JP2004162036A - オキシラン含有有機ケイ素組成物の製造方法 - Google Patents

オキシラン含有有機ケイ素組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 再現性のある粘度及び貯蔵寿命の長いオキシラン含有有機ケイ素組成物を製造する。
【解決手段】 生成組成物の重量を基準にして1ppm未満の量でヒドロシリル化触媒PtL22を用いてオレフィン及び水素化ケイ素から有機ケイ素組成物を製造するための方法について開示する。この方法は、特にヒドロシリル化でオキシラン含有オレフィンを使用する場合、生成物のコスト、着色を低減し、安定性を高めるのに特に有用である。この方法では、反応時のオキシランの不都合な重合を防止するための抑制剤が不要で、溶媒を始めとする揮発性成分の除去後における生成物の精製も不要である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、オキシラン含有有機ケイ素組成物の製造方法に関する。
本発明は、概括的には、極低レベルの白金触媒を用いて、オレフィン及びオキシラン含有オレフィンと水素化ケイ素基とのヒドロシリル化によって純粋な有機ケイ素組成物を製造するための迅速な直接法に関する。一般に、ヒドロシリル化触媒は白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、鉄又はコバルトの錯体である。これらの遷移金属ヒドロシリル化触媒の多くは、水素化ケイ素の存在下でオキシランの開環重合も促進する。本発明では、ヒドロシリル化反応はオレフィン中及び有機ケイ素生成物中のオキシラン環がそのまま残るように進行する。さらに、本発明は上述の方法で製造した硬化性オキシラン含有シロキサン(エポキシシロキサン)組成物にも関する。オキシラン含有有機ケイ素組成物の製造時の開環重合反応は、反応混合物の部分的又は完全なゲル化を起こしてバッチ全体の損失、さらには不溶性ゲル化樹脂の清掃のため多大な時間的損失をもたらしかねないので、望ましくないことがある。ヒドロシリル化反応時に開環重合反応による部分ゲル化が起こりかねないので、オキシラン含有有機ケイ素生成物のバッチ間で再現性のある粘度を得るのは難しい。かかる粘度再現性はオキシラン含有有機ケイ素組成物の商業用途において極めて好ましく、これらの材料は塗料並びに高輝度発光ダイオード用封止材及びレンズ材料のような用途に使用できる。
場合によっては、生成オキシラン含有有機ケイ素組成物はオキシランの開環重合のため貴金属ヒドロシリル化触媒存在下での室温貯蔵中にゆっくりとゲル化し、そのため生成物の貯蔵寿命が短くなることが判明している。かかる貯蔵上の問題は、白金錯体の場合にはドデシルメルカプタンや2−メルカプトベンゾチアゾールのような抑制剤を用いて遷移金属錯体触媒を失活させることで部分的に軽減できるが、オキシラン含有有機ケイ素組成物の製造プロセスにはかかる余分な成分及び追加工程を導入しない方が好ましいであろう。こうした貯蔵上の問題は、製造プロセスにおいて水素化ケイ素が完全に消費するようにすることによっても軽減できる。
一般に、オキシラン開環重合反応を最小限に抑えるには、合成時のバッチ温度及びオキシラン含有オレフィン供給量の綿密な制御、さらには上述の通りヒドロシリル化反応の完了後の触媒の不活性化が必要とされる。
ホスフィン配位子を含有するある種のヒドロシリル化触媒が公知である。例えば、RhCl(PPh3)3(Wilkinson触媒)はSiH含有シラン及びシロキサンとビニルオキシランとのヒドロシリル化反応を効率的に触媒する。他のロジウム系触媒は、オキシラン開環重合反応を促進せずにヒドロシリル化反応を選択的に促進すると報告されている。これらの触媒を用いて様々なエポキシ官能化シリコーンモノマー及びオリゴマーが合成されてきた。しかし、オキシラン含有オレフィンのヒドロシリル化反応に従来使用されていた触媒の多く(特にPt含有触媒)はオキシラン開環重合反応を促進するため、ヒドロシリル化法によるオキシラン含有有機ケイ素組成物の選択的製造ができなかった。
そこで、オレフィン又は有機ケイ素生成物のオキシラン開環重合を促進しないような量の触媒の存在下で有機ケイ素組成物を製造するための効率的なヒドロシリル化方法を提供することが望まれる。かかる方法は、再現性のある粘度及び貯蔵寿命の長いオキシラン含有有機ケイ素組成物を製造する手段を与える。
本発明は、有機ケイ素組成物の製造方法であって、当該方法が、
1種以上のオレフィンと、水素化ケイ素基を含む1種以上のケイ素化合物と、式PtL22(式中、各LはER3、E(OR)3及びE(NR2)3からなる群から独立に選択され、各Eはリン、ヒ素及びアンチモンからなる群から独立に選択され、各Rは独立にヒドロカルビル基であり、各Xは塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群から独立に選択される。)の1種以上の白金(II)錯体を含むヒドロシリル化触媒と、適宜1種以上の溶媒とを含む混合物(オレフィン及びケイ素化合物は、該混合物がSi−H基1個当たり1以上の反応性二重結合を含むような量で存在し、ヒドロシリル化触媒の量は混合物中の白金の存在量が生成有機ケイ素組成物の総重量を基準にして約1ppb〜1000ppb未満となる量である。)を調製し、
酸素存在下において略室温〜約300℃の温度で混合物を反応させて生成有機ケイ素組成物を生成させる
ことを含んでなる方法に関する。
本発明の一態様では、ヒドロシリル化触媒の使用量は、白金の存在量が生成有機ケイ素組成物の総重量を基準にして約1ppb超〜1000ppb未満に等しくなる量である。
さらに別の態様では、本発明は本発明の方法で製造された有機ケイ素組成物に関する。一態様では、本発明は本発明の方法で製造された安定なオキシラン含有有機ケイ素組成物に関する。
本明細書中において、周期表の族元素の記載は、“Chemical and Engineering News”,63(5),7,1985に発表された“Periodic Table of Elements”を参照したものであり、この文献に記載された表は援用によって本明細書の内容の一部をなす。この方式では、族には1〜18の番号が付されている。
以下の本発明の好ましい実施形態についての説明及び実施例を参照することで本発明の理解を深めることができよう。本明細書及び特許請求の範囲では多くの用語を用いるが、以下の意味をもつものと定義される。
単数形で記載したものであっても、前後関係から明らかでない限り、複数の場合も含めて意味する。
本明細書中「オレフィン」という用語は、炭素−炭素二重結合が組み込まれた化合物をいう。
本明細書中「エポキシオレフィン」という用語は、オレフィンでオキシラン環を有するものをいう。例えば、4−ビニルシクロヘキセンオキシドはオレフィンでもあり、エポキシオレフィンでもある。
本明細書中「水素化ケイ素基を含むケイ素化合物」という用語は、1以上のSiH基を含むケイ素化合物をいう。「水素化ケイ素基を含むケイ素化合物」の一例は、トリメチルシラン(Me3SiH)である。トリフェニルシランも「SiH基を含むケイ素化合物」の例であり、テトラメチルジシラン((HSiMe2)2)も同様である。
完全な化合物について述べる場合、「水素化ケイ素」という用語は「水素化ケイ素基を含むケイ素化合物」という用語と同義である。「水素化ケイ素基」という用語は、「水素化ケイ素基を含むケイ素化合物」に存在するSiH部分を意味する。例えば、トリメチルシラン(Me3SiH)は「水素化ケイ素基」を含む「水素化ケイ素」であり、SiH部分を含んでいることを意味する。
本明細書中「生成有機ケイ素組成物」という用語は、本明細書中で定義した1種以上の「水素化ケイ素基を含むケイ素化合物」と本明細書中で定義した1種以上の「オレフィン」とのヒドロシリル化反応で生成する生成物をいう。
本明細書中「ヒドロカルビル基」という用語は、炭素原子と水素原子とを含む一価の線状、枝分れ、環式又は多環式基をいう。ヒドロカルビル基は、炭素原子と水素原子に加えて、周期表の第15族及び第16族から選択される原子を適宜含んでいてもよい。一価ヒドロカルビル基の例には、C1〜C30アルキル、C1〜C30アルキルやC3〜C15シクロアルキルやアリールから選択される1以上の基で置換されたC1〜C30アルキル、C1〜C20アルキルやC3〜C15シクロアルキルやアリールから選択される1以上の基で置換されたC3〜C15シクロアルキル、C6〜C15アリール、及びC1〜C30アルキルやC3〜C15シクロアルキルやアリールから選択される1以上の基で置換されたC6〜C15アリールがあるが、アリールは好ましくは置換又は非置換フェニル、ナフチル又はアントラセニル基を意味する。
本発明は、有機リン配位子、有機ヒ素配位子又は有機アンチモン配位子を含む白金(II)錯体の形態にあるppmレベル未満の白金が、有機ケイ素組成物を製造するためのオレフィンと水素化ケイ素とのヒドロシリル化反応を効果的に触媒するという予想外の知見に基づく。ヒドロシリル化の化学においてこのような低レベルの白金触媒を使用した先例はない。例えば、先行技術では、1ppmを超える触媒レベルを使用すべき旨教示されている。オキシラン含有有機ケイ素組成物の公知の製造方法に関する問題は、使用するヒドロシリル化触媒が、オキシラン含有オレフィン出発原料、オキシラン含有有機ケイ素生成物又はその両者に存在するオキシラン基の不都合な重合も触媒してゲル生成を引き起こしかねないことである。例えば、高沸点アミンの添加はゲル生成を抑制するが、ヒドロシリル化反応自体も抑制して反応体から生成物への転化が不完全となってします。安定剤の抑制効果に打ち勝つため、白金(II)触媒の添加量を高くする必要が生じるが、これはプロセスコストの大幅な増加、反応時間の増大及び生成物の変色をもたらす。
上述の通り、本発明の方法は、オレフィンと水素化ケイ素とのヒドロシリル化を促進して有機ケイ素組成物を生成させる条件下で有機ケイ素組成物を製造するための効率的で極めて選択的な方法を提供する。オレフィン化合物がオキシランを含む場合、本発明の条件下では、出発原料及び生成オキシラン含有有機ケイ素組成物のオキシラン環は実質的にそのまま残る。「実質的にそのまま」とは、たとえオキシランの開環があったとしても、そのレベルが生成オキシラン含有有機ケイ素組成物の粘度に測定可能な影響を与えないことを意味する。これは、通例、ヒドロシリル化反応時に、出発原料及び生成物中に存在するオキシラン環の95%超、さらに好ましくは98%超、さらに一段と好ましくは99%超がそのまま残ることを意味する。
水素化ケイ素は、1以上のSi−H基を有するケイ素化合物であればどんなタイプのものでもよい。水素化ケイ素中に存在し得る官能基の範囲については、官能基がヒドロシリル化反応条件下で不活性である限り、何ら制限はない。かかる不活性官能基の例には、ヒドロカルビル基、アルコキシ基及びアリールオキシ基がある。水素化ケイ素の例には、テトラメチルジシロキサン、トリエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、トリエチルシラン、メチルジエトキシシランなどがある。水素化ケイ素は、シラン、シロキサン又はその混合物でよい。本発明を説明するに当たり、シランは1以上のヒドリド基を有するがSi−O−Si結合は有しない化合物として定義され、シロキサンは1以上のヒドリド基と1以上のSi−O−Si結合を有する化合物として定義される。水素化ケイ素の各種線状及び枝分れ構造はいずれも本発明の技術的範囲に属する。線状及び枝分れ構造に加えて、シロキサンには環状構造も包含される。1以上の水素化ケイ素基を有する環状シロキサンの適当な例には、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサンなどがある。線状オルガノハイドロジェンシロキサンの例には、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビス(ジメチルシリル)シリケート、ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(メチルハイドロジェンシロキサン)コポリマー、ジアルキルハイドロジェンシリルオキシ−末端停止ポリジアルキルシロキサン、3以上のアルキルハイドロジェンシリルオキシ基を含むコポリマー(例えば、(CH3)2(H)SiO[(CH3)2SiO]x[(CH3)(H)SiO]ySi(H)(CH3)2(式中、「x」及び「y」は1以上である。))などがある。環状水素化ケイ素と線状水素化ケイ素を含む混合物もヒドロシリル化試薬として使用でき、多種多様なヒドロシリル化生成物が得られる。
ヒドロシリル化触媒は、式PtL22の白金(II)錯体である。式中、各LはER3、E(OR)3及びE(NR2)3からなる群から独立に選択され、各Eはリン、ヒ素及びアンチモンからなる群から独立に選択され、各Rは独立にヒドロカルビル基であり、各Xは塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群から独立に選択される。「L」の適当な例には、特に限定されないが、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、トリフェニルアルシン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−ブチルスチビン、トリ−n−ブチルアルシン、トリメチルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、ジメチルホスフィン、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリ−n−ブチル、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリトリルなどがある。
白金(II)錯体の適当な例には、特に限定されないが、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)白金、ジヨードビス(トリフェニルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリフェニルスチビン)白金、ジブロモビス(トリフェニルスチビン)白金、ジヨードビス(トリフェニルスチビン)白金、ジクロロビス(トリフェニルアルシン)白金、ジブロモビス(トリフェニルアルシン)白金、ジヨードビス(トリフェニルアルシン)白金、ジクロロビス(トリ−n−ブチルホスフィン)白金、ジブロモビス(トリ−n−ブチルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリトリルホスフィン)白金などがある。「L」と「X」の様々な組合せで得られる触媒組成物も、当業者には明らかな通り、本発明の方法によるヒドロシリル化反応で十分に機能する。
上述のヒドロシリル化触媒は、予備形成錯体としてヒドロシリル化反応混合物に導入してもよいし、或いは現場で調製してもよい。ヒドロシリル化触媒の現場調製の一実施形態では、白金錯体PtX2(式中、各「X」は塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群から独立に選択される。)を、オレフィン及び適宜Si−H基を含むケイ素化合物の存在下で、式ER3、E(OR)3又はE(NR2)3の化合物「L」(式中、Eはリン、ヒ素及びアンチモンからなる群から選択され、各Rは独立にヒドロカルビル基である。)と混合する。
意外にも、ppbレベルの触媒がクリーンなヒドロシリル化反応生成物を与えるという知見が得られた。ヒドロシリル化触媒は白金量に対応する量で存在し、ヒドロシリル化触媒の量は、混合物中の白金の存在量がヒドロシリル化生成物の重量を基準にして約1ppb〜1000ppb未満となる量である。好ましい実施形態では、上記に定義した白金の存在量はヒドロシリル化生成物の重量を基準にして約10〜約500ppbである。さらに好ましい実施形態では、上記に定義した白金の存在量はヒドロシリル化生成物の重量を基準にして約50〜約200ppbである。
ヒドロシリル化反応は広範な温度で実施できる。本発明はいかなる作用理論にも束縛されないが、温度は白金中心に配位した配位子Lの解離によってオレフィン又はオキシラン含有オレフィンと相互作用する配位不飽和部位を生じる過程を通して白金(II)錯体触媒の活性化に決定的な役割を果たすと考えられる。また、Pt(II)−L配位結合の強さはEの性質に依存するだけでなく、「E」に結合した「R」基、「OR」基又は「NR2」基の性状にも依存する。ヒドロシリル化反応は、ほぼ室温〜約300℃の温度で実施できる。好ましい実施形態では、反応はほぼ室温〜約200℃の温度で実施できるが、さらに好ましい実施形態では、反応は約50〜約150℃で実施できる。
ヒドロシリル化反応では適宜溶媒を使用し得る。溶媒の使用は、ケイ素化合物、オレフィン又は両者が固体又は非常に粘稠な液体である場合、或いは反応混合物が時間経過と共に粘稠化して反応混合物の効率的な撹拌が難しくなる場合に有用である。また、溶媒の使用は反応混合物の温度の調節にも有用である。本発明の方法で使用し得る適当な溶媒は、通例約30〜約250℃の沸点を有する溶媒である。好ましい実施形態では、溶媒は約100〜約200℃の沸点を有し、さらに好ましい実施形態では、溶媒は約100〜約160℃の沸点を有する。
ヒドロシリル化反応用の適当な溶媒には、C5〜C30置換及び非置換アリール、アラルキル及びアルカリール炭化水素、線状及び枝分れパラフィン、並びにこれらの溶媒を適宜組合せてなる混合物からなる群から選択されるものがある。芳香族溶媒の例には、ヘンゼン、トルエン、各種キシレン(オルト、メタ又はパラ)又はキシレン異性体混合物、メシチレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、(n−ブチルベンゼン)などがある。置換芳香族溶媒の例には、アニソール、アルキル化アニソールなどのような、アルコキシ基を有するものがある。線状及び枝分れパラフィン溶媒の例には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンその他市販の高沸点パラフィン混合物がある。特定の実施形態では、ヒドロシリル化反応用の溶媒は、トルエン、各種キシレン(オルト、メタ又はパラ)、キシレン異性体混合物、及びこれらの溶媒を適宜組合せてなる混合物からなる群から選択される。別の特定の実施形態では、溶媒は水素化ケイ素基を有していてもよい。
ヒドロシリル化反応の実施に当たっては、酸素の存在が望ましい。一実施形態では、反応は周囲大気下で実施し得る。周囲大気とは、ヒドロシリル化反応時に反応混合物を大気に暴露することを意味する。
ヒドロシリル化反応のオレフィン成分は、一般に、エチレン性不飽和化合物であればどんなものでもよい。本明細書中では、エチレン性不飽和化合物は1以上の炭素−炭素二重結合を有する化合物として定義される。オレフィンは置換型でも非置換型でもよい。置換とは、オレフィンが水素以外の置換基を含むことを意味する。置換オレフィンに存在し得る置換基の例には、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基などがある。通例、オレフィン出発原料に存在する置換基は、ヒドロシリル化反応条件下で不活性であるのが好ましい。オレフィン化合物はオキシランを含んでいてもよい。オキシラン含有オレフィンは、オキシラン含有有機ケイ素化合物の合成に有用な原料である。オキシラン含有オレフィンは、一般に、分子中に1以上の炭素−炭素二重結合を有する有機オキシラン化合物であればどんなものでもよい。適当なオキシラン含有オレフィンの例には、特に限定されないが、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンオキシド、2,6−ジメチル−2,3−エポキシ−7−オクテン、1,4−ジメチル−4−ビニルシクロヘキセンオキシド、4−ビニルシクロヘキセンオキシド、ビニルノルボルネンモノオキシド、ジシクロペンタジエンモノオキシド、1,2−エポキシ−6−ヘプテン及び1,2−エポキシ−3−ブテンなどがある。
ヒドロシリル化反応の実施に必要なオレフィンの量は、一般に、反応混合物中にSi−H基1個当たり1以上の反応性二重結合が含まれるようになる量である。本明細書中「反応性二重結合」という用語は、本発明の条件下でSi−H基とのヒドロシリル化反応を起こす二重結合として定義される。反応性二重結合の例には、4−ビニルシクロヘキセンオキシドのビニル基及びオイゲノール中に存在する脂肪族二重結合がある。
有機ケイ素組成物の製造に関する特定の実施形態では、水素化ケイ素の添加に先立って、任意成分の溶媒、オレフィン及び白金触媒を混合する。上述の方法は、オキシラン含有有機ケイ素組成物の製造に特に有用である。
別の実施形態では、本発明の方法は、ヒドロシリル化反応の完了後に反応混合物の揮発性成分を除去する最終蒸発段階(本明細書中では段階(E)という)後にある総重量を有するオキシラン含有有機ケイ素組成物の製造に使用できる。かかる実施形態は、(A)i)1以上のオキシラン環を含む1種以上のオレフィン化合物と、ii)適宜1種以上の溶媒と、iii)式PtL22(式中、各「L」はER3、E(OR)3及びE(NR2)3からなる群から独立に選択され、各「E」はリン、ヒ素及びアンチモンからなる群から独立に選択され、各Rは独立にヒドロカルビル基であり、各「X」は塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群から独立に選択される。)の白金(II)錯体を含む1種以上のヒドロシリル化触媒とを混合して混合物(ただし、ヒドロシリル化触媒は白金の量に対応した量で存在しており、ヒドロシリル化触媒の量は混合物中の白金の存在量が蒸発段階(E)後のオキシラン含有有機ケイ素組成物の総重量を基準にして約1ppb〜1000ppb未満となる量である。)を調製する段階、(B)段階(A)で得られた混合物を酸素存在下で約50〜約250℃の温度に加熱する段階、(C)加熱した混合物に1種以上の水素化ケイ素基を添加する段階、(D)段階(A)〜(C)で得られた混合物を、水素化ケイ素が実質的にすべて反応するまで約50〜約300℃の温度に加熱する段階、並びに(E)段階(A)〜(D)で得られた混合物を減圧下で加熱して揮発性物質を実質的にすべて除去し、1以上のオキシラン環を含むオキシラン含有有機ケイ素組成物を得ることからなる蒸発段階を含んでなり、段階(A)〜(E)において、オレフィン化合物又はオキシラン含有有機ケイ素組成物中に当初存在していたオキシラン環が実質的にそのまま残る。「水素化ケイ素が実質的にすべて反応する」という語句は、分析方法で測定してすべての水素化ケイ素基が完全に消費されることを意味する。かかる目的のための分析方法の例は、赤外分光分析である。
ヒドロシリル化反応の進行は、赤外分光分析で水素化ケイ素のSi−H吸収の消失(約2100cm-1で起こる)をモニターすることによって追跡できる。ヒドロシリル化反応がほぼ完了したと判断されれば、1種以上の溶媒及び1種以上のオレフィンの過剰分を真空下で蒸発させて、所望の有機ケイ素組成物を得る。通例、本発明の方法で製造される生成有機ケイ素組成物はほぼ無色の物質である。
特定の実施形態では、蒸発段階(E)後にある総重量を有するオキシラン含有有機ケイ素組成物の製造方法は、(A)i)トルエン、各種キシレン、メシチレン及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の溶媒と、ii)4−ビニルシクロヘキセンオキシドと、iii)式(PPh3)2PtX2(式中、各「X」は塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群から独立に選択される。)のヒドロシリル化触媒とを混合して酸素存在下で混合物(ただし、4−ビニルシクロヘキセンオキシドは4−ビニルシクロヘキセンオキシドのモル数に対応した量で混合物中に存在し、ヒドロシリル化触媒は白金の量に対応した量で存在し、ヒドロシリル化触媒の量は混合物中の白金の存在量が蒸発段階(E)後のオキシラン含有有機ケイ素組成物の総重量を基準にして約1ppb〜1000ppb未満となる量である。)を調製する段階、(B)段階(A)で得られた混合物を約110〜約150℃の温度に加熱する段階、(C)段階(A)〜(B)で得られた混合物に、1種以上の水素化ケイ素を、混合物中に存在する4−ビニルシクロヘキセンオキシド1モル当たり約0.1〜約1モルの総Si−H基に相当する量で添加する段階、(D)段階(A)〜(C)で得られた混合物を、水素化ケイ素が実質的にすべて反応するまで約50〜約300℃の温度に加熱する段階、並びに(E)段階(A)〜(D)で得られた混合物を減圧下で加熱して揮発性物質を実質的にすべて除去し、1以上のオキシラン環を含むオキシラン含有有機ケイ素組成物を得ることからなる蒸発段階を含んでなり、段階(A)〜(E)において、4−ビニルシクロヘキセンオキシド及びオキシラン含有有機ケイ素組成物中に当初存在していたオキシラン環が実質的にそのまま残る。
さらに別の実施形態では、本発明の方法は、上述の一般的方法を用いて製造された硬化性組成物を提供する。ここで、組成物はある重量を有しており、当該組成物は硬化性組成物の重量を基準にして1000ppb未満の白金を含む。
有機ケイ素ポリマー構造を表す略記法では、
Mは(CH3)3SiO1/2を表し、
E
Figure 2004162036
を表し、
Hは(CH3)2HSiO1/2を表し、
Dは(CH3)2Si(O1/2)2を表し、
E
Figure 2004162036
を表し、
Hは(CH3)HSi(O1/2)2を表し、
QはSi(O1/2)4を表す。
ヒドロシリル化反応の高い選択性を利用すれば、以下に示す式(I)〜(VI)の各種オキシラン含有有機ケイ素組成物が高純度で製造される。これらの組成物は、対応する水素化ケイ素化合物及びビニルシクロヘキセンオキシド(以下、「VCHO」ともいう。)を出発原料として用いて容易に製造される。オキシラン含有有機ケイ素組成物は硬化エポキシ樹脂の製造に有用なモノマーであり、硬化エポキシ樹脂自体はLED用封止材の製造に特に有用である。
Figure 2004162036
公知のヒドロシリル化条件を用いると、高品質で無色透明の物質を製造するのが往々にして困難となる。主な問題は、反応が極めて選択的でなければならず、非常に高い収率でヒドロシリル化生成物を生成しなければならず、最終有機ケイ素組成物中に残留しても有機ケイ素組成物の貯蔵寿命に影響を及ぼさないような低レベルのヒドロシリル化触媒を使用しなければならないことである。その理由は、生成組成物が高い沸点及び高い粘度を有しており、そのため生成組成物の精製が困難又は不可能であるためである。上記のような反応で精製段階を避けることができれば、ある種のケイ素化合物を現在公知の他の方法では不可能な高純度で入手できるだけでなく、プロセス全体のコストが劇的に低減する。プロセスのコストは、高価な含白金触媒の使用量の大幅な低減及び生成物精製工程の回避によって低減される。VCHOは、水素化ケイ素基を含む様々なケイ素化合物によって容易にヒドロシリル化される極めて反応性の高いオレフィン基質である。1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(MHH)は反応性及び揮発性共に高く、したがって(I)の製造が簡単になる。オキシラン含有オルガノシロキサンのような、その他多くの高分子量多官能性オキシラン含有有機ケイ素化合物は非揮発性で粘稠な反応性の液体であるので、その精製は事実上真空ストリッピングによる揮発性不純物の除去に限定される。その結果、白金触媒残留物を含有するオキシラン含有有機ケイ素組成物が生じる。ヒドロシリル化反応用の原料自体は比較的容易に精製されるので、ヒドロシリル化反応が副反応(後述)を伴わず、ほぼ定量的な転化が達成されれば、高品質のオキシラン含有オルガノシロキサンを得ることができる。
上述の方法は、様々なシラン及びシロキサンを様々なオキシラン含有オレフィンと反応させることで、広範なオキシラン含有有機ケイ素化合物の製造に使用できる。さらに、ヒドロシリル化反応は、反応過程全体及び後段の粗生成物の単離を通して、オキシラン含有オレフィン及びオキシラン含有有機ケイ素組成物中のオキシラン環が実質的にそのまま残るように進行する。かかる方法では、オキシランの開環を防止するための第三アミンの使用を避けることができる。生成物は、一般に、無色の物質として得られ、良好な貯蔵寿命を有し、粘度上昇の徴候を示さないが、これらは生成物中のオキシラン環が重合していないことを示す。
一実施形態では、本明細書中に開示した方法を用いて製造した組成物は、LEDデバイスの製造に使用される。別の実施形態では、本発明はLEDデバイス自体に関するが、かかるLEDデバイスは、通常の熱硬化性材料に代えて本発明の方法で製造した有機ケイ素組成物を使用し、通常のLED製造技術を用いて製造し得る。本発明の方法で製造した組成物は、通常の硬化技術を用いて硬化させれば硬化組成物を生じる。これらの硬化性組成物は、LEDデバイス、さらに具体的には高輝度LEDデバイスの製造に有用な材料である。かかる硬化性組成物は、亀裂成長抵抗性、取扱いの容易さ、高いガラス転移温度、良好な密着性、及び低い熱膨張率のような、既存のエポキシ樹脂材料の望ましい性質を保持しながら高い耐熱老化性を有する新しいエポキシ封止材料の製造に用いられる。
本発明を実施する際の追加の指針を当業者に提供すべく以下に実施例を挙げる。これらの実施例は、本願の教示に寄与した研究の代表例にすぎない。従って、これらの実施例は特許請求の範囲に記載の本発明を何ら限定するものではない。
特記しない限り、清浄だがその他の点では未処理のガラス器内において周囲大気下で反応を行った。1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(MHH)、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン(DH 3)、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(DH 4)、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン(DH 5)、ビス(ジメチルシリル)シリケート(MH 2Q)及びテトラキス(ジメチルシロキシ)シラン(MH 4Q)は、Gelest社又はGE Silicones社から入手したままの状態で使用した。VCHOは、Aldrich社から入手したままの状態で使用した。溶媒は試薬用のもので、それ以上精製せずに使用した。白金触媒及びロジウム触媒は、Strem Chemical社から入手したままの状態で使用した。メスフラスコを用い、エタノール中1.6wt%のRhCl3(SBu2)3、エタノール中5mg/mlのPtCl2(SEt2)2、及びジクロロメタン中5.1mg/mlのPtCl2(PPh3)2の濃度で上記触媒の溶液を調製し、暗所に保存した。「ミリモル」という用語は「mmol」で表す。
比較例1
本例では、ヒドロシリル化触媒としてRhCl3(SBu2)3を用いた1,3−ビス(1,2−エポキシ−4−シクロヘキシルエチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(MEE(I))の製造について説明する。
この反応は、高温のガラス製装置を用いて乾燥窒素下で行った。凝縮器、添加漏斗及び温度計を備えた1Lの三つ口丸底フラスコに、窒素気流下で111g(893mmol)のVCHOを仕込み、次いで14マイクロリットルのRhCl3(SBu2)3触媒溶液(最終生成物の重量を基準にして3ppmのRh)及び約400mlのヘキサンを仕込んだ。添加漏斗に窒素下でMHH(60g、447mmol)を仕込み、次いで10mlのヘキサンを仕込んだ。反応溶液を撹拌しながら加熱還流したところ、82℃の溶液温度が得られた。1時間かけてシランを滴下したところ、還流速度が増大した。MHHの添加が完了した後、混合物を赤外分光分析で定期的にモニターしながら反応混合物を2時間還流した。約2100cm-1でのMHHのSi−H吸収が消失したときに、反応は完了したと判断した。溶液を室温に冷却し、凝縮器及び温度計をストップコックに取り換え、添加漏斗をショートパス蒸留ヘッドに取り換えた。蒸気温度が50℃を上回るまで溶液から揮発性成分がストリッピングで除去され、次いで減少し始めた。反応フラスコ内に残留した無色物質の重量は169gであり、損失分は操作上の損失で説明される。
比較例2
本例では、ヒドロシリル化触媒としてPtCl2(SEt2)2を用いた化合物(I)の製造の試みについて説明する。
凝縮器、添加漏斗及び温度計を備えた3リットルの三つ口丸底フラスコに、420g(3.38モル)のVCHOを仕込み、次いで120マイクロリットルのPtCl2(SEt2)2触媒溶液(最終生成物の重量を基準にして4.8ppmのPt)及び約800mlのヘキサンを仕込んだ。添加漏斗に225g(1.68モル)のMHHを(添加中3回に分けて)仕込み、次いで20mlのヘキサンを仕込んだ。反応溶液を撹拌しながら加熱還流した。20mlのMHHを添加したが、反応溶液にはほとんど反応がなかった。さらに100マイクロリットルのPt溶液を添加したところ、反応が開始した。残りのMHHを2時間かけて添加した。MHHの添加の完了後、混合物を赤外線で定期的に試験しながら反応混合物を3時間還流した。約2100cm-1でのSi−H吸収ピークが消失したとき、反応は完了したと判断した。溶液を室温に冷却し、2リットルフラスコに移した。ショートパス蒸留ヘッドを付加し、混合物を真空下で加熱した。蒸気温度が35℃に達する前に反応混合物はゲル化した。
実施例1
本例では、ppbレベルのヒドロシリル化触媒PtCl2(PPh3)2を用いた1,3−ビス(1,2−エポキシ−4−シクロヘキシルエチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(MEE(I))の製造について説明する。
凝縮器、添加漏斗及び温度計を備えた1リットルの三つ口丸底フラスコに、VCHO(111g、893mmol)を仕込み、次いでPtCl2(PPh3)2のジクロロメタン溶液(最終生成物の重量を基準にして150ppbのPtを含む)4マイクロリットル及びトルエン(150ml)を仕込んだ。添加漏斗に窒素下でMHH(60g、447mmol)を仕込み、次いでトルエン(10ml)を仕込んだ。反応溶液を撹拌しながら加熱還流したところ、124℃の溶液温度が得られた。次いで、約45分かけてMHH溶液を滴下したところ、還流速度が増大すると共に、溶液温度が126℃に上昇した。MHH溶液の添加が完了した後、反応混合物を赤外分光分析で定期的に試験しながら反応混合物を約4時間還流した。約2100cm-1でのピークが消失してMHHが完全に消費されたことを示したとき、反応は完了したと判断した。溶液を室温に冷却し、凝縮器及び温度計をストップコックに取り換え、添加漏斗をショートパス蒸留ヘッドに取り換えた。溶液を85℃の水浴で加熱し、蒸気温度が70℃を上回るまで揮発性成分をストリッピングで除去した。ストリッピング操作中及びストリッピング操作後にゲル生成は認められなかった。反応フラスコ内の残留物質のプロトンNMRスペクトルから、この物質が所望の生成物で、残留溶媒及びVCHOを含まないことが判明した。最終生成物の重量は163.5gであった。損失分は操作上の損失で説明される。
比較例3
本例では、ヒドロシリル化触媒としてRhCl3(SBu2)3を用いた(式(III)で表される)1,3,5,7−テトラキス(1,2−エポキシ−4−シクロヘキシルエチル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(DE 4)の製造の試みについて説明する。
この反応は、高温のガラス器装置を用いて乾燥窒素下で行った。凝縮器、添加漏斗及び温度計を備えた250mlの三つ口丸底フラスコに、窒素気流下でVCHO(30g、242mmol)を仕込み、次いで3マイクロリットルのRhCl3(SBu2)3触媒溶液(最終生成物の重量を基準にして1ppmのRhを含む)及び約50mlのヘキサンを仕込んだ。添加漏斗に窒素下でDH 4(12.9g、53.7mmol)を仕込み、次いでヘキサン(10ml)を仕込んだ。反応溶液を撹拌しながら加熱還流した。DH 4溶液の3分の1を滴下したが、明らかな結果(例えば、還流の開始及び/又は反応混合物の温度上昇)はみられず、反応混合物を30分間還流した。混合物を赤外線で試験したところ、大きいSi−Hピークを示した。(最終生成物の重量を基準にしてさらに1ppmのRhに相当する)さらに3マイクロリットルのロジウム触媒溶液を添加したが、やはり反応はみられなかった。残りのDH 4溶液の2分の1及び(最終生成物の重量を基準にしてさらに1ppmのRhに相当する)さらに3マイクロリットルのロジウム触媒溶液を添加した後、還流を続けた。IRで反応混合物を検査したところ、非常に大きいSi−Hピークが示され、多量の未反応DH 4を表していた。ヘキサンを大気圧でのストリッピングで除去して濃縮反応混合物を得たが、これを加熱還流したところ、128.5℃の溶液温度が得られた。次いで残りのDH 4/ヘキサン溶液を添加したところ、反応温度は105℃に降下した。約3時間還流した後、IR分光分析から若干の未反応DH 4が依然として存在することが判明した。この混合物に、(最終生成物の重量を基準にしてさらに2ppmのRhに相当する)さらに6マイクロリットルの触媒溶液を添加し、再び95℃まで還流した。これにより、反応混合物の粘度が上昇したが、IR分光分析の示すところでは未反応DH 4が依然として存在していた。反応混合物を室温に冷却したところ、視覚的に予想よりはるかに高い粘度を有する液体が得られた。
比較例4
本例では、ヒドロシリル化触媒としてPtCl2(SEt2)2を用いた(式(III)で表される)1,3,5,7−テトラキス(1,2−エポキシ−4−シクロヘキシルエチル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(DE 4)の製造の試みについて説明する。
凝縮器、添加漏斗及び温度計を備えた250mlの三つ口丸底フラスコに、VCHO(30g、242mmol)を仕込み、次いで3マイクロリットルのPtCl2(SEt2)2触媒溶液(最終生成物の重量を基準にして375ppbのPt)、4マイクロリットルのトリドデシルアミン、及び50mlのトルエンを仕込んだ。反応溶液を撹拌しながら加熱還流した。この混合物に、6.5g(27.1mmol)のDH 4(1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラメチルシロキサン)を注射器で滴下した。DH 4反応体の添加後、得られた混合物を90分間還流した。反応混合物のアリコートのIRスペクトルから、若干の未反応DH 4シランが存在することが判明した。(最終生成物の重量を基準にしてさらに375ppbのPtに相当する)さらに3マイクロリットルの上記白金触媒溶液を添加し、反応混合物をさらに30分間還流した。反応混合物を室温に冷却し、真空下でストリッピングを行った。フラスコ内の残留物質は濃厚な黄緑色の油であった。
実施例2
本例では、ヒドロシリル化触媒としてppbレベルのPtCl2(PPh3)2を用いた(式(III)で表される)1,3,5,7−テトラキス(1,2−エポキシ−4−シクロヘキシルエチル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(DE 4)の製造について説明する。
二つの凝縮器及び温度計を備えた1リットルの三つ口丸底フラスコに、VCHO(122g、981mmol)、49g(204mmol)のDH 4(1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン)、4マイクロリットルのPtCl2(PPh3)2触媒溶液(最終生成物の重量を基準にして140ppbのPt)、及び83gのトルエンを仕込んだ。反応溶液を撹拌しながら加熱還流したところ、123℃の溶液温度が得られた。この時点で反応混合物は激しく還流し始め、溶液温度は最初135℃に達し、次いで130℃に落ち着いた。次に、混合物を約3時間還流した。この時点で、反応混合物のアリコートの赤外スペクトルはSi−H吸収を示さず、DH 4が完全に消費されたことを表していた。溶液を室温に冷却し、凝縮器及び温度計をストップコック及びショートパス蒸留ヘッドに取り換えた。溶液を85℃の水浴で加熱し、蒸気温度が70℃を超えるまで揮発性成分をストリッピングで除去した。ストリッピング操作中及びストリッピング操作後にゲル生成は認められなかった。反応フラスコ内の残留物質のプロトンNMRスペクトルから、この物質が所望の生成物であり、残留溶媒及びVCHOを含まないことが判明した。このようにして、148gの(III)が無色物質として得られた。
実施例3
本例では、ヒドロシリル化触媒としてppbレベルのPtCl2(PPh3)2を用いた(式(VI)で表される)テトラキス(1,2−エポキシ−4−シクロヘキシルエチルジメチルシロキシ)シラン(ME 4Q)の製造について説明する。
二つの凝縮器及び温度計を備えた1リットルの三つ口丸底フラスコに、VCHO(121.3g、977mmol)、66.1g(201mmol)のMH 4Q(テトラキス(ジメチルシリルオキシ)シラン)、4.4マイクロリットルのPtCl2(PPh3)2触媒溶液(最終生成物の重量を基準にして140ppbのPt)、及び80gのトルエンを仕込んだ。反応溶液を撹拌しながら加熱還流したところ、129℃の溶液温度が得られた。この時点で反応混合物は激しく還流し始め、溶液温度は最初140℃に達し、次いで132℃に落ち着いた。次に、混合物を約3時間還流した。この時点で、反応混合物のアリコートの赤外スペクトルはSi−H吸収を示さず、MH 4Qが完全に消費されたことを表していた。溶液を室温に冷却し、凝縮器及び温度計をストップコック及びショートパス蒸留ヘッドに取り換えた。溶液を85℃の水浴で加熱し、蒸気温度が50℃を超える温度に約30分間保たれるまで揮発性成分をストリッピングで除去した。ストリッピング操作中及びストリッピング操作後にゲル生成は認められなかった。反応フラスコ内の残留物質のプロトンNMRスペクトルから、この物質が所望の生成物であり、残留溶媒及びVCHOを含まないことが判明した。このようにして、160gの(VI)が無色物質として得られた。
Figure 2004162036
上述の実施例及び比較例で得られた結果を表1にまとめて示す。実施例1〜3は、有機ケイ素組成物の通常の製造方法で使用される触媒の10%未満を用いる本発明の方法によって、ゲル生成のない有機ケイ素組成物が製造できることを実証している。
以上、典型的な実施形態について本発明を例示し説明してきたが、本発明の技術的思想から何ら逸脱せずに様々な変更及び置換を行うことができるので、本発明は本明細書中に開示した細部に限定されるものではない。通常の実験を用いて本明細書に開示したもの以外の本発明に変更及び均等に想到することは当業者がなし得る事項であり、かかる変更及び均等はすべて特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想と技術的範囲に属する。

Claims (28)

  1. 有機ケイ素組成物の製造方法であって、当該方法が、
    1種以上のオレフィンと、水素化ケイ素(Si−H)基を含む1種以上のケイ素化合物と、式PtL22(式中、各LはER3、E(OR)3及びE(NR2)3からなる群から独立に選択され、各Eはリン、ヒ素及びアンチモンからなる群から独立に選択され、各Rは独立にヒドロカルビル基であり、各Xは塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群から独立に選択される。)の1種以上の白金(II)錯体を含むヒドロシリル化触媒と適宜1種以上の溶媒とを含む混合物(ただし、オレフィン及びケイ素化合物は、該混合物中にSi−H基1個当たり1以上の反応性二重結合が含まれるような量で存在し、ヒドロシリル化触媒の量は、混合物中の白金の存在量が生成有機ケイ素組成物の総重量を基準にして約1ppb〜1000ppb未満となる量である。)を調製し、
    酸素存在下において略室温〜約300℃の温度で混合物を反応させて生成有機ケイ素組成物を生成させる
    ことを含んでなる方法。
  2. 前記触媒が、生成有機ケイ素組成物10億部当たり約10〜約500部の白金に相当する量で存在する、請求項1記載の方法。
  3. 前記触媒が、生成有機ケイ素組成物10億部当たり約50〜約200部の白金に相当する量で存在する、請求項1記載の方法。
  4. 前記反応が略周囲温度〜約200℃の温度で実施される、請求項1記載の方法。
  5. 前記反応が約50〜約150℃の温度で実施される、請求項1記載の方法。
  6. 前記1種以上の溶媒が、C5〜C30置換及び非置換アリール、アラルキル及びアルカリール化合物、線状及び枝分れパラフィン、1以上のケイ素原子を含むシラン及びシロキサン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  7. 各Lが、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、トリフェニルアルシン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−ブチルスチビン、トリ−n−ブチルアルシン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、ジメチルホスフィン、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリ−n−ブチル、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリトリル、トリトリルホスフィン及びこれらの混合物からなる群から独立に選択される、請求項1記載の方法。
  8. 白金(II)錯体が、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)白金、ジヨードビス(トリフェニルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリフェニルスチビン)白金、ジブロモビス(トリフェニルスチビン)白金、ジヨードビス(トリフェニルスチビン)白金、ジクロロビス(トリフェニルアルシン)白金、ジブロモビス(トリフェニルアルシン)白金、ジヨードビス(トリフェニルアルシン)白金、ジクロロビス(トリ−n−ブチルホスフィン)白金、ジブロモビス(トリ−n−ブチルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリトリルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリオクチルホスフィン)白金及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  9. 前記1種以上のオレフィンが、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンオキシド、2,6−ジメチル−2,3−エポキシ−7−オクテン、1,4−ジメチル−4−ビニルシクロヘキセンオキシド、4−ビニルシクロヘキセンオキシド、ビニルノルボルネンモノオキシド、ジシクロペンタジエンモノオキシド、1,2−エポキシ−6−ヘプテン及び1,2−エポキシ−3−ブテンからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  10. 第一段階でまず溶媒、オレフィン及び触媒を混合し、次いで水素化ケイ素基を含むケイ素化合物を添加することによって、前記混合物を調製する、請求項1記載の方法。
  11. 前記水素化ケイ素基を含む1種以上のケイ素化合物が、線状、枝分れ及び環状オルガノハイドロジェンシロキサンからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  12. 前記水素化ケイ素基を含む1種以上のケイ素化合物が、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ビス(ジメチルシリル)シリケート及びポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(メチルハイドロジェンシロキサン)共重合体からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  13. 前記溶媒が約50〜約250℃の沸点を有する、請求項1記載の方法。
  14. 前記溶媒が約100〜約160℃の沸点を有する、請求項1記載の方法。
  15. 酸素存在下での混合物の反応が周囲大気の下で実施される、請求項1記載の方法。
  16. ヒドロシリル化触媒が現場で調製される、請求項1記載の方法。
  17. オレフィンを含む混合物に、式PtX2(式中、各Xは塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群から独立に選択される。)で表される1種以上の化合物を添加し、
    ER3、E(OR)3及びE(NR2)3(式中、各Eはリン、ヒ素及びアンチモンからなる群から独立に選択され、各Rは独立にヒドロカルビル基である。)からなる群から独立に選択される1種以上の化合物Lを添加することを含んでなる方法によって、前記ヒドロシリル化触媒が調製される、請求項16記載の方法。
  18. オキシラン含有有機ケイ素組成物の製造方法であって、オキシラン含有有機ケイ素組成物は蒸発段階(E)後にある総重量を有しており、当該方法が、
    (A)i)1以上のオキシラン環を含む1種以上のオレフィン化合物と、ii)適宜1種以上の溶媒と、iii)式PtL22(式中、各LはER3、E(OR)3及びE(NR2)3からなる群から独立に選択され、各Eはリン、ヒ素及びアンチモンからなる群から独立に選択され、各Rは独立にヒドロカルビル基であり、各Xは塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群から独立に選択される。)の1種以上の白金(II)錯体を含む1種以上のヒドロシリル化触媒とを混合して混合物(ただし、ヒドロシリル化触媒は白金の量に対応した量で存在し、ヒドロシリル化触媒の量は混合物中の白金の存在量が蒸発段階(E)後のオキシラン含有有機ケイ素組成物の重量を基準にして約1ppb〜1000ppb未満となる量である。)を調製する段階、
    (B)段階(A)で得られた混合物を酸素存在下で約50〜約250℃の温度に加熱する段階、
    (C)加熱した混合物に、水素化ケイ素基を含む1種以上のケイ素化合物を添加する段階、
    (D)段階(A)〜(C)で得られた混合物を、水素化ケイ素が実質的にすべて反応するまで約50〜約300℃の温度に加熱する段階、並びに
    (E)段階(A)〜(D)で得られた混合物を減圧下で加熱して揮発性物質を実質的にすべて除去し、1以上のオキシラン環を含むオキシラン含有有機ケイ素組成物を得ることからなる蒸発段階
    を含んでなり、
    段階(A)〜(E)において、1以上のオキシラン環を含むオレフィン化合物及びオキシラン含有有機ケイ素組成物中に当初存在していたオキシラン環が実質的にそのまま残る、方法。
  19. 1種以上の水素化ケイ素が、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン及びポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(メチルハイドロジェンシロキサン)共重合体からなる群から選択される、請求項18記載の方法。
  20. 1以上のLが、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、トリフェニルアルシン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−ブチルスチビン、トリ−n−ブチルアルシン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリオクチルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、ジメチルホスフィン、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリ−n−ブチル、亜リン酸トリフェニル及び亜リン酸トリトリルからなる群から選択される、請求項18記載の方法。
  21. 1種以上のヒドロシリル化触媒が、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)白金、ジヨードビス(トリフェニルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリフェニルスチビン)白金、ジブロモビス(トリフェニルスチビン)白金、ジヨードビス(トリフェニルスチビン)白金、ジクロロビス(トリフェニルアルシン)白金、ジブロモビス(トリフェニルアルシン)白金、ジヨードビス(トリフェニルアルシン)白金、ジクロロビス(トリ−n−ブチルホスフィン)白金、ジブロモビス(トリ−n−ブチルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリオクチルホスフィン)白金及びジクロロビス(トリトリルホスフィン)白金からなる群から選択される、請求項18記載の方法。
  22. 前記触媒が、蒸発段階(E)後のオキシラン含有有機ケイ素組成物の総重量を基準にして約10〜約500ppbの白金に相当する量で存在する、請求項18記載の方法。
  23. 前記触媒が、蒸発段階(E)後のオキシラン含有有機ケイ素組成物の総重量を基準にして約50〜約200ppbの白金に相当する量で存在する、請求項18記載の方法。
  24. オキシラン含有有機ケイ素組成物の製造方法であって、オキシラン含有有機ケイ素組成物は蒸発段階(E)後にある総重量を有しており、当該方法が、
    (A)i)トルエン、キシレン異性体及びメシチレンからなる群から選択される溶媒と、ii)4−ビニルシクロヘキセンオキシドと、iii)式(PPh3)2PtX2(式中、各Xは塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群から独立に選択される。)のヒドロシリル化触媒とを混合して酸素存在下で混合物(4−ビニルシクロヘキセンオキシドは4−ビニルシクロヘキセンオキシドのモル数に対応した量で混合物中に存在し、ヒドロシリル化触媒は白金の量に対応した量で存在し、ヒドロシリル化触媒の量は混合物中の白金の存在量が蒸発段階(E)後のオキシラン含有有機ケイ素組成物の総重量を基準にして約1ppb〜1000ppb未満となる量である。)を調製する段階、
    (B)段階(A)で得られた混合物を約110〜約140℃の温度に加熱する段階、
    (C)段階(A)〜(B)で得られた混合物に、水素化ケイ素(Si−H)基を含む1種以上のケイ素化合物を、混合物中に存在する4−ビニルシクロヘキセンオキシド1モル当たり約0.1〜約1モルのSi−H基に相当する量で添加する段階、
    (D)段階(A)〜(C)で得られた混合物を、水素化ケイ素が実質的にすべて反応するまで約50〜約300℃の温度に加熱する段階、並びに
    (E)段階(A)〜(D)で得られた混合物を減圧下で加熱して揮発性物質を実質的にすべて除去し、1以上のオキシラン環を含むオキシラン含有有機ケイ素組成物を得ることからなる蒸発段階
    を含んでなり、
    段階(A)〜(E)において、4−ビニルシクロヘキセンオキシド及びオキシラン含有有機ケイ素組成物中に当初存在していたオキシラン環が実質的にそのまま残る、方法。
  25. 触媒が、蒸発段階(E)後のオキシラン含有有機ケイ素組成物の総重量を基準にして約10〜約500ppbの白金に相当する量で存在する、請求項24記載の方法。
  26. 触媒が、蒸発段階(E)後のオキシラン含有有機ケイ素組成物の総重量を基準にして約50〜約200ppbの白金に相当する量で存在する、請求項24記載の方法。
  27. 請求項1記載の方法で製造された硬化性オキシラン含有有機ケイ素組成物であって、当該組成物は重量を有しており、当該組成物は硬化性組成物の重量を基準にして1000ppb未満の白金を含んでいる、硬化性オキシラン含有有機ケイ素組成物。
  28. 請求項27記載の硬化組成物を含んでなる発光ダイオード。
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