JP2004162812A - 高圧ガス貯蔵容器及びこれを用いた燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】内部の温度上昇を効果的に抑えて、高圧ガスの充填時間を短縮できるようにする。
【解決手段】パイプ状容器7の内部に水素吸蔵合金8を収容して吸熱ユニット6とする。そして、この吸熱ユニット6を圧力容器としてのライナー部2の内部に配設する。吸熱ユニット6は、水素吸蔵合金8が水素を放出する際の吸熱反応によって、高圧ガス充填時にライナー部2の内部で生ずる熱を積極的に吸収する。これにより、高圧ガス充填時における温度上昇が効果的に抑えられる。
【選択図】 図1
【解決手段】パイプ状容器7の内部に水素吸蔵合金8を収容して吸熱ユニット6とする。そして、この吸熱ユニット6を圧力容器としてのライナー部2の内部に配設する。吸熱ユニット6は、水素吸蔵合金8が水素を放出する際の吸熱反応によって、高圧ガス充填時にライナー部2の内部で生ずる熱を積極的に吸収する。これにより、高圧ガス充填時における温度上昇が効果的に抑えられる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素ガス等の高圧ガスが充填される高圧ガス貯蔵容器及びこれを水素供給源として用いた燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、燃料である水素ガスと酸化剤である空気等を電気化学的に反応させることにより、燃料の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換するものである。燃料電池は、排気がクリーンであること、高エネルギー効率であること等から、大気汚染や二酸化炭素による地球温暖化の問題等に対処し得る技術として注目されている。
【0003】
燃料電池を用いた発電システム(燃料電池システム)では、燃料である水素ガスを供給する水素供給源が必要であり、この水素供給源として、高圧の水素ガスが充填された高圧水素ガスタンクを用いる試みがなされている。このような燃料電池システムでは、高圧水素ガスタンク内の水素を流量制御弁等で流量制御し、水素供給配管を通して燃料電池の燃料極に供給している。したがって、高圧水素ガスタンク内の水素残量が減少したときには、例えばガソリンスタンドのような水素ステーションにおいて、水素ガスを高圧水素ガスタンク内に補填する必要がある。
【0004】
ところで、高圧ガスタンクに高圧ガスを充填する際には、充填に伴ってタンク内の温度が上昇することが知られている。特に、急速に高圧ガスを充填すると、急激にタンク内の温度が上昇し、タンク内の高圧ガスが満量に達する前にタンク内圧が上昇し過ぎたり、タンクの加熱により溶栓弁が開いてしまう虞れがある。このため、高圧ガスタンクへの高圧水素ガスの充填をゆっくりと行わなければならず、充填時間を短縮することができないという不都合が生ずる。例えば、燃料電池自動車において、燃料である水素ガスの充填に長時間を要することは、使用者にとっては非常に不便であり、普及の妨げになる虞れがある。
【0005】
そこで、この問題の一解決策として、高圧ガスタンク内に放熱フィンを設け、高圧ガス充填時の発熱をタンク外に放熱する構造とすることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−181295号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この特許文献1に記載される技術では、水素タンクの内部に充填された水素との熱の授受を行う内部熱交換フィン組立体を備え、この内部熱交換フィン組立体とエンドボスを熱的に結合することにより放熱を行うように構成している。すなわち、高圧ガスタンク内部で発生した熱を、熱伝導体である内部熱交換フィン組立体からエンドボスに伝達し、タンク外部に導いてここから放熱している。
【0008】
しかしながら、この方式では高圧ガスタンク外部への放熱面積が限られ、効率的な放熱が難しい。また、例えば外気温が高い真夏の炎天下等においては、やはり効率的な放熱は難しい。したがって、高圧ガスタンク内の温度上昇をより効果的に防止するための改良が求められている。
【0009】
本発明は、以上のような従来技術の有する欠点を解消するために提案されたものであり、内部の温度上昇を効果的に抑えることができ、高圧ガスの充填時間を短縮することが可能な高圧ガス貯蔵容器及びこれを用いた燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の高圧ガス貯蔵容器は、水素吸蔵合金が水素を放出する際の吸熱反応を利用して高圧ガス充填時の温度制御が行われることを特徴とするものである。
【0011】
水素吸蔵合金は、水素を吸蔵する際には発熱し、水素を放出する際には吸熱する。本発明の高圧ガス貯蔵容器では、水素吸蔵合金が水素を放出する際の吸熱反応を利用して、高圧ガス充填時に容器内部で生ずる熱を積極的に吸収するようにしているので、容器内の温度上昇が効果的に抑えられる。
【0012】
前記高圧ガス容器は、例えば、燃料電池システムの水素供給源である高圧水素ガスタンクとして用いることができる。すなわち、燃料電池本体と、この燃料電池本体に燃料である水素を供給する水素供給手段とを備える燃料電池システムにおいて、前記水素供給手段の水素供給源として、水素吸蔵合金が水素を放出する際の吸熱反応を利用して高圧水素ガス充填時の温度制御が行われる高圧ガス貯蔵容器が用いられる。このような燃料電池システムでは、燃料である水素ガスの充填時間が大幅に短縮されることになる。
【0013】
【発明の効果】
本発明の高圧ガス貯蔵容器においては、水素吸蔵合金が水素を放出する際の吸熱反応を利用し、高圧ガス充填時に容器内部で生ずる熱を積極的に吸収するようにしているので、内部の温度上昇を効果的に抑えることができ、高圧ガスの充填時間を大幅に短縮することが可能である。
【0014】
また、本発明の燃料電池システムでは、水素供給源として用いる高圧ガス貯蔵容器の内部の温度上昇を効果的に抑えることができ、高圧ガスの充填時間を大幅に短縮することができるので、例えば燃料電池自動車の動力源として用いた場合には、燃料の補給が速やかに行われて利便性が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した高圧ガス貯蔵容器及び燃料電池システムについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下で説明する高圧ガス貯蔵容器は、燃料電池システムにおいて、燃料電池に供給する水素ガスを貯蔵するためのものとして有効に適用されるが、これに限らず、種々の分野における高圧ガスタンクとしての適用が可能である。
【0016】
(第1の実施形態)
本実施形態の高圧ガス貯蔵容器の概略構成を図1に示す。この図1に示す高圧ガス貯蔵容器1は、圧力容器であるアルミニウム製のライナー部2が、外壁補強部材3によって補強された構造となっている。外壁補強部材3は、例えば繊維強化プラスチック(FRP)により形成されており、ライナー部2がこの外壁補強部材3によって補強されることで、軽量でありながら高圧ガス貯蔵容器1としての強度を十分に確保することが可能となっている。
【0017】
圧力容器としてのライナー部2の一端側(図1中の左端側)には、高圧ガスの出入り口となるバルブユニット締結部4が設けられており、ここにバルブユニット(図示は省略する。)が締結される。バルブユニットは、これを介して高圧ガス貯蔵容器1内への高圧ガスの充填、あるいは高圧ガス貯蔵容器1内の高圧ガスの放出を行うためのものであり、したがって不用意なガス漏れがないように、ライナー部2に対して高度に気密性を保った状態で取り付けられる。本実施形態では、バルブユニット締結部4の内周面にネジ山が刻まれており、ここに外周面にネジ山が刻まれたバルブユニットが締結されて、気密性が確保されるようになっている。
【0018】
一方、ライナー部2の他端側(図1中の右端側)には、エンドキャップ5が取り付けられ、このエンドキャップ5によってライナー部2の他端側における気密性が高度に保たれるようになっている。
【0019】
以上の構造は通常の高圧ガス貯蔵容器と同様であるが、本実施形態の高圧ガス貯蔵容器1では、エンドギャップ5と一体に吸熱ユニット6が設けられて、この吸熱ユニット6がライナー部2の内部に内蔵されている点に大きな特徴を有している。以下、この高圧ガス貯蔵容器1における特徴点である吸熱ユニット6について説明する。
【0020】
吸熱ユニット6は、水素吸蔵合金の水素放出時における吸熱反応を利用して高圧ガス貯蔵容器1の温度制御を行うものである。この吸熱ユニット6は、パイプ状容器7とこれに収容される水素吸蔵合金8とからなり、例えば細長い棒状に形成されて、ライナー部2の中心軸に沿ってライナー部2内に配設されている。
【0021】
パイプ状容器7は、先端部が閉塞された中空のパイプであり、基端部においてエンドキャップ5と一体化されている。パイプ状容器7の材質は、水素を透過したり吸蔵するものは避けることが好ましく、耐圧、及び耐熱強度を十分に確保し得る材質を選択して使用することが好ましい。
【0022】
このパイプ状容器7内には水素吸蔵合金8が収容されるが、この水素吸蔵合金8は、水素吸蔵・放出時に変形(体積変化)を起こすことから、パイプ状容器7とは完全に密着させず、空間的に若干の余裕をもってパイプ状容器7内に収容される。水素吸蔵合金8としては、LaNi5系合金やMg2NiH5系合金、VTiCr系合金等、公知の水素吸蔵合金をいずれも使用することができ、特に限定されるものではない。
【0023】
このような吸熱ユニット6を備えた高圧ガス貯蔵容器1においては、高圧ガス充填時には、吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8から水素を放出させることで、その吸熱反応を利用して、高圧ガスの充填に伴う温度上昇を抑制する。ここで、吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8から放出した水素は、エンドキャップ5を介してライナー部2及び外壁補強部材3の外部へと排出させるようにすればよい。
【0024】
以上の構成を有する高圧ガス貯蔵容器1においては、水素吸蔵合金8が水素を放出する際の吸熱反応を利用し、高圧ガス充填時にライナー部2内で生ずる熱を積極的に吸収するようにしているので、ライナー部2内の温度上昇を効果的に抑えることができる。したがって、従来、温度上昇を抑えるためにゆっくりと行う必要が生じていた高圧ガスの充填を迅速に行うことができ、高圧ガスの充填時間を大幅に短縮することが可能である。
【0025】
また、吸熱ユニット6とエンドキャップ5とを一体構造としているので、エンドキャップ5の取り付けと同時に冷却装置である吸熱ユニット6を備え付けることができ、組み立て工程を簡略化することができるとともに、システム全体の構造を簡略化することができる。また、エンドキャップ5は、高圧ガス貯蔵容器1への高圧ガス充填時に最も高温化する部位であり、高圧ガス貯蔵容器1の冷却を考えた場合、このエンドキャップ5と一体に吸熱ユニット6を設けることで、高い熱交換効率が実現される。さらに、水素吸蔵合金8を収容するパイプ状容器7の気密性をエンドキャップ5と同等に保つことができる。
【0026】
さらに、ライナー部2の内部においては、その中心軸付近が高圧ガス充填時に最も高温化する傾向にあるが、この部分に吸熱ユニット6が配置されるようにすることによって、高圧ガス充填時における熱交換性能が最適化されて、より効果的な温度制御が実現される。
【0027】
(第2の実施形態)
本実施形態は、吸熱ユニットに収容される水素吸蔵合金から放出される水素をサブタンクに収容された水素吸蔵合金で吸蔵するようにした例である。本実施形態では、高圧ガス貯蔵容器1の構造は上述した第1の実施形態のものと同様であるので、同一の部材には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0028】
本実施形態の高圧ガス貯蔵容器1は、図2及び図3に示すように、水素吸蔵合金9を収容したサブタンク10を備えていることが大きな特徴である。このサブタンク10は、吸熱ユニット6に収容された水素吸蔵合金8から放出される水素を一時的に蓄えておくためのものであり、水素導入流路11を介して吸熱ユニット6のパイプ状容器7と連結されている。
【0029】
水素導入流路11の中間位置には、ソレノイドバルブ12が設置されており、このソレノイドバルブ12を開放することにより、吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8から放出された水素がサブタンク10内へと導入されるようになっている。このソレノイドバルブ12の開閉動作は、制御回路13によって制御される。
【0030】
ところで、ライナー部2の一端側に設けられたバルブユニット締結部4には、充填レセプタクル14及びバルブユニット15が取り付けられ、この充填レセプタクル14及びバルブユニット15の操作により、高圧ガスの充填、あるいは放出が行われるようになっている。本実施形態の高圧ガス貯蔵容器1においては、ソレノイドバルブ12の開閉動作を制御する制御回路13が、充填レセプタクル14の蓋16と接続されてその開閉を検知できるようになっており、この蓋16の開閉、すなわちバルブユニット15の開閉と同期して、ソレノイドバルブ12の開閉動作を制御するようにしている。これにより、ライナー部2内の温度上昇が生じるタイミングで適切に吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8から水素を放出させて、サブタンク10内へと導入することができる。
【0031】
サブタンク10には、前記水素導入流路11の他、水素返送流路17が接続されており、このサブタンク10内の水素吸蔵合金9から放出される水素がこの水素返送流路17を介して吸熱ユニット6へと返送されるようになっている。この水素返送流路17は、水素導入流路11と並列に設けられており、サブタンク10のガス出入り口手前位置及びエンドキャップ5手前位置において、水素導入流路11と合流され、それぞれサブタンク10及びエンドキャップ5に接続されている。
【0032】
この水素返送流路17には、水素を返送するための返送ポンプ18が設けられているとともに、水素導入流路11との合流位置(分岐位置)近傍には水素の逆流を防止する逆止弁19が設けられている。
【0033】
以上の構成を有する高圧ガス貯蔵容器1に高圧ガスを充填する際は、充填レセプタクル14の蓋16を開けて、例えば水素ガス等の高圧ガスをバルブユニット15を介してライナー部2の内部へと充填する。このとき、充填レセプタクル14の蓋16の開放が制御回路13によって検知され、制御回路13がソレノイドバルブ12を開放させる制御を行う。
【0034】
高圧ガスの充填時においては、吸熱ユニット6内の気圧がサブタンク10内の気圧よりも高く保たれており、図2に示すように、吸熱ユニット6内の水素ガスは水素導入流路11を通って自発的にサブタンク10へと流れ、サブタンク10内の水素吸蔵合金9に吸蔵される。吸熱ユニット6内では、水素吸蔵合金8の水素放出による吸熱反応が起こり、これにより高圧ガス貯蔵容器1は冷却され、また高圧ガス充填時に発生する熱量も奪われるので、高圧ガス貯蔵容器1内の最高到達温度が低下することになる。
【0035】
一方、高圧ガス充填終了後、充電レセプタクル14の蓋16が閉じられると、これに連動して制御回路14によってソレノイドバルブ12が閉じられる。そして、高圧ガス貯蔵容器1の温度が一定になったら、図3に示すように、サブタンク10内の水素吸蔵合金9に吸蔵されていた水素が返送ポンプ18によって吸引されて、水素返送流路17を通って吸熱ユニット6へと返送される。吸熱ユニット6へと返送された水素は、パイプ状容器7内の水素吸蔵合金8に再び吸蔵される。
【0036】
このとき、水素を急激に戻すと吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8が激しく発熱するので、返送ポンプ18の出力を吸熱ユニット6側の圧力センサ等の情報に基づいて制御し、ゆるやかに水素を吸熱ユニット6に戻す。吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8にサブタンク10内の水素が十分に吸蔵され、且つ吸熱ユニット6内の圧力がサブタンク10の圧力よりも高くなった状態で、返送ポンプ18の動作が停止される。これにより、次回の高圧ガス充填のための準備が完了する。
【0037】
以上説明したように、本実施形態の高圧ガス貯蔵容器1では、放熱ユニット6の水素吸蔵合金8から放出された水素を別容器であるサブタンク10に一時的に蓄えるようにしているので、高圧ガスの充填時に発生する熱エネルギーがライナー部2の外部にて蓄えられることになり、冷却効率の更なる向上を図ることができる。
【0038】
また、高圧ガス充填時には吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8周囲の気圧を下げて、水素が自発的に放出されることで吸熱反応を促進させるようにしているので、高圧ガス貯蔵容器1の最高到達温度をより効果的に抑えることができる。さらに、一旦別の容器(サブタンク10)に蓄えた水素を、高圧ガスの充填を行っていない通常運転時にゆるやかに元の水素吸蔵合金8に戻すようにしているので、吸蔵時発熱を抑えつつ水素を再利用することができる。特に、高圧ガスの充填が終了した後、この高圧ガスを消費するための放出を行っている間は、ライナー部2内の温度が低下するため、吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8へ水素を吸蔵させ易くなる。
【0039】
(第3の実施形態)
本実施形態は、以上のような構成の高圧ガス貯蔵容器を燃料電池システムに適用した例である。燃料電池システムには、燃料電池に燃料である水素を供給するための水素供給系が設けられている。本実施形態では、この燃料電池システムの水素供給系における高圧水素タンクとして、上述した構成の高圧ガス貯蔵容器を用いている。
【0040】
図4は、例えば燃料電池自動車に搭載される燃料電池システムの構成を示すものである。この燃料電池システムは、燃料電池自動車の駆動電力を発電する燃料電池スタック(燃料電池本体)21と、この燃料電池スタック21に燃料である水素(あるいは水素リッチガス)を供給する水素供給系22と、燃料電池スタック21に酸化剤である空気を供給する空気供給系23と、燃料電池スタック21に加湿用の水を供給する加湿手段24と、燃料電池スタック21を冷却するための冷却手段25とを備えて構成される。
【0041】
燃料電池スタック21は、水素が供給される水素極と酸素(空気)が供給される空気極とが電解質・電極触媒複合体を挟んで重ね合わされて発電セルが構成されるとともに、複数の発電セルが多段積層された構造を有し、電気化学反応により化学エネルギーを電気エネルギーに変換する。水素極では、水素が供給されることで水素イオンと電子に解離し、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、空気極にそれぞれ移動する。空気極では、供給された空気中の酸素と前記水素イオン及び電子が反応して水が生成し、外部に排出される。
【0042】
燃料電池スタック21の電解質としては、高エネルギー密度化、低コスト化、軽量化等を考慮して、例えば固体高分子電解質が用いられる。固体高分子電解質は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能することから、この燃料電池スタック21においては水を供給して加湿することが必要になる。
【0043】
水素供給系22は、高圧水素タンク31、流量制御バルブ32、エゼクタ33、水素供給配管34、水素循環配管35を備えている。そして、水素供給源である高圧水素タンク31から供給される水素ガスが、流量制御バルブ32及びエゼクタ33を通って水素供給配管34へと送り込まれ、燃料電池スタック21の水素極へと供給されるようになっている。
【0044】
燃料電池スタック21では供給された水素ガスが全て消費されるわけではなく、残った水素ガス(燃料電池スタック21から排出される水素ガス)は、水素循環配管35を通ってエゼクタ33により循環され、新たに供給される水素ガスと混合されて、再び燃料電池スタック21の燃料極に供給される。なお、水素ガスを循環させることによって水素循環配管35内には不純物や窒素等が蓄積し、これが水素分圧を低下させて燃料電池スタック21の発電効率を低下させる要因となる場合があるが、燃料電池スタック21の出口側にはパージ弁36及びパージ配管37が設けられており、必要に応じてこれらパージ弁36やパージ配管37を通して水素循環配管35内の不純物や窒素等を除去することにより、以上のような問題が回避されるようになっている。
【0045】
本実施形態の燃料電池システムでは、この水素供給系22の高圧水素タンク31として、上述した構成の高圧ガス貯蔵容器が用いられている。これにより、高圧水素タンク31の水素充填時における温度上昇が有効に抑制され、充填時間の大幅な短縮を図ることができる。したがって、この燃料電池システムを燃料電池自動車に搭載して動力源とした場合には、例えばガソリンの補給と同じように、燃料である水素ガスの補給を短時間で行うことができる。また、上述した第2の実施形態で説明したようにサブタンク10を設けた高圧ガス貯蔵容器を高圧水素タンク31として用いた場合には、高圧水素ガスの充填を行った後、燃料電池自動車の走行中に車載バッテリを電源として返送ポンプ18を作動させ、サブタンク10内の水素吸蔵合金9から水素を吸い出して吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8に吸蔵させることで、次の水素充填のための準備を行うことができる。
【0046】
空気供給系23は、空気を送り込むコンプレッサ41、空気供給配管42、及びスロットル43を備えている。そして、コンプレッサ41によって供給される酸化剤としての空気が、空気供給配管42より燃料電池スタック21の空気極に供給されるようになっている。また、燃料電池スタック21で消費されなかった酸素及び空気中の他の成分は、燃料電池スタック21からスロットル43を介して排出されるようになっている。
【0047】
加湿手段24は、加湿用の水を供給する加湿水供給通路51、余分な水を回収する水回収通路52、加湿用の水を貯蔵する貯水タンク53、貯水タンク53内の水を汲み上げるための加湿水供給ポンプ54とを備えている。そして、貯水タンク53内の水が、加湿水供給ポンプ54によって汲み上げられて、加湿水供給通路51を経て燃料電池スタック21の加湿に供されるようになっている。また、加湿に寄与しなかった余剰の水は、水回収通路52を経て貯水タンク53に戻されるようになっている。なお、加湿水は、燃料電池スタック21に直接供給しないで、燃料電池スタック21に供給するガス(水素リッチガスや空気)を加湿するための加湿器に供給するようにしてもよい。
【0048】
また、固体高分子電解質型の燃料電池スタック21は、適正な作動温度が80℃程度と比較的低く、過熱時には冷却することが必要である。そこで、この燃料電池システムにおいては、燃料電池スタック21を冷却する冷却手段25が設けられている。この冷却手段25は、冷媒を循環させながら燃料電池スタック21へと供給する循環経路61を有し、例えば冷媒である不凍液(純水よりも凝固点の低い液体)により燃料電池スタック21を冷却し、これを最適な温度に維持するようになっている。循環経路61内には、放熱手段としてのラジエータ62が設けられており、燃料電池スタック21の冷却により加熱された冷媒は、ここで冷却される。
【0049】
以上の構成を有する燃料電池システムにおいては、水素供給系22の高圧水素タンク31として、水素吸蔵合金が水素を放出する際の吸熱反応を利用して高圧水素ガス充填時の温度制御が行われる高圧ガス貯蔵容器が用いられているので、水素ガスの充填時間を大幅に短縮することができ、例えば燃料電池自動車に搭載した場合に、ガソリンの補給と同じように水素ガスを補給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した高圧ガス貯蔵容器の一例を示す断面図である。
【図2】サブタンクを設けた高圧ガス貯蔵容器の一例を示す図である。
【図3】サブタンクから吸熱ユニットに水素を返送する様子を示す図である。
【図4】前記高圧ガス貯蔵容器を水素供給源として用いた燃料電池システムの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 高圧ガス貯蔵容器
5 エンドキャップ
6 吸熱ユニット
7 パイプ状容器
8,9 水素吸蔵合金
10 サブタンク
11 水素導入流路
12 ソレノイドバルブ
14 充填レセプタクル
15 バルブユニット
17 水素返送流路
18 返送ポンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素ガス等の高圧ガスが充填される高圧ガス貯蔵容器及びこれを水素供給源として用いた燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、燃料である水素ガスと酸化剤である空気等を電気化学的に反応させることにより、燃料の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換するものである。燃料電池は、排気がクリーンであること、高エネルギー効率であること等から、大気汚染や二酸化炭素による地球温暖化の問題等に対処し得る技術として注目されている。
【0003】
燃料電池を用いた発電システム(燃料電池システム)では、燃料である水素ガスを供給する水素供給源が必要であり、この水素供給源として、高圧の水素ガスが充填された高圧水素ガスタンクを用いる試みがなされている。このような燃料電池システムでは、高圧水素ガスタンク内の水素を流量制御弁等で流量制御し、水素供給配管を通して燃料電池の燃料極に供給している。したがって、高圧水素ガスタンク内の水素残量が減少したときには、例えばガソリンスタンドのような水素ステーションにおいて、水素ガスを高圧水素ガスタンク内に補填する必要がある。
【0004】
ところで、高圧ガスタンクに高圧ガスを充填する際には、充填に伴ってタンク内の温度が上昇することが知られている。特に、急速に高圧ガスを充填すると、急激にタンク内の温度が上昇し、タンク内の高圧ガスが満量に達する前にタンク内圧が上昇し過ぎたり、タンクの加熱により溶栓弁が開いてしまう虞れがある。このため、高圧ガスタンクへの高圧水素ガスの充填をゆっくりと行わなければならず、充填時間を短縮することができないという不都合が生ずる。例えば、燃料電池自動車において、燃料である水素ガスの充填に長時間を要することは、使用者にとっては非常に不便であり、普及の妨げになる虞れがある。
【0005】
そこで、この問題の一解決策として、高圧ガスタンク内に放熱フィンを設け、高圧ガス充填時の発熱をタンク外に放熱する構造とすることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−181295号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この特許文献1に記載される技術では、水素タンクの内部に充填された水素との熱の授受を行う内部熱交換フィン組立体を備え、この内部熱交換フィン組立体とエンドボスを熱的に結合することにより放熱を行うように構成している。すなわち、高圧ガスタンク内部で発生した熱を、熱伝導体である内部熱交換フィン組立体からエンドボスに伝達し、タンク外部に導いてここから放熱している。
【0008】
しかしながら、この方式では高圧ガスタンク外部への放熱面積が限られ、効率的な放熱が難しい。また、例えば外気温が高い真夏の炎天下等においては、やはり効率的な放熱は難しい。したがって、高圧ガスタンク内の温度上昇をより効果的に防止するための改良が求められている。
【0009】
本発明は、以上のような従来技術の有する欠点を解消するために提案されたものであり、内部の温度上昇を効果的に抑えることができ、高圧ガスの充填時間を短縮することが可能な高圧ガス貯蔵容器及びこれを用いた燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の高圧ガス貯蔵容器は、水素吸蔵合金が水素を放出する際の吸熱反応を利用して高圧ガス充填時の温度制御が行われることを特徴とするものである。
【0011】
水素吸蔵合金は、水素を吸蔵する際には発熱し、水素を放出する際には吸熱する。本発明の高圧ガス貯蔵容器では、水素吸蔵合金が水素を放出する際の吸熱反応を利用して、高圧ガス充填時に容器内部で生ずる熱を積極的に吸収するようにしているので、容器内の温度上昇が効果的に抑えられる。
【0012】
前記高圧ガス容器は、例えば、燃料電池システムの水素供給源である高圧水素ガスタンクとして用いることができる。すなわち、燃料電池本体と、この燃料電池本体に燃料である水素を供給する水素供給手段とを備える燃料電池システムにおいて、前記水素供給手段の水素供給源として、水素吸蔵合金が水素を放出する際の吸熱反応を利用して高圧水素ガス充填時の温度制御が行われる高圧ガス貯蔵容器が用いられる。このような燃料電池システムでは、燃料である水素ガスの充填時間が大幅に短縮されることになる。
【0013】
【発明の効果】
本発明の高圧ガス貯蔵容器においては、水素吸蔵合金が水素を放出する際の吸熱反応を利用し、高圧ガス充填時に容器内部で生ずる熱を積極的に吸収するようにしているので、内部の温度上昇を効果的に抑えることができ、高圧ガスの充填時間を大幅に短縮することが可能である。
【0014】
また、本発明の燃料電池システムでは、水素供給源として用いる高圧ガス貯蔵容器の内部の温度上昇を効果的に抑えることができ、高圧ガスの充填時間を大幅に短縮することができるので、例えば燃料電池自動車の動力源として用いた場合には、燃料の補給が速やかに行われて利便性が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した高圧ガス貯蔵容器及び燃料電池システムについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下で説明する高圧ガス貯蔵容器は、燃料電池システムにおいて、燃料電池に供給する水素ガスを貯蔵するためのものとして有効に適用されるが、これに限らず、種々の分野における高圧ガスタンクとしての適用が可能である。
【0016】
(第1の実施形態)
本実施形態の高圧ガス貯蔵容器の概略構成を図1に示す。この図1に示す高圧ガス貯蔵容器1は、圧力容器であるアルミニウム製のライナー部2が、外壁補強部材3によって補強された構造となっている。外壁補強部材3は、例えば繊維強化プラスチック(FRP)により形成されており、ライナー部2がこの外壁補強部材3によって補強されることで、軽量でありながら高圧ガス貯蔵容器1としての強度を十分に確保することが可能となっている。
【0017】
圧力容器としてのライナー部2の一端側(図1中の左端側)には、高圧ガスの出入り口となるバルブユニット締結部4が設けられており、ここにバルブユニット(図示は省略する。)が締結される。バルブユニットは、これを介して高圧ガス貯蔵容器1内への高圧ガスの充填、あるいは高圧ガス貯蔵容器1内の高圧ガスの放出を行うためのものであり、したがって不用意なガス漏れがないように、ライナー部2に対して高度に気密性を保った状態で取り付けられる。本実施形態では、バルブユニット締結部4の内周面にネジ山が刻まれており、ここに外周面にネジ山が刻まれたバルブユニットが締結されて、気密性が確保されるようになっている。
【0018】
一方、ライナー部2の他端側(図1中の右端側)には、エンドキャップ5が取り付けられ、このエンドキャップ5によってライナー部2の他端側における気密性が高度に保たれるようになっている。
【0019】
以上の構造は通常の高圧ガス貯蔵容器と同様であるが、本実施形態の高圧ガス貯蔵容器1では、エンドギャップ5と一体に吸熱ユニット6が設けられて、この吸熱ユニット6がライナー部2の内部に内蔵されている点に大きな特徴を有している。以下、この高圧ガス貯蔵容器1における特徴点である吸熱ユニット6について説明する。
【0020】
吸熱ユニット6は、水素吸蔵合金の水素放出時における吸熱反応を利用して高圧ガス貯蔵容器1の温度制御を行うものである。この吸熱ユニット6は、パイプ状容器7とこれに収容される水素吸蔵合金8とからなり、例えば細長い棒状に形成されて、ライナー部2の中心軸に沿ってライナー部2内に配設されている。
【0021】
パイプ状容器7は、先端部が閉塞された中空のパイプであり、基端部においてエンドキャップ5と一体化されている。パイプ状容器7の材質は、水素を透過したり吸蔵するものは避けることが好ましく、耐圧、及び耐熱強度を十分に確保し得る材質を選択して使用することが好ましい。
【0022】
このパイプ状容器7内には水素吸蔵合金8が収容されるが、この水素吸蔵合金8は、水素吸蔵・放出時に変形(体積変化)を起こすことから、パイプ状容器7とは完全に密着させず、空間的に若干の余裕をもってパイプ状容器7内に収容される。水素吸蔵合金8としては、LaNi5系合金やMg2NiH5系合金、VTiCr系合金等、公知の水素吸蔵合金をいずれも使用することができ、特に限定されるものではない。
【0023】
このような吸熱ユニット6を備えた高圧ガス貯蔵容器1においては、高圧ガス充填時には、吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8から水素を放出させることで、その吸熱反応を利用して、高圧ガスの充填に伴う温度上昇を抑制する。ここで、吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8から放出した水素は、エンドキャップ5を介してライナー部2及び外壁補強部材3の外部へと排出させるようにすればよい。
【0024】
以上の構成を有する高圧ガス貯蔵容器1においては、水素吸蔵合金8が水素を放出する際の吸熱反応を利用し、高圧ガス充填時にライナー部2内で生ずる熱を積極的に吸収するようにしているので、ライナー部2内の温度上昇を効果的に抑えることができる。したがって、従来、温度上昇を抑えるためにゆっくりと行う必要が生じていた高圧ガスの充填を迅速に行うことができ、高圧ガスの充填時間を大幅に短縮することが可能である。
【0025】
また、吸熱ユニット6とエンドキャップ5とを一体構造としているので、エンドキャップ5の取り付けと同時に冷却装置である吸熱ユニット6を備え付けることができ、組み立て工程を簡略化することができるとともに、システム全体の構造を簡略化することができる。また、エンドキャップ5は、高圧ガス貯蔵容器1への高圧ガス充填時に最も高温化する部位であり、高圧ガス貯蔵容器1の冷却を考えた場合、このエンドキャップ5と一体に吸熱ユニット6を設けることで、高い熱交換効率が実現される。さらに、水素吸蔵合金8を収容するパイプ状容器7の気密性をエンドキャップ5と同等に保つことができる。
【0026】
さらに、ライナー部2の内部においては、その中心軸付近が高圧ガス充填時に最も高温化する傾向にあるが、この部分に吸熱ユニット6が配置されるようにすることによって、高圧ガス充填時における熱交換性能が最適化されて、より効果的な温度制御が実現される。
【0027】
(第2の実施形態)
本実施形態は、吸熱ユニットに収容される水素吸蔵合金から放出される水素をサブタンクに収容された水素吸蔵合金で吸蔵するようにした例である。本実施形態では、高圧ガス貯蔵容器1の構造は上述した第1の実施形態のものと同様であるので、同一の部材には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0028】
本実施形態の高圧ガス貯蔵容器1は、図2及び図3に示すように、水素吸蔵合金9を収容したサブタンク10を備えていることが大きな特徴である。このサブタンク10は、吸熱ユニット6に収容された水素吸蔵合金8から放出される水素を一時的に蓄えておくためのものであり、水素導入流路11を介して吸熱ユニット6のパイプ状容器7と連結されている。
【0029】
水素導入流路11の中間位置には、ソレノイドバルブ12が設置されており、このソレノイドバルブ12を開放することにより、吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8から放出された水素がサブタンク10内へと導入されるようになっている。このソレノイドバルブ12の開閉動作は、制御回路13によって制御される。
【0030】
ところで、ライナー部2の一端側に設けられたバルブユニット締結部4には、充填レセプタクル14及びバルブユニット15が取り付けられ、この充填レセプタクル14及びバルブユニット15の操作により、高圧ガスの充填、あるいは放出が行われるようになっている。本実施形態の高圧ガス貯蔵容器1においては、ソレノイドバルブ12の開閉動作を制御する制御回路13が、充填レセプタクル14の蓋16と接続されてその開閉を検知できるようになっており、この蓋16の開閉、すなわちバルブユニット15の開閉と同期して、ソレノイドバルブ12の開閉動作を制御するようにしている。これにより、ライナー部2内の温度上昇が生じるタイミングで適切に吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8から水素を放出させて、サブタンク10内へと導入することができる。
【0031】
サブタンク10には、前記水素導入流路11の他、水素返送流路17が接続されており、このサブタンク10内の水素吸蔵合金9から放出される水素がこの水素返送流路17を介して吸熱ユニット6へと返送されるようになっている。この水素返送流路17は、水素導入流路11と並列に設けられており、サブタンク10のガス出入り口手前位置及びエンドキャップ5手前位置において、水素導入流路11と合流され、それぞれサブタンク10及びエンドキャップ5に接続されている。
【0032】
この水素返送流路17には、水素を返送するための返送ポンプ18が設けられているとともに、水素導入流路11との合流位置(分岐位置)近傍には水素の逆流を防止する逆止弁19が設けられている。
【0033】
以上の構成を有する高圧ガス貯蔵容器1に高圧ガスを充填する際は、充填レセプタクル14の蓋16を開けて、例えば水素ガス等の高圧ガスをバルブユニット15を介してライナー部2の内部へと充填する。このとき、充填レセプタクル14の蓋16の開放が制御回路13によって検知され、制御回路13がソレノイドバルブ12を開放させる制御を行う。
【0034】
高圧ガスの充填時においては、吸熱ユニット6内の気圧がサブタンク10内の気圧よりも高く保たれており、図2に示すように、吸熱ユニット6内の水素ガスは水素導入流路11を通って自発的にサブタンク10へと流れ、サブタンク10内の水素吸蔵合金9に吸蔵される。吸熱ユニット6内では、水素吸蔵合金8の水素放出による吸熱反応が起こり、これにより高圧ガス貯蔵容器1は冷却され、また高圧ガス充填時に発生する熱量も奪われるので、高圧ガス貯蔵容器1内の最高到達温度が低下することになる。
【0035】
一方、高圧ガス充填終了後、充電レセプタクル14の蓋16が閉じられると、これに連動して制御回路14によってソレノイドバルブ12が閉じられる。そして、高圧ガス貯蔵容器1の温度が一定になったら、図3に示すように、サブタンク10内の水素吸蔵合金9に吸蔵されていた水素が返送ポンプ18によって吸引されて、水素返送流路17を通って吸熱ユニット6へと返送される。吸熱ユニット6へと返送された水素は、パイプ状容器7内の水素吸蔵合金8に再び吸蔵される。
【0036】
このとき、水素を急激に戻すと吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8が激しく発熱するので、返送ポンプ18の出力を吸熱ユニット6側の圧力センサ等の情報に基づいて制御し、ゆるやかに水素を吸熱ユニット6に戻す。吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8にサブタンク10内の水素が十分に吸蔵され、且つ吸熱ユニット6内の圧力がサブタンク10の圧力よりも高くなった状態で、返送ポンプ18の動作が停止される。これにより、次回の高圧ガス充填のための準備が完了する。
【0037】
以上説明したように、本実施形態の高圧ガス貯蔵容器1では、放熱ユニット6の水素吸蔵合金8から放出された水素を別容器であるサブタンク10に一時的に蓄えるようにしているので、高圧ガスの充填時に発生する熱エネルギーがライナー部2の外部にて蓄えられることになり、冷却効率の更なる向上を図ることができる。
【0038】
また、高圧ガス充填時には吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8周囲の気圧を下げて、水素が自発的に放出されることで吸熱反応を促進させるようにしているので、高圧ガス貯蔵容器1の最高到達温度をより効果的に抑えることができる。さらに、一旦別の容器(サブタンク10)に蓄えた水素を、高圧ガスの充填を行っていない通常運転時にゆるやかに元の水素吸蔵合金8に戻すようにしているので、吸蔵時発熱を抑えつつ水素を再利用することができる。特に、高圧ガスの充填が終了した後、この高圧ガスを消費するための放出を行っている間は、ライナー部2内の温度が低下するため、吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8へ水素を吸蔵させ易くなる。
【0039】
(第3の実施形態)
本実施形態は、以上のような構成の高圧ガス貯蔵容器を燃料電池システムに適用した例である。燃料電池システムには、燃料電池に燃料である水素を供給するための水素供給系が設けられている。本実施形態では、この燃料電池システムの水素供給系における高圧水素タンクとして、上述した構成の高圧ガス貯蔵容器を用いている。
【0040】
図4は、例えば燃料電池自動車に搭載される燃料電池システムの構成を示すものである。この燃料電池システムは、燃料電池自動車の駆動電力を発電する燃料電池スタック(燃料電池本体)21と、この燃料電池スタック21に燃料である水素(あるいは水素リッチガス)を供給する水素供給系22と、燃料電池スタック21に酸化剤である空気を供給する空気供給系23と、燃料電池スタック21に加湿用の水を供給する加湿手段24と、燃料電池スタック21を冷却するための冷却手段25とを備えて構成される。
【0041】
燃料電池スタック21は、水素が供給される水素極と酸素(空気)が供給される空気極とが電解質・電極触媒複合体を挟んで重ね合わされて発電セルが構成されるとともに、複数の発電セルが多段積層された構造を有し、電気化学反応により化学エネルギーを電気エネルギーに変換する。水素極では、水素が供給されることで水素イオンと電子に解離し、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、空気極にそれぞれ移動する。空気極では、供給された空気中の酸素と前記水素イオン及び電子が反応して水が生成し、外部に排出される。
【0042】
燃料電池スタック21の電解質としては、高エネルギー密度化、低コスト化、軽量化等を考慮して、例えば固体高分子電解質が用いられる。固体高分子電解質は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能することから、この燃料電池スタック21においては水を供給して加湿することが必要になる。
【0043】
水素供給系22は、高圧水素タンク31、流量制御バルブ32、エゼクタ33、水素供給配管34、水素循環配管35を備えている。そして、水素供給源である高圧水素タンク31から供給される水素ガスが、流量制御バルブ32及びエゼクタ33を通って水素供給配管34へと送り込まれ、燃料電池スタック21の水素極へと供給されるようになっている。
【0044】
燃料電池スタック21では供給された水素ガスが全て消費されるわけではなく、残った水素ガス(燃料電池スタック21から排出される水素ガス)は、水素循環配管35を通ってエゼクタ33により循環され、新たに供給される水素ガスと混合されて、再び燃料電池スタック21の燃料極に供給される。なお、水素ガスを循環させることによって水素循環配管35内には不純物や窒素等が蓄積し、これが水素分圧を低下させて燃料電池スタック21の発電効率を低下させる要因となる場合があるが、燃料電池スタック21の出口側にはパージ弁36及びパージ配管37が設けられており、必要に応じてこれらパージ弁36やパージ配管37を通して水素循環配管35内の不純物や窒素等を除去することにより、以上のような問題が回避されるようになっている。
【0045】
本実施形態の燃料電池システムでは、この水素供給系22の高圧水素タンク31として、上述した構成の高圧ガス貯蔵容器が用いられている。これにより、高圧水素タンク31の水素充填時における温度上昇が有効に抑制され、充填時間の大幅な短縮を図ることができる。したがって、この燃料電池システムを燃料電池自動車に搭載して動力源とした場合には、例えばガソリンの補給と同じように、燃料である水素ガスの補給を短時間で行うことができる。また、上述した第2の実施形態で説明したようにサブタンク10を設けた高圧ガス貯蔵容器を高圧水素タンク31として用いた場合には、高圧水素ガスの充填を行った後、燃料電池自動車の走行中に車載バッテリを電源として返送ポンプ18を作動させ、サブタンク10内の水素吸蔵合金9から水素を吸い出して吸熱ユニット6の水素吸蔵合金8に吸蔵させることで、次の水素充填のための準備を行うことができる。
【0046】
空気供給系23は、空気を送り込むコンプレッサ41、空気供給配管42、及びスロットル43を備えている。そして、コンプレッサ41によって供給される酸化剤としての空気が、空気供給配管42より燃料電池スタック21の空気極に供給されるようになっている。また、燃料電池スタック21で消費されなかった酸素及び空気中の他の成分は、燃料電池スタック21からスロットル43を介して排出されるようになっている。
【0047】
加湿手段24は、加湿用の水を供給する加湿水供給通路51、余分な水を回収する水回収通路52、加湿用の水を貯蔵する貯水タンク53、貯水タンク53内の水を汲み上げるための加湿水供給ポンプ54とを備えている。そして、貯水タンク53内の水が、加湿水供給ポンプ54によって汲み上げられて、加湿水供給通路51を経て燃料電池スタック21の加湿に供されるようになっている。また、加湿に寄与しなかった余剰の水は、水回収通路52を経て貯水タンク53に戻されるようになっている。なお、加湿水は、燃料電池スタック21に直接供給しないで、燃料電池スタック21に供給するガス(水素リッチガスや空気)を加湿するための加湿器に供給するようにしてもよい。
【0048】
また、固体高分子電解質型の燃料電池スタック21は、適正な作動温度が80℃程度と比較的低く、過熱時には冷却することが必要である。そこで、この燃料電池システムにおいては、燃料電池スタック21を冷却する冷却手段25が設けられている。この冷却手段25は、冷媒を循環させながら燃料電池スタック21へと供給する循環経路61を有し、例えば冷媒である不凍液(純水よりも凝固点の低い液体)により燃料電池スタック21を冷却し、これを最適な温度に維持するようになっている。循環経路61内には、放熱手段としてのラジエータ62が設けられており、燃料電池スタック21の冷却により加熱された冷媒は、ここで冷却される。
【0049】
以上の構成を有する燃料電池システムにおいては、水素供給系22の高圧水素タンク31として、水素吸蔵合金が水素を放出する際の吸熱反応を利用して高圧水素ガス充填時の温度制御が行われる高圧ガス貯蔵容器が用いられているので、水素ガスの充填時間を大幅に短縮することができ、例えば燃料電池自動車に搭載した場合に、ガソリンの補給と同じように水素ガスを補給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した高圧ガス貯蔵容器の一例を示す断面図である。
【図2】サブタンクを設けた高圧ガス貯蔵容器の一例を示す図である。
【図3】サブタンクから吸熱ユニットに水素を返送する様子を示す図である。
【図4】前記高圧ガス貯蔵容器を水素供給源として用いた燃料電池システムの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 高圧ガス貯蔵容器
5 エンドキャップ
6 吸熱ユニット
7 パイプ状容器
8,9 水素吸蔵合金
10 サブタンク
11 水素導入流路
12 ソレノイドバルブ
14 充填レセプタクル
15 バルブユニット
17 水素返送流路
18 返送ポンプ
Claims (9)
- 水素吸蔵合金が水素を放出する際の吸熱反応を利用して高圧ガス充填時の温度制御が行われることを特徴とする高圧ガス貯蔵容器。
- 高圧ガスが充填される圧力容器の内部に、水素吸蔵合金を収容した吸熱ユニットが内蔵されていることを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス貯蔵容器。
- 前記圧力容器の一端側に高圧ガスの充填及び放出を行うバルブユニットが設けられると共に、前記圧力容器の他端側にエンドキャップが設けられ、前記吸熱ユニットが前記エンドキャップと一体化されていることを特徴とする請求項2に記載の高圧ガス貯蔵容器。
- 前記吸熱ユニットが棒状に形成され、前記圧力容器の中心軸に沿って配設されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の高圧ガス貯蔵容器。
- 水素吸蔵合金を収容したサブタンクを備え、高圧ガス充填時に前記吸熱ユニット内の水素吸蔵合金から放出された水素が前記サブタンク内の水素吸蔵合金に吸蔵されることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の高圧ガス貯蔵容器。
- 前記吸熱ユニットと前記サブタンクとが、ソレノイドバルブを備えた導入流路を介して連結されていることを特徴とする請求項5に記載の高圧ガス貯蔵容器。
- 前記ソレノイドバルブは、前記バルブユニットの開閉に連動して開閉されることを特徴とする請求項6に記載の高圧ガス貯蔵容器。
- 前記サブタンク側の水素を前記吸熱ユニット側へと返送するためのポンプを備えた返送流路を有し、高圧ガス放出時に前記ポンプで流速を制御しながら前記サブタンク側の水素を前記吸熱ユニット側へと返送することを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の高圧ガス貯蔵容器。
- 燃料電池本体と、この燃料電池本体に燃料である水素を供給する水素供給手段とを備え、
前記水素供給手段は、水素吸蔵合金が水素を放出する際の吸熱反応を利用して高圧水素ガス充填時の温度制御が行われる高圧ガス貯蔵容器を水素供給源として備えることを特徴とする燃料電池システム。
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