JP2004162501A - 金属製ユニット型地下室の構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】分割ユニットの小型軽量化、塗装の不要化及び裏込め工事の簡略合理化によって製作費及び現場工事費の低減を図り、しかも、対地支持強度を増大して耐震・耐久性の著しい向上が図れるようにする。
【解決手段】水平面及び垂直面に沿って分断して上下左右二つづつで計四つの略L字型ラーメン構造の分割ユニット1UL,1UR,1DL,1DRを工場製作し、これら分割ユニット1UL,1UR,1DL,1DRをそれらの分断面端部の突き合わせ状態で固定接合して構築された短辺方向に□型ラーメン構造のボックス型地下ユニット1と、その周囲地中への打ち込み鉄骨支柱13の隣接間に建て込んだ土留用金属板15と、両者1,15間に打設形成されたコンクリート壁体18とを一体結合した構造の地下室を施工する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄骨を芯材とし、その外側に鋼板等の金属製外板が固定された金属製地下ユニットを工場製作し、この金属製地下ユニットを建設現場に搬入して住宅建物の床下相当箇所や庭あるいはカーポート下等の地下に埋設固定することにより、居住空間を拡張したり、各種物品の収納保管空間を確保したりするように施工される金属製ユニット型地下室の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の金属製ユニット型地下室として、本発明者は、複数の芯材鉄骨の外側に金属製外板が固定された壁構造体、天井構造体及び床構造体を組立てて構成される金属製ボックス型地下ユニットをその壁構造体の上下方向中間部の水平面に沿って分断して略コ字型ラーメン構造の上下二つの分割ユニットを工場製作し、これら上下二つの分割ユニットを分離状態で建設現場に搬入するとともに、この建設現場の掘削穴底部に形成されたコンクリート基礎上に据付けて両分割ユニットの水平面に沿う分断面端部同士の突き合わせ状態で固定接合することにより、短辺方向に□型ラーメン構造で、かつ、長辺方向に耐震壁構造のボックス型地下ユニットを構築して所定の地下室を施工可能としたものを提案している(特願2002−50505号)。
【0003】
また、本発明者は、複数の芯材鉄骨の外側に金属製外板が固定された壁標造体、天井構造体及び床構造体を組立てて構成される金属製ボックス型地下ユニットをその壁構造体の上下方向中間部の水平面に沿って分断するとともに、その天井構造体及び床構造体の幅方向中間部の垂直面に沿って分断して上下及び左右それぞれ二つで計四つの略L字型ラーメン構造の分割ユニットを工場製作し、これら四つの分割ユニットを分離状態で建設現場に搬入するとともに、この建設現場の掘削穴底部に形成されたコンクリート基礎上に据付けて各分割ユニットの水平面及び水平面に沿う分断面端部同士の突き合わせ状態で固定接合することにより、短辺方向に□型ラーメン構造で、かつ、長辺方向に耐震壁構造のボックス型地下ユニットを構築して所定の地下室を施工可能としたものも提案している(特願2002−242694号)。
【0004】
上記のような構成を持つ本発明者による既提案の金属製ユニット型地下室はいずれも、地下室完成品となる□型ラーメン構造のボックス型ユニットを単体として工場で製作し、このボックス型ユニット単体をそのままの形でトラック等で建設現場に搬入し、クレーン等を使って荷降ろしして地下に据付け施工するという旧来一般的なユニット型地下室に比べて、工場製作される分割ユニット単体の小型化、軽量化が図れるとともに、分割ユニット同士を壁構造体の厚み分あるいは壁構造体及び天井構造体、床構造体の厚み分だけずらして重ね合わせることで運搬時の嵩の縮小化も図れて、小型トラックによる安全かつ経済的な運搬及び小型クレーンによる容易、安全かつ経済的な荷降ろし、据付け施工が可能になるといった具合に、工場製作から運搬〜建設現場での施工完了までの全工程に亘って一貫してボックス型ユニットの単体を取り扱う場合に比して、建設現場での接合工数増加に伴う工費の上昇を補って余り有る経済効果及び施工効率向上の効果が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したような本発明者による既提案の金属製ユニット型地下室によれば、複数の分割ユニットを現場接合することによって最終的に□型ラーメン構造で、かつ、耐震壁構造という構造安全性に優れたボックス型ユニットが構築されるので、大きな土圧や水圧が加わっても変形したり、破壊したりすることのない高強度な地下室を施工可能であるが、施工後は、ボックス型ユニット外周域の余掘り部分に掘削土砂あるいはセメント系地盤固化材を突き固めながら順次埋戻すといった手数及び時間のかかる裏込め工事を必要とし、これが現場工事費の上昇原因の一つとなっていた。また、鉄骨や鋼板等の金属製素材の使用に伴って重要不可欠となる防錆、防食対策として、金属製外板の外表面全域に厚膜型の半永久防錆防食塗装を施していたが、塗装の場合は、非常に高価な特殊塗材の使用が必要であるだけでなく、ユニットの外面全域に均一な塗膜を形成するための塗装工事に高度な技術及び多大な時間を費やし、このことが工場でのユニット製作費用の上昇原因の一つになっており、既提案の金属製ユニット型地下室では、これらの点で未だ改善の余地が残されていた。
【0006】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、分割ユニット方式の導入により工場製作から運搬〜建設現場での荷降ろし及び据付け施工完了までの経済効果及び施工効率向上の効果が得られることに加えて、厚膜型の半永久防錆防食塗装の不要化及び裏込め工事の簡略合理化によって、ユニット製作費及び現場工事費の著しい低減が図れ、しかも、地盤に対するユニット全体の支持強度を一段と高め、耐震・耐久性を顕著に向上することができる金属製ユニット型地下室の構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る金属製ユニット型地下室の構造は、複数の芯材鉄骨の外側に金属製外板が固定された壁構造体、天井構造体及び床構造体を組立てて構成される金属製ボックス型地下ユニットをその壁構造体の上下方向中間部の水平面及びその天井構造体及び床構造体の幅方向中間部の垂直面のうち、少なくとも一方の面に沿って分断して略コ字型又は略L字型ラーメン構造の複数の分割ユニットが工場製作されており、分離状態で建設現場に搬入されるこれら複数の分割ユニットを、建設現場の掘削穴底部に形成されたコンクリート基礎上に設置するとともに、各分割ユニットの水平面、垂直面もしくは水平・垂直両面に沿う分断面端部同士の突き合わせ状態で固定接合することにより、短辺方向に□型ラーメン構造で、かつ、長辺方向に耐震壁構造のボックス型地下ユニットが構築され、この構築されたボックス型地下ユニットの外周で上記掘削穴周辺部の複数箇所の地中にはコンクリート基礎よりも深い根入れ状態で鉄骨支柱が打ち込まれているとともに、各隣接鉄骨支柱間には土留用金属板が建て込まれており、これら土留用金属板と上記ボックス型地下ユニット全外周との間の間隙部に、それら両者から一体に突出させたアンカーを埋め込む状態でコンクリート壁体を打設形成してボックス型地下ユニットとコンクリート壁体と土留用金属板とが一体結合された構造の地下室を施工していることを特徴とするものである。
【0008】
上記構成の本発明によれば、施工完成状態では短辺方向に□型ラーメン構造で、かつ、長辺方向に耐震壁構造に構築されるボックス型地下ユニットをその壁構造体の上下方向中間部の水平面もしくはその天井構造体及び床構造体の幅方向中間部の垂直面またはそれら両面に沿って分断して略コの字型又は略L字型ラーメン構造の複数の分割ユニットにして工場製作されるものであるから、各ユニット単体の小型、軽量化が図れるとともに、各分割ユニット同士をそれらの壁構造体及び天井構造体、床構造体の厚み分だけずらして重ね合わせたり、壁構造体を互いに逆向きにして重ね合わせたりすることで運搬時の嵩の縮小化も図れて、小型トラックによる安全かつ経済的な運搬及び小型クレーンによる容易、安全かつ経済的な荷降ろし、据付け施工が可能であり、工場製作から運搬〜建設現場での施工完了までの全工程に亘って一貫してボックス型ユニット単体をそのまま取り扱う場合に比して、総合的な経済効果及び施工効率の向上効果が得られる。
【0009】
加えて、ボックス型地下ユニットの構築後、その地下ユニットと該地下ユニット構築用の掘削穴周辺部に建て込み形成された土留用金属板との間隙部にコンクリート壁体を打設形成するだけで、そのコンクリート壁体を、ユニット外周域の余掘り部分に対する裏込め及び防錆、防食塗装に代替させることが可能であり、そのため、ユニット構築後に、余掘り部分に掘削土砂あるいはセメント系地盤固化材を突き固めながら順次埋戻すといった手数及び時間のかかる現場での裏込め工事の簡略合理化及び各ユニットにおける金属製外板の外表面全域に高価な材料、高度な技術及び多大な時間を費やす厚膜型半永久防錆防食のための塗装工事を省略することが可能で、ユニット製作費及び現場工事費の著しい低減が図れる。しかも、ボックス型地下ユニットとその周囲に打設形成されたコンクリート壁体と土留用金属板とがアンカーを介して一体結合され、かつ、土留用金属板は地中深くに根入れして打ち込まれた鉄骨支柱間に建て込まれて地盤に強固に支えられているので、ボックス型地下ユニット全体の対地盤支持強度を非常に大きくすることが可能で、ユニット自体が□型ラーメン構造という構造安全性に優れていることと相俟って、不同沈下及び浮き上がり防止性並びに耐震・耐久性の著しい向上を図ることができる。
【0010】
本発明に係る金属製ユニット型地下室の構造において、請求項2に記載のように、上記複数の分割ユニットの固定接合により構築された短辺方向に□型ラーメン構造で、かつ、長辺方向に耐震壁構造のボックス型地下ユニットの長辺方向の少なくとも一端部側に、天井部が開放し、かつ、床部及び三方の壁部が上記コンクリート基礎及びコンクリート壁体により囲まれた平面視コの字形状のドライエリアを形成することにより、ユニット外周域の余掘り部分に対する裏込め及び防錆、防食塗装に代替しユニット製作費及び現場工事費の著しい低減に寄与するコンクリート壁体を有効に利用して、採光性、通風性を有し開放感が得られるドライエリア付き地下室を、コストの上昇を最小限に止めながら経済的かつ容易に施工することができる。
【0011】
また、本発明に係る金属製ユニット型地下室の構造において、請求項3に記載のように、上記複数の鉄骨支柱の外周部にそれぞれコンクリートを打設することによって、鉄骨支柱自体の対地支持力を増強することが可能となり、これによって、土留用金属板とコンクリート壁体とボックス型地下ユニットの一体結合体の支持強度を一層増大することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る金属製ユニット型地下室の施工完成直後の状態を示す概略側面図、図2は図1のX−X線に沿った概略縦断面図、図3は図1の平面図であり、工場において寸法や形状などを標準化して同一仕様、同一構造に組立製作されて短辺方向に□型ラーメン構造で、かつ、長辺方向に耐震壁構造に構成される任意数のボックス型地下ユニット1…の単体をそれらの短辺方向が連続する状態で地下掘削穴底部に形成されたコンクリートベタ基礎12上に一列状に設置固定するとともに、隣接するボックス型地下ユニット1,1…の単体同士を水密状態に接合連結し、かつ、長辺方向両端部のボックス型地下ユニット1,1の開口端には、図4に示すような妻壁11,11を接合することにより、所望容積の地下室BRを施工する地下一体ユニットが構築される。
【0013】
この地下一体ユニットの構築予定箇所の外周で周方向に適当ピッチを隔てた複数箇所には、オーガー(図示省略する)で穿孔しつつ、その縦孔内にH形鋼等を落とし込むことにより鉄骨支柱13…が打ち込まれている。これら鉄骨支柱13…の上端部はH形鋼等の腹起こし材14に支保され、かつ、下端部は上記コンクリートベタ基礎12よりも深く根入れされているとともに、各々隣接する鉄骨支柱13,13…間には鋼矢板等の土留用金属板15…が上方からの圧入により建て込まれている。この土留用金属板15…で全周が囲まれた領域内部の土砂を掘削し除去することにより形成される上記掘削穴の底部には上記コンクリートベタ基礎12が形成され、このコンクリートベタ基礎12上に上述したとおりの手順により地下一体ユニットが構築される。
【0014】
上記のようにして地下一体ユニットを構築した後、上記土留用金属板15…と複数のボックス型地下ユニット1…の接合連結により構成される地下一体ユニット全外周との間の矩形環状間隙部には、土留用金属板15…から内方に向けて一体に突出させたアンカー16…及び各ボックス型地下ユニット1…から外方に向けて一体に突出させたアンカー17…が埋め込まれる状態でコンクリートを打設することでコンクリート壁体18が形成されており、このコンクリート壁体18と地下一体ユニットを構成する各ボックス型地下ユニット1…及び妻壁11と土留用金属板15…とがアンカー16,17…を介して一体結合された構造の地下室BRが施工されている。
【0015】
なお、上記腹起こし材14は鉄骨支柱13…に溶接又はボルトで固定される。また、各鉄骨支柱13…の外周部の縦孔内には、図5に示すように、コンクリート19…を打設することが望ましい。この場合は、鉄骨支柱13…自体の対地支持力が増強され、土留用金属板15…とコンクリート壁体18とボックス型地下ユニット1…の一体結合構造体の地盤に対する支持強度が一層増大される。
【0016】
以下、地下一体ユニットを構成する各ボックス型地下ユニット1単体の詳細な構造について説明する。
上記各ボックス型地下ユニット1の単体は、図1,図2に示すように、壁構造体2Wの高さ寸法Hの2分の1に相当する中間部高さhの水平面に沿ったラインL1で上下二等分に分断するとともに、図2,図3に示すように、天井構造体2C及び床構造体2Fの幅寸法Wの2分の1よりも幅方向の一方側に偏した位置の垂直面に沿ったラインL2で左右不等分に分断して工場製作された上下及び左右それぞれ二つづつ計四つの分割ユニット1UL,1UR,1DL,1DRを水平面に沿う分断面端部同士及び垂直面に沿う分断面端部同士の突き合わせ状態で固定接合することにより構成されている。
【0017】
上記四つの分割ユニット1UL,1UR,1DL,1DRのうち、上部二つの分割ユニット1UL,1URは、図6に示すように、それぞれ壁構造体2Wの高さ寸法Hの2分の1の高さ寸法hを持つ分割壁構造体2Wul,2Wurと天井構造体2Cの幅寸法Wの2分の1に対して大小二種類の幅寸法w1,w2を持つ分割天井構造体2Cul,2Curとの組立てにより短辺方向には略L字型ラーメン構造で、かつ、長辺方向には耐震壁構造に構成されている一方、下部二つの分割ユニット1DL,1DRは、図6に示すように、それぞれ壁構造体2Wの高さ寸法Hの2分の1の高さ寸法hを持つ分割壁構造体2Wdl,2Wdrと床構造体2Fの幅寸法W(=天井構造体2Cの幅寸法)の2分の1に対して大小二種類の幅寸法w1,w2を持つ分割床構造体2Fdl,2Fdrとの組立てにより短辺方向には略L字型ラーメン構造で、かつ、長辺方向には耐震壁構造に構成されている。
【0018】
そして、下部二つの分割ユニット1DL,1DRを建設現場の地下掘削穴底部のコンクリートベタ基礎12上に設置してそれらの分割床構造体2Fdl,2Fdrの端部同士を突き合わせて固定接合した上、上部二つの分割ユニット1UL,1URを下部二つの分割ユニット1DL,1DRの上段に積み重ねてそれらの分割天井構造体2Cul,2Curの端部同士を突き合わせて固定接合するとともに、上下で対向する分割ユニット1UL,1DL及び1UL,1URにおける分割壁構造体2Wul,2Wdl及び2Wur,2Wdrの端部同士を突き合わせて固定接合することにより、図2に示すとおり、短辺方向には□型ラーメン構造で、かつ、長辺方向には耐震壁構造のボックス型地下ユニット1の単体が地下に構築される。
【0019】
上記各分割ユニット1UL,1UR,1DL,1DRにおける分割壁構造体2Wul,2Wur,2Wdl,2Wdr、分割天井構造体2Cul,2Cur及び分割床構造体2Fdl,2Fdrは、適当ピッチに配置された例えばチャンネル鋼等の芯材鉄骨3…の外側に鋼板等の金属製外板4が固定されているとともに、芯材鉄骨3…の内側に内装仕上げ用木製下地(図示省略)が接着固定されており、かつ、内装板と金属製外板4との間の空間で芯材鉄骨3…を取り囲む箇所及び金属製外板4に接する箇所には、発泡ウレタン等の発泡性樹脂材料を現場吹き付けすることにより断熱層(図示省略)が形成されている。なお、妻壁11も、チャンネル鋼等の芯材鉄骨3aの外側に鋼板等の金属製外板4aが固定され、かつ、内側に木製内装板(図示省略)を釘止めや接着などにより固定施工可能な内装仕上げ用木製下地(図示省略)が接着固定された構成であるが、その詳細構造については図示省略する。
【0020】
上記したように、工場製作される各分割ユニット1UL,1DL,1UR,1DRは略L字型形状であって、分割ユニット単体の小型、軽量化が可能であるとともに、建設現場への運搬時には、例えば図7(a)に示すように、各分割ユニット同士をそれらの壁構造体及び天井構造体、床構造体の厚み分だけずらして重ね合わせたり、図7(b)に示すように、壁構造体を互いに逆向きにして重ね合わせたりすることにより、単一のボックス型ユニツトの場合に比して全体の嵩(高さ及び横幅)を小さくすることが可能であり、これによって、小型トラックでの運搬が可能であるとともに、道路運搬上の限界高さや狭小幅道路運搬時の困難性及び安全性の問題も克服することが可能である。また、建設現場でトラックから荷降ろしたり、建て方工事する時も小型のクレーンを使用して低い地上高のもとで作業することが可能であり、これによって、クレーンによって吊り上げられたユニットが電線等の現場周辺に存在する障害物に干渉したり、あるいは、風等の影響を受けて振れたりことがなくなり、荷降ろし乃至建て方工事を容易かつ安全に行うことが可能である。
【0021】
また、ボックス型地下ユニット1…の構築後、それら地下ユニット構築用の掘削穴周辺部に建て込み形成された土留用金属板15…との間の間隙部にコンクリートを打設して壁体18を形成することで、そのコンクリート壁体18を、ユニット外周域の余掘り部分に対する裏込め及び防錆、防食塗装に代替させて、余掘り部分に掘削土砂あるいはセメント系地盤固化材を突き固めながら順次埋戻すといった手数及び時間のかかる現場での裏込め工事を簡略合理化できるとともに、各地下ユニット1…及び妻壁11における金属製外板4…、4aの外表面全域に高価な塗材を使用し高度な技術及び多大な時間を費やさねばならない厚膜型半永久防錆防食のための塗装工事を省略することができ、ユニット製作費及び現場工事費の著しい低減が図れる。
【0022】
その上、ボックス型地下ユニット1…とその周囲に打設形成されたコンクリート壁体18と地中深くに根入れして打ち込まれた鉄骨支柱13…間に建て込まれて地盤に強固に支えられている土留用金属板15…とがアンカー16,17…を介して一体結合されているので、ボックス型地下ユニット全体の対地盤支持強度を非常に大きくすることが可能で、ユニット1…自体が□型ラーメン構造という構造安全性に優れていることと相俟って、不同沈下及び浮き上がり防止性並びに耐震・耐久性の著しい向上を図ることができる。
【0023】
なお、上記実施の形態では、各分割ユニットが、壁構造体2Wの高さ寸法Hの2分の1に相当する中間部高さhの水平面に沿ったラインL1及び天井構造体2C及び床構造体2Fの幅寸法Wの2分の1よりも幅方向の一方側に偏した位置の垂直面に沿ったラインL2で分断されて計四つの略L字型ラーメン構造に構成されたものについて説明したが、水平面に沿ったラインL1あるいは垂直面に沿ったラインL2のみで上下あるいは左右に分断されて二つの略コ字型ラーメン構造に構成されたものであってもよい。
【0024】
また、上記したコンクリート壁体18を利用して図8及び図9に示すようなドライエリア付き地下室を容易に施工することができる。詳述すると、任意複数個のボックス型地下ユニット1…を接合連結して所望容積の地下室BRを施工する地下一体ユニットの構築後において、該地下一体ユニットの長辺方向一端部(両端部であってもよい)側で、その端部地下ユニット1に対して適当距離を隔てた箇所に平面視コの字形のコンクリート型枠20を仮設する。そして、この仮設コンクリート型枠20と地下掘削穴周辺部に建て込み形成された土留用金属板15…との間のコの字形状間隙部を含めて地下一体ユニットの全外周と土留用金属板15…との間の矩形環状間隙部に配筋しコンクリートを打設して壁体18を形成することにより、天井部が開放し、かつ、床部及び三方の壁部がコンクリート壁体18及びコンクリートベタ基礎12によって囲まれた平面視コの字形状のドライエリア21を形成する。
【0025】
このようにユニット外周域の余掘り部分に対する裏込め及び防錆、防食塗装に代替しユニット製作費及び現場工事費の著しい低減に寄与するコンクリート壁体18を有効に利用することで、採光性、通風性を有し開放感が得られるドライエリア21付き地下室を、コスト上昇を最小限に止めながら経済的かつ容易に施工することができる。なお、ドライエリア21の床部に相当するコンクリートベタ基礎12部分上には、ドライエリア用コンクリート床22を形成することが望ましい。
【0026】
さらに、上記実施の形態の地下室において、水平面に沿ったラインL1で上下に分断される二つの略コ字型ラーメン構造の分割ユニットのうち、上部分割ユニットの幅方向両端部から上方に向けて上部建物の布基礎を兼用する延出部を一体に連設してもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、施工完成状態で短辺方向に□型ラーメン構造に構成されるべきボックス型ユニットを水平面及び垂直面のうちの少なくとも一方の面に沿って分断して複数のラーメン構造のユニットに分割して工場製作する方式を採用することにより、各ユニット単体の小型、軽量化が図れるとともに、運搬時の嵩の縮小化も図れて、小型トラックによる安全かつ経済的な運搬及び小型クレーンによる容易、安全かつ経済的な荷降ろし、据付け施工が可能となり、工場製作から運搬〜建設現場での施工完了までの全工程に亘って一貫してボックス型ユニット単体をそのまま取り扱う場合に比して、経済効果及び施工効率の向上効果が得られる。
【0028】
その上、ボックス型地下ユニットの構築後、その地下ユニットと掘削穴周辺部に建て込み形成された土留用金属板との間隙部にコンクリート壁体を打設形成することで、そのコンクリート壁体を、ユニット外周域の余掘り部分に対する裏込め及び防錆、防食塗装に代替させることが可能であるため、余掘り部分に対する裏込め工事を簡略合理化して現場工事費の低減及び手数の削減を図ることができるだけでなく、各ユニットにおける金属製外板の外表面全域に対する厚膜型半永久防錆防食のための塗装工事を省略してユニット製作費の低減及び製作工数の削減を図ることができる。しかも、ボックス型地下ユニットとコンクリート壁体と地中深くに根入れして打ち込まれた鉄骨支柱間に建て込まれて地盤に強固に支えられている土留用金属板とを一体結合した構造とすることにより、ボックス型地下ユニット全体の対地盤支持強度を非常に大きくすることができ、ユニット自体が□型ラーメン構造という構造安全性に優れていることと相俟って、不同沈下及び浮き上がり防止性能並びに耐震・耐久性の著しい向上を図ることができるという顕著な効果を奏する。
【0029】
特に、請求項2に記載のように、ユニット外周域の余掘り部分に対する裏込め及び防錆、防食塗装に代替しユニット製作費及び現場工事費の著しい低減に寄与するコンクリート壁体を有効に利用して平面視コの字形状のドライエリアを形成することによって、採光性、通風性を有し開放感が得られるドライエリア付き地下室をコストの上昇を最小限に止めながら経済的かつ容易に施工することができる。
【0030】
また、請求項3に記載のように、地中に打ち込まれる複数の鉄骨支柱の外周部にそれぞれコンクリートを打設することによって、鉄骨支柱自体の対地支持力を増強して、土留用金属板とコンクリート壁体とボックス型地下ユニットの一体結合構造体の支持強度を一層増大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属製ユニット型地下室が施工完成された状態を示す概略側面図である。
【図2】図1のX−X線に沿った概略縦断面図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】妻壁を示す正面図である。
【図5】地中に打ち込まれた鉄骨支柱の拡大横断面図である。
【図6】四つの分割ユニットの構成を説明する縦断正面図である。
【図7】(a),(b)共に分割ユニット運搬時における重ね合わせ状態を説明する概略正面図である。
【図8】ドライエリア付き地下室を施工完成した状態を示す要部の拡大縦断側面図である。
【図9】図8の平面図である。
【符号の説明】
1 ボックス型ユニット
1UL 上部の左側分割ユニット
1UR 上部の右側分割ユニット
1DL 下部の左側分割ユニット
1DR 下部の右側分割ユニット
2W 壁構造体
2Wul,2Wur,2Wdl,2Wdr 分割壁構造体
2C 天井構造体
2Cul,2Cur 分割天井構造体
2F 床構造体
2Fdl,2Fdr 分割床構造体
3 芯材鉄骨
4 金属製外板
12 コンクリートベタ基礎
13 鉄骨支柱
15 土留用金属板
16,17 アンカー
18 コンクリート壁体
19 コンクリート
21 ドライエリア
W ボックス型ユニット単体の全幅寸法
w1 分割天井構造体2Cul,分割床構造体2Fdlの幅寸法
w2 分割天井構造体2Cur,分割床構造体2Fdrの幅寸法
H ボックス型ユニット単体の全高寸法
h 分割壁構造体2Wul,2Wur,2Wdl,2Wdrの高さ寸法
BR 地下室

Claims (3)

  1. 複数の芯材鉄骨の外側に金属製外板が固定された壁構造体、天井構造体及び床構造体を組立てて構成される金属製ボックス型地下ユニットをその壁構造体の上下方向中間部の水平面及びその天井構造体及び床構造体の幅方向中間部の垂直面のうち、少なくとも一方の面に沿って分断して略コ字型又は略L字型ラーメン構造の複数の分割ユニットが工場製作されており、
    分離状態で建設現場に搬入されたこれら複数の分割ユニットを、建設現場の掘削穴底部に形成されたコンクリート基礎上に設置するとともに、各分割ユニットの水平面、垂直面もしくは水平・垂直両面に沿う分断面端部同士の突き合わせ状態で固定接合することにより、短辺方向に□型ラーメン構造で、かつ、長辺方向に耐震壁構造のボックス型地下ユニットが構築され、
    この構築されたボックス型地下ユニットの外周で上記掘削穴周辺部の複数箇所の地中にはコンクリート基礎よりも深い根入れ状態で鉄骨支柱が打ち込まれているとともに、各隣接鉄骨支柱間には土留用金属板が建て込まれており、
    これら土留用金属板と上記ボックス型地下ユニット全外周との間の間隙部に、それら両者から一体に突出させたアンカーを埋め込む状態でコンクリート壁体を打設形成してボックス型地下ユニットとコンクリート壁体と土留用金属板とが一体結合された構造の地下室を施工していることを特徴とする金属製ユニット型地下室の構造。
  2. 上記複数の分割ユニットの固定接合により構築された短辺方向に□型ラーメン構造で、かつ、長辺方向に耐震壁構造のボックス型地下ユニットの長辺方向の少なくとも一端部側には、天井部が開放し、かつ、床部及び三方の壁部が上記コンクリート基礎及びコンクリート壁体により囲まれた平面視コの字形状のドライエリアが形成されている請求項1に記載の金属製ユニット型地下室の構造。
  3. 上記複数の鉄骨支柱の外周部には、それぞれコンクリートが打設されている請求項1または2に記載の金属製ユニット型地下室の構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007177603A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Mitsumasa Murakami 金属製地下室の施工法

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