JP2004163276A - 接着力試験器 - Google Patents

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Yuuji Matsumoto
由自 松本
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Abstract

【課題】面同士の接着により重合されている二枚の板片からなるテストピースの接着強度を、迅速かつ適切に測定し得るようにする。
【解決手段】テストピース100を構成する一方の板片110を押圧側板片111とし他方の板片110を非押圧側板片112として押圧側板片111の一方端部に押し当てられる押圧体22を有すると共に、この押圧力を測定可能とした押圧手段2と、テストピース100の保持体1とを備えている。テストピース100の保持体1は、テストピース100を構成する非押圧側板片112の背面112aを凹部10aの底面に押し付けさせるようにしてテストピース100を納める凹部10aを前面に備えたベース10を有している。保持体1は、ベース10の凹部10aに納められたテストピース100を構成する押圧側板片111の他方端部の先に移動空間10iを形成させるように構成してある。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、面同士の接着により重合されている二枚の板片からなるテストピースのこの接着力、つまり、接着強度の試験に適した試験器に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築材料などとして、板同士を接着剤により張り合わせたものが用いられている。こうした材料にあっては、前記接着剤による接着強度の測定が求められるところである。
【0003】
かかる接着強度の測定は、一般に、特許文献1に示されるように、接着され合わされた一方の部材と他方の部材とからなるテストピースを、接着部分に剪断を生じさせるように、異なる向きに引っ張ることによりなされている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−209700号公報(第5図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、特許文献1に示される引っ張り力を作用させての接着強度の測定は、例えば、テストピースが、二枚の板片を交叉部分において一方の板片の面と他方の板片の面とを接着させ合わせて十字型に組み合わせてなるものである場合には、不向きとなる。
【0006】
すなわち、テストピースがこのような十字型をなすものである場合に引っ張り力を作用させるためには、図11に黒丸印を付した部分周辺を把持などして引っ張るか、図12に黒丸印を付した部分周辺を把持などして引っ張ることとなるが、このような把持などをなしながら引っ張り力をテストピースに作用させる機構はいきおい複雑となり、したがってまた、試験器を大型化させてしまう。
【0007】
一方、このようなテストピースの接着強度の試験方法としては、浸漬試験もあるが、かかる試験は結果を得るために時間がかかる難点がある。
【0008】
そこでこの発明は、面同士の接着により重合されている二枚の板片からなるテストピースの接着強度を、迅速かつ適切に測定し得るようにすると共に、機構的にもシンプルで、したがってまた使い勝手の良い試験器を提供することを主たる目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明にあっては、接着力試験器が、以下の(1)〜(5)の構成を備えたものとした。
(1)面同士の接着により重合されている二枚の板片からなるテストピースについてのこの接着力の試験器であって、
(2)テストピースを構成する二枚の板片のいずれか一方の板片を押圧側板片とし他方の板片を非押圧側板片としてこの押圧側板片の一方端部に押し当てられる押圧体を有すると共に、この押圧体の押圧力を測定可能とした押圧手段と、
(3)テストピースの保持体とを備えており、
(4)テストピースの保持体は、
テストピースを構成する非押圧側板片の背面を凹部の底面に押し付けさせるようにしてテストピースを納める凹部を前面に備えたベースを有しており、
(5) しかも、保持体は、ベースの凹部に納められたテストピースを構成する押圧側板片の他方端部の先に移動空間を形成させるように構成してある。
【0010】
かかる構成によれば、前記凹部にテストピースを入れ込ませることにより、テストピースをベースに容易に保持させることができる。
【0011】
また、凹部の内壁面に非押圧側板片の板端面を接しさせて押圧側板片に作用される押圧力をこの内壁面をもって面的に受け止めさせながら、押圧側板片に対する押圧をなすことができ、前記移動空間によって押圧側板片が押圧先側に逃げるに至った時点の押圧力を接着強度の限界として把握することが可能とされる。押圧側板片に作用される押圧力は前記のように凹部の内壁面によって面的に受け止められることから、試験の過程において非押圧側板片に割れなどの損耗をできる限り生じさせないようにすることができる。
【0012】
また、前記目的を達成するために、請求項2記載の発明にあっては、接着力試験器が、以下の(1)〜(5)の構成を備えたものとした。
(1)交叉部分における面同士の接着により十字型をなす二枚の板片からなるテストピースについてのこの接着力の試験器であって、
(2)テストピースを構成する二枚の板片のいずれか一方の板片を押圧側板片とし他方の板片を非押圧側板片としてこの押圧側板片の一方端部に押し当てられる押圧体を有すると共に、この押圧体の押圧力を測定可能とした押圧手段と、
(3)テストピースの保持体とを備えており、
(4)テストピースの保持体は、
前面にテストピースの納まる十字型の凹部を備えたベースと、
このベースに納められたテストピースを構成する非押圧側板片の背面を凹部の底面に押し付けさせるようにしてこのベースの凹部を覆う蓋体とを備えており、
(5) しかも、保持体は、ベースの凹部に納められたテストピースを構成する押圧側板片の他方端部の先に移動空間を形成させるように構成してある。
【0013】
かかる構成によれば、前記十字型の凹部の十字を作る二つの凹みの一方側にテストピースを構成する板片の一方を、この十字型の凹部の十字を作る二つの凹みの他方側にテストピースを構成する板片の他方を入れ込ませるようにして、かかる十字型をなすテストピースをベースに容易に保持させることができる。
【0014】
また、このようにベースの凹部にテストピースを納めさせた後、このベースの凹部を蓋体によって塞ぐと共に、この蓋体によってテストピースを構成する板片の一方を凹部の底面に押し付けさせて、テストピースが押圧時に押圧によって逃げない状態を作り出すことができる。
【0015】
また、十字型の凹部の内壁面に非押圧側板片の長さ方向に沿った一方の板端面を接しさせて押圧側板片に作用される押圧力をこの内壁面をもって面的に受け止めさせながら、押圧側板片に対する押圧をなすことができ、前記移動空間によって押圧側板片が押圧先側に逃げるに至った時点の押圧力を接着強度の限界として把握することが可能とされる。押圧側板片に作用される押圧力は前記のように凹部の内壁面によって面的に受け止められることから、試験の過程において非押圧側板片に割れなどの損耗をできる限り生じさせないようにすることができる。
【0016】
また、請求項3記載の発明にあっては、請求項2記載の接着力試験器におけるベースの凹部が、凹部に納められたテストピースを構成する押圧側板片の背面を凹部の底面に接触させず、かつ、この押圧側板片の前面を蓋体の背面に接触させないように、二条の溝を交叉させるようにして構成してあることを特徴としている。
【0017】
かかる構成によれば、押圧側板片に対し押圧手段によって作用される押圧力が、押圧側板片と非押圧側板片との接着部分、つまり、両者の交差部分にのみに最終的に作用されるようにすることができ、接着強度を正確に測定することが可能とされる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図10に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。
【0019】
なお、ここで図1は、実施の形態にかかる試験器を正面から見て示しており、また、図2は、かかる試験器を構成するテストピース100の保持体1におけるベース10と蓋体11とを分離させた状態として示している。また、図3は、かかる蓋体11をその背面11f側から見た状態として示している。また、図4ないし図8は、保持体1にテストピース100を保持させた状態をそれぞれ示しており、また、図9は、試験のためにテストピース100の切り出しがなされる試験対象物の一例を示している。また、図10は、図1ないし図8に示される試験器の構成の一部を変更させた例を示している。
【0020】
この実施の形態にかかる接着力試験器は、面同士の接着により重合されている二枚の板片110、110からなるテストピース100のこの接着力、つまり、接着強度の試験に適したものである。
【0021】
かかるテストピース100としては、典型的には、交叉部分における面同士の接着により十字型をなす二枚の板片110、110からなるものが予定される。
【0022】
例えば、かかる接着力試験器は、図9に示されるように、
隣り合う板材との間に間隔を開け、かつ、隣り合う板材同士をほぼ平行に配するようにして配列された複数の板材よりなる第一の板材群200と、
隣り合う板材との間に間隔を開け、かつ、隣り合う板材同士をほぼ平行に配するようにして配列された複数の板材よりなる第二の板材群300とを、
第一の板材群200を構成する板材と第二の板材群300を構成する板材とが直交するように配し、
かつ、第一の板材群200を構成する板材と第二の板材群300を構成する板材との交叉部分において、第一の板材群200を構成する板材の一面と第二の板材群300を構成する板材の一面とを接着させ合わせて構成された格子状体のこの接着部分の接着強度の試験に用いることができる。
【0023】
また、典型的には、かかる格子状体は、構成板材を木材ないしは木質材とし、壁下地材などとして利用されるものが予定される。
【0024】
具体的には、このように構成された格子状体の一部を切り出して前記テストピース100とし、このテストピース100における交叉部分120の接着強度を試験するように用いることができる。
【0025】
かかる試験器は、テストピース100の保持体1と、この保持体1に保持されたテストピース100に押圧力を作用させる押圧手段2とを備えている。
【0026】
保持体1は、ベース10と蓋体11とから構成されている。
【0027】
図示の例では、方形枠3の下枠30内面にベースプレート10jを介してベース10の下面を載置固定させるようにして、この方形枠3内に保持体1が備え付けられている。
【0028】
図示の例では、方形枠3の上枠31の内面とベース10の上面との間には空間が形成されている。そして、図示の例にあっては、方形枠3の上枠31に油圧シリンダー20が据え付けられており、このように据え付けられた油圧シリンダー20のプランジャー21(ピストン)が油圧により前記空間に繰り出され、保持体1に保持されたテストピース100に対し押圧力を作用させるようになっている。
【0029】
ベース10の前面には、テストピース100の納まる十字型の凹部10aが形成されている。図示の例では、ベース10は前面、背面、上面、下面、一対の側面を備えた盤状をなすように構成されている。凹部10aは、この盤状体の前面に対し、背面に至らない深さの溝を形成させることにより形成されている。
【0030】
図示の例では、かかる凹部10aは、ベース10の上面において溝上端を上方に開放させ、かつ、ベース10の下面において溝下端を下方に開放させた縦溝10bと、ベース10の一方側面において溝一端を側方に開放させ、かつ、ベース10の他方側面において溝他端を側方に開放させた横溝10cとによって、形成されている。図示の例では、縦溝10bよりも横溝10cの方が深くなっている。また、縦溝10bと横溝10cの深さはそれぞれその全長に亙って一様になっている。
【0031】
縦溝10bは、鉛直方向に真っ直ぐ延び、また、その溝幅は、テストピース100を構成する一方の板片110の幅寸法よりも大きくなるようにしてある。
【0032】
一方、横溝10cは、水平方向に真っ直ぐ延び、また、その溝幅は、テストピース100を構成する他方の板片110の幅寸法よりも大きくなるようにしてある。
【0033】
また、縦溝10bは、テストピース100を構成する一方の板片110の長さ寸法よりも溝の長さを長くするようになっている。
【0034】
また、縦溝10bの溝上端は、前記プランジャー21の下端の直下に位置されるようになっている。
【0035】
一方、蓋体11は、ベース10の凹部10aにおける横溝10cの全体と縦溝10bの下端側を除いた部分を覆う大きさ、図示の例では、蓋体11の背面11fによって、ベース10の前面をこのベース10の下部を残してほぼ覆う大きさを持つように構成されている。
【0036】
図示の例では、かかる蓋体11は、ほぼ方形の前面と背面11fを備えた盤状をなすように構成されている。また、図示の例にあっては、蓋体11の前面に把持用の持ち手11eが設けてある。
【0037】
そして、この実施の形態にあっては、前記ベース10に納められたテストピース100を構成する一方の板片110、図示の例では、前記凹部10aの横溝10cに納められて保持される板片110(後述する非押圧側板片112)の背面112aを凹部10aの底面10f、つまり、この横溝10cの底面に押し付けさせるようにしてこのベース10の凹部10aを覆うようになっている。
【0038】
図示の例では、ベース10の両側面にそれぞれこの側面から側方に突き出すピン10hが突設されていると共に、蓋体11の向かい合った側面にそれぞれ、このピン10hに上方から引っかけられるように構成されたフック11aが設けられている。また、蓋体11には、左右二箇所に、この蓋体11の前面と背面11fとにおいて開放された雌ねじ穴11bが設けてある。そして、この左右の雌ねじ穴11b、11bにそれぞれ、蓋体11の前面側に突き出されたボルト端に操作摘み11dを備えたボルト11cがネジ付けられている。また、左側の雌ねじ穴11bは凹部10aを構成する横溝10cにおける縦溝10bとの交叉部分10gを挟んだ左側においてベース10の凹部10aを蓋体11によって覆った状態においてこの横溝10cに連通する位置に設けられており、また、右側の雌ねじ穴11bは凹部10aを構成する横溝10cにおける縦溝10bとの交叉部分10gを挟んだ右側においてベース10の凹部10aを蓋体11によって覆った状態においてこの横溝10cに連通する位置に設けられている。
【0039】
これにより、図示の例にあっては、前記凹部10aに対し、縦溝10bにテストピース100を構成する板片110の一方を、横溝10cにテストピース100を構成する板片110の他方を入れ込ませるようにして、かかる十字型をなすテストピース100をベース10に容易に保持させることができる。
【0040】
また、このようにベース10の凹部10aにテストピース100を納めさせた後、このベース10の凹部10aを蓋体11によって塞ぐと共に、この蓋体11によってテストピース100を構成する板片110の一方を凹部10aの底面10fに押し付けさせて、テストピース100が押圧時に押圧によって逃げない状態を作り出すことができる。
【0041】
図示の例にあっては、前記のようにベース10の凹部10aにテストピース100を納めた後、このベース10に形成されたピン10hに蓋体11のフック11aを引っかけてこの凹部10aを蓋体11によって塞ぐと共に、前記ボルト11cを螺進操作することにより、このボルト11cによって横溝10cに納められた板片110を前方から押圧させて、この横溝10cに納められた板片110の背面を横溝10cの底面に押し付けさせ、テストピース100が押圧時に押圧によって逃げない状態を作り出すようにしている。
【0042】
蓋体11は、図示の例とは異なるが、ベース10にヒンジ部を介して開閉可能に取り付けるようにしておくこともできる。また、蓋体11は、方形枠3にヒンジ部を介して開閉可能に取り付けるようにしておくこともできる。
【0043】
ベース10および蓋体11は、典型的には、鉄や、アルミニウム合金などの硬度と寸法精度の確保できる金属によって構成される。
【0044】
一方、押圧手段2は、テストピース100を構成する二枚の板片110、110のいずれか一方の板片110を押圧側板片111とし他方の板片110を非押圧側板片112としてこの押圧側板片111の一方端部に押し当てられる押圧体22を有すると共に、この押圧体22の押圧力を測定可能とするものである。
【0045】
図示の例では、かかる押圧手段2を、方形枠3の上枠31に据え付けられた前記油圧シリンダー20によって構成させている。
【0046】
図示の例では、このように据え付けられた油圧シリンダー20のプランジャー21の下端に押圧体22が備え付けられている。そして、油圧により繰り出されるプランジャー21の押圧力をこの押圧体22を介して保持体1のベース10に前記のように保持されたテストピース100を構成する二枚の板片110、110のうち、前記縦溝10bに納められた板片110に作用させるようになっている。
【0047】
すなわち、図示の例にあっては、前記横溝10cの下側溝壁10dと縦溝10bの上側の溝端との間の間隔が、この横溝10cの下側溝壁10dに長さ方向に沿った一方の板端面を接しさせてこの横溝10cに納められたテストピース100を構成する一方の板片110のこの一方の板端面と、前記縦溝10bに納められたテストピース100を構成する他方の板片110の上端面との間の間隔よりも小さくなるようにしてあり、縦溝10bの上側の溝端から前記空間内にこの他方の板片110の上端が突き出されるようになっている。そして、前記押圧手段2における押圧体22が、このように突き出された縦溝10bに納められた板片110の上端に押し付けられるようになっている。
【0048】
この結果、図示の例にあっては、テストピース100を構成する二枚の板片110、110のうち、前記ベース10の凹部10aにおける縦溝10bに納められた板片110が押圧側板片111となり、この凹部10aにおける横溝10cに納められた板片110が非押圧側板片112となるようになっている。
【0049】
ここで前記保持体1は、このようにベース10の凹部10aに納められたテストピース100を構成する押圧側板片111の他方端部の先に、図示の例では、押圧側板片111の下端の下方に移動空間10iを形成させるように構成されている。
【0050】
すなわち、図示の例にあっては、前記横溝10cの下側溝壁10dと縦溝10bの下側の溝端との間の間隔が、この横溝10cの下側溝壁10dに長さ方向に沿った一方の板端面を接しさせてこの横溝10cに納められた非押圧側板片112のこの一方の板端面と、前記縦溝10bに納められた押圧側板片111の下端面との間の間隔よりも大きくなるようにしてあり、これにより、縦溝10bの下側の溝端と押圧側板片111の下端との間に前記移動空間10iを形成させるようにしている。
【0051】
これにより、十字型の凹部10aの内壁面10e(つまり、横溝10cの下側溝壁10d)に非押圧側板片112の長さ方向に沿った一方の板端面を接しさせて押圧側板片111に作用される押圧力をこの内壁面10eをもって面的に受け止めさせながら、押圧側板片111に対する押圧をなすことができ、前記移動空間10iによって押圧側板片111が押圧先側に逃げるに至った時点の押圧力を接着強度の限界として把握することが可能とされる。押圧側板片111に作用される押圧力は前記のように凹部10aの内壁面10eによって面的に受け止められることから、試験の過程において非押圧側板片112に割れなどの損耗をできる限り生じさせないようにすることができる。
【0052】
図示の例では、油圧シリンダー20を構成するプランジャー21に作用される油圧を図示しないゲージなどを介して経時的に測定把握するようにしている。
【0053】
もっとも押圧手段2は、テストピース100に対する押圧力を測定可能な状態で、このテストピース100に押圧力を作用させることができるものであれば良く、図示の例とは異なるが、例えば、ロードセルを用いた機械式加圧装置などを用いることもできる。
【0054】
また、この実施の形態にあっては、前記ベース10の凹部10aが、凹部10aに納められたテストピース100を構成する押圧側板片111の背面111aを凹部10aの底面10fに接触させず、かつ、この押圧側板片111の前面111bを蓋体11の背面11fに接触させないように、二条の溝を交叉させるようにして構成してある。
【0055】
すなわち、前記ベース10の凹部10aに前記のようにテストピース100を納めさせ、かつ、蓋体11によってこの凹部10aを覆い、さらに、この蓋体11によってテストピース100を構成する非押圧側板片112の背面112aを凹部10aの底面10f、図示の例では横溝10cの底面に押し付けさせたセッティング状態において、押圧側板片111の背面111aが凹部10aの底面10f、図示の例では縦溝10bの底面に接触せず、かつ、押圧側板片111の前面111bが蓋体11の背面11fに接触しないようになっている。
【0056】
この結果、この実施の形態にあっては、押圧側板片111に対し押圧手段2によって作用される押圧力が、押圧側板片111と非押圧側板片112との接着部分130、つまり、両者の交叉部分120にのみに最終的に作用されるようにすることができ、接着強度を正確に測定することが可能とされる。
【0057】
図示の例にあっては、ベース10の凹部10aにおけるテストピース100を構成する二枚の板片110、110の交叉部分120の納まる交叉部分10gにおける縦溝10bの底面と横溝10cの底面との間の寸法が、非押圧側板片112の板厚より小さく、
かつ、ベース10の凹部10aにおける交叉部分10gの底面10fとベース10に取り付けられた蓋体11の背面11fとの間の間隔が、テストピース100の最大厚よりも大きくなるようにしてあり、
これにより、前記セッティング状態において、押圧側板片111の背面111aが凹部10aの底面10f、図示の例では縦溝10bの底面に接触せず、かつ、押圧側板片111の前面111bが蓋体11の背面11fに接触しないようになっている。
【0058】
また、図示の例では、押圧体22が押圧側板片111の押圧される端面、すなわち、この押圧側板片111の上端面全体に押圧面22aを接しさせるようになっており、押圧側板片111に対し偏りのない押圧力を作用できるようにしてある。
【0059】
テストピース100の端面が、板片110の長さ方向に直交する向きの端面を持つようになっていない場合には、押圧体22の押圧面22aはこの端面に倣った面となるようにする。例えば、図10に示されるように、テストピース100の端面が楔形状をなすように成形されている場合には、押圧体22にこのテストピース100の端部を下方から受け入れる凹部22bを形成させると共に、この凹部22bの内面がこの楔形状をなす端面に倣った押圧面22aとなるようにする。
【0060】
【発明の効果】
この発明にかかる接着力試験器によれば、面同士の接着により重合されている二枚の板片からなるテストピースの接着強度を、迅速かつ適切に測定することができる。また、テストピースをベースの凹部に納め、前記二枚の板片の一方を押圧側板片としてこの押圧側板片に押圧力を作用させることにより接着強度を測定できることから、機構的にもシンプルで、したがってまた使い勝手に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験器の正面構成図
【図2】保持体1の分離斜視図
【図3】蓋体11の斜視図
【図4】テストピース100を保持した保持体1の斜視図
【図5】同側面図
【図6】同平面図
【図7】同縦断面図
【図8】同横断面図
【図9】試験対象物の一例を示す斜視図
【図10】試験器の構成の一部の変更例を示す要部正面図
【図11】在来手法による接着力試験の仕方を示した説明図
【図12】在来手法による接着力試験の仕方を示した説明図
【符号の説明】
100 テストピース
110 板片
111 押圧側板片
112 非押圧側板片
112a 背面
1 保持体
10 ベース
10a 凹部
10i 移動空間
10f 底面
11 蓋体

Claims (3)

  1. 面同士の接着により重合されている二枚の板片からなるテストピースについてのこの接着力の試験器であって、
    テストピースを構成する二枚の板片のいずれか一方の板片を押圧側板片とし他方の板片を非押圧側板片としてこの押圧側板片の一方端部に押し当てられる押圧体を有すると共に、この押圧体の押圧力を測定可能とした押圧手段と、
    テストピースの保持体とを備えており、
    テストピースの保持体は、
    テストピースを構成する非押圧側板片の背面を凹部の底面に押し付けさせるようにしてテストピースを納める凹部を前面に備えたベースを有しており、
    しかも、保持体は、ベースの凹部に納められたテストピースを構成する押圧側板片の他方端部の先に移動空間を形成させるように構成してあることを特徴とする接着力試験器。
  2. 交叉部分における面同士の接着により十字型をなす二枚の板片からなるテストピースについてのこの接着力の試験器であって、
    テストピースを構成する二枚の板片のいずれか一方の板片を押圧側板片とし他方の板片を非押圧側板片としてこの押圧側板片の一方端部に押し当てられる押圧体を有すると共に、この押圧体の押圧力を測定可能とした押圧手段と、
    テストピースの保持体とを備えており、
    テストピースの保持体は、
    前面にテストピースの納まる十字型の凹部を備えたベースと、
    このベースに納められたテストピースを構成する非押圧側板片の背面を凹部の底面に押し付けさせるようにしてこのベースの凹部を覆う蓋体とを備えており、
    しかも、保持体は、ベースの凹部に納められたテストピースを構成する押圧側板片の他方端部の先に移動空間を形成させるように構成してあることを特徴とする接着力試験器。
  3. ベースの凹部が、凹部に納められたテストピースを構成する押圧側板片の背面を凹部の底面に接触させず、かつ、この押圧側板片の前面を蓋体の背面に接触させないように、二条の溝を交叉させるようにして構成してあることを特徴とする請求項2記載の接着力試験器。
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