JP2004168620A - 燃料改質装置及び燃料改質方法及びタービン発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭化水素系燃料を改質して水素を得る際に、燃料分を多く生成することができる燃料改質装置とする。
【解決手段】ガスタービンの排気ガスの残存Oから酸素イオンOを透過させる固体酸化物電解質膜14と、固体酸化物電解質膜14を透過した酸素イオンOと燃料f(CH+s)を反応させて一酸化炭素と水素を生成する触媒13とを備え、炭化水素系燃料を改質して水素を得る際に、燃料分を多く生成することができる燃料改質装置とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素系燃料を改質して水素及び一酸化炭素の可燃ガスを得るための燃料改質装置及び燃料改質方法に関する。
【0002】
また、本発明は、炭化水素系燃料を改質して水素及び一酸化炭素を得るための燃料改質装置とガスタービンを組み合わせたタービン発電設備に関する。
【0003】
【従来の技術】
例えば、燃料電池は有害な排出ガスを放出することなく高い発電効率で電気エネルギーを発生することが知られている。燃料電池は、酸素と水素とを電解質を介して化学反応させて発電するもので、例えば、酸素として空気が供給され、水素として燃料を水蒸気とともに改質して得られた可燃ガスが供給される。水蒸気により燃料(例えば、メタン等の燃料ガス)を改質した場合、水素と二酸化炭素とが得られ、このうちの水素が反応ガスとして用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、燃料電池等で用いられる水素を得るためには、水蒸気改質により水素と二酸化炭素の混合流体を得ている。この場合、水素の生成を主目的としているため、燃料からのHとHOからのHが生成総H量となる。一方で燃料中のCはCO(不燃ガス)となるため、発熱量は低い低カロリーガス(kcal/kg の低いガス)である。
【0005】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、炭化水素系燃料を改質して水素を得る際に、燃料分を多く生成することができる燃料改質装置を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、炭化水素系燃料を改質して水素を得る際に、燃料分を多く生成することができる燃料改質装置とガスタービンとを組み合わせたタービン発電設備を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の燃料改質装置は、酸素を含有する流体から酸素イオンを透過させる固体酸化物電解質膜と、固体酸化物電解質膜を透過した酸素イオンと炭化水素系燃料を反応させて一酸化炭素と水素を生成する触媒とを備えたことを特徴とする。
【0008】
そして、触媒は、酸素イオンと炭化水素系燃料との反応により一酸化炭素と水素を発熱反応で生成する部分酸化触媒と、水分を含有する炭化水素系燃料の水蒸気改質反応により一酸化炭素と水素を吸熱反応で生成する水蒸気改質触媒とから構成されることを特徴とする。
【0009】
また、部分酸化触媒は外周に固体酸化物電解質膜が配された筒状域に内蔵し、水蒸気改質触媒は部分酸化触媒の軸心部に配された柱状域に内蔵していることを特徴とする。
【0010】
また、触媒は、外周に固体酸化物電解質膜が配された平板箱状域に内蔵していることを特徴とする。
【0011】
また、酸素を含有する流体としてガスタービンの排気ガスが適用されることを特徴とする。
【0012】
また、酸素を含有する流体として酸素を含む空気が適用されることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するための本発明の燃料改質方法は、固体酸化物電解質膜を透過した酸素イオンと炭化水素系燃料を触媒反応させ、発熱反応と吸熱反応を組み合わせて実施し一酸化炭素と水素を生成することを特徴とする。
【0014】
そして、酸素イオンと炭化水素系燃料を部分酸化触媒で発熱反応させて一酸化炭素と水素を生成すると共に、炭化水素系燃料を水蒸気改質触媒で吸熱反応させて一酸化炭素と水素を生成し、部分酸化触媒での発熱量を水蒸気改質触媒での吸熱量として用いたことを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するための本発明のタービン発電設備は、空気を圧縮する圧縮機と、圧縮機からの圧縮空気及び一酸化炭素及び水素が供給される燃焼設備と、燃焼設備の燃焼ガスが膨張されるガスタービンと、ガスタービンの排気ガスが熱回収される排熱回収ボイラとを備えたタービン設備において、排熱回収ボイラの入口側のガスタービンの排気ガス通路に請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の燃料改質装置を設置し、燃料改質装置で生成された一酸化炭素及び水素が燃焼設備に供給されることを特徴とする。
【0016】
そして、燃料改質装置の下流側のガスタービンの排気ガス通路に炭化水素系燃料を流通させる予熱手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、原子力設備の高温ガス炉と、高温ガス炉を冷却して自らは昇温した媒体と炭化水素系燃料との間で熱交換を行って炭化水素系燃料を昇温させると共に燃料改質装置で生成された一酸化炭素及び水素を昇温させる熱交換器とを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、原子力設備の高温ガス炉と、高温ガス炉を冷却した媒体を燃料改質装置の上流側のガスタービンの排気ガス通路に流通させて排気ガスを昇温させるガス予熱路とを備えたことを特徴とする。
【0019】
また、燃料改質装置で生成された一酸化炭素及び水素が供給される燃焼設備は、一酸化炭素及び水素を圧縮空気との間で反応させる燃料電池であることを特徴とする。
【0020】
また、燃料改質装置で生成された一酸化炭素及び水素が供給される燃焼設備は、一酸化炭素及び水素を燃料及び圧縮空気と共に燃焼させる燃焼器であることを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成するための本発明の原子力設備は、高温ガス炉と、請求項6に記載の燃料改質装置と、高温ガス炉からの媒体を燃料改質装置の触媒に流通させて触媒を昇温させる循環路とを備えたことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の一実施形態例に係る燃料改質装置を備えたタービン発電設備の概略構成、図2には燃料改質装置の概略構成を示してある。
【0023】
図1に示すように、本実施形態例のタービン発電設備は、燃焼設備(燃焼器あるいは燃料電池)1とタービン設備2とで構成されている。タービン設備2は圧縮機3及びガスタービン4及び発電機5で構成され、ガスタービン4の排気ガスは排熱回収ボイラ6で熱回収されて大気に放出される。
【0024】
排熱回収ボイラ6では排気ガスの排熱により蒸気を発生し、発生した蒸気は蒸気タービン7に送られて蒸気タービン7で動力が回収される。蒸気タービン7の排気蒸気は復水器8で復水され、復水は給水手段としての給水ポンプ9により排熱回収ボイラ6の図示しないドラムに給水される。
【0025】
燃焼設備1が燃料電池の場合、燃料電池1は、圧縮機3で圧縮空気中の酸素Oと改質された燃料f1(CO,H)とを電解質を介して化学反応させて発電し、排出ガス中の未燃分を燃焼させて高温の燃焼ガスがガスタービン4に送られる。一方、燃焼設備1が燃焼器の場合は高温・高カロリーの気体燃料を圧縮空気と燃焼させる燃焼ガスはタービン4で膨張され、タービン4の排気ガスが排熱回収ボイラ6で回収される。
【0026】
つまり、燃焼設備としては、燃料f1(CO,H)を作動流体として要求される設備であれば、燃料電池の他一般の燃焼器等を適用することが可能である。
【0027】
排熱回収ボイラ6の入口側のガスタービン4の排気ガス通路(排熱回収ボイラ6と一体もしくは別途通路)には燃料改質装置11が配されている。燃料改質装置11では炭化水素系燃料としての燃料f(例えば、CH+水蒸気s)が改質されて燃料f1(CO,H)とされ、改質された燃料f1(CO,H)は燃焼設備1に供給される。
【0028】
図2に基づいて燃料改質装置11を説明する。
【0029】
燃料改質装置11は、酸素を含有する流体であるガスタービン4の排気ガスの残存Oから酸素イオンOを透過させる固体酸化物電解質膜と、固体酸化物電解質膜を透過した酸素イオンと燃料f(例えば、CH+水蒸気s)を反応させて一酸化炭素(CO)と水素(H)を生成する触媒とを備えている。生成された混合ガスは、可燃性のCOとHの高温・高カロリーの燃料である。このため、少ない燃料fで必要なタービン入口温度を確保できるので、発電システムの燃料消費量を削減することができる。
【0030】
即ち、排熱回収ボイラ6の入口側のガスタービン4の排気ガス通路12には筒状の触媒層13が配置され、触媒層13の筒面にはガスタービン4の排気ガスの残存Oから酸素イオンOを透過させる管状の固体酸化物電解質膜14が設けられている。
【0031】
触媒層13の下流側における排気ガス通路12には昇温管15が設けられ、燃料(及び改質蒸気)fは昇温管15で昇温されて触媒層13に送られる。触媒層13では、昇温された燃料fと酸素イオンOを部分酸化反応(発熱反応)及び燃料及び改質蒸気sを水蒸気改質反応(吸熱反応)させて燃料f1(CO,H)を生成する。
【0032】
触媒層13としては、COを生成せずに、酸素イオンOとCHとを部分酸化反応(CH+O)させる触媒の他にCHと水蒸気sとを水蒸気改質反応(CH+HO)させる触媒を採用する。例えば、Ni系の触媒成分やRu系の触媒成分が用いられ、燃料fの種類(エタン、プロパン、ブタン、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル等)や固体酸化物電解質膜14を透過する酸素を含有する流体の種類・状態等により他の金属成分が適宜組み合わされて設計(配列状態や混合状態)される。
【0033】
吸熱反応である水蒸気改質反応は、例えば、
CH+HO→CO+3H−α(kcal/kmol CH)となる。但し、αは例えば、50程度。
発熱反応である部分酸化反応は、例えば、
CH+O→CO+2H+β(kcal/kmol CH)、β=11となる。
【0034】
このため、例えば、4乃至5倍の割合で水蒸気改質反応を行う触媒層13とすることで、水蒸気改質反応の吸熱温度が、部分酸化反応の発熱温度でまかなわれて熱バランスし、水蒸気改質反応の昇温源を系内で確保して系外での物理的な昇温源を必要としない。
【0035】
尚、部分酸化反応と水蒸気改質反応の割合は反応部(13および14)の下流の温度、つまり、昇温管15での熱源及び排熱回収ボイラ6での蒸気発生熱源の条件を支配する。この水蒸気改質反応及び部分酸化反応の割合は燃料組成との関係について触媒層13を設計することで設定する。
【0036】
上述した燃料改質装置11では、燃料f(CH+s)が昇温管15で反応温度まで昇温されて触媒層13に送られる。一方、ガスタービン4の排気ガスの残存Oから酸素イオンOが固体酸化物電解質膜14を透過(酸素イオンOが置換)して触媒層13に供給される。触媒層13では、酸素イオンOと燃料fのCHが部分酸化反応(発熱反応)を起こすと共に燃料f(CH+s)が水蒸気改質反応(吸熱反応)して燃料f1(CO,H:混合ガス)が生成される。生成された燃料f1は反応用の燃料として燃焼設備1に供給される。
【0037】
燃料改質装置11で生成された燃料f1は、可燃性のCOとHであるため、全てを燃料として用いることができる。
【0038】
上記構成の燃料改質装置11では、化学吸熱(水蒸気改質)と顕熱回収により燃料f1の保有熱量を向上させるために、触媒層13及び昇温管15を作動温度(燃料の種類により決まる温度)に保持する必要がある。熱源の温度が低く反応部(13および14)の上流で燃料(CH)の助燃により補助する必要がある場合は、部分酸化反応(発熱反応)の割合を多くして、自らの発熱量を改質反応で吸熱する以上に確保し、燃料f(CH)の助燃量を削減することができる。逆に、反応部(13および14)でgからの回収熱が少なくて反応部(13および14)下流が高温となるとき、その余剰熱は昇温管15の加熱源となり、更に余剰となった熱は下流の排熱回収ボイラ6での蒸気発生熱源となる。
【0039】
従って、炭化水素系燃料(CH)を用いた燃料f(CH+s)を改質して水素Hを得る際に、部分酸化反応を併用することで(CO,H:混合ガス)、即ち、可燃分の多い改質燃料を生成することができる燃料改質装置11となる。
【0040】
図3に基づいて燃料改質装置の第2実施形態例を説明する。図3(a)には本発明の第2実施形態例に係る燃料改質装置の概略構成、図3(b)には反応部分の断面を示してある。尚、タービン発電設備の全体構成は図1に示した通りであり、図1の燃料改質装置11の部位が図3に示した燃料改質装置21とされる。このため、図1、図2に示した部材と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0041】
図3に示すように、排熱回収ボイラ6の入口側のガスタービン4の排気ガス通路12には燃料改質装置21が配置されている。燃料改質装置21は、酸素を含有する流体であるガスタービン4の排気ガスの残存Oから酸素イオンOを透過させる固体酸化物電解質膜14と、固体酸化物電解質膜14を透過した酸素イオンと燃料f(例えば、CH)を反応させて一酸化炭素(CO)と水素(H)を生成すると共に燃料f(例えば、CH+水蒸気s)を水蒸気改質反応させて一酸化炭素(CO)と水素(H)を生成する触媒装置23とを備えている。触媒装置23の下流側における排気ガス通路12には昇温管15が設けられている。
【0042】
触媒装置23は、酸素イオンOと炭化水素系燃料である燃料f(例えば、CH+水蒸気s)との反応により一酸化炭素(CO)と水素(H)を発熱反応で生成する部分酸化触媒18と、酸素イオンOと燃料f(例えば、CH+水蒸気s)との反応により一酸化炭素(CO)と水素(H)を吸熱反応で生成する水蒸気改質触媒19とで構成されている。部分酸化触媒18は外周に固体酸化物電解質膜22が配された筒状域に充填され、水蒸気改質触媒19は部分酸化触媒18の軸心部に配された円柱状域に充填されている。
【0043】
部分酸化触媒18としては、COを生成せずに、酸素イオンOとCHとを部分酸化反応(CH+O)させる触媒となっており、例えば、Ni系の触媒成分やRu系の触媒成分が用いられ、燃料fの種類(エタン、プロパン、ブタン、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル等)や固体酸化物電解質膜14を透過する酸素を含有する流体の種類・状態等によりCu,Zn,Pd,Pt等の金属成分が適宜組み合わされて設計(配列状態や混合状態)される。
【0044】
また、水蒸気改質触媒19としては、COを生成せずに、CHと水蒸気sとを水蒸気改質反応(CH+HO)させる触媒となっており、例えば、Ni系の触媒成分やRu系の触媒成分が用いられ、燃料fの種類(エタン、プロパン、ブタン、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル等)や固体酸化物電解質膜14を透過する酸素を含有する流体の種類・状態等により他の金属成分が適宜組み合わされて設計(配列状態や混合状態)される。
【0045】
上述した燃料改質装置21では、燃料f(CH)が昇温管15で反応温度まで昇温されて燃料fa(CH)が部分酸化ラインIから部分酸化触媒18に送られる。一方、ガスタービン4の排気ガスの残存Oから酸素イオンOが固体酸化物電解質14を透過(酸素イオンOが置換)して部分酸化触媒18に供給される。部分酸化触媒18では、酸素イオンOと燃料f(CH)が部分酸化反応(発熱反応)して燃料f1(CO,H:混合ガス)が生成される。生成された燃料f1は燃料電池他の燃焼設備1に供給される。
【0046】
また、上述した燃料改質装置21では、燃料f(CH+s)が昇温管15で反応温度まで昇温されて燃料fb(CH+s)が水蒸気改質ラインIIから水蒸気改質触媒19に送られる。この時、燃料fb(CH)に水蒸気sが供給される。水蒸気改質触媒19では、燃料f(CH+s)が改質反応(吸熱反応)を起こして燃料f1(CO,H:混合ガス)が生成される。水蒸気改質触媒19での反応熱源は、外周部の部分酸化反応で生じた反応熱によってまかなわれる。生成された燃料f1は燃料電池他の燃焼設備1に供給される。
【0047】
燃料改質装置21で生成された燃料f1は、可燃性のガス(COとH)であるため、全てが有効な燃料であり、高温且つ高カロリーの燃料である。このため、少ない燃料fで所定のタービン入口温度を確保でき、燃料消費量を削減することができる。
【0048】
上述した燃料改質装置21は、触媒装置23が、部分酸化触媒18と水蒸気改質触媒19とが同軸状に別個に構成されているため、反応制御も個別に行うことができ、燃料f1を生成する際の上流・下流の熱バランス等を最適な状態に調整することができる。
【0049】
図4乃至図6に基づいて燃料改質装置の第3実施形態例を説明する。図4には本発明の第3実施形態例に係る燃料改質装置の概略構成、図5には図4中のV−V線矢視、図6には図4中のVI−VI線矢視を示してある。尚、タービン発電設備の全体構成は図1に示した通りであり、図1の燃料改質装置11の部位が図3に示した燃料改質装置31に対応する。このため、図1、図2に示した部材と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0050】
図4乃至図6に示すように、排熱回収ボイラ6の入口側のガスタービン4の排気ガス通路12には燃料改質装置31が配置されている。燃料改質装置31は、酸素を含有する流体であるガスタービン4の排気ガスの残存Oから酸素イオンOを透過させる固体酸化物電解質膜32と、固体酸化物電解質膜32を透過した酸素イオンと燃料f(例えば、CH+水蒸気s)を反応させて一酸化炭素(CO)と水素(H)を生成すると共に燃料f(例えば、CH+水蒸気s)を水蒸気改質反応させて一酸化炭素(CO)+水素(H)を生成する触媒装置33とを備えている。
【0051】
触媒装置33は、平板箱状をなし、周囲に中空平板状箱型の固体酸化物電解質膜32が配されている。そして、触媒装置33はガスタービン4の排気ガスの排気方向と平行に配置され、ガスタービン背圧に圧力損失を与えないようにされている。
【0052】
触媒装置33は、酸素イオンOと炭化水素系燃料である燃料f(例えば、CH+水蒸気s)との反応により一酸化炭素(CO)と水素(H)を発熱反応で生成する中空箱型の部分酸化触媒34と、部分酸化触媒34の更に内層部分に配置され燃料f(例えば、CH+水蒸気s)の水蒸気改質反応により一酸化炭素(CO)と水素(H)を吸熱反応で生成する水蒸気改質触媒35とで構成されている。部分酸化触媒34及び水蒸気改質触媒35には流体の整流を行う整流板36がそれぞれ設けられている。
【0053】
部分酸化触媒34としては、COを生成せずに、酸素イオンOとCHとを部分酸化反応(CH+O)させる触媒となっており、例えば、Ni系の触媒成分が用いられ、燃料fの種類(エタン、プロパン、ブタン、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル等)や固体酸化物電解質膜14を透過する酸素を含有する流体の種類・状態等により他の金属成分が適宜組み合わされて設計(配列状態や混合状態)される。
【0054】
また、水蒸気改質触媒35としては、COを生成せずに、CHと水蒸気sとを水蒸気改質反応(CH+HO)させる触媒となっており、例えば、Ni系の触媒成分やRu系の触媒成分が用いられ、燃料fの種類(エタン、プロパン、ブタン、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル等)や固体酸化物電解質膜14を透過する酸素を含有する流体の種類・状態等により他の金属成分が適宜組み合わされて設計(配列状態や混合状態)される。
【0055】
上述した燃料改質装置31では、まず、燃料f(CH+s)が水蒸気改質触媒35に送られる。一方、ガスタービン4の排気ガスの残存Oから酸素イオンOが固体酸化物電解質膜32を透過(酸素イオンOが置換)して部分酸化触媒34に供給される。部分酸化触媒34では、酸素イオンOと燃料f(CH)が部分酸化反応(発熱反応)して燃料f1(CO,H:混合ガス)が生成される。
【0056】
水蒸気改質触媒35での反応熱源は、外周部の部分酸化反応で生じた反応熱によってまかなわれる。生成された燃料f1は燃料電池他の燃焼設備1に供給される。
【0057】
燃料改質装置31で生成された燃料f1は、可燃性のCOとHであり、高温・高カロリーの燃料である。このため、少ない燃料fでタービン入口温度を確保でき、燃料消費量を削減することができる。
【0058】
上述した燃料改質装置31は、触媒装置33が、部分酸化触媒34と水蒸気改質触媒35とが別体に構成されているため、反応制御を個別に行うことができ、燃料f1を生成する際の熱の出入りのバランス等を容易に調整することができる。また、平板状に構成されて排気ガスの流れと平行に配置されているため、大型化に対応することができる。また、整流板36を設けたことにより、部分酸化触媒34と水蒸気改質触媒35の隙間を一定に保持することができる。
【0059】
図7、図8に他の実施形態例を示してある。図7、図8には他の実施形態例に係る触媒の平面視(図5に相当)を示してある。尚、図5と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0060】
図7に示した触媒装置41は、後流側に予熱通路38が設けられた構成になっている。つまり、図5に示した触媒装置33の長さ方向の後流側を中空状態とし、触媒に供給される前の燃料f(CH+s)が流通して反応熱及び排気ガスで燃料f(CH+s)が反応温度に加熱されるようになっている。このため、予熱通路38を一体に構成することができる。
【0061】
図8に示した触媒装置45は、図5に示した触媒装置33の部分酸化触媒34のみの後流側に予熱通路39が設けられた構成になっている。このため、水蒸気改質触媒35を小型化することなく予熱通路39を一体に構成することができる。
【0062】
図9、図10に基づいて原子力設備の高温ガス炉を組み合わせたタービン発電設備を説明する。図9、図10には高温ガス炉を組み合わせたタービン発電設備の要部概略系統を示してある。尚、図1乃至図3に示した部材と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0063】
図9に基づいて原子力設備の高温ガス炉を組み合わせたタービン発電設備の実施形態例を説明する。図9には原子力設備の高温ガス炉を組み合わせた実施形態例を説明する概略系統を示してある。
【0064】
図9に示したタービン発電設備は、図1に示した燃料改質装置11に代えて図3に示した燃料改質装置21の触媒装置23が排熱回収ボイラ6の上流側に配置されている。原子力設備における高温ガス炉51が備えられ、高温ガス炉51で冷却に用いられた一次系の媒体h1(例えば、ヘリウム)が循環路52により循環される。循環路52には間接加熱熱交換器53が設けられ、間接加熱熱交換器53で熱回収された媒体h2が高温ガス炉51に戻される。
【0065】
間接加熱熱交換器53では燃料f(CH+s)が予熱され、予熱された燃料fa(CH+s)は部分酸化ラインIから部分酸化触媒18(図3参照)に送られると共に、予熱された燃料fb(CH+s)は水蒸気改質ラインIIから水蒸気改質触媒19(図3参照)に送られる。部分酸化触媒18で部分酸化反応により生成された改質燃料rf及び水蒸気改質触媒19で水蒸気改質反応により生成された改質燃料rfは間接加熱熱交換器53で加熱され、燃料f1(CO,H:混合ガス)に仕上げられる。
【0066】
上述したタービン発電設備では、高温ガス炉51で生成する媒体h1を熱源として燃料f(CH+s)が所定温度まで昇温され、排気ガス通路12に配された燃料改質装置21の触媒装置23に供給される。このため、排気ガス通路12中の昇温管15は不要になる。高温ガス炉51の供給熱で反応温度とされ(顕熱)、仕上がりの燃料f1(CO,H:混合ガス)の温度はガスタービン4の排気ガスよりも高温となる。前述同様に、部分酸化ラインIでの昇温度エネルギーは水蒸気改質(水蒸気改質ラインII)に吸熱される。gは酸素供給源として使用する。
【0067】
また、システム起動では、間接加熱熱交換器53で加熱される前の燃料f(CH)または、間接加熱熱交換器53で加熱された後の燃料f(CH+s)で燃焼設備1(図1参照)を作動させ、排熱回収ボイラ6の系が安定してから改質燃料rfを生成する。改質燃料rfは間接加熱熱交換器53で顕熱回収して燃料f1(CO,H:混合ガス)に仕上げる。燃料改質装置21の触媒装置23が低温となりすぎるときは、複数回繰り返して間接加熱熱交換器53での顕熱回収を行うことで所定の高温を確保し反応を実施する。
【0068】
図10に基づいて原子力設備の高温ガス炉を組み合わせたタービン発電設備の他の実施形態例を説明する。図10には原子力設備の高温ガス炉を組み合わせた実施形態例の概略系統を示してある。
【0069】
図10に示したタービン発電設備は、図1に示したタービン発電設備に、図8に示した原子力設備における高温ガス炉51を組み合わせた設備である。そして、燃料改質装置11としては、図3に示した燃料改質装置21、図4乃至図7に示した燃料改質装置31を適用する。
【0070】
燃料改質装置11の上流側における排気ガス通路12には加熱熱交換器58が配置され、高温ガス炉51を冷却した高温の一次系の媒体h1(例えば、ヘリウム)が循環路52により加熱熱交換器58に循環される。加熱熱交換器58で熱回収された媒体h2が高温ガス炉51に戻される。
【0071】
上述したタービン発電設備では、高温ガス炉51で生成する媒体h1を熱源としてガスタービン4の排気ガスを所定温度に加熱する。この結果、排気ガスが所定の必要温度に昇温されると共に必要な残存Oの状態とされる。高温ガス炉51で生成する媒体h1の熱は、燃料改質装置11(21,31)での燃料処理と排熱回収ボイラ6での蒸気生成の両方に利用する。つまり、燃料改質装置11(21,31)での熱利用が少ないときの余剰熱は後流の排熱回収ボイラ6で有効に利用され、蒸気の発生熱源とされる。
【0072】
図11に基づいて燃料改質装置の第4実施形態例を説明する。図11には本発明の第4実施形態例に係る燃料改質装置を備えたタービン発電設備の概略系統を示してある。尚、タービン設備や原子炉設備に関しては、上述した図1乃至図10で示した部材と同一部材には同一符号を付してある。
【0073】
本実施形態例の燃料改質装置は酸素を含有する流体から酸素イオンを透過させる固体酸化物電解質膜と、固体酸化物電解質膜を透過した酸素イオンと炭化水素系燃料を反応させて一酸化炭素と水素を生成する触媒とを備えたもので、酸素を含有する流体としてガスタービンの排気ガスに代えて、貯留された空気(または酸素)が適用されるものである。
【0074】
図に示すように、燃料改質装置61には酸素を含有する流体としての空気(または酸素)を貯留する貯留槽62が設けられ、貯留槽62の内部には固体酸化物電解質膜63が設けられている。固体酸化物電解質膜63は貯留された空気(または酸素)から酸素イオンOを透過させるようになっている。固体酸化物電解質膜63の内側には、貯留槽62に貯留された空気(または酸素)から固体酸化物電解質膜63を透過した酸素イオンOと燃料f(例えば、CH)を反応させて一酸化炭素(CO)と水素(H)を生成すると共に燃料f(例えば、CH)を水蒸気改質反応させて一酸化炭素(CO)と水素(H)を生成する触媒64とを備えている。
【0075】
触媒装置64は、酸素イオンOと炭化水素系燃料である燃料f(例えば、CH)との反応により一酸化炭素(CO)と水素(H)を発熱反応で生成する部分酸化触媒65と、燃料f(例えば、CH+水蒸気s)の水蒸気改質反応により一酸化炭素(CO)と水素(H)を吸熱反応で生成する水蒸気改質触媒66とで構成されている。部分酸化触媒装置64は外周及び下面に固体酸化物電解質膜63が配された筒状域に充填され、水蒸気改質触媒66は部分酸化触媒63の軸心部に配された円柱状域に充填されている。
【0076】
部分酸化触媒65としては、COを生成せずに、酸素イオンOとCHとを部分酸化反応(CH+O)させる触媒となっており、例えば、Ni系の触媒成分が用いられ、燃料fの種類(エタン、プロパン、ブタン、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル等)や固体酸化物電解質膜14を透過する酸素を含有する流体の種類・状態等により他の金属成分が適宜組み合わされて設計(配列状態や混合状態)される。
【0077】
また、水蒸気改質触媒66としては、COを生成せずに、CHと水蒸気sとを水蒸気改質反応(CH+HO)させる触媒となっており、例えば、Ni系の触媒成分やRu系の触媒成分が用いられ、燃料fの種類(エタン、プロパン、ブタン、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル等)や固体酸化物電解質膜63を透過する酸素を含有する流体の種類・状態等により他の金属成分が適宜組み合わされて設計(配列状態や混合状態)される。
【0078】
一方、図9及び図10に示した原子炉設備が備えられている。即ち、原子力設備における高温ガス炉51が備えられ、高温ガス炉51の冷却に用いられた一次系の冷却媒体h1(例えば、ヘリウム)が高温となって循環路52により循環される。循環路52は水蒸気改質触媒66を流通し、水蒸気改質触媒66に熱回収されて冷却された媒体h2が高温ガス炉51に戻される。
【0079】
また、図1に示したタービン発電設備が備えられている。タービン発電設備は燃焼設備1とタービン設備2とで構成され、タービン設備2は圧縮機3及びガスタービン4及び発電機5で構成され、ガスタービン4の排気ガスは排熱回収ボイラ6で熱回収されて大気に放出される。
【0080】
排熱回収ボイラ6では排気ガスの排熱により蒸気を発生し、発生した蒸気は蒸気タービン7に送られて蒸気タービン7で動力が回収される。蒸気タービン7の排気蒸気は復水器8で復水され、復水は給水手段としての給水ポンプ9により排熱回収ボイラ6の図示しないドラムに給水される。
【0081】
燃焼設備1には、燃料電池を使用することも可能で圧縮機3で圧縮空気中の酸素Oと改質された燃料f1(CO,H)とを電解質膜を介して化学反応させて発電し、排出ガス中の未燃燃料を燃焼させて高温の燃焼ガスがガスタービン4に送られる。燃焼ガスはタービン4で膨張され、タービン4の排気ガスが排熱回収ボイラ6で回収される。
【0082】
尚、燃焼設備としては、燃料f1(CO,H)を作動流体として要求される設備であれば、一般の燃焼器等も適用される。
【0083】
排熱回収ボイラ6の入口側のガスタービン4の排気ガス通路(排熱回収ボイラ6と一体もしくは別途通路)には、図1に示した燃料改質装置11に代えて、予熱熱交換器67が配されている。予熱熱交換器67では炭化水素系燃料としての燃料f(例えば、CH)がガスタービン4の排気ガスにより予熱されて燃料改質装置61に供給される。
【0084】
尚、燃料改質装置61は単独の設備として用いられたり、原子力設備と組み合わされた設備として用いられたり、タービン発電設備と組み合わされた設備として用いられる。
【0085】
上述した燃料改質装置を備えたタービン発電設備では、燃料f(CH)が予熱熱交換器67で反応温度まで昇温されて燃料fa(CH)が部分酸化ラインIから部分酸化触媒65に送られる。一方、貯留槽62の空気(または酸素)が固体酸化物電解質膜63を透過(酸素イオンOが置換)して酸素イオンOが部分酸化触媒65に供給される。部分酸化触媒18では、酸素イオンOと燃料f(CH+s)が部分酸化反応(発熱反応)して燃料f1(CO,H:混合ガス)が生成される。生成された燃料f1は、燃焼設備1に供給される。
【0086】
また、上述した燃料改質装置を備えたタービン発電設備では、燃料f(CH)が予熱熱交換器67で反応温度まで昇温されて燃料fb(CH)が水蒸気改質ラインIIから水蒸気改質触媒66に送られる。この時、燃料fb(CH)に水蒸気sか供給される。水蒸気改質触媒66では、燃料f(CH+s)が水蒸気改質反応(吸熱反応)して燃料f1(CO,H:混合ガス)が生成される。水蒸気改質触媒66での反応熱源は、外周部の部分酸化反応で生じた反応熱及び循環路52で循環して水蒸気改質触媒66を流通する媒体h1(例えば、ヘリウム)によってまかなわれる。生成された燃料f1は、燃焼設備1(例えば反応用の燃料として燃料電池)に供給される。
【0087】
燃料改質装置61で生成された燃料f1は、可燃性のCOとHであるため、全てが燃料として用いることができ、高温・高カロリーの燃料である。このため、少ない燃料fでタービン入口温度を所定地に保つことができ、燃料消費量を削減することができる。
【0088】
上述した燃料改質装置61は、触媒装置64の周囲に空気(または酸素)を滞留させているので、反応に消費する酸素O量に見合って空気(または酸素)を投入することとする。滞留するときの空気(または酸素)の熱損失及び新たな投入時の空気(または酸素)の熱損失が生じるが、循環路52を循環して水蒸気改質触媒66を流通する媒体h1の熱を燃料改質とこの損失熱に見合って供給する。高いO濃度あるいは加圧Oが必要な場合は純Oを貯留槽62に貯留し、予圧をかける。
【0089】
また、上述した燃料改質装置61では、酸素透過の要因である、高いO濃度差、高いO圧力、固体酸化物電解質膜63の高温化、固体酸化物電解質膜63の極薄化については最適な条件を組み合わせる。
【0090】
【発明の効果】
本発明の燃料改質装置は、酸素を含有する流体から酸素イオンを透過させる固体酸化物電解質膜と、固体酸化物電解質膜を透過した酸素イオンと炭化水素系燃料を反応させて一酸化炭素と水素を生成する触媒とを備えたので、炭化水素系燃料を改質して水素を得る際に、可燃成分の多い燃料を生成することができる燃料改質装置とすることが可能になる。
【0091】
そして、触媒は、酸素イオンと炭化水素系燃料との反応により一酸化炭素と水素を発熱反応で生成する部分酸化触媒と、水分を含有する炭化水素系燃料の水蒸気改質反応により一酸化炭素と水素を吸熱反応で生成する水蒸気改質触媒とから構成される。反応制御を個別に各々設計でき、一酸化炭素と水素を生成する際の熱の入/出のバランス等を最適に調整することができる。
【0092】
また、部分酸化触媒は外周に固体酸化物電解質膜が配された筒状域に内蔵し、水蒸気改質触媒は部分酸化触媒の軸心部に配された柱状域に内蔵することで、触媒装置を構成する。
【0093】
また、触媒は、外周に固体酸化物電解質膜が配された平板状箱状域に内蔵しているので、酸素を含む熱源流体の流れを阻害(圧力損失)することなく大型化に対応することができる。
【0094】
また、酸素を含有する流体としてガスタービンの排気ガスを適用するとき平板状の構造を用いると背圧(排気圧力損失)を高めることなく装置化できる。
【0095】
また、酸素を含有する流体として酸素の残存するガスタービン排気を用いて必要な高温雰囲気を確保できる。
【0096】
本発明の燃料改質方法は、固体酸化物電解質膜を透過した酸素イオンと炭化水素系燃料を触媒で発熱反応と吸熱反応を組み合わせて実施して一酸化炭素と水素を生成するときの熱の授受を過不足なく行うようにしたので、投入燃料のマスバランスを保存することができる。
【0097】
そして、酸素イオンと炭化水素系燃料を部分酸化触媒で発熱反応させて一酸化炭素と水素を生成すると共に、炭化水素系燃料を水蒸気改質触媒で吸熱反応させて一酸化炭素と水素を生成し、部分酸化触媒での発熱量を水蒸気改質触媒での吸熱量として用いたので、反応設計を各々個別に行うことができ、一酸化炭素と水素を生成する際の熱の入/出のバランス等を最適に調整することができる。
【0098】
本発明のタービン発電設備は、空気を圧縮する圧縮機と、圧縮機からの圧縮空気及び一酸化炭素及び水素が供給される燃焼設備と、燃焼設備の燃焼ガスが膨張されるガスタービンと、ガスタービンの排気ガスが熱回収される排熱回収ボイラとを備えたタービン設備において、排熱回収ボイラの入口側のガスタービンの排気ガス通路に請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の燃料改質装置を設置し、燃料改質装置で生成された一酸化炭素及び水素が燃焼設備に供給されるので、炭化水素系燃料を改質して水素を得る際に、燃料分を多く生成することができる燃料改質装置とガスタービンとを組み合わせたタービン発電設備とすることが可能になる。
【0099】
そして、燃料改質装置の下流側のガスタービンの排気ガス通路に炭化水素系燃料を流通させる予熱手段を備えたので、炭化水素系燃料を反応温度に制御することが可能になる。
【0100】
また、原子力設備の高温ガス炉と、高温ガス炉を冷却した媒体と炭化水素系燃料との間で熱交換を行って炭化水素系燃料を昇温させると共に燃料改質装置で生成された一酸化炭素及び水素を昇温させる熱交換器とを備えることで、高温ガス炉の顕熱を最大限燃料のカロリーアップに活かすことができる。
【0101】
また、原子力設備の高温ガス炉と、高温ガス炉を冷却した媒体を燃料改質装置の上流側のガスタービンの排気ガス通路に流通させて排気ガスを昇温させるガス予熱路とを備えたので、ガスタービンの排気ガスを通常の温度よりも高温にでき熱は高温ガス炉から、酸素はガスタービン排気から供給することで、燃料改質装置が基本構成とできる。
【0102】
また、燃料改質装置で生成された一酸化炭素及び水素が供給される燃焼設備は、一酸化炭素及び水素を圧縮空気との間で反応させる燃料電池であるので、効率のよい発電を行うことができる。
【0103】
また、燃料改質装置で生成された一酸化炭素及び水素が供給される燃焼設備は、一酸化炭素及び水素を燃料及び圧縮空気と共に燃焼させる燃焼器であるので、既存の設備を利用することができる。
【0104】
本発明の原子力設備は、高温ガス炉と、請求項6に記載の燃料改質装置と、高温ガス炉を冷却したのちの媒体を燃料改質装置の触媒に流通させて触媒を昇温させる循環路とを備えたので、ガスタービン排気は単に燃料加熱源としてのみ使用して簡素化できる。酸素の供給は専用の供給槽から行うので、自由に高濃度O等を選定でき最適設計の自由度が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例に係る燃料改質装置を備えたタービン発電設備の概略構成図。
【図2】燃料改質装置の概略構成図。
【図3】第2実施形態例に係る燃料改質装置の説明図。
【図4】本発明の第3実施形態例に係る燃料改質装置の概略構成図。
【図5】図4中のV−V線矢視図。
【図6】図4中のVI−VI線矢視図。
【図7】他の実施形態例に係る触媒の平面図。
【図8】他の実施形態例に係る触媒の平面図。
【図9】原子力設備の高温ガス炉を組み合わせた実施形態例の概略系統図。
【図10】原子力設備の高温ガス炉を組み合わせた他の実施形態例の概略系統図。
【図11】本発明の第4実施形態例に係る燃料改質装置を備えたタービン発電設備の概略系統図。
【符号の説明】
1 燃料電池
2 タービン設備
3 圧縮機
4 ガスタービン
5 発電機
6 排熱回収ボイラ
7 蒸気タービン
8 復水器
9 給水ポンプ
11,21,31,61 燃料改質装置
12 排気ガス通路
13 触媒層
23,33,41,45,64 触媒装置
14,22,32,63 固体酸化物電解質膜
15 昇温管
18,34,65 部分酸化触媒
19,35,66 水蒸気改質触媒
36 整流板
38,39,42,46 予熱通路
51 高温ガス炉
52 循環路
53 間接加熱熱交換器
54 蒸気通路
55 蒸気タービン
58 加熱熱交換器
62 貯留槽
67 予熱熱交換器

Claims (15)

  1. 酸素を含有する流体から酸素イオンを透過させる固体酸化物電解質膜と、固体酸化物電解質膜を透過した酸素イオンと炭化水素系燃料を反応させて一酸化炭素と水素を生成する触媒とを備えたことを特徴とする燃料改質装置。
  2. 請求項1において、
    触媒は、酸素イオンと炭化水素系燃料との反応により一酸化炭素と水素を発熱反応で生成する部分酸化触媒と、水分を含有する炭化水素系燃料の水蒸気改質反応により一酸化炭素と水素を吸熱反応で生成する水蒸気改質触媒とから構成されることを特徴とする燃料改質装置。
  3. 請求項2において、
    部分酸化触媒は外周に固体酸化物電解質膜が配された筒状域に内蔵し、水蒸気改質触媒は部分酸化触媒の軸心部に配された柱状域に内蔵していることを特徴とする燃料改質装置。
  4. 請求項1において、
    触媒は、外周に固体酸化物電解質膜が配された平板箱状域に内蔵していることを特徴とする燃料改質装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
    酸素を含有する流体としてガスタービンの排気ガスが適用されることを特徴とする燃料改質装置。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
    酸素を含有する流体として酸素を含む空気が適用されることを特徴とする燃料改質装置。
  7. 固体酸化物電解質膜を透過した酸素イオンと炭化水素系燃料を触媒で発熱反応と吸熱反応を組み合わせて実施し一酸化炭素と水素を生成することを特徴とする燃料改質方法。
  8. 請求項7において、
    酸素イオンと炭化水素系燃料を部分酸化触媒で発熱反応させて一酸化炭素と水素を生成すると共に、炭化水素系燃料を水蒸気改質触媒で吸熱反応させて一酸化炭素と水素を生成し、部分酸化触媒での発熱量を水蒸気改質触媒での吸熱量として用いたことを特徴とする燃料改質方法。
  9. 空気を圧縮する圧縮機と、圧縮機からの圧縮空気及び一酸化炭素及び水素が供給される燃焼設備と、燃焼設備の燃焼ガスが膨張されるガスタービンと、ガスタービンの排気ガスが熱回収される排熱回収ボイラとを備えたタービン設備において、排熱回収ボイラの入口側のガスタービンの排気ガス通路に請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の燃料改質装置を設置し、燃料改質装置で生成された一酸化炭素及び水素が燃焼設備に供給されることを特徴とするタービン発電設備。
  10. 請求項9において、
    燃料改質装置の下流側のガスタービンの排気ガス通路に炭化水素系燃料を流通させる予熱手段を備えたことを特徴とするタービン発電設備。
  11. 請求項9もしくは請求項10において、
    原子力設備の高温ガス炉と、高温ガス炉を冷却した媒体と炭化水素系燃料との間で熱交換を行って炭化水素系燃料を昇温させると共に燃料改質装置で生成された一酸化炭素及び水素を昇温させる熱交換器とを備えたことを特徴とするタービン発電設備。
  12. 請求項9もしくは請求項10において、
    原子力設備の高温ガス炉と、高温ガス炉を冷却した媒体を燃料改質装置の上流側のガスタービンの排気ガス通路に流通させて排気ガスを昇温させるガス予熱路とを備えたことを特徴とするタービン発電設備。
  13. 請求項9乃至請求項12のいずれか一項において、
    燃料改質装置で生成された一酸化炭素及び水素が供給される燃焼設備は、一酸化炭素及び水素を圧縮空気との間で反応させる燃料電池であることを特徴とするタービン発電設備。
  14. 請求項9乃至請求項12のいずれか一項において、
    燃料改質装置で生成された一酸化炭素及び水素が供給される燃焼設備は、一酸化炭素及び水素を燃料及び圧縮空気と共に燃焼させる燃焼器であることを特徴とするタービン発電設備。
  15. 高温ガス炉と、請求項6に記載の燃料改質装置と、高温ガス炉を冷却した媒体を燃料改質装置の触媒に流通させて触媒を昇温させる循環路とを備えたことを特徴とする原子力設備。
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