JP2004166692A - 一体型電極及び当該一体型電極を備える細胞固定化器 - Google Patents

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Abstract

【課題】単離細胞及び/又は培養細胞をその細胞膜に損傷を与えることなく電極上に固定することができ、固定された細胞の電気生理的活動を、十分な感度で検出可能な一体型電極を提供する。
【解決手段】少なくとも一つの導電体を備えた基板、及び前記導電体からの電気信号を導出する配線部を有し、前記導電体の表面に固定された細胞の電気生理的変化に起因する電気信号を検出し得る一体型電極であって、前記導電体は、その表面の少なくとも一部が誘電体材料で被覆され、前記誘電体材料は、正荷電性の高分子材料であり、前記細胞は、単離細胞及び/又は培養細胞である。
【選択図】図1

Description

本発明は、単離細胞及び/又は培養細胞の電気生理的活動に起因する電気信号を検出するための一体型電極及び当該一体型電極を備える細胞固定化器に関する。
従来より、細胞の電気生理的活動を検出するための技術が知られている。このような技術は、例えば細胞の電気生理的活動を指標にして薬品をスクリーニングするために用いられる。細胞の電気生理的活動とは、主として細胞のイオンチャンネルの活性度をいう。細胞においては、イオンチャンネルの活性度に対応するイオン透過性の変化に伴って細胞膜内外のイオン濃度が変化する。したがって、細胞内の電位変化を検出することにより、イオンチャンネルの開閉時間、開閉タイミング、開閉回数等、イオンチャンネルの活性度(細胞の電気生理的活動)の検出が可能となる。
細胞内の電位変化を検出する方法として、パッチクランプ法が知られている。図17は、パッチクランプ法の原理を模式的に示す断面図である。パッチクランプ法は、まず、図17(a)に示すように、例えばガラスピペット101で細胞102を吸引することによりガラスピペット101の先端に細胞102を密着させ、さらなる吸引圧によってガラスピペット101に密着している範囲内の細胞102の細胞膜を破り、ピペット101内と細胞102内を同電位とする。したがって、検出手段104を用いて、ピペット内の電極103の電位を参照電極104の電位との差として検出することにより、細胞102内の電位変化を検出することができる。
しかしながら、パッチクランプ法においては、細胞の細胞膜が破壊されてしまうので、1時間程度で細胞が死んでしまう。また、細胞膜が破壊されている細胞の状態は、生体内での状態とは大きく相違する。したがって、生体内の細胞の電気生理的活動を予測するために有用なデータを得難い。さらに、ガラスピペットを細胞に密着させる操作などに熟練した技術を要し、一つの試料の測定に多くの時間を要するので大量の薬品候補化合物を高速でスクリーニングするためには適していない。
高速の薬品スクリーニングの用途、特にファーストスクリーニング(第一候補の絞り込み)の用途には、測定の迅速性、簡便性がより重視されるため、このような用途には、平板電極を使った細胞外電位記録法が適している(例えば、特許文献1、2、3、4、5参照)。
平板電極を使った細胞外電位記録法は、生体内塩濃度組成に近い溶液中で細胞、組織片等の生体試料を平板電極上に配置し、その電極の電位変化を測定することによりイオンチャンネルを通過するイオン流を検出する。すなわち、細胞外電位記録法は、細胞の電気生理的活動が、細胞の近傍に配置された電極の電位に変化をもたらすことを利用する。
上記細胞外電位記録法は、細胞を平板電極上に配置しただけで測定することができ、細胞をガラスピペットに密着させる操作等を必要とせず、また細胞の細胞膜を破壊させることもないので、簡便かつ迅速に生体内での状態に近い細胞の電気生理的活動を測定することができる。したがって、薬品の高速スクリーニング等に適している。
しかしながら、細胞の電気生理的活動に起因する電気信号の変化は非常に微弱であり、平板電極を用いた細胞外電位記録法においては、かかる信号の変化を溶液を介して検出することになるためさらに微弱化する。したがって、精度の高い測定を行うためには、細胞の電気生理的活動に起因する電気信号の変化を感度良く検出する必要がある。
感度良い検出を達成する方法として、平板電極のインピーダンスを低減させる方法が挙げられる。平板電極のインピーダンスを低減させる方法として、白金黒で被覆された電極が好適に用いられている(例えば、特許文献6参照)。
白金黒による電極の被覆は、白金塩や白金錯体を電気分解し、白金原子が多数集合したナノ粒子群が電極表面に立体的かつ複雑に堆積されることによる。故に、白金黒は、多孔性構造を有し、電極表面は、極めて大きな表面積を有する粗面となる。したがって、電極インピーダンスが低減する。電解メッキする際に印加する電圧によって、前記ナノ粒子の粒径は異なるが、その直径は、略10nm〜1μmの範囲内にある。
図18は、回路抵抗が300kΩ、印加電圧が7Vの条件下で堆積された白金黒の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。図18において、前記ナノ粒子の直径は、略60nm〜160nmの範囲内であることがわかる。また、図18において、明暗から判断すると、少なくともナノ粒子が高さ方向に15層以上形成されていることがわかる。よって、堆積された白金黒の厚みは、SEM写真が捉える範囲だけでも、略0.9μm(60nm×15層)〜2.4μm(160nm×15層)であると推測される。また、1μm2の範囲内について見ると、最凸部と最凹部との高さの差が少なくともナノ粒子5層分はあるので、略0.3μm(60nm×5層)〜0.8μm(160nm×5層)程度の表面粗さ(以下、本明細書においては、1μm2内の最凸部と最凹部との高さの差で表面粗さを規定する)を有する。
一方、電極に固定する細胞の大きさは、細胞種により異なるが、HEK293(Human Embryo Kidney)細胞は、単離時で直径略10〜15μmの球形を有し、基板に定着し張り付き、伸張すると厚みは略1μmとなる。したがって、図18に示した白金黒で被覆された電極の表面粗さは、細胞の厚みに対して無視できない粗さであり、電極の表面と細胞との接触面積を十分に確保できず、細胞等の微小生体試料を固定することは困難である。尚、白金黒で被覆された電極であっても、電極の表面粗さが生体試料の厚みに対して無視できるような、ある程度の厚みを有する組織片等の生体試料であれば、固定することができる。
単離細胞を電極上に固定するためには、電極の表面が、細胞の厚みに対して無視できる程度の粗さしか有さず、ほぼ平坦である必要がある。具体的には、電極の表面粗さが、単離細胞の厚みの略10%以下、一例を挙げるのであれば、0.1μm以下であることが好ましい。電気分解の条件等を調整することにより、白金黒で被覆された電極であっても、白金分子の集合体であるナノ粒子の粒径程度の表面粗さとすることができる可能性が理論上はあり得るが、この場合、電極のインピーダンスの低減効果をほとんど得ることができず、単離細胞に由来する微弱な電気信号を感度良く検出するという課題を達成することはできない。
細胞膜を破壊することなく、その表面に単離細胞を容易に固定できる電極を備えた細胞外電位測装置も開示されているが(例えば、特許文献7参照)、より感度良く細胞外の電位測定が可能な電極の開発が望まれていた。
特許第2949845号公報 米国特許第5810725号公報 米国特許第5563067号公報 特開平9−827318号公報 米国特許第5187069号公報 特開平6−78889号公報 国際公開第WO02/055653号パンフレット
本発明は、単離細胞及び/又は培養細胞を変性させることなく電極上に固定することができ、固定された細胞の電気生理的活動を、十分な感度で検出可能な一体型電極を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一体型電極は、少なくとも一つの導電体を備えた基板、及び前記導電体からの電気信号を導出する配線部を有し、前記導電体の表面に固定された細胞の電気生理的変化に起因する電気信号を検出し得る一体型電極であって、前記導電体は、その表面の少なくとも一部が誘電体材料で被覆され、前記誘電体材料は、正荷電性の高分子材料であり、前記細胞は、単離細胞及び/又は培養細胞である。
細胞は、通常その細胞膜が、負に帯電しているので、正荷電性の高分子材料との間に静電相互作用が働く。したがって、導電体の表面が正荷電性の高分子材料で被覆されていることにより、導電体表面に細胞を固定しやすく、またより強固に固定することができる。本明細書でいう「正荷電性の高分子」とは、その高分子のpKa以下のpHで正に帯電する高分子のことである。なお、前記誘電体材料は、細胞との間に働く静電相互作用により細胞の固定化に寄与するので、細胞を変性させることがない。もちろん、細胞を殺すこともない。本明細書でいう「細胞の変性」とは、細胞膜の破壊、細胞膜および、細胞膜中または細胞膜上に存在する機能物質の化学的変性を含む。
前記誘電体材料として、例えば、ポリエチレンイミン、ポリオルニチン、及びポリリジンからなる群から選択される高分子材料を含む材料を使用し得る。または、ビグアニド基、もしくはカルバモイルグア二ド基を持つ高分子材料を含む材料を使用し得る。
前記導電体は、好ましくは、白金、金、パラジウム、ロジウム、銀、タングステン、ITO、及びこれらの組合せからなる群から選択される材料で作製される。
また、前記一体型電極において、前記誘電体材料で被覆された前記導電体の表面の少なくとも一部が、さらに、固定化材料で被覆された構成とし得る。この場合、前記固定化材料は、前記細胞との間に静電相互作用及び/又は分子間力が働く材料であり、前記誘電体材料とは異なる材料とする。前記誘電体材料での被覆と、さらに前記固定化材料での被覆により、細胞の導電体への固定化をより容易及び/又はより強固にし得る。また、前記固定化材料は、前記細胞との間に働く静電相互作用及び/又は分子間力により細胞の固定化に寄与するので、細胞を殺すことがなく、さらに細胞を変性させることがないことは、前記誘電体材料と同様である。前記固定化材料としては、例えば細胞接着性のタンパク質を使用することができる。
前記導電体と溶液との界面の電気二重層容量は、大きいほど導電体のインピーダンスを低減させる効果が大きく好ましい。具体的には、前記導電体は、0.1M電解質溶液との界面の電気二重層容量が、印加電圧0Vにおいて、27μF/cm2以上となるようにすることが、前記細胞の電気生理的活動に起因する電気信号の検出感度の点から好ましい。
また、前記一体型電極は、前記導電体が、基板に形成された少なくとも一つの貫通孔の孔内及び/又は前記基板上面における前記貫通孔の孔周囲に形成されている構成とすることができる。この場合、前記貫通孔に細胞を捕捉することができ、または前記貫通孔の下方から細胞を吸引することができるので、細胞の固定化をより容易にすることができる。一つの前記貫通孔に対し、一つの前記導電体が形成されているように構成してもよいし、複数の前記貫通孔に対し、一つの前記導電体が形成されているように構成してもよい。
本発明の細胞固定化器は、前記一体型電極と、前記導電体の表面を含む領域で、前記細胞を培養するための溶液保持部とを備える。前記一体型電極の前記基板上に導電体が複数形成されている場合、前記溶液保持部は、一つの導電体毎に分離されてもよいし、複数の導電体毎に分離されている構成であってもよい。
本発明の一体型電極においては、単離細胞及び/又は培養細胞を電極上に固定することができ、また、これらの細胞の電気生理的変化に起因する電気信号を感度よく検出することができる。さらに、生きたまま、かつ変性されることなく固定された細胞の電気生理的変化に起因する電気信号を検出することができる。
以下、図面を用いて本発明をより詳細に説明する。
(第1の実施形態)
[細胞固定化器の構成]
本実施形態は、細胞の電気生理的変化に起因する電気信号検出用の細胞固定化器を備えた細胞外電位測定装置に係るものである。図1は、本実施形態の細胞外電位測定装置の一部分を構成する細胞固定化器19の構成を模式的に示す断面図である。図2は図1のA−A矢視断面図である。ただし、図1は細胞固定化器19に細胞6が固着されている状態を示すが、図2は細胞6を省略して示す。また、図2においては、センサ部16の裏面に形成されているリード線9を点線で示す。
細胞固定化器19は、電極(本明細書でいう「導電体」に該当する)11を備えたセンサ部16(本明細書でいう「一体型電極」に該当する)及び溶液保持部17とからなる。センサ部16は、電極11及びこれに接続するリード線9を備えた基板1からなる。電極11の上面は、誘電体層12で被覆されており、リード線9は外部接続部10を除いてその上面が絶縁層3で被覆されている。リード線9の外部接続部10の上面は、被覆層21で被覆されている。被覆層21は、外部接続部10が曝される周囲の雰囲気に応じて、かかる雰囲気に対して耐性の強い導電性材料を選択するようにする。外部接続部10は、被覆層21で被覆されていることより、その耐久性が向上するが、必ずしも被覆層21により被覆されていなくてもよい。
電極11の上面形状は、好ましくは、円形もしくは正方形であって、例えば、直径もしくは一辺の長さが略1μm〜2000μmの範囲であり得る。電極の大きさが測定対象の細胞より大きい場合、一つの電極で複数の細胞の電気生理的活動に由来する電気信号を検出することができる。
一つの単離細胞の電気生理的活動を測定するためのセンサ部16においては、測定対象の細胞の大きさによるが、例えば測定対象の細胞が長径略15μmの細胞である場合には、直径略5μmの円形の電極11とし得る。この場合、一つの単離細胞を電極11上に容易に固定化することができ、一つの単離細胞の電気生理的変化に起因する電気信号を容易に検出することができるからである。
細胞固定化器19は、センサ部16上に細胞培養のための溶液保持部17を備える。溶液保持部17は、センサ部16上に設置された円筒状の隔壁部材4、隔壁部材4の内部領域、及び当該内部領域に設置された参照電極13からなる。
参照電極13は、測定時に、細胞培養液5に浸漬されていればよく、予め溶液保持部17内に固定されている構成であってもよいし、測定時に培養液5内に投入され固定される構成であってもよい。例えば、図示しないが、参照電極13は、隔壁部材4の内壁に取り付けられている構成であってもよい。
基板1としては、好ましくは、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素などに代表される半導体材料、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)などに代表されるこれら半導体材料の複合材料、ガラス、石英ガラス、アルミナ、サファイア、フォルステライト、炭化ケイ素、酸化ケイ素、および窒化ケイ素からなる群から選択される無機絶縁材料、ポリエチレン、エチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、不飽和ポリエステル、含フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、シリコン樹脂、ポリフェニレンオキサイドおよびポリスルホンからなる群から選択される有機材料により形成された基板を使用する。さらに好ましくは、単結晶シリコン、SOI、PET、またはPCにより形成された基板を使用する。
電極11を形成する電極材料としては、好ましくは、白金、金、パラジウム、ロジウム、銀、およびタングステンからなる群から選択される金属材料、酸化チタン、酸化スズ、酸化マンガン、酸化鉛、およびインジウム錫酸化物(ITO)からなる群から選択される金属酸化物材料が使用される。これらの材料から選択された1種類の材料を使用して電極11を形成してもよいし、複数種類の材料を、例えば層状に堆積させて電極11を形成してもよい。電極11上面は、表面粗さが0.1μm以下となる平坦性が確保されていることが好ましく、さらに導電性高分子、または単分子膜によって被覆することにより、上記平坦性を確保するようにしてもよい。電極11に接続するリード線9を形成するリード線材料にも、上記電極材料と同様の材料を好適に使用することができる。
誘電体層12を形成する誘電体材料としては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリオルニチン(PO)、ポリリジン(PL)等、正荷電性である高分子材料が好適に用いられる。誘電体層12は、電極11のインピーダンスを低下させるとともに、後述する実施例3に示すように、正荷電性高分子で形成されることにより、表面が負に帯電した細胞を、静電相互作用により引き付ける作用も併せ持つ。細胞膜表面には、シアル酸が存在するので、かかるシアル酸が細胞表面の負荷電に寄与する。本実施形態の細胞固定化器では、上記静電相互作用を利用して細胞を電極上面に固定化するので、細胞膜の破壊、細胞膜及び細胞膜中または細胞膜上の機能物質の化学的変性等を招くことがない。従って、生きた状態であって、かつ生体内での状態に近い状態の細胞の電気生理的変化を検出することができる。尚、単離細胞であっても、培養細胞であってもいずれも測定対象の細胞として使用し得る。
また、その他の強塩基性官能基を持つ高分子材料が誘電体材料として好適に用いられる。高分子中の強塩基性官能基は、細胞培養液に晒された状態で、正に帯電するので、表面が負に帯電した細胞との間に静電相互作用が働く。例えば、ビグアニド基、もしくはカルバモイルグアニジド基等の強塩基性官能基を持つ高分子材料が好適に用いられる。このようなポリマーとして、具体的にはアリルビグアニド−co−アリルアミン(PAB)、アリル−N−カルバモイルグアニジノ−co−アリルアミン(PAC)が挙げられる。
誘電体層12は、誘電体材料が所定の濃度で溶解された誘電体溶液を、電極11上に曝し、所定時間経過後、電極11の上面から誘電体溶液を取り除き、上面を洗浄液で少なくとも1回以上洗浄し、乾燥することにより形成することができる。または、上記誘電体溶液を、電極11の上面だけにスポットし、被覆する方法であってもよい。
誘電体層12による電極の被覆は、細胞の大きさに対する電極11表面の平坦性に影響を与えることはない。PEIは分子量が600〜750000で、下記に示す構造式(I)を有する。
Figure 2004166692
上記構造式(I)において、5≦x≦9000、5≦y≦9000である。
例えば、誘電体材料12としてPEIを用いた場合、各官能基の原子間距離から予想される分子の厚みは5nm程度である。PEIは分子構造から導かれるオーダー程度の厚みと粗さを有するのみであると推測される。尚、データは示さないが、PEIにより被覆がされていない基体表面と、PEIにより被覆がされた基体表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を観察しても、両者においてほとんど差異は確認できない。かかる事実からも、PEIを被覆した電極11の表面粗さは、被覆されていな状態の電極11表面の粗さと同程度であることがわかる。すなわち、電極11の表面粗さが0.1μm以下である場合、PEIにより被覆された電極11の表面粗さも略0.1μm以下となる。したがって、PEIによって被覆された電極11表面は、図18に示した白金黒と比較にならない程平坦であり、その表面粗さは細胞の厚みに対して無視できる程度であり、細胞の電極上面への固定には障害とならない。PEIの被覆が、細胞の固定の障害とならないことは、後述の実施例3によっても確認される。
尚、PEIは、上記構造式に示すように、細胞培養液中で正に帯電する強塩基性官能基であるNH2基を持つため、負に帯電した細胞との間に静電相互作用が働く。
誘電体材料の被覆条件等により、電極のインピーダンスは異なるが、誘電体材料で電極を被覆することにより、電極のインピーダンスは低減する。電極のインピーダンスに寄与するインピーダンスの一つとして、電極の溶液との界面の電気二重層容量によるインピーダンスがあるが、かかる電気二重層容量が、印加電圧0V、電解質濃度が0.1Mにおいて、好ましくは25μF/cm2以上、より好ましくは27μF/cm2以上となるように電極の被覆を行う。
リード線9を被覆し絶縁するための絶縁層3の材料としては、ポリイミド(PI)樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂が挙げられる。好ましくは、ネガティブフォトセンシティブポリイミド(NPI)などの感光性樹脂が用いられる。感光性樹脂を用いる場合、まずセンサ部16上面全体に感光性樹脂を塗布し、その後フォトエッチングによるパターン形成を利用して、電極11上及びリード線9の外部接続部10の上に形成された絶縁層3を取り除くことにより、該電極11及び外部接続部10を露出させ、任意の領域に絶縁層3を形成することが可能となる。生産効率の点から、上述の方法により、絶縁層3を形成することが好ましい。
電極11からの電気信号は、参照電極13の電位を基準として測定される。通常、参照電極13は、好ましくは、その表面積が電極11の表面積以上であり、金、白金、銀−塩化銀などの材料からなるものとするが、任意の大きさ及び形状であり得る。
隔壁部材4は、例えばアクリルにより作製し得る。隔壁部材4は、電極11上面を含むセンサ部16の上面を底面とする内部領域に細胞培養液5を保持できる構成であれば良く、その形状は円筒状に限定されることはない。
[細胞固定化器の作製方法]
細胞固定化器19の作製方法の一例を示す。まず、電極材料を基板1上に蒸着した後、フォトレジストを用いてエッチングすることにより、電極11、および対応するリード線9を1セットとしてかかるセットを複数セット有する所望のパターンを形成する。その後、外部接続部10を除くリード線9の上面を絶縁層3で被覆する。そして、電極11上面を誘電体材料で被覆し、誘電体層12を形成する。さらに、リード線9の外部接続部10の上面を被覆層21で被覆する。その後、基板1を所定角の小片に切り出し、一つの小片をセンサ部16とする。一つの小片には、電極11及びリード線9が1セット形成されているようにする。電極11のパターンは、予め前記パターンを形成させたステンシルマスクを通じて蒸着するマスク法や、リフトオフ法によって形成してもよい。このように形成されたセンサ部16の上面に隔壁部材4を接着し、溶液保持部17を形成する。
[細胞固定化器の使用方法]
まず、測定対象である細胞6を電極11の上面に固定化する。センサ部16の最上面のうち隔壁部材4内の領域、少なくとも電極11の上面に誘電体層12を形成する誘電体材料とは異なる固定化材料を塗布する。固定化材料として、細胞6との間に静電相互作用及び/又は分子間力が働く材料を使用する。かかる材料で電極11の上面を被覆することにより、細胞6の電極11への固定化を容易及び/又は強固にすることができる。
電極11上面に被覆された誘電体層12は、細胞を静電相互作用により引きつける作用を有するので、かかる作用により固定化材料を塗布しなくても、電極11の上面に細胞6を固定化できるように構成することができるが、電極11の上面を、さらに固定化材料で被覆することにより、細胞6の固定化をより容易及び/又は強固にすることが可能となる。固定化材料による電極11の上面の被覆は、隔壁部材4を設置する前に行ってもよい。
固定化材料は、細胞の細胞を変性させることがない材料を用いる。したがって、固定化材料と細胞膜との間で、架橋反応が生じることにより、細胞を固定化するような材料は使用しない。生体内での状態に近い状態の細胞の電気生理的変化に由来する電気信号を検出するためである。固定化材料として、例えば、マトリクス材料を用いることができる。マトリクス材料として、細胞接着性のタンパク質が好適に用いられ、かかるタンパク質としてコラーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン等が挙げられる。なお、固定化材料による電極11上面の被覆は、必ずしも行わなくもよい。
次に、溶液保持部17内に細胞培養液5を満たす。細胞培養液5としては、20mM以上400mM以下の塩化ナトリウムを主成分とする生理食塩水溶液、および種々の栄養素、成長因子、抗生物質などを含有する培地、所定の化学物質、化合物、薬剤を溶解させた緩衝溶液などが好適に用いられる。
その後、細胞培養液5内に、所望の細胞6を播種する。細胞6の培養が進行すると同時に、付着性細胞が、センサ部16の最上面に固定化される。
細胞6が、センサ部16の最上面に固定化された状態で細胞の電気生理的変化に起因する電気信号の測定を開始する。電気信号の測定は、一対の電極11、13から検出される電気信号に基づいて、電極11と参照電極13との間の電位差を測定する。細胞は、上述のように、そのイオンチャンネルの活性に対応して、細胞膜のイオン透過性が変化し、かかる変化に伴って細胞膜内外のイオン濃度が変化する。すなわち、細胞膜内外のイオン濃度勾配が変化する。かかるイオン濃度勾配の変化に伴って、電極11と参照電極13との間の電位差が変化する。したがって、前記電位差を測定することにより、細胞の電気生理的変化を間接的に検出することができる。前記電位差は、例えば、後述する細胞外電位測定装置により測定することができる。
[細胞外電位測定装置の構成]
図3は、本実施形態の細胞外電位測定装置の概略図である。細胞外電位測定装置40は、制御部39、これに接続された信号増幅部33、刺激信号付与部34及び溶液駆動部38、撮像部35、並びに載置部36からなる。
載置部36には、細胞固定化器19が載置される。載置部36は、載置された細胞固定化器19を所定の温度、ガス濃度、湿度に保つ機能を備える。制御部39は、信号増幅部33から入力される信号に基づいて、細胞固定化器19の電極11,13間の電位差を検出、記録する。また、制御部39は、設定された刺激条件に基づいて刺激信号付与部34を制御する。刺激信号付与部34は、D/A変換器を備え、当該変換器、及び回線37を介して、細胞固定化器19上の細胞に電気的刺激を印加する。細胞固定化器19からの電気信号は回線32を介して信号増幅装置33に導出され、ここで増幅され、周波数帯域を制限され、A/D変換器を介して制御部39に入力される。
溶液駆動部38は、細胞固定化器19の溶液保持部17内に保持された培養溶5を排出し、あるいは溶液保持部17内に培養液5を注入する機能を有する。必要に応じて制御部39により駆動される。撮像部35を用いて、細胞固定化器19上の電極11を撮像もしくは観察することが可能である。また、刺激信号付与部34は、撮像部35による撮像データに基づいて、出力する刺激信号を選択する構成であってもよい。
細胞外電位測定装置40は、刺激信号付与部34から細胞6に刺激信号付与し、その応答に対応した細胞6の電気生理的変化を検出することもできるし、刺激信号を与えることなく、細胞において自発的に生じる電気生理的変化を検出することもできる。
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態の細胞固定化器19aのセンサ部16aの上面を示す図である。細胞固定化器19aは、6行6列の格子状の各交点に電極11aが配置されている構成である。第1の実施形態の細胞固定化器19は、センサ部16上に一つの電極11のみが形成されている構成であるが、本実施形態の細胞固定化器19aは、センサ部16a上に複数の電極11aとこれに対応するリード線9aが形成されている構成である。
図4は、溶液保持部を省略して示すが、溶液保持部を構成する隔壁部材(第1の実施形態の隔壁部材4と同様の構成)は、一つの電極11a毎に設置する構成、複数の電極11a毎に設置する構成いずれであってもよい。一つの電極11a毎に隔壁部材を設置する構成は、例えば各電極11a上に固定された細胞の薬品応答性を測定する際に有用であり、複数の電極11a毎に隔壁部材を設置する構成は、例えば各電極11a上に固定化した神経細胞間でネットワークを形成させることができ、ネットワークに関する解析を行う際に有用である。
細胞固定化器19aの他の構成及び使用方法等は、第1の実施形態の細胞固定化器19と同様であるので、説明を省略する。
(第3の実施形態)
図5は、本実施形態の細胞固定化器19bの構成を模式的に示す断面図である。図6は図5のB−B矢視図である。ただし、図5は細胞固定化器19に細胞6が固定化されている状態を示すが、図6は細胞6を省略して示す。また、図6においては、センサ部16の下面に形成されているリード線9を点線で示す。
本実施形態の細胞固定化器19bは、第1の実施形態の細胞固定化器19とは、センサ部の構成が異なるのみなので、センサ部以外の構成は同一の符号を付して説明を省略する。
基板1bは貫通孔14bを有する。貫通孔14bの孔壁面141b、および孔開口部周縁142bには、電極11bが形成されている。電極11bは、真空蒸着法あるいはスパッタ法を用いて電極材料を貫通孔14の孔壁面141bおよび開口部周縁142bに付着させることにより形成する。電極11bの表面は誘電体層12bで被覆されている。誘電体層12による電極11bの被覆は、第1の実施形態と同様の方法を採用し得る。誘電体層12bによる電極11bの被覆は、電極11bの0.1M電解質溶液との界面の電気二重層容量が、印加電圧0Vにおいて、好ましくは25μF/cm2以上、より好ましくは27μF/cm2以上となるように行うことは、第1の実施形態と同様である。
センサ部16bの下面には、電極11bに接続するようにリード線9bが形成されている。尚、リード線9bは、センサ部16bの上面に形成されている構成であっても良い。
貫通孔14bは、上面開口部が下面開口部より大きい円錐台形状を有する。貫通孔14bに細胞6の一部が捕捉され、細胞6がセンサ部16b上に密着して保持される。貫通孔14bは、円錐台形状を有することにより、細胞6との広い密着面積を確保することができるが、貫通孔14bの形状は、円錐台形状に限定されることはなく(例えば、第5の実施形態参照)、細胞6の一部を捕捉可能な形状であればよい。貫通孔14bの大きさは、捕捉対象となる細胞6に依存した任意の大きさを採用し得る。例えば、センサ部16b上面での開口部の直径が10μm以上500μm以下の範囲にあり、通常は直径が10μm以上100μm以下の範囲にあり、好適な例示としては生体試料として用いる細胞の長径が略30μmの場合、直径が略20μmである。
貫通孔14bの形成方法は、基板1bの材料によって異なるが、例えば基板1bがPETからなる場合には、エキシマレーザを用いて形成することができる。また、例えば基板1bがSiウェハーである場合には、エッチングにより形成することができる。
さらに、貫通孔14bの下方から細胞6を吸引可能な吸引手段を備える構成とすることができる。このように構成することにより、貫通孔14bにおける細胞6の捕捉をより強固なものとすることができ、浮遊性の細胞であっても貫通孔14bに捕捉することができる。
基板1bを形成する基板材料、電極11bを形成する電極材料、誘電体層12bを形成する誘電体材料、いずれも第1の実施形態に示した材料を使用することができる。細胞固定化器19bの使用方法は、第1の実施形態の細胞固定化器19の使用方法と同じである。
(第4の実施形態)
図7は、第4の実施形態の細胞固定化器19cのセンサ部16cの上面を示す図である。尚、リード線9cは、センサ部16cの下面に形成されているため、上面には現れないが、図7においては、便宜上、リード線9cを上面に示す。細胞固定化器19cは、6行6列の格子状の各交点に電極11cが配置されている構成である。第3の実施形態の細胞固定化器19bは、センサ部16b上に一つの電極11bのみが形成されている構成であるが、本実施形態の細胞固定化器19cは、センサ部16c上に複数の電極11cとこれに対応するリード線9cが形成されている構成である。
図7は、溶液保持部を省略して示すが、溶液保持部を構成する隔壁部材(第3の実施形態の隔壁部材4と同様の構成)は、一つの電極11c毎に設置する構成、複数の電極11c毎に設置する構成いずれであってもよい。一つの電極11c毎に隔壁部材を設置する構成は、例えば各電極11c上に固定された細胞の薬品応答性を測定する際に有用であり、複数電極11c毎に隔壁部材を設置する構成は、例えば各電極11c上に固定化した神経細胞間でネットワークを形成させることができ、ネットワークに関する解析を行う際に有用である。尚、センサ部16cは、その上面にリード線9cが形成されていないので、センサ部16と隔壁部材とは必ずしも別構成である必要はなく、一体で形成することも可能である
細胞固定化器19cの他の構成及び使用方法等は、第3の実施形態の細胞固定化器19bと同様であるので、説明を省略する。
(第5の実施形態)
図8は、本実施形態の細胞固定化器19dの構成を模式的に示す断面図である。細胞固定化器19dは、第1の実施形態の細胞固定化器19とは、センサ部の構成が異なるのみなので、センサ部以外の構成は同一の符号を付して説明を省略する。
基板1dは貫通孔14dを有する。貫通孔14dの孔壁面141d、および孔開口部周縁142dには、電極11dが形成されている。電極11dは、真空蒸着法あるいはスパッタ法を用いて電極材料を貫通孔14dの孔壁面141dおよび開口部周縁142dに付着させることにより形成する。電極11dの表面は誘電体層12dで被覆されている。誘電体層12dによる電極11dの被覆は、第1の実施形態と同様の方法を採用し得る。誘電体層12dによる電極11dの被覆は、電極11dの0.1M電解質溶液との界面の電気二重層容量が、印加電圧0Vで、好ましくは25μF/cm2以上、より好ましくは27μF/cm2以上となるように行うことは、第1の実施形態と同様である。
センサ部16dの下面には、電極11dに接続するようにリード線9dが形成されている。尚、リード線9dは、センサ部16dの上面に形成されている構成であってもよい。
本実施形態の細胞固定化器19dは、第3の実施形態の細胞固定化器19bとはセンサ部に形成された貫通孔の形状が異なるのみである。貫通孔14dは、基板1dの上面より形成された円錐台状の窪み151と、基板1dの下面より形成された円錐台状の窪み152とが一体となって形成されている。貫通孔14dは、このような形成方法により、基板1dの厚みの都合上、連続的な円錐台状の貫通孔の作製が困難であっても容易に形成することができる。
(第6の実施形態)
図9は、本実施形態の細胞固定化器19eの構成を模式的に示す断面図である。図10は、図9のC−C矢視断面図である。ただし、図9は細胞固定化器19eに細胞6が固定化されている状態を示すが、図10は細胞6を省略して示す。また、図10はセンサ部16の下面に形成されているリード線9eを点線で示す。細胞固定化器19eは、第1の実施形態の細胞固定化器19とは、センサ部の構成が異なるのみなので、センサ部以外の構成は同一の符号を付して説明を省略する。
センサ部16eは、図5に示す貫通孔14bと同様の形状の貫通孔14eが一つの電極11eに対して複数形成されている構成を有する。図10に示すように(図9では省略する)、電極11eは誘電体層12eで被覆されている。貫通孔14eは、基板1eにおいて、放射状に25個形成されている。ただし、貫通孔14eの数及び位置関係はこれに限定されない。本実施形態においては、複数の貫通孔14eに保持された細胞6に起因する電気信号が一つの電気信号として一つの電極11eから検出されることになる。本実施形態の細胞固定化器19eは、複数の細胞の応答を同時に検出する薬品スクリーニング等において有用である。
(第7の実施形態)
図11は、第7の実施形態の細胞固定化器19fのセンサ部16fの上面を示す図である。尚、リード線9fは、センサ部16fの下面に形成されているため、上面には現れないが、図11においては、リード線9fを模式的に示す。細胞固定化器19fは、6行6列の格子状の各交点に電極11fが配置されている構成である。第6の実施形態の細胞固定化器19eは、センサ部16e上に一つの電極11eのみが形成されている構成であるが、本実施形態の細胞固定化器19fは、センサ部16f上に複数の電極11fとこれに対応するリード線9fが形成されている構成である。
図11では、溶液保持部を省略して示すが、溶液保持部を構成する隔壁部材は、一つの電極11f毎に設置する構成、複数の電極11f毎に設置する構成いずれであってもよい。一つの電極11f毎に隔壁部材を設置する構成は、例えば各電極11f上に固定された細胞の薬品応答性を測定する際に有用であり、複数電極11f毎に隔壁部材を設置する構成は、例えば各電極11f上に固定化した神経細胞間でネットワークを形成させることができ、ネットワークに関する解析を行う際に有用である。尚、センサ部16fは、その上面にリード線9fが形成されていないので、センサ部16fと隔壁部材とは必ずしも別構成である必要はなく、一体で形成することも可能である
細胞固定化器19fの他の構成及び使用方法等は、第6の実施形態の細胞固定化器19eと同様であるので、説明を省略する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。これらの実施例は、本発明を限定するものではない。
第6の実施形態(貫通孔14eの個数は、図10に示すものとは異なる)の細胞固定化器19e(実施例1)と、実施例1の細胞固定化器19eとは電極11eを誘電体層12eで被覆していない点のみ異なる細胞固定化器(比較例1)とを作製し、電極の特性を調べる実験を行った。
基板1として100mm角、厚さ25μmのPETフィルムを、電極11e及びリード線9eの材料として金を用いた。PETフィルム上に、パルス発振させたエキシマレーザを用いて、貫通孔14eを形成した。貫通孔14eは、各領域に100個ずつ、複数領域に形成した。各領域において、100個の貫通孔14eは放射状となるように形成した。各貫通孔14eは、上面開口部の直径が20μm、下面開口部の直径が5μmの円錐台形状とした。一つの領域は、直径1mmの範囲内に含まれる大きさとした。尚、各領域間は、後の工程における小片の切り出しを容易とするために、隣接する領域間は左右間隔が3mm、上下間隔が10mmとなるようにした。
そして、基板1eの上面の貫通孔14eの開口部より一回り大きい孔が各貫通孔14eに対応するように形成されているステンシルマスクを通じて、電極材料である金を厚さ20nmとなるようにスパッタした。その後、基板1eの下面に、上記と同様の方法で、リード線9eの形状をスパッタした。これにより、基板1e上面の直径1mmの範囲及び貫通孔14e内壁に形成された電極11eは、裏面に形成されたリード線9eに接続された。その後、一つの小片が一つの領域を含むように100mm角のPETフィルムを複数の小片に切り出した。切り出した小片についてフィルム上面に形成された電極11e上面からリード線9eへの導通を確認した。一つの小片を比較例1のセンサ部とした。
実施例1については、さらに以下の処理を施した。pH8.4のホウ酸緩衝液に終濃度0.1重量%となるようにPEIを希釈した誘電体溶液を、センサ部上に16時間曝し、その後誘電体溶液を取り除いた。そして、センサ部表面を滅菌水で十分にリンスした。このようにして、電極11e上面に誘電体層12eを形成したセンサ部を、実施例1のセンサ部とした。
実施例1、比較例1のセンサ部を用いてそれぞれ細胞固定化器を作製し、細胞固定化器を含む回路のインピーダンスを測定した。インピーダンスの測定は、基準電極として白金電極を用い、溶液保持部には0.1Mの塩化ナトリウム水溶液を満たし、実施例1および比較例1のセンサ部上の電極を測定電極として、電気化学測定システムHC3000(北斗電工社製)を用いて、周波数を1Hzから20kHzまで連続的に変化させて正弦波電圧を電極間に印加し、回路のインピーダンスを測定した。バイアス電圧は0Vとし、印加電圧の振幅は50mVとした。図12に測定結果を示す。図12に示されるように、実施例1と比較例1では、インピーダンスに顕著な違いが見られる。周波数が3kHz以下では、実施例1のインピーダンスは、比較例1のインピーダンスより小さく、かかる傾向は印加周波数が低い程顕著であり、周波数が20Hz以下の低周波印加領域では、10分の1以下であった。
本測定におけるインピーダンスは、測定電極と溶液との界面及び基準電極と溶液との界面に形成される容量、溶液抵抗、電極表面抵抗、回路抵抗等さまざまなものの合成インピーダンスである。しかしながら、図12の測定結果からは、実施例1と比較例1とのインピーダンスの違いには、周波数依存性があることがわかる。したがって、両者のインピーダンスの違いは、周波数依存性がある測定電極と溶液との界面に形成される容量によるものであることがわかる。尚、基準電極と溶液との界面に形成される容量によるインピーダンスにも周波数依存性があるが、基準電極の構成に関し、両者に差異はないため、かかるインピーダンスは、図12の測定結果におけるインピーダンスの差異には寄与していないと考えることができる。
したがって、低周波領域における実施例1のインピーダンスと比較例1のインピーダンスとの比較は、測定電極界面での容量のインピーダンスの比較であるといえ、低周波領域において実施例1における測定電極界面での容量のインピーダンスは、比較例1のものと比較して10分の1以下であるといえる。
上記インピーダンスの測定結果から、実施例1及び比較例1の測定電極界面の電気二重層容量を計算したところ、実施例1では165μF/cm2、比較例1では10μF/cm2となった。電気二重層容量は印加電圧や電解質の濃度によって異なるが、上記計算値は印加電圧が0Vであり、電解質濃度が0.1Mにおける値である。
実施例1、比較例1と同様のセンサ部を作製し、それぞれのセンサ部に細胞接着性たん白質であるコラーゲン(Sigma P−4511)を固定化材料として電極表面を含むセンサ部上に所定の方法で1時間被覆した(37℃雰囲気下)。このように作製したセンサ部を実施例2(PEI被覆有り)、比較例2(PEI被覆無し)のセンサ部とした。
それぞれのセンサ部にアクリル製の隔壁部材を接着し、溶液保持領域を形成した後、溶液保持領域内を培養液で満たし、ラット大動脈由来平滑筋細胞VSMCs A−10(ATCC CRL−1476)を2×104細胞/mlの濃度となるように播種し、CO2インキュベータ中で5日間培養した(37℃、5%CO2雰囲気下)。培養液はDMEM+10%FBSを用いた。実施例2、比較例2のセンサ部を用いて測定される電圧(基準電極及び測定電極間の電圧)をそれぞれ図13、図14に示す。横軸は時間、縦軸は電圧(すなわち細胞の活動を表す電位の強さ)を示す。図13で検出される細胞の周期的活動が、図14ではほとんど検出されない。尚、図14においても円で囲んだ箇所で周期的変化が検出されているが、図13と比較した場合、電気信号の変化は小さいものである。
実施例1、比較例1と同様のセンサ部を作製し、実施例3(PEI被覆有り)、比較例3(PEI被覆無し)のセンサ部とした。
それぞれのセンサ部にアクリル製の隔壁部材を接着し、溶液保持領域を形成した後、溶液保持領域内を培養液で満たし、ラット大動脈由来平滑筋細胞A7r5を1×106細胞/mlの濃度となるように播種し、CO2インキュベータ中で培養した(37℃、5%CO2雰囲気下)。培養液はDMEM+10%FBSを用いた。実施例3、比較例3の2日間培養後のセンサ部上面の実体顕微鏡写真をそれぞれ、図15、図16に示す。ラット大動脈由来平滑筋細胞A7r5は、単離時には、溶液の圧力を等方的に受け、球形となる。そして、基板に定着後、前記細胞は、細胞内部の細胞骨格を伸張させ、紡錘形状へと変化する。図15と図16に示す実体顕微鏡写真の比較からわかるように、実施例3では、細胞の定着が進行しているが、比較例3では細胞がほとんど定着していない。すなわち、センサ基板上の電極上面をPEIで被覆するか否かによって、電極上面での細胞の定着性に差が生じることがわかる。
本発明の一体型電極および細胞固定化器は、細胞の電気生理的変化に関する評価を簡便かつ高速に行う装置を構成するために有用である。このような装置は、例えば、薬品スクリーニング、神経細胞間で形成されるネットワークに関する解析を行う際に有用である。
図1は、第1の実施形態の細胞外電位測定装置の構成を模式的に示す断面図である。 図2は、第1の実施形態の細胞外電位測定装置の構成を模式的に示す、図1のA−A矢視断面図である。 図3は、第1の実施形態の細胞外電位測定装置の概略図である。 図4は、第2の実施形態の細胞固定化器のセンサ部の上面図である。 図5は、第3の実施形態の細胞固定化器の構成を模式的に示す断面図である。 図6は、第3の実施形態の細胞固定化器の構成を模式的に示す、図5のB−B矢視断面図である。 図7は、第4の実施形態の細胞固定化器のセンサ部の上面図である。 図8は、第5の実施形態の細胞固定化器の構成を模式的に示す断面図である。 図9は、第6の実施形態の細胞固定化器の構成を模式的に示す断面図である。 図10は、第6の実施形態の細胞固定化器の構成を模式的に示す、図9のC−C矢視断面図である。 図11は、第7の実施形態の細胞固定化器のセンサ部の上面図である。 図12は、印加周波数に対する実施例1、比較例1のインピーダンスの測定結果を示す図である。 図13は、実施例2の測定結果(経過時間に対する電圧)を示す図である。 図14は、比較例2の測定結果(経過時間に対する電圧)を示す図である。 図15は、実施例3の実体顕微鏡写真を示す図である。 図16は、比較例3の実体顕微鏡写真を示す図である。 図17は、パッチクランプ法の原理を模式的に示す断面図である。 図18は、電気分解により堆積された白金黒の表面のSEM写真である。
符号の説明
1,1b,1d 基板
4 隔壁部材
5 培養液
6 細胞
9,9a,9b,9c,9d,9e,9f リード線
11,11a,11b,11c,11d,11e,11f 電極
12,12b,12d,12e 誘電体層
13 参照電極
14b,14c,14d,14e, 貫通孔
16,16a,16b,16c,16d,16e,16f センサ部
17 溶液保持部
19,19a,19b,19c,19d,19e,19f 細胞固定化器
33 信号増幅部
34 刺激信号付与部
35 撮像部
36 載置部
38 溶液駆動部
39 制御部
40 細胞外電位測定装置

Claims (14)

  1. 少なくとも一つの導電体を備えた基板、及び前記導電体からの電気信号を導出する配線部を有し、前記導電体の表面に固定された細胞の電気生理的変化に起因する電気信号を検出し得る一体型電極であって、
    前記導電体は、その表面の少なくとも一部が誘電体材料で被覆され、
    前記誘電体材料は、正荷電性の高分子材料であり、
    前記細胞は、単離細胞及び/又は培養細胞である、一体型電極。
  2. 前記一体型電極は、前記細胞を変性させることなく前記導電体の表面に固定され得るように構成されている、請求項1に記載の一体型電極。
  3. 前記誘電体材料は、ポリエチレンイミン、ポリオルニチン、及びポリリジンからなる群から選択される高分子材料を含む、請求項1に記載の一体型電極。
  4. 前記誘電体材料は、ビグアニド基、もしくはカルバモイルグア二ド基を持つ高分子材料を含む、請求項1に記載の一体型電極。
  5. 前記導電体が、白金、金、パラジウム、ロジウム、銀、タングステン、ITO、及びこれらの組合せからなる群から選択される材料を含む材料からなる請求項1に記載の一体型電極。
  6. 前記誘電体材料で被覆された前記導電体の表面の少なくとも一部が、さらに、固定化材料で被覆され、
    前記固定化材料は、前記細胞との間に静電相互作用及び/又は分子間力が働く材料であり、前記誘電体材料とは異なる材料である、請求項1に記載の一体型電極。
  7. 前記固定化材料が、細胞接着性のタンパク質である請求項6に記載の一体型電極。
  8. 前記導電体は、0.1M電解質溶液との界面の電気二重層容量が、印加電圧0Vにおいて、27μF/cm2以上である請求項1に記載の一体型電極。
  9. 前記導電体が、基板に形成された少なくとも一つの貫通孔の孔内及び/又は前記基板上面における前記貫通孔の孔周囲に形成されている請求項1に記載の一体型電極。
  10. 一つの前記貫通孔に対し、一つの前記導電体が形成されている、請求項9に記載の一体型電極。
  11. 複数の前記貫通孔に対し、一つの前記導電体が形成されている、請求項9に記載の一体型電極。
  12. 請求項1に記載の一体型電極と、前記一体型電極の前記導電体の表面を含む領域で、前記細胞を培養するための溶液保持部とを備える、細胞固定化器。
  13. 前記一体型電極は前記導電体を複数備え、前記溶液保持部が、一つの導電体毎に分離されている、請求項12に記載の細胞固定化器。
  14. 前記一体型電極は前記導電体を複数備え、前記溶液保持部が、複数の導電体毎に分離されている、請求項12に記載の細胞固定化器。
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