JP2004171966A - 面照明装置 - Google Patents

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Koji Fukui
厚司 福井
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Abstract

【課題】輝度が高く、輝度バラツキも小さい面照明装置を提供する。
【解決手段】光源たる発光ダイオード2を、発光素子を封止する透明樹脂層14が前記発光素子の発光中心を曲率中心とした円弧面14aを有し、この透明樹脂層14の円弧面14aにおいて前記導光板3の側面に形成された凹部10に、前記透明樹脂層14と同等の屈折率を有する透明樹脂接着剤層11で接着された構成とする。光射出面を円弧面14aとしたことで、発光素子から射出された光(および発光素子から側方へ射出されリフレクタで反射された光)の光射出面での全反射をなくし、それにより発光ダイオード2内に閉じ込められて吸収される光を低減して、発光ダイオード2からの光取り出し率を向上させることができる。これにより、輝度アップできるとともに、発光ダイオード2と導光板3との密着程度が光利用効率に及ぼす影響を小さくして、接着位置、接着剤塗布量のバラツキに起因する面照明装置1の輝度バラツキを小さくできる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置などに用いられる面照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ、携帯端末、携帯電話などの表示装置として、液晶表示装置が広く用いられている。液晶表示装置は、液晶パネルを面照明装置で照明するように構成されており、薄型のものでは、導光板の側面から光を入射する面照明装置、いわゆるサイドエッジ型バックライトが用いられている。そのなかで、携帯端末、携帯電話などのモバイル用の面照明装置には、小型化および低消費電力化のために発光ダイオードが光源として用いられている。
【0003】
従来の面照明装置に、たとえば図9(a)(b)に示すものがある(例えば特許文献1参照)。この面照明装置では、発光ダイオード41が導光板42の側面に接着剤層43で密着されている。導光板42には、図示を省略するが、液晶パネルに対向する片面に拡散フィルムが重ねられ、それに背反する片面に反射フィルムが重ねられている。
【0004】
発光ダイオード41は、発光素子44がリフレクタ45内に配置され透明樹脂層46で封止されてパッケージ化されている。導光板42の光入射部の片面(反射フィルム側の面)には、発光素子44に近くて光の強い部分に小さな拡散用ドット47が形成され、発光素子44から遠くて光の弱い部分に大きな拡散用ドット48が形成されている。
【0005】
これにより発光素子44からの光49は、透明樹脂層46と接着剤層43を通過して導光板42内に入射し、拡散フィルム側の面と反射フィルム側の面で反射を繰り返しながら伝達され、そのうちの一部がドット47、48で散乱されて拡散フィルム側に射出されるのであるが、その際に、上記した小さなドット47、大きなドット48の配置によって、光入射部の光バラツキが低減されるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−51130号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の面照明装置の発光ダイオード41では、発光素子44から斜め方向に射出する光の大部分が透明樹脂層46と空気層との界面で全反射して、パッケージ内に閉じ込められ、発光素子44などに吸収されてしまい、光損失となっていた。
【0008】
このような光損失を低減して面照明装置としての輝度をアップさせるためには、発光ダイオード41と導光板42とを密着させればよいのであるが、密着の程度に拠って発光ダイオード41からの光取り出し率が大きく異なることになり、換言すると、接着位置、接着剤塗布量などによって面照明装置の輝度が大きくばらついてしまうという問題があった。
【0009】
一方、上記した拡散用ドット47、48による光ムラ(輝度バラツキ)低減方式は、発光ダイオード41の近傍にドット47、48を配置して発光ダイオード41,41間の暗部へ光を伝播させるものであるため、発光ダイオード41,41間の輝度バラツキは低減されるものの、導光板42の光入射部の輝度が他の部分に比べて高くなるという問題があった。
【0010】
本発明は上記問題を解決するもので、輝度が高く、輝度バラツキも小さい面照明装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、導光板の側面に光源が配置された面照明装置であって、前記光源は、発光部を封止する透明樹脂層が前記発光部の発光中心を曲率中心とした円弧面を有し、この透明樹脂層の円弧面において前記導光板の側面に形成された凹部に前記透明樹脂層と同等の屈折率を有する接着剤で接着されたことを特徴とするもので、光射出面を円弧面としたことで、発光部から射出された光(および発光部から側方へ射出されリフレクタで反射された光)の光射出面での全反射をなくし、光源内に閉じ込められて吸収される光を低減して、光源からの光取り出し率を向上させることができる。これにより、輝度アップできるとともに、光源と導光板との密着程度が光利用効率に及ぼす影響を小さくして、接着位置、接着剤塗布量のバラツキに起因する面照明装置の輝度バラツキを小さくできる。
【0012】
好ましくは、透明樹脂層の円弧面の直径をd、樹脂屈折率をn、円弧面の周縁部から発光部の発光中心までの距離をhとしたとき、円弧面の曲率半径Rが以下の式
【0013】
【数2】
Figure 2004171966
で規定される範囲となるように、円弧面を形成する。これにより、発光部からの光の光射出面での全反射をより確実になくすことができる。
【0014】
また本発明は、導光板の側面に光源が配置された面照明装置であって、前記光源は、発光部を封止する透明樹脂層が回転放物面形状をなし、その焦点位置あるいはその近傍に前記発光部の発光中心が位置し、回転放物面に背反する透明樹脂層の平坦面において前記導光板の側面に接合されたことを特徴とするもので、回転放物面形状の透明樹脂層の焦点位置あるいはその近傍に発光部を配置しているため、発光部から側方への射出光は透明樹脂層の放物面で反射した後に光射出面に対して垂直に近い角度で入射することになり、光射出面での反射率を小さくし、光源内に閉じ込められて吸収される光を低減して、光源からの光取り出し率を向上させることができる。これにより、輝度アップできるとともに、光源と導光板との密着程度が光利用効率に及ぼす影響を小さくして、接着位置、接着剤塗布量のバラツキに起因する面照明装置の輝度バラツキを小さくできる。光源の光射出面が平坦面であるため、導光板との接合も容易である。
【0015】
さらに本発明は、導光板の側面に光源が配置された面照明装置であって、前記光源が配置された側面の近傍の導光板の片面に、前記側面と交わる方向にそれぞれ延び、前記光源からの入射光を散乱させる複数のV状溝が形成されたことを特徴とするもので、導光板に側面から入射した光は、この光入射部で各V状溝により分割されて、各溝が延びている方向(溝の軸心方向)に伝播しつつ、各溝の交差部分で互いに交じり合って、均一化されることになり、この光入射部で輝度が高くなりすぎる輝度バラツキを防止できる。また、このように導光板の片面にV状溝を設ける構成であるため、大きさの異なる拡散用ドットを設ける従来の構成に比べて加工が容易である。
【0016】
好ましくは、V状溝は、光源が配置された側面に対して垂直方向および±45°方向にそれぞれ延び、頂角が90°をなすように形成する。これにより、光入射部で輝度が高くなりすぎることをより効果的に防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における面照明装置を備えた液晶表示装置の概略構成を示す断面図であり、図2は同面照明装置の一部断面図、図3は同面照明装置の光源の断面図である。
【0018】
図1において、1は面照明装置であり、光源たる発光ダイオード2が概ね矩形平板状の導光板3の側面に設けられている。導光板3はアクリル樹脂、ポリカーボネートなどの透明樹脂よりなり、片面(以下、下面という)に反射シート4が重ねられ、もう片面(以下、上面という)に、拡散シート5、集光シート6が重ねられている。7は面照明装置1をバックライトとする液晶パネルであって、2枚のガラス板の間に液晶を挟み込んで構成されており、両側に偏光板8、9が重ねられている。
【0019】
このような構成により、発光ダイオード2より導光板3内に入射した光は、導光板3の上面と下面との間を全反射しながら伝播していき、導光板3の下面に形成された拡散用ドット(図示せず)で散乱されて導光板3の外部へ射出する。導光板3の下面より射出した光は反射シート4で反射し、導光板3の上面方向へと向きを変える。導光板3の上面から射出した光は拡散シート5に入射して散乱され、それにより拡散用ドットの模様が消されて均一化される。そして、拡散シート5から射出した光が集光シート6によって上方に集光され、液晶パネル7を照明する。
【0020】
面照明装置1の光入射部について詳述する。
図2に示すように、導光板3の側面には複数個のコの字形の凹部10が形成されており、各凹部10内に上記した発光ダイオード2が配置され、透明樹脂接着剤層11で接着されている。
【0021】
図3に示すように、発光ダイオード2は、通電によって光をy方向を中心にして射出する発光素子12と、発光素子12の側面から射出された光を反射するリフレクタ13と、発光素子12を封止する透明樹脂層14とを有している。リフレクタ13は、発光素子12を収容したケーシングに所定の開口径にて凹状に設けられており、透明樹脂層14は、リフレクタ13の開口端まで充填されて、発光素子12の発光中心12aを曲率中心とする円弧面14aを形成している。
【0022】
ここで透明樹脂層14は、円弧面14aの直径をd、樹脂屈折率をn、円弧面14の周縁部(リフレクタ13の開口端)から発光素子12の発光中心12aまでの距離をhとしたとき、円弧面14aの曲率半径Rが以下のように規定されるものである。
【0023】
【数3】
Figure 2004171966
このような発光ダイオード2が、透明樹脂層14の円弧面14aを光射出面として、導光板3の側面(すなわち凹部10の底面)に向けて配置されているのである。ただし、導光板3の側面のコの字形の凹部10は、少なくとも発光ダイオード2の透明樹脂層14の距離hより大きく形成され、この凹部10内に発光ダイオード2を接着している透明樹脂接着剤層11は発光ダイオード2の透明樹脂層14とほぼ同等の屈折率を有している。透明樹脂接着剤層11,透明樹脂層14は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどから選ばれる。
【0024】
発光ダイオード2からの射出光について説明する。
発光ダイオード2から主にy方向に射出される光は、透明樹脂層14と空気との境界面に対して垂直に近い角度で交わる。一般に、屈折率の異なる界面での光の反射率R1は、以下に(2式)として示したフレネルの式で表わされる。
【0025】
【数4】
Figure 2004171966
ここで、n1は入射側の屈折率、θ1は境界面の法線方向を基準とした光線の入射角、n2は出射側の屈折率、θ2は同光線の出射角である。rsはs偏光の振幅反射率、rpはp偏光の振幅反射率である。
【0026】
透明樹脂層の屈折率をn1=1.5とし、空気の屈折率をn2=1.0とすると、入射角(θ1)と反射率(R1)との関係は図4のグラフで示される。
グラフからわかるように、入射角(θ1)が0に近いほど(つまり境界面に対して垂直に近く入射するほど)反射率(R1)は小さくなり、逆に入射角(θ1)が大きいほど反射率(R1)は大きくなる。入射角(θ1)が41.8度を越えると全反射が生じ、入射光は境界面で100%反射している。
【0027】
上記した発光ダイオード2では、光射出面を上記したような円弧面14a(あるいは球面)としたため、発光素子12から射出された光やリフレクタ13で反射した光は、光射出面で全反射することはほとんどなく、発光ダイオード2内に閉じ込められ吸収されることを低減できる。よって発光ダイオード2からの光取り出し率が向上する。
【0028】
図3に示したように発光素子12の射出光が円弧面14aへ入射する角度をaとし、入射位置での円弧面14aの傾きをθ、円弧面14aの曲率半径をRとすると、曲率半径Rは以下の通り表わされる。d、h、rは前記と同意義である。
【0029】
【数5】
Figure 2004171966
光線が全反射しない条件は、a<sin−1(1/n)であるが(nは前記と同意義である)、aが全反射角に近いほど境界面での反射率が大きくなるため、
|a|<(2×sin−1(1/n)) …(4式)
とする。(3式)、(4式)より、円弧面14aの曲率半径Rの範囲は以下のように求められる。d、h、n、は前記と同意義である。
【0030】
【数6】
Figure 2004171966
このため、上記したように曲率半径Rをこの範囲とすることで、発光ダイオード2からの光取り出し率を最大限に大きくして、輝度アップできるとともに、発光ダイオード2と導光板3との密着程度が光利用効率に及ぼす影響を小さくし、接着位置、接着剤塗布量のバラツキに起因する面照明装置1の輝度バラツキを小さくできるのである。
【0031】
なお、発光ダイオード2の光射出面を円弧面14a(すなわち曲面)としたことで発光ダイオード2からの斜め方向の射出光が多くなるが、導光板3に凹部10を形成してその内部に発光ダイオード2を配置しているため、発光ダイオード2からの射出光を効率よく導光板3に入射させることができる。
【0032】
このようにして輝度バラツキの小さい面照明装置1を実現できる結果、液晶表示装置の量産性を向上させることが可能となる。つまり、輝度バラツキが小さいため生産歩留まりが向上するだけでなく、従来は、輝度バラツキを小さくするために接着剤の塗布量の管理、硬化条件の管理を厳しくしなければならず、そのために頻繁に設備を止めてチェックする作業が必要であったのを、不要化できるのである。
【0033】
なお、この実施の形態1においては、導光板3の凹部10をコの字形として説明したが、曲面状の凹部としてもよい。発光ダイオード2は上記したような3個に限定されるものではない。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における面照明装置の一部断面図である。
【0034】
この面照明装置1も、実施の形態1の面照明装置と同様に、光源たる発光ダイオード2を導光板3の側面に配置して構成されている。
ただし、導光板3には、実施の形態1の面照明装置に設けられたような発光ダイオード2設置用の凹部は形成されていない。
【0035】
また、発光ダイオード2において、発光素子12を封止する透明樹脂層15は、回転軸16を中心とした回転放物面形状をなし、放物面15aの焦点位置(あるいはその近傍位置でもよい)に上記した発光素子12の発光中心が位置しており、回転軸16に対して垂直な方向の平坦面15bを光射出面としている。ここで回転放物面形状とは、放物線あるいは半楕円を回転させて得られる外形を有した形状を言う。
【0036】
そしてこの発光ダイオード2が、その透明樹脂層15の平坦面15bにおいて、透明樹脂層15とほぼ同等の屈折率を有した透明樹脂接着剤層17により導光板3の側面に接着されている。リフレクタ18は、透明樹脂層15の頂部に放物面15aに沿って設けられている。
【0037】
このような構成により、透明樹脂層15の放物面15aの焦点位置(あるいはその近傍位置)に配置された発光素子12からの射出光は、放物面15a(空気層との界面)で反射して回転軸16とほぼ平行な向き、すなわち光射出面である平坦面15bに対してほぼ垂直な向きとなる。このような向きの光が増える結果、光射出面でのフレネル反射が小さくなり、発光ダイオード2の内部への戻り光が低減され、発光ダイオード2からの光取り出し率が向上する。
【0038】
これにより、輝度アップできるとともに、発光ダイオード2と導光板3との密着程度が光利用効率に及ぼす影響を小さくして、接着位置、接着剤塗布量のバラツキに起因する面照明装置1の輝度バラツキを小さくできる。発光ダイオード2の光射出面が平坦面15bであるため、導光板3との接着も容易である。
【0039】
このように輝度バラツキの小さい面照明装置1を実現できる結果、液晶表示装置の量産性を向上させることができる。
なお、発光ダイオード2の透明樹脂層15の回転放物面形状が半楕円を回転させた形状である場合には、その焦点より外側に発光素子12を配置すればよい。
【0040】
また、透明樹脂層15の放物面15aの頂部にのみリフレクタ17を設けたが、放物面15aの全面にリフレクタ17を設けてもよい。発光ダイオード2の透明樹脂層15と導光板3とを透明樹脂接着剤層18で接着したが、レーザ、あるいは、超音波振動による熱溶着で接合してもよい。
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3における面照明装置の概略全体構成を示す正面図、図7は同面照明装置の概略構成を示す分離断面図である。
【0041】
この面照明装置1も、実施の形態1の面照明装置と同様に、光源たる発光ダイオード2を導光板3の側面に複数個、ここでは3個配置して構成されている。
ただし、図6および図7に示すように、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどの透明樹脂により矩形平板状に形成された導光板3には、拡散シート5側の面(以下、上面という)であって、発光ダイオード2が配置された側面(以下、入射側面という)の近傍部分に、光拡散用の3方向の溝19,20,21が形成されている。反射シート4側の面(以下、下面という)であって、溝19,20,21に背反しない部分に拡散用ドット22が形成されている。
【0042】
溝19は入射側面に対して垂直方向に延び、残りの溝20,21は入射側面に対して±45°方向に延びており、溝19,20,21は互いに交差している。
溝19,20,21の頂角はそれぞれほぼ90°である。各発光ダイオード2は溝19,20,21の端部が集まっている位置に配置されている。
【0043】
このような面照明装置1において、発光ダイオード2より射出され導光板3に入射側面から入射した光は、導光板3の上面と下面との間を全反射しながら伝播していく。
【0044】
その際に、上記したように導光板3の入射側面の近傍の上面に頂角90°の溝19、20、21が形成されているため、各発光ダイオード2から入射側面を通って導光板3内に入射した光は、入射側面の近傍で溝19、20、21により3方向に分割されて、各発光ダイオード2の設置位置から隣の発光ダイオード2の設置位置寄りの位置へ向かう方向へと、また入射側面からそれに背反する側面へ向かう方向へと、溝19、20、21が延びている方向に導光板3内を伝播していく。
【0045】
なおその際に、図8に示すように、各溝19、20、21に入射した光線23は、斜面24で反射した後に隣の斜面25で再度反射して、入射時と同じ方向に進み、導光板3の下面で反射する、というように斜面24、25の近傍で反射を繰り返し、溝断面内でほぼ同じ位置に留まりながら伝播していく。
【0046】
そして伝播途中に溝19、20、21の交差部分で互いに交じり合い、均一化される。
このようにして、導光板3の上面に溝19,20,21を形成したことで、溝19,20,21により光を導光板3内に閉じ込めて導光板3内を伝播させることができ、発光ダイオード2の配列方向に沿う方向の輝度バラツキを防止できるとともに、入射側面の近傍から光が出て輝度が高くなることを防止することができる。
【0047】
なおこのとき、溝19、20、21を、入射側面に対して垂直方向および±45°方向にそれぞれ延び、頂角が90°をなすように形成していることにより、入射側面の近傍で輝度が高くなりすぎる輝度バラツキを効果的に防止できる。これは、以下の理由からである。
【0048】
V状溝の頂角が90°の時に、導光板に側面から入射した光が導光板外に出にくく、かつ溝方向に沿って伝播し易い。V状溝の延び方向が、光源が配置された側面に対して垂直方向の時に、前記側面からの入射光が溝方向に沿って伝播し易く、光源が配置された側面に対して±45°の時に、前記側面からの入射光が導光板外に出にくい。逆に、V状溝の延び方向が+45°を越えるかあるいは−45°より小さいと(つまり垂直方向に近づくと)、前記側面からの入射光が導光板外により出易くなり、V状溝の延び方向が+45°より小さいかあるいは−45°より大きいと(つまり前記側面に近づくと)、前記側面からの入射光を伝播させるために長いV状溝を要することになり、望ましくない。
【0049】
そして、溝19、20、21によって均一化された光が、導光板3の下面の拡散用ドット22に入射して散乱され、導光板3の外に射出していく。拡散用ドット22には、従来担わせていた光均一化機能と光取り出し機能との内、光取り出し機能を主に発揮させることになる。
【0050】
これらの結果、輝度バラツキの小さい、つまり均一性の高い面照明装置1を実現することができ、それにより液晶表示装置の表示品位を向上させることができる。
【0051】
また、導光板3の上面の溝19,20,21により入射側面の近傍で光を均一化するようにしたことで、発光ダイオード2と導光板3とを接着することが可能になり、発光ダイオード2からの光取り出し効率を向上し、面照明装置1の輝度アップを図ることができる。
なお、この実施の形態3では、導光板3の上面に形成するV状溝を、入射側面に対して垂直方向に延びる溝19と、入射側面に対して±45°方向に延びる溝20,21としたが、±45°に代えて0〜±45度の間の角度を採用してもよい。
【0052】
また、導光板3の下面に、上記した拡散用ドットに代えてV状溝を形成して、導光板3から直接に拡散シートの方向に光を射出させるようにしてもよい。
上記した実施の形態1、2、3では、光源として発光ダイオード2を挙げて説明したが、白熱灯など、他の光源を用いて面照明装置1を構成しても同様の効果を得ることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、光源の光射出面を円弧面とすることで、発光部から射出された光の光射出面での全反射をなくして、光取り出し効率を向上させることができ、これにより、輝度アップできるとともに、発光ダイオードと導光板との密着程度が光利用効率に及ぼす影響を小さくして、接着位置、接着剤塗布量のバラツキによる面照明装置の輝度バラツキを小さくできる。好ましくは円弧面の曲率半径Rを上述した特定の範囲とすることで、発光部からの光の光射出面での全反射をより確実になくすことができる。
【0054】
また、発光部を封止する透明樹脂層を回転放物面形状とし、その焦点位置あるいはその近傍に前記発光部の発光中心を位置させることで、光射出面での反射率を小さくして、光取り出し効率を向上させることができ、これにより、輝度アップできるとともに、発光ダイオードと導光板との密着程度が光利用効率に及ぼす影響を小さくして、接着の位置、塗布量のバラツキによる面照明装置の輝度バラツキを小さくできる。光源の光射出面が平坦面なので導光板との接着も容易である。
【0055】
また、光源が配置された側面の近傍の導光板の片面に、前記側面と交わる方向にそれぞれ延び、光源からの入射光を散乱させる複数のV状溝を形成することで、この光入射部で輝度が高くなりすぎる輝度バラツキを防止し、面照明装置の輝度均一化を実現できる。好ましくはV状溝を、光源が配置された側面に対して垂直方向および±45°方向にそれぞれ延び、頂角が90°をなすように形成することで、輝度バラツキをより効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における面照明装置を備えた液晶表示装置の概略構成を示す断面図
【図2】図1の面照明装置の一部断面図
【図3】図1の面照明装置の光源の断面図
【図4】図1の面照明装置を構成する透明樹脂層の光射出面における入射角と反射率との関係を示すグラフ
【図5】本発明の実施の形態2における面照明装置の一部断面図
【図6】本発明の実施の形態3における面照明装置の概略全体構成を示す正面図
【図7】図6の面照明装置を備えた液晶表示装置の概略構成を示す断面図
【図8】図6の面照明装置の導光板における光路を説明する模式図
【図9】従来の面照明装置の概略構成を示す(a)一部正面図および(b)一部拡大断面図
【符号の説明】
1 面照明装置
2 発光ダイオード(光源)
3 導光板
10 凹部
11 透明樹脂接着剤層
12 発光素子(発光部)
14 透明樹脂層
14a 円弧面
15 透明樹脂層
15a 放物面
15b 平坦面
19,20,21 V状溝

Claims (5)

  1. 導光板の側面に光源が配置された面照明装置であって、前記光源は、発光部を封止する透明樹脂層が前記発光部の発光中心を曲率中心とした円弧面を有し、この透明樹脂層の円弧面において前記導光板の側面に形成された凹部に前記透明樹脂層と同等の屈折率を有する接着剤で接着されたことを特徴とする面照明装置。
  2. 透明樹脂層の円弧面の直径をd、樹脂屈折率をn、円弧面の周縁部から発光部の発光中心までの距離をhとしたとき、円弧面の曲率半径Rが以下の式
    Figure 2004171966
    で規定されることを特徴とする請求項1記載の面照明装置。
  3. 導光板の側面に光源が配置された面照明装置であって、前記光源は、発光部を封止する透明樹脂層が回転放物面形状をなし、その焦点位置あるいはその近傍に前記発光部の発光中心が位置し、回転放物面に背反する透明樹脂層の平坦面において前記導光板の側面に接合されたことを特徴とする面照明装置。
  4. 導光板の側面に光源が配置された面照明装置であって、前記光源が配置された側面の近傍の導光板の片面に、前記側面と交わる方向にそれぞれ延び、前記光源からの入射光を散乱させる複数のV状溝が形成されたことを特徴とする面照明装置。
  5. V状溝が、光源が配置された側面に対して垂直方向および±45°方向にそれぞれ延び、頂角が90°をなすことを特徴とする請求項4記載の面照明装置。
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