JP2004163186A - 回転検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】検出精度の高い軸倍角が2以上のレゾルバ等回転検出器において、Z相を発生することができ、これにより、精度の高い回転角度検出性能と絶対角度検出機能を併せ持つ回転検出器を提供すること。
【解決手段】信号変調部5を備えた、軸倍角が2以上である回転検出器1であって、該回転検出器1には、1回転当たり1個出力される位置信号(Z相)を発生するためのZ相発生手段3が設けられていることを、主たる構成とする。Z相発生手段3は、1個の欠切部が設けられたロータコア、および該欠切部に由来して発生する信号を取り出して処理する、信号取出し部とから構成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】信号変調部5を備えた、軸倍角が2以上である回転検出器1であって、該回転検出器1には、1回転当たり1個出力される位置信号(Z相)を発生するためのZ相発生手段3が設けられていることを、主たる構成とする。Z相発生手段3は、1個の欠切部が設けられたロータコア、および該欠切部に由来して発生する信号を取り出して処理する、信号取出し部とから構成することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は回転検出器に関し、特に、軸倍角が2以上のレゾルバ等回転検出器においてZ相を発生することのできる回転検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
レゾルバ、シンクロ等の回転検出器は、励磁側巻線を交流電圧により励磁すると、回転角度によって出力側巻線において誘起される交流の出力電圧の位相もしくは振幅が変化することを利用して、回転機器の回転角度を検出するものであり、励磁電圧により誘起される出力電圧を検出すべき回転角に応じて信号変調する機能を有する。
【0003】
図7は、従来の回転検出器の例としてブラシレスレゾルバの構造を示す、側面方向視の半断面図である。図において従来のブラシレスレゾルバは、励磁電圧により誘起される出力電圧を検出すべき回転角に応じて変調するための信号変調部71と、これらを収納するケース75とを備えた構成を有しており、該信号変調部71は、それぞれ巻線の施された、ロータ鉄心311、ステータ鉄心312、ロータトランス313、ステータトランス314を備えて構成されている。従来のレゾルバが係る構造を備えることは、特開平11−322662号公報に開示された「レゾルバ」発明の図2(特許文献1参照。)、その他多くの特許文献に示されている。そして、回転角度検出の精度を向上させるために、回転検出器の1回転により2回転分以上の角度信号が得られること、すなわち軸倍角を2以上とする構成がとられている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−322662号公報 (文献の全体、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、回転角度検出精度向上のため軸倍角を2以上とした回転検出器では、絶対角度検出をすることができなかった。絶対角度検出のためには、回転検出器の1回転により1回転分の角度信号が得られること、すなわち軸倍角が1であることが必要だからである。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点を除き、検出精度の高い軸倍角が2以上のレゾルバ等回転検出器において、1回転当たり1個出力される位置信号であるZ相(以下、単に「Z相」という。)を発生することができ、これにより、精度の高い回転角度検出性能と絶対角度検出機能を併せ持つ回転検出器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は上記課題について鋭意検討した結果、軸倍角2以上の回転検出器にZ相発生手段を併設することによって上記課題の解決が可能であることを見出し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明は、以下のとおりである。
【0008】
(1)励磁電圧により誘起される出力電圧を検出すべき回転角に応じて変調する機能を備えた、軸倍角が2以上である回転検出器であって、該回転検出器には、1回転当たり1個出力される位置信号を発生するためのZ相発生手段が設けられていることを特徴とする、回転検出器。
【0009】
(2)前記Z相発生手段は、1回転当たり1度発生する光学的な信号に基づいて1個の位置信号を発生する、光学的Z相発生手段であることを特徴とする、(1)の回転検出器。
【0010】
(3)前記Z相発生手段は、1回転当たり1度発生する静電容量の変化に基づく信号に基づいて1個の位置信号を発生する、静電容量的Z相発生手段であることを特徴とする、(1)の回転検出器。
【0011】
(4)前記Z相発生手段は、1回転当たり1度発生する電磁気的な信号に基づいて1個の位置信号を発生する、電磁気的Z相発生手段であることを特徴とする、(1)の回転検出器。
【0012】
(5)前記電磁気的Z相発生手段が、レゾルバ等の電磁誘導作用を利用する手段、ホール素子、MR素子等の磁気的手段、またはコイルのインピーダンス変化等を利用する電磁気的手段のいずれかであることを特徴とする、(4)の回転検出器。
【0013】
(6)前記電磁気的Z相発生手段は、該回転検出器を構成するロータに1個設けられた信号発生誘起構造と、該ロータ回転に伴う該信号発生誘起構造の回転により生じる電磁気的変化を検出して1回転当たり1個の位置信号を発生するための信号取出し部と、を備えてなることを特徴とする、(4)または(5)の回転検出器。
【0014】
(7)前記信号取出し部は、該回転検出器を構成するステータに設けられたコイルと、該コイルからの出力信号を処理して絶対角度検出のための位置信号を出力する信号処理部と、からなることを特徴とする、(6)の回転検出器。
【0015】
(8)前記コイルは異なる回転方向位置に設けられた2個のコイルであり、前記信号処理部は該2個のコイルからの各出力信号を比較して1回転当たり1個の位置信号を出力するものであることを特徴とする、(7)の回転検出器。
【0016】
(9)前記信号発生誘起構造は、前記ロータのロータコアに設けられた欠切部であり、前記信号取出し部が検出する電磁気的変化は前記コイルのインピーダンス変化であることを特徴とする、(6)ないし(8)のいずれかの回転検出器。
【0017】
(10)前記回転検出器は、1相励磁/2相出力、2相励磁/1相出力、または2相励磁/1相出力のいずれかの信号処理形式を有する、ブラシレスタイプを含むレゾルバであることを特徴とする、(1)ないし(9)のいずれかの回転検出器。
【0018】
(11)前記回転検出器は、1相励磁/3相出力、または3相励磁/1相出力の信号処理形式を有する、ブラシレスタイプを含むシンクロであることを特徴とする、(1)ないし(9)のいずれかの回転検出器。
【0019】
(12)前記信号発生誘起構造とすることのできる一個の欠切部が設けられていることを特徴とする、回転検出器のロータコア。
【0020】
(13)前記欠切部の設けられたロータコアのバランスをとるためのバランス構造が設けられていることを特徴とする、(12)の回転検出器のロータコア。
【0021】
(14)前記バランス構造は、前記ロータコア上に穴を形成する構造であることを特徴とする、(13)の回転検出器のロータコア。
【0022】
つまり本発明は、軸倍角が2以上のレゾルバ等回転検出器において、精度の高い回転角度検出性能と絶対角度検出機能を併せ持つ回転検出器を提供するという課題を解決するために、軸倍角が2以上の回転検出器にZ相発生手段を併設するという手段を講じたものである。これにより、軸倍角2以上のレゾルバ等回転検出器においても、絶対角度検出を可能とすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面により詳細に説明する。
図1は、本発明の回転検出器の断面構成を示す概念図である。図において本発明の回転検出器1は、励磁電圧により誘起される出力電圧を検出すべき回転角に応じて変調する機能(以下、「回転検出部」、または「信号変調部」ともいう。)5を備えた、軸倍角が2以上である回転検出器であって、該回転検出器1には、1回転当たり1個出力される位置信号(Z相)を発生するためのZ相発生手段3が設けられていることを、主たる構成とする(請求項1)。該回転検出器1は、回転角度検出の対象である回転体(図示せず)に接続される軸6と、筐体構造であるケース8を備えて構成される。
【0024】
図において前記Z相発生手段3は、1回転当たり1度発生する光学的な信号に基づいて1個の位置信号を発生する、光学的Z相発生手段とすることができ(請求項2)、またあるいは、1回転当たり1度発生する静電容量の変化に基づく信号に基づいて1個の位置信号を発生する、静電容量的Z相発生手段とすることができる(請求項3)。光学的Z相発生手段としては、たとえば、スリット板と発光受光素子により回転を検出するロータリーエンコーダ方式でZ相を発生する方法等を用いることができる。また静電容量的Z相発生手段としては、たとえば極板の一方をロータ側に、他方をステータ側に設けて構成したコンデンサにより回転に基づく静電容量変化を検知し、それによりZ相を発生する方法等を用いることができる。
【0025】
図において本発明の回転検出器のZ相発生手段は、これら光学的Z相発生手段や静電容量的Z相発生手段に限定されず、回転検出器1回転により1回転当たり1個の位置信号を出力することのできる、あらゆる公知の手段を用いることができ、係る構成を回転検出器内に前記信号変調部とともに併設することにより、本発明の回転検出器とすることができる。
【0026】
【作用】
図1において本発明の回転検出器は上述のように構成されているため、回転を検出される回転体(図示せず)が回転すると、これに接続する前記軸6が回転し、該回転について信号変調部5により軸倍角が2以上である検出態様で回転角度検出がなされ、同時に該回転は、併設されたZ相発生手段3によって、1回転当たり1個出力される位置信号(Z相)を発生させる。該Z相発生手段3により発生したZ相によって、絶対角度の検出が可能となる。
【0027】
図2は、本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバの断面構成等を示す、半断面図を含む説明図である。図において本回転検出器10は、前記Z相発生手段を、1回転当たり1度発生する電磁気的な信号に基づいて1個の位置信号を発生する、電磁気的Z相発生手段13である構成とすることができる(請求項4)。本回転検出器10は、信号変調部であるレゾルバ部15と、軸16と、筐体構造であるケース18を備えて構成される。また、該電磁気的Z相発生手段13からは、取り出した信号を伝達するためのZ相信号線23、およびレゾルバ信号を伝達するためのレゾルバ信号線25が設けられる。なお、図のブラシレスレゾルバは本発明の回転検出器の一例であって、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえばブラシ付きのもの、後述のシンクロも含めた回転検出器全般について、本発明が適用される。
【0028】
図において本発明の回転検出器10は上述のように構成されるため、回転を検出される回転体(図示せず)が回転すると、これに接続する前記軸16が回転し、該回転についてレゾルバ部15により軸倍角が2以上である検出態様で回転角度検出がなされ、同時に該回転は、併設された電磁気的Z相発生手段13によって、1回転当たり1個出力される位置信号(Z相)を発生させる。該Z相発生手段13により発生したZ相によって、絶対角度の検出が可能となる。
【0029】
図において本発明の回転検出器10は、前記電磁気的Z相発生手段13を、レゾルバ等の電磁誘導作用を利用する手段、あるいはホール素子、MR素子等の磁気的手段、またはコイルのインピーダンス変化等を利用する電磁気的手段のいずれかとすることができる(請求項5)が、本発明の電磁気的Z相発生手段はこれに限定されず、公知のあらゆる方式を用いることができる。
【0030】
図3は、電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器30の軸方向の断面構成を示す概念図である。図において本回転検出器30では、前記電磁気的Z相発生手段を、ロータ31に1個設けられた信号発生誘起構造32と、該ロータ31の回転に伴う該信号発生誘起構造32の回転により生じる電磁気的変化を検出して1回転当たり1個の位置信号を発生するための信号取出し部34と、により構成することができる(請求項6)。図において本回転検出器30は、軸36と一体に設けられた前記ロータ31、ステータ35を備えて構成される。
【0031】
図において該信号発生誘起構造32は、軸36の回転数1につき1個の位置信号を発生させるために、該ロータ31上に1個設けられる。しかしながらこれは、あくまでも一のZ相発生のための条件であり、本発明の回転検出器に設けられる信号発生誘起構造の数が1個に限定されることを意味しない。すなわち、信号発生誘起構造とそれに対応する信号取出し部との組合せを、複数揃い設けることによって、一の本発明回転検出器で複数の異なるZ相を発生させることも、本発明では可能である。
【0032】
図において本回転検出器30は、前記信号取出し部34を、前記ステータ35に設けられたコイル341と、該コイル341から伝達される出力信号を処理して、絶対角度検出のための位置信号を出力することのできる信号処理部342と、から構成することができる(請求項7)。すなわち図において、本発明の回転検出器30の電磁気的Z相発生手段は、前記ロータ32上に設けられた信号発生誘起構造32の回転に基づいて発生する電磁気的な変化を、信号取出し部34を構成するコイル341で検知して、これを同じく信号取出し部34を構成する信号処理部342に伝達し、該信号処理部342で処理する過程を経ることによって、Z相を発生することができる。
【0033】
図4は、電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバの、信号変調部の構成例を示す説明図である。図において本回転検出器では、前記コイルを、異なる回転方向位置(ステータの、異なる円周上位置を意味する。)に設けられた2個のコイル41A(図において、41A1ならびに41A2からなるコイル。)、および41B(図において、41B1ならびに41B2からなるコイル。)とし、前記信号処理部を、該2個のコイル41A(41A1、41A2)、および41B(41B1、41B2)からの各出力信号を比較して1回転当たり1個の位置信号を出力する構成とすることができる(請求項8)。
【0034】
図において本回転検出器は、軸46に一体に設けられたロータコア43と、ステータコア45と、を備えて構成され、該コイル41A(コイル41A1および41A2)には出力リード線41A3が、また該コイル41B(コイル41B1および41B2)には出力リード線41B3が、それぞれ設けられ、これらは図示しない信号処理部に接続される。前記コイル41A等はステータコア45に設けられるものであるため、これらについて「回転方向位置」とは、前記ロータコア43の回転と対応して把握することのできる、ステータの円周上位置を意味する。
【0035】
図において本回転検出器の信号変調部は上述のように構成されるため、異なる回転方向位置に設けられた2個のコイル41A(41A1、41A2)、41B(41B1、41B2)においては、ロータコア43の回転に伴う、該ロータコア43上に設けられた信号発生誘起構造による電磁気的な変化の発生が、相互に時間差を有して検知される。それぞれにおいて検知された電磁気的変化は、出力リード線41A3、41B3により出力信号として信号処理部に伝達され、処理される。すなわち時間差を有して各コイル41A等により検知された各出力信号が比較されて処理され、最終的に軸46の1回転当たり1個の位置信号(Z相)が出力される。
【0036】
図において、本回転検出器の信号発生誘起構造は、前記ロータのロータコア43に設けられた欠切部437とし、前記信号取出し部が検出する電磁気的変化としては、前記コイル41A等におけるインピーダンス変化を用いる構成とすることができる(請求項9)。すなわち、該欠切部437を有するロータコア43が回転することにより、該ロータコア43と対向するステータコア45上の各コイル41A等においては、経時的に変化する対向ロータコア43位置に応じて、電磁気的変化が検知される。つまり、コイル41A等が相対するのが、該欠切部437配設位置の場合と、そうでない他のロータコア43上位置の場合とでは、それらの間に電磁気的な変化が発生し得る。
【0037】
本例においては、図示するように、該欠切部437がコイル41A1とコイル41A2の中間位置に相対した場合、コイル41A(41A1、41A2)のインピーダンスは、該欠切部437が同位置に相対しない場合と比較して低下する。1回転につき1度生じるインピーダンス低下現象を検知対象として、該現象が各コイル41A(41A1、41A2)、41B(41B1、41B2)において検知される角度のずれにより発生する、両出力信号比較結果の変化から、Z相の発生を可能とする。つまり、コイルのインピーダンス変化という磁気的現象を利用して、Z相発生手段とすることができる。
【0038】
図5は、電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバの、信号処理部による信号処理例を示すブロック図である。図において、コイル54A(図4の説明で述べた、コイル41Aと回路的に同一。)は交流信号源51および定電流駆動回路52Aに接続されて回路を構成し、また一方、コイル54B(同じく図4の説明で述べた、コイル41Bと回路的に同一。)は交流信号源51および定電流駆動回路52にB接続されて回路を構成する。本回転検出器による信号処理方法は、コイル54A、およびコイル54Bから伝達された信号が、それぞれ整流回路53A、53Bにより整流処理され、これらがコンパレータ55に入力されて比較処理され、コンパレータ出力信号を出力する(59)ように構成される。
【0039】
図6は、電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバによる、Z相発生例を示すグラフ図であり、上段のものは軸角度によるコイルのインピーダンス変化を、また下段のものは軸角度によるコンパレータ出力信号変化を、それぞれ示すグラフ図である。上段のグラフ図中、コイル A、コイルBはそれぞれ、前記コイル54A、コイル54Bにおいて検知されたインピーダンスの、軸角度による変化を表す。図に示されるように、各コイル間の配設位置が回転方向上で異なるため、信号変化の発生に角度の差が生じる。
【0040】
図の下段グラフ図中、“L”、“H”は、コイルAおよびBのインピーダンスが比較されて発生するコンパレータ出力の例である。図に示されるように本例では、1回転で1個の“H”信号が発生し、本発明回転検出器の目的であるZ相発生を得ることができる。
【0041】
以上述べた本発明の回転検出器は、その信号処理方式や相数構成が特定のものに限定されず、公知のあらゆる方式・構成のものを含む。したがって、信号処理形式としては、1相励磁/2相出力、2相励磁/1相出力、または2相励磁/1相出力のいずれの形式も該当し、また、ブラシ付き、ブラシレスの両タイプを含むレゾルバも該当する(請求項10)。同様に、信号処理形式として、1相励磁/3相出力、または3相励磁/1相出力の信号処理形式を有する、ブラシレスタイプを含むシンクロも該当する(請求項11)。
【0042】
図4(前出)においては、電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバの、信号変調部の構成例を示したが、ロータコア43は図示するように、信号発生誘起構造として一個の欠切部437が設けられた構成とすることができる(請求項12)。該欠切部437の形状は図では半円形または略半円形であるが、本発明のロータコアは係る形状やサイズには限定されず、適宜の形状・サイズのものを用いることができる。
【0043】
また、電磁気的な信号発生誘起構造としては該欠切部437のような物理構造的な構造が簡便かつ効果的であるが、他の方法を用いることもできる。たとえば、電磁気的な特性が周囲とは異なる材質を用いて構成するなど、化学的な構成を用いることもできる。
【0044】
図4において、本ロータコア43は、前記欠切部437とのバランスをとるためのバランス構造を設けた構成とすることができる(請求項13)。該バランス構造は、前記ロータコア上に穴439を形成する構造とすることができる(請求項14)。これにより、該欠切部437との重量バランスを簡便にとることができる。該欠切部穴439の形状は、図では角丸四角形であるが、本発明のロータコアは係る形状やサイズには限定されず、該欠切部437とのバランスをとることのできる適宜の形状・サイズのものを用いることができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の回転検出器は上述のように構成されているため、軸倍角が2以上のレゾルバ等回転検出器でも、精度の高い回転角度検出性能とともに絶対角度検出機能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転検出器の断面構成を示す概念図である。
【図2】本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバの断面構成等を示す、半断面図を含む説明図である。
【図3】電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器の軸方向の断面構成を示す概念図である。
【図4】電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバの、信号変調部の構成例を示す説明図である。
【図5】電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバの、信号処理部による信号処理例を示すブロック図である。
【図6】電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバによる、Z相発生例を示すグラフ図であり、上段のものは軸角度によるコイルのインピーダンス変化を、また下段のものは軸角度によるコンパレータ出力信号変化を、それぞれ示すグラフ図である。
【図7】従来の回転検出器の例としてブラシレスレゾルバの構造を示す、側面方向視の半断面図である。
【符号の説明】
1…回転検出器、 3…Z相発生手段、 5…回転検出部(信号変調部)、 6、16…軸、 8、18…ケース、 10…ブラシレスレゾルバ、 13…電磁気的Z相発生手段(Z相部)、 15…レゾルバ部、 23…Z相信号線、 25…レゾルバ信号線、 30…回転検出器、 31…ロータ、 32…信号発生誘起構造、 34…信号取出し部、 35…ステータ、 36…軸、 341…コイル、 342…信号処理部、 41A1、41A2、41B1、41B2…コイル、 41A3、41B3…出力リード線、 43…ロータコア、 45…ステータコア、 46…軸、 437…欠切部、 439…ロータコアバランス用のバランス構造により形成される穴、 51…交流信号源、 52A、52B…定電流駆動回路、 53A、53B…整流回路、 54A、54B…コイル、55…コンパレータ、 59…信号出力部、 71…信号変調部、 75…ケース、 311…ロータ鉄心、 312…ステータ鉄心、 313…ロータトランス、 314…ステータトランス
【発明の属する技術分野】
本発明は回転検出器に関し、特に、軸倍角が2以上のレゾルバ等回転検出器においてZ相を発生することのできる回転検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
レゾルバ、シンクロ等の回転検出器は、励磁側巻線を交流電圧により励磁すると、回転角度によって出力側巻線において誘起される交流の出力電圧の位相もしくは振幅が変化することを利用して、回転機器の回転角度を検出するものであり、励磁電圧により誘起される出力電圧を検出すべき回転角に応じて信号変調する機能を有する。
【0003】
図7は、従来の回転検出器の例としてブラシレスレゾルバの構造を示す、側面方向視の半断面図である。図において従来のブラシレスレゾルバは、励磁電圧により誘起される出力電圧を検出すべき回転角に応じて変調するための信号変調部71と、これらを収納するケース75とを備えた構成を有しており、該信号変調部71は、それぞれ巻線の施された、ロータ鉄心311、ステータ鉄心312、ロータトランス313、ステータトランス314を備えて構成されている。従来のレゾルバが係る構造を備えることは、特開平11−322662号公報に開示された「レゾルバ」発明の図2(特許文献1参照。)、その他多くの特許文献に示されている。そして、回転角度検出の精度を向上させるために、回転検出器の1回転により2回転分以上の角度信号が得られること、すなわち軸倍角を2以上とする構成がとられている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−322662号公報 (文献の全体、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、回転角度検出精度向上のため軸倍角を2以上とした回転検出器では、絶対角度検出をすることができなかった。絶対角度検出のためには、回転検出器の1回転により1回転分の角度信号が得られること、すなわち軸倍角が1であることが必要だからである。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点を除き、検出精度の高い軸倍角が2以上のレゾルバ等回転検出器において、1回転当たり1個出力される位置信号であるZ相(以下、単に「Z相」という。)を発生することができ、これにより、精度の高い回転角度検出性能と絶対角度検出機能を併せ持つ回転検出器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は上記課題について鋭意検討した結果、軸倍角2以上の回転検出器にZ相発生手段を併設することによって上記課題の解決が可能であることを見出し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明は、以下のとおりである。
【0008】
(1)励磁電圧により誘起される出力電圧を検出すべき回転角に応じて変調する機能を備えた、軸倍角が2以上である回転検出器であって、該回転検出器には、1回転当たり1個出力される位置信号を発生するためのZ相発生手段が設けられていることを特徴とする、回転検出器。
【0009】
(2)前記Z相発生手段は、1回転当たり1度発生する光学的な信号に基づいて1個の位置信号を発生する、光学的Z相発生手段であることを特徴とする、(1)の回転検出器。
【0010】
(3)前記Z相発生手段は、1回転当たり1度発生する静電容量の変化に基づく信号に基づいて1個の位置信号を発生する、静電容量的Z相発生手段であることを特徴とする、(1)の回転検出器。
【0011】
(4)前記Z相発生手段は、1回転当たり1度発生する電磁気的な信号に基づいて1個の位置信号を発生する、電磁気的Z相発生手段であることを特徴とする、(1)の回転検出器。
【0012】
(5)前記電磁気的Z相発生手段が、レゾルバ等の電磁誘導作用を利用する手段、ホール素子、MR素子等の磁気的手段、またはコイルのインピーダンス変化等を利用する電磁気的手段のいずれかであることを特徴とする、(4)の回転検出器。
【0013】
(6)前記電磁気的Z相発生手段は、該回転検出器を構成するロータに1個設けられた信号発生誘起構造と、該ロータ回転に伴う該信号発生誘起構造の回転により生じる電磁気的変化を検出して1回転当たり1個の位置信号を発生するための信号取出し部と、を備えてなることを特徴とする、(4)または(5)の回転検出器。
【0014】
(7)前記信号取出し部は、該回転検出器を構成するステータに設けられたコイルと、該コイルからの出力信号を処理して絶対角度検出のための位置信号を出力する信号処理部と、からなることを特徴とする、(6)の回転検出器。
【0015】
(8)前記コイルは異なる回転方向位置に設けられた2個のコイルであり、前記信号処理部は該2個のコイルからの各出力信号を比較して1回転当たり1個の位置信号を出力するものであることを特徴とする、(7)の回転検出器。
【0016】
(9)前記信号発生誘起構造は、前記ロータのロータコアに設けられた欠切部であり、前記信号取出し部が検出する電磁気的変化は前記コイルのインピーダンス変化であることを特徴とする、(6)ないし(8)のいずれかの回転検出器。
【0017】
(10)前記回転検出器は、1相励磁/2相出力、2相励磁/1相出力、または2相励磁/1相出力のいずれかの信号処理形式を有する、ブラシレスタイプを含むレゾルバであることを特徴とする、(1)ないし(9)のいずれかの回転検出器。
【0018】
(11)前記回転検出器は、1相励磁/3相出力、または3相励磁/1相出力の信号処理形式を有する、ブラシレスタイプを含むシンクロであることを特徴とする、(1)ないし(9)のいずれかの回転検出器。
【0019】
(12)前記信号発生誘起構造とすることのできる一個の欠切部が設けられていることを特徴とする、回転検出器のロータコア。
【0020】
(13)前記欠切部の設けられたロータコアのバランスをとるためのバランス構造が設けられていることを特徴とする、(12)の回転検出器のロータコア。
【0021】
(14)前記バランス構造は、前記ロータコア上に穴を形成する構造であることを特徴とする、(13)の回転検出器のロータコア。
【0022】
つまり本発明は、軸倍角が2以上のレゾルバ等回転検出器において、精度の高い回転角度検出性能と絶対角度検出機能を併せ持つ回転検出器を提供するという課題を解決するために、軸倍角が2以上の回転検出器にZ相発生手段を併設するという手段を講じたものである。これにより、軸倍角2以上のレゾルバ等回転検出器においても、絶対角度検出を可能とすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面により詳細に説明する。
図1は、本発明の回転検出器の断面構成を示す概念図である。図において本発明の回転検出器1は、励磁電圧により誘起される出力電圧を検出すべき回転角に応じて変調する機能(以下、「回転検出部」、または「信号変調部」ともいう。)5を備えた、軸倍角が2以上である回転検出器であって、該回転検出器1には、1回転当たり1個出力される位置信号(Z相)を発生するためのZ相発生手段3が設けられていることを、主たる構成とする(請求項1)。該回転検出器1は、回転角度検出の対象である回転体(図示せず)に接続される軸6と、筐体構造であるケース8を備えて構成される。
【0024】
図において前記Z相発生手段3は、1回転当たり1度発生する光学的な信号に基づいて1個の位置信号を発生する、光学的Z相発生手段とすることができ(請求項2)、またあるいは、1回転当たり1度発生する静電容量の変化に基づく信号に基づいて1個の位置信号を発生する、静電容量的Z相発生手段とすることができる(請求項3)。光学的Z相発生手段としては、たとえば、スリット板と発光受光素子により回転を検出するロータリーエンコーダ方式でZ相を発生する方法等を用いることができる。また静電容量的Z相発生手段としては、たとえば極板の一方をロータ側に、他方をステータ側に設けて構成したコンデンサにより回転に基づく静電容量変化を検知し、それによりZ相を発生する方法等を用いることができる。
【0025】
図において本発明の回転検出器のZ相発生手段は、これら光学的Z相発生手段や静電容量的Z相発生手段に限定されず、回転検出器1回転により1回転当たり1個の位置信号を出力することのできる、あらゆる公知の手段を用いることができ、係る構成を回転検出器内に前記信号変調部とともに併設することにより、本発明の回転検出器とすることができる。
【0026】
【作用】
図1において本発明の回転検出器は上述のように構成されているため、回転を検出される回転体(図示せず)が回転すると、これに接続する前記軸6が回転し、該回転について信号変調部5により軸倍角が2以上である検出態様で回転角度検出がなされ、同時に該回転は、併設されたZ相発生手段3によって、1回転当たり1個出力される位置信号(Z相)を発生させる。該Z相発生手段3により発生したZ相によって、絶対角度の検出が可能となる。
【0027】
図2は、本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバの断面構成等を示す、半断面図を含む説明図である。図において本回転検出器10は、前記Z相発生手段を、1回転当たり1度発生する電磁気的な信号に基づいて1個の位置信号を発生する、電磁気的Z相発生手段13である構成とすることができる(請求項4)。本回転検出器10は、信号変調部であるレゾルバ部15と、軸16と、筐体構造であるケース18を備えて構成される。また、該電磁気的Z相発生手段13からは、取り出した信号を伝達するためのZ相信号線23、およびレゾルバ信号を伝達するためのレゾルバ信号線25が設けられる。なお、図のブラシレスレゾルバは本発明の回転検出器の一例であって、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえばブラシ付きのもの、後述のシンクロも含めた回転検出器全般について、本発明が適用される。
【0028】
図において本発明の回転検出器10は上述のように構成されるため、回転を検出される回転体(図示せず)が回転すると、これに接続する前記軸16が回転し、該回転についてレゾルバ部15により軸倍角が2以上である検出態様で回転角度検出がなされ、同時に該回転は、併設された電磁気的Z相発生手段13によって、1回転当たり1個出力される位置信号(Z相)を発生させる。該Z相発生手段13により発生したZ相によって、絶対角度の検出が可能となる。
【0029】
図において本発明の回転検出器10は、前記電磁気的Z相発生手段13を、レゾルバ等の電磁誘導作用を利用する手段、あるいはホール素子、MR素子等の磁気的手段、またはコイルのインピーダンス変化等を利用する電磁気的手段のいずれかとすることができる(請求項5)が、本発明の電磁気的Z相発生手段はこれに限定されず、公知のあらゆる方式を用いることができる。
【0030】
図3は、電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器30の軸方向の断面構成を示す概念図である。図において本回転検出器30では、前記電磁気的Z相発生手段を、ロータ31に1個設けられた信号発生誘起構造32と、該ロータ31の回転に伴う該信号発生誘起構造32の回転により生じる電磁気的変化を検出して1回転当たり1個の位置信号を発生するための信号取出し部34と、により構成することができる(請求項6)。図において本回転検出器30は、軸36と一体に設けられた前記ロータ31、ステータ35を備えて構成される。
【0031】
図において該信号発生誘起構造32は、軸36の回転数1につき1個の位置信号を発生させるために、該ロータ31上に1個設けられる。しかしながらこれは、あくまでも一のZ相発生のための条件であり、本発明の回転検出器に設けられる信号発生誘起構造の数が1個に限定されることを意味しない。すなわち、信号発生誘起構造とそれに対応する信号取出し部との組合せを、複数揃い設けることによって、一の本発明回転検出器で複数の異なるZ相を発生させることも、本発明では可能である。
【0032】
図において本回転検出器30は、前記信号取出し部34を、前記ステータ35に設けられたコイル341と、該コイル341から伝達される出力信号を処理して、絶対角度検出のための位置信号を出力することのできる信号処理部342と、から構成することができる(請求項7)。すなわち図において、本発明の回転検出器30の電磁気的Z相発生手段は、前記ロータ32上に設けられた信号発生誘起構造32の回転に基づいて発生する電磁気的な変化を、信号取出し部34を構成するコイル341で検知して、これを同じく信号取出し部34を構成する信号処理部342に伝達し、該信号処理部342で処理する過程を経ることによって、Z相を発生することができる。
【0033】
図4は、電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバの、信号変調部の構成例を示す説明図である。図において本回転検出器では、前記コイルを、異なる回転方向位置(ステータの、異なる円周上位置を意味する。)に設けられた2個のコイル41A(図において、41A1ならびに41A2からなるコイル。)、および41B(図において、41B1ならびに41B2からなるコイル。)とし、前記信号処理部を、該2個のコイル41A(41A1、41A2)、および41B(41B1、41B2)からの各出力信号を比較して1回転当たり1個の位置信号を出力する構成とすることができる(請求項8)。
【0034】
図において本回転検出器は、軸46に一体に設けられたロータコア43と、ステータコア45と、を備えて構成され、該コイル41A(コイル41A1および41A2)には出力リード線41A3が、また該コイル41B(コイル41B1および41B2)には出力リード線41B3が、それぞれ設けられ、これらは図示しない信号処理部に接続される。前記コイル41A等はステータコア45に設けられるものであるため、これらについて「回転方向位置」とは、前記ロータコア43の回転と対応して把握することのできる、ステータの円周上位置を意味する。
【0035】
図において本回転検出器の信号変調部は上述のように構成されるため、異なる回転方向位置に設けられた2個のコイル41A(41A1、41A2)、41B(41B1、41B2)においては、ロータコア43の回転に伴う、該ロータコア43上に設けられた信号発生誘起構造による電磁気的な変化の発生が、相互に時間差を有して検知される。それぞれにおいて検知された電磁気的変化は、出力リード線41A3、41B3により出力信号として信号処理部に伝達され、処理される。すなわち時間差を有して各コイル41A等により検知された各出力信号が比較されて処理され、最終的に軸46の1回転当たり1個の位置信号(Z相)が出力される。
【0036】
図において、本回転検出器の信号発生誘起構造は、前記ロータのロータコア43に設けられた欠切部437とし、前記信号取出し部が検出する電磁気的変化としては、前記コイル41A等におけるインピーダンス変化を用いる構成とすることができる(請求項9)。すなわち、該欠切部437を有するロータコア43が回転することにより、該ロータコア43と対向するステータコア45上の各コイル41A等においては、経時的に変化する対向ロータコア43位置に応じて、電磁気的変化が検知される。つまり、コイル41A等が相対するのが、該欠切部437配設位置の場合と、そうでない他のロータコア43上位置の場合とでは、それらの間に電磁気的な変化が発生し得る。
【0037】
本例においては、図示するように、該欠切部437がコイル41A1とコイル41A2の中間位置に相対した場合、コイル41A(41A1、41A2)のインピーダンスは、該欠切部437が同位置に相対しない場合と比較して低下する。1回転につき1度生じるインピーダンス低下現象を検知対象として、該現象が各コイル41A(41A1、41A2)、41B(41B1、41B2)において検知される角度のずれにより発生する、両出力信号比較結果の変化から、Z相の発生を可能とする。つまり、コイルのインピーダンス変化という磁気的現象を利用して、Z相発生手段とすることができる。
【0038】
図5は、電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバの、信号処理部による信号処理例を示すブロック図である。図において、コイル54A(図4の説明で述べた、コイル41Aと回路的に同一。)は交流信号源51および定電流駆動回路52Aに接続されて回路を構成し、また一方、コイル54B(同じく図4の説明で述べた、コイル41Bと回路的に同一。)は交流信号源51および定電流駆動回路52にB接続されて回路を構成する。本回転検出器による信号処理方法は、コイル54A、およびコイル54Bから伝達された信号が、それぞれ整流回路53A、53Bにより整流処理され、これらがコンパレータ55に入力されて比較処理され、コンパレータ出力信号を出力する(59)ように構成される。
【0039】
図6は、電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバによる、Z相発生例を示すグラフ図であり、上段のものは軸角度によるコイルのインピーダンス変化を、また下段のものは軸角度によるコンパレータ出力信号変化を、それぞれ示すグラフ図である。上段のグラフ図中、コイル A、コイルBはそれぞれ、前記コイル54A、コイル54Bにおいて検知されたインピーダンスの、軸角度による変化を表す。図に示されるように、各コイル間の配設位置が回転方向上で異なるため、信号変化の発生に角度の差が生じる。
【0040】
図の下段グラフ図中、“L”、“H”は、コイルAおよびBのインピーダンスが比較されて発生するコンパレータ出力の例である。図に示されるように本例では、1回転で1個の“H”信号が発生し、本発明回転検出器の目的であるZ相発生を得ることができる。
【0041】
以上述べた本発明の回転検出器は、その信号処理方式や相数構成が特定のものに限定されず、公知のあらゆる方式・構成のものを含む。したがって、信号処理形式としては、1相励磁/2相出力、2相励磁/1相出力、または2相励磁/1相出力のいずれの形式も該当し、また、ブラシ付き、ブラシレスの両タイプを含むレゾルバも該当する(請求項10)。同様に、信号処理形式として、1相励磁/3相出力、または3相励磁/1相出力の信号処理形式を有する、ブラシレスタイプを含むシンクロも該当する(請求項11)。
【0042】
図4(前出)においては、電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバの、信号変調部の構成例を示したが、ロータコア43は図示するように、信号発生誘起構造として一個の欠切部437が設けられた構成とすることができる(請求項12)。該欠切部437の形状は図では半円形または略半円形であるが、本発明のロータコアは係る形状やサイズには限定されず、適宜の形状・サイズのものを用いることができる。
【0043】
また、電磁気的な信号発生誘起構造としては該欠切部437のような物理構造的な構造が簡便かつ効果的であるが、他の方法を用いることもできる。たとえば、電磁気的な特性が周囲とは異なる材質を用いて構成するなど、化学的な構成を用いることもできる。
【0044】
図4において、本ロータコア43は、前記欠切部437とのバランスをとるためのバランス構造を設けた構成とすることができる(請求項13)。該バランス構造は、前記ロータコア上に穴439を形成する構造とすることができる(請求項14)。これにより、該欠切部437との重量バランスを簡便にとることができる。該欠切部穴439の形状は、図では角丸四角形であるが、本発明のロータコアは係る形状やサイズには限定されず、該欠切部437とのバランスをとることのできる適宜の形状・サイズのものを用いることができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の回転検出器は上述のように構成されているため、軸倍角が2以上のレゾルバ等回転検出器でも、精度の高い回転角度検出性能とともに絶対角度検出機能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転検出器の断面構成を示す概念図である。
【図2】本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバの断面構成等を示す、半断面図を含む説明図である。
【図3】電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器の軸方向の断面構成を示す概念図である。
【図4】電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバの、信号変調部の構成例を示す説明図である。
【図5】電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバの、信号処理部による信号処理例を示すブロック図である。
【図6】電磁気的Z相発生手段を有する本発明の回転検出器の例であるブラシレスレゾルバによる、Z相発生例を示すグラフ図であり、上段のものは軸角度によるコイルのインピーダンス変化を、また下段のものは軸角度によるコンパレータ出力信号変化を、それぞれ示すグラフ図である。
【図7】従来の回転検出器の例としてブラシレスレゾルバの構造を示す、側面方向視の半断面図である。
【符号の説明】
1…回転検出器、 3…Z相発生手段、 5…回転検出部(信号変調部)、 6、16…軸、 8、18…ケース、 10…ブラシレスレゾルバ、 13…電磁気的Z相発生手段(Z相部)、 15…レゾルバ部、 23…Z相信号線、 25…レゾルバ信号線、 30…回転検出器、 31…ロータ、 32…信号発生誘起構造、 34…信号取出し部、 35…ステータ、 36…軸、 341…コイル、 342…信号処理部、 41A1、41A2、41B1、41B2…コイル、 41A3、41B3…出力リード線、 43…ロータコア、 45…ステータコア、 46…軸、 437…欠切部、 439…ロータコアバランス用のバランス構造により形成される穴、 51…交流信号源、 52A、52B…定電流駆動回路、 53A、53B…整流回路、 54A、54B…コイル、55…コンパレータ、 59…信号出力部、 71…信号変調部、 75…ケース、 311…ロータ鉄心、 312…ステータ鉄心、 313…ロータトランス、 314…ステータトランス
Claims (14)
- 励磁電圧により誘起される出力電圧を検出すべき回転角に応じて変調する機能を備えた、軸倍角が2以上である回転検出器であって、該回転検出器には、1回転当たり1個出力される位置信号(以下、「Z相」という。)を発生するためのZ相発生手段が設けられていることを特徴とする、回転検出器。
- 前記Z相発生手段は、1回転当たり1度発生する光学的な信号に基づいて1個の位置信号を発生する、光学的Z相発生手段であることを特徴とする、請求項1に記載の回転検出器。
- 前記Z相発生手段は、1回転当たり1度発生する静電容量の変化に基づく信号に基づいて1個の位置信号を発生する、静電容量的Z相発生手段であることを特徴とする、請求項1に記載の回転検出器。
- 前記Z相発生手段は、1回転当たり1度発生する電磁気的な信号に基づいて1個の位置信号を発生する、電磁気的Z相発生手段であることを特徴とする、請求項1に記載の回転検出器。
- 前記電磁気的Z相発生手段が、レゾルバ等の電磁誘導作用を利用する手段、ホール素子、MR素子等の磁気的手段、またはコイルのインピーダンス変化等を利用する電磁気的手段のいずれかであることを特徴とする、請求項4に記載の回転検出器。
- 前記電磁気的Z相発生手段は、該回転検出器を構成するロータに1個設けられた信号発生誘起構造と、該ロータ回転に伴う該信号発生誘起構造の回転により生じる電磁気的変化を検出して1回転当たり1個の位置信号を発生するための信号取出し部と、を備えてなることを特徴とする、請求項4または5に記載の回転検出器。
- 前記信号取出し部は、該回転検出器を構成するステータに設けられたコイルと、該コイルからの出力信号を処理して絶対角度検出のための位置信号を出力する信号処理部と、からなることを特徴とする、請求項6に記載の回転検出器。
- 前記コイルは異なる回転方向位置に設けられた2個のコイルであり、前記信号処理部は該2個のコイルからの各出力信号を比較して1回転当たり1個の位置信号を出力するものであることを特徴とする、請求項7に記載の回転検出器。
- 前記信号発生誘起構造は、前記ロータのロータコアに設けられた欠切部であり、前記信号取出し部が検出する電磁気的変化は前記コイルのインピーダンス変化であることを特徴とする、請求項6ないし8のいずれかに記載の回転検出器。
- 前記回転検出器は、1相励磁/2相出力、2相励磁/1相出力、または2相励磁/1相出力のいずれかの信号処理形式を有する、ブラシレスタイプを含むレゾルバであることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の回転検出器。
- 前記回転検出器は、1相励磁/3相出力、または3相励磁/1相出力の信号処理形式を有する、ブラシレスタイプを含むシンクロであることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の回転検出器。
- 前記信号発生誘起構造とすることのできる一個の欠切部が設けられていることを特徴とする、回転検出器のロータコア。
- 前記欠切部の設けられたロータコアのバランスをとるためのバランス構造が設けられていることを特徴とする、請求項12に記載の回転検出器のロータコア。
- 前記バランス構造は、前記ロータコア上に穴を形成する構造であることを特徴とする、請求項13記載の回転検出器のロータコア。
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