JP2004169853A - 気密型ネジカバー及びネジ接合部のシーリング方法 - Google Patents
気密型ネジカバー及びネジ接合部のシーリング方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004169853A JP2004169853A JP2002338194A JP2002338194A JP2004169853A JP 2004169853 A JP2004169853 A JP 2004169853A JP 2002338194 A JP2002338194 A JP 2002338194A JP 2002338194 A JP2002338194 A JP 2002338194A JP 2004169853 A JP2004169853 A JP 2004169853A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- screw
- airtight
- screw cover
- sealing
- cover
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Ventilation (AREA)
- Duct Arrangements (AREA)
Abstract
【課題】気密性を要し且つ圧力差や清浄度差の存在する空気清浄器の空胴部等を接続する際に、ネジやボルトの接合部におけるシーリングを容易且つ確実に行え、リーク防止効果の向上、作業時間の短縮、美観の向上を達成できる気密型ネジカバー及びそれを用いたネジ接合部のシーリング方法を提供する。
【解決手段】ネジ接合部2のナット部分側を、余剰空隙10を形成しつつ包覆可能な内容部11を有しその内天井部にボルト21の先端に螺合する螺合部12を形成した気密型ネジカバー1を構成し、該気密型ネジカバー1の内容部11にシーリング材10を注入し、該気密型ネジカバー1をネジ接合部2のナット部分側に被せ、気密型ネジカバー1の螺合部12をボルト21の先端に螺合して気密型ネジカバー1をネジ接合部2に固定するシーリング方法を採用した。
【選択図】 図1
【解決手段】ネジ接合部2のナット部分側を、余剰空隙10を形成しつつ包覆可能な内容部11を有しその内天井部にボルト21の先端に螺合する螺合部12を形成した気密型ネジカバー1を構成し、該気密型ネジカバー1の内容部11にシーリング材10を注入し、該気密型ネジカバー1をネジ接合部2のナット部分側に被せ、気密型ネジカバー1の螺合部12をボルト21の先端に螺合して気密型ネジカバー1をネジ接合部2に固定するシーリング方法を採用した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気密性を要し且つ圧力差や清浄度差の存在する空気清浄器の空胴部等を接続する際に、ネジまたはボルト、ナットで接合した接合部における気密性を確保するために使用する気密型ネジカバー及びネジ接合部のシーリング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
安全キャビネットやクリーンベンチ、クリーンブース等の空気清浄機器は、基本的に汚染空気を陰圧ケース内に吸引すると共に、送風手段で陽圧ケースを通じてフィルターに圧送し、清浄化して作業空間に吹き出す構成を有しているが、これらの部材を実用的なサイズの機器構成にレイアウトする必要上、圧力差のあるケース(空胴部)同士を隣接させ、且つ、それらを接合する必要がある。その場合、組立や解体、メンテナンス時の利便性を考慮してネジまたはボルト、ナットを用いて接合するのが一般的である。
【0003】
図4は、有害なガスや細菌等の取り拠いを可能にする安全キャビネット41において、気密チャンバー42(陽圧)とサイドケース43(大気圧)との接合部分を示すものである。この例では、気密チャンバー42にスタッドボルト44を溶接し、ネジ穴を加工しないことにより気密性を確保している。しかし、電気部品等の取付けや通線のため止むを得ず穴加工する必要があり、その場合穴加工部分46にはサイドケース43側に漏洩防止カバー47を取付け、その周囲をシーリング材s(シリコンシーラー)にてシーリングするが、この状態では気密チャンバー42内の空気が図4,5中矢印a〜bで示されるように気密チャンバー42とサイドケース43の間を伝いスタッドボルト44とナット45の隙間から漏れる恐れがある。このため、図6に示すようにシーリング材s´で接続用ネジ(44,45)全体を覆いシーリングしていた。
【0004】
このようなリーク防止のためのシーリング作業は手間と時間を要する上、作業者の熟練度によってはリーク防止の確実性を欠くこともあり、また、不定形に盛られたシーリングにより美観を損ねる問題も有った。特に安全キャビネットは、組立完了後に圧力500PAでのチャンバー気密試験が義務付けられており、チャンバーを連結している全てのボルト、ネジ部をシーリングする必要がある。しかし、シリコンシーラー等のシーリング材はシーリング処理後、気密試験に耐え得るよう充分に乾燥するまで約1日待機しなければならず、生産性を落とす要因となっていた。更に、ソープバブル法にて気密試験を行う場合、薄い石鹸水をシーリング部分s´に噴霧するため、試験後不定形に盛られたシーリング部s´の石鹸水の拭き取り作業に手間を要した。
【0005】
図7は、気流垂直形のクリーンベンチ71の例を示している。クリーンベンチ71は作業台72下部の送風ユニット73,作業台72背後の汚染加圧チャンバー74,天井部のHEPAユニット75の3つのケースの組合せからなり、プレフィルター76から送風ユニット73内に吸入した汚染空気をファン77により汚染加圧チャンバー74を経てHEPAユニット75に送り、HEPAフィルター78で清浄化して作業空間79に吹き出すものであるが、内部陽圧となる汚染加圧チャンバー74とHEPAユニット75の接続部81をシーリング材sによりシールしている。
【0006】
また、HEPAユニット75の下部と汚染加圧チャンバー74前面を接続する連結ボルト82を通じ、図8中a〜bで示されるような経路で汚染空気が漏洩する恐れがあるため、その部分にもシーリング材s´を盛り気密性を確保する必要があるが、本作業も先述した安全キャビネット41における場合と同様、手間と時間を要し、大幅に美観を損なうものであった。
【0007】
図9は、連結型クリーンブース91の例を示している。クリーンブースは送風ユニット92とフィルターユニット93より構成されているが、設置面積やレイアウト上、1つの送風ユニット92に対してフィルターユニット93を複数連結して構成する場合が多い。図示例は2個のフィルターユニット93を連結した場合を示し、ファン94にて加圧された汚染空気は夫々のフィルターユニット93の陽圧チャンバー95に送られ、HEPAフィルター96を経て清浄化され下方の作業空間97に供給される。
【0008】
この際、加圧された陽圧チャンバー95内の汚染空気は、ケース接続部98において、図10中a〜cで示されるような経路で作業空間97にリークする恐れがある。そこで、ケース接続部98の上下をシーリング材sにてシールすると共に、連結ボルト99からもリークする恐れがあるため、先述した各場合同様、シーリング材s´を連結ボルト99の両側に盛り全てを覆う作業を実施しているが、この作業も手間を要し、且つ大幅に美観を損なっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の上記の点に鑑みて、気密性を要し且つ圧力差や清浄度差の存在する空気清浄器の空胴部等を接続する際に、ネジやボルトの接合部におけるシーリングを容易且つ確実に行うことができ、リーク防止効果の向上、作業時間の短縮による生産性の向上、及び、美観の向上を一挙に達成できる気密型ネジカバー及びネジ接合部のシーリング方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、被接合部材をネジまたはボルト、ナットで接合したネジ接合部のナット部分側を、該ナット部分との間にシーリング材充填用の余剰空隙を形成しつつ包覆可能な内容部を有するキャップ状をなし、且つ、前記内容部の内天井部に前記包覆状態でナットより突出したネジまたはボルトの先端に螺合しネジ接合部に固定可能な螺合部を形成した気密型ネジカバーを構成した。また、上記被接合部材に当接する下端周縁部に弾性材からなるパッキングを設けても良い。そして、上記気密型ネジカバーの内容部にシーリング材を注入し、該気密型ネジカバーを、気密性を要する被接合部材を接合したネジ接合部のナット部分側に被せ、気密型ネジカバーの螺合部をネジまたはボルトの先端に螺合して該気密型ネジカバーをネジ接合部に固定するネジ接合部のシーリング方法を採用した。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明第1実施形態の気密型ネジカバー1を用いてシーリングしたネジ接合部2を示している。図において、気密型ネジカバー1は、ネジ接合部2のナット部分側、即ち、ナット22とワッシャ23,24、及びナット22より突出したボルト21の先端を、余剰空隙(10)を形成しつつ包覆可能な内容部11を有するキャップ状をなし、且つ、内容部11の内天井部には前記ボルト21先端に螺合する螺合部12を形成してなる。また、外周面には、スパナ等を係合して回動するための2カ所の切欠部13,13を形成しているが、この切欠部13は、滑らずに回動できる形状であれば他の形状、例えば、縦方向の溝や多角形状等であっても良い。
【0012】
そして、内容部11は、下側はワッシャ23,24の径に対応した大径部11bとする一方、上側はナット22の径のみに対応した小径部11aとし、ワッシャ23,24の外方に余剰空隙10を形成しつつも、余剰空隙10が不必要に大きくなるのを抑え、シーリング材の使用量と乾燥時間を節減すると共に、外周上に切欠部13を形成するのに充分な肉厚が得られるようにしている。ボルト21及びそれに対応するナット22の径、ボルトヘッドのサイズは規格化されているので、上記大径部11b,小径部11aの寸法は容易に設定でき、ネジの呼び径に合わせて気密型ネジカバー1を準備すれば良い。
【0013】
気密型ネジカバー1の材質は、特に限定されるものではないが、安価軽量で比強度、及びシール性に優れたプラスチックが好適であり、更に、有色不透明のシーリング材に対して気密型ネジカバー1に透明(または半透明)なプラスチックを用いればシーリング材の充填状況が目視できるという利点がある。
【0014】
次に、上記気密型ネジカバー1を用いてネジ接合部2のシーリングを行うに際しては、通常の組立ての場合と同様、ネジ接合部2のボルト21に、ワッシャ23,24を介してナット22を螺合し、ケース25,26に接合に必要な構造的接合強度を確保した状態で、気密型ネジカバー1の内容部11にシーリング材10(ゲル状シリコンシーラー)を8分目程充填し、該気密型ネジカバー1を前記ネジ接合部2に被せ、気密型ネジカバー1を回動してボルト21の先端に螺合部12を螺合して固定した後、気密型ネジカバー1の周囲からはみ出したシーリング材を拭き取れば、シーリング作業は完了する。
【0015】
上記の如くシーリングされたネジ接合部2は、気密型ネジカバー1の螺合部12がボルト21に直接螺合することによって固定されているため、シーリング材10が充分に硬化する前でも緩みによる落下の心配が無く、直ちに気密試験の気圧に耐えられる。また、作業自体も簡単で、作業者の熟練を必要とせずに短時間で確実なシーリング作業が行え、気密型ネジカバー1からはみ出したシーリング材を拭き取ることでシーリング材10の充填量が一定になり、確実にリーク防止でき、且つ、シーリング材が不定形に露見する部分がないので美観を損ねず、ソープバブル法による気密試験後の石鹸水の拭き取りも容易である。
【0016】
更に、装置の分解等でネジ接合部2を外す必要が生じても、気密型ネジカバー1をスパナ等の工具を用いて回動し、取り外すことでシーリング材10を容易に除去でき、且つ、取り外した気密型ネジカバー1に少量のシーリング材を追加注入することで気密型ネジカバー1の再利用が可能となる。
【0017】
次に、図3は本発明第2実施形態の気密型ネジカバー31を示している。該気密型ネジカバー31は下端周縁部にゴムパッキン32を装着した点と、内容部11の小径部(11a)の代りにテーパー部11cを設けた点が異なり、他は先述した第1実施形態の気密型ネジカバー1と同様であり、共通の部材には共通の符号を付しその説明を省略する。
【0018】
この気密型ネジカバー31では、ゴムパッキン32によってある程度の気密性が確保されるので、高い気密度を必要としない場合には、シーリング材を省略することができ、また、シーリング材を周囲にはみ出せない程度に少量のみ使用することで、拭き取り作業を省略できるようになる。そしてシーリング材を省略、または少量のみ使用することで、気密型ネジカバー31の再利用をより簡単に行える利点もある。
【0019】
尚、ゴムパッキン32は、ゴム様物質により形成されたパッキングを意味し、素材が天然或いは合成ゴムである場合に限定されるものではない。また、図示例のようにゴムパッキン32を気密型ネジカバー31の下端周縁部に被着する場合の他に、接着・融着等により固定しても良く、その場合ゴムパッキン32の形状は単にリング状等であっても良い。
【0020】
【発明の効果】
本発明気密型ネジカバー及びネジ接合部のシーリング方法は、上述の通り構成されているので、気密性を要し且つ圧力差や清浄度差が存在する空気清浄機器の空胴部等を接続するネジ接合部におけるシーリングを低コストで容易且つ確実に行うことができ、リーク防止効果の向上、気密性能試験を含めた作業時間の短縮による生産性の向上、及び、シーリング材が不定形に露見しないことによる美観の向上を一挙に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態の気密型ネジカバー及びネジ接合部を示す縦断面図である。
【図2】本発明第1実施形態の気密型ネジカバー及びネジ接合部を示す斜視図である。
【図3】本発明第2実施形態の気密型ネジカバー及びネジ接合部を示す縦断面図である。
【図4】安全キャビネットの気密チャンバーとサイドケースとの接合部分を示す断面図である。
【図5】ネジ接合部における空気のリーク経路を示す断面図である。
【図6】ネジ接合部の従来のシーリング状態を示す断面図である。
【図7】クリーンベンチを示す側断面図である。
【図8】図7のA部分拡大図である。
【図9】連結型クリーンブースを示す要部側断面図である。
【図10】図9のケース接続部分拡大図である。
【符号の説明】
1,31 気密型ネジカバー
2 ネジ接合部
10 シーリング材(余剰空隙)
11 内容部
12 螺合部
13 切欠部
21 ボルト
22 ナット
25,26 ケース
32 ゴムパッキン(パッキング)
【発明の属する技術分野】
本発明は、気密性を要し且つ圧力差や清浄度差の存在する空気清浄器の空胴部等を接続する際に、ネジまたはボルト、ナットで接合した接合部における気密性を確保するために使用する気密型ネジカバー及びネジ接合部のシーリング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
安全キャビネットやクリーンベンチ、クリーンブース等の空気清浄機器は、基本的に汚染空気を陰圧ケース内に吸引すると共に、送風手段で陽圧ケースを通じてフィルターに圧送し、清浄化して作業空間に吹き出す構成を有しているが、これらの部材を実用的なサイズの機器構成にレイアウトする必要上、圧力差のあるケース(空胴部)同士を隣接させ、且つ、それらを接合する必要がある。その場合、組立や解体、メンテナンス時の利便性を考慮してネジまたはボルト、ナットを用いて接合するのが一般的である。
【0003】
図4は、有害なガスや細菌等の取り拠いを可能にする安全キャビネット41において、気密チャンバー42(陽圧)とサイドケース43(大気圧)との接合部分を示すものである。この例では、気密チャンバー42にスタッドボルト44を溶接し、ネジ穴を加工しないことにより気密性を確保している。しかし、電気部品等の取付けや通線のため止むを得ず穴加工する必要があり、その場合穴加工部分46にはサイドケース43側に漏洩防止カバー47を取付け、その周囲をシーリング材s(シリコンシーラー)にてシーリングするが、この状態では気密チャンバー42内の空気が図4,5中矢印a〜bで示されるように気密チャンバー42とサイドケース43の間を伝いスタッドボルト44とナット45の隙間から漏れる恐れがある。このため、図6に示すようにシーリング材s´で接続用ネジ(44,45)全体を覆いシーリングしていた。
【0004】
このようなリーク防止のためのシーリング作業は手間と時間を要する上、作業者の熟練度によってはリーク防止の確実性を欠くこともあり、また、不定形に盛られたシーリングにより美観を損ねる問題も有った。特に安全キャビネットは、組立完了後に圧力500PAでのチャンバー気密試験が義務付けられており、チャンバーを連結している全てのボルト、ネジ部をシーリングする必要がある。しかし、シリコンシーラー等のシーリング材はシーリング処理後、気密試験に耐え得るよう充分に乾燥するまで約1日待機しなければならず、生産性を落とす要因となっていた。更に、ソープバブル法にて気密試験を行う場合、薄い石鹸水をシーリング部分s´に噴霧するため、試験後不定形に盛られたシーリング部s´の石鹸水の拭き取り作業に手間を要した。
【0005】
図7は、気流垂直形のクリーンベンチ71の例を示している。クリーンベンチ71は作業台72下部の送風ユニット73,作業台72背後の汚染加圧チャンバー74,天井部のHEPAユニット75の3つのケースの組合せからなり、プレフィルター76から送風ユニット73内に吸入した汚染空気をファン77により汚染加圧チャンバー74を経てHEPAユニット75に送り、HEPAフィルター78で清浄化して作業空間79に吹き出すものであるが、内部陽圧となる汚染加圧チャンバー74とHEPAユニット75の接続部81をシーリング材sによりシールしている。
【0006】
また、HEPAユニット75の下部と汚染加圧チャンバー74前面を接続する連結ボルト82を通じ、図8中a〜bで示されるような経路で汚染空気が漏洩する恐れがあるため、その部分にもシーリング材s´を盛り気密性を確保する必要があるが、本作業も先述した安全キャビネット41における場合と同様、手間と時間を要し、大幅に美観を損なうものであった。
【0007】
図9は、連結型クリーンブース91の例を示している。クリーンブースは送風ユニット92とフィルターユニット93より構成されているが、設置面積やレイアウト上、1つの送風ユニット92に対してフィルターユニット93を複数連結して構成する場合が多い。図示例は2個のフィルターユニット93を連結した場合を示し、ファン94にて加圧された汚染空気は夫々のフィルターユニット93の陽圧チャンバー95に送られ、HEPAフィルター96を経て清浄化され下方の作業空間97に供給される。
【0008】
この際、加圧された陽圧チャンバー95内の汚染空気は、ケース接続部98において、図10中a〜cで示されるような経路で作業空間97にリークする恐れがある。そこで、ケース接続部98の上下をシーリング材sにてシールすると共に、連結ボルト99からもリークする恐れがあるため、先述した各場合同様、シーリング材s´を連結ボルト99の両側に盛り全てを覆う作業を実施しているが、この作業も手間を要し、且つ大幅に美観を損なっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の上記の点に鑑みて、気密性を要し且つ圧力差や清浄度差の存在する空気清浄器の空胴部等を接続する際に、ネジやボルトの接合部におけるシーリングを容易且つ確実に行うことができ、リーク防止効果の向上、作業時間の短縮による生産性の向上、及び、美観の向上を一挙に達成できる気密型ネジカバー及びネジ接合部のシーリング方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、被接合部材をネジまたはボルト、ナットで接合したネジ接合部のナット部分側を、該ナット部分との間にシーリング材充填用の余剰空隙を形成しつつ包覆可能な内容部を有するキャップ状をなし、且つ、前記内容部の内天井部に前記包覆状態でナットより突出したネジまたはボルトの先端に螺合しネジ接合部に固定可能な螺合部を形成した気密型ネジカバーを構成した。また、上記被接合部材に当接する下端周縁部に弾性材からなるパッキングを設けても良い。そして、上記気密型ネジカバーの内容部にシーリング材を注入し、該気密型ネジカバーを、気密性を要する被接合部材を接合したネジ接合部のナット部分側に被せ、気密型ネジカバーの螺合部をネジまたはボルトの先端に螺合して該気密型ネジカバーをネジ接合部に固定するネジ接合部のシーリング方法を採用した。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明第1実施形態の気密型ネジカバー1を用いてシーリングしたネジ接合部2を示している。図において、気密型ネジカバー1は、ネジ接合部2のナット部分側、即ち、ナット22とワッシャ23,24、及びナット22より突出したボルト21の先端を、余剰空隙(10)を形成しつつ包覆可能な内容部11を有するキャップ状をなし、且つ、内容部11の内天井部には前記ボルト21先端に螺合する螺合部12を形成してなる。また、外周面には、スパナ等を係合して回動するための2カ所の切欠部13,13を形成しているが、この切欠部13は、滑らずに回動できる形状であれば他の形状、例えば、縦方向の溝や多角形状等であっても良い。
【0012】
そして、内容部11は、下側はワッシャ23,24の径に対応した大径部11bとする一方、上側はナット22の径のみに対応した小径部11aとし、ワッシャ23,24の外方に余剰空隙10を形成しつつも、余剰空隙10が不必要に大きくなるのを抑え、シーリング材の使用量と乾燥時間を節減すると共に、外周上に切欠部13を形成するのに充分な肉厚が得られるようにしている。ボルト21及びそれに対応するナット22の径、ボルトヘッドのサイズは規格化されているので、上記大径部11b,小径部11aの寸法は容易に設定でき、ネジの呼び径に合わせて気密型ネジカバー1を準備すれば良い。
【0013】
気密型ネジカバー1の材質は、特に限定されるものではないが、安価軽量で比強度、及びシール性に優れたプラスチックが好適であり、更に、有色不透明のシーリング材に対して気密型ネジカバー1に透明(または半透明)なプラスチックを用いればシーリング材の充填状況が目視できるという利点がある。
【0014】
次に、上記気密型ネジカバー1を用いてネジ接合部2のシーリングを行うに際しては、通常の組立ての場合と同様、ネジ接合部2のボルト21に、ワッシャ23,24を介してナット22を螺合し、ケース25,26に接合に必要な構造的接合強度を確保した状態で、気密型ネジカバー1の内容部11にシーリング材10(ゲル状シリコンシーラー)を8分目程充填し、該気密型ネジカバー1を前記ネジ接合部2に被せ、気密型ネジカバー1を回動してボルト21の先端に螺合部12を螺合して固定した後、気密型ネジカバー1の周囲からはみ出したシーリング材を拭き取れば、シーリング作業は完了する。
【0015】
上記の如くシーリングされたネジ接合部2は、気密型ネジカバー1の螺合部12がボルト21に直接螺合することによって固定されているため、シーリング材10が充分に硬化する前でも緩みによる落下の心配が無く、直ちに気密試験の気圧に耐えられる。また、作業自体も簡単で、作業者の熟練を必要とせずに短時間で確実なシーリング作業が行え、気密型ネジカバー1からはみ出したシーリング材を拭き取ることでシーリング材10の充填量が一定になり、確実にリーク防止でき、且つ、シーリング材が不定形に露見する部分がないので美観を損ねず、ソープバブル法による気密試験後の石鹸水の拭き取りも容易である。
【0016】
更に、装置の分解等でネジ接合部2を外す必要が生じても、気密型ネジカバー1をスパナ等の工具を用いて回動し、取り外すことでシーリング材10を容易に除去でき、且つ、取り外した気密型ネジカバー1に少量のシーリング材を追加注入することで気密型ネジカバー1の再利用が可能となる。
【0017】
次に、図3は本発明第2実施形態の気密型ネジカバー31を示している。該気密型ネジカバー31は下端周縁部にゴムパッキン32を装着した点と、内容部11の小径部(11a)の代りにテーパー部11cを設けた点が異なり、他は先述した第1実施形態の気密型ネジカバー1と同様であり、共通の部材には共通の符号を付しその説明を省略する。
【0018】
この気密型ネジカバー31では、ゴムパッキン32によってある程度の気密性が確保されるので、高い気密度を必要としない場合には、シーリング材を省略することができ、また、シーリング材を周囲にはみ出せない程度に少量のみ使用することで、拭き取り作業を省略できるようになる。そしてシーリング材を省略、または少量のみ使用することで、気密型ネジカバー31の再利用をより簡単に行える利点もある。
【0019】
尚、ゴムパッキン32は、ゴム様物質により形成されたパッキングを意味し、素材が天然或いは合成ゴムである場合に限定されるものではない。また、図示例のようにゴムパッキン32を気密型ネジカバー31の下端周縁部に被着する場合の他に、接着・融着等により固定しても良く、その場合ゴムパッキン32の形状は単にリング状等であっても良い。
【0020】
【発明の効果】
本発明気密型ネジカバー及びネジ接合部のシーリング方法は、上述の通り構成されているので、気密性を要し且つ圧力差や清浄度差が存在する空気清浄機器の空胴部等を接続するネジ接合部におけるシーリングを低コストで容易且つ確実に行うことができ、リーク防止効果の向上、気密性能試験を含めた作業時間の短縮による生産性の向上、及び、シーリング材が不定形に露見しないことによる美観の向上を一挙に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態の気密型ネジカバー及びネジ接合部を示す縦断面図である。
【図2】本発明第1実施形態の気密型ネジカバー及びネジ接合部を示す斜視図である。
【図3】本発明第2実施形態の気密型ネジカバー及びネジ接合部を示す縦断面図である。
【図4】安全キャビネットの気密チャンバーとサイドケースとの接合部分を示す断面図である。
【図5】ネジ接合部における空気のリーク経路を示す断面図である。
【図6】ネジ接合部の従来のシーリング状態を示す断面図である。
【図7】クリーンベンチを示す側断面図である。
【図8】図7のA部分拡大図である。
【図9】連結型クリーンブースを示す要部側断面図である。
【図10】図9のケース接続部分拡大図である。
【符号の説明】
1,31 気密型ネジカバー
2 ネジ接合部
10 シーリング材(余剰空隙)
11 内容部
12 螺合部
13 切欠部
21 ボルト
22 ナット
25,26 ケース
32 ゴムパッキン(パッキング)
Claims (3)
- 被接合部材をネジまたはボルト、ナットで接合したネジ接合部のナット部分側を、該ナット部分との間にシーリング材充填用の余剰空隙を形成しつつ包覆可能な内容部を有するキャップ状をなし、且つ、前記内容部の内天井部に前記包覆状態でナットより突出したネジまたはボルトの先端に螺合しネジ接合部に固定可能な螺合部を形成したことを特徴とする気密型ネジカバー。
- 被接合部材に当接する下端周縁部に弾性材からなるパッキングを設けた請求項1記載の気密型ネジカバー。
- 請求項1または2に記載された気密型ネジカバーの内容部にシーリング材を注入し、該気密型ネジカバーを、気密性を要する被接合部材を接合したネジ接合部のナット部分側に被せ、気密型ネジカバーの螺合部をネジまたはボルトの先端に螺合して該気密型ネジカバーをネジ接合部に固定することを特徴とするネジ接合部のシーリング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002338194A JP2004169853A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | 気密型ネジカバー及びネジ接合部のシーリング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002338194A JP2004169853A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | 気密型ネジカバー及びネジ接合部のシーリング方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004169853A true JP2004169853A (ja) | 2004-06-17 |
Family
ID=32701481
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002338194A Pending JP2004169853A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | 気密型ネジカバー及びネジ接合部のシーリング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004169853A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012126345A (ja) * | 2010-12-17 | 2012-07-05 | Mitsubishi Aircraft Corp | 耐雷ファスナ、耐雷ファスナの取付構造 |
JP2013119335A (ja) * | 2011-12-08 | 2013-06-17 | Mitsubishi Aircraft Corp | 耐雷ファスナ |
EP3462046A1 (en) * | 2017-09-28 | 2019-04-03 | The Boeing Company | Rapid installation thermoplastic eme protection cap |
US10920818B2 (en) | 2018-04-27 | 2021-02-16 | The Boeing Company | Anchoring washer for an EME protection cap system |
US10948004B2 (en) | 2018-07-26 | 2021-03-16 | The Boeing Company | Anchoring bolt head for an EME protection cap system |
US10962043B2 (en) | 2018-04-24 | 2021-03-30 | The Boeing Company | Anchoring nut for an EME protection cap system |
US10982704B2 (en) | 2019-01-03 | 2021-04-20 | The Boeing Company | EME protection cap system with screw sealant mechanism |
US11236777B2 (en) | 2019-05-06 | 2022-02-01 | The Boeing Company | Friction fit electromagnetic effect protection cap system |
US11754111B2 (en) | 2020-03-16 | 2023-09-12 | The Boeing Company | Compression fit EME protection seal cap |
US11788573B2 (en) | 2019-05-23 | 2023-10-17 | The Boeing Company | Multi-component melt electromagnetic effect protection cap system |
-
2002
- 2002-11-21 JP JP2002338194A patent/JP2004169853A/ja active Pending
Cited By (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012126345A (ja) * | 2010-12-17 | 2012-07-05 | Mitsubishi Aircraft Corp | 耐雷ファスナ、耐雷ファスナの取付構造 |
US8882423B2 (en) | 2010-12-17 | 2014-11-11 | Mitsubishi Aircraft Corporation | Lightning-resistant fastener and mounting structure of lightning-resistant fastener |
JP2013119335A (ja) * | 2011-12-08 | 2013-06-17 | Mitsubishi Aircraft Corp | 耐雷ファスナ |
JP7278047B2 (ja) | 2017-09-28 | 2023-05-19 | ザ・ボーイング・カンパニー | 熱可塑性のeme保護キャップの迅速な取り付け |
EP3462046A1 (en) * | 2017-09-28 | 2019-04-03 | The Boeing Company | Rapid installation thermoplastic eme protection cap |
JP2019090527A (ja) * | 2017-09-28 | 2019-06-13 | ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company | 熱可塑性のeme保護キャップの迅速な取り付け |
US10655667B2 (en) | 2017-09-28 | 2020-05-19 | The Boeing Company | Rapid installation thermoplastic EME protection cap |
CN109588031A (zh) * | 2017-09-28 | 2019-04-05 | 波音公司 | 快速安装热塑性电磁效应保护帽 |
US11732743B2 (en) | 2018-04-24 | 2023-08-22 | The Boeing Company | Anchoring nut for an EME protection cap system |
US10962043B2 (en) | 2018-04-24 | 2021-03-30 | The Boeing Company | Anchoring nut for an EME protection cap system |
US11725687B2 (en) | 2018-04-27 | 2023-08-15 | The Boeing Company | Anchoring washer for an EME protection cap system |
US10920818B2 (en) | 2018-04-27 | 2021-02-16 | The Boeing Company | Anchoring washer for an EME protection cap system |
US10948004B2 (en) | 2018-07-26 | 2021-03-16 | The Boeing Company | Anchoring bolt head for an EME protection cap system |
US10982704B2 (en) | 2019-01-03 | 2021-04-20 | The Boeing Company | EME protection cap system with screw sealant mechanism |
US11236777B2 (en) | 2019-05-06 | 2022-02-01 | The Boeing Company | Friction fit electromagnetic effect protection cap system |
US11788573B2 (en) | 2019-05-23 | 2023-10-17 | The Boeing Company | Multi-component melt electromagnetic effect protection cap system |
US11754111B2 (en) | 2020-03-16 | 2023-09-12 | The Boeing Company | Compression fit EME protection seal cap |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004169853A (ja) | 気密型ネジカバー及びネジ接合部のシーリング方法 | |
KR100994235B1 (ko) | 복층 유리 | |
CN104128285B (zh) | 一种喷嘴清洁装置及其清洁方法 | |
AU2009329711A1 (en) | Portable chargeable spraying bottle | |
JP2000055767A (ja) | ボンベ用ガスバルブの試験装置及び試験方法 | |
CN115290274B (zh) | 一种一次性使用无菌注射器密封性检测装置 | |
CN209774574U (zh) | 一种电子设备维修用工作台 | |
JP2007134141A (ja) | イオン化装置の電極針ユニットおよびイオン化装置 | |
US4686328A (en) | Hermetically sealed connector for glove box and method for exchanging such connectors | |
KR100650750B1 (ko) | 기판 세정장치 | |
CN209802398U (zh) | 航空电子仪器检测装置 | |
JP5300050B2 (ja) | ひび割れ構造物の補修方法 | |
SE9702638D0 (sv) | Anordning vid renrumsfilter | |
CN213795538U (zh) | 城轨客车构架空气簧孔加工气室防屑装置 | |
US20020043273A1 (en) | Method of removing hazardous insulation material | |
CN105319013A (zh) | 机台防水检漏装置 | |
JP2019095032A (ja) | 流体漏出個所の補修方法 | |
JPH1116739A (ja) | ケースの漏洩個所検出方法及び該漏洩個所検出方法に用いる盲栓 | |
JP2001032529A (ja) | コンクリートクラック補修用装置及びコンクリートクラックの補修方法 | |
CN212228550U (zh) | 用于水质在线监测仪的消解瓶密封装置 | |
CN110566666A (zh) | 电力设备气体泄漏的堵漏方法 | |
CN206465057U (zh) | 一种手动操作的可视隔离操作防护台 | |
CN116213377A (zh) | 一种离子风清洗针管装置 | |
JPH0747893B2 (ja) | シール不良箇所の補修方法と補修装置 | |
JP2000182429A (ja) | クリーンルームにおける照明器具の取付構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20050308 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050421 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051107 |