JP2004163524A - 照明付き拡大鏡 - Google Patents

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昌宏 寺崎
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TERASAKI INDUSTRIES
TERASAKI KK
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Abstract

【課題】拡大鏡において、対象物を照明するために、無駄なく且効率的に光を対象物へ当てられるようにすること。
【解決手段】本発明による拡大鏡10は、拡大用レンズLと、観察者O’と観察されるべき対象物Oとの間にて拡大用レンズを位置決めをする手段14を有し、対象物の拡大された像を観察者が直視するよう構成され、拡大用レンズの観察者側の少なくとも一部の周辺部分上に位置決めされ対象物を照明する光源Sを有し、光源からの光は、拡大用レンズを通して対象物へ当てられる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、読書や細かい手作業等の際に文字又は物体等を拡大して観るために用いられる拡大鏡又はルーペに係り、より詳細には、かかる拡大鏡に於いて拡大像として観察される物体を照明する照明装置付き拡大鏡に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来より、細かい手作業、例えば、小さな工芸品や手芸品の細工などを行う場合に手元を拡大して観察するために、或いは、新聞などの小さな文字を拡大して読み易くするために、拡大鏡又はルーペが日常的に用いられている。そのような拡大鏡として、例えば、卓上据置型の拡大鏡、頭部装着型の拡大鏡などが知られている。
【0003】
卓上据置型拡大鏡は、直径数cmから40cm程度の単凸レンズ又はフレネルレンズが、アーム又は適当な支持装置により、観察者と拡大して観察される物体又は書物との間の適当な高さに固定され、これにより、観察者は、レンズを通して、物体又は文字の拡大像を見ることができるよう構成されている。かかる拡大鏡に於いては、通常、レンズの高さ又は向きは、適宜、観察者が使い易いように、アーム又は支持装置を動かすことにより、調節できるようになっている(例えば、特許文献1−4参照)。頭部装着型の拡大鏡は、所謂、老視鏡であり、また、観察者の頭部に装着されるバンドにより単凸レンズが観察者の目の前に懸架される如き形態の拡大鏡も使用されている(例えば、特許文献5参照)。これらの他にも、例えば、書物等の上に近接して載置され、文字等を拡大する比較的小型の拡大鏡など、用途に応じて、種々の形態の拡大鏡又はルーペが使用されている。
【0004】
上記の拡大鏡の光学系は、いずれも、虫めがねの光学系、即ち、基本的には、凸レンズを通して、拡大された物体の虚像を目で直視するという極めて簡単な構成のものである(レンズ倍率は、通常、1倍から数倍程度までである。付属的に倍率を上げるために更に凸レンズを重ねる場合もある。)。このような拡大鏡は、それが簡単な構成であるが故に、新聞や辞典などのやや小さな文字を見る場合や刺繍或いは模型作りなどのやや細かな作業を行う場合などの、実体顕微鏡等の高性能な顕微鏡を使うほどの大袈裟な作業ではない一般の生活に於いて、廉価で且手軽で利便性のある日用品或いは事務用品として一般家庭やオフィスにおいて広く利用されている。特に、高齢化しつつある社会においては、老視の人口が増大し、従って、老視の矯正として、手軽に、新聞や文庫本などの小さな文字を拡大して読むことのできる拡大鏡の必要性も増大する。
【0005】
上記の如き、従来の日用品又は事務用品としての拡大鏡又はルーペの一つの問題は、対象物(観察されるべき物体又は書物等)の像を適当に拡大して観察できるが、その像が拡大鏡を使わない場合に比べて暗くなってしまう、或いは、像のコントラストが低くなってしまうということである。周知の如く、レンズを用いて対象物の像を拡大すると、その像の明るさは低下する。また、室内の照明の向き(屋外であれば、日当りの向き)と、観察者、対象物及び拡大鏡の位置との関係によっては、拡大鏡が、対象物を照らす光を遮ってしまう場合もある。特に、観察者が老視者である場合、観察者の視力は低下しており、従って、対象物の像が拡大されても、適度な明るさとコントラストが得られなければ、かえって、対象物を観察しずらくなってしまい、老視の矯正の目的が達成されない。
【0006】
従って、適度な明るさとコントラストを有する拡大像を得るためには、室内の照明を利用するのではなく、直接に対象物を照明できることが好ましい。そのような照明装置を有する拡大鏡又はルーペも提案されている。例えば、下記の特許文献6は、拡大レンズの周囲に円形の光源を付設し、対象物を照明するよう構成された拡大鏡を開示している。同様な構成は、下記の特許文献7−8にも開示されている。
【0007】
ところで、対象物の照明に関して、既に述べた如く、本発明の対象である拡大鏡又はルーペは、日用品又は事務用品として手軽に利用され且廉価であるために有用であるので、拡大鏡に取り付けられ対象物を照明する装置又は構成も、その寸法が小さく、できるだけ簡易且廉価であり、また、光源の消費電力もできるだけ小さく抑えられることが望ましい。光量をかせぐために、拡大鏡本体に比して寸法や重量のやや大きな照明装置を取り付けたり、或いは、複雑な構成を付加するのでは、拡大鏡又はルーペ本来の手軽さが損なわれてしまう。この点、上記の照明付きの拡大鏡は、照明装置部分がやや大掛かりで複雑な構成となっている。
【特許文献1】
実開平02−044711号公報
【特許文献2】
実開平05−006420号公報
【特許文献3】
特開平08−338955号公報
【特許文献4】
特開平11−084266号公報
【特許文献5】
特開平10−104553号公報
【特許文献6】
実登3002519号公報
【特許文献7】
特開2000−035545号公報
【特許文献8】
特開2002−150802号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、拡大鏡又はルーペにおいて、対象物を照明する装置又は構成は、できるだけコンパクトであって、なお良質にかつ効率良く対象物を照明できることが好ましい。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、本発明によれば、拡大用レンズと、観察者と観察されるべき対象物との間にて前記拡大用レンズを位置決めをする手段を有し、前記対象物の拡大された像を観察者が直視するよう構成された拡大鏡であって、前記拡大用レンズの観察者側の少なくとも一部の周辺部分上に位置決めされ前記対象物を照明する光源を有し、前記光源からの光が前記拡大用レンズを通して前記対象物を照明することを特徴とする拡大鏡によって達成される。
【0010】
本発明の対象となる拡大鏡が通常の態様にて使用される場合、レンズは、観察者の目と対象物とが該レンズの中央軸線上に概ね沿うような位置に位置決めされ、観察者の視野は、概ね、レンズの中央軸線上近傍の領域となる。上記の本発明の構成によれば、光源が拡大用レンズの周辺部分上に設けられることにより、光源が観察者の邪魔にならず、更に、光源から出る光をレンズの周辺部分から該レンズを通過させるように構成することにより、光は、広がり角が狭められ、且つレンズの中央軸線へ向って屈曲しながら進むこととなる。かくして、概ねレンズの視野内に位置する対象物へ光が集められ、光を無駄使いせずに対象物を照明することが可能となる。(光をレンズに通過させない場合、観察者の視野外に出る光が多くなり、それらの光は無駄になる。)
【0011】
上記の本発明の構成において、拡大用レンズは、単凸レンズ又はフレネルレンズであってよい。特に、本発明の拡大鏡が読書に適した形式の物である場合、視野として、容易に、即ち、観察者の目線を動かすだけで書物の全体をカバーできることが好ましい。その場合には、拡大鏡のレンズとして、寸法が約20cmから約40cmの概ね長方形であり、焦点距離が30cmから40cmであるフレネルレンズが用いられる。他方、工芸品や手芸品を細工する際の手元や非常に小さな文字や対象物を観察する場合には、適宜の倍率を得るべく、焦点距離が10cmから50cm程度までの任意の拡大用レンズが用いられてよい。
【0012】
上記の本発明の構成は、観察者の目と対象物と拡大用レンズとの位置関係を固定して用いられる卓上据置型の拡大鏡において特に有用である。かかる卓上据置型の拡大鏡は、既に述べた如く、適当にアーム又は支持装置により、拡大用レンズを固定して、観察者が両手を自由に使える状態で対象物の拡大像を観察できるよう構成されており、通常、対象物と観察者の距離が10cmから50cm程度で、寸法が10cmから50cm程度の拡大用レンズを対象物と観察者の目との間に配置して用いることを想定して設計されている。その場合、既に述べた如く、室内の照明との拡大鏡との位置関係によっては、観察者自身又は拡大用レンズによって、対象物への室内の照明からの光が遮られてしまうことがある。しかしながら、本発明によれば、室内の照明の位置によらず、拡大用レンズの直ぐ上に配置された光源より照明光が拡大用レンズを通して対象物へ与えられ、適度な明るさとコントラストを有する対象物の像を観察することが可能となる。もちろん、本発明は、頭部装着型又は携帯型の拡大鏡においても適用可能である。
【0013】
本発明によれば、既に述べた如く、照明光を無駄なく且効率良く対象物に当てることが可能となるため、光源から出力されるべき全光量が小さくて済むことになり、従って、本発明において採用される光源は、従来よりもコンパクトで出力又は消費電力の小さなものとすることができる。かくして、本発明に於いては、光源は、螢光灯又はLED(発光ダイオード)であってよく、より詳細には、小型の螢光灯又は高輝度白色ダイオード(又はダイオードアレイ)であってよい。
【0014】
更に、本発明の拡大鏡において、より効率的に、対象物又は視野に照明光が与えられるように、光源からの光の向き又は広がり角の大きさを定める入射光調節手段が設けられてよく、更に、かかる入射光調節手段は、光源を覆うフードまたは集光用レンズを含んでいてよい。特に、本発明の拡大鏡において、対象物と拡大用レンズと観察者との距離が、そのときどきの使用目的によって、即ち、読書又は工芸品等の細工等の用途に応じて、又は、観察者の要求に応じて変更される。従って、使用状況に対応して、光源から光の向き又は広がり角の大きさを定め、或いは、調節できるようにする手段が設けられることにより、できるだけ多くの光が、無駄なく、対象物又は視野を照らすようにすることが可能となる。その際、拡大鏡を通常の態様にて使用する場合には、視野は拡大用レンズと概ね同一の形状及び寸法の領域となるので、かかる視野領域全体に照明光が与えられるよう入射光調節手段を構成してよい。
【0015】
また、本発明において、光源からの照明光の光線からなる光円錐のうち、該光円錐の母線の向きが拡大用レンズの観察者側の焦点と該拡大用レンズとを結ぶ直線と実質的に一致するように構成されてよい。特に、光円錐の最も外側の光線の向きを、拡大用レンズの観察者側の焦点と該拡大用レンズとを結ぶ直線と実質的に一致させることにより、光線は、レンズを通過した後、レンズに対して垂直方向に進むこととなる。そうすると、かかる最も外側の光線は、対象物とレンズとの距離によらず、レンズ直下の領域、即ち、通常の態様にて利用される視野に、常に当るようにすることができる。かくして、光で照らされる領域を調節する際に、最も外側の光線により照らされる領域については、対象物を移動しても、入射光調節手段を調節することなく、照明光を、常に、対象物上の対応する領域へ当てることができる。
【0016】
本発明のその他の目的及び利点は、以下の好ましい実施態様の説明により、当業者にとって明らかになるであろう。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0018】
図1を参照して、概ね符号10にて、本発明が適用される卓上据置型の、より詳細には、スタンド型の拡大鏡の一つの実施態様が示されている。
【0019】
基本的な拡大鏡10の構成は、従来より知られている構成であり、例示されている拡大鏡10においては、簡単に述べれば、拡大用レンズ12が、アーム部18と基台部19とから構成される支持スタンド部14の上方のレンズ保持部16にて、任意の高さ及び向きにて調節されて空中に保持される。もちろん、本発明が適用可能な卓上据置型の拡大鏡は、図示の形態以外、例えば、支持スタンド部が机の縁に固定されるよう構成されているものにも適用可能である。拡大鏡が、例えば、主として読書の際に用いられるものである場合、拡大用レンズ12は、寸法が20cmから50cmの概ね長方形であり、レンズ全体の外形が平版状のフレネルレンズが好ましい。しかしながら、やや肉厚で円形の両凸レンズ又は平凸レンズ等、虫めがねの光学系を成立し得る任意のレンズが用いられていもよいことは、当業者にとって理解されるであろう。
【0020】
本発明による拡大鏡10においては、更に、拡大用レンズ12の上側の周辺領域に照明装置20が設けられる。照明装置20の内部において、図示していない光源が適当な寸法のカバー22により覆われており、観察者の目に光源の光が直接入らないようにするともに、光源から発せられる光が、適切な角度及び広がり角にて、拡大用レンズ12へ入射するように、入射光調節手段が設けられる。光源は、任意の小型の棒状の螢光灯又は高輝度白色LED又はLEDアレイであってよい。螢光灯又はLEDアレイの寸法は、視野全体をできるだけ一様に照らすためには、拡大用レンズ12の一辺の長さと概ね同一であることが好ましい。照明装置20又は支持スタンド部14には、用いられる光源に対応した光源用の回路装置(図示せず)及び通常の商用電力を得るための電源コード及びプラグ24が装備される。
【0021】
なお、光源がLED又は高輝度白色LEDである場合、光源用電源は、電池であってよく、その場合、電源コード及びプラグ24は、必要とせず、当業者にとって公知の態様にて、支持スタンド部14又は照明装置20の内部に、電池ボックス及びLED駆動用回路が設けられてよい。また、照明装置20の側部には、以下に詳細に説明されるように、入射光調節手段から出射する照明光の広がり角及び向きを調節するための調節つまみ25が設けられていてよい。
【0022】
図2は、図1に例示されている如き、卓上据置型の拡大鏡に於ける対象物を照明する原理を模式的に示している。
【0023】
同図において、拡大用レンズLは、対象物側焦点Fと観察者側焦点F’とを有し、例えば、読書用の書見台(特許文献3参照)の場合であれば、典型的には、焦点距離が約35cmのレンズが用いられる。対象物O、例えば、新聞や書籍は、焦点FよりもレンズLに近い位置、例えば、レンズLから10〜15cm程度離れた位置に置かれ、観察者(点O’)は、やはり、レンズLから10〜15cm程度離れた位置にて観察することとなる。拡大鏡が読書用であれば、レンズLの視野は、概ね、観察される対象物上の領域全体をカバーすることが好ましく、従って、レンズLの寸法は、概ね、観察されるべき領域の寸法とほぼ同じであることが好ましい。ただし、よく知られているように、より高い倍率のレンズが望まれる場合、実質的に利用可能なレンズの寸法が制限される(高倍率のレンズの場合、レンズ面の曲率が大きく(曲率半径が小さく)なるため、レンズの肉厚、従って又、重量を増大しなければならず、又、収差のためにレンズの中心から離れた像がひずむため、直径の大きな高倍率のレンズは、拡大鏡のためのレンズとして利用できない。)。従って、レンズの寸法及び焦点距離は、拡大鏡の使用目的に応じて適宜選択されてよい。本発明が適用される拡大鏡で用いられるレンズは、例えば、寸法が直径数cmから40cm程度であり、焦点距離が、10cmから50cm、典型的には、30cmから40cm程度である。
【0024】
更に図2において、対象物Oを照明する光は、光源中心Sより広がり角θにてレンズLへ入射し、該レンズLを透過して、対象物Oへ達する。図から理解されるように、対象物の照明光のうちレンズの縁に近い側(図にて上側)の光線Aは、焦点F’とレンズの縁とを結ぶ直線上に沿うように調節されると、レンズにより屈折され、レンズLに対し垂直に(レンズの中心軸線に平行に)進行し、対象物Oの上縁を照らすこととなる。他方、レンズの中心に近い側(図にて下側)の光線Bは、角度を適当に調節されることにより、レンズにおいて、レンズの中心軸線に近づく方へ屈折され、対象物Oの下縁を照明する。
【0025】
かくして、図示の例においては、照明光は、図中において、斜線で示された領域を進行し、効率よく対象物Oのみを照明することが可能となる。もし光源からの光がレンズを透過しないとすれば、図中の点線A’及びB’の如く進むこととなる。そうすると、図中の対象物の上側の実線Aと点線A’との間の領域の光が無駄になり、他方、対象物上の下方の領域が適切に照明されないこととなってしまう。更に、図示の例では、レンズがなければ対象物の外に漏れていた光は、レンズにより対象物の上方部分へ集光され、また、光源からの光のうち最も強度の強い光線Cは、レンズLにより対象物Oの中心に近づく方向に屈折されることとなる。かくして、光源Sからの光で明るく照らされる領域は、レンズLを通過することにより、全体的に、集光されつつ対象物の中心へ向ってシフトされることとなり、よりよい対象物の像を観察できるようになる。
【0026】
通常の拡大鏡において、図2におけるレンズLと対象物Oとの距離は、観察者の好み又は所望の拡大像の大きさに応じて変更される。その場合には、光源中心Sから出射する照明光の広がり角θを適宜変更することにより、照明光は、効率よく対象物全体へ当るように調節される。例えば、図3の例においては、対象物OのレンズLに対する相対的な位置が、図2の位置OからレンズLに近づく方向の位置Oに移動される場合には、照明光の最も内側の光線が線Bを通るように光の広がり角を広げることにより、対象物の下縁を照明することが可能となる。また、対象物が図2の位置Oから位置O−1へ移動される場合には、照明光の最も内側の光線が線B−1を通るように光の広がり角を狭めることにより、無駄なく照明光を対象物上へ集めることができる。他方、レンズの上縁を通る光線は、図示の例では、レンズの中心軸線と平行に進むため、照明光の上縁の光線の向きは、対象物の位置を移動しても変更しなくてよい。
【0027】
図2及び図3の例では、レンズとほぼ同一の寸法の領域であって、レンズの中心軸線に沿って移動した領域に在る対象物全体が照らされるように構成されているが、当業者にとって容易に理解されるように、照明光の広がり角を広げ又は向きを変更することにより、任意に照明光が届く領域を大きくすることも可能である。また、照明光の広がり角を狭めることにより、前記のレンズとほぼ同一寸法の領域よりも小さな領域のみに照明光が当るようにすることも可能である。
【0028】
更に、図1−3の例においては、拡大用レンズ12(又はL)の上縁近傍に照明装置及び光源が設けられているが、かかる照明装置及び光源は、レンズの下縁又は、左右縁のいずれに設けられてもよい。また、照明装置がレンズの上下又は左右の両縁に設けられてもよく、その場合には、対象物へ両側から照明光が当てられるため、更に明るく且明るさにムラの少ない対象物の拡大像を得ることができる。
【0029】
図4A及び4Bにおいて、本発明による照明光の向き及び広がり角を調節する入射光調節手段の模式図が示されている。
【0030】
図4Aに例示された入射光調節手段においては、カバー22の内側のレンズ12の縁近傍上方に、ミラー30A及び30Bが、上端部30Cにて互いに接続され、フードを形成するよう設けられる。光源32がかかるフードの頂部の内側に装着され、該光源32からの光は、フードにて郭定される広がり角にて、レンズ12の上面へ入射する。図示の例では、ミラー30Aは、レンズ12の縁36と該レンズの観察者側焦点(図示せず)とを結ぶ直線上に沿って配置されており、これにより、図2に示す如く、図4Aにて照明光の最も左側の光線は、レンズを通過した後、レンズの中心軸線と平行な方向に進む。他方、ミラー30Bは、上端部30C周りに枢動可能であってよく、観察者が適宜、そのミラー30Bの角度を調節し、図2−3に示す如く、照明光の広がり角を調節できるようになっていてよい。
【0031】
図4Aの如き装置において、コスト削減等の目的から、より簡単な構成が求められる場合には、ミラー30Bは、ミラー30Aに対して不動的に固定されていてよい。その場合、照明光の広がり角は、最もよく利用される対象物とレンズとの距離に設定されることとなろう(その場合、図1の調節つまみ25は設けられなくてよい。)。また、ミラー30Aが上端部30C周りに枢動可能であり、レンズの寸法をはみ出す領域に照明光を当てられるようになっていてもよい。
【0032】
図4Bにおいては、光源32から出射する光は、集光用の凸レンズ38により集光され、その後、凹レンズ40によって適当な広がり角まで広げられて、レンズ12へ入射する。凸レンズ38と光源32とは、互いに固定されているが、レンズ38及び光源32と、凹レンズ40との相対的距離は、変更可能となっている。凹レンズ40は、その周縁の一部において枢軸42を有し、光源32と凸レンズ38と伴に、枢軸42周りに枢動できるよう拡大用レンズ12に対して位置決めされ、支持されている。かくして、レンズ12へ入射する照明光の所望の広がり角及び向きを調節するためには、照明光の広がり角は、凸レンズ38と凹レンズ40との相対的な距離を調節することにより、照明光の拡大用レンズ12に対する向きは、(凸レンズ38及び光源32と伴に)凹レンズ40の枢軸42周りの向きを調節することにより変更される。
【0033】
当業者にとって理解されるように、上記の入射光調節手段と同様の機能を果たすその他の構成が用いられてもよい。
【0034】
【発明の効果】
従来の照明付き拡大鏡においては、既に述べた如く、照明用の装置は、拡大用レンズの周囲又は下方に付設され、照明光は、かかるレンズを通らずに、対象物へ当てられていた。従って、光源から発せられる光の多くが、対象物外にはみ出してしまい、そのため、十分に明るい対象物像を得るためには、相当に強い(光量の大きい)光を発することのできる光源が必要であった。
【0035】
本発明によれば、光源から発せられる光を無駄なく効率的に対象物の照明に利用できることから、従来の技術に比して、照明に必要な光源の寸法及び出力(即ち、消費電力)を小さくすることができ、より廉価で手軽な照明付き拡大鏡を提供することができる。また、本発明によれば、小さな光源が用いられても、対象物へ効率的に照明光を当てることが可能となるため、換言すれば、対象物上の照明が必要とされる部分のみに光を当てることができるため、従来の技術に比して、十分に明るい対象物像を得ることができる。
【0036】
更に、本発明によれば、図2から理解されるように、光源から出射する光を集光しつつ、光路を視野の中心近傍に向ってシフトし、これにより、視野の中心近傍に、より強い光を当てることができるようになるため、従来に比して、より小さな光源であっても、或いは、視野の片側からのみの照明であっても、明るさにムラの少ない対象物像を得ることができることとなる。
【0037】
ところで、室内の照明を利用した従来の照明装置の付属していない拡大鏡又は従来の照明装置付きの拡大鏡においては、観察者又はレンズが照明光を遮らないように又は照明装置が観察者の視野を遮らないようにするため、照明光は、実質的に対象物の側方から当てられるよう構成されていた。その場合、レンズの中心軸線から計った光線の入射角度が比較的大きいので、特に照明光が片側のみから対象物に当たるようになっている状況では、書物などの平面的な対象物では問題にならないが、工芸品等の立体的な構造を有する対象物においては、観察者から見て、照明光の入射側とは反対の側が影になり、暗くなってしまっていた。
【0038】
本発明によれば、照明光は、拡大像を見るレンズと同一のレンズを通るため、レンズの中心軸線に、より近接した場所から、(レンズの外から光を当てる場合よりも)光線のレンズの中心軸線からの入射角が小さい状態で、即ち、観察者が像を見る側から対象物へ当てられる。従って、対象物が立体的である場合に、光源が片側にしかなくとも、対象物上に於いて、観察者から見て照明光の影になる部分を少なくすることができ、かくして、影の少ない好ましい対象物像が得られる。
【0039】
以上の説明は、本発明の幾つかの実施の態様に関連してなされているが、当業者にとって多くの修正及び変更が容易なされることは、理解されるべきであり、本発明は、上記に例示された実施態様のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の拡大鏡に適用されることは理解されるであろう。
【0040】
例えば、上記の図2に示されている対象物の照明の原理は、頭部装着型の拡大鏡又は老眼鏡においても適用される。その場合、照明装置は、例えば、拡大用レンズの上縁に設けられてよい。また、携帯型の小型の拡大鏡においても、図2に示されている原理は、適用可能である。更に、本発明の構成は、対物レンズを用いた光学顕微鏡(実体顕微鏡等)においても、適用可能である。(その場合、図2のレンズLは、対物レンズとなる。)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による拡大鏡の一つの実施形態の斜視図である。
【図2】本発明による対象物を照明する原理を示す拡大鏡の模式図である。
【図3】図2に示された構成において、対象物の位置を移動した場合の照明光の光路を示す模式図である。
【図4A】図1に示された拡大鏡に用いられる照明装置の一つの実施態様の断面の模式図である。
【図4B】図1に示された拡大鏡に用いられる照明装置のもう一つの実施態様の断面の模式図である。
【符号の説明】
10…スタンド型拡大鏡
12…拡大用レンズ
14…支持スタンド部
20…照明装置
22…カバー
30A、30B…ミラー
32…光源
36…拡大用レンズの縁
38…集光用凸レンズ
40…凹レンズ
42…凹レンズの枢軸

Claims (16)

  1. 拡大用レンズと、観察者と観察されるべき対象物との間にて前記拡大用レンズを位置決めをする手段を有し、前記対象物の拡大された像を観察者が直視するよう構成された拡大鏡であって、前記拡大用レンズの観察者側の少なくとも一部の周辺部分上に位置決めされ前記対象物を照明する光源を有し、前記光源からの光が前記拡大用レンズを通して前記対象物を照明することを特徴とする拡大鏡。
  2. 請求項1の拡大鏡であって、前記拡大用レンズが単凸レンズである拡大鏡。
  3. 請求項1の拡大鏡であって、前記拡大用レンズがフレネルレンズである拡大鏡。
  4. 請求項1の拡大鏡であって、前記拡大用レンズの焦点距離が10cmから50cmである拡大鏡。
  5. 請求項1の拡大鏡であって、前記拡大用レンズの焦点距離が30cmから40cmである拡大鏡。
  6. 請求項1の拡大鏡であって、卓上据置型である拡大鏡。
  7. 請求項1の拡大鏡であって、頭部装着型である拡大鏡。
  8. 請求項1の拡大鏡であって、携帯型である拡大鏡。
  9. 請求項1の拡大鏡であって、前記光源が螢光灯である拡大鏡。
  10. 請求項1の拡大鏡であって、前記光源がLEDである拡大鏡。
  11. 請求項1の拡大鏡であって、更に前記光源からの光の向き又は広がり角の大きさを定める入射光調節手段を有している拡大鏡。
  12. 請求項11の拡大鏡であって、前記入射光調節手段が前記光源を覆うフードを含む拡大鏡。
  13. 請求項11の拡大鏡であって、前記入射光調節手段が集光用レンズを含む拡大鏡。
  14. 請求項11の拡大鏡であって、前記光源からの光の光線が光円錐を形成し、該光円錐の母線の向きが前記拡大用レンズの観察者側の焦点と該拡大用レンズとを結ぶ直線と実質的に一致している拡大鏡。
  15. 請求項11の拡大鏡であって、前記光源からの光が少なくとも前記拡大用レンズと実質的に同一の形状及び寸法の対象物上の領域を照明する拡大鏡。
  16. 請求項11の拡大鏡であって、前記入射光調節手段が前記光源から光の向き又は広がり角の大きさを調節可能である拡大鏡。
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JP2010525513A (ja) * 2007-04-17 2010-07-22 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 照明器具

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