JP2004172758A - 動画用低ビットレート可逆電子透かし装置およびそのプログラム - Google Patents

動画用低ビットレート可逆電子透かし装置およびそのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】数十kbps以下の低ビットレートのデータ伝送速度で伝送しうる画像データに圧縮した場合であっても、埋め込んだ情報が破壊されない動画用低ビットレート可逆電子透かし装置およびそのプログラムを提供すること。
【解決手段】動画像を構成する各フレームまたは各フィールドの画像データを低周波成分からなるデータである低周波成分データと低周波成分以外の周波数成分である高周波成分データとに分離する周波数成分分離部110と、電子透かし情報としてフレーム方向またはフィールド方向に所定周波数の画像データを低周波成分データに加算して電子透かし入り低周波成分データを生成する電子透かし情報埋込部120と、電子透かし入り低周波成分データを高周波成分データと合成して電子透かし埋め込み動画像を生成する埋込画像生成部130とを備えた構成を有している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子透かし装置およびそのプログラムに関し、特に、電子透かしを埋め込んだ画像が、低ビットレートに圧縮されても埋め込んだ情報が破壊されない動画用低ビットレート可逆電子透かし装置およびそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットの普及とともに、動画像が個人レベルで使用されるようになった。これらの使用には、著作権を無視して行われる違法なコピーが含まれ、違法コピーの例が報告されている。かかる違法な使用を防止するため、動画や音声等のコンテンツに、直接、著作権を保護するための情報(以下、著作権保護情報という。)を埋め込んでおき、それを検出できるようにしておこうとする試みがある。この技術は、電子透かし技術と呼ばれる。
【0003】
ここで、電子透かし技術とは、元の画像の変化が知覚できない程度に画素値を変更し、著作権保護情報を直接画像に書き込む技術である。そして、著作権保護情報の書き込みは、コンピュータ等を用いて複雑なデータ処理を施すことによってなされる。また、埋め込んだ著作権保護情報は、画像をコンピュータに取り込んで複雑なデータ処理を施すことによって検出される。
【0004】
一方、インターネットで想定されるデータ伝送速度(数十kbps〜数Mbps)で伝送しうるように動画情報を圧縮すると、画質がひどく劣化する場合がある。画質の劣化は、画像データの情報量が低下することによって引き起こされる。そして、画像データの情報量の低下により、電子透かし技術を用いて埋め込んだ情報は破壊されることがある。埋め込みデータの破壊は圧縮率が高いほど発生しやすい。従来、電子透かし技術について開示された例は多数存在するが、低ビットレートに着眼した先行技術文献はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の電子透かしでは、低ビットレート化に起因する画像データの情報量の低下に着眼したデータの埋め込みがなされておらず、低ビットレート化に起因する埋め込みデータの破壊の発生を防止できないという問題があった。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、数十kbps以下の低ビットレートのデータ伝送速度で伝送しうる画像データに圧縮した場合であっても、埋め込んだ情報が破壊されない動画用低ビットレート可逆電子透かし装置およびそのプログラムを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の動画用低ビットレート可逆電子透かし装置は、複数フレームまたは複数フィールドの画像データからなる動画像に、前記フレーム方向または前記フィールド方向に所定周波数の画像データを加算して電子透かし埋め込み動画像を生成する構成を有している。
この構成により、フレーム方向またはフィールド方向に所定周波数の画像データを加算して電子透かし埋め込み動画像を生成するため、数十kbps以下の低ビットレートのデータ伝送速度で伝送しうる画像データに圧縮した場合であっても、埋め込んだ情報が破壊されない動画用低ビットレート可逆電子透かし装置を実現することができる。
【0007】
また、本発明の動画用低ビットレート可逆電子透かし装置は、動画像を構成する各フレームまたは各フィールドの画像データを低周波成分からなるデータである低周波成分データと低周波成分以外の周波数成分である高周波成分データとに分離する周波数成分分離手段と、電子透かし情報として前記フレーム方向または前記フィールド方向に所定周波数の画像データを前記低周波成分データに加算して電子透かし入り低周波成分データを生成する電子透かし情報埋込手段と、前記電子透かし入り低周波成分データを前記高周波成分データと合成して電子透かし埋め込み動画像を生成する埋込画像生成手段とを備えた構成を有している。
この構成により、フレーム方向またはフィールド方向に所定周波数の画像データを加算して電子透かし埋め込み動画像を生成するため、数十kbps以下の低ビットレートのデータ伝送速度で伝送しうる画像データに圧縮した場合であっても、埋め込んだ情報が破壊されない動画用低ビットレート可逆電子透かし装置を実現することができる。
【0008】
また、本発明の動画用低ビットレート可逆電子透かし装置は、請求項1または請求項2において、前記フレーム方向または前記フィールド方向に、周波数、位相、または振幅が異なる複数の画像データを組み合わせて前記電子透かし情報を表現する構成を有している。
この構成により、周波数、位相、または振幅が異なる複数の画像データを組み合わせて電子透かし情報を表現するため、埋め込む情報量を増大させることが可能な動画用低ビットレート可逆電子透かし装置を実現することができる。
【0009】
また、本発明の動画用低ビットレート可逆電子透かし装置は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子透かし埋め込み動画像を構成する各フレームまたは各フィールドの画像データを低周波成分データと高周波成分データとに分離する周波数成分分離手段と、前記周波数成分分離手段が前記画像データを分離することによって得られた低周波成分データから前記フレーム方向または前記フィールド方向に前記特定周波数の画像データを抽出する抽出手段とを備えた構成を有している。
この構成により、フレーム方向またはフィールド方向に所定周波数の画像データを抽出するため、数十kbps以下の低ビットレートのデータ伝送速度で伝送しうる画像データに圧縮した場合であっても、埋め込んだ情報が破壊されない動画用低ビットレート可逆電子透かし装置を実現することができる。
【0010】
また、本発明の動画用低ビットレート可逆電子透かし装置は、請求項4において、さらに、前記で抽出した所定周波数の各画像データと逆極性の画像データを前記電子透かし埋め込み動画像に加算して元の動画像を生成する手段を備えた構成を有している。
この構成により、フレーム方向またはフィールド方向に所定周波数の画像データを抽出するため、数十kbps以下の低ビットレートのデータ伝送速度で伝送しうる画像データに圧縮した場合であっても、埋め込んだ情報が破壊されないと共に、元の画像が再現できる動画用低ビットレート可逆電子透かし装置を実現することができる。
【0011】
また、本発明の動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムは、複数フレームまたは複数フィールドの画像データからなる動画像に、前記フレーム方向または前記フィールド方向に所定周波数の画像データを加算して電子透かし埋め込み動画像を生成するステップを、コンピュータに実行させる構成を有している。
この構成により、フレーム方向またはフィールド方向に所定周波数の画像データを加算して電子透かし埋め込み動画像を生成するため、数十kbps以下の低ビットレートのデータ伝送速度で伝送しうる画像データに圧縮した場合であっても、埋め込んだ情報が破壊されない動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムを実現することができる。
【0012】
また、本発明の動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムは、コンピュータに、動画像を構成する各フレームまたは各フィールドの画像データを低周波成分からなるデータである低周波成分データと低周波成分以外の周波数成分である高周波成分データとに分離する周波数成分分離ステップと、電子透かし情報として前記フレーム方向または前記フィールド方向に所定周波数の画像データを前記低周波成分データに加算して電子透かし入り低周波成分データを生成する電子透かし情報埋込ステップと、前記電子透かし情報埋込ステップで生成された電子透かし入り低周波成分データと前記高周波成分データと合成して電子透かし埋め込み動画像を生成する埋込画像生成ステップとを実行させる構成を有している。
この構成により、フレーム方向またはフィールド方向に所定周波数の画像データを加算して電子透かし埋め込み動画像を生成するため、数十kbps以下の低ビットレートのデータ伝送速度で伝送しうる画像データに圧縮した場合であっても、埋め込んだ情報が破壊されない動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムを実現することができる。
【0013】
また、本発明の動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムは、請求項6または請求項7において、前記フレーム方向または前記フィールド方向に、周波数、位相、または振幅が異なる複数の画像データを組み合わせて前記電子透かし情報を表現する構成を有している。
この構成により、周波数、位相、または振幅が異なる複数の画像データを組み合わせて電子透かし情報を表現するため、埋め込む情報量を増大させることが可能な動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムを実現することができる。
【0014】
また、本発明の動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムは、請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の電子透かし埋め込み動画像を構成する各フレームまたは各フィールドの画像データを低周波成分データと高周波成分データとに分離する周波数成分分離ステップと、前記周波数成分分離ステップで前記画像データを分離することによって得られた低周波成分データから前記フレーム方向または前記フィールド方向に前記特定周波数の画像データを抽出する抽出ステップとを、コンピュータに実行させる構成を有している。
この構成により、フレーム方向またはフィールド方向に所定周波数の画像データを抽出するため、数十kbps以下の低ビットレートのデータ伝送速度で伝送しうる画像データに圧縮した場合であっても、埋め込んだ情報が破壊されない動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムを実現することができる。
【0015】
また、本発明の動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムは、さらに、前記で抽出した所定周波数の各画像データと逆極性の画像データを前記電子透かし埋め込み動画像に加算して元の動画像を生成するステップを、コンピュータに実行させる構成を有している。
この構成により、フレーム方向またはフィールド方向に所定周波数の画像データを抽出するため、数十kbps以下の低ビットレートのデータ伝送速度で伝送しうる画像データに圧縮した場合であっても、埋め込んだ情報が破壊されないと共に、元の画像が再現できる動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムを実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る動画用低ビットレート可逆電子透かし装置の構成を示すブロック図である。動画用低ビットレート可逆電子透かし装置100は、入力された電子画像(図1では、「動画像」として示す。以下、単に入力電子画像という。)にウェーブレット(wavelet)変換を施して低周波成分の画像データ(以下、単に低周波成分データという。)と高周波成分の画像データ(以下、単に高周波成分データという。)とに分離するウェーブレット変換部110、ウェーブレット変換によって得られた低周波成分データに電子透かし情報を記録する電子透かし情報埋込部120、電子透かし情報が記録された低周波成分データと上記の高周波成分データに基づいて電子透かし入り動画像を生成するウェーブレット逆変換部130を含むように構成される。
【0017】
ここで入力電子画像は、複数フレームの画像データによって構成されるのでも、または各フレームがさらに複数フィールドによって構成されるのでもよい。また、フレームまたはフィールドを特定する符号(番号)として時刻tを用い、時刻tは図1の矢印の方向に進むものとする。図1において、入力電子画像は矢印の方向にフレームまたはフィールドの番号が増大するものとして表されている。以下では、「フレームまたはフィールド」を単に「フレーム等」という。
【0018】
動画用低ビットレート可逆電子透かし装置100の入力電子画像は、ウェーブレット変換部110によって低周波成分データと高周波成分データとに分離される。なお、ウェーブレット変換は、局所的な周期性を解析する技術として周知であり、ウェーブレット変換後の画像データは、低周波成分データとそれ以外の周波数成分のデータに分離されることも周知であるため、その説明を省略する。また、高周波成分データは、入力電子画像の画像データから低周波成分データを除去した周波数成分のデータをいうものとする。
【0019】
次に、電子透かし情報埋込部120が記録する電子透かし情報について説明する。
本発明において埋め込む電子透かし情報は、例えば2種類の信号(以下、基準信号という。)f0(t)とf1(t)を用いて表現するのでも良い。具体的には、f0(t)を「0」に割り当ててf1(t)を「1」に割り当て、「0」と「1」とを組み合わせることによってデジタル信号の電子透かし情報を実現することができる。ここで、上記の各関数は時刻tを変数とするが、以下では、時刻tをフレーム等を指定する番号tによって置き換える。図1に、電子透かし情報として埋め込まれる信号、すなわち上記の関数f0(t)またはf1(t)を概念的に示す。f0(t)またはf1(t)は、図1の電子透かし情報埋込部120に入力される、曲線で表される一方の信号として表されている。変数の軸は、時刻t、すなわち、フレーム等を指定する番号である。
【0020】
また、4種類の基準信号f0(t)、f1(t)、f2(t)、f3(t)を用いて表現するのでも良い。この場合、f0(t)を「00」に、f1(t)を「01」に、f2(t)を「10」に、そしてf3(t)を「11」に割り当てることにより2ビットのデジタル信号を表現することができる。以下では上記の基準信号をfk(t)と表すことにする。ここで、kは、自然数であり、2種類の基準信号のときは「0」または「1」、4種類の基準信号のときは、0から3のいずれかの値をとる。
【0021】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る動画用低ビットレート可逆電子透かし装置100の動作について説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る動画用低ビットレート可逆電子透かし装置100における処理の流れを示すフローチャートである。
【0022】
まず、入力電子画像は、ウェーブレット変換部110によって低周波成分データと低周波成分データ以外の高周波成分データとに分離される(S201)。次に、ステップS201で生成された低周波成分データに、フレーム等番号が変数の基準信号fk(t)の値を内容とする画像データを加算して埋込低周波成分データを生成する(S202)。ここで、記号tは時刻であるとともに上記で説明したようにフレーム等を指定する番号でもある。次に、S202で生成された低周波成分データと高周波成分データとを合成して電子透かし埋め込み動画像を生成する(S203)。
【0023】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係る動画用低ビットレート可逆電子透かし装置は、フレーム方向またはフィールド方向に電子透かしの情報を埋め込むため、データ伝送等のために画像データを圧縮しても埋め込んだ情報が破壊されないと共に、元の画像が再現できる。
【0024】
なお、本発明の第1の実施の形態では、動画用低ビットレート可逆電子透かし装置を用いて上記のステップS201〜S203の各ステップでの処理を行う動画用低ビットレート可逆電子透かし方法について説明したが、これらのステップS201〜S203を含む電子透かし埋込動作を実行させるための動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムがインストールされた所定のコンピュータを用いて実施することも可能である。
【0025】
また、本発明は、所定の記憶媒体に記憶された上記の動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムをコンピュータにロードする方法のほかに、上記動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムを通信インターフェースおよびネットワークからファイル形式で取得し、上記のコンピュータで実施する方法によっても同様の効果が得られる。さらに、ネットワークを用いることでプログラムの更新や配布が容易となる。
【0026】
さらに、上記の動画用低ビットレート可逆電子透かし装置、方法、およびそのプログラムでは、ウェーブレット変換を用いて低周波成分データを生成し、縮小画像に電子透かしを埋め込んでいるが、ウェーブレット変換以外の方法で低周波成分データを生成するのでも、縮小される前の画像に電子透かしを埋め込むのでも、さらには、直接、入力画像に埋め込むのでも同様の効果を得ることができる。
【0027】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る本発明の動画用低ビットレート可逆電子透かし装置の構成を示すブロック図である。動画用低ビットレート可逆電子透かし装置300は、入力電子画像にウェーブレット変換を施して低周波成分データと高周波成分データとに分離するウェーブレット変換部110、低周波成分データのフレーム等方向についての平均値を算出する平均値算出部320、低周波成分データの平均値を各フレーム等の画像データから差し引く減算部330、および減算部からの出力データに上記の基準信号の値をとる画像データを乗算する乗算部340を含むように構成される。
【0028】
なお、本発明の第2の実施の形態に係る動画用低ビットレート可逆電子透かし装置300の構成部のうち、本発明の第1の実施の形態に係る動画用低ビットレート可逆電子透かし装置100の構成部と同様の構成部については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0029】
平均値算出部320は、所定フレーム数または所定フィールド数の低周波成分データを対象に、フレーム方向またはフィールド方向に、各画素での画像データの平均値を算出するようになっている。ここで、所定フレーム数(または所定フィールド数)とは、2〜100フレーム(またはフィールド)のいずれかをいうが、10フレーム(またはフィールド)以下程度が好適である。
【0030】
減算部330は、ウェーブレット変換部110によって出力された低周波成分データから平均値算出部320によって出力された各画素での平均値を差し引くようになっている。このようにするのは、画像の低周波成分の図柄による影響を低減し、埋め込んだ電子透かし情報を検出しやすくするためである。その結果、減算部330からは、電子透かし情報と図柄の影響が低減された情報とを含む画像データが出力される。減算部330から出力されるデータを表す信号(以下、図柄抑制信号という。)をg(t)+fk(t)と表すことにする。
【0031】
乗算部340は、図柄抑制信号g(t)+fk(t)に基準信号fk(t)を乗じ、フレームについて統計的処理を施して基準信号成分fk(t)を検出するようになっている。図柄抑制信号g(t)+fk(t)に基準信号fk(t)を乗じるとg(t)fk(t)+fk(t)となるが、図柄信号成分g(t)fk(t)は、画柄により異なった値となるため、フレーム番号またはフィールド番号についての平均等の統計的処理を施すことにより小さな値となることが期待される。そのため、一定の閾値を設け、この閾値を超える成分を検出することによって、実質上、基準信号成分fk(t)を検出することが可能となる。
【0032】
以下、本発明の第2の実施の形態に係る動画用低ビットレート可逆電子透かし装置300の動作について説明する。図4は、本発明の第2の実施の形態に係る動画用低ビットレート可逆電子透かし装置300における処理の流れを示すフローチャートである。
【0033】
まず、入力電子画像は、ウェーブレット変換部110によって低周波成分データと低周波成分データ以外の高周波成分データとに分離される(S401)。次に、ステップS401で分離されて得られた低周波成分データは、所定フレーム数または所定フィールド数に亘って、各画素で、画像データの平均値が算出される(S402)。次に、ステップS402で算出された平均値が、上記の低周波成分データを構成する各データから差し引かれる(S403)。これによって、上記の図柄抑制信号g(t)+fk(t)が生成される。最後に、図柄抑制信号g(t)+fk(t)に基準信号fk(t)が乗じられ、フレームについて統計的処理が施されて基準信号成分fk(t)が検出される(S404)。
なお、検出された信号成分を電子透かしとして元の入力電子画像から除去することにより、電子透かしが埋め込まれていない入力電子画像を再現することができる。
【0034】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態に係る動画用低ビットレート可逆電子透かし装置は、フレーム方向またはフィールド方向に埋め込まれた電子透かしの情報を検出するため、データ伝送等のために画像データが圧縮されていても埋め込まれた情報が破壊されないと共に、元の画像が再現できる。
【0035】
なお、本発明の第2の実施の形態では、動画用低ビットレート可逆電子透かし装置300を用いて上記のステップS401〜S404の各ステップでの処理を行う動画用低ビットレート可逆電子透かし方法について説明したが、これらのステップS401〜S404を含む電子透かし検出動作を実行させるための動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムがインストールされた所定のコンピュータを用いて実施することも可能である。
【0036】
また、本発明は、所定の記憶媒体に記憶された上記の動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムをコンピュータにロードする方法のほかに、上記動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムを通信インターフェースおよびネットワークからファイル形式で取得し、上記のコンピュータで実施する方法によっても同様の効果が得られる。さらに、ネットワークを用いることでプログラムの更新や配布が容易となる。
【0037】
さらに、上記の動画用低ビットレート可逆電子透かし装置、方法、およびそのプログラムでは、ウェーブレット変換を用いて低周波成分データを生成し、縮小画像から電子透かしを検出しているが、ウェーブレット変換以外の方法で低周波成分データを生成するのでも、縮小される前の画像から電子透かしの情報を検出するのでも、さらには、直接、入力画像から検出するのでも同様の効果を得ることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、数十kbps以下の低ビットレートのデータ伝送速度で伝送される画像データに圧縮された場合であっても、埋め込まれた情報が破壊されないと共に、元の画像が再現できる動画用低ビットレート可逆電子透かし装置およびそのプログラムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る動画用低ビットレート可逆電子透かし装置の概略のブロック構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る動画用低ビットレート可逆電子透かし装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る動画用低ビットレート可逆電子透かし装置の概略のブロック構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る動画用低ビットレート可逆電子透かし装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
100、300 動画用低ビットレート可逆電子透かし装置
110 ウェーブレット変換部
120 電子透かし情報埋込部
130 ウェーブレット逆変換部
320 平均値算出部
330 減算部
340 乗算部

Claims (10)

  1. 複数フレームまたは複数フィールドの画像データからなる動画像に、前記フレーム方向または前記フィールド方向に所定周波数の画像データを加算して電子透かし埋め込み動画像を生成することを特徴とする動画用低ビットレート可逆電子透かし装置。
  2. 動画像を構成する各フレームまたは各フィールドの画像データを低周波成分からなるデータである低周波成分データと低周波成分以外の周波数成分である高周波成分データとに分離する周波数成分分離手段と、電子透かし情報として前記フレーム方向または前記フィールド方向に所定周波数の画像データを前記低周波成分データに加算して電子透かし入り低周波成分データを生成する電子透かし情報埋込手段と、前記電子透かし入り低周波成分データを前記高周波成分データと合成して電子透かし埋め込み動画像を生成する埋込画像生成手段とを備えたことを特徴とする動画用低ビットレート可逆電子透かし装置。
  3. 前記フレーム方向または前記フィールド方向に、周波数、位相、または振幅が異なる複数の画像データを組み合わせて前記電子透かし情報を表現することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の動画用低ビットレート可逆電子透かし装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子透かし埋め込み動画像を構成する各フレームまたは各フィールドの画像データを低周波成分データと高周波成分データとに分離する周波数成分分離手段と、前記周波数成分分離手段が前記画像データを分離することによって得られた低周波成分データから前記フレーム方向または前記フィールド方向に前記特定周波数の画像データを抽出する抽出手段とを備えたことを特徴とする動画用低ビットレート可逆電子透かし装置。
  5. 前記動画用低ビットレート可逆電子透かし装置は、さらに、前記で抽出した所定周波数の各画像データと逆極性の画像データを前記電子透かし埋め込み動画像に加算して元の動画像を生成する手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の動画用低ビットレート可逆電子透かし装置。
  6. 複数フレームまたは複数フィールドの画像データからなる動画像に、前記フレーム方向または前記フィールド方向に所定周波数の画像データを加算して電子透かし埋め込み動画像を生成するステップを、コンピュータに実行させることを特徴とする動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラム。
  7. コンピュータに、動画像を構成する各フレームまたは各フィールドの画像データを低周波成分からなるデータである低周波成分データと低周波成分以外の周波数成分である高周波成分データとに分離する周波数成分分離ステップと、電子透かし情報として前記フレーム方向または前記フィールド方向に所定周波数の画像データを前記低周波成分データに加算して電子透かし入り低周波成分データを生成する電子透かし情報埋込ステップと、前記電子透かし情報埋込ステップで生成された電子透かし入り低周波成分データと前記高周波成分データと合成して電子透かし埋め込み動画像を生成する埋込画像生成ステップとを実行させることを特徴とする動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラム。
  8. 前記フレーム方向または前記フィールド方向に、周波数、位相、または振幅が異なる複数の画像データを組み合わせて前記電子透かし情報を表現することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラム。
  9. 請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の電子透かし埋め込み動画像を構成する各フレームまたは各フィールドの画像データを低周波成分データと高周波成分データとに分離する周波数成分分離ステップと、前記周波数成分分離ステップで前記画像データを分離することによって得られた低周波成分データから前記フレーム方向または前記フィールド方向に前記特定周波数の画像データを抽出する抽出ステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とする動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラム。
  10. 前記動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラムは、さらに、前記で抽出した所定周波数の各画像データと逆極性の画像データを前記電子透かし埋め込み動画像に加算して元の動画像を生成するステップを、コンピュータに実行させることを特徴とする請求項9に記載の動画用低ビットレート可逆電子透かしプログラム。
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