JP2004167642A - ボルト(ナット)緩め作業効率化のための装置及び作業方法 - Google Patents

ボルト(ナット)緩め作業効率化のための装置及び作業方法 Download PDF

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JP2004167642A JP2002337332A JP2002337332A JP2004167642A JP 2004167642 A JP2004167642 A JP 2004167642A JP 2002337332 A JP2002337332 A JP 2002337332A JP 2002337332 A JP2002337332 A JP 2002337332A JP 2004167642 A JP2004167642 A JP 2004167642A
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Moritaka Kato
守孝 加藤
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Abstract

【課題】火災の危険のある火を使うことなく、狭隘な場所でも作業可能で、可及的に少ない力で、効率的にボルト(ナット)緩めることが可能な、ボルト(ナット)緩め作業の効率的方法及び効率化のための装置の提供を目的としている。
【解決する手段】機械装置に使用したボルト(ナット)の緩め作業に用いる装置であって、
1.誘電加熱電源
2.マッチングトランス
3.ボルト(ナット)先端を加熱するための加熱コイル
からなる誘電加熱を用いることを特徴とするボルト(ナット)緩め作業の効率化のための装置及び該装置を用いるボルト(ナット)の緩め作業方法。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボルト(ナット)緩め作業効率化のための装置及び作業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、発電所などで用いられるガスタービンや蒸気タービンにおいて、保守点検のための分解時におけるボルト(ナット)緩め作業に多大の努力を要している。例えば、その作業として、電熱ヒータ、ガスバーナー、TIG溶接機などにて、ボルト(ナット)を加熱し、大ハンマーで打撃メガネスパナを叩いてゆるめていた。
【0003】
ボルト(ナット)緩め作業に前記加熱方法を採用すると、加熱温度制御が困難であるため、過熱によりボルト(ナット)の強度低下を招きやすく、また加熱温度が低いと、軸力(締め付ける力)が充分小さくならないため、大ハンマーで打撃する作業が必要になる。
【0004】
大ハンマーを使用する作業の問題点は、重労働の危険作業であることであり、狭隘部では力が入りがたい、機器を傷つけるなどである。
【0005】
従来、ボルト(ナット)の作業性に関して、作業性向上のため、効率的に力を伝える治具に関する技術が開示されている(特許文献1参照)。
しかし、加熱して緩める作業は含まれていない。
【0006】
【特許文献1】
実開平02−82474号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記事情に鑑み、
火災の危険のある火を使うことなく、狭隘な場所でも作業可能で、可及的に少ない力で、効率的にボルト(ナット)緩めることが可能な、ボルト(ナット)緩め作業の効率的方法及び効率化のための装置の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
(1)機械装置に使用したボルト(ナット)の緩め作業に用いる装置であって、
1.誘電加熱電源
2.マッチングトランス
3.ボルト(ナット)先端を加熱するための加熱コイル
からなる誘電加熱を用いることを特徴とするボルト(ナット)緩め作業のための装置。
(2) ボルト(ナット)先端に加熱コイルを巻きつけ、該加熱コイルを、マッチングトランスを介して誘電加熱電源に接続し、電流を流してボルト(ナット)先端を加熱したのち、ボルト(ナット)の緩め作業を、行うことを特徴とするボルト(ナット)の緩め作業方法。
(3) 上記(2)において、ボルト(ナット)の加熱温度が、ボルト(ナット)の耐熱温度以下であることを特徴とするボルト(ナット)の緩め作業方法。
【0009】
誘電加熱とは、コイルに強い交流電気を通じコイル中に置いてある被熱導体または伝導性容器に感応電流を生じさせ加熱する方式をいう。
【0010】
誘電加熱電源とは、誘電加熱に用いる電源をいう。なお、必要に応じ、冷却を付属させることができる。
【0011】
マッチングトランスとは、誘電加熱電源側(加熱コイル)のインピーダンスと負荷側のインピーダンスの整合をとるためのトランスをいう。
【0012】
加熱コイルとは誘電加熱に使用されるコイルをいう。
【0013】
ボルト(ナット)の耐熱温度とは、ボルト(ナット)として、使用可能な温度範囲の上限温度をいう。ボルト(ナット)の材質により下記の使用温度範囲が知られている。
【表1】
Figure 2004167642
【0014】
ボルト(ボルト)を加熱して緩める方法に関する原理は次式で与えられる。
Fa=ZIf{(tb−tf)αb−(tc−tf)αc}
Fa:予張力変化量(N)
If:グリップ長さ(mm)
tf:締付け時の温度(℃)
tb、tc:ボルト、被締付け物の温度(℃)
αb、αc:ボルト、被締付け物の線膨張率(10−6/℃)
Z:へたり係数
【0015】
へたり係数Zは下記の如くして算出する
Z=(z/d)*d/1000
Z(N/m):へたり係数
z/d((N/μm)/mm):図1より算出
【0016】
ボルト締付け力(N):Ffの計算
Ff=2T/{fd・tan(β+p´)+μw・dw}
T(N・mm):締付けトルク
(mm):ネジ有効径
dw(mm):座面における摩擦トルク等価直径
dw=2/3・(Do−Di)/(Do−Di
Do(mm):座面外径
Di(mm):座面内径
β(deg):ネジリード角
β=tan−1(p/πd
p(mm):ネジピッチ
p´(deg):ネジ面相当摩擦角
p´=tan−1(μs/cosαn)
μs:一般的に0.12(薄く油塗布状態)
αn(deg):ネジ直角断面フランク角
αn=tan−1(tanα・cosβ)
α(deg):軸を含む断面フランク角、一般的に0.15(薄く油塗布状態)
【0017】
ボルトの緩めトルクの計算
T(N):緩めトルク
T=(Ff/2){d・tan(p´−β)+μw・d}
Ff(N・mm):ボルトの締付け力
(mm):ネジ有効径
dw(mm):座面における摩擦トルク等価直径
dw=2/3・(Do−Di)/(Do−Di
Do(mm):座面外径
Di(mm):座面内径
p´(deg):ネジ面相当摩擦角
p´=tan−1(μs/cosαn)
αn(deg):ネジ直角断面フランク角
αn(deg):ネジ直角断面フランク角
αn=tan−1(tanα・cosβ)
α(deg):軸を含む断面フランク角、一般的に0.15(薄く油塗布状態)
μw:一般的に0.15(薄く油塗布状態)
【0018】
即ち、ボルトを加熱して緩むのは、加熱によるボルトの熱膨張による膨張率変化と、加熱による被締付け物の膨張率変化の差に起因し、ボルトの加熱温度が大きく、被締付け物の加熱温度が小さいと、緩みが大きいことになる。
【0019】
ボルトを加熱する方法として、ガスバーナーを使用する方法では、温度管理が困難であるし、過熱の心配があり、火を使用するので、化学プラントや石油を使用する火力発電所などでは引火の危険がある。
電熱ヒーターでは、被加熱物の昇温に時間がかかる。
【0020】
これに対し、ボルト加熱の方法として、誘電加熱方式ならば、火を使用しないので安全であり、電力と時間で温度上昇が制御でき、また温度をフィードバックすれば過熱を防止でき利点がある。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図2〜図4を参照して説明する。
図2に本発明の誘電加熱装置を示す。電源は、三相200Vである。誘電加熱電源1は、最大出力:30kV、出力周波数:10〜30kHzである。誘電加熱電源1はマッチングトランス3を介して加熱コイル7に接続する。加熱コイル7は、被締付け物即ちボルト6に巻かれることになる。また誘電加熱電源1は、マッチングトランス3及び加熱コイル7冷却のための冷却装置2に電力を供給するため接続している。冷却装置2は、マッチングトランスなどを冷却水で冷却する。
すなわち、マッチングトランス3、負荷側電線(マッチングトランス3から加熱コイル7間)および加熱コイル7は大電流により発熱が大きい。
この部分の冷却のために冷却器が必要である。電線は、水冷ケーブル(電線をホースで覆い、ホース内に冷却水を通してケーブルを冷やす電線をいう)11が使用される。
図3は、6角穴付きボルトの頭部加熱における、各位置の温度とボルトの伸びの経時変化を示す。
図4は、図3の測定結果を求めるための測定装置を示す。
ボルト頭部6は、急速に温度上昇する。ボルト頭部6から離れた先端部10や、被締付け物8は、温度上昇が少ないことが認められる。
従って、ボルト頭部6と被締付け物8との温度差が大きく、ボルトによる締付け力が大幅に低下していることが確認された。
室温、約3430N・mで締め付けたボルトを300℃、10分加熱したところ、
締付け力980N・m以下で緩めることが可能な操作である打撃メガネスパナを小ハンマでたたいて緩めることが可能であった。
(以下余白)
【0022】
【表2】
Figure 2004167642
ボルトサイズ:M48、グリップ長さ(被締付け物の厚さ):150mm
図3の測定結果を求めるための測定装置を示す、表2に示したように計算し、グラフで示し、図5に示した。
【0023】
図5の結果、ボルトの温度が、100℃上昇すれば、140kN、200℃では280kNの締付け力が小さくなることが示される。
【0024】
ボルトの締付け力を計算した結果を表3に示す。
【表3】
Figure 2004167642
表3の結果、標準締付けトルク3920kN時に、約505kNという結果になった。
【0025】
【発明の効果】
(1) 火や電気火花を使用しないので、ガスバーナーを使用して、
暖めたりする方法に比較して安全である。
(2) 従来の方法では、打撃メガネスパナを小ハンマーで叩いて緩むことが確認された。従来の方法の場合、大ハンマーで叩く必要があり、従来の方法に比し、少ないスペースでも可能となった。
(3) 大ハンマーを振り回す必要が無くなったので作業が安全となった。
【0026】
本願発明の、ボルト(ナット)緩め作業効率化のための装置及び作業方法は、以上の如き種々の優れた性能を有するため、火力発電所、石油化学プラント、化学合成プラントなどの多くの化学プラントを検査することが可能であり、これらの設備を有する産業に寄与するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】:鋼製ねじ焼結体の、へたり係数を示す図である。
【図2】:本発明の誘電加熱装置を示す略図である。
【図3】:6角穴付きボルトの頭部加熱における、各位置の温度とボルトの伸びの経時変化を示す図である。
【図4】:図3の測定結果を求めるための測定装置を示す略図である。
【図5】:温度による予張力の変化量を示す図である
【符号の説明】
a 普通ボルト−平板における計測データ
b 普通ボルト−細円筒における計測データ
c 伸びボルト−細円筒における計測データ
1 誘電加熱電源
2 冷却ユニット
3 マッチングトランス
4 レコーダ
5 熱電対
6 ボルト
7 加熱コイル
d1 頭部(上側)温度の計測データ
d2 頭部(下部)温度の計測データ
e 伸びの計測データ
f 首下50mmにおける温度計測データ
g 被締付け物温度計測データ
h 首下110mmにおける温度計測データ
i 先端部温度計測データ
8 被締付け物
9 ダイヤルゲージ
10 ボルトのネジ部
11 水冷ケーブル
12 通常ケーブル

Claims (3)

  1. 機械装置に使用したボルト(ナット)の緩め作業に用いる装置であって、
    (1) 誘電加熱電源
    (2) マッチングトランス
    (3) ボルト(ナット)先端を加熱するための加熱コイル
    からなる誘電加熱を用いることを特徴とするボルト(ナット)緩め作業の効率化のための装置
  2. ボルト(ナット)先端に加熱コイルを巻きつけ、該コイルを、マッチングトランスを介して誘電加熱電源に接続し、電流を流してボルト(ナット)先端を加熱したのち、ボルト(ナット)の緩め作業を、行うことを特徴とするボルト(ナット)の緩め作業方法。
  3. 請求項3において、ボルト(ナット)の加熱温度が、ボルト(ナット)の耐熱温度以下であることを特徴とするボルト(ナット)の緩め作業方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106670785A (zh) * 2015-11-10 2017-05-17 国网辽宁省电力有限公司本溪供电公司 一种涡流加热螺栓拆卸器
CN113927282A (zh) * 2021-10-19 2022-01-14 广西电网有限责任公司河池供电局 一种不间断供电的高频加热拆卸螺丝装置

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