JP2004169100A - 超音波ショットピーニング処理機および超音波ショットピーニング処理装置 - Google Patents

超音波ショットピーニング処理機および超音波ショットピーニング処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ナノ結晶組織を有する共に、各種の特性を有する表面層を得るための、またこれらの表面層を効率的に得るための、また高い疲労性能を得るための超音波ショットピーニング処理機および超音波ショットピーニング処理装置を提供する。
【解決手段】超音波を発生させるトランスデューサーと、トランスデューサーの振動を振動板に伝達する振動子と、振動子に取り付けられた振動板と、振動板と対向する処理面との空間を、少なくとも振動板の外周を含んで、シールするホルダーと、シールされた空間内を移動するショット粒とからなる超音波衝撃処機であり、さらに、処理面からの音響エネルギーを検出する音響検出手段と、処理面と振動板との間隔を調整する間隔調整手段とを備え得る。また、この超音波ショットピーンニング処理機に移動する手段、金属粉供給手段、加熱手段、シールドガス供給手段を設けた超音波ショットピーニング処理装置である。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材料の表面に超音波によって作動する物体による打撃で衝撃を与え、これによって金属材料表層の形状および特性を改善するための超音波ショットピーニング処理機およびこれを組み込んだ超音波ショットピーニング処理装置に関し、特に超音波ショットピーニング処理によるナノ結晶構造化を効率的に行なえる機器および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属材料の表面層の結晶組織をナノメータ(nm、10−9m)を単位として用いるのが適当なサイズ、例えば100nm以下に微細化した、いわゆるナノ結晶組織を得ることにより、従来には得られなかった優れた性質、例えば超高強度などの特性を得ることができることが知られている。
【0003】
このナノ結晶組織をもつ金属材料を得る各種の方法が報告されている(たとえは、非特許文献1参照)が、例えば、金属材料を一旦アモルファス状態とし、次いで低温熱処理を行なう方法がある。また、アモルファス状態とするには、金属材料を高速急冷あるいはスパッタ製膜などの方法があるが、この場合、広く一般の形状の成形体や構造体をうるには制約がある。また、この他に、金属材料の粉末をボールミルなどで処理し、材料表面に強加工を施すことにより材料をアモルファス化し、次いでこれを熱処理することにより、ナノ結晶構造を有する金属粉末を得ることができる。この金属粉末を高温で加圧成形し、或いはさらに溶接などの処理を行なって構造体とすることができる。
【0004】
しかしながら、この高温の過程を経ることによってナノ結晶構造が消失し、ナノ結晶組織の特性を生かした成形体や構造体を得ることは困難である。
【0005】
ところで、材料の表面に超音波を用いた衝撃処理を施すことにより、表面に塑性変形を与え,表面結晶組織を改善し,或いは残留応力を開放することが知られており、例えば、金属材料の溶接部に超音波を用いた衝撃処理を施し、溶接部の残留応力を開放し、ボイドや異常粒界のような微小欠陥を低減することが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、従来の超音波を用いた衝撃処理は、このように疲労強度の向上、微小欠陥の軽減などが主体であり、金属材料表層の材料特性が改善されるとしてもそれは副次的で、その範囲、程度などはかなりばらつきが多い状況で生じており、目的に合わせて主体的にコントロールして改善するまでには到っていない。そして、超音波ショットピーニング処理機としては、超音波を発生させるトランスデューサー、超音波を先端に導くためのウエーブガイド、その先端部に設けられ、超音波により振動する衝撃用のピンを収納するヘッド部を備えた機器が知られている(例えば、特許文献3参照)。また、超音波をよりショット粒を加速させ、これを対象物の表面に衝突させてピーニングする方法もある。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第6,338,765号公報。
【0007】
【特許文献2】
特開平10−296461号公報。
【0008】
【特許文献3】
米国特許出願公開第2002/001400号明細書。
【0009】
【非特許文献1】
ラスミス(LASMIS)著 金属材料の表面ナノ結晶化−新
研究の背景にある概念の報告 (SurfaceNanocrystallisation (SNC) of the Metallic Materials − Presentation of the Concept behind a New Approach)
材料科学(Mater. Sci. Technol.),第15巻、第3号 1999
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
発明者らは、上述のようなナノ結晶構造を有する成形体や構造体を得る上での問題点に鑑み、金属材料の成形体や構造物に対してナノ結晶構造の形成を自由度を大きく可能にする条件とそれを可能にする新しい方法を検討した結果、金属材料の表面層にショットピーニングなどの冷間加工を振動性状をコントロールして行なうことにより,表面層を強化加工し、同時にこの金属材料の処理状況を雰囲気および温度をコントロールすることによって表面層にナノ結晶を析出させることができることを開発した。そしてこの手段として、超音波を用いた衝撃処理が適切であることを知見した。
【0011】
上述のように、従来の超音波ショットピーニング処理機器は、現在のところは比較的小型であるため人手により処理することも可能であり、所要の箇所のみを処理できるという利点がある反面、出力が小さいために処理範囲が狭く、広い範囲を効率的に処理するには不適当である。従来のショットピーニング装置は、表面の形状と残留応力を変えて疲労強度を向上させることを主目的としたものであり、そのことからすると、単に出力を大きくしただけでは効率が良くなる訳ではない。また、超音波を用いた衝撃処理により材料の表層をナノ結晶構造化すると共に、さらに材質を改善し、優れた特性を得るためには、超音波を用いた衝撃処理に使用する機器の検討が必要である。
【0012】
本発明は、ナノ結晶組織を有する共に、各種の特性を有する表面層を得るための、またこれらの表面層を効率的に得るための超音波ショットピーニング処理機および装置を提供するものである。ここで、装置とは、その超音波を用いた衝撃処理機の組み合わせ、また、他の装置、手段との組み合わせたものを意味するものとする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、
(a)超音波を用いた衝撃処理を多軸的に施すことによってナノ結晶化を促進すること、(b)処理表面の温度制御を可能な構成とすることにより、超音波を用いた衝撃処理によりえられる処理対象の表層の諸特性を選択できるようにすること、(c)少なくとも処理表面の雰囲気を制御可能な構造とし、酸化物層の形成を抑制し、良好な金属表面状態とすると共に、さらには合金層の形成を可能とすること、(d)処理対象物に対して金属成分を供給可能な構成とし、表層に元の処理対象金属が持たない、或いは不足していた成分を含んだ合金層を形成可能とすること、を狙いとしている。その要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)超音波を発生させるトランスデューサーと、トランスデューサーの振動を振動板に伝達する振動子と、振動子に取り付けられた振動板と、振動板と対向する処理面との空間を、少なくとも振動板の外周を含んで、シールするホルダーと、シールされた空間内を移動して処理対象に衝撃を与えるショット粒とからなる超音波ショットピーニング処理機。
(2)超音波を発生させるトランスデューサーと、トランスデューサーの振動を振動板に伝達する振動子と、振動子に取り付けられた振動板と、振動板と対向する処理面との空間を、少なくとも振動板の外周を含んで、シールするホルダーと、処理面からの音響エネルギーを検出する音響検出手段と、処理面と振動板との間隔を調整する間隔調整機構と、シールされた空間内を移動して処理対象に衝撃を与えるショット粒とからなるショットピーニング処理機。
(3)前記振動子に複数のトランスデューサーが接続されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の超音波ショットピーニング処理機。
(4)前記複数のトランスデューサーはそれぞれ互いに位相が異なることを特徴とする(3)に記載の超音波ショットピーニング処理機。
(5)前記ショット粒が、処理対象の性状および/または処理の目的に応じて硬さと化学組成が制御されたものであることを特徴とする(1)〜(4)に記載の超音波ショットピーニング処理機。
(6)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機と、該超音波ショットピーニング処理装機を移動させる手段とを備えたことを特徴とするショットピーニング処理装置。
(7)(1)〜(3)のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所に金属粉を供給する手段とを備えたことを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
(8)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所を加熱する加熱手段とを備えたことを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
(9)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所にシールドガスを供給する手段を備えたことを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
(10)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所に金属粉を供給する手段と、少なくとも処理対象箇所を加熱する加熱手段とを備えたことを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
(11)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所に金属粉を供給する手段と、少なくとも処理対象箇所にシールドガスを供給する手段を備えたことを特徴とする特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
(12)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所を加熱する加熱手段と、少なくとも処理対象箇所にシールドガスを供給する手段を備えたことを特徴とする特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
(13)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所に金属粉を供給する手段と、少なくとも処理対象箇所を加熱する加熱初段と、少なくとも処理対象箇所にシールドガスを供給する手段とを備えたことを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
(14)前記加熱手段が電磁誘導加熱手段であり、かつ、電磁シールドを備えていることを特徴とする(8),(10),(12),(13)のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理装置。
(15)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機の複数機が、各超音波処理機の軸方向が互いに平行となるように配置されていることを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
(16)前記ショットピーニング処理装置の前記複数超音波ショットピーニング処理機は、各トランスデューサーが他の超音波ショットピーニング処理機のそれと異なる性状のものであることを特徴とする(15)に記載の超音波ショットピーニング処理装置。
(17)(6)〜(14)のいずれか1項に記載のショットピーニング処理装置の複数の装置が、各超音波ショットピーニング処理装置の軸方向が互いに平行とになるように配置されていることを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
(18)前記ショットピーニング処理装置の前記複数超音波ショットピーニング処理装置は、各トランスデューサーが他の超音波ショットピーニングと処理装置のそれと異なる性状のものであることを特徴とする(17)に記載の超音波ショットピーニング処理装置。
(19)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機が、複数、移動装置に搭載されていることを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
(20)(6)〜(14)のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理装置が、複数、自動移動装置に取り付けられていることを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の超音波ピーニング処理機および超音波ピーニング処理装置は、前述のように、下記の(a)〜(d)を可能とすると共に、広範囲の面積を効率的に処理できるようにしたものである。(a)超音波を用いた衝撃処理を多軸的に施すことによってナノ結晶化を促進することすなわち、一軸方向の加工では、ナノ結晶構造を得ることは困難であり、複数方向からの強加工が必要である。(b)処理表面の温度制御を可能な構成とすることにより、超音波を用いた衝撃処理により得られる表層の諸特性を選択できるようにすること、すなわち、高温での処理では、変形は大きいが残留応力は小さく、逆に、低温での処理では、変形は小さいが残留応力は大きく付与される。このことから、高温では深さ方向の加工範囲は広くなり、低温では狭くなる。しかし、温度が高すぎると、強加工により細かくされた金属粒が再び成長してしまい、大きくなってしまうことがある。従ってナノ結晶化の度合い、ナノ結晶組織周辺の組織の状況が変化するので、特性の所要に応じて条件を選択することができる。(c)少なくとも処理表面の雰囲気を制御可能な構造とし、酸化物層の形成を抑制し、良好な金属表面状態とすると共に、さらには合金層の形成を可能とすること、すなわち、処理表面の雰囲気が酸化雰囲気であると、ナノ層が形成されても、同時に酸化層も形成されるために、処理の効果が低下する。また、処理中に材料の表面で生成した酸化物が表層部に巻き込まれ、表面欠陥となるばかりか耐食性を損なうことにもなる。さらに、合金層と処理部の母材部との界面に酸化物が存在すると、一体性、密着性に劣る処理結果となってしまうことがある。雰囲気制御を可能とすることにより、このような表面材質の低下を回避できるばかりでなく、雰囲気を特定の雰囲気、例えば窒素雰囲気、とすることによって表層に窒素浸透させ、特性の改善を図ると言う積極的な処理を行うこともできる。(d)処理対象物に対して合金成分を供給可能な構造とし、表層に合金層を形成可能とすること、すなわち、超音波ショットピーニング処理と同時に処理箇所に金属材料の粉末を供給する、或いは、ピン自体を特定の金属材料とすることによって、衝撃を与えると同時に金属粉末或いはショットの小片を処理対象物の表面に供給し、表層を所望の合金層とすることができる。これによって、表面に形成されるナノ層を元の処理対象母材部とは異なる成分構成を持つ合金層とし、たとえば、もともと普通鋼で製作されて使用中の橋梁の表面だけをステンレス鋼化して耐食性を向上させるなど、材料表面に新しい機能を付与することもできる。
【0015】
以下、本発明を、実施例の図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1、図2は、本発明の超音波ショットピーニング処理機の概要を示す一部を切り欠いた断面図である。図1において、超音波ショットピーニング処理機1は、超音波を発信するトランスデューサー2と、その前方に取り付けられ、トランスデューサー2で発生した超音波を先端の振動板に伝える振動子3と、その先端に設けられた振動板4と、振動板4と対向する処理面との空間を、少なくとも振動板4の外周においてシールするホルダー5と、シールされた空間を移動するショット粒6とから基本的に構成される。圧電素子などのトランスデューサーにより発振された超音波による振動が振動子により振動板に伝えられ、この振動により振動板と対象物の処理面と間においてショットを加速し、ショットが処理面を打撃する、すなわちピーニングするものである。ピーニングするに際しては、処理面に最大のエネルギー与え得るように、振動板と処理面との間隔を適切に設定する必要がある。これはショットのような小径の粒子が処理面と振動板との間をある周波数をもって跳ね回るためエネルギーの伝達にはある種の共振関係を持つためである。すなわち、AE(アコーステイック・エミッション)センサーなどにより検出される音響エネルギーが最大となるように間隔が固定されている。
【0017】
発明者らは、この装置を用いて金属表面を処理したところ、対象物の処理が進むと処理効率が低下することを知見し、検討した結果、ピーニング処理が進行すると表面層がナノ結晶化され、結晶粒径が細かくなって、硬化が進み表面での反発係数が変化する結果、当初設定された適切な間隔が変化してしまい処理効率が低下することが判った。従って、ナノ結晶層を効率的に得るために、図2に示すように、本発明の超音波ショットピーニング処理機では、上記の基本構成に加えて、適切な間隔を把握するための、例えば、AEセンサーなどの音響検出手段8と、処理面と振動板との間隔を変えるための間隔調整手段を備えるものである。
【0018】
すなわち、本発明の超音波ショットピーニング処理機は、対象物9の処理面からの音響エネルギーを音響検出手段8により継続的にモニタリングし、これを最大化するように間隔変更手段7により間隔を調整することができ、これによって処理の効率化を図ることができる。
【0019】
間隔調整手段7として、油圧シリンダー、ネジ等を、振動子の中間に設け手いるが、これに限らず、昇降可能に超音波ショットピーニング処理機を支持するフレームなどを用いることが出来る。なお、上述の適切な間隔は、処理面の表面硬さと最も関係があるため、処理の目的に合わせて目標硬さを設定した場合は、逆にこのセンサーを硬さの検出モニターとして利用することもできる。
【0020】
本発明の超音波ショットピーニング処理機におけるショットは、サファイア球、鋼球、合金球、Ni球或いはその他の金属球、アルミナ、窒化珪素、サイアロンなどセラミックスの球など、処理対象に応じて硬さ、化学組成を選択することができる。
【0021】
図3は、超音波ショットピーニング処理機1に複数のトランスデューサーを設けた本発明の超音波ショットピーニング処理装置を示す概略図であり、(a)は正面断面図、(b)は一部を切り欠いた上面図である。振動子3には、複数のトランスデューサー2,2’、2”が設けられているものである。これにより複数方向の振動を振動板に与えることができる。従って、処理面に対して複数の荷重軸(ショット)で応力を与えることができ、結晶粒の微細化ができる。また、複数軸(ショット)の応力のサイクルがいずれも同程度であること、或いはショットの方向を完全に3方向に分けることができるので、結晶粒の微細化効果がより向上する。なお、図3では、3つのトランスデューサーを設けているが、これを2つ或いは、4つ以上の複数個とすることも可能である。
【0022】
図4は、振動子に3つのトランスデューサーを配置し、トランスデューサーの位相がずれるようにした状況を示す図である。また、超音波の周波数をトランスデューサー毎にずれるようにしても良い。
【0023】
これによって、処理面に対して複数の荷重軸で応力を与えることができ、結晶粒の微細化ができる。また、複数方向の応力のサイクルがいずれも同程度であること、或いは軸の方向を完全に角度をずらして分けることができるので、結晶粒の微細化効果がより向上する。
【0024】
また、本発明の超音波ショットピーニング処理機においては、ショットは、処理対象物の性状および処理の目的に応じてその硬さと組成を調整された材質のものである。例えば、硬度の高い金属材料を処理する場合には、硬い高い材質のショットが好ましく、硬度の高くない材料を処理する場合は、硬度を低い材質のショットを使用することも可能である。これは、ショットは基本的に消耗品であるが、硬度の高い材料は一般的にコストが高いからである。
【0025】
また、図5は、本発明の超音波ショットピーニング処理機において、表面層に合金層を形成する経過を説明する模式図である。超音波を用いた衝撃処理において処理対象物の金属材料とショット6が接触する際に、ショットの一部は、剥離して磨耗する。この剥離したショットの材料は、処理対象物の表面に圧着される。また、条件がそろえば、対象物の金属材料と合金層を形成する。すなわち、これによって、対象物の材質とは異なる表面層を形成することができ、たとえば、対象物に耐食性や、耐磨耗性を付与或いは向上させることができる。つまり、このように合金を形成するという目的の場合、寧ろ積極的に柔らかめのショットを用いて、ショットの損耗によって合金成分を供給するということが出来る。
【0026】
従って、ショットは材質、硬さ、組成においてこのような観点からも調整されたものであり、必要に応じて取り替え得るものである。
【0027】
次に、上述の本発明の超音波ショットピーニング処理機をより効率的に使用するための本発明の装置について説明する。以下の説明において、本体とは、特に断りのない限り、従来および本発明の超音波ショットピーニング処理機を含めた、超音波ショットピーニング処理機を意味するものとする。
【0028】
本発明の超音波ショットピーニング処理装置は、超音波ショットピーニング処理機と、この超音波ショットピーニング処理機を移動する手段とからなることを特徴とする。超音波ショットピーニング処理機を移動させながら処理対象物を超音波ピーニング処理するものである。
【0029】
図6は、超音波ショットピーニング処理機を対象物の処理方向に移動可能とした超音波ショットピーニング処理装置を示す概略図であり、図6(a)は、側面図、(b)は、平面図である。この超音波ショットピーニング処理装置は、超音波ショットピーニング処理機1と、これを移動させる手段とから構成される。図6に示したように、本体1は、ガイドレール10の間に設けられ、これに沿って移動する架台11の上に固定手段13によって垂下保持されている。架台11には、ガイドレールに沿って設けられたねじ山を有する動力シャフト14に螺合するナット14aが固定されており、モーターなどの駆動手段(図示せず)により動力シャフト14を回転させることにより架台11をガイドレールに沿って移動させることができる。この装置を処理対象物の位置に配置するか、処理対象物をこの装置の作動範囲に配置し、本体を処理対象物の処理部に位置させ、かつ移動させつつ処理を行なうことができる。これによって、処理面を広げることができると共に、処理面に対して複数の荷重軸方向で応力を与え、応力を多軸化することができる。
【0030】
また、本発明の超音波ショットピーニング処理装置は、超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所に金属粉を供給する手段を備えることを特徴とする。図7は、金属粉を供給する手段を備えた本発明の超音波ショットピーニング処理装置を示す概略図である。
【0031】
超音波衝撃処理装機には金属粉供給管15が設けられ、その先端開口部はホルダー5の下端近傍に位置するように設けられている。金属粉供給管の他端は、例えば空気搬送装置などの金属供給装置(図示しない)に接続されており、金属粉タンク(図示しない)から金属粉が供給されるようになっている。そして、この例では、金属粉供給管15は、固定部材16により本体1に固定されている。
【0032】
なお、金属粉供給管を本体に取り付けて配置せず、離れた位置に配置してフレーム等を介して本体と連結する構成としも良い。
【0033】
この装置を用いることにより、超音波を用いた衝撃処理において処理対象箇所に合金形成用の金属粉を供給することができ、処理対象の金属材料(母材)とは異なる組成の合金表面層を形成し、母材表面の材質特性を目的に添って改善することができる。
【0034】
また、この場合、前述のショットからの金属成分の供給を期待しないで済むため、ショットの硬度を高く設定して損耗を少なくすることができる。また、前述のショットの材質を選択することによって表面層に合金層を形成する場合のものとは異なり、自由に合金用の金属を選択することができるので、表面層の成分調整の自由度が向上する。
【0035】
また、本発明の超音波ショットピーニング処理装置は、超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所にシールドガスを供給する手段を備えることを特徴とする。図8は、シールドガスを供給する手段を備えた本発明の超音波ショットピーニング処理装置を示す概略図である。
【0036】
超音波ショットピーニング処理機にはシールドガス供給管17が設けられ、その開口部はホルダーの下端近傍に位置するように設けられている。シールドガス供給管の他端は、例えばアルゴンガス、ヘリウムガス、炭酸ガスなどの不活性ガスのタンク(図示しない)に接続されており、不活性ガスタンクからシールドガスが供給されるようになっている。この例では、シールドガス供給管は、固定部材16により本体1に固定されている。 なお、シールドガス供給管を本体に取り付けて配置せず、離れた位置、処理対象物への処理移動方向の前方、に配置してフレーム等を介して本体と連結する構成としても良い。
【0037】
この装置を用いることにより、超音波を用いた衝撃処理において処理対象箇所の雰囲気を調整することができるので、処理に伴う処理対象箇所の温度上昇や、後述するような加熱処理に伴って生じる金属酸化物の生成を抑制することができ、表面改質層の純度が向上し、また、表面改質層の厚さを実質的に厚くすることができる。
【0038】
図9は、金属粉供給手段とシールドガス供給手段とを備えた本発明の超音波ショットピーニング処理装置を示す概略図である。
【0039】
図9において、金属粉供給管とシールドガス供給管は、固定手段16で本体に固定されているが、両供給管は、途中で結合され、切り替え弁18で切り替え或いは混合することができるようになっている。
【0040】
また、本発明の超音波ショットピーニング処理装置は、超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所を加熱する手段を備えることを特徴とする。図10は、処理対象箇所を加熱する手段を備えた本発明の超音波ショットピーニング処理装置を示す概略図であり、(a)は一部断面を含む概略図、(b)は、そのA−A’視概略図である。
【0041】
である。
【0042】
超音波ショットピーニング処理装置の加熱手段20は、一端を超音波ショットピーニング処理機本体の外周に固定された支持体19により、その他端は、本体1のヘッド4の近傍ないしはそれより下方に位置し処理対象物に近接するように支持されている。加熱手段は、処理対象物の少なくとも処理箇所を所定の温度に加熱し得るものであれば良い。図9の例においては誘導加熱コイルを設けている。この例では、ホルダー5’加熱手段20と本体の振動板4との間のホルダー5’は、電磁シールド材を兼ねたものとなっている。
【0043】
また、電磁シールド材を兼ねているホルダー5(5’)と本体1のトランスデューサー3との固定部材21を、例えばシリンダーなど、昇降可能になものにしてホルダー(電磁シールド材)5’を支持することが好ましい。これによって、たとえはシールドを昇降させることができ、例えば、下降させた状態で加熱すれば、ヘッド部およびショットの加熱を抑制しつつ、処理対象箇所の加熱を先行させることができる。また、シールドを上昇させた状態で加熱することによって、処理対処箇所およびショットを同時に加熱することができる。
【0044】
なお、加熱装置や溶接などの熱源を本体に取り付けて配置せず、本体とはやや離れた位置、処理対象物への処理移動方向の前方、に配置してフレーム等を介して本体と連結する構成としも良い。
【0045】
このように、本発明の装置を用いて処理すると、処理箇所の加熱を超音波を用いた衝撃処理に先行あるいは同時に行なえるので、処理箇所の処理温度を適宜選択することができ、表面硬化、組織の微細化、残留応力の付与など、それぞれの効果を選択的に、また効率的に向上させることができる。
【0046】
本発明の超音波ショットピーニング処理装置においては、上述した金属粉供給手段、シールドガス供給手段、加熱手段は、それぞれ単独で備える例を説明したが、これらの手段を複数組み合わせて超音波ショットピーニング処理機に備えるようにしても良い。
【0047】
すなわち、金属粉供給手段とシールドガス供給手段、加熱手段と金属粉供給手段、シールドガス供給手段と加熱手段、金属粉供給手段およびシールドガス供給手段と加熱手段を超音波ショットピーニング処理機に備えた装置とすることができる。また、上記手段らを超音波ショットピーニング処理機とは離れた位置に配置して連結した構造の装置としても良い。本発明の装置は、上述したように、処理対象の金属材料の表面層をナノ結晶構造とすると共に、各種の合金層を形成したり、微細な組織構造としたり、形状を改善したり、また応力状態を改善することができる。これによって、耐磨耗性、耐食性、疲労特性などを改善するなど、広範囲の特性の改善を可能とすることができる。
【0048】
さらに、本発明の超音波ショットピーニング処理装置は、超音波ショットピーニング処理機又は超音波ショットピーニング処理装置を複数配置したことを特徴としている。
【0049】
図11は、超音波ショットピーニング処理機、あるいは本発明の超音波ショットピーニング処理装置を複数配置した超音波ショットピーニング処理装置の構成を示す(a)は正面概略図、(b)は上面概略図である。
【0050】
ガイドレール10の間に移動可能に設けられた架台11架台が設けられており、この架台11は、3台の超音波ショットピーニング処理機(本体)1,1’、1”が、本体1,1’、1”に設けた支持体12,12’、12”を介して、固定部材22,22’22”によって架台11に固定されている。
【0051】
架台23には、ガイドレールに沿って設けられたねじ山を有する動力シャフト22に螺合するナット22aが固定されており、動力シャフトが回転することによって架台は、ガイドレールに沿って移動することができる。
【0052】
なお、架台11に対して固定部材22,22’22”を移動可能な構造とすることも好ましい。例えば、架台にガイドレールと、それぞれ独立の動力シャフトとを設け、これに動力シャフトのネジ山に螺合するナットを固定部材に設ける構成とすれば、動力シャフトを回転させることによって、超音波ショットピーニング処理機1、1’、1”の間隔を任意に選択できるようにすることができる。
【0053】
また、複数の超音波ショットピーニング処理機、あるいは本発明の超音波ショットピーニング処理装置を配置した本発明の例は、複数の複数の超音波ショットピーニング処理機、あるいは本発明の超音波ショットピーニング処理装置を、自動搬送装置と組み合わせたものである。図12は、複数の複数の超音波ショットピーニング処理機、あるいは本発明の超音波ショットピーニング処理装置を、自動移動装置と組み合わせた本発明の超音波ショットピーニング処理装置を示すもので(a)は正面概略図、(b)は(a)のx−x視上面概略図である。
【0054】
図11(a)(b)において、3台の超音波ショットピーニング処理機1,1’、1”は、これに設けた支持体12,12’、12”を介して、固定部材22,22’22”によってフレーム23に固定されている。
【0055】
そしてフレーム23は、ガイドレール上25上を車輪26で走行する自動移動装置24に接続されている。
【0056】
複数の超音波ショットピーニング処理機を配置した装置を用い、或いはさらに超音波ショットピーニング処理機の動作条件、例えばトランスデューサー位相、ショットの材質など、を各超音波ショットピーニング処理機毎にそれぞれ異なる条件とし、処理を行なうことにより、大きな出力を用いなくても広い面積を処理でき、或いは大きな出力の機器を用いた場合よりも平面的な均一性を確保することができる。また、必要に応じて、処理条件の異なった処理を同時に行なうことができる。
【0057】
上記複数の超音波ショットピーニング処理機を備えた超音波ショットピーニング処理装置は、従来の超音波ショットピーニング処理機のほか、これまで説明した本発明の超音波ショットピーニング処理機および超音波ショットピーニング処理装置装置を用いて構成することができることは言うまでもない。例えば、超音波ショットピーニング処理機を複数のトランスデューサーを備えたものとすることも好ましく、また、金属粉供給手段或いは加熱手段などを備えた超音波ショットピーニング処理装置を複数配置するなど、処理の必要に応じて選択配置することが好ましい。また、複数の超音波ショットピーニング処理機又は超音波ショットピーニング処理装置が異なる機能を持つものを組み合わせて配置することも可能である。複数の超音波ショットピーニング処理機、超音波ショットピーニング処理装置を配置することによって、上記効果を一層広範囲のものとすることができる。
【0058】
また、図12で示したように、自動移動装置と組み合わせることにより、さらに効率的に表面改質等を行なうことができる。
【0059】
【実施例】
本発明の超音波ショットピーニング処理機又は、本発明の超音波ショットピーニング処理装置を、実施例により具体的に説明する。
【0060】
基本構成の超音波ショットピーニング処理機(基本機器とする)は、図1に示したような構成であり、圧電素子による周波数28kHz、出力10wトランスデューサーを備えたものである。ショットピーニング用粒子は主として、直径0.75mmのサファイア球で重量は7mgのものを用いた。また、上記の基本構成の機器に音響検出手段および間隔調整手段を備えた機器も用いた。(これを標準機器とする。)振動板と処理面との距離は予め、音響測定により決定して処理したが、標準機器の場合は、処理中も処理の進行の程度により間隔を調整した。
【0061】
これらの機器およびこれらの機器を改善した本発明の超音波ショットピーニング処理機或いは超音波ショットピーニング処理装置を用い、処理条件等を変えて、金属材料の処理を行なった。
【0062】
金属材料として、1.2mm(厚)×1m(幅)×L(長さ)の板を用いた。
【0063】
処理後の金属材料の表面を調査し、処理幅の大きさ(mm)、処理表面の硬さ(Hv)を測定すると共に、処理後の金属材料より試験片を切り出し、顕微鏡観察によってナノ結晶組織層の厚さや酸化層の厚さを調査した。さらに、表面ナノ層の成分をEPMA面分析により調査した。また、これらの結果を総合評価した。それらの結果を、上述の処理条件とともに、表1に示す。
【0064】
また、処理対象金属および添加した金属の成分組成を表2に示した。なお、表1中の「合金化指標」とは、合金化の効率を表すものであり、処理対象母材中の化学成分をA%,添加した成分をB%、形成された合金層中の化学成分をC%としたとき、合金化指標をX%とすると、Y=(A+B)/2、X=C/Y×100(%)とする。
(比較例1)図1に示した基本機器を用いて鋼板を処理した。ナノ結晶層が形成されたが、処理効率並びに形成された層の厚さに劣るものであった。
(比較例2)比較例1と同様に、基本機器を用いてアルミ板を処理した。
表面層にはナノ結晶層はかなり形成されたが、酸化層も厚いものとなった。
(実施例1)図に2示すような標準機器を用いて鋼材を処理した。表面層には時間はかかったものの、十分な厚さのナノ結晶層が形成された。
(実施例2)図2に示すような標準機器を図6に示すように移動手段を設けた超音波ショットピーニング処理装置を用い、処理対象物の処理部に沿って設けられたガイドレール上を10cm/secで処理時間中往復させ、鋼板を処理した。これにより、ショットの球に水平方向のベクトルを与えランダム反射を促進した。表面層にナノ結晶層が形成されると共に、処理効率も良好であった。
(実施例3)標準機器に、図3に示したようにX,Y,Zの3方向にそれぞれトランスデューサー(周波数28kHz、出力10W)を設けた超音波ショットピーニング処理装置を用い、鋼板を処理した。表面層にはナノ結晶が形成され、処理効率も良好であった。
(実施例4)実施例3で用いたと同様の、標準機器に図3に示したようにX,Y,Zの3方向にそれぞれトランスデューサー(周波数28kHz、出力10W)を設けた、超音波ショットピーニング処理装置を用いて鋼板を処理した。このとき、3つのトランスデューサーとも位相をずらして処理した。
【0065】
表面層にナノ結晶層が形成され、処理効率も良好であった。
(実施例5)実施例3で用いたと同様の、標準機器に図3に示したようにX,Y,Zの3方向にそれぞれトランスデューサー(周波数28kHz、出力10W)を設けた、超音波ショットピーニング処理装置5台を、図11に示すように並列に配置した。このとき、各超音波ショットピーンニング処理機の振動板は、機器間に間隔が生じないように、一辺が2.5cmの正方形の振動板を備えたものとした。表面層にはナノ結晶層が形成され、大きな幅の範囲を処理でき、処理効率は極めて良好であった。
(実施例6)実施例3で用いたと同様の、標準機器に図3に示したようにX,Y,Zの3方向にそれぞれトランスデューサー(周波数28kHz、出力10W)を設けた、超音波ショットピーニング処理装置を用いて鋼板を処理した。このとき、ショットにNi−Cr合金球を使用した。Ni−Cr合金球は鋼板の表面で合金化し、量が減少するとともに、処理表面の性状が変化してAEセンサーの数値も大きく変化した。表面層にはナノ結晶層が形成され、硬さも向上したが、処理効率は低いものであった。
(実施例7) 実施例3で用いたと同様の、標準機器に図3に示したようにX,Y,Zの3方向にそれぞれトランスデューサー(周波数28kHz、出力10W)を備え、さらに、図7に示すような金属粉供給手段を備えた超音波ショットピーニング処理装置を用い、この金属粉供給管から0.015g/分程度でNi−Cr合金粉末を供給しつつ鋼板を処理した。このとき、ショットはサファイヤ球を使用した。表面層にはナノ結晶層が形成され、硬さも向上した。また、処理効率は良好であった。
(実施例8) 実施例3で用いたと同様の、標準機器に図3に示したようにX,Y,Zの3方向にそれぞれトランスデューサー(周波数28kHz、出力10W)を備え、さらに、図10に示すような加熱手段(電磁誘導コイル)を備えた超音波ショットピーニング処理装置を用い、処理対象の表層を500℃に加熱しつつ、鋼板を処理した。表層には40μmと厚いナノ結晶層が形成され処理効率も良好であったが、酸化層もかなり厚く形成された。
(実施例9)実施例8で用いたと同様に、複数のトランスデューサー備えるとともに、図10に示すような加熱手段(電磁誘導コイル)を備えた超音波ショットピーニング処理装置を用い、処理対象の表層を500℃に加熱しつつ、鋼板を処理した。その際、超音波ショットピーンニング処理装置のホルダーは電磁シールド化しているものを用いた。振動板は加熱が抑制され、処理効率は良好であり、表層には40μmと厚いナノ結晶層が形成されたが、酸化層もかなり厚く形成された。
(実施例10)実施例3で用いたと同様の、標準機器に図3に示したようにX,Y,Zの3方向にそれぞれトランスデューサー(周波数28kHz、出力10W)を備え、さらに、図8に示すようなシールドガス供給手段を超音波ショットピーニング処理装置を用い、このシールドガス供給管から炭酸ガスを、0.1リットルl/分程度供給しつつ、鋼板を処理した。表層にはナノ結晶層が形成され、酸化層は形成されなかった。
(実施例11)実施例9で用いたと同様の複数のトランスデューサー備えるとともに、図10に示すような加熱手段(電磁誘導コイル)と電磁シールド化したホルダーを備え、さらに、図8に示すようなシールドガス供給手段を備えた超音波ショットピーニング処理装置を用い、3方向なら振動を与えつつ、処理対象を加熱し、さらにシールドガス供給管から炭酸ガスを、0.1リットルl/分程度供給しつつ、鋼板を処理した。表層にはナノ結晶層が形成され、酸化層は形成されなかった。処理効率も良好であった。
(実施例12)実施例11と同様の構成の超音波ショットピーンニング処理装置を用い、3方向なら振動を与えつつ、電磁シールドしつつ処理対象を加熱し、さらにシールドガス供給管から炭酸ガスを、0.1リットルl/分程度供給して、アルミ板を処理した。表層には40μmと厚いナノ結晶層が形成され、酸化層は形成されなかった。処理効率も良好であった。
(実施例13) 実施例9で用いたと同様の複数のトランスデューサー備え、図10に示すような加熱手段(電磁誘導コイル)と電磁シールド化したホルダーを備えると共に、さらに、図7に示すような金属粉供給手段を備えた超音波ショットピーニング処理装置を用い、3方向なら振動を与え、処理対象を加熱し、電磁シールドしつつ、金属粉供給管から0.015g/分程度でNi−Cr金属粉を供給しさらにシールドガス供給管から炭酸ガスを、0.1リットルl/分程度供給して、鋼板を処理した。表層にはナノ結晶層が形成され、酸化層は形成されなかった。処理効率も良好であった。
【0066】
【表1】
Figure 2004169100
【0067】
【表2】
Figure 2004169100
【0068】
【発明の効果】
本発明の超音波ショットピーニング処理機および超音波ショットピーニング処理装置によれば、(a)超音波ピーニング処理を多軸的に施すことによってナノ結晶化を促進すること、(b)処理表面の温度制御を可能な構造とすることにより、超音波ピーニング処理によりえられる表層の諸特性を選択できるようにすること、(c)少なくとも処理表面の雰囲気を制御可能な構造とし、酸化物層の形成を抑制し、良好な金属表面状態とすると共に、さらには良好な合金層の形成を可能とすること、(d)処理対象物に対して金属成分を供給可能な構造とし、表層に元の母材とは異なる成分構成の合金層の形成を可能とする、等の効果を売ることができ、ナノ結晶組織を有する共に、各種の特性を有する表面層を効率的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する超音波ショットピーニング処理機(基本機器)の構成概要を示す一部切り欠き断面概略図。
【図2】本発明に使用する超音波ショットピーニング処理機(標準機器)の構成概要を示す一部切り欠き断面概略図。
【図3】本発明の複数のトランスデューサーを備えた超音波ショットピーニング処理機の構成を示す図であり、(a)は、断面外略図、(b)は、一部きり欠き上面図。
【図4】複数設けたトランスデューサーの位相のずれを説明する図。
【図5】本発明の超音波ショットピーニング処理機による表層への合金層の形成過程を示す模式図。
【図6】超音波ショットピーニング処理機を処理方向に移動可能とした超音波ショットピーンニング処理装置を示す模式図であり、(a)は、側面図、図9(b)は平面図。
【図7】金属粉を供給する手段を備えた本発明の超音波ショットピーニング処理装置を示す一部きり欠き断面概略図。
【図8】シールドガス供給手段を備えた本発明の超音波ショットピーニング処理装置を示す一部切り欠き断面概略図。
【図9】金属粉を供給する手段およびシールドガス供給手段を備えた本発明の超音波ショットピーニング処理装置を示す一部切り欠き断面概略図。
【図10】加熱する手段を備えた本発明の超音波ショットピーニング処理装置を示すであり、(a)は、断面概略図、(b)は、そのA−A’視概略図である。
【図11】超音波ショットピーニング処理機あるいは超音波ショットピーニング処理装置を複数配置した本発明の超音波ショットピーニング処理装置の構成を示す概略図であり(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図である。
【図12】超音波ショットピーニング処理機或いは超音波ショットピーニング処理装置を自動移動装置に複数搭載した本発明の超音波ショットピーニング処理装置の構成を示す概略図であり、(a)は正面図、(b)は上面図である。
【符号の説明】
1…超音波ショットピーニング処理機
2、2’2”…トランスデューサー
3…振動子
4…振動板
5…ホルダー
6…ショット
7…間隔調整手段
8…音響検出手段
9…処理対象物
10…ガイドレール
11…架台
12…支持体
13…固定部材
14…動力シャフト
14a…ナット
15…金属粉供給管
16…固定部材
17…シールドガス供給管
18…切り替え弁
19…支持部材
20…加熱装置(電磁コイル)
21…ガイドレール
22…固定部材
22a…ナット
23…フレーム
24…自動移動装置
25…レール
26…車輪

Claims (20)

  1. 超音波を発生させるトランスデューサーと、トランスデューサーの振動を振動板に伝達する振動子と、振動子に取り付けられた振動板と、振動板と対向する処理面との空間を、少なくとも振動板の外周を含んで、シールするホルダーと、シールされた空間内を移動し処理対象に衝撃を与えるショット粒とからなる超音波ショットピーニング処理機。
  2. 超音波を発生させるトランスデューサーと、トランスデューサーの振動を振動板に伝達する振動子と、振動子に取り付けられた振動板と、振動板と対向する処理面との空間を、少なくとも振動板の外周を含んで、シールするホルダーと、処理面からの音響エネルギーを検出する音響検出手段と、処理面と振動板との間隔を調整する間隔調整機構と、シールされた空間内を移動して処理対象に衝撃を与えるショット粒とからなるショットピーニング処理機。
  3. 前記振動子に複数のトランスデューサーが接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波ショットピーニング処理機。
  4. 前記複数のトランスデューサーはそれぞれ互いに位相が異なることを特徴とする請求項3に記載の超音波ショットピーニング処理機。
  5. 前記ショット粒が、処理対象の性状および/または処理の目的に応じて硬さと化学組成が制御されたものであることを特徴とする請求項1〜4に記載の超音波ショットピーニング処理機。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機と、該超音波ショットピーニング処理機を移動させる手段とを備えたことを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所に金属粉を供給する手段とを備えたことを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所を加熱する加熱手段とを備えたことを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所にシールドガスを供給する手段を備えたことを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
  10. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所に金属粉を供給する手段と、少なくとも処理対象箇所を加熱する加熱手段とを備えたことを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所に金属粉を供給する手段と、少なくとも処理対象箇所にシールドガスを供給する手段を備えたことを特徴とする特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
  12. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所を加熱する加熱手段と、少なくとも処理対象箇所にシールドガスを供給する手段を備えたことを特徴とする特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
  13. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機と、少なくとも処理対象箇所に金属粉を供給する手段と、少なくとも処理対象箇所を加熱する加熱手段と、少なくとも処理対象箇所にシールドガスを供給する手段とを備えたことを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
  14. 前記加熱手段が電磁誘導加熱手段であり、かつ電磁シールドを備えていることを特徴とする請求項8,10,12,13のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理装置。
  15. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機の複数機が、各超音波ショットピ−ニング処理機の軸方向が互いに平行となるように配置されていることを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
  16. 前記超音波ショットピーニング処理装置の前記複数超音波ショットピーニング処理機は、各トランスデューサーが、他の超音波ショットピーニング処理機のそれと異なる性状のものであることを特徴とする請求項15記載の超音波ショットピーニング処理装置。
  17. 請求項6〜14のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理装置の複数の装置が、各超音波ショットピーニング処理装置の軸方向が互いに平行とになるように配置されていることを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
  18. 前記超音波ショットピーニング処理装置の前記複数超音波ショットピーニング処理装置は、各トランスデューサーが、他の超音波ショットピーニング処理装置のそれと異なる性状のものであることを特徴とする請求項17に記載の超音波ショットピーニング処理装置。
  19. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理機が、複数、移動装置に搭載されていることを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
  20. 請求項6〜14のいずれか1項に記載の超音波ショットピーニング処理装置が、複数、自動移動装置に取り付けられていることを特徴とする超音波ショットピーニング処理装置。
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