JP2004165921A - 無線動画像伝送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビットエラーを含んだインター圧縮フレームが加算されることで発生した受信デコード画像のビットエラーを適時リフレッシュして受信デコード画像の劣化を目立たなくする。
【解決手段】送信機20は、動画像情報をビデオエンコーダ部22で選択的にフレーム内符号化またはフレーム間符号化し、符号化された動画像情報を送信側プロトコル部23で順次パケット化し、各パケットのヘッダ部に送信パケット数およびパケット管理番号を付加して受信機30へ送信する。受信機30は、受信側プロトコル部32でパケット到達率を算出し、閾値を下回った場合には、イントラ圧縮フレーム要求コマンドを送信機20へ送信する。送信機20は、イントラ圧縮フレーム要求コマンドを受け取る度に、動画像情報をフレーム内符号化し、パケット化して受信機30へ送信する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視カメラによる監視画像などをリアルタイム伝送する無線動画像伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、動画像情報をパケットに載せて伝送する伝送装置において、パケットの消失やビットエラーが発生した場合に、消失またはビットエラーが発生したパケットとは異なる他のパケットの画像情報に基づいて、画像デコーダ内で補間または置換処理を行うことにより、画像品質の劣化を目立たなくする技術が知られている。(特許文献1、特許文献2参照)
【0003】
また、動画と音声を伝送する伝送装置において、伝送経路における音声の伝送状態をリアルタイムに測定し、音声の伝送状態が悪化した時、その悪化する状態に合わせて画像の伝送状態(フレームレート)を制御することにより、受信限界近傍でエラーレートが変動しても安定した伝送品質を確保できるようにした技術が知られている。(特許文献3参照)
【0004】
【特許文献1】
特開平08−274785号公報
【特許文献2】
特開2002−142162号公報
【特許文献3】
特開平11−266229号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1および2記載の技術は、画像デコーダ内でデータ消失部分の補間または置換処理を行うものであるため、画像デコーダ内部のソースコードのレベルでエラーコンシールメントを行う必要がある。このため、画像デコーダに使用するDSP(Digital Signal Processor)をアプリケーションプログラムのレベルで簡単に使いこなしたい場合や、高額なソースコードを購入したくない場合には、実現することが困難である。
【0006】
また、特許文献3記載の技術は、音声の伝送状態を測定することにより通信状況の悪化を予測するものであるため、音声通信を行わない場合には適用することが不可能である。また、画像伝送レートが音声伝送レートと比較して十分に高速な場合には、すなわち全パケットデータ中に占める音声データの比率が低い場合には、通信状況悪化の予測精度が低くなる。また、無線伝送路においては、マルチパスフェージングなどバースト的ノイズの発生により、伝送路の状態が急激に変化するため、意図的に画像のフレームレートを制御すると、通信状況の悪化に追従できない場合があり、受信デコード画像の画質がかえって劣化しまうことがある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、動画像情報を載せたパケットが無線伝送路を介して伝送される過程において、伝送状況の悪化によりパケット消失やビットエラーなどの伝送エラーが発生する可能性が高くなった場合に、画像デコーダ内部のソースコードのレベルでエラーコンシールメントを行うことなく、しかも伝送エラーが瞬時的な無線バーストエラーの場合であっても、受信デコード画像の劣化を目立たなくすることができる無線動画像伝送装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の無線動画像伝送装置は、互いに無線通信する第1の通信機と第2の通信機とを備え、前記第1の通信機は、動画像情報を選択的にフレーム内符号化またはフレーム間符号化することが可能な符号化手段と、前記符号化手段により符号化された動画像情報を順次パケット化するパケット化手段と、前記パケット化手段により生成されたパケットを順次前記第2の通信機へ送信する送信手段と、一連のパケットからなるパケット群を送信する際に、当該パケット群を構成する各パケットのヘッダ部に送信パケット数およびパケット管理番号を付加する送信パケット情報付加手段と、前記第2の通信機からフレーム内符号化した動画像情報の送信を要求するイントラ圧縮フレーム要求コマンドを受け取る度に前記符号化手段にフレーム内符号化を行わせる符号化制御手段とを備え、前記第2の通信機は、前記第1の通信機から受信したパケットのヘッダ部に含まれる送信パケット数およびパケット管理番号からパケット到達率を算出するパケット到達率算出手段と、前記パケット到達率を監視しこれが閾値を下回った場合に前記イントラ圧縮フレーム要求コマンドを発行する要求コマンド発生手段と、前記要求コマンド発生手段より発行されたイントラ圧縮フレーム要求コマンドを前記第1の通信機へ送信する送信手段とを備えたものである。
【0009】
上記のように構成したことにより、第1の通信機は、動画像情報を選択的にフレーム内符号化またはフレーム間符号化し、符号化された動画像情報を順次パケット化し、一連のパケット群を構成する各パケットのヘッダ部に送信パケット数およびパケット管理番号を付加して第2の通信機へ送信する。第2の通信機は、第1の通信機から受信したパケットのヘッダ部に含まれる送信パケット数およびパケット管理番号からパケット到達率を算出し、これが閾値を下回った場合には、イントラ圧縮フレーム要求コマンドを第1の通信機へ送信する。第1の通信機は、第2の通信機からイントラ圧縮フレーム要求コマンドを受け取る度に、動画像情報をフレーム内符号化し、これをパケット化して第2の通信機へ送信する。
【0010】
このように、パケット到達率が閾値を下回った場合、すなわちパケット消失やビットエラーが発生する可能性が高くなった場合に、パケットの受信側である第2の通信機から送信側である第1の通信機へイントラ圧縮フレーム要求コマンドを送信し、本来はフレーム間符号化した動画像情報(以下、インター圧縮フレームと記す。)の送信タイミングであっても、フレーム内符号化した動画像情報(以下、イントラ圧縮フレームと記す。)を第2の通信機へ送信させることにより、ビットエラーを含んだインター圧縮フレーム(差分データ)が加算されることで発生した受信デコード画像のビットエラーを適時リフレッシュすることができる。すなわち、インター圧縮フレームは差分データを前フレームに加算することで現フレームを再現(デコード)するものであるため、これがビットエラーを含んでいると、そのビットエラーの影響が長時間残り続けてしまうことになるが、イントラ圧縮フレームを挿入すれば、それまで更新されなかったビットエラーが消去される。
【0011】
本発明の無線動画像伝送装置において、前記要求コマンド発生手段は、前記パケット到達率が閾値を下回り始めてから所定時間経過したら、前記イントラ圧縮フレーム要求コマンドを発行することが望ましい。
【0012】
上記のように、パケット到達率が閾値を下回り始めて所定時間経過してからイントラ圧縮フレーム要求コマンドを発行することにより、イントラ圧縮フレームの送信頻度を減らすことができる。イントラ圧縮フレームの送信頻度を減らし、インター圧縮フレームを多用することで、歪みの少ない高品質な画像伝送を実現できる。すなわち、イントラ圧縮フレームは、インター圧縮フレームと比べて荒く圧縮されているためブロック歪みが目立ち、これを挿入するとその瞬間の画質が低下し、またフレームレートが低下するため、これを多用するとぎこちなさが目立つ動画像になる。これに対し、インター圧縮フレームは、動きのない背景データ等は平均化されブロック歪みが目立たなくなっているため、通常はこれをイントラ圧縮フレームよりも多く使用することで、歪みの少ない滑らかな動画像を再現できる。
【0013】
また、前記要求コマンド発生手段は、前記イントラ圧縮フレーム要求コマンドを所定時間毎に発行し続けることが望ましい。
【0014】
上記のように、イントラ圧縮フレーム要求コマンドを所定時間毎に発行し続けることにより、悪化した通信状況下においても、イントラ圧縮フレーム要求コマンドが第1の通信機に到達する可能性を高くすることができる。
【0015】
また、前記要求コマンド発生手段は、前記パケット到達率が閾値以上に回復した後も所定時間経過するまでは前記イントラ圧縮フレーム要求コマンドを所定時間毎に発行し続けることが望ましい。
【0016】
上記のように、パケット到達率が閾値以上に回復した後も所定時間経過するまではイントラ圧縮フレーム要求コマンドを所定時間毎に発し続けることにより、通信状況が回復後直ぐに悪化した場合でも、イントラ圧縮フレーム要求コマンドを第1の通信機に届けることができる。
【0017】
また、前記第1の通信機は、前記イントラ圧縮フレーム要求を所定時間毎に発する定期イントラ圧縮要求発生手段を備え、前記符号化制御手段は、前記定期イントラ圧縮要求発生手段からイントラ圧縮フレーム要求が発せられる度に前記符号化手段にフレーム内符号化を行わせることが望ましい。
【0018】
上記のように構成すれば、第2の通信機からのイントラ圧縮フレーム要求コマンドの有無すなわち、通信状況の良不良にかかわらず、第1の通信機から第2の通信機へ所定時間毎にイントラ圧縮フレームが送信される。したがって、ビットエラーを含んだインター圧縮フレームが加算されることで発生した受信デコード画像のビットエラーを定期的にリフレッシュすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は本発明にかかる無線動画像伝送装置の実施の形態の一例を示すブロック図である。無線動画像伝送装置10は、互いに無線通信する第1の通信機(以下、送信機と記す。)20と第2の通信機(以下、受信機と記す。)30とを備えて構成される。
【0021】
送信機20は、映像入力部21、ビデオエンコーダ部22、送信側プロトコル部23、無線通信部24および符号化制御部25を備えている。
【0022】
映像入力部21には、図示しない監視カメラ等から映像信号が入力される。入力された映像信号は、ここでYUVデータ(輝度情報と色情報とで表現されたビデオ動画像情報)に変換されてビデオエンコーダ部22へ送られる。
【0023】
ビデオエンコーダ部22は、入力されたYUVデータを、選択的にフレーム内符号化またはフレーム間符号化し、符号化した画像データを送信側プロトコル部23へ送る。符号化方式の切り替えは符号化制御部25からの制御信号に応じてなされる。
【0024】
送信側プロトコル部23は、キャッシュメモリ26を備えており、ビデオエンコーダ部22から受け取った画像データを、一旦キャッシュメモリ26に保存して数バイト毎のデータに分割する。そして、分割した一連のデータを順次パケット化するとともに、一連のデータを載せたパケット群を構成する各パケットのヘッダ部に送信パケット数およびパケット管理番号を付加し、生成したパケットを順次無線通信部24へ送る。
【0025】
無線通信部24は、ベースバンド部を有しており、送信側プロトコル部23から送られてくるパケットを順次受信機30へ無線送信する。また、無線通信部24は、受信機30から適時送られてくるパケットを受信し、送信側プロトコル部23へ渡す。送信側プロトコル部23は、無線通信部24から受け取ったパケットのデータ部に含まれるイントラ圧縮フレーム要求コマンドを符号化制御部25へ渡す。
【0026】
符号化制御部25は、通常はビデオエンコーダ部22に対し、受信機30との通信確立直後に一度だけ、イントラ要求信号すなわちフレーム内符号化を要求する制御信号を出力してイントラ圧縮フレームを送出させるように制御し、それ以降はインター圧縮フレームだけを送出させるように制御する。そして、イントラ圧縮フレーム要求コマンドを受け取る度にイントラ圧縮フレーム要求信号を出力して、ビデオエンコーダ部22による符号化方式をフレーム内符号化に切り替えて、イントラ圧縮フレームを送出させるように制御する。
【0027】
一方、受信機30は、無線通信部31、受信側プロトコル部32、ビデオデコーダ部33、映像出力部34および要求コマンド発生部35を備えている。
【0028】
無線通信部31は、ベースバンド部を有しており、送信機20から送られてきたパケットを受信し、受信側プロトコル部32へ渡す。
【0029】
受信側プロトコル部32は、無線通信部31から受け取ったパケットを一旦キャッシュメモリ36に保存し、パケットのデータ部に含まれる画像データをビデオデコーダ部33に送るとともに、パケットのヘッダ部に含まれる送信パケット数およびパケット管理番号からパケット到達率を算出する。そして、パケット到達率の算出結果を要求コマンド発生部35に渡す。
【0030】
ビデオデコーダ部33は、受信側プロトコル部32から次々と送られてくる画像データをYUVデータにデコード(復号)して、映像出力部34に送る。
【0031】
映像出力部34は、ビデオデコーダ部33から送られてくるYUVデータを、映像モニタ装置や録画装置などの図示しない外部装置に出力する。
【0032】
要求コマンド発生部35は、受信側プロトコル部32により算出されたパケット到達率を監視する。そして、パケット到達率が閾値を下回った場合には、その時からの経過時間を計測し、所定時間経過したら、イントラ圧縮フレーム要求コマンドを発行し、所定時間毎に発し続ける。パケット到達率が閾値以上に回復した後もその時からさらに所定時間経過するまではイントラ圧縮フレーム要求コマンドを所定時間毎に発行し続ける。イントラ圧縮フレーム要求コマンドは、受信側プロトコル部32でパケット化され、無線通信部31から送信機20へ送信される。
【0033】
次に、上記のように構成された無線動画像伝送装置10の動作について説明する(図2のシーケンスを参照)。
【0034】
送信機20は、監視カメラ等から送られてきた映像信号を、映像入力部21にてYUVデータに変換した後、ビデオエンコーダ部22にて選択的にフレーム内符号化またはフレーム間符号化し、送信側プロトコル部23にてパケット化し、各パケットのヘッダ部に送信パケット数およびパケット管理番号を付加して、無線通信部24より受信機30へ送信する。
【0035】
その際、符号化制御部25は、受信機30との通信確立直後に一度だけ、ビデオエンコーダ部22にイントラ要求信号を出力してイントラ圧縮フレームを送出させ、それ以降はインター圧縮フレームだけを送出させる。これにより先頭フレーム送信後は高フレームレートが維持される。図2はインター圧縮フレーム送出開始後のシーケンスを示している。
【0036】
受信機30は、送信機20から送られてきたパケットを無線通信部31にて受信し、受信側プロトコル部32にてパケットから画像データを取り出し、その画像データをビデオデコーダ部33にてYUVデータにデコードし、映像出力部34から映像モニタ装置などの外部装置へ出力する。
【0037】
その際、受信側プロトコル部32は、受け取った各パケットのヘッダ部に含まれる送信パケット数およびパケット管理番号からパケット到達率を算出し、その結果を所定時間(A秒)毎に要求コマンド発生部35に渡す。
【0038】
要求コマンド発生部35は、パケット到達率が閾値(B%)を下回った場合には、その時からの経過時間を計測し、所定時間(C秒)経過したら、イントラ圧縮フレーム要求コマンドを発行し、所定周期(D秒)毎に発し続ける。受信状況が回復し、パケット到達率が閾値(B%)以上に回復した後も、さらに所定時間(E秒)経過するまではイントラ圧縮フレーム要求コマンドを所定周期(D秒)毎に発行し続ける。パケット到達率回復後の所定時間(E秒)は、無線伝送路の揺らぎや受信デコード画像のビットエラー発生頻度を考慮して設定される。
【0039】
図3はパケット到達率に対するイントラ圧縮フレーム要求コマンドの発行タイミングを例示したものであり、図中のパラメータA〜Eは文中の括弧内の符号A〜Eに対応している。
【0040】
上記のようにして発行されたイントラ圧縮フレーム要求コマンドは、受信側プロトコル部32でパケット化され、無線通信部31から送信機20へ送信される。
【0041】
送信機20では、イントラ圧縮フレーム要求コマンドを受信する度に、符号化制御部25がビデオエンコーダ部22に対し、イントラ圧縮フレーム要求信号を出力する。ビデオエンコーダ部22は、イントラ圧縮フレーム要求信号を受け取る度に、符号化方式をフレーム内符号化に切り替える。これにより、イントラ圧縮フレームが送信側プロトコル部23、無線通信部24を経て受信機30へ送信される。
【0042】
上記のように、受信機30側でパケット到達率を監視し、パケット到達率が閾値(B%)を下回った場合、受信機30から送信機20へイントラ圧縮フレーム要求コマンドを出し、本来はインター圧縮フレームの送信タイミングであっても、イントラ圧縮フレームを受信機30へ送信させるようにしたことにより、ビットエラーを含んだインター圧縮フレームが加算されることで発生した受信デコード画像のビットエラーを適時リフレッシュすることができる。
【0043】
また、パケット到達率が閾値(B%)を下回り始めて所定時間(C秒)経過して始めて、受信機30から送信機20へイントラ圧縮フレーム要求コマンドが送信されるので、イントラ圧縮フレームの使用頻度を抑えて歪みの少ない高品質な画像伝送を実現できる。
【0044】
また、所定時間(C秒)経過後は、受信機30がイントラ圧縮フレーム要求コマンドを所定時間(D秒)毎に送信し続けるようにしたので、悪化した通信状況下においても、イントラ圧縮フレーム要求コマンドが送信機20に到達する可能性を高くすることができる。
【0045】
また、パケット到達率が閾値以上に回復した後も所定時間(E秒)経過するまではイントラ圧縮フレーム要求コマンドを所定時間(D秒)毎に送信し続けるようにしたので、通信状況が回復後直ぐに悪化した場合でも、イントラ圧縮フレーム要求コマンドを高い確実性を持って送信機20に届けることができる。
【0046】
図3に示すタイミング図中のパラメータA〜Eの値の設定例を表1に示す。
【表1】
Figure 2004165921
【0047】
この例では、パケット到達率の閾置が50%でイントラ圧縮フレーム要求コマンドを250ms秒毎に送出するため、仮に到達率が50%とし、その場合の平均画像フレーム数を8フレーム/s(イントラ圧縮フレームを含み、平均で125msに1フレームを送信機20から受信機30へ伝送)とすると、イントラ圧縮フレーム要求コマンドは2回中1回は送信機20に到達することになる。送信機20のビデオエンコーダ22は、平均500ms毎にイントラ圧縮フレームを送出することになる。このため、受信機30から出力される受信デコード画像にビットエラーが発生してから、平均500ms後に画像のリフレッシュがなされることになる。(図4参照)
【0048】
図5は本発明にかかる無線動画像伝送装置の別の実施の形態を示すブロック図である。図1に示した装置構成と異なる点は、符号化制御部25がイントラ圧縮フレーム要求信号を所定時間(F秒)毎に発する定期イントラ圧縮要求発生27を備えている点のみである。
【0049】
この構成の場合、符号化制御部25は、受信機30からのイントラ圧縮フレーム要求コマンドの有無すなわち、通信状況の良不良にかかわらず、ビデオエンコーダ部22に対し、所定時間(F秒)毎にイントラ圧縮フレーム要求信号を出力する。ビデオエンコーダ部22は、イントラ圧縮フレーム要求信号を受け取る度に、符号化方式をフレーム内符号化に切り替える。これにより、通信状況の良不良にかかわらず、イントラ圧縮フレームが所定時間(F秒)毎に受信機30へ送信される。
【0050】
上記のように構成すれば、受信機30側でパケット到達率に基づいて通信状況の悪化を検出することが困難な場合や、受信機30から送信されたイントラ圧縮フレーム要求コマンドが送信機10に到達し難い状況が発生した場合でも、ビットエラーを含んだインター圧縮フレームが加算されることで発生した受信デコード画像のビットエラーを定期的にリフレッシュすることができる。
【0051】
この場合の所定時間(F秒)は、フレームレートおよび画質を極端に低下させない時間であり、且つビットエラーが発生してから消えるまでに運用上問題のない時間に設定される。具体的には、2秒〜5秒の範囲から主観的に選ばれる。
【0052】
なお、上記の例では、パケット到達率が閾値(B%)を下回り始めて所定時間(C秒)経過してから、受信機30から送信機20へイントラ圧縮フレーム要求コマンドが送信されるようにしたが、パケット到達率が閾値(B%)を下回ったら直ちにイントラ圧縮フレーム要求コマンドを送信するようにしてもよい。
【0053】
また、図5の例では、符号化制御部25が定期イントラ圧縮要求発生部27を備えているが、定期イントラ圧縮要求発生部27を符号化制御部25から独立させた構成としてもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、パケット消失やビットエラーが発生する可能性が高くなった場合に、画像デコーダ内部のソースコードのレベルでエラーコンシールメントを行うことなく、しかも伝送エラーが瞬時的な無線バーストエラーの場合であっても、ビットエラーを含んだインター圧縮フレームが加算されることで発生した受信デコード画像のビットエラーを適時リフレッシュして、受信デコード画像の劣化を目立たなくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる無線動画像伝送装置の実施の形態の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す無線動画像伝送装置の無線動画伝送手順を概念的に示すシーケンス図である。
【図3】図3はパケット到達率に対するイントラ圧縮フレーム要求コマンドの発行タイミングを例示したタイミング図である。
【図4】ビットエラーが発生した画像をイントラ圧縮フレームで適時リフレッシュする動作の説明図である。
【図5】本発明にかかる無線動画像伝送装置の別の実施の形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
10:無線動画像伝送装置
20:第1の通信機(送信機)
21:映像入力部
22:ビデオエンコーダ部
23:送信側プロトコル部
24:無線通信部
25:符号化制御部
27:定期イントラ圧縮要求発生部
30:第2の通信機(受信機)
31:無線通信部
32:受信側プロトコル部
33:ビデオデコーダ部
34:映像出力部
35:要求コマンド発生部

Claims (5)

  1. 互いに無線通信する第1の通信機と第2の通信機とを備え、
    前記第1の通信機は、
    動画像情報を選択的にフレーム内符号化またはフレーム間符号化することが可能な符号化手段と、
    前記符号化手段により符号化された動画像情報を順次パケット化するパケット化手段と、
    前記パケット化手段により生成されたパケットを順次前記第2の通信機へ送信する送信手段と、
    一連のパケットからなるパケット群を送信する際に、当該パケット群を構成する各パケットのヘッダ部に送信パケット数およびパケット管理番号を付加する送信パケット情報付加手段と、
    前記第2の通信機からフレーム内符号化した動画像情報の送信を要求するイントラ圧縮フレーム要求コマンドを受け取る度に前記符号化手段にフレーム内符号化を行わせる符号化制御手段とを備え、
    前記第2の通信機は、
    前記第1の通信機から受信したパケットのヘッダ部に含まれる送信パケット数およびパケット管理番号からパケット到達率を算出するパケット到達率算出手段と、
    前記パケット到達率が閾値を下回った場合に前記イントラ圧縮フレーム要求コマンドを発行する要求コマンド発生手段と、
    前記要求コマンド発生手段より発行されたイントラ圧縮フレーム要求コマンドを前記第1の通信機へ送信する送信手段とを備えていることを特徴とする無線動画像伝送装置。
  2. 前記要求コマンド発生手段は、前記パケット到達率が閾値を下回り始めてから所定時間経過したら、前記イントラ圧縮フレーム要求コマンドを発行することを特徴とする請求項1記載の無線動画像伝送装置。
  3. 前記要求コマンド発生手段は、
    前記イントラ圧縮フレーム要求コマンドを所定時間毎に発行し続けることを特徴とする請求項1または2記載の無線動画像伝送装置。
  4. 前記要求コマンド発生手段は、
    前記パケット到達率が閾値以上に回復した後も所定時間経過するまでは前記イントラ圧縮フレーム要求コマンドを所定時間毎に発行し続けることを特徴とする請求項3記載の無線動画像伝送装置。
  5. 前記第1の通信機は、
    前記イントラ圧縮フレーム要求を所定時間毎に発する定期イントラ圧縮要求発生手段を備え、
    前記符号化制御手段は、前記定期イントラ圧縮要求発生手段からイントラ圧縮フレーム要求が発行される度に前記符号化手段にフレーム内符号化を行わせることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の無線動画像伝送装置。
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