JP2004165017A - Organic el element and its manufacturing method - Google Patents

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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an organic EL element having high extraction efficiency of emitted light, and having an upper electrode having a small resistance value. <P>SOLUTION: This organic EL element has a reflecting electrode 2, an organic EL layer and an upper transparent electrode 4 on a substrate 1. The transparent layer 4 is formed in a region for transmitting light emitted from the organic EL layer 3, and a reflecting layer 5 is additionally formed around the region. By forming the reflecting layer 5 with a material having low resistivity, the resistance value of the upper electrode 4 is lowered, so that luminance per unit current density can be increased. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL発光素子の構造およびその製法に関する。より詳細には、トップエミッション方式の有機EL発光素子における、上部電極の構造およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1987年にイーストマンコダック社のC. W. Tangらにより2層積層構成の高効率有機EL発光素子が発表されて以来(非特許文献1参照)、現在に至るまでにさまざまな有機EL発光素子が開発され、その一部は実用化され始めている。こうした中で、有機EL発光素子の発光効率を向上させることは、実用上きわめて重要な課題の1つである。
【0003】
一方、近年、有機EL発光ディスプレイにおいて、アクティブマトリクス駆動方式のディスプレイの開発が盛んに行われている。アクティブマトリクス駆動方式を用いる場合、スイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)を設けた基板の上に複数の有機EL発光素子を形成し、該素子をディスプレイの光源として使用する。現状におけるアクティブマトリクス駆動方式ディスプレイの問題点の1つは、個々のTFTおよび有機EL発光素子の特性のバラツキが大きく、そのバラツキ補正のために複雑な駆動回路が必要になることである。しかし、そのような複雑化した駆動回路を設けることは、1画素を駆動するのに必要なTFT数を増加させてしまう。
【0004】
一般的な有機EL発光素子では、ガラス基板上に透明電極を設けて、その上に有機EL発光層を設けて、さらに外部に取り出す光の量を大きくするために裏面に反射膜と電極の機能を併せ持つ上部電極をアルミや銀を用いて形成して、光をガラス面から取り出す、いわゆるボトムエミッション方式を採るのが一般的である。しかし、前述のように1画素を駆動するためのTFTの数が増加すると、光を透過させないTFTの面積が増大してしまい、光を取り出すための面積が減少してしまう。このような状況においては、上部電極を透明電極として光を上部電極から取り出すトップエミッション方式の方が有利であり、開発が進められてきている(特許文献1〜3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特許第2689917号明細書
【0006】
【特許文献2】
特許第3203227号明細書
【0007】
【特許文献3】
特開2001−176660号公報
【0008】
【非特許文献1】
C. W. Tang, S. A. VanSlyke, Appl. Phys. Lett., 51, 913 (1987)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
トップエミッション方式の有機EL発光素子における問題点の1つに、発光した光の一部が上部透明電極内を横方向に伝播することによる発光の取り出し効率の低下がある。すなわち、有機EL発光層における発光は方向特異性がなく、あらゆる方向に発せられる。このとき、上部透明電極の屈折率のために、ある角度をもって上部透明電極に入射した光は、上部透明電極と他の材料との界面において全反射を起こす。その結果として光が横方向に伝播し、一部の発光が外部へ取り出すことができなくなる。
【0010】
別の問題点は、上部透明電極の抵抗値が、透明導電性酸化物などで構成されるために、ボトムエミッション方式の上部電極に用いられるアルミニウムと比較して高いことである。アクティブマトリクス駆動方式ディスプレイにおいては、TFTと接続されない上部電極は共通電極であり、素子の発光に用いられる全ての電流が上部電極に集中する。したがって、上部電極における電圧降下および発熱を抑制し、有機EL発光層の発光効率を向上させるために、上部透明電極の抵抗値をできる限り小さくすることが求められている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の2つの問題点を解決するために、本発明の有機EL発光素子は、基板上に反射性電極と、有機EL発光層と、上部透明電極とを有し、前記上部透明電極が前記有機EL発光層からの発光を透過させる領域に設けられ、前記領域の周囲に反射層をさらに具えたことを特徴とする。該反射層は、上部透明電極よりも厚いことが好ましい。該反射層により、上部透明電極内を横方向に伝播した光を反射して外部へと取り出すことが可能となる。また、該反射層は前記上部透明電極を形成する材料よりも低い抵抗率を有する材料で形成されるので、上部電極の低抵抗化が可能となる。
【0012】
本発明の別の実施形態は、有機EL発光素子の製造方法であり、反射性電極および有機EL発光層を形成された基板に、金属マスクを用いて前記有機EL発光層の所定の領域の上に反射層を積層する工程と、前記反射層よりも薄い上部透明電極を積層する工程とを具え、前記上部透明電極が前記有機EL発光層からの発光を透過させる領域に設けられ、前記反射層が前記領域の周囲に形成されることを特徴とする。
【0013】
本発明の別の実施形態は、有機EL発光素子の製造方法であり、反射性電極および有機EL発光層を形成された基板に、透明導電性酸化物層を積層する工程と、該透明導電性化合物層の上に反射層を均一に堆積させる工程と、該反射層の上にパターニングされたレジストを設け、該透明導電性化合物層をエッチストップ層として用いて該反射層のエッチングを行う工程と、前記反射層よりも薄い上部透明電極を積層させる工程とを具え、前記上部透明電極が前記有機EL発光層からの発光を透過させる領域に設けられ、前記反射層が前記領域の周囲に形成されることを特徴とする。ここで、透明導電性化合物層は、上部透明電極と同一の材料を用いて形成してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の有機EL発光素子を詳細に説明する。本発明の有機EL発光素子を、図1に示す。図1(a)に示される有機EL発光素子は、基板1と、反射性電極2と、有機EL発光層3と、上部透明電極4と、反射層5とを含む。図1(b)は、本発明の有機EL発光素子の作用効果を説明するための図である。
【0015】
基板1は、ガラス基板上にアクティブマトリクス駆動用の1つまたは複数のTFTが既に形成されているTFT基板である。図1は、1つの発光部(画素)を有する有機EL発光素子を示し、基板1には1つの発光部(画素)を駆動するのに必要な数のTFTが形成されている。
【0016】
本発明の反射性電極2は、導電性を有する金属(Al、Ag、Mo、Wなど)、合金、酸化物から形成することができ、基板1上のTFTと電気的に接続されている。用いることができる合金は、遷移金属−リン合金、遷移金属−ボロン合金、および遷移金属−ランタノイド合金を含む。なお、本明細書において遷移金属とは、ランタノイドおよびアクチニウム系列を除く周期表第3族〜第12族の元素を意味する(例えば、周期表の第4周期でいえば、Sc〜Znの元素である)。また、本明細書において、ランタノイドとは、原子番号57(La)〜71(Lu)までの元素を意味する。遷移金属として1つの元素を用いることもできるし、あるいは2つ以上の元素を用いることもできる。本発明において好ましい遷移金属は、Ni、Cr、Pt、Ir、Rh、Pd、Ruを含み、特に好ましいものはNiおよびCrである。遷移金属−リン合金を用いる場合、該合金は、10〜50原子%、好ましくは12〜30原子%のリンを含有することができる。遷移金属−ボロン合金を用いる場合、該合金は、10〜50原子%、好ましくは12〜30原子%のボロンを含有することができる。遷移金属−ランタノイド合金を用いる場合、該合金は、10〜50原子%、好ましくは25〜50原子%のランタノイドを含有することができる。
【0017】
有機EL発光層3へのキャリア注入効率を高めるための層を、反射性電極2上に設けてもよい。例えば、反射性電極2を陽極として用いる場合、仕事関数が大きい材料の層を設けてホール注入効率を向上させることができる。仕事関数が大きい材料としては、ITO、IZOなどのような導電性金属酸化物を用いることができる。逆に、反射膜2を陰極として用いる場合には、仕事関数が小さい材料の層を設けて電子注入効率を向上させることができる。仕事関数が小さい材料としては、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属、またはこれらのフッ化物等からなる電子注入性の金属、その他の金属との合金や化合物を用いることができる。これらのキャリア注入効率を高めるための層の厚さは、10nm以下で充分である。
【0018】
本発明の反射性電極2は、20nm以上、好ましくは70〜150nmの厚さを有する。このような厚さを有することにより、良好な反射性と、TFTへの遮光性とを実現することができる。
【0019】
以上のように形成された反射性電極2上に、有機EL発光層3が形成される。本発明の有機EL発光素子においては、有機EL発光層3は、少なくとも有機発光層を含み、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および/または電子注入層を介在させた構造を有する。具体的には、たとえば下記のような層構成からなるものが採用される。
【0020】
(1)有機発光層
(2)正孔注入層/有機発光層
(3)有機発光層/電子注入層
(4)正孔注入層/有機発光層/電子注入層
(5)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層
(5)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層
(ここで、陽極は有機発光層または正孔注入層に接続され、陰極は有機発光層または電子注入層に接続される)。
【0021】
上記各層の材料としては、公知のものが使用される。青色から青緑色の発光を得るためには、有機発光層中に、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、べンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などが好ましく使用される。また、電子注入層としては、キノリン誘導体(たとえば、8−キノリノールを配位子とする有機金属錯体)、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体などを用いることができる。あるいはまた、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属、またはこれらのフッ化物等からなる電子注入性の金属、その他の金属との合金や化合物のような仕事関数が小さい無機材料を、電子注入層に隣接して積層して電子注入効率のさらなる向上を図ることができる。無機材料を用いる場合、電子注入効率を向上させるためには、10nm以下の厚さの無機材料の層があれば充分であり、かつ必要とされる透明性を維持する観点からも好ましい。
【0022】
次に、有機EL発光層3の上の、発光領域22の周囲に反射層5が積層される。本明細書において、「発光領域」とは、有機EL発光層3からの光を透過させて、外部に放射する領域を意味し、特にディスプレイを形成する場合には、いわゆるピクセルないしサブピクセルに相当する。反射層5は、薄い透明導電性酸化物(ITO、IZO等)の層4’を介して、有機EL発光層3の上に積層されてもよい。反射層5は、近紫外域〜可視域の光、特に有機EL発光層が発光する光に対して70%以上の反射率を有する。さらに、反射層5は、低い電気抵抗性を有することが必要であり、金属または他の低抵抗性材料を用いて形成される。前述の反射性電極2を形成するための材料を用いて反射層を形成してもよい。反射層5を形成する材料は、4×10−4Ω・cm以下の抵抗率を有することが望ましい。反射層5は上部透明電極4よりも厚いことが好ましく、その厚さは300〜1000nmの範囲内である。
【0023】
反射層5の発光領域に隣接する側壁は、有機EL発光層3の表面に対して垂直であってもよいが、より好ましくは図1(a)に示すようなテーパ形状を有する。すなわち、テーパ角21は、90゜以下であり、好ましくは45〜90゜である。このようなテーパ形状を有することにより、有機EL発光素子の発光効率をより向上させることが可能となる(後述)。
【0024】
最後に、上部透明電極4が形成される。上部透明電極4の発光領域に位置する部分は、反射層5によってその周囲を完全または実質的に取り囲まれるように形成される。本明細書において「実質的に取り囲まれる」とは、その周縁の相対的に小さい部分を除いて、上部透明電極4が反射層5に取り囲まれていることを意味する。なお、反射層5の上に、上部透明電極4の材料が形成されていてもよい。反射性電極2を陽極として用いる場合には上部透明電極4は陰極であり、逆に反射性電極2を陰極として用いる場合には上部透明電極4は陽極である。本発明の素子においては、上部透明電極4を通して光を取り出すので、上部透明電極4が透明であることが必要である。したがって、本発明の上部透明電極4としては、ITO、IZO等の透明導電性酸化物が好ましい。上部透明電極4は、反射層5より薄く、かつ所望される抵抗率を与えるような厚さを有する。上部透明電極4の厚さは、30nm以上、より好ましくは100〜300nmの範囲内である。
【0025】
図1(b)を参照して、本発明の有機EL発光素子の作用効果を説明する。有機EL発光層3における発光は無方向性であるので、種々の方向への発光が起こる。例えば、光線11bはそのままでは外部に放射されない方向への発光であるが、反射層5によって反射されて、発光領域から外部に放射されるようにされる。また、臨界角(上部透明電極4および該電極が接している材料の屈折率により規定される)以上の角度をもって上部透明電極4に入射して上部透明電極4内を横方向に伝播する光線11cも、同様に反射層5によって反射されて、発光領域から外部に発せられるようにされる。ここで、反射層5によって反射された光線11bおよび11cは、発光時よりも垂直に近い角度をもって外部に放射されることに注意されたい。この効果は反射層5のテーパ形状によりもたらされ、さらに上部透明電極4の上に追加の層を設けた場合においても、追加の層内にて光が横方向に伝播する可能性を低くする効果も奏するものである。以上のように、直接的に外部へと放射される光線11aに加えて、光線11bおよび11cも発光領域から外部に放射されるようになるために、有機EL発光層3を通過する単位電流密度当たりの有機EL発光素子の輝度(すなわち発光効率)を向上させることが可能となる。
【0026】
また、反射層5は導電性を有し、かつ上部透明電極4に電気的に接続されているので、上部透明電極4と反射層5とが一体となって「上部電極」として機能する。ここで、反射層5を形成する材料は上部透明電極4を形成する透明導電性酸化物よりも低い抵抗率を有するので、図1の構成とすることにより「上部電極」全体としての抵抗値を低下させることが可能となる。
【0027】
次に、本発明の有機EL発光素子を製造するための方法について説明する。TFTを形成された基板1、反射性電極2および有機EL発光層3は、当該技術において知られている方法により製造することが可能である。例えば、基板上のTFTは、慣用の半導体製造技術により作製することができる。本発明の反射性電極2は、蒸着、スパッタ等の方法を用いて基板1上に形成することができる。また、有機EL発光層3も、蒸着などの方法を用いて反射性電極2の上に積層することができる。
【0028】
本発明の製造方法の第1の態様を、図2および図3を参照して説明する。反射性電極2および有機EL発光層3が積層された基板1に対して、マスク6を位置を合わせて密着させ、そして蒸着、スパッタまたはイオンプレーティングなどによって反射層5を積層させる(図3(a))。この際に用いられるマスク6の1つの例を図2に示した。マスク6は、成膜条件に耐える材料により形成することができるが、好ましくはメタルマスクを用いる。図2に示したマスク6は、マスク6の一体性を保つために必要な部分を除く発光領域の周囲に開口部を有するものである。反射層3の発光領域に隣接する側壁のテーパ形状(テーパ角21)は、メタルマスクと基板との距離を変更することにより、あるいは基板を斜めに配置することにより制御することができる。
【0029】
次に、マスク6を除去した後に、スパッタ(対向式およびECR)またはイオンプレーティングなどの方法を用いて、透明導電性酸化物(ITOまたはIZO)を堆積させ、上部透明電極4を形成する(図3(b))。
【0030】
得られた有機EL発光素子(図3(c))は、前述のように発光の取り出し効率の向上および「上部電極」の抵抗値を減少という効果を奏するものである。
【0031】
本発明の製造方法の第2の態様を、図4を参照して説明する。反射性電極2および有機EL発光層3が積層された基板1に対して、10nm以下の厚さを有する薄い透明導電性酸化物層4’をスパッタなどにより積層させ、そして反射層5を蒸着、スパッタまたはイオンプレーティングなどによって積層させる。透明導電性酸化物層4’は、反射層5のエッチングの際のエッチストップ層として機能し得る最低限の厚さを有するべきであり、好ましくは50nm以下、より好ましくは10〜50nmの厚さを有する。そして、有機EL発光素子の発光領域を確定するようなパターンを有するレジスト7を積層させる(図4(a))。レジスト7は、均一に積層した後にフォトリソグラフ法によりパターニングをしてもよいし、あるいは別の基板上に所望のパターンのレジストを形成し、それを反射層5の上に転写してもよい。
【0032】
次に、レジスト7をマスクとして反射層5をエッチングして、発光領域を画定する(図4(b))。このとき透明導電性酸化物層4’はエッチストップ層として利用する。したがって、エッチャントとしては、反射層5の材料をエッチングするが、透明導電性酸化物層4’をエッチングしないようなものを選択する。エッチングは、反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチングなどのドライエッチングであってもよいし、あるいはウェットエッチングであってもよい。例えば、反射層5がAlであり、透明導電性酸化物層4’がITOである場合、NaOH、KOH等のアルカリ性水溶液を用いてウェットエッチングを行うことができる。この工程において、反射層5の発光領域に隣接する側壁のテーパ形状(テーパ角21)は、エッチャントの種類、エッチング時の温度、エッチング時間、作働圧力(ドライエッチングの場合)などによって制御することができる。
【0033】
そして、レジスト7を除去し、上部透明電極4を積層する(図4(c))。レジスト7の除去は、慣用の方法によって実施することができる。上部透明電極4の形成は、前述の第1の態様と同様に実施することができる。本方法により得られる有機EL発光素子(図4(d))においては、透明導電性酸化物層4’、上部透明電極4および反射層5が一体となって、「上部電極」として機能する。この構造の有機EL発光素子においても、透明導電性酸化物層4’の厚さが反射層5の厚さに比べて充分に薄く、広がっている光をあまり捕捉しないので、発光の取り出し効率の向上および「上部電極」の抵抗値を減少という効果を奏する。
【0034】
【実施例】
(実施例1)
TFTが既に形成されている厚さ0.7mmの50mm角ガラス基板上に、対向式スパッタ装置を用いて厚さ100nmのCrBを堆積させた。スパッタガスとしてArを用い、300Wのスパッタパワーを印加した。次に、フォトリソグラフ法によりパターニングして、寸法100μm×300μmの反射性電極2を得た。
【0035】
次に、反射性電極2を形成した基板をArプラズマ(2.4Pa、100W、1分間)にて処理し、その後真空を破ることなく基板を有機層蒸着用チャンバーに移動させた。そして、圧力1×10−5Pa以下において、反射性電極2の上に、正孔輸送層として厚さ40nmの4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を成膜速度0.5nm/sにて蒸着させ、発光層として厚さ60nmのアルミニウムトリス(8−キノリノラート)(Alq)を、成膜速度0.5nm/sにて蒸着させて有機EL発光層3を得た。さらに、真空を破ることなしに連続して、厚さ1nmのLiFおよび厚さ10nmのAlを蒸着して、電子注入性を向上させた。このとき、Alは、1×10−5Pa以下の圧力において、成膜速度0.3nm/sにて蒸着させた。
【0036】
次に、有機EL発光層3を形成した基板を別の成膜真空チャンバーに移し、有機EL発光層3と1mmの間隔をおいてマスクを配置し、1×10−5Pa以下の圧力および成膜速度0.1nm/sにおいて厚さ200nmのAlを蒸着して、反射層5とした。このとき、得られる反射層5の発光領域に面する側壁が45度のテーパ角を有するように、蒸発源と基板との位置を調整した。
【0037】
最後に、対向式スパッタ装置において、スパッタ粒子のエネルギーが10eV以下になるような条件において、厚さ100nmのIZOを堆積させ上部透明電極4を形成して、有機EL発光素子を得た。
【0038】
(実施例2)
実施例1と同様の方法により、反射性電極2および有機EL発光層3を形成した。次に、対向式スパッタ装置において、スパッタ粒子のエネルギーが10eV以下になるような条件において、厚さ10nmのITOを堆積させ透明導電性酸化物層4’を形成した。そして、蒸着法により厚さ200nmのAlを全面に積層した。
【0039】
次に、レジストをスピンコートにより成膜し、フォトリソグラフ法によりパターニングして、反射性電極2のパターンと位置合わせをした寸法100μm×300μmの開口部を有するパターンを有する厚さ3μmのレジスト7を得た。
【0040】
レジスト7をマスクとして用い、1MのNaOH水溶液を用いてAlをエッチング(60℃、5分間)して、所望の形状の反射層5を得た。得られた反射層5の発光領域に面する側壁は、50度のテーパ角を有した。
【0041】
最後に、対向式スパッタ装置において、スパッタ粒子のエネルギーが10eV以下になるような条件において、厚さ100nmのIZOを堆積させ上部透明電極4を形成して、有機EL発光素子を得た。
【0042】
(実施例3)
反射層5の厚さを500nmに変更したことを除いて実施例1を繰り返して、有機EL発光素子を得た。
【0043】
(比較例1)
反射層5を透明導電性酸化物であるIZOにより形成したことを除いて実施例1を繰り返して、有機EL発光素子を得た。
【0044】
(評価)
各実施例および比較例1の発光素子に対して、0.1A/mの電流密度の電流を印加し、その際の輝度および印加電圧を測定した。その結果を以下の表1に示す。
【0045】
【表1】

Figure 2004165017
【0046】
表1から明らかなように、本発明にしたがう実施例1〜3の有機EL発光素子は、同一の電流密度において、比較例1の2倍以上の輝度を示した。また、同一の電流密度を得るための印加電圧を著しく低下させることができ、反射性電極および有機EL発光層における電圧降下を考慮すると、表1の結果は上部電極の抵抗値が一桁以上低下したことに相当する。さらに、上部電極の抵抗値は、反射層5の厚さを変更することにより調整可能であることが明らかとなった。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、有機EL発光素子の発光領域の周囲に反射層を設けることにより、発光の外部取り出し効率を向上させて、高輝度の有機EL発光素子を得ることができた。同時に、反射層を低抵抗率の材料から形成することにより、上部電極の抵抗値を低下させ、単位電流密度当たりの輝度を増加させることができた。本発明によって得られる有機EL発光素子は、高輝度を必要とする条件下での使用、たとえばアウトドアにおける使用に特に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL発光素子を示す図であり、(a)は概略断面図であり、(b)はその機能を説明するための概略断面図である。
【図2】本発明の有機EL発光素子の製造方法において用いられるマスクの一例を示す概略上面図である。
【図3】本発明の有機EL発光素子の製造方法の第1の態様の工程を示す図である。
【図4】本発明の有機EL発光素子の製造方法の第2の態様の工程を示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 反射性電極
3 有機EL発光層
4 上部透明電極
4’ 透明導電性酸化物層
5 反射層
6 マスク
7 レジスト
11a、11b、11c 光線
21 テーパ角
22 発光領域[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a structure of an organic EL light emitting device and a method for manufacturing the same. More specifically, the present invention relates to a structure of an upper electrode and a method of manufacturing the same in a top emission type organic EL light emitting device.
[0002]
[Prior art]
In 1987, Eastman Kodak C.I. W. Since Tang et al. Announced a high-efficiency organic EL light emitting device having a two-layer structure (see Non-Patent Document 1), various organic EL light emitting devices have been developed to date, and some of them have begun to be put into practical use. I have. Under these circumstances, improving the luminous efficiency of the organic EL light emitting element is one of the extremely important tasks in practical use.
[0003]
On the other hand, in recent years, in an organic EL light emitting display, an active matrix drive type display has been actively developed. When the active matrix driving method is used, a plurality of organic EL elements are formed on a substrate provided with a thin film transistor (TFT) as a switching element, and the elements are used as a light source of a display. One of the problems of the active matrix drive type display at present is that the characteristics of individual TFTs and organic EL light-emitting elements vary greatly, and a complicated drive circuit is required to correct the variations. However, providing such a complicated drive circuit increases the number of TFTs required to drive one pixel.
[0004]
In a general organic EL device, a transparent electrode is provided on a glass substrate, an organic EL light emitting layer is provided thereon, and a reflective film and a function of an electrode are provided on the back surface in order to increase the amount of light taken out. In general, a so-called bottom emission method is adopted in which an upper electrode having both of the above is formed using aluminum or silver and light is extracted from a glass surface. However, as described above, when the number of TFTs for driving one pixel increases, the area of the TFT that does not transmit light increases, and the area for extracting light decreases. In such a situation, a top emission method in which light is extracted from the upper electrode using the upper electrode as a transparent electrode is more advantageous, and development has been advanced (see Patent Documents 1 to 3).
[0005]
[Patent Document 1]
Patent No. 2689917 Specification
[Patent Document 2]
Patent No. 3203227 [0007]
[Patent Document 3]
JP 2001-176660 A
[Non-patent document 1]
C. W. Tang, S.M. A. VanSlyke, Appl. Phys. Lett. , 51, 913 (1987).
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
One of the problems in the top-emission type organic EL light-emitting element is that a part of the emitted light propagates in the upper transparent electrode in the lateral direction, and the emission efficiency of the emitted light decreases. That is, light emission in the organic EL light emitting layer has no direction specificity and is emitted in all directions. At this time, due to the refractive index of the upper transparent electrode, light incident on the upper transparent electrode at a certain angle causes total reflection at an interface between the upper transparent electrode and another material. As a result, light propagates in the horizontal direction, and some light emission cannot be extracted to the outside.
[0010]
Another problem is that the resistance value of the upper transparent electrode is higher than aluminum used for the bottom emission type upper electrode because the upper transparent electrode is made of a transparent conductive oxide or the like. In an active matrix drive type display, the upper electrode not connected to the TFT is a common electrode, and all current used for light emission of the element is concentrated on the upper electrode. Therefore, in order to suppress the voltage drop and the heat generation in the upper electrode and improve the luminous efficiency of the organic EL light emitting layer, it is required to reduce the resistance value of the upper transparent electrode as much as possible.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above two problems, the organic EL light emitting device of the present invention has a reflective electrode, an organic EL light emitting layer, and an upper transparent electrode on a substrate, and the upper transparent electrode is formed of the organic EL light emitting device. The light-emitting device is provided in a region through which light emitted from the EL light-emitting layer is transmitted, and a reflective layer is further provided around the region. The reflective layer is preferably thicker than the upper transparent electrode. The reflection layer allows light that has propagated in the upper transparent electrode in the lateral direction to be reflected and extracted to the outside. Further, since the reflection layer is formed of a material having a lower resistivity than the material forming the upper transparent electrode, the resistance of the upper electrode can be reduced.
[0012]
Another embodiment of the present invention is a method for manufacturing an organic EL light emitting element, in which a reflective electrode and a substrate on which an organic EL light emitting layer is formed are formed on a predetermined area of the organic EL light emitting layer by using a metal mask. And a step of laminating an upper transparent electrode thinner than the reflective layer, wherein the upper transparent electrode is provided in a region through which light emitted from the organic EL light emitting layer is transmitted, and wherein the reflective layer Are formed around the region.
[0013]
Another embodiment of the present invention is a method for manufacturing an organic EL light emitting device, comprising: laminating a transparent conductive oxide layer on a substrate on which a reflective electrode and an organic EL light emitting layer are formed; A step of uniformly depositing a reflective layer on the compound layer, a step of providing a patterned resist on the reflective layer, and etching the reflective layer using the transparent conductive compound layer as an etch stop layer; Laminating an upper transparent electrode thinner than the reflective layer, wherein the upper transparent electrode is provided in a region through which light emitted from the organic EL light emitting layer is transmitted, and the reflective layer is formed around the region. It is characterized by that. Here, the transparent conductive compound layer may be formed using the same material as the upper transparent electrode.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the organic EL device of the present invention will be described in detail. FIG. 1 shows the organic EL device of the present invention. The organic EL light emitting device shown in FIG. 1A includes a substrate 1, a reflective electrode 2, an organic EL light emitting layer 3, an upper transparent electrode 4, and a reflective layer 5. FIG. 1B is a diagram for explaining the operation and effect of the organic EL light emitting device of the present invention.
[0015]
The substrate 1 is a TFT substrate on which one or more TFTs for driving an active matrix are already formed on a glass substrate. FIG. 1 shows an organic EL light emitting element having one light emitting portion (pixel), and a substrate 1 is formed with a necessary number of TFTs for driving one light emitting portion (pixel).
[0016]
The reflective electrode 2 of the present invention can be formed from a conductive metal (such as Al, Ag, Mo, or W), an alloy, or an oxide, and is electrically connected to the TFT on the substrate 1. Alloys that can be used include transition metal-phosphorus alloys, transition metal-boron alloys, and transition metal-lanthanoid alloys. Note that in this specification, a transition metal means an element belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table excluding lanthanoid and actinium series (for example, in the fourth period of the periodic table, an element of Sc to Zn is used. is there). In this specification, a lanthanoid means an element having an atomic number of 57 (La) to 71 (Lu). One element can be used as the transition metal, or two or more elements can be used. Preferred transition metals in the present invention include Ni, Cr, Pt, Ir, Rh, Pd, and Ru, and particularly preferred are Ni and Cr. If a transition metal-phosphorus alloy is used, the alloy can contain 10 to 50 atomic%, preferably 12 to 30 atomic%, of phosphorus. If a transition metal-boron alloy is used, the alloy may contain from 10 to 50 atomic%, preferably 12 to 30 atomic%, of boron. If a transition metal-lanthanoid alloy is used, the alloy can contain 10 to 50 atomic%, preferably 25 to 50 atomic%, of the lanthanoid.
[0017]
A layer for improving the efficiency of carrier injection into the organic EL light emitting layer 3 may be provided on the reflective electrode 2. For example, when the reflective electrode 2 is used as an anode, a layer of a material having a large work function can be provided to improve hole injection efficiency. As a material having a large work function, a conductive metal oxide such as ITO or IZO can be used. Conversely, when the reflective film 2 is used as a cathode, a layer of a material having a small work function can be provided to improve electron injection efficiency. Materials having a low work function include alkali metals such as lithium and sodium, alkaline earth metals such as potassium, calcium, magnesium, and strontium, and electron-injecting metals such as fluorides thereof and alloys with other metals. And compounds can be used. A layer thickness of 10 nm or less is sufficient for increasing the carrier injection efficiency.
[0018]
The reflective electrode 2 of the present invention has a thickness of 20 nm or more, preferably 70 to 150 nm. By having such a thickness, good reflectivity and light-shielding property to the TFT can be realized.
[0019]
The organic EL light emitting layer 3 is formed on the reflective electrode 2 formed as described above. In the organic EL light emitting device of the present invention, the organic EL light emitting layer 3 includes at least an organic light emitting layer, and optionally includes a hole injection layer, a hole transport layer, an electron transport layer and / or an electron injection layer. It has the structure made to be. Specifically, for example, a layer having the following layer configuration is employed.
[0020]
(1) organic light emitting layer (2) hole injection layer / organic light emitting layer (3) organic light emitting layer / electron injection layer (4) hole injection layer / organic light emitting layer / electron injection layer (5) hole injection layer / Hole transport layer / organic light emitting layer / electron injection layer (5) hole injection layer / hole transport layer / organic light emitting layer / electron transport layer / electron injection layer (where the anode is an organic light emitting layer or a hole injection layer) And the cathode is connected to the organic light emitting layer or the electron injection layer).
[0021]
Known materials are used as the materials of the respective layers. In order to obtain blue to blue-green light emission, in the organic light-emitting layer, for example, benzothiazole-based, benzimidazole-based, benzoxazole-based fluorescent whitening agent, metal chelated oxonium compound, styrylbenzene-based compound, Aromatic dimethylidin compounds are preferably used. Examples of the electron injection layer include a quinoline derivative (for example, an organometallic complex having 8-quinolinol as a ligand), an oxadiazole derivative, a perylene derivative, a pyridine derivative, a pyrimidine derivative, a quinoxaline derivative, a diphenylquinone derivative, and nitro substitution. A fluorene derivative or the like can be used. Alternatively, lithium, alkali metals such as sodium, potassium, calcium, magnesium, alkaline earth metals such as strontium, or electron-injecting metals such as fluorides thereof, alloys and compounds with other metals, etc. An inorganic material having a small work function is stacked adjacent to the electron injection layer, so that the electron injection efficiency can be further improved. When an inorganic material is used, a layer of an inorganic material having a thickness of 10 nm or less is sufficient to improve the electron injection efficiency, and is preferable from the viewpoint of maintaining required transparency.
[0022]
Next, the reflection layer 5 is laminated on the organic EL light emitting layer 3 around the light emitting region 22. In the present specification, the “light-emitting region” means a region that transmits light from the organic EL light-emitting layer 3 and emits the light to the outside, and particularly corresponds to a so-called pixel or sub-pixel when a display is formed. I do. The reflective layer 5 may be laminated on the organic EL light emitting layer 3 via a thin transparent conductive oxide (ITO, IZO, etc.) layer 4 ′. The reflection layer 5 has a reflectance of 70% or more with respect to light in the near ultraviolet region to the visible region, particularly, light emitted by the organic EL light emitting layer. Further, the reflective layer 5 needs to have low electric resistance, and is formed using metal or other low-resistance material. The reflective layer may be formed using the material for forming the reflective electrode 2 described above. The material forming the reflective layer 5 desirably has a resistivity of 4 × 10 −4 Ω · cm or less. The reflective layer 5 is preferably thicker than the upper transparent electrode 4, and the thickness is in the range of 300 to 1000 nm.
[0023]
The side wall of the reflective layer 5 adjacent to the light emitting region may be perpendicular to the surface of the organic EL light emitting layer 3, but more preferably has a tapered shape as shown in FIG. That is, the taper angle 21 is equal to or less than 90 °, preferably 45 to 90 °. By having such a tapered shape, the luminous efficiency of the organic EL element can be further improved (described later).
[0024]
Finally, the upper transparent electrode 4 is formed. The portion of the upper transparent electrode 4 located in the light emitting region is formed such that the periphery thereof is completely or substantially surrounded by the reflective layer 5. In this specification, “substantially surrounded” means that the upper transparent electrode 4 is surrounded by the reflective layer 5 except for a relatively small portion of the periphery. The material of the upper transparent electrode 4 may be formed on the reflective layer 5. When the reflective electrode 2 is used as an anode, the upper transparent electrode 4 is a cathode, and when the reflective electrode 2 is used as a cathode, the upper transparent electrode 4 is an anode. In the device of the present invention, since light is extracted through the upper transparent electrode 4, the upper transparent electrode 4 needs to be transparent. Therefore, as the upper transparent electrode 4 of the present invention, a transparent conductive oxide such as ITO or IZO is preferable. The upper transparent electrode 4 is thinner than the reflective layer 5 and has a thickness that gives a desired resistivity. The thickness of the upper transparent electrode 4 is 30 nm or more, more preferably in the range of 100 to 300 nm.
[0025]
The operation and effect of the organic EL light emitting device of the present invention will be described with reference to FIG. Since light emission in the organic EL light emitting layer 3 is non-directional, light is emitted in various directions. For example, the light beam 11b is emitted in a direction that is not emitted to the outside as it is, but is reflected by the reflective layer 5 and emitted from the light emitting region to the outside. Also, a light ray 11c that enters the upper transparent electrode 4 at an angle equal to or larger than the critical angle (defined by the refractive index of the upper transparent electrode 4 and the material with which the electrode is in contact) and propagates in the upper transparent electrode 4 in the lateral direction Is also reflected by the reflective layer 5 and emitted from the light emitting region to the outside. Here, it should be noted that the light beams 11b and 11c reflected by the reflection layer 5 are radiated to the outside at an angle closer to vertical than at the time of light emission. This effect is brought about by the tapered shape of the reflection layer 5, and even when an additional layer is provided on the upper transparent electrode 4, the possibility that light propagates in the additional layer in the lateral direction is reduced. It also has an effect. As described above, in addition to the light beam 11a radiated directly to the outside, the light beams 11b and 11c are also radiated to the outside from the light emitting region. It is possible to improve the luminance (ie, luminous efficiency) of the organic EL light emitting element.
[0026]
Further, since the reflective layer 5 has conductivity and is electrically connected to the upper transparent electrode 4, the upper transparent electrode 4 and the reflective layer 5 function integrally as an "upper electrode". Here, since the material forming the reflective layer 5 has a lower resistivity than the transparent conductive oxide forming the upper transparent electrode 4, the resistance of the entire “upper electrode” can be reduced by adopting the configuration of FIG. It can be reduced.
[0027]
Next, a method for manufacturing the organic EL device of the present invention will be described. The substrate 1 on which the TFT is formed, the reflective electrode 2, and the organic EL light emitting layer 3 can be manufactured by a method known in the art. For example, the TFT on the substrate can be manufactured by a conventional semiconductor manufacturing technique. The reflective electrode 2 of the present invention can be formed on the substrate 1 by using a method such as vapor deposition or sputtering. Further, the organic EL light emitting layer 3 can also be laminated on the reflective electrode 2 by using a method such as vapor deposition.
[0028]
A first embodiment of the manufacturing method of the present invention will be described with reference to FIGS. The mask 6 is aligned and adhered to the substrate 1 on which the reflective electrode 2 and the organic EL light emitting layer 3 are laminated, and the reflective layer 5 is laminated by vapor deposition, sputtering, ion plating or the like (FIG. 3 ( a)). One example of the mask 6 used at this time is shown in FIG. The mask 6 can be formed of a material that can withstand the film forming conditions, but a metal mask is preferably used. The mask 6 shown in FIG. 2 has an opening around a light emitting region except for a portion necessary for maintaining the integrity of the mask 6. The taper shape (taper angle 21) of the side wall adjacent to the light emitting region of the reflective layer 3 can be controlled by changing the distance between the metal mask and the substrate or by disposing the substrate obliquely.
[0029]
Next, after removing the mask 6, a transparent conductive oxide (ITO or IZO) is deposited by using a method such as sputtering (opposite type and ECR) or ion plating to form the upper transparent electrode 4 ( FIG. 3 (b).
[0030]
The obtained organic EL device (FIG. 3C) has the effects of improving the light extraction efficiency and reducing the resistance value of the “upper electrode” as described above.
[0031]
A second embodiment of the manufacturing method of the present invention will be described with reference to FIG. On the substrate 1 on which the reflective electrode 2 and the organic EL light emitting layer 3 are laminated, a thin transparent conductive oxide layer 4 'having a thickness of 10 nm or less is laminated by sputtering or the like, and the reflective layer 5 is deposited. The layers are laminated by sputtering or ion plating. The transparent conductive oxide layer 4 'should have a minimum thickness capable of functioning as an etch stop layer when etching the reflective layer 5, and preferably has a thickness of 50 nm or less, more preferably 10 to 50 nm. Having. Then, a resist 7 having a pattern that defines the light emitting region of the organic EL light emitting element is laminated (FIG. 4A). The resist 7 may be patterned by photolithography after uniform lamination, or a resist having a desired pattern may be formed on another substrate and transferred onto the reflective layer 5.
[0032]
Next, the reflective layer 5 is etched using the resist 7 as a mask to define a light emitting region (FIG. 4B). At this time, the transparent conductive oxide layer 4 'is used as an etch stop layer. Therefore, an etchant that etches the material of the reflective layer 5 but does not etch the transparent conductive oxide layer 4 ′ is selected. The etching may be dry etching such as reactive ion etching or reactive ion beam etching, or may be wet etching. For example, when the reflective layer 5 is Al and the transparent conductive oxide layer 4 'is ITO, wet etching can be performed using an alkaline aqueous solution such as NaOH or KOH. In this step, the taper shape (taper angle 21) of the side wall adjacent to the light emitting region of the reflective layer 5 is controlled by the type of the etchant, the temperature at the time of etching, the etching time, the working pressure (in the case of dry etching), and the like. Can be.
[0033]
Then, the resist 7 is removed, and the upper transparent electrode 4 is laminated (FIG. 4C). The removal of the resist 7 can be performed by a conventional method. The formation of the upper transparent electrode 4 can be performed in the same manner as in the first embodiment. In the organic EL light emitting device (FIG. 4 (d)) obtained by this method, the transparent conductive oxide layer 4 ', the upper transparent electrode 4 and the reflective layer 5 function integrally as an "upper electrode". Also in the organic EL light emitting device having this structure, the thickness of the transparent conductive oxide layer 4 ′ is sufficiently smaller than the thickness of the reflective layer 5 and does not capture much of the spread light. This has the effect of improving and decreasing the resistance value of the “upper electrode”.
[0034]
【Example】
(Example 1)
CrB having a thickness of 100 nm was deposited on a 0.7 mm-thick 50 mm square glass substrate on which TFTs had already been formed, using a facing-type sputtering apparatus. Ar was used as a sputtering gas, and a sputtering power of 300 W was applied. Next, patterning was performed by a photolithographic method to obtain a reflective electrode 2 having a size of 100 μm × 300 μm.
[0035]
Next, the substrate on which the reflective electrode 2 was formed was treated with Ar plasma (2.4 Pa, 100 W, 1 minute), and then the substrate was moved to an organic layer deposition chamber without breaking vacuum. Then, at a pressure of 1 × 10 −5 Pa or less, 4,4′-bis [N- (1-naphthyl) -N-phenylamino] biphenyl having a thickness of 40 nm is formed on the reflective electrode 2 as a hole transport layer. (Α-NPD) is deposited at a deposition rate of 0.5 nm / s, and aluminum tris (8-quinolinolate) (Alq) having a thickness of 60 nm as a light emitting layer is deposited at a deposition rate of 0.5 nm / s. Thus, an organic EL light emitting layer 3 was obtained. Further, without breaking the vacuum, LiF having a thickness of 1 nm and Al having a thickness of 10 nm were continuously deposited to improve the electron injection property. At this time, Al was deposited at a deposition rate of 0.3 nm / s under a pressure of 1 × 10 −5 Pa or less.
[0036]
Next, the substrate with the organic EL light-emitting layer 3 was transferred to another deposition vacuum chamber, placing a mask at a distance of the organic EL light-emitting layer 3 and 1mm, 1 × 10 -5 Pa or less pressure and adult At a film speed of 0.1 nm / s, Al having a thickness of 200 nm was deposited to form a reflective layer 5. At this time, the positions of the evaporation source and the substrate were adjusted such that the side wall of the obtained reflective layer 5 facing the light emitting region had a taper angle of 45 degrees.
[0037]
Finally, in a facing-type sputtering apparatus, under conditions where the energy of the sputtered particles becomes 10 eV or less, IZO having a thickness of 100 nm was deposited to form the upper transparent electrode 4 to obtain an organic EL light emitting device.
[0038]
(Example 2)
The reflective electrode 2 and the organic EL light emitting layer 3 were formed in the same manner as in Example 1. Next, in a facing-type sputtering apparatus, under the condition that the energy of sputtered particles was 10 eV or less, ITO having a thickness of 10 nm was deposited to form a transparent conductive oxide layer 4 '. Then, Al having a thickness of 200 nm was laminated on the entire surface by an evaporation method.
[0039]
Next, a resist having a thickness of 3 μm having a pattern having an opening having a size of 100 μm × 300 μm aligned with the pattern of the reflective electrode 2 is formed by forming a resist by spin coating and patterning the resist by a photolithographic method. Obtained.
[0040]
Using the resist 7 as a mask, Al was etched (60 ° C., 5 minutes) using a 1M NaOH aqueous solution to obtain a reflective layer 5 having a desired shape. The side wall of the obtained reflection layer 5 facing the light emitting region had a taper angle of 50 degrees.
[0041]
Finally, in a facing-type sputtering apparatus, under conditions where the energy of the sputtered particles becomes 10 eV or less, IZO having a thickness of 100 nm was deposited to form the upper transparent electrode 4 to obtain an organic EL light emitting device.
[0042]
(Example 3)
Example 1 was repeated, except that the thickness of the reflective layer 5 was changed to 500 nm, to obtain an organic EL light emitting device.
[0043]
(Comparative Example 1)
Example 1 was repeated except that the reflective layer 5 was formed of IZO, which is a transparent conductive oxide, to obtain an organic EL light emitting device.
[0044]
(Evaluation)
A current having a current density of 0.1 A / m 2 was applied to the light-emitting elements of Examples and Comparative Example 1, and the luminance and applied voltage at that time were measured. The results are shown in Table 1 below.
[0045]
[Table 1]
Figure 2004165017
[0046]
As is clear from Table 1, the organic EL light emitting devices of Examples 1 to 3 according to the present invention exhibited twice or more the luminance of Comparative Example 1 at the same current density. Further, the applied voltage for obtaining the same current density can be significantly reduced, and considering the voltage drop in the reflective electrode and the organic EL light emitting layer, the results in Table 1 show that the resistance value of the upper electrode is reduced by one digit or more. It is equivalent to doing. Further, it has been found that the resistance value of the upper electrode can be adjusted by changing the thickness of the reflection layer 5.
[0047]
【The invention's effect】
As described above, by providing the reflective layer around the light emitting region of the organic EL light emitting element, the efficiency of external emission of light emission was improved, and a high luminance organic EL light emitting element was obtained. At the same time, by forming the reflective layer from a material having a low resistivity, the resistance value of the upper electrode could be reduced, and the luminance per unit current density could be increased. The organic EL device obtained by the present invention is particularly advantageous for use under conditions requiring high luminance, for example, for use outdoors.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing an organic EL light emitting device of the present invention, wherein (a) is a schematic sectional view, and (b) is a schematic sectional view for explaining its function.
FIG. 2 is a schematic top view showing an example of a mask used in the method for manufacturing an organic EL light emitting device of the present invention.
FIG. 3 is a diagram showing the steps of the first embodiment of the method for producing an organic EL light emitting device of the present invention.
FIG. 4 is a view showing a step of a second aspect of the method for manufacturing an organic EL light emitting device of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Substrate 2 Reflective electrode 3 Organic EL light emitting layer 4 Upper transparent electrode 4 'Transparent conductive oxide layer 5 Reflective layer 6 Mask 7 Resist 11a, 11b, 11c Light beam 21 Taper angle 22 Light emitting area

Claims (5)

基板上に反射性電極、有機EL発光層および上部透明電極を有する有機EL発光素子において、前記上部透明電極が前記有機EL発光層からの発光を透過させる領域に設けられ、前記領域の周囲に反射層をさらに具えたことを特徴とする有機EL発光素子。In an organic EL light emitting device having a reflective electrode, an organic EL light emitting layer, and an upper transparent electrode on a substrate, the upper transparent electrode is provided in a region through which light emitted from the organic EL light emitting layer is transmitted, and is reflected around the region. An organic EL light emitting device, further comprising a layer. 前記反射層は、前記上部透明電極を形成する材料よりも低い抵抗率を有する材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL発光素子。The organic EL light emitting device according to claim 1, wherein the reflection layer is formed of a material having a lower resistivity than a material forming the upper transparent electrode. 前記反射層の厚さは、前記上部透明電極の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の有機EL発光素子。The organic EL light emitting device according to claim 1, wherein the thickness of the reflection layer is larger than the thickness of the upper transparent electrode. 反射性電極および有機EL発光層を形成された基板に、マスクを用いて前記有機EL発光層の所定の領域の上に反射層を積層する工程と、
前記反射層よりも薄い上部透明電極を積層する工程と
を具え、前記上部透明電極が前記有機EL発光層からの発光を透過させる領域に設けられ、前記反射層が前記領域の周囲に形成されることを特徴とする有機EL発光素子の製造方法。
Laminating a reflective layer on a predetermined region of the organic EL light-emitting layer using a mask on the substrate on which the reflective electrode and the organic EL light-emitting layer are formed;
Laminating an upper transparent electrode thinner than the reflective layer, wherein the upper transparent electrode is provided in a region through which light emitted from the organic EL light emitting layer is transmitted, and the reflective layer is formed around the region. A method for manufacturing an organic EL light emitting device, comprising:
反射性電極および有機EL発光層を形成された基板に、透明導電性酸化物層を積層する工程と、
前記透明導電性酸化物層の上に、反射層を均一に積層する工程と、
前記反射層の上にパターニングされたレジストを設け、前記透明導電性酸化物層をエッチストップ層として用いて、前記反射層をエッチングする工程と、
前記反射層よりも薄い上部透明電極を積層する工程と
を具え、前記上部透明電極が前記有機EL発光層からの発光を透過させる領域に設けられ、前記反射層が前記領域の周囲に形成されることを特徴とする有機EL発光素子の製造方法。
Laminating a transparent conductive oxide layer on the substrate on which the reflective electrode and the organic EL light emitting layer are formed;
A step of uniformly laminating a reflective layer on the transparent conductive oxide layer,
Providing a patterned resist on the reflective layer, using the transparent conductive oxide layer as an etch stop layer, etching the reflective layer,
Laminating an upper transparent electrode thinner than the reflective layer, wherein the upper transparent electrode is provided in a region through which light emitted from the organic EL light emitting layer is transmitted, and the reflective layer is formed around the region. A method for manufacturing an organic EL light emitting device, comprising:
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