JP2004162809A - 破断分離型コンロッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンロッド素材が湾曲していても、大穴の略直径上で略左右対称に破断することができるコンロッド素材の破断装置及びコンロッドの軸部とキャップ部の製造方法を実現する。
【解決手段】小穴4aにピン6を挿入し、載置面8aで小穴4a周縁の下面を支える。また、大穴4eに一対のマンドレル14,24を挿入し、載置面16a,26aで大穴4e周縁の下面を支える。小穴4a側の載置面(8a)と大穴4e側の載置面(16a,26a)のいずれか一方または双方が、小穴4aや大穴4eの軸線方向に変位可能である。一対のマンドレル14,24間にくさび20を圧入してマンドレル間の距離を拡大し、大穴4eを囲繞するリング部を大穴4eの略直径上で破断することによって軸部4bとキャップ部4cに分割する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンロッド素材の大穴(クランクシャフトに連結するための軸穴)を取囲むリング状の部分を、穴のほぼ直径上で破断することによって、コンロッド素材を軸部とキャップ部に分割する装置及びコンロッドの軸部とキャップ部を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンのピストンヘッドとクランクシャフトを連結するコネクチングロッド(以下、コンロッドという)は、図10に模式的に示すように、一端近傍にピストンヘッドに連結するための小穴114aを有し、他端近傍にクランクシャフトに連結するための大穴114eを有している。完成したコンロッド114は、大穴114eを画定する略半周分の壁を形成するキャップ部114cと軸部114bとで構成されている。キャップ部114cが分離された軸部114bの大穴にクランクシャフトを収容した状態でキャップ部114cを軸部114bに連結することによって、コンロッド114とクランクシャフトが連結される。
コンロッド114の製造過程では、大穴114eを画定する軸部114bとキャップ部114cを一体に形成することが多い。この製造過程を経ると、軸部114bとキャップ部114cで画定される大穴114eの内周面を予め加工しておくことができる。この場合、大穴114eを画定するリング部を大穴の直径上で破断(113が破断面を模式的に示す)することによって、軸部114bとキャップ部114cに分割する必要がある。分割した軸部114bとキャップ部114cを連結すると、軸部114bとキャップ部114cの合せ面で大穴114eの内周面が連続するので、形状精度の高いコンロッド114を製造することができる。
【0003】
大穴114eを取囲むリング部を大穴114eの直径上で破断するために、それぞれが半割型となっている一対のマンドレル124,134を大穴114eに挿入し、一対のマンドレル124,134間にくさびを打ちこむことによって一対のマンドレル124,134間の距離を拡大し(矢印160,162参照)、拡大する一対のマンドレル124,134によって大穴114eの内周面を破断方向に拡大することによって、リング部を直径上で破断する装置が開発されている(特許文献1)。特許文献1の破断装置は、マンドレルとくさびが片当たりして片方のマンドレルへ集中的に荷重がかかることを防止する。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−71130号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】破断作業にあたっては、小穴114aをピン116に挿入し、小穴周縁の下面を載置面120aで支える。同様に、縮径されたマンドレル124,134に挿入された大穴周縁の下面を載置面128a,138aで支える。この状態で図示しないくさびを打ちこんで縮径されたマンドレル124,134を矢印160,162にように拡大する。
コンロッド素材114が平面内で伸び、大穴114eの軸線がその平面に直交していれば、従来の破断装置でも、大穴114eの直径上でコンロッド素材114を分割することができる。
【0006】
しかしながら、コンロッド素材を詳しく観測すると、平面内で伸びておらず、わずかに反っていることが多い。
図11はコンロッド素材が上に湾曲している場合を例示し、図12はコンロッド素材が下に湾曲している場合を例示している。図11と図12は湾曲の程度を誇張して図示しており、実際には仕上げ加工によって湾曲しない形状に加工できるものであるが、湾曲の程度が小さくても、コンロッド素材が湾曲していると、大穴114eの内周面とマンドレル124,134の外周面が同軸に揃わない。大穴114eの内周面の軸線方向と、マンドレル124,134の軸線方向が角度をなしてしまう。
この状態で、一対のマンドレル124,134を拡大すると、大穴114eの内周面とマンドレル124,134の外周面が局所的に接触することになり、コンロッド素材を大穴114eの直径上で左右対称に破断することができない。
本発明は、コンロッド素材が湾曲していても、大穴の略直径上で略左右対称に破断することができる破断装置を実現するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用】請求項1の装置は、一端近傍に小穴が形成されているとともに他端近傍に大穴が形成されているコンロッド素材の大穴を囲繞するリング部を大穴の略直径上で破断することによって軸部とキャップ部に分割する。この装置は、一端近傍の小穴に挿入するピンと、ピンに挿入された小穴周縁の下面を支える一端載置面を有する一端支持部を備える。また、大穴に挿入する一対のマンドレルと、一対のマンドレルに挿入された大穴周縁の下面を支える他端載置面を有する他端支持部を備える。さらに、一対のマンドレル間に圧入されて一対のマンドレル間の距離を拡大するくさびを備えている。
この装置は、前記した一端載置面と他端載置面のいずれか一方または双方が、小穴や大穴の軸線方向に変位可能なことを特徴とする。
ここでいう変位可能には、バネやクッション材の弾性変形を利用して載置面が変位することを含む。油圧や空圧を利用するフローティング機構で変位可能とすることもできる。
【0008】
本発明に係る破断装置は、一端近傍の小穴周縁の下面を支える一端載置面と、他端近傍の大穴周縁の下面を支える他端載置面のいずれか一方または双方が、穴の軸線方向に変位可能なために、図11に例示するように、一端載置面120aが邪魔になって大穴114eの内周面とマンドレル124,134の外周面が密着できない場合には、図13に例示するように、邪魔になる一端載置面が120bに図示するように変位し、大穴114eの内周面とマンドレル124,134の外周面が密着するのを邪魔しない。あるいは、図12に例示するように、他端載置面128aが邪魔になって大穴114eの内周面とマンドレル124,134の外周面が密着できない場合には、図15に例示するように、邪魔になる他端載置面が128b,138bに図示するように変位し、大穴114eの内周面とマンドレル124,134の外周面が密着するのを邪魔しない。図14に例示するように、大穴114eの内周面とマンドレル124,134の外周面が密着するためには、128b,138bに図示するように、標準位置にある載置面128a,138aよりも上方に変位することが必要とされる場合もある。載置面が上方に変位する必要がある場合には、実際に上方に変位してもよいし、変位しないで載置面から離反するのを許容してもよい。ここでいう変位可能とは、少なくとも下方に変位可能なことをいい、上方には変位してもよいし、変位しなくてもよい。標準位置を上方に設定しておくと、常に下方に変位することで追従でき、上方に変位する必要がない。
【0009】
図13、図14、図15から明らかなように、一端載置面と他端載置面の双方が変位可能であってもよいが、いずれか一方のみが変位可能であれば、大穴114eの内周面とマンドレル124,134の外周面が密着するのを邪魔しない。本装置によると、一端載置面と他端載置面の一方または双方が変位可能であるために、コンロッド素材が湾曲していても、載置面が大穴の内周面とマンドレルの外周面が密着することを妨げない。コンロッド素材が湾曲していても、大穴の内周面とマンドレルの外周面が密着した状態でコンロッド素材が破断されるために、大穴の略直径上で略左右対称に破断することができる。
【0010】
上記では、コンロッド素材が湾曲している場合について説明した。コンロッドの素材は、仕上加工の前段階にあり、破断装置の載置面に接する小穴周縁の下面や大穴周縁の下面に凹凸が存在する等によって、上記下面と穴の軸線が直交していないこともある。本発明の破断装置は、小穴周縁の下面と大穴周縁の下面を含む面と、大穴の軸線が直交しないコンロッド素材に有用であり、載置面が変位して大穴の内周面とマンドレルの外周面が密着することを妨げないために、大穴の内周面とマンドレルの外周面が密着した状態でコンロッド素材が破断され、種々のコンロッド素材を大穴の略直径上で略左右対称に破断することができる。
【0011】
請求項2の装置のように、小穴に挿入されるピンは、一対のマンドレルの拡大方向には小穴にルーズに挿入され、それに直交する方向にはタイトに挿入されることが好ましい。
【0012】
この場合、小穴に挿入されるピンが、大穴の内周面とマンドレルの外周面が密着するのを邪魔することもない。その一方、平面視した位置関係で、コンロッド素材をマンドレルに対して所定の角度の維持することができ、破断面が形成される直径の位置を安定化することができる。
【0013】
請求項3の方法では、連結することによってコンロッドを完成する軸部とキャップ部を製造する。この方法は、一端近傍に小穴が形成されているとともに他端近傍に大穴が形成されているコンロッド素材を成形する工程と、前記コンロッド素材の前記小穴にピンを挿入し、前記ピンに挿入された小穴周縁の下面を一端載置面で支える工程と、前記コンロッド素材の前記大穴に一対のマンドレルを挿入し、前記一対のマンドレルに挿入された大穴周縁の下面を他端載置面で支える工程と、前記一対のマンドレル間の距離を拡大して、前記大穴を囲繞するリング部を前記大穴の略直径上で破断することによって前記軸部と前記キャップ部に分割する工程を備えている。この方法は、少なくとも前記のマンドレル間距離の拡大工程では、前記一端載置面と他端載置面のいずれか一方または双方を前記穴の軸線方向に変位可能に保持することを特徴とする。
この方法によると、コンロッド素材が一端載置面と他端載置面の一方または双方によって変位可能に保持されるために、コンロッド素材が湾曲していても、載置面が大穴の内周面とマンドレルの外周面が密着することを妨げず、大穴の略直径上で略左右対称に破断することができる。また、コンロッド素材の破断装置の載置面に接する小穴周縁の下面や大穴周縁の下面に凹凸が存在する等して傾き前記下面を含む面と穴の軸線が直交していないときにも、大穴の略直径上で略左右対称に破断することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】下記に説明する実施例の主要な特徴を列記する。
(形態1) 他端載置面は、一対のマンドレルに対応して、軸部側とキャップ側に分割されている。
(形態2) 分割された他端載置面は、独立に変位可能となっている。
【0015】
【実施例】本発明の破断装置の第1実施例を、図1から図4を参照して詳細に説明する。図1は第1実施例の破断装置2と、破断装置2にセットされたコンロッド素材4の側面図を示し、図2はそれらの断面図を示す。
図1と図2に示すように、破断装置2は、軸部側支持台12の上に、小穴4aが形成されているコンロッド素材4の一端を支持する支持部5を備える。一端支持部5は、小穴4aの挿入されるピン6と、小穴周縁の下面を支える載置部材8と、載置部材8を上下動可能に案内するガイド10と、載置部材8を上方に付勢するバネ9を備えている。載置部材8はバネ9で支えられているために、その上面(小穴周縁の下面に接する載置面8a)が上下動可能である。載置部材8は、ばね9でフローティング支持されている。
図2に示すように、ピン6のコンロッド素材4の長手方向(後記する一対のマンドレルが開く方向)の径は、小穴4aの径よりもわずかに小さく、小穴4aの内周面との間に微小な隙間を生じるサイズに設定されている。ピン6は、一対のマンドレルの拡大方向には、小穴4aにルーズに挿入される。一方、コンロッド素材4の長手方向に直交する方向でのピン6の径は、小穴4aの内周面と密着するように構成されており、平面視した状態でコンロッド素材4が後記するマンドレルの回りに回転することを禁止する。一対のマンドレルが開く方向に直交する方向でピン6と小穴4aがタイトに接していると、マンドレルが開く方向に対するコンロッド素材4の長手方向の角度が一定に保たれるために、後記する破断面が形成される直径の位置が一定に維持される。即ち2箇所の破断面を含む面と、コンロッド素材4の長手方向がなす角度が常に一定に保たれる。
【0016】
図1と図2に示すように、破断装置2は、大穴4eが形成されているコンロッド素材4の他端を支持する支持部13を備える。他端支持部13は、大穴4eに挿入される一対のマンドレル14,24と、大穴周縁の下面を支える載置部材16,26と、載置部材16,26を上下動可能に案内するガイド18,28と、載置部材16,26を上方に付勢するバネ19,29を備えている。載置部材16,26はバネ19,29で支えられているために、その上面(大穴周縁の下面に接する載置面16a,26a)が上下動可能である。載置部材16,26は、ばね19,29でフローティング支持されている。
マンドレル14とガイド18は、軸部側支持台12に固定されている。マンドレル24とガイド28は、キャップ側支持台22に固定されている。マンドレル14とマンドレル24は、それぞれが平面視したときに半円状であり、平面部を向かい合わせたときに全体として円柱状となる。載置部材16,26は、それぞれが平面視したときに半周状であり、平面部を向かい合わせたときに全体としてリング状となる。ガイド18,28は、それぞれが平面視したときに半周状であり、平面部を向かい合わせたときに全体として円周状となる。
一対のマンドレル14、24の向かい合う平面部には、下方に細いくさび20を受入れる溝が形成されており、そこにくさび20が収容されている。くさび20が下方に移動すると、一対のマンドレル14,24は、図2の左右方向(コンロッド素材4の長手方向)に開かれる。
マンドレル14と24の外周面は、コンロッド素材4の大穴4eの内周面に密着するように平滑加工されている。コンロッド素材4の大穴4eの内周面も、マンドレル14,24の外周面に密着するように平滑加工されている。
【0017】
コンロッド素材4は、一端近傍に小穴4aを有し、他端近傍に大穴4eを有する。大穴4eを囲繞するリング部の直径上の2箇所に、破断面の基準となるノッチ4dが予め入れられている(図1参照)。コンロッド素材4は、ノッチ4d箇所で破断される。小穴4aにピン6を挿入し、大穴4eにマンドレル14,24を挿入した状態では、一対のノッチ4dを結ぶ線と、一対のマンドレル14,24が開く方向は直交している。
【0018】
次に破断装置2の作動を図3と図4で説明する。ここでは、図3と図4に誇張して示すように、中間部が上方に湾曲しているコンロッド素材34を破断する場合を説明する。
最初に、図3に示すように、小穴34aにピン6を挿入し、大穴34eにくさびを打ち込む前の1対のマンドレル14,24を挿入する。ピン6は、一対のマンドレル14,24の拡大方向には小穴34aにルーズに挿入されるために、コンロッド素材34が湾曲していても、無理なく挿入することができる。挿入すると、小穴周縁の下面は載置面8aで支えられ、大穴周縁の下面は載置面16a,26aで支えられる。この状態では、コンロッド素材34が湾曲しているために、大穴34eの軸線と1対のマンドレル14,24の軸線は非平行となり、大穴34eの内周面と1対のマンドレル14,24の外周面は密着しないはずである。
それにも係わらず、本破断装置2ではそのままくさび20を打ち込んで下方に押し下げ、1対のマンドレル14,24を左右方向に押し広げる。その状態が図4に示される。小穴周縁の下面を支える載置面8aが固定位置にあれば、載置面8aによって大穴34eの内周面と1対のマンドレル14,24の外周面が密着することができない。しかしながら、本破断装置2では載置面8aが変位可能となっており、載置面8aが高すぎるために大穴34eの内周面と1対のマンドレル14,24の外周面が密着できない場合には、大穴34eの内周面を1対のマンドレル14,24の外周面に密着させようとするモーメントがコンロッド素材34に働き、そのモーメントが載置面8aを押し下げるために、大穴34eの内周面は1対のマンドレル14,24の外周面に密着する。大穴34eの内周面と1対のマンドレル14,24の外周面が密着した状態で大穴34eを取囲むリング部が破断されるために、大穴34eが変形することなく安定的に左右対象に破断することができ、良好な破断面を得ることが可能となる。ピン6は、一対のマンドレル14,24の拡大方向には小穴34aにルーズに挿入されているために、大穴34eの内周面を1対のマンドレル14,24の外周面に密着させようとするモーメントによって、載置面8aはスムースに押し下げられる。
【0019】
上記ではコンロッド素材の中間部が上方に湾曲しているために、図3に示すように、大穴34eの軸線が1対のマンドレル14,24の軸線よりも時計方向に回転している場合を説明した。この他、小穴周縁の下面に凹凸がある場合、小穴周縁の壁厚が厚い場合にも、大穴34eの軸線が1対のマンドレル14,24の軸線よりも時計方向に回転した状態でセットされる。いずれの場合も、一対のマンドレル14,24を拡大すると、載置面8aが下方に変位して大穴34eの内周面と1対のマンドレル14,24の外周面を密着させ、その状態で大穴34eを取囲むリング部を破断する。
コンロッド素材の中間部が下方に湾曲している場合、大穴周縁の下面に凹凸がある場合、大穴周縁の壁厚が厚い場合には、図2に示した大穴4eの軸線が1対のマンドレル14,24の軸線よりも反時計方向に回転した状態でセットされる(図12を参照)。この場合には図15に示した事象が生じ、大穴周縁の下面を支える載置面16a,26aが下方に変位して大穴4eの内周面と1対のマンドレル14,24の外周面を密着させ、その状態で大穴4eを取囲むリング部を破断する。場合によっては、大穴周縁の下面を支える載置面16a,26aが変位する代わりに、小穴周縁の下面を支える載置面8aが上位に変位することによって大穴4eの内周面と1対のマンドレル14,24の外周面が密着することもある。いずれにしても、本破断装置は、種々のコンロッド素材に対して、大穴4eの内周面と1対のマンドレル14,24の外周面を密着させた状態で大穴4eを取囲むリング部を破断することができる。
【0020】
(第2実施例)
図5に、第2実施例の破断装置42と、セットされたコンロッド素材44の断面図を示す。第1実施例(図1から図4を参照)の破断装置2では存在していた大穴の周縁下面を支える載置部材16,26が、第2実施例の破断装置42では省略されている。第2実施例の破断装置42では、大穴の周縁下面を支える載置面48a,52aが固定されており、小穴の周縁下面を支える載置面8aのみが変位可能である。その他の構成は第1実施例と同様であり、重複説明は省略する。
この破断装置42では、大穴44eの軸線が1対のマンドレル46,50の軸線よりも時計方向に回転した状態でセットされれば(図11を参照)、小穴の周縁下面を支える載置面8aが下方に変位して大穴44eの内周面と1対のマンドレル46,50の外周面を密着させる。大穴44eの軸線が1対のマンドレル46,50の軸線よりも反時計方向に回転した状態でセットされれば(図12を参照)、小穴の周縁下面を支える載置面8aが上方に変位して大穴44eの内周面と1対のマンドレル46,50の外周面を密着させる。
大穴の周縁下面を支える載置面48a,52aが固定されていても、小穴の周縁下面を支える載置面8aが変位可能であれば、大穴44eの内周面と1対のマンドレル46,50の外周面を密着させることができる。
本破断装置42は、小穴の周縁下面を支える載置面8aのみが変位可能であればよく、装置構成が簡単化される。
【0021】
(第3実施例)
図6に、第3実施例の破断装置52と、セットされたコンロッド素材54の断面図を示す。第1実施例(図1から図4を参照)の破断装置2では存在していた小穴の周縁下面を支える載置部材8が、第3実施例の破断装置52では省略されている。第3実施例の破断装置52では、大穴の周縁下面を支える載置面16a,26aのみが変位可能であり、小穴54aの周縁下面を支える載置面60aは固定されている。その他の構成は第1実施例と同様であり、重複説明は省略する。
この破断装置52では、大穴54eの軸線が1対のマンドレル14,24の軸線よりも時計方向に回転した状態でセットされれば(図11を参照)、大穴の周縁下面を支える載置面16a,26aが上方に変位して大穴54eの内周面と1対のマンドレル14,24の外周面を密着させる。大穴54eの軸線が1対のマンドレル14,24の軸線よりも反時計方向に回転した状態でセットされれば(図12を参照)、大穴の周縁下面を支える載置面16a,26aが下方に変位して大穴54eの内周面と1対のマンドレル14,24の外周面を密着させる。
小穴の周縁下面を支える載置面60aが固定されていても、大穴の周縁下面を支える載置面16a,26aが変位可能であれば、大穴54eの内周面と1対のマンドレル14,24の外周面を密着させることができる。
本破断装置52は、大穴の周縁下面を支える載置面16a,26aのみが変位可能であればよく、装置構成が簡単化される。
【0022】
(第4実施例) 図7に、第4実施例の破断装置62と、セットされたコンロッド素材64の断面図を示す。
第4実施例は、第1実施例(図1から図4を参照)の、載置部材8とバネ9による載置面8aの変位許容機構をゴム製の載置部材68で実現しており、載置部材16とバネ19による載置面16aの変位許容機構をゴム製の載置部材76で実現しており、載置部材26とバネ29による載置面26aの変位許容機構をゴム製の載置部材86で実現している。その他は第1実施例と同様であり、重複説明を省略する。
第4実施例の破断装置62によっても、第1実施例の破断装置2と同様に、大穴64eの内周面と1対のマンドレル74,84外周面を密着させた状態で、大穴64eを囲繞するリング部を破断することができる。
【0023】
(第5実施例) 図8に、第5実施例の破断装置72と、セットされたコンロッド素材94の断面図を示す。
第5実施例は、第2実施例(図5を参照)の、載置部材8とバネ9による載置面8aの変位許容機構をゴム製の載置部材98で実現している。その他は第2実施例と同様であり、重複説明を省略する。
第5実施例の破断装置72によっても、第2実施例の破断装置42と同様に、大穴94eの内周面と1対のマンドレル46,50の外周面を密着させた状態で大穴94eを囲繞するリング部を破断することができる。
【0024】
(第6実施例) 図9に、第6実施例の破断装置102と、セットされたコンロッド素材104の断面図を示す。
第6実施例は、第3実施例(図6を参照)の、載置部材16とバネ19による載置面16aの変位許容機構をゴム製の載置部材76で実現しており、載置部材26とバネ29による載置面26aの変位許容機構をゴム製の載置部材86で実現している。その他は第3実施例と同様であり、重複説明を省略する。
第6実施例の破断装置102によっても、第3実施例の破断装置52と同様に、大穴104eの内周面と1対のマンドレル74,84の外周面を密着させた状態で大穴104eを囲繞するリング部を破断することができる。
【0025】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、本実施例の破断装置では、くさびを上部から圧入した。しかし、これに限るものではなく、くさびは任意の方向から圧入することができる。本実施例の破断装置では、穴の周縁下面を支える載置面を平面で構成した。これに代えて穴の周縁下面に点状または線上に分布する接触部を形成する載置面としてもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本願発明によれば、コンロッド素材の小穴周縁の下面を載置する載置面と大穴周縁の下面を載置する載置面を含む面と、大穴の軸線が直交していない場合でも、大穴の内周面と1対の外周面を密着させた状態で大穴を囲繞するリング部を破断することができ、種々のコンロッド素材を大穴の略直径上で略左右対称にきれいに破断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】破断装置の第1実施例の側面図である。
【図2】破断装置の第1実施例の断面図である。
【図3】第1実施例の破断装置の作動を示す図である。
【図4】第1実施例の破断装置の作動を示す図である。
【図5】破断装置の第2実施例の断面図である。
【図6】破断装置の第3実施例の断面図である。
【図7】破断装置の第4実施例の断面図である。
【図8】破断装置の第5実施例の断面図である。
【図9】破断装置の第6実施例の断面図である。
【図10】コンロッド素材と破断装置を模式的に示す斜視図である。
【図11】従来の破断装置の問題を示す図である。
【図12】従来の破断装置の他の問題を示す図である。
【図13】従来の破断装置の問題が解決される様子を示す図である。
【図14】従来の破断装置の問題が解決される他の様子を示す図である。
【図15】従来の破断装置の問題が解決される他の様子を示す図である。
【符号の説明】
2 :破断装置、
4 :コンロッド素材、
4a:小穴、
4b:軸部、
4c:キャップ部、
4e:大穴、
5 :小穴側支持部、
6 :ピン、
8 :載置部材、
13:大穴側支持部、
14:軸部側マンドレル、
16:載置部材、
24:キャップ部側マンドレル、
26:載置部材、
20:くさび

Claims (3)

  1. 一端近傍に小穴が形成されているとともに他端近傍に大穴が形成されているコンロッド素材の前記大穴を囲繞するリング部を前記大穴の略直径上で破断することによって軸部とキャップ部に分割する装置であり、
    前記小穴に挿入するピンと、前記ピンに挿入された小穴周縁の下面を支える一端載置面を有する一端支持部と、
    前記大穴に挿入する一対のマンドレルと、前記一対のマンドレルに挿入された大穴周縁の下面を支える他端載置面を有する他端支持部と、
    一対のマンドレル間に圧入されて一対のマンドレル間の距離を拡大するくさびを備えており、
    前記一端載置面と他端載置面のいずれか一方または双方が、前記穴の軸線方向に変位可能なことを特徴とするコンロッド素材の破断装置。
  2. 前記ピンは、一対のマンドレルの拡大方向には前記小穴にルーズに挿入され、それに直交する方向にはタイトに挿入されることを特徴とする請求項1のコンロッド素材の破断装置。
  3. 連結することによってコンロッドを完成する軸部とキャップ部を製造する方法であって、
    一端近傍に小穴が形成されているとともに他端近傍に大穴が形成されているコンロッド素材を成形する工程と、
    前記コンロッド素材の前記小穴にピンを挿入し、前記ピンに挿入された小穴周縁の下面を一端載置面で支える工程と、
    前記コンロッド素材の前記大穴に一対のマンドレルを挿入し、前記一対のマンドレルに挿入された大穴周縁の下面を他端載置面で支える工程と、
    前記一対のマンドレル間の距離を拡大して、前記大穴を囲繞するリング部を前記大穴の略直径上で破断することによって前記軸部と前記キャップ部に分割する工程を備え、
    少なくとも前記のマンドレル間距離の拡大工程では、前記一端載置面と他端載置面のいずれか一方または双方を前記穴の軸線方向に変位可能に保持することを特徴とするコンロッドの軸部とキャップ部の製造方法。
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