無効とする。第1および第2シャッターボタン10,23の入力を無効とするには、たとえば、第1および第2シャッターボタン10,23をユーザーが操作できないように固定する、第1および第2シャッターボタン10,23を固定せずに、第1および第2シャッターボタン10,23から制御部40への指示信号を出力しないようにする、制御部40が第1および第
2シャッタボタン10,23からの指示信号を処理しないようにするなどの方法で実現できる。
前述のようにカメラ部21は、携帯電話機1が折り畳まれたときの外側に設けられているので、携帯電話機1のユーザー以外の被写体を撮像するときは、ユーザーは、携帯電話機1を開いた状態でカメラ部21をユーザーと反対側にある被写体側に向けて撮像する。この状態では、携帯電話機1が開いていることが開閉検出部49によって検出され、第1シャッターボタン10からの指示が有効となる。ユーザーは、ファインダーである第1表示部5を見ながら、第1表示部5と同じ側に配置されている第1シャッタボタン10を操作する。
一方、ユーザー自身を被写体として撮像するときは、本発明の実施の一形態では、ユーザーが携帯電話機1を折り畳んだ状態でカメラ部21をユーザー側に向けて撮像することが可能である。この状態では、携帯電話機1が折り畳まれていることが開閉検出部49によって検出され、第2シャッタボタン23からの指示が有効となる。ユーザーは、ファインダーである第2表示部20を見ながら、第2表示部20と同じ側に配置されている第2シャッターボタン23を操作する。
このように、携帯電話機1を折り畳むもしくは開くだけでファインダーとして使用する第1または第2表示部5,20と同じ側に位置する第1または第2シャッターボタン10,23からの指示が有効となるので、ユーザーは第1または第2シャッターボタン10,23を見て確認しながら入力することができ、操作性が向上する。
また一般的に、ファインダーとして使用する表示部と反対側に位置するシャッターボタンは、ユーザーから見え難いために、ユーザーが携帯電話機1を把持するときやシャッターボタンの入力以外の操作を行うときに誤って入力してしまう場合がある。本発明の実施の一形態では、携帯電話機1を開くだけでファインダーとして使用する第1表示部5と反対側に位置する第2シャッターボタン23からの指示が無効になるので、ユーザーによる誤操作を防止することができる。
なお、携帯電話機1が開いていることが検出されたときに、第2シャッターボタン23の入力を無効とせず有効としてもよい。この場合、ユーザーは第1および第2シャッターボタン10,23のどちらも操作することができる。また、第1シャッターボタン10は、折り畳まれたときの内側に配置されているので、携帯電話機1が折り畳まれているときにはユーザーが操作できない。したがって、開閉検出部49によって、携帯電話機1が折り畳まれていることが検出されたときの第1シャッターボタン10の入力は、無効または有効のいずれとしてもよい。
第1および第2バックライト45,46の制御について説明する。
制御部40は、開閉検出部49の検出結果に基づいて、第1および第2バックライト45,46の点灯、消灯を切り換える。開閉検出部49によって、携帯電話機1が折り畳まれていることが検出された場合、制御部40は、第2バックライト46を点灯し、第2表示部20の輝度を増加させる。開閉検出部49によって、携帯電話機1が開いていることが検出された場合、制御部40は、第1バックライト45を点灯し、第1表示部5の輝度を増加させる。
前述のように、ユーザーが被写体をユーザー自身以外として撮像するときは、第1表示部5がファインダーとして使用され、カメラ部21から取り込まれた画像データが第1表示部5に表示される。このとき、第1バックライト45が点灯し、第1表示部5の輝度を増加させる。
一方、ユーザーが被写体をユーザー自身として撮像するときは、第2表示部20がファインダーとして使用され、カメラ部21から取り込まれた画像データが第2表示部20に表示される。このとき、第2バックライト46が点灯し、第2表示部20の輝度を増加させる。
このように、携帯電話機1を折り畳む、もしくは開くと、ファインダーとして使用する表示部に光を供給するバックライトが点灯するので、表示された画像が見やすくなり、視認性が向上する。
図9は、携帯電話機1の撮像処理を示すフローチャートである。特に、携帯電話機1を折り畳んで撮影した際に、撮像画像を180度回転させることについて説明する。なお、携帯電話機1は、折り畳まれた状態からでも、開いた状態からでも所定の操作によって撮像可能な状態、いわゆる撮像モードに設定することができる。
まず、ステップS1では、制御部40が、開閉検出部49の検出結果に基づいて携帯電話機1が折り畳まれているか否かを判断する。折り畳まれずに開いていればステップS2に進み、折り畳まれていればステップS8に進む。ステップS2では、第1バックライト45を点灯する。ステップS3では、撮像部2から取り込んだ画像データを第1表示部5に表示し、ステップS4に進む。
ステップS4では、制御部40が、開閉検出部49の検出結果に基づいて携帯電話機1が折り畳まれているか否かを判断する。開いていればステップS5に進み、折り畳まれていれば第1バックライト45の点灯及び第1表示部5への画像表示を中止し、ステップS8に進む。
ステップS5では、制御部40が、第2シャッターボタン23の入力を無効にし、第1シャッターボタン10が押されたか否かを検出する。押されていればステップS6に進み、押されていなければステップS7に進む。ステップS6では、第1メモリ42に一時的に記憶されている画像データを第2メモリ48に記憶してステップS7に進む。ステップS7では、制御部40が、撮像モードを終了する所定の操作がユーザーによって行われたか否かを判断する。操作が行われていれば処理を終了し、行われていなければステップS4に戻る。撮像モードが終了すると、第1および第2表示部5,20には所定の待受画面などが表示される。
ステップS1で、制御部40によって携帯電話機1が折り畳まれていると判断されていればステップS8に進んで、第2バックライト46を点灯する。ステップS9では、カメラ部21から取り込んだ画像データを第2表示部20に表示し、ステップS10に進む。
ステップS10では、制御部40が、開閉検出部49の検出結果に基づいて携帯電話機1が折り畳まれているか否かを判断する。開いていれば第2バックライト46の点灯及び第2表示部20への画像表示を中止し、ステップS2に進み、折り畳まれていればステップS11に進む。
ステップS11では、制御部40が、第2シャッターボタン23が押されたか否かを検出する。押されていればステップS12に進み、押されていなければステップS13に進む。ステップS12では、第1メモリ42に一時的に記憶されている画像データを180度回転したものを第2メモリ48に記憶してステップS13に進む。
これは携帯電話機1を開いた状態と折り畳んだ状態とでは、カメラ部21の上下方向が逆になるためであり、折り畳まれた状態では撮影時に画像データを180度回転させてから第2メモリ48に記憶することにより、後にその画像データを第1または第2表示部5,20のいずれに表示させた場合でも、画像の上下が逆になることがなくなる。ステップS13では、制御部40が、撮像モードを終了する所定の操作がユーザーによって行われたか否かを判断する。操作が行われていれば処理を終了し、行われていなければステップS10に戻る。撮像モードが終了すると、第1および第2表示部5,20には所定の待受画面などが表示される。
以上のように、携帯電話機1の開閉を検出することによって、撮像時のファインダーとして使用する表示部が適切に切り換わるので、ユーザーは切り換えのためのボタン操作を行う必要がなく、切り換えのための手間が省かれ、操作性および利便性が向上する。また、携帯電話機1の開閉が検出されることによって、ファインダーとなる表示部と同じ側のシャッターボタンの入力が有効となるので、ファインダーを見ながらシャッターボタンを確実に入力することが可能となり、操作性が向上する。また、ファインダーとなる表示部と反対側のシャッターボタンの入力は無効となるので、誤ってシャッターボタンを押してしまうなどの誤操作を防止することができる。また、携帯電話機1の開閉が検出されることによって、ファインダーとなる表示部のバックライトが点灯するので、画像が見やすくなり、視認性が向上する。さらに、折り畳んだ状態で撮影した場合には、画像データの保存時に画像データを180度回転させてから第2メモリ48に保存するので、後から保存した画像データを表示させた場合に、画像の上下が逆に表示されることを防止することができる。
なお、図1〜5において、第1および第2表示部5,20は、第1の筐体2に配置されている場合を示したが、これに限らず、第1および第2表示部5,20はそれぞれ、携帯電話機1が折り畳まれたときの内側および外側に位置するように配置すればよい。
なお、本発明の実施の一形態として上述した携帯電話機1は、折り畳んだ状態で撮影した場合に、撮像画像を180度回転して保存することを記載したが、これに限定されるものではなく、開いた状態で撮像した画像を180度回転して保存する構成としてもよい。この場合、図9のステップS6にて画像データの180度回転が行われ、メモリ48に記憶される。
また、本発明の実施の一形態として携帯電話機1について説明したが、これに限らず、ノート型PC(パーソナルコンピュータ)、PDA(Personal Digital Assistance)などであって、折り畳み可能に構成され、撮像部と折り畳まれたときの内側および外側にそれぞれ表示部を備える構成であれば、本発明は適用可能である。
さらに、表示部5,20をファインダーとして使用する場合に限らず、所定の表示を表示部5,20に表示させる場合に、表示させる表示部の切り換えを携帯電話機1の開閉を検出して行うようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 携帯電話機、2 第1の筐体、3 第2の筐体、4 ヒンジ、5 第1表示部、10 第1のシャッターボタン、20 第2表示部、21 カメラ部、23 第2のシャッターボタン、24 第2の操作ボタン群、25 アンテナ部、26 ヘリカル部、40 制御部、42 第1メモリ、48 第2メモリ、49 開閉検出部。