JP2004171353A - 組立生産のための生産支援プログラム、生産支援方法及び生産支援システム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の部品からなる製品の製造行程等で部品の寸法乃至形状に異常のあることが発見されたときに、その部品を交換するか否か判断して常に適切な対応を迅速に行えるようにし、これにより生産効率を向上しながら作業者の負担を軽減する。
【解決手段】自動車の車両組立ラインLで発見された異常部品(例えばルーフサイドモール4)の部品コードと画像データとを、組み立てラインLのコンピュータ端末6から工場内LAN7を介して検査部門のワークステーション10に送信して、入力する(S1)。該ワークステーション10において異常部品を含む仮想の3次元車体モデルを構築し(S2,S4)、この車体モデルを用いて各部品の組み付け状態や振動、熱変形等を模擬するシミュレーションを行う(S4,S8,S12)。シミュレーションの結果に基づいて異常部品の組み付けの可否を判定する(S5,S9,S13)。
【選択図】 図8
【解決手段】自動車の車両組立ラインLで発見された異常部品(例えばルーフサイドモール4)の部品コードと画像データとを、組み立てラインLのコンピュータ端末6から工場内LAN7を介して検査部門のワークステーション10に送信して、入力する(S1)。該ワークステーション10において異常部品を含む仮想の3次元車体モデルを構築し(S2,S4)、この車体モデルを用いて各部品の組み付け状態や振動、熱変形等を模擬するシミュレーションを行う(S4,S8,S12)。シミュレーションの結果に基づいて異常部品の組み付けの可否を判定する(S5,S9,S13)。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製造工程等において寸法乃至形状に異常のある部品(形状に関する異常のある異常部品)が発見されたときに、その異常に関する情報を適切に処理することによって、製品の組立生産を支援するようにした生産支援システム等に関する。尚、ここでいう製品とは、一般消費者に提供される最終商品に限定されるものではなく、最終製品の一部を構成するユニットとかモジュール等と呼ばれる中間製品も含む。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数の部品からなる製品の組立ラインや、市場にて修理やメンテナンスを行うサービス工場において作業者が製品の品質に係る情報を端末に入力することにより、当該製品の品質に関する総合的なデータを統計的に得られるようにすることは知られている。例えば、特許文献1に開示される品質情報の入力方法等によれば、現場の端末において作業者が製品の品質に係る項目、事象、責任、補修等の多数の情報を入力するようになっており、この際、作業者の負担を軽減して入力ミスの発生を防止するために、情報のコードをキー入力させるのではなく、画面上で強調表示されている情報のボタンを選択させて、それだけで、その情報に対応するコードが自動的に入力されるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−20980号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的に、製品を構成する一部の部品の寸法形状に狂いがあると、この部品(異常部品)が周囲の部品と干渉して、その組み付け自体が困難になったり、或いは組み付け自体は可能であっても製品としての機能や耐久性が低下したり、故障を誘発したりする虞れがある。従って、通常は作業者により異常の発見された部品は異常のない部品に交換されることになる。
【0005】
しかし、作業者により寸法形状の狂いが容易に認められるような異常部品であっても、その組み付けは可能であり、しかも製品の機能や耐久性等には実質的な影響を及ぼさない場合がある。このような場合にまで一律に部品を交換するというのは資源の無駄遣いであり、作業効率上も好ましくない。
【0006】
特に、例えば自動車のように数万点にも及ぶ膨大な部品点数を有する製品の場合、その部品の一部は遠隔地から運搬されていることも多く、このような部品に異常が発見されると、その異常部品の交換のためだけに長時間、ラインを停止しなくてはならなくなる可能性があるから、大きな問題になる。
【0007】
一方、製品の機能に不具合を生じるような異常部品については正常な部品に交換することが必須であるが、上述の如く部品の点数が膨大なものとなる場合には、異常部品を発見したときにこれを交換するかどうか迅速に且つ常に間違いなく判断することを現場の作業者に求めるというのは、非現実的であるといわざるを得ない。
【0008】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、異常部品を交換するか否かの判断の手順に工夫を凝らして、適切な対応を迅速に行えるようにすることで、生産効率を向上しながら、製造現場の作業者の負担を軽減することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために本発明の解決手段では、製品の製造工程等で部品の形状に関する異常が発見されたときには、コンピュータ装置を用いて、その異常部品の状態を再現する製品モデルの3次元シミュレーションを行って、当該異常部品の組み付けの可否を判断するようにした。
【0010】
具体的に、請求項1の発明は、複数の部品からなる製品の少なくとも組み立て状態をコンピュータ装置を用いて模擬して、その製品の生産を支援するためのコンピュータプログラム(生産支援プログラム)であって、前記製品の製造工程及び部品の流通経路(部品の製造工場の検査場、部品の受注工場の検査場、或いは市場のサービスセンター(ディーラー)を含む)の少なくとも一方において形状に関する異常が発見された異常部品についての情報を入力させる入力ステップと、該入力ステップで入力された情報に基づいて、前記異常部品を含んで組み立てられた製品を模擬する3次元の製品モデルを構築するモデル構築ステップと、該モデル構築ステップにて構築された製品モデルを用いてその製品の評価を行う評価ステップと、を備えるものとする。
【0011】
前記のプログラムによれば、製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方において部品の形状に関する異常が発見されると、入力ステップにおいてその異常部品についての情報が入力され、モデル構築ステップにおいて前記異常部品の情報に基づいて、当該異常部品を含んで組み立てられた製品を模擬する3次元の製品モデルが構築される。そして、評価ステップにおいて、前記製品モデルを用いて製品の評価が行われる。
【0012】
すなわち、例えば、構成部品の組み合わされた3次元の製品モデルにおいて異常部品とそれ以外の部品との相互の位置関係が適正なものかどうか、つまり、例えば部品同士が干渉しているかどうか、干渉によって部品に大きな歪みや応力が発生するかどうか、或いは部品相互のクリアランスは設定基準内かどうか等々、所定の評価項目について数学的な記述に基づく定量的な評価が行われる(請求項10の発明)。
【0013】
また、例えば、前記3次元の製品モデルを用いて製品の使用状態を模擬する仮想の耐久試験を行い、この仮想の試験の結果、つまり、数学的に記述された製品の耐久性に関する評価値等に基づいて、製品の耐久性が定量的に評価される(請求項11の発明)。
【0014】
そのようなコンピュータシミュレーションに基づく定量的な評価結果を参考にすれば、異常部品の組み付けの可否を常に適切に且つ迅速に判断することができるので、作業者に無用の負担をかけることなく、交換の必須な異常部品のみを確実に交換して、資源の無駄遣いを防止し、作業効率を向上することができる。尚、生産支援プログラム自体に、前記評価ステップにおける製品の評価結果に基づいて、異常部品の組み付けの可否を判定する判定ステップを備えるようにすれば、さらに好ましい(請求項2の発明)。
【0015】
本発明についてより詳しくは、コンピュータ装置には、正常な部品を模擬する3次元の部品モデルが予め記憶されているデータベースを接続しておいて、前記生産支援プログラムの入力ステップでは、少なくとも、異常部品を特定する特定情報と、その異常部品の異常状態に関する異常情報とを入力させるようにする。そして、モデル構築ステップでは、前記データベースから部品モデルを読み込んで、その中から前記特定情報により特定される部品モデルの形状を前記異常情報に基づいて変更することにより、異常部品の部品モデルを構築し、さらに、この異常部品モデルとそれ以外の部品モデルとを組み合わせて、製品モデルを構築するようにすればよい(請求項3の発明)。
【0016】
その際、前記異常情報は、異常部品の3次元形状を認知可能な画像データとするのが好ましい(請求項4の発明)。また、コンピュータ装置には画像を表示するディスプレイ装置を接続しておいて、モデル構築ステップでは、データベースから読み込んだ部品モデルの画像と異常部品の画像とを前記ディスプレイ装置に重畳表示して、この表示を見ながら操作者が行うコンピュータ装置への入力に応じて、前記部品モデルの形状を変更するようにしてもよい(請求項5の発明)。こうすれば、高度の画像認識ソフトウエア等を用いることなく、異常の状態を正確に模擬する異常部品モデルを構築できる。
【0017】
さらに、前記生産支援プログラムの入力ステップでは、少なくとも異常部品を特定する特定情報を入力させるようにし、その特定情報に基づいて、異常部品の製造工程への搬入に関する所定の情報を報知する報知ステップをさらに備えるようにしてもよい(請求項6の発明)。その異常部品の搬入に関する所定情報としては、代わりの部品の納期を知る上で参考になるような情報が好ましい。これは、納期が長い場合にはその部品の手配を可及的速やかに行わなくてはならないので、このことを報知する必要性が高いからである。
【0018】
例えば、前記異常部品の搬入に関する所定情報としては、当該異常部品が船舶によって運搬されるものか否かの情報を含むのが好ましい(請求項7の発明)。すなわち、異常部品が船舶により運搬されるものであるとすれば、代わりの部品の納期がかなり長くなると考えられるので、そのことを報知することによって当該部品の交換のための手配を可及的速やかに行えるようにする。このことで、部品交換に伴う作業効率の低下を最小限に抑制できる。
【0019】
また、本発明において、前記コンピュータ装置を、製品の製造工程を有する工場の検査部門に設けるとともに、製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方の現場には、前記コンピュータ装置と双方向通信可能に接続した端末を配設し、前記生産支援プログラムの入力ステップでは、前記現場の端末に異常部品についての情報の入力操作を促す表示を行わせるとともに、これに応じて前記端末に入力されて該端末からコンピュータ装置に送信されてきた情報を受け入れるようにするのが好ましい(請求項8の発明)。こうすることで、異常部品の発見された現場にほど近い工場の検査部門において、当該異常部品の使用若しくは交換について適切且つ迅速な判断を下すことが可能になる。
【0020】
或いは、前記コンピュータ装置は製品の設計部門に設け、製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方の現場に、前記コンピュータ装置と双方向通信可能に接続した端末を配設するようにしてもよい。この場合にも、前記生産支援プログラムの入力ステップでは、前記現場の端末に異常部品についての情報の入力操作を促す表示を行わせるとともに、これに応じて前記端末に入力されて該端末から送信されてきた情報を受け入れるようにすればよい(請求項9の発明)。そして、こうすれば、機密性の高い設計情報を設計部門の外に出さないようにして、重要な技術情報の漏洩を未然に防止することができる。
【0021】
次に、請求項12の発明は、複数の部品からなる製品の少なくとも組み立て状態をコンピュータ装置を用いて模擬して、その製品の生産を支援する生産支援方法を対象とする。そして、前記製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方の現場に前記コンピュータ装置と双方向通信可能に接続した端末を配設しておいて、形状に関する異常が発見された異常部品についての情報を作業者により前記現場の端末に入力させて、この端末からコンピュータ装置に送信し、前記コンピュータ装置によって、前記異常部品を含んで組み立てられた製品を模擬する3次元の製品モデルを構築し、且つその製品モデルを用いて製品の評価のための演算を行い、この演算の結果に基づいて、異常部品の組み付けの可否を判定するようにする。
【0022】
この生産支援方法によれば、上述した請求項1の発明と同様に、コンピュータシミュレーションに基づく評価結果を参考にして、異常部品の組み付けの可否を常に適切に且つ迅速に判断することができるようになり、これにより、作業者に無用の負担をかけることなく、交換の必須な異常部品のみを確実に交換して、資源の無駄遣いを防止し、作業効率を向上できる。
【0023】
次に、請求項13の発明は、複数の部品からなる製品の少なくとも組み立て状態をコンピュータ装置を用いて模擬して、その製品の生産を支援するための生産支援システムを対象とする。そして、前記製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方の現場に、前記コンピュータ装置と双方向通信可能に接続された端末を配設し、この端末には、形状に関する異常の発見された異常部品についての情報が入力されたときに、その情報を前記コンピュータ装置に送信する送信手段を備える。また、前記コンピュータ装置には、前記異常部品についての情報に基づいて、その異常部品を含んで組み立てられた製品を模擬する3次元の製品モデルを構築するモデル構築手段と、該モデル構築手段により構築された製品モデルを用いてその製品の評価を行う評価手段とを備える構成とする。
【0024】
この生産支援システムによれば、前記請求項12の発明の生産支援方法を実現して、この請求項12の発明や上述した請求項1の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0025】
前記請求項13の発明における現場の端末には、異常部品についての情報の入力操作を促す表示を行う操作表示手段をさらに備えることが好ましい(請求項14の発明)。こうすることで、現場の作業者は、異常部品についての情報を容易にしかも間違いなく入力することができるようになる。
【0026】
また、前記請求項13の発明におけるコンピュータ装置には、評価手段による製品の評価結果に基づいて異常部品の組み付けの可否を判定する判定手段と、該判定手段による判定の結果を現場の端末に送信して、表示させる送信表示手段とをさらに備えることが好ましい(請求項14の発明)。こうすれば、異常部品の組み付けの可否について現場の作業者に確実に且つ迅速に指示することができるので、該作業者の負担を極小化することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0028】
(シミュレーション装置の全体構成)
図1は、本発明に係る生産支援システムAを自動車工場の車両組立ラインLに適用した実施形態を示す。この組立ラインLは、車体組立ラインや塗装ライン等の下流に設けられ、自動車の製造工程の一部分を構成するものである。以下、説明の便宜のために、塗装済の車体サブストレート(以下、PBSという)1に電気配線や内装部品、或いはガラス、モールディング等の外装部品を組み付ける艤装ラインを例にとって詳しい説明をする。
【0029】
図示の艤装ラインLでは、PBS1,1,…がコンベア2により搬送されていて、そのコンベア2の脇に所定間隔を空けて配設された作業ステーション3,3,…にそれぞれ所定の時間(タクトタイム)、停止した後に次のステーション3まで移動するようになっている。各ステーション3ではそれぞれPBS1に対して作業者による部品の取付が行われる。例えば、或る作業ステーション3では、図2に模式的に示すようにルーフサイドモール4が取り付けられ、また、別の作業ステーション3ではウインドシールドモール5(図5参照)が取り付けられる。
【0030】
前記作業ステーション3,3,…には、それぞれ生産管理のためのコンピュータ端末6,6,…が配設されている。これらの端末6,6,…は工場内LAN7(Local Area Network:通信回線)を介して生産管理用のサーバコンピュータ8と双方向通信可能に接続されており、サーバコンピュータ8から送信されてくる生産指示情報に基づいて、例えば車種毎に異なる取付部品の指示を行ったり、或いは作業者により入力される生産結果情報をサーバ8に送信して、生産管理データとして蓄積したりするためのものである。また、各作業ステーション3の端末6には、当該作業ステーション3においてPBS1に取り付ける部品に寸法乃至形状の異常(形状に関する異常)のあることが発見されたときに、この異常部品を複数の方向から撮影して、その3次元形状を認知可能な画像データを構成することができるように、デジタルカメラ9が接続されている。
【0031】
また、前記工場内LAN7には、図示しない最終検査ラインの付近に設けられた検査部門用のワークステーション10(コンピュータ装置)が双方向通信可能に接続されている。このワークステーション10では、例えば検査部門のエンジニアにより、最終検査ラインにおいて採取された検査結果のデータに基づいて生産効率や歩留まりの解析が行われるのであるが、それ以外に、この実施形態では、艤装ラインLにおいて異常部品が発見されたときに、これをPBS1に組み付けるか否か判断するためのシミュレーションが行われるようになっている。
【0032】
すなわち、例えば前記のルーフサイドモール4を取り付ける作業ステーション3において、作業者によりルーフサイドモール4の寸法乃至形状に狂いのあることが発見されたときには、このルーフサイドモール4、即ち異常部品についての情報が作業者により端末6に入力されて、工場内LAN7を介してワークステーション10に送られる。この情報を受けたワークステーション10では所定の操作が行われるのに応じて、異常のあるルーフサイドモール4等をPBS1に組み付けて艤装ラインLから搬出される状態の車体(異常部品を含んで組み立てられた製品)を模擬する仮想の3次元車体モデル(製品モデル)、若しくはさらにパワートレイン、サスペンション、タイヤ等を組み付けて完成させた仮想の車両モデル(製品モデル)を構築する。そして、その車体モデル等を用いて、PBS1へのルーフサイドモール4の組み付け等に関するシミュレーションを行い、この結果に基づいて組み付けの可否を判定する。
【0033】
より詳しくは、前記ワークステーション10は、周知の如く、内部にCPU、ROM、RAM等を備えるとともに、例えばブラウン管モニター(CRT)や液晶ディスプレイ(LCD)等のディスプレイ装置11や、図示しないが、キーボード、マウス等の入力デバイス及びプリンタ等が接続されたものであり、さらに、ワークステーション10には例えばハードディスクドライブ(HDD)や光ディスクドライブ(MO)等の記憶装置12が接続されている。この記憶装置12には、少なくとも、異常部品に関する情報等に基づいて前記のシミュレーションを行うための演算プログラムと、そのシミュレーションの結果に基づいて異常部品の組み付けの可否を判定する判定プログラムとが電子的に記憶されており、メインプログラムの起動時には、ワークステーション10を操作する操作者の入力に応じて、CPUにより所要のプログラムが記憶装置12から読み出され、RAMに常駐して実行されるようになっている。尚、記憶装置12としては、CDやDVD等の記録メディアの情報を読み出すドライブ装置を含み、この場合には記憶装置12に記憶されている情報というのは、記録メディアの情報を含む。
【0034】
さらに、前記ワークステーション10には、前記記憶装置12と同じくHDD等の別の記憶装置からなり、艤装ラインLにてPBS1に取り付けられる部品の寸法乃至形状を模擬する3次元の部品モデルが予め記憶されているCADデータベースDB14が接続されている。また、前記サーバ8には、部品の調達先や搬入経路等、所定の情報を記憶した部品情報データベースDB15と、艤装ラインLの端末6に送られる生産指示情報を記憶した生産情報データベースDB16とが接続されている。そして、ワークステーション10は、その動作中に必要に応じて、従来周知の手法により工場内LAN7を介してサーバ8にアクセスすることができ、これにより、前記部品情報DB15や生産情報DB16に記憶されている情報を参照することができる。尚、前記部品情報DB15及び生産情報DB16におけるデータフォーマットの一例をそれぞれ図3及び図4に示す。
【0035】
次に、前記のシミュレーションの概要を図5〜7を参照して具体的に説明する。まず、前記仮想の3次元車体モデルには、図5に車室天井部の前端縁部を拡大して示すように、PBS1のモデルに組み付けられたルーフサイドモール4やウインドシールドモール5(それぞれ斜線を入れて示す)のモデルが含まれており、これ以外にも、同図のa−a線における断面を図6(a)に拡大して示すように、ウインドガラス17、ダムラバー18、接着剤層19等のモデルが含まれている。また、車体モデルには、PBS1の天井部分を構成する2枚の鋼板20,21も含まれており、さらに、図5のb−b線における断面を図6(b)に拡大して示すように、ルーフサイドモール4の部品モデルには複数のクリップ4a,4a,…が模擬されている。
【0036】
ところで、ルーフサイドモール4の全長が長くて、例えば図7に符号Aとして示すように、最前部のクリップ4aよりも前側の部分の長さが設計基準値を越えているとすると、このルーフサイドモール4の前端部が図6(b)に示すようにウインドシールドモール5の内側に挿入された状態で、両者が干渉して取り付けができなくなったり、或いは取り付け自体は可能であっても固定が不十分なものになって、実車に装着した後に熱による変形や振動によって剥がれたり、破損したりする虞れがある。一方、そのように寸法形状に狂いがあっても、モール4,5の組み付けや耐久性等に実質的な悪影響のないこともあり、そのことを経験や勘のみによって常に正確に判断することは難しい。
【0037】
そこで、そのようなルーフサイドモール4の寸法形状の狂いを仮想的に模擬する異常部品モデルを構築し、これをそれ以外の部品のモデルと組み合わせて、異常のあるルーフサイドモール4を含む3次元車体モデル等を構築し、この車体モデルにおいてモール4,5同士の干渉等についてのシミュレーション(組立シミュレーション)を行ったり、或いは自動車の使用状態での温度変化や振動の状態を模擬するシミュレーションを行ったりして、組立性や耐久性についての定量的な評価を行うのである。このようにすれば、その評価に基づいて、異常部品の組み付けの可否を適切且つ迅速に判断することができる。
【0038】
次に、そのようにコンピュータシミュレーションを利用して異常部品としてのルーフサイドモール4の組み付けの可否を判定する具体的な手順の例を、図8のフローチャート図に基づいて説明する。このフローは、ワークステーション10のCPUにより読み込まれたシミュレーション演算プログラム等が実行されることにより、実現される。
【0039】
まず、スタート後のステップS1では、異常部品のコードと画像データとを入力させる。すなわち、各作業ステーション3の端末6の表示部(例えばディスプレイ装置等)には、初期状態で、部品の異常を発見したときにその部品の部品コード(異常部品を特定する特定情報)及び画像データの入力を促す操作表示がなされており、ルーフサイドモール4を取り付ける作業ステーション3においてその形状に関する異常を作業者が発見したときに、当該作業者は、前記の操作表示に従って端末6に部品コードを入力するとともに、当該端末6に接続されているデジタルカメラ9を使用して、ルーフサイドモール4を所定の方向から(例えば、正面、左右両側面、背面、上面及び下面から)撮影する。そうして端末6に入力されたルーフサイドモール4の部品コード及び画像データはそれぞれ工場内LAN7を介して端末6から検査部門のワークステーション10に送信される。
【0040】
続いて、ステップS2において、CADデータベースDB14から部品モデルを読み込んで、これを変形することにより、異常のあるルーフサイドモール4を模擬する3次元の異常部品モデルを構築する。すなわち、まず、ワークステーション10のディスプレイ装置11には、入力画面として、図7に一例を示すように、異常のあるルーフサイドモール4の画像と正常なルーフサイドモール4の部品モデルの画像とが重畳して表示される。このときに、図示Aの如くモール4の前端部の長さが所定の基準値を越えていたり、図示Bの如くクリップ4aの位置のずれが所定以上に大きかったり、或いは図示Cの如くモール4の後端部に大きさの反り返りがあったりしたときには、これら寸法形状の狂い(異常)を画面上で識別した操作者がマウス等により正常な部品モデルの寸法形状を異常部品と同じになるように変更する入力を行う。そして、その入力に応じて部品モデルの寸法形状が変更されることによって、ルーフサイドモール4の寸法形状の狂いを正確に模擬する3次元の異常部品モデルが構築される。
【0041】
このように、人間がディスプレイ装置11の画面上に重畳表示された2つの画像を見ながら両者の相違点を識別して、部品モデルの形状を変更するための入力を行うようにしているので、高度の画像認識ソフトウエア等を用いることなく、異常の状態を正確に模擬する異常部品モデルを構築することができる。尚、これに限らず、所定のソフトウエアを用いて、異常のあるルーフサイドモール4の画像と正常な部品モデルの画像とを周知のパターンマッチング等のロジックにより対比させて、自動的に3次元の異常部品モデルを構成するようにしてもよい。
【0042】
また、前記入力画面には、図示の如く、異常部品(ルーフサイドモール)及びそれが発見された作業ステーション3の名称と、当該異常部品の製造会社及び製造工程への搬入経路の情報とが表示されている。尚、これらの情報は、作業ステーション3の端末6に入力された異常部品の部品コードに基づいて、部品情報DB15から読み出されて、表示される。すなわち、例えば製造会社が外国の企業であったり、或いは、異常部品が船舶によって運搬されるものである場合には、代わりの部品の納期が長くなることが予想されるから、そのことを報知することによって異常部品の交換のための手配を可及的に速やかに行えるようにしたものであり、このことで、部品交換に伴う作業効率の低下を最小限に抑制することができる。
【0043】
続いて、ステップS3において組立シミュレーション(組立SIM)の選択があったかどうか判別し、この判別結果がNOならば後述のステップS7に進む一方、判別結果がYESならばステップS4に進んで、上述したように、異常部品とそれ以外の部品との相互の位置関係が適正なものであるかどうか評価するシミュレーションを行う。すなわち、前記ルーフサイドモール4の異常部品モデルとそれ以外の部品モデルとを所定の作業手順(生産指示情報に含まれる)に従って組み立てることによって、その異常のあるルーフサイドモール4等をPBS1に組み付けて艤装ラインLから搬出される状態の車体モデルを構築する。
【0044】
そして、その車体モデルを用いて、例えば、異常のあるルーフサイドモール4とウインドシールドモール5との干渉の有無や、干渉によってモール4,5に生じる歪み及び応力の大きさ、或いは、モール4,5同士の間隔が予め設定したクリアランスを保てるかどうか等々、所定の評価項目について定量的に求める演算を行う。
【0045】
前記のシミュレーション演算の結果、例えばモール4,5同士の干渉が大きすぎて組み付けできないとか、モール4,5同士のクリアランスが小さすぎるという場合には続くステップS5において問題ありと判定し(YES)、ステップS6に進んで警報を行う(ワーニング)一方、前記のような不具合がなくて、組み付けた状態において部品相互の位置関係には問題がない(NO)と判定すれば、警報は発せずにステップS7に進む。
【0046】
また、ステップS7では、今度は、所定の使用状況を数学的に模擬して異常部品等の振動によるダメージを再現する振動シミュレーション(振動SIM)の選択があったかどうか判別して、振動シミュレーションの選択がないNOならば後述のステップS11に進む一方、選択ありでYESならばステップS8に進んで、シミュレーション演算を実行する。この振動シミュレーションというのは、前記のようにして組み立てた仮想の車体モデルの各部位に対して、それぞれ自動車の走行に伴い作用することが推定される所定周波数の振動を仮想的に付加して、所定時間後乃至所定距離、走行後の状況を再現するものである。
【0047】
そして、前記振動シミュレーションの結果、例えば、車体モデルにおいてウインドシールドモール5が振動により剥離したり、或いはルーフサイドモール4との衝突によって破損したりする、というような評価が得られれば、続くステップS9において問題ありと判定し(YES)、ステップS10に進んで警報を行う(ワーニング)一方、振動シミュレーションの結果は問題なし(NO)と判定すれば、警報は発せずにステップS11に進む。
【0048】
さらに、ステップS11っでは、今度は、前記振動シミュレーションと同様に自動車の使用状態を模擬して、温度変化に起因する部品等の熱変形を再現する熱変形シミュレーション(熱変形SIM)の選択があったかどうか判別する。そして、選択がないNOならば後述のステップS15に進む一方、選択ありでYESならばステップS12に進んで、熱変形シミュレーションを行う。すなわち、例えば、前記車体モデルの各部位に対してそれぞれ仮想的な温度変化を付与して、所定時間経過後の状況を再現する。そして、熱変形シミュレーションの結果として、例えばルーフサイドモール5の熱変形量が予め設定した許容限界値を越えるようであれば、続くステップS13において問題ありと判定し(YES)、ステップS14に進んで警報を行う(ワーニング)一方、熱変形シミュレーションの結果は問題なし(NO)と判定すれば、警報は発せずにステップS15に進む。
【0049】
最後に、ステップS15において、図示しないが、前記シミュレーションの結果をワークステーション10のディスプレイ装置11の画面に表示するとともに、いずれかのシミュレーションの結果として警報がなされた場合には、部品の交換が必要であることを作業ステーション3の端末6に送信して表示させ、しかる後に制御終了となる。
【0050】
前記図8に示すフローのステップS1は、製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方において形状に関する異常が発見された異常部品についての情報を入力させる入力ステップに対応する。そして、この実施形態の入力ステップでは、前記現場の端末に異常部品についての情報の入力操作を促す表示を行わせるとともに、これに応じて前記端末に入力されて該端末から送信されてきた情報を受け入れるようにしている。
【0051】
また、前記フローのステップS2、ステップS4は、異常の発見されたルーフサイドモール4の部品コード(異常部品を特定する特定情報)とその画像データ(異常情報)とに基づいて、そのルーフサイドモール4を含んで組み立てられた車体を模擬する3次元の車体モデルを構築するモデル構築ステップに対応し、ステップS4,S8,S12の各ステップは、前記車体モデルを用いて、異常部品等の組み付け状態や耐久性等についての仮想の評価シミュレーションを行う評価ステップに対応する。
【0052】
さらに、前記フローのステップS5,S9,S13は、前記評価ステップにおける製品の評価シミュレーションの結果に基づいて、異常部品の組み付けの可否を判定する判定ステップに相当し、ステップS15は、異常部品の部品コードに基づいて、当該異常部品の製造工程への搬入に関する所定の情報を報知する報知ステップに対応している。
【0053】
換言すれば、作業ステーション3の端末6は、所定のソフトウエアプログラムの実行によって、表示部に異常部品についての情報の入力操作を促す表示を行う操作表示機能と、異常部品についての情報が入力されたときにその情報を工場内LAN7を介してワークステーション10に送信する送信機能とをそれぞれ有し、その操作表示機能を実現するコンピュータプログラムが操作表示手段を、また、送信機能を実現するプログラムが送信手段をそれぞれ構成している。
【0054】
また、ワークステーション10において前記モデル構築ステップ、評価ステップ、判定ステップ及び報知ステップの各ステップに対応するコンピュータプログラムが実行されることにより、それぞれ、モデル構築手段、評価手段、判定手段及び送信表示手段がソフトウエア的に構成されている。
【0055】
したがって、この実施形態に係る生産支援システムAを用いることによって、自動車の製造工程においいて部品の寸法乃至形状の異常が発見されたときに、その異常部品に関する所定の情報が現場の端末6から工場内LAN8を介して直ちに検査部門のワークステーション10に送信され、このワークステーション10において異常部品の組み付けに係る問題や自動車を所定期間使用した後の不具合の発生等を速やかにコンピュータシミュレーションにより確かめることができ、このシミュレーションの結果に基づいて、異常部品の組み付けの可否を常に適切に且つ迅速に判断することができる。これにより、製造工程の作業者に無用の負担をかけることなく、交換の必須な異常部品のみを確実に交換して、資源の無駄遣いを防止し、作業効率を向上することができる。
【0056】
また、この実施形態では、前記の如くコンピュータシミュレーションを工場内の検査部門において行うようにしているので、異常部品の発見された現場にほど近い検査部門において当該異常部品の使用若しくは交換についての適切且つ迅速な判断を行うことが位相、容易なものとなる。
【0057】
その際、前記ワークステーション10の画面には、異常部品の製造会社や搬入経路等の情報が表示されるので、例えば製造会社が外国の企業であったり、船舶によって運搬される部品であって、代わりの部品の納期が長くなることが予想される場合には、その部品の手配を可及的に速やかに行うことができ、ラインの停止等による作業効率の低下を最小限に抑制できる。
【0058】
(他の実施形態)
尚、本発明の構成は、前記実施形態のものに限定されることはなく、その他の種々の構成も包含するものである。すなわち、前記実施形態の生産支援システム等は、異常部品を含んだ製品のシミュレーションを工場内の検査部門にて行うようにしているが、これに限らず、例えば、シミュレーションを製造会社の設計部門において行うようにしてもよい。この場合には、その設計部門のコンピュータ装置を通信回線を介して工場内LAN7に接続して、製造工程の端末6との間で情報の授受を行えるようにすればよい。こうすれば、機密性の高い設計情報を製造会社の設計部門外に出さないようにして、重要な技術情報の漏洩を未然に防止することができる。
【0059】
また、前記実施形態では、異常部品を含んで組み立てられた製品モデルとして、艤装ラインLから搬出される車体のモデルを用いているが、これに限らず、ラインオフする完成品の自動車の車両モデルを用いることもできる。
【0060】
さらに、前記実施形態では、工場の艤装ラインL(車両組立ライン)において部品の異常を発見した場合を例にとって説明したが、これに限らず、例えば部品の流通センター等、流通経路の途中で抜き取り検査等により異常を発見した場合や、サービス工場での交換部品に不良や異常部品を発見した場合にも、本願発明を適用することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上、説明したように、本願発明に係る組立生産のための生産支援プログラム、生産支援方法及び生産支援システムによると、製品の製造工程等で部品の形状に関する異常が発見されたときに、コンピュータ装置を用いて、その異常部品を含む3次元の製品モデルを構築し、このモデルによって製品の評価シミュレーションを行って、その製品の評価を行うようにしたので、異常部品の組み付けの可否を常に適切に且つ迅速に判断することができるようになり、これにより、作業者に無用の負担をかけることなく、交換の必須な異常部品のみを確実に交換して、資源の無駄遣いを防止し、作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る生産支援システムの概略構成図である。
【図2】ルーフサイドモールを取り付ける工程を示す概念図である。
【図3】部品情報DBにおけるデータフォーマットの一例を示す説明図である。
【図4】生産情報DBにおけるデータフォーマットの一例を示す説明図である。
【図5】3次元車体モデルの車室天井部の前端縁部を拡大して示す図である。
【図6】(a)は3次元車体モデルの構造を示す図5のa−a線断面図であり、(b)は同じくb−b線断面図である。
【図7】ワークステーションへの入力画面の一例を示す説明図である。
【図8】生産支援プログラムの流れを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
A 生産支援システム
L 車両組立ライン(製造工程)
1 PBS(部品)
4 ルーフサイドモール(部品)
5 ウインドシールドモール(部品)
6 端末
7 工場内LAN(通信回線)
9 デジタルカメラ
10 ワークステーション(コンピュータ装置)
11 ディスプレイ装置
12 記憶装置
14 CADデータベース
17 ウインドガラス(部品)
18 ダムラバー(部品)
19 接着剤層(部品)
【発明の属する技術分野】
本発明は、製造工程等において寸法乃至形状に異常のある部品(形状に関する異常のある異常部品)が発見されたときに、その異常に関する情報を適切に処理することによって、製品の組立生産を支援するようにした生産支援システム等に関する。尚、ここでいう製品とは、一般消費者に提供される最終商品に限定されるものではなく、最終製品の一部を構成するユニットとかモジュール等と呼ばれる中間製品も含む。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数の部品からなる製品の組立ラインや、市場にて修理やメンテナンスを行うサービス工場において作業者が製品の品質に係る情報を端末に入力することにより、当該製品の品質に関する総合的なデータを統計的に得られるようにすることは知られている。例えば、特許文献1に開示される品質情報の入力方法等によれば、現場の端末において作業者が製品の品質に係る項目、事象、責任、補修等の多数の情報を入力するようになっており、この際、作業者の負担を軽減して入力ミスの発生を防止するために、情報のコードをキー入力させるのではなく、画面上で強調表示されている情報のボタンを選択させて、それだけで、その情報に対応するコードが自動的に入力されるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−20980号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的に、製品を構成する一部の部品の寸法形状に狂いがあると、この部品(異常部品)が周囲の部品と干渉して、その組み付け自体が困難になったり、或いは組み付け自体は可能であっても製品としての機能や耐久性が低下したり、故障を誘発したりする虞れがある。従って、通常は作業者により異常の発見された部品は異常のない部品に交換されることになる。
【0005】
しかし、作業者により寸法形状の狂いが容易に認められるような異常部品であっても、その組み付けは可能であり、しかも製品の機能や耐久性等には実質的な影響を及ぼさない場合がある。このような場合にまで一律に部品を交換するというのは資源の無駄遣いであり、作業効率上も好ましくない。
【0006】
特に、例えば自動車のように数万点にも及ぶ膨大な部品点数を有する製品の場合、その部品の一部は遠隔地から運搬されていることも多く、このような部品に異常が発見されると、その異常部品の交換のためだけに長時間、ラインを停止しなくてはならなくなる可能性があるから、大きな問題になる。
【0007】
一方、製品の機能に不具合を生じるような異常部品については正常な部品に交換することが必須であるが、上述の如く部品の点数が膨大なものとなる場合には、異常部品を発見したときにこれを交換するかどうか迅速に且つ常に間違いなく判断することを現場の作業者に求めるというのは、非現実的であるといわざるを得ない。
【0008】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、異常部品を交換するか否かの判断の手順に工夫を凝らして、適切な対応を迅速に行えるようにすることで、生産効率を向上しながら、製造現場の作業者の負担を軽減することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために本発明の解決手段では、製品の製造工程等で部品の形状に関する異常が発見されたときには、コンピュータ装置を用いて、その異常部品の状態を再現する製品モデルの3次元シミュレーションを行って、当該異常部品の組み付けの可否を判断するようにした。
【0010】
具体的に、請求項1の発明は、複数の部品からなる製品の少なくとも組み立て状態をコンピュータ装置を用いて模擬して、その製品の生産を支援するためのコンピュータプログラム(生産支援プログラム)であって、前記製品の製造工程及び部品の流通経路(部品の製造工場の検査場、部品の受注工場の検査場、或いは市場のサービスセンター(ディーラー)を含む)の少なくとも一方において形状に関する異常が発見された異常部品についての情報を入力させる入力ステップと、該入力ステップで入力された情報に基づいて、前記異常部品を含んで組み立てられた製品を模擬する3次元の製品モデルを構築するモデル構築ステップと、該モデル構築ステップにて構築された製品モデルを用いてその製品の評価を行う評価ステップと、を備えるものとする。
【0011】
前記のプログラムによれば、製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方において部品の形状に関する異常が発見されると、入力ステップにおいてその異常部品についての情報が入力され、モデル構築ステップにおいて前記異常部品の情報に基づいて、当該異常部品を含んで組み立てられた製品を模擬する3次元の製品モデルが構築される。そして、評価ステップにおいて、前記製品モデルを用いて製品の評価が行われる。
【0012】
すなわち、例えば、構成部品の組み合わされた3次元の製品モデルにおいて異常部品とそれ以外の部品との相互の位置関係が適正なものかどうか、つまり、例えば部品同士が干渉しているかどうか、干渉によって部品に大きな歪みや応力が発生するかどうか、或いは部品相互のクリアランスは設定基準内かどうか等々、所定の評価項目について数学的な記述に基づく定量的な評価が行われる(請求項10の発明)。
【0013】
また、例えば、前記3次元の製品モデルを用いて製品の使用状態を模擬する仮想の耐久試験を行い、この仮想の試験の結果、つまり、数学的に記述された製品の耐久性に関する評価値等に基づいて、製品の耐久性が定量的に評価される(請求項11の発明)。
【0014】
そのようなコンピュータシミュレーションに基づく定量的な評価結果を参考にすれば、異常部品の組み付けの可否を常に適切に且つ迅速に判断することができるので、作業者に無用の負担をかけることなく、交換の必須な異常部品のみを確実に交換して、資源の無駄遣いを防止し、作業効率を向上することができる。尚、生産支援プログラム自体に、前記評価ステップにおける製品の評価結果に基づいて、異常部品の組み付けの可否を判定する判定ステップを備えるようにすれば、さらに好ましい(請求項2の発明)。
【0015】
本発明についてより詳しくは、コンピュータ装置には、正常な部品を模擬する3次元の部品モデルが予め記憶されているデータベースを接続しておいて、前記生産支援プログラムの入力ステップでは、少なくとも、異常部品を特定する特定情報と、その異常部品の異常状態に関する異常情報とを入力させるようにする。そして、モデル構築ステップでは、前記データベースから部品モデルを読み込んで、その中から前記特定情報により特定される部品モデルの形状を前記異常情報に基づいて変更することにより、異常部品の部品モデルを構築し、さらに、この異常部品モデルとそれ以外の部品モデルとを組み合わせて、製品モデルを構築するようにすればよい(請求項3の発明)。
【0016】
その際、前記異常情報は、異常部品の3次元形状を認知可能な画像データとするのが好ましい(請求項4の発明)。また、コンピュータ装置には画像を表示するディスプレイ装置を接続しておいて、モデル構築ステップでは、データベースから読み込んだ部品モデルの画像と異常部品の画像とを前記ディスプレイ装置に重畳表示して、この表示を見ながら操作者が行うコンピュータ装置への入力に応じて、前記部品モデルの形状を変更するようにしてもよい(請求項5の発明)。こうすれば、高度の画像認識ソフトウエア等を用いることなく、異常の状態を正確に模擬する異常部品モデルを構築できる。
【0017】
さらに、前記生産支援プログラムの入力ステップでは、少なくとも異常部品を特定する特定情報を入力させるようにし、その特定情報に基づいて、異常部品の製造工程への搬入に関する所定の情報を報知する報知ステップをさらに備えるようにしてもよい(請求項6の発明)。その異常部品の搬入に関する所定情報としては、代わりの部品の納期を知る上で参考になるような情報が好ましい。これは、納期が長い場合にはその部品の手配を可及的速やかに行わなくてはならないので、このことを報知する必要性が高いからである。
【0018】
例えば、前記異常部品の搬入に関する所定情報としては、当該異常部品が船舶によって運搬されるものか否かの情報を含むのが好ましい(請求項7の発明)。すなわち、異常部品が船舶により運搬されるものであるとすれば、代わりの部品の納期がかなり長くなると考えられるので、そのことを報知することによって当該部品の交換のための手配を可及的速やかに行えるようにする。このことで、部品交換に伴う作業効率の低下を最小限に抑制できる。
【0019】
また、本発明において、前記コンピュータ装置を、製品の製造工程を有する工場の検査部門に設けるとともに、製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方の現場には、前記コンピュータ装置と双方向通信可能に接続した端末を配設し、前記生産支援プログラムの入力ステップでは、前記現場の端末に異常部品についての情報の入力操作を促す表示を行わせるとともに、これに応じて前記端末に入力されて該端末からコンピュータ装置に送信されてきた情報を受け入れるようにするのが好ましい(請求項8の発明)。こうすることで、異常部品の発見された現場にほど近い工場の検査部門において、当該異常部品の使用若しくは交換について適切且つ迅速な判断を下すことが可能になる。
【0020】
或いは、前記コンピュータ装置は製品の設計部門に設け、製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方の現場に、前記コンピュータ装置と双方向通信可能に接続した端末を配設するようにしてもよい。この場合にも、前記生産支援プログラムの入力ステップでは、前記現場の端末に異常部品についての情報の入力操作を促す表示を行わせるとともに、これに応じて前記端末に入力されて該端末から送信されてきた情報を受け入れるようにすればよい(請求項9の発明)。そして、こうすれば、機密性の高い設計情報を設計部門の外に出さないようにして、重要な技術情報の漏洩を未然に防止することができる。
【0021】
次に、請求項12の発明は、複数の部品からなる製品の少なくとも組み立て状態をコンピュータ装置を用いて模擬して、その製品の生産を支援する生産支援方法を対象とする。そして、前記製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方の現場に前記コンピュータ装置と双方向通信可能に接続した端末を配設しておいて、形状に関する異常が発見された異常部品についての情報を作業者により前記現場の端末に入力させて、この端末からコンピュータ装置に送信し、前記コンピュータ装置によって、前記異常部品を含んで組み立てられた製品を模擬する3次元の製品モデルを構築し、且つその製品モデルを用いて製品の評価のための演算を行い、この演算の結果に基づいて、異常部品の組み付けの可否を判定するようにする。
【0022】
この生産支援方法によれば、上述した請求項1の発明と同様に、コンピュータシミュレーションに基づく評価結果を参考にして、異常部品の組み付けの可否を常に適切に且つ迅速に判断することができるようになり、これにより、作業者に無用の負担をかけることなく、交換の必須な異常部品のみを確実に交換して、資源の無駄遣いを防止し、作業効率を向上できる。
【0023】
次に、請求項13の発明は、複数の部品からなる製品の少なくとも組み立て状態をコンピュータ装置を用いて模擬して、その製品の生産を支援するための生産支援システムを対象とする。そして、前記製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方の現場に、前記コンピュータ装置と双方向通信可能に接続された端末を配設し、この端末には、形状に関する異常の発見された異常部品についての情報が入力されたときに、その情報を前記コンピュータ装置に送信する送信手段を備える。また、前記コンピュータ装置には、前記異常部品についての情報に基づいて、その異常部品を含んで組み立てられた製品を模擬する3次元の製品モデルを構築するモデル構築手段と、該モデル構築手段により構築された製品モデルを用いてその製品の評価を行う評価手段とを備える構成とする。
【0024】
この生産支援システムによれば、前記請求項12の発明の生産支援方法を実現して、この請求項12の発明や上述した請求項1の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0025】
前記請求項13の発明における現場の端末には、異常部品についての情報の入力操作を促す表示を行う操作表示手段をさらに備えることが好ましい(請求項14の発明)。こうすることで、現場の作業者は、異常部品についての情報を容易にしかも間違いなく入力することができるようになる。
【0026】
また、前記請求項13の発明におけるコンピュータ装置には、評価手段による製品の評価結果に基づいて異常部品の組み付けの可否を判定する判定手段と、該判定手段による判定の結果を現場の端末に送信して、表示させる送信表示手段とをさらに備えることが好ましい(請求項14の発明)。こうすれば、異常部品の組み付けの可否について現場の作業者に確実に且つ迅速に指示することができるので、該作業者の負担を極小化することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0028】
(シミュレーション装置の全体構成)
図1は、本発明に係る生産支援システムAを自動車工場の車両組立ラインLに適用した実施形態を示す。この組立ラインLは、車体組立ラインや塗装ライン等の下流に設けられ、自動車の製造工程の一部分を構成するものである。以下、説明の便宜のために、塗装済の車体サブストレート(以下、PBSという)1に電気配線や内装部品、或いはガラス、モールディング等の外装部品を組み付ける艤装ラインを例にとって詳しい説明をする。
【0029】
図示の艤装ラインLでは、PBS1,1,…がコンベア2により搬送されていて、そのコンベア2の脇に所定間隔を空けて配設された作業ステーション3,3,…にそれぞれ所定の時間(タクトタイム)、停止した後に次のステーション3まで移動するようになっている。各ステーション3ではそれぞれPBS1に対して作業者による部品の取付が行われる。例えば、或る作業ステーション3では、図2に模式的に示すようにルーフサイドモール4が取り付けられ、また、別の作業ステーション3ではウインドシールドモール5(図5参照)が取り付けられる。
【0030】
前記作業ステーション3,3,…には、それぞれ生産管理のためのコンピュータ端末6,6,…が配設されている。これらの端末6,6,…は工場内LAN7(Local Area Network:通信回線)を介して生産管理用のサーバコンピュータ8と双方向通信可能に接続されており、サーバコンピュータ8から送信されてくる生産指示情報に基づいて、例えば車種毎に異なる取付部品の指示を行ったり、或いは作業者により入力される生産結果情報をサーバ8に送信して、生産管理データとして蓄積したりするためのものである。また、各作業ステーション3の端末6には、当該作業ステーション3においてPBS1に取り付ける部品に寸法乃至形状の異常(形状に関する異常)のあることが発見されたときに、この異常部品を複数の方向から撮影して、その3次元形状を認知可能な画像データを構成することができるように、デジタルカメラ9が接続されている。
【0031】
また、前記工場内LAN7には、図示しない最終検査ラインの付近に設けられた検査部門用のワークステーション10(コンピュータ装置)が双方向通信可能に接続されている。このワークステーション10では、例えば検査部門のエンジニアにより、最終検査ラインにおいて採取された検査結果のデータに基づいて生産効率や歩留まりの解析が行われるのであるが、それ以外に、この実施形態では、艤装ラインLにおいて異常部品が発見されたときに、これをPBS1に組み付けるか否か判断するためのシミュレーションが行われるようになっている。
【0032】
すなわち、例えば前記のルーフサイドモール4を取り付ける作業ステーション3において、作業者によりルーフサイドモール4の寸法乃至形状に狂いのあることが発見されたときには、このルーフサイドモール4、即ち異常部品についての情報が作業者により端末6に入力されて、工場内LAN7を介してワークステーション10に送られる。この情報を受けたワークステーション10では所定の操作が行われるのに応じて、異常のあるルーフサイドモール4等をPBS1に組み付けて艤装ラインLから搬出される状態の車体(異常部品を含んで組み立てられた製品)を模擬する仮想の3次元車体モデル(製品モデル)、若しくはさらにパワートレイン、サスペンション、タイヤ等を組み付けて完成させた仮想の車両モデル(製品モデル)を構築する。そして、その車体モデル等を用いて、PBS1へのルーフサイドモール4の組み付け等に関するシミュレーションを行い、この結果に基づいて組み付けの可否を判定する。
【0033】
より詳しくは、前記ワークステーション10は、周知の如く、内部にCPU、ROM、RAM等を備えるとともに、例えばブラウン管モニター(CRT)や液晶ディスプレイ(LCD)等のディスプレイ装置11や、図示しないが、キーボード、マウス等の入力デバイス及びプリンタ等が接続されたものであり、さらに、ワークステーション10には例えばハードディスクドライブ(HDD)や光ディスクドライブ(MO)等の記憶装置12が接続されている。この記憶装置12には、少なくとも、異常部品に関する情報等に基づいて前記のシミュレーションを行うための演算プログラムと、そのシミュレーションの結果に基づいて異常部品の組み付けの可否を判定する判定プログラムとが電子的に記憶されており、メインプログラムの起動時には、ワークステーション10を操作する操作者の入力に応じて、CPUにより所要のプログラムが記憶装置12から読み出され、RAMに常駐して実行されるようになっている。尚、記憶装置12としては、CDやDVD等の記録メディアの情報を読み出すドライブ装置を含み、この場合には記憶装置12に記憶されている情報というのは、記録メディアの情報を含む。
【0034】
さらに、前記ワークステーション10には、前記記憶装置12と同じくHDD等の別の記憶装置からなり、艤装ラインLにてPBS1に取り付けられる部品の寸法乃至形状を模擬する3次元の部品モデルが予め記憶されているCADデータベースDB14が接続されている。また、前記サーバ8には、部品の調達先や搬入経路等、所定の情報を記憶した部品情報データベースDB15と、艤装ラインLの端末6に送られる生産指示情報を記憶した生産情報データベースDB16とが接続されている。そして、ワークステーション10は、その動作中に必要に応じて、従来周知の手法により工場内LAN7を介してサーバ8にアクセスすることができ、これにより、前記部品情報DB15や生産情報DB16に記憶されている情報を参照することができる。尚、前記部品情報DB15及び生産情報DB16におけるデータフォーマットの一例をそれぞれ図3及び図4に示す。
【0035】
次に、前記のシミュレーションの概要を図5〜7を参照して具体的に説明する。まず、前記仮想の3次元車体モデルには、図5に車室天井部の前端縁部を拡大して示すように、PBS1のモデルに組み付けられたルーフサイドモール4やウインドシールドモール5(それぞれ斜線を入れて示す)のモデルが含まれており、これ以外にも、同図のa−a線における断面を図6(a)に拡大して示すように、ウインドガラス17、ダムラバー18、接着剤層19等のモデルが含まれている。また、車体モデルには、PBS1の天井部分を構成する2枚の鋼板20,21も含まれており、さらに、図5のb−b線における断面を図6(b)に拡大して示すように、ルーフサイドモール4の部品モデルには複数のクリップ4a,4a,…が模擬されている。
【0036】
ところで、ルーフサイドモール4の全長が長くて、例えば図7に符号Aとして示すように、最前部のクリップ4aよりも前側の部分の長さが設計基準値を越えているとすると、このルーフサイドモール4の前端部が図6(b)に示すようにウインドシールドモール5の内側に挿入された状態で、両者が干渉して取り付けができなくなったり、或いは取り付け自体は可能であっても固定が不十分なものになって、実車に装着した後に熱による変形や振動によって剥がれたり、破損したりする虞れがある。一方、そのように寸法形状に狂いがあっても、モール4,5の組み付けや耐久性等に実質的な悪影響のないこともあり、そのことを経験や勘のみによって常に正確に判断することは難しい。
【0037】
そこで、そのようなルーフサイドモール4の寸法形状の狂いを仮想的に模擬する異常部品モデルを構築し、これをそれ以外の部品のモデルと組み合わせて、異常のあるルーフサイドモール4を含む3次元車体モデル等を構築し、この車体モデルにおいてモール4,5同士の干渉等についてのシミュレーション(組立シミュレーション)を行ったり、或いは自動車の使用状態での温度変化や振動の状態を模擬するシミュレーションを行ったりして、組立性や耐久性についての定量的な評価を行うのである。このようにすれば、その評価に基づいて、異常部品の組み付けの可否を適切且つ迅速に判断することができる。
【0038】
次に、そのようにコンピュータシミュレーションを利用して異常部品としてのルーフサイドモール4の組み付けの可否を判定する具体的な手順の例を、図8のフローチャート図に基づいて説明する。このフローは、ワークステーション10のCPUにより読み込まれたシミュレーション演算プログラム等が実行されることにより、実現される。
【0039】
まず、スタート後のステップS1では、異常部品のコードと画像データとを入力させる。すなわち、各作業ステーション3の端末6の表示部(例えばディスプレイ装置等)には、初期状態で、部品の異常を発見したときにその部品の部品コード(異常部品を特定する特定情報)及び画像データの入力を促す操作表示がなされており、ルーフサイドモール4を取り付ける作業ステーション3においてその形状に関する異常を作業者が発見したときに、当該作業者は、前記の操作表示に従って端末6に部品コードを入力するとともに、当該端末6に接続されているデジタルカメラ9を使用して、ルーフサイドモール4を所定の方向から(例えば、正面、左右両側面、背面、上面及び下面から)撮影する。そうして端末6に入力されたルーフサイドモール4の部品コード及び画像データはそれぞれ工場内LAN7を介して端末6から検査部門のワークステーション10に送信される。
【0040】
続いて、ステップS2において、CADデータベースDB14から部品モデルを読み込んで、これを変形することにより、異常のあるルーフサイドモール4を模擬する3次元の異常部品モデルを構築する。すなわち、まず、ワークステーション10のディスプレイ装置11には、入力画面として、図7に一例を示すように、異常のあるルーフサイドモール4の画像と正常なルーフサイドモール4の部品モデルの画像とが重畳して表示される。このときに、図示Aの如くモール4の前端部の長さが所定の基準値を越えていたり、図示Bの如くクリップ4aの位置のずれが所定以上に大きかったり、或いは図示Cの如くモール4の後端部に大きさの反り返りがあったりしたときには、これら寸法形状の狂い(異常)を画面上で識別した操作者がマウス等により正常な部品モデルの寸法形状を異常部品と同じになるように変更する入力を行う。そして、その入力に応じて部品モデルの寸法形状が変更されることによって、ルーフサイドモール4の寸法形状の狂いを正確に模擬する3次元の異常部品モデルが構築される。
【0041】
このように、人間がディスプレイ装置11の画面上に重畳表示された2つの画像を見ながら両者の相違点を識別して、部品モデルの形状を変更するための入力を行うようにしているので、高度の画像認識ソフトウエア等を用いることなく、異常の状態を正確に模擬する異常部品モデルを構築することができる。尚、これに限らず、所定のソフトウエアを用いて、異常のあるルーフサイドモール4の画像と正常な部品モデルの画像とを周知のパターンマッチング等のロジックにより対比させて、自動的に3次元の異常部品モデルを構成するようにしてもよい。
【0042】
また、前記入力画面には、図示の如く、異常部品(ルーフサイドモール)及びそれが発見された作業ステーション3の名称と、当該異常部品の製造会社及び製造工程への搬入経路の情報とが表示されている。尚、これらの情報は、作業ステーション3の端末6に入力された異常部品の部品コードに基づいて、部品情報DB15から読み出されて、表示される。すなわち、例えば製造会社が外国の企業であったり、或いは、異常部品が船舶によって運搬されるものである場合には、代わりの部品の納期が長くなることが予想されるから、そのことを報知することによって異常部品の交換のための手配を可及的に速やかに行えるようにしたものであり、このことで、部品交換に伴う作業効率の低下を最小限に抑制することができる。
【0043】
続いて、ステップS3において組立シミュレーション(組立SIM)の選択があったかどうか判別し、この判別結果がNOならば後述のステップS7に進む一方、判別結果がYESならばステップS4に進んで、上述したように、異常部品とそれ以外の部品との相互の位置関係が適正なものであるかどうか評価するシミュレーションを行う。すなわち、前記ルーフサイドモール4の異常部品モデルとそれ以外の部品モデルとを所定の作業手順(生産指示情報に含まれる)に従って組み立てることによって、その異常のあるルーフサイドモール4等をPBS1に組み付けて艤装ラインLから搬出される状態の車体モデルを構築する。
【0044】
そして、その車体モデルを用いて、例えば、異常のあるルーフサイドモール4とウインドシールドモール5との干渉の有無や、干渉によってモール4,5に生じる歪み及び応力の大きさ、或いは、モール4,5同士の間隔が予め設定したクリアランスを保てるかどうか等々、所定の評価項目について定量的に求める演算を行う。
【0045】
前記のシミュレーション演算の結果、例えばモール4,5同士の干渉が大きすぎて組み付けできないとか、モール4,5同士のクリアランスが小さすぎるという場合には続くステップS5において問題ありと判定し(YES)、ステップS6に進んで警報を行う(ワーニング)一方、前記のような不具合がなくて、組み付けた状態において部品相互の位置関係には問題がない(NO)と判定すれば、警報は発せずにステップS7に進む。
【0046】
また、ステップS7では、今度は、所定の使用状況を数学的に模擬して異常部品等の振動によるダメージを再現する振動シミュレーション(振動SIM)の選択があったかどうか判別して、振動シミュレーションの選択がないNOならば後述のステップS11に進む一方、選択ありでYESならばステップS8に進んで、シミュレーション演算を実行する。この振動シミュレーションというのは、前記のようにして組み立てた仮想の車体モデルの各部位に対して、それぞれ自動車の走行に伴い作用することが推定される所定周波数の振動を仮想的に付加して、所定時間後乃至所定距離、走行後の状況を再現するものである。
【0047】
そして、前記振動シミュレーションの結果、例えば、車体モデルにおいてウインドシールドモール5が振動により剥離したり、或いはルーフサイドモール4との衝突によって破損したりする、というような評価が得られれば、続くステップS9において問題ありと判定し(YES)、ステップS10に進んで警報を行う(ワーニング)一方、振動シミュレーションの結果は問題なし(NO)と判定すれば、警報は発せずにステップS11に進む。
【0048】
さらに、ステップS11っでは、今度は、前記振動シミュレーションと同様に自動車の使用状態を模擬して、温度変化に起因する部品等の熱変形を再現する熱変形シミュレーション(熱変形SIM)の選択があったかどうか判別する。そして、選択がないNOならば後述のステップS15に進む一方、選択ありでYESならばステップS12に進んで、熱変形シミュレーションを行う。すなわち、例えば、前記車体モデルの各部位に対してそれぞれ仮想的な温度変化を付与して、所定時間経過後の状況を再現する。そして、熱変形シミュレーションの結果として、例えばルーフサイドモール5の熱変形量が予め設定した許容限界値を越えるようであれば、続くステップS13において問題ありと判定し(YES)、ステップS14に進んで警報を行う(ワーニング)一方、熱変形シミュレーションの結果は問題なし(NO)と判定すれば、警報は発せずにステップS15に進む。
【0049】
最後に、ステップS15において、図示しないが、前記シミュレーションの結果をワークステーション10のディスプレイ装置11の画面に表示するとともに、いずれかのシミュレーションの結果として警報がなされた場合には、部品の交換が必要であることを作業ステーション3の端末6に送信して表示させ、しかる後に制御終了となる。
【0050】
前記図8に示すフローのステップS1は、製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方において形状に関する異常が発見された異常部品についての情報を入力させる入力ステップに対応する。そして、この実施形態の入力ステップでは、前記現場の端末に異常部品についての情報の入力操作を促す表示を行わせるとともに、これに応じて前記端末に入力されて該端末から送信されてきた情報を受け入れるようにしている。
【0051】
また、前記フローのステップS2、ステップS4は、異常の発見されたルーフサイドモール4の部品コード(異常部品を特定する特定情報)とその画像データ(異常情報)とに基づいて、そのルーフサイドモール4を含んで組み立てられた車体を模擬する3次元の車体モデルを構築するモデル構築ステップに対応し、ステップS4,S8,S12の各ステップは、前記車体モデルを用いて、異常部品等の組み付け状態や耐久性等についての仮想の評価シミュレーションを行う評価ステップに対応する。
【0052】
さらに、前記フローのステップS5,S9,S13は、前記評価ステップにおける製品の評価シミュレーションの結果に基づいて、異常部品の組み付けの可否を判定する判定ステップに相当し、ステップS15は、異常部品の部品コードに基づいて、当該異常部品の製造工程への搬入に関する所定の情報を報知する報知ステップに対応している。
【0053】
換言すれば、作業ステーション3の端末6は、所定のソフトウエアプログラムの実行によって、表示部に異常部品についての情報の入力操作を促す表示を行う操作表示機能と、異常部品についての情報が入力されたときにその情報を工場内LAN7を介してワークステーション10に送信する送信機能とをそれぞれ有し、その操作表示機能を実現するコンピュータプログラムが操作表示手段を、また、送信機能を実現するプログラムが送信手段をそれぞれ構成している。
【0054】
また、ワークステーション10において前記モデル構築ステップ、評価ステップ、判定ステップ及び報知ステップの各ステップに対応するコンピュータプログラムが実行されることにより、それぞれ、モデル構築手段、評価手段、判定手段及び送信表示手段がソフトウエア的に構成されている。
【0055】
したがって、この実施形態に係る生産支援システムAを用いることによって、自動車の製造工程においいて部品の寸法乃至形状の異常が発見されたときに、その異常部品に関する所定の情報が現場の端末6から工場内LAN8を介して直ちに検査部門のワークステーション10に送信され、このワークステーション10において異常部品の組み付けに係る問題や自動車を所定期間使用した後の不具合の発生等を速やかにコンピュータシミュレーションにより確かめることができ、このシミュレーションの結果に基づいて、異常部品の組み付けの可否を常に適切に且つ迅速に判断することができる。これにより、製造工程の作業者に無用の負担をかけることなく、交換の必須な異常部品のみを確実に交換して、資源の無駄遣いを防止し、作業効率を向上することができる。
【0056】
また、この実施形態では、前記の如くコンピュータシミュレーションを工場内の検査部門において行うようにしているので、異常部品の発見された現場にほど近い検査部門において当該異常部品の使用若しくは交換についての適切且つ迅速な判断を行うことが位相、容易なものとなる。
【0057】
その際、前記ワークステーション10の画面には、異常部品の製造会社や搬入経路等の情報が表示されるので、例えば製造会社が外国の企業であったり、船舶によって運搬される部品であって、代わりの部品の納期が長くなることが予想される場合には、その部品の手配を可及的に速やかに行うことができ、ラインの停止等による作業効率の低下を最小限に抑制できる。
【0058】
(他の実施形態)
尚、本発明の構成は、前記実施形態のものに限定されることはなく、その他の種々の構成も包含するものである。すなわち、前記実施形態の生産支援システム等は、異常部品を含んだ製品のシミュレーションを工場内の検査部門にて行うようにしているが、これに限らず、例えば、シミュレーションを製造会社の設計部門において行うようにしてもよい。この場合には、その設計部門のコンピュータ装置を通信回線を介して工場内LAN7に接続して、製造工程の端末6との間で情報の授受を行えるようにすればよい。こうすれば、機密性の高い設計情報を製造会社の設計部門外に出さないようにして、重要な技術情報の漏洩を未然に防止することができる。
【0059】
また、前記実施形態では、異常部品を含んで組み立てられた製品モデルとして、艤装ラインLから搬出される車体のモデルを用いているが、これに限らず、ラインオフする完成品の自動車の車両モデルを用いることもできる。
【0060】
さらに、前記実施形態では、工場の艤装ラインL(車両組立ライン)において部品の異常を発見した場合を例にとって説明したが、これに限らず、例えば部品の流通センター等、流通経路の途中で抜き取り検査等により異常を発見した場合や、サービス工場での交換部品に不良や異常部品を発見した場合にも、本願発明を適用することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上、説明したように、本願発明に係る組立生産のための生産支援プログラム、生産支援方法及び生産支援システムによると、製品の製造工程等で部品の形状に関する異常が発見されたときに、コンピュータ装置を用いて、その異常部品を含む3次元の製品モデルを構築し、このモデルによって製品の評価シミュレーションを行って、その製品の評価を行うようにしたので、異常部品の組み付けの可否を常に適切に且つ迅速に判断することができるようになり、これにより、作業者に無用の負担をかけることなく、交換の必須な異常部品のみを確実に交換して、資源の無駄遣いを防止し、作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る生産支援システムの概略構成図である。
【図2】ルーフサイドモールを取り付ける工程を示す概念図である。
【図3】部品情報DBにおけるデータフォーマットの一例を示す説明図である。
【図4】生産情報DBにおけるデータフォーマットの一例を示す説明図である。
【図5】3次元車体モデルの車室天井部の前端縁部を拡大して示す図である。
【図6】(a)は3次元車体モデルの構造を示す図5のa−a線断面図であり、(b)は同じくb−b線断面図である。
【図7】ワークステーションへの入力画面の一例を示す説明図である。
【図8】生産支援プログラムの流れを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
A 生産支援システム
L 車両組立ライン(製造工程)
1 PBS(部品)
4 ルーフサイドモール(部品)
5 ウインドシールドモール(部品)
6 端末
7 工場内LAN(通信回線)
9 デジタルカメラ
10 ワークステーション(コンピュータ装置)
11 ディスプレイ装置
12 記憶装置
14 CADデータベース
17 ウインドガラス(部品)
18 ダムラバー(部品)
19 接着剤層(部品)
Claims (15)
- 複数の部品からなる製品の少なくとも組み立て状態をコンピュータ装置を用いて模擬して、その製品の生産を支援するためのコンピュータプログラムであって、
前記製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方において形状に関する異常が発見された異常部品についての情報を入力させる入力ステップと、
前記入力ステップで入力された情報に基づいて、前記異常部品を含んで組み立てられた製品を模擬する3次元の製品モデルを構築するモデル構築ステップと、
前記モデル構築ステップにて構築された製品モデルを用いてその製品の評価を行う評価ステップと、
を備えることを特徴とする組立生産の支援のための生産支援プログラム。 - 請求項1において、
評価ステップにおける製品の評価結果に基づいて、異常部品の組み付けの可否を判定する判定ステップをさらに備えることを特徴とする組立生産の支援のための生産支援プログラム。 - 請求項1において、
コンピュータ装置は、正常な部品を模擬する3次元の部品モデルが予め記憶されているデータベースに接続されており、
入力ステップでは、少なくとも、異常部品を特定する特定情報と、その異常部品の異常状態に関する異常情報とを入力させ、
モデル構築ステップでは、前記データベースから部品モデルを読み込んで、その中から前記特定情報により特定される部品モデルの形状を前記異常情報に基づいて変更することにより、異常部品の部品モデルを構築し、さらに、この異常部品モデルとそれ以外の部品モデルとを組み合わせて、製品モデルを構築することを特徴とする組立生産の支援のための生産支援プログラム。 - 請求項3において、
異常情報は、異常部品の3次元形状を認知可能な画像データであることを特徴とする組立生産の支援のための生産支援プログラム。 - 請求項4において、
コンピュータ装置には画像を表示するディスプレイ装置が接続され、
モデル構築ステップでは、データベースから読み込んだ部品モデルの画像と異常部品の画像とを前記ディスプレイ装置に重畳表示して、操作者による入力に応じて前記部品モデルの形状を変更することを特徴とする組立生産の支援のための生産支援プログラム。 - 請求項1において、
入力ステップでは、少なくとも異常部品を特定する特定情報を入力させ、
前記特定情報に基づいて、異常部品の製造工程への搬入に関する所定の情報を報知する報知ステップをさらに備えることを特徴とする組立生産の支援のための生産支援プログラム。 - 請求項6において、
異常部品の搬入に関する所定情報には、当該異常部品が船舶によって運搬されるものか否かの情報が含まれることを特徴とする組立生産の支援のための生産支援プログラム。 - 請求項1において、
コンピュータ装置は製品の製造工程を有する工場の検査部門に設けられ、
前記製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方の現場には、前記コンピュータ装置と双方向通信可能に接続された端末が配設され、
入力ステップでは、前記現場の端末に異常部品についての情報の入力操作を促す表示を行わせるとともに、これに応じて前記端末に入力されて該端末から送信されてきた情報を受け入れることを特徴とする組立生産の支援のための生産支援プログラム。 - 請求項1において、
コンピュータ装置は製品の設計部門に設けられ、
前記製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方の現場には、前記コンピュータ装置と双方向通信可能に接続された端末が配設され、
入力ステップでは、前記現場の端末に異常部品についての情報の入力操作を促す表示を行わせるとともに、これに応じて前記端末に入力されて該端末から送信されてきた情報を受け入れることを特徴とする組立生産の支援のための生産支援プログラム。 - 請求項1において、
評価ステップでは、製品モデルにおいて異常部品とそれ以外の部品との相互の位置関係が適正なものかどうか評価することを特徴とする組立生産の支援のための生産支援プログラム。 - 請求項1において、
評価ステップでは、製品モデルを用いて製品の使用状態を模擬する仮想の耐久試験を行い、この試験の結果に基づいて製品の耐久性を評価することを特徴とする組立生産の支援のための生産支援プログラム。 - 複数の部品からなる製品の少なくとも組み立て状態をコンピュータ装置を用いて模擬して、その製品の生産を支援する生産支援方法であって、
前記製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方の現場に前記コンピュータ装置と双方向通信可能に接続された端末を配設し、
形状に関する異常が発見された異常部品についての情報を作業者により前記現場の端末に入力させて、この端末からコンピュータ装置に送信し、
前記コンピュータ装置によって、前記異常部品を含んで組み立てられた製品を模擬する3次元の製品モデルを構築し、且つその製品モデルを用いて製品の評価のための演算を行い、
前記評価のための演算の結果に基づいて、異常部品の組み付けの可否を判定することを特徴とする組立生産の支援のための生産支援方法。 - 複数の部品からなる製品の少なくとも組み立て状態をコンピュータ装置を用いて模擬して、その製品の生産を支援するための生産支援システムであって、
前記製品の製造工程及び部品の流通経路の少なくとも一方の現場には、前記コンピュータ装置と双方向通信可能に接続された端末が配設され、
前記端末には、形状に関する異常の発見された異常部品についての情報が入力されたときに、その情報を前記コンピュータ装置に送信する送信手段を備え、
前記コンピュータ装置には、
前記異常部品についての情報に基づいて、その異常部品を含んで組み立てられた製品を模擬する3次元の製品モデルを構築するモデル構築手段と、
前記モデル構築手段により構築された製品モデルを用いてその製品の評価を行う評価手段とを備えることを特徴とする組立生産の支援のための生産支援システム。 - 請求項13において、
現場の端末には、異常部品についての情報の入力操作を促す表示を行う操作表示手段が設けられていることを特徴とする組立生産の支援のための生産支援システム。 - 請求項13において、
コンピュータ装置には、
評価手段による製品の評価結果に基づいて異常部品の組み付けの可否を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定の結果を現場の端末に送信して、表示させる送信表示手段とをさらに備えることを特徴とする組立生産の支援のための生産支援システム。
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