JP2004161341A - 緩衝機能付き容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】緩衝包装容器の分野において、包装作業が簡単で、緩衝材が嵩張らず、使用後の廃棄処理も容易で焼却しても有害ガスを発生しない緩衝機能付き容器を提供する。
【解決手段】緩衝機能付き容器を、少なくとも外箱と、その内部に収納され、内容物を両側から挟むように保持して緩衝性を付与する緩衝材50とで形成すると共に、両側の緩衝材50を、板紙又は段ボールを基材として、少なくとも矩形状枠形の天板3 と、その下に折り曲げ線を介して連設された外側壁板4a,4b,4c,4d と内側壁板6a,6b,6c,6d とを有する二重壁構造の立体枠形状に形成し、天板3 の上にポリエチレン系樹脂の積層体で形成した緩衝機能性フィルムFを窓貼り状に貼着して構成する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、緩衝機能付き容器に関し、更に詳しくは、緩衝性に優れると共に、包装作業が簡単で、緩衝材が嵩張らずコストも安く、使用後の廃棄処理も容易で、焼却しても有害ガスを発生することがなく、使用適性と共に、廃棄処理適性にも優れた緩衝機能付き容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、緩衝機能付き容器としては、例えば、外箱と、その中に緩衝材として発泡ポリスチレンやパルプモールドなどの成形体を用いて、内容物の周囲をくるむように包装して緩衝性を付与した容器が一般的であった。
しかし、緩衝材に発泡ポリスチレンやパルプモールドなどの成形体を用いた場合、その成形用の金型が必要であり、コスト高になると同時に、成形体が嵩張るため保管や輸送の効率を低下させ、また、廃棄の際にも減容化の妨げになる問題があった。
【0003】
このような問題を解決する容器として、緩衝材に発泡ポリスチレンやパルプモールドなどの成形体を用いずに、強靱で柔軟性、弾力性に優れた熱可塑性ポリウレタンエラストマーや、ポリオレフィン系樹脂による緩衝機能性フィルムを枠体に貼り付けた形式の緩衝材を用いて、身蓋箱の身と蓋の中段にそれぞれを固定し、対向する2枚の緩衝機能性フィルムによって物品を中吊り状態に保持するようにした緩衝機能付き包装体がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、本出願人は、従来の熱可塑性ポリウレタン系エラストマーやポリエチレン系の緩衝機能性フィルムの欠点であったアンチブロッキング性を改善した緩衝機能性フィルムとして、シングルサイト系触媒を用いて重合された密度が0.860〜0.900g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体層の少なくとも一方の面に密度が0.910〜0.930g/cmの線状低密度ポリエチレン層が積層された総厚みが20〜300μmの積層フィルムであって、且つ、総厚みに対する前記エチレン・α−オレフィン共重合体層の厚み比率が75〜95%となる緩衝機能性フィルムと、それを用いた包装容器を提案している(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−268770号公報(第2〜4頁、第4図)
【特許文献2】
特開2002−178464号公報(第2〜5頁、第1図〜第3図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記緩衝機能付き包装体でも、緩衝機能性フィルムに熱可塑性ポリウレタン系エラストマーのフィルムを用いた場合、このフィルムは、強靱で、柔軟性、弾力性に優れ、緩衝機能を付与する点では優れているが、フィルムコストが比較的高く、また、フィルム同士が密着してブロッキングしやすく、伸びやすいため、単体での製膜および巻き取りなどの取り扱いが難しく、そのため、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーを、例えばポリエチレンなどと共押し出しして製膜し巻き取る方法、或いは、製膜時にセパレート紙を重ねて巻き取る方法などが採られ、使用時に前者の場合はポリエチレンなどのセパレートフィルムを剥がし、また、後者の場合はセパレート紙を剥がして使用されていた。
【0006】
このようなセパレートフィルムまたはセパレート紙は、剥がした後、廃棄されており、材料の損失であると同時に緩衝機能性フィルムのコストアップの要因でもあり、経済性の面でも問題があった。
更に、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーのフィルムは、使用後の廃棄処理の際、焼却すると窒素酸化物を発生させ、大気汚染を生じるため環境面でも好ましくない問題があった。
また、緩衝機能性フィルムに前記ポリオレフィン系樹脂のフィルムを用いた場合でも、従来のポリオレフィン系樹脂による緩衝機能性フィルムは、その強靱性、柔軟性、弾力性の面で、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーのフィルムと比較して劣るため、満足できない問題があった。
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、緩衝材に緩衝機能性フィルムを利用した緩衝機能付き容器であって、包装作業が簡単で、緩衝性に優れると共に、緩衝材が嵩張らず、保管や輸送の効率がよく、低コストで生産性よく製造でき、また、紙粉などの発生も防止することができ、更に、使用後の廃棄処理の際には、焼却しても有害ガスを発生せず、緩衝性および使用適性と共に、廃棄処理適性にも優れた緩衝機能付き容器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、少なくとも外箱と、該外箱の内部に収納され、内容物を上下または左右の両側から挟むように保持して緩衝性を付与する緩衝材とで形成される緩衝機能付き容器であって、該緩衝材が、板紙または段ボールを基材とし、少なくとも矩形状枠形の天板と、該天板の下に折り曲げ線を介して連設された外側壁板と内側壁板とを有する二重壁構造の立体枠形状に形成され、該天板の上に緩衝機能性フィルムが窓貼り状に貼着されて形成されると共に、該緩衝機能性フィルムが、シングルサイト系触媒を用いて重合した密度が0.860〜0.900g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体層と、少なくともその一方の面に積層された密度が0.910〜0.930g/cmの線状低密度ポリエチレン層との積層フィルムで形成され、且つ、該積層フィルムの総厚みに対する前記エチレン・α−オレフィン共重合体層の厚み比率が75〜95%であることを特徴とする緩衝機能付き容器からなる。
【0009】
本発明において、外箱は、内容物を緩衝材で上下または左右から挟むように保持させて内部に収納し、安全に流通できるものであれば何でもよく、内容物および緩衝材の寸法や重量により、段ボール箱のほか、単独の板紙、または複数の板紙を貼り合わせた積層紙などで作製したカートン形式の箱など、適宜選択して使用することができる。只、外箱の形状は、緩衝材で両側から挟み込んで保持させた内容物を挿入する際の作業性の点から、例えば、直方体形であって、いずれかの一面が全面開口される形状であることが好ましい。
また、緩衝材の基材に関しても、必要とされる強度に応じて、単独の板紙または2〜5枚など複数の板紙を貼り合わせた積層紙、段ボールなどの紙製の基材を用いることが、加工性、経済性、使用後の廃棄処理性などに優れる点で好ましい。
【0010】
本発明において、緩衝機能性フィルムのシングルサイト系触媒を用いて重合した密度が0.860〜0.900g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体層は、柔軟性と弾力性および破裂強度などの強靱性に優れており、積層フィルムに優れた緩衝機能性を付与することができる。只、前記エチレン・α−オレフィン共重合体層単独ではアンチブロッキング性に劣るため、この欠点をカバーするために、少なくともその一方の面に、密度が0.910〜0.930g/cmの線状低密度ポリエチレン(L・LDPE)層を積層して積層フィルム、即ち、緩衝機能性フィルムを形成したものである。
【0011】
前記密度が0.910〜0.930g/cmの線状低密度ポリエチレン(L・LDPE)は、比較的弾力性があり、且つ、アンチブロッキング性や表面の滑り性にも優れているので、前記エチレン・α−オレフィン共重合体層の一方の面に積層するだけでも、その積層フィルムを巻き取った際、前記エチレン・α−オレフィン共重合体層同士の接触がなくなり、ブロッキング防止の効果は得られるが、両方の面に積層することが、ブロッキング防止の効果を一層向上でき、また、両面の滑り性も向上できるので更に好ましい。
【0012】
前記エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、0.860〜0.900g/cmの範囲が好ましく、密度が0.860g/cm未満の場合は、樹脂が柔らかくなり過ぎ、強度が低下すると同時に製膜が難しくなるため好ましくない。また、密度が0.900g/cmを超える場合は、樹脂が硬くなり柔軟性、弾力性が低下し、緩衝機能性が低下するため好ましくない。
【0013】
また、前記線状低密度ポリエチレン(L・LDPE)の密度は、0.910〜0.930g/cmの範囲が好ましく、密度が0.910g/cm未満の場合は、樹脂が柔らかくなり、アンチブロッキング性が低下し、更に滑り性も悪くなりハンドリング適性に劣るため好ましくない。また、密度が0.930g/cmを超える場合は、樹脂が硬くなり柔軟性、弾力性が低下し、緩衝機能性に悪影響を及ぼすため好ましくない。
【0014】
そして、前記エチレン・α−オレフィン共重合体層と前記線状低密度ポリエチレン層の厚み比率は、両者の総厚みに対する前記エチレン・α−オレフィン共重合体層の占める厚み比率が75〜95%の範囲であることが好ましい。この厚み比率が75%未満の場合は、緩衝機能性フィルムの柔軟性、弾力性が低下する結果、包装する内容物に対するフィット性が低下し、十分な緩衝機能性を得にくくなるため好ましくなく、また、厚み比率が95%を超える場合は、前記線状低密度ポリエチレン層の厚みが薄くなりすぎ、安定した製膜が困難になるため好ましくない。
【0015】
このような緩衝機能性フィルムの厚みは、容器に収納する内容物の重量などにもよるが、通常、20〜300μmの範囲が好ましく、50〜200μmの範囲が更に好ましい。厚みが20μm未満の場合は強度が不足し、ハンドリング適性にも劣るため好ましくなく、厚みが300μmを超える場合は、強度が強くなりすぎて緩衝機能性が損なわれ、また、緩衝材への貼着などの加工性も低下するため好ましくない。
【0016】
前記のような構成を採ることにより、本発明の緩衝機能付き容器は、その緩衝材の基体部が二重壁構造の立体枠形状に形成されているので、圧縮強度に優れており、その天板の上に窓貼り状に貼着された緩衝機能性フィルムで、内容物を両側から挟むように保持した時、緩衝材の基体部が折れ曲がりにくく、両側の緩衝機能性フィルムで、内容物を宙吊り状態に安定して保持でき、内容物を衝撃から保護することができる。
このような緩衝材は、内容物の寸法により、外箱の中で内容物の両側に離れた状態で使用してもよく、また、両側の緩衝材の周囲が接する形態で使用してもよい。只、緩衝機能を一層安定化させるためには、両側の緩衝材の周囲が接する形態で使用することがより好ましい。
【0017】
内容物を包装する際には、例えば、内容物の両側に、緩衝材をその緩衝機能性フィルム同士が対向するように配置し、両側の緩衝材を内容物に向けて押圧することにより、両側の緩衝機能性フィルムが内容物の形状に沿って伸ばされ、内容物は両側の緩衝機能性フィルムの間に挟まれて宙吊り状態に保持され、衝撃から保護されるようになる。この状態で両側の緩衝材の外側にスリーブを嵌め込むか、或いは、バンド掛けや粘着テープ貼りなどの手段で固定し、外箱に収納することにより、簡単に内容物を緩衝機能を付与した状態に包装することができる。
容器の使用後は、外箱および緩衝材の両者とも簡単に折り畳んで偏平にすることができるので、嵩張ることがなく廃棄処理も容易である。また、外箱と緩衝材は、紙、または紙とポリエチレン系樹脂フィルムとで形成できるので、安価であり、且つ、焼却しても有害ガスを発生することがなく環境面においても安全である。
【0018】
請求項2に記載した発明は、前記積層フィルムが、共押し出しインフレーション成形法で製膜された積層フィルムであって、該積層フィルムの製膜時の流れ方向(MD)と、該流れ方向に直交する方向(TD)の伸び率の比率(MDの伸び率/TDの伸び率)が0.8〜1.2の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の緩衝機能付き容器からなる。
【0019】
このような構成を採ることにより、請求項1に記載した発明の作用、効果に加えて、先ず、前記積層フィルムを共押し出しインフレーション成形法で製膜することにより、シングルサイト系触媒を用いて重合した密度が0.860〜0.900g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体層の片面または両面に、密度が0.910〜0.930g/cmの線状低密度ポリエチレン(L・LDPE)層を積層した形態で製膜することも容易であり、それにより、巻取り時にブロッキングを生じることもなく、一層生産性よく積層フィルム、即ち、緩衝機能性フィルムを製造することができる。
また、上記MDとTDの伸び率の比率(MDの伸び率/TDの伸び率)を0.8〜1.2の範囲に調整することも容易であり、それにより、積層フィルムの縦横の伸び率のバランスがよくなり、様々な形状の内容物に対してフィット性、適応性がよくなるので安定して固定でき、緩衝機能性フィルムの緩衝機能性を一層向上させることができる。
【0020】
請求項3に記載した発明は、前記緩衝材と外箱のうち、緩衝材、または緩衝材と外箱の両方が、単独の板紙もしくは複数の板紙の積層紙、または段ボールを基材として形成され、且つ、それぞれの紙材に、AA級もしくはA級の段ボール用ライナが用いられていることを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝機能付き容器からなる。
【0021】
上記AA級もしくはA級の段ボール用ライナは、JIS P3902 段ボール用ライナに規定されたものである。
このような段ボール用ライナは、未晒のクラフトパルプで抄造され、古紙などのパルプを使用していないため、白さはないが、剛性やリングクラッシュなどの強度に優れると共に、打ち抜き加工などの際にも、紙粉を殆ど発生させない特徴がある。
上記段ボール用ライナは、緩衝材または外箱に必要とされる強度に応じて、一枚を単独で使用してもよく、また、二枚以上を適宜に貼り合わせて使用してもよい。特に、強度に関しては、二枚以上を貼り合わせることにより、大幅に向上させることができる。
また、段ボールの場合でも、その内ライナ、外ライナ、中芯原紙の全てに上記段ボール用ライナを使用することにより、一層強度に優れ、且つ紙粉のない緩衝材や外箱を製造することができる。
【0022】
従って、前記のような構成を採ることにより、請求項1または2に記載した発明の作用、効果に加えて、緩衝材、または緩衝材と外箱の両方の紙材に、AA級もしくはA級の段ボール用ライナの単独または二枚以上の積層紙を使用することができるので、比較的低コストで強度に優れると共に、紙粉のない緩衝材と外箱を製造することができる。
特に包装される内容物が精密機械部品や電子機器などの場合、紙粉、その他塵埃などの異物混入にも厳重な対策が採られており、このような内容物の緩衝機能付き容器として好適に使用することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
但し、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの図面に限定されるものではない。また、図面に付した符号は、異なる図面においても同じ名称の部分には同じ符号を付した。
図1、図2は、それぞれ本発明の緩衝機能付き容器に用いる緩衝機能性フィルムの第1または第2の例の構成を示す模式断面図である。
図3は、本発明の緩衝機能付き容器に用いる緩衝材の一例の構成を示す展開図であり、図4は、図3の展開図に示した緩衝材の組み立て後の形状を示す立体図である。
また、図5は、本発明の緩衝機能付き容器に用いる緩衝材の別の一例の構成を示す展開図であり、図6は、図5の展開図に示した緩衝材の組み立て後の形状を示す立体図である。
そして、図7は、本発明の緩衝機能付き容器に用いる外箱の一例の構成を示す展開図である。
図8は、本発明の緩衝機能付き容器において、緩衝材で両側から挟み込むように保持させた内容物を外箱に収納する際、付属部品、取扱説明書などを同時に収納するために用いる容器の一例の構成を示す展開図である。
図9は、本発明の緩衝機能付き容器で内容物を包装する際の包装手順の一例を示す説明図である。
【0024】
図1は、本発明の緩衝機能付き容器に用いる緩衝機能性フィルムの第1の例の構成を示す模式断面図であり、図1に示した緩衝機能性フィルムFa は、シングルサイト系触媒を用いて重合した密度が0.860〜0.900g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体層1の一方の面(図では上側の面)に、密度が0.910〜0.930g/cmの線状低密度ポリエチレン層2a が積層された積層フィルムで構成されている。
【0025】
上記の積層フィルム、即ち、緩衝機能性フィルムFa の総厚みは、20〜300μmの範囲が好ましく、50〜200μmの範囲が更に好ましい。そして、その総厚みに対して前記エチレン・α−オレフィン共重合体層1の占める厚み比率は75〜95%の範囲であることが、その柔軟性、弾力性を維持し、緩衝機能性フィルムFa に良好な緩衝機能性を付与できる点で好ましい。
【0026】
また、前記積層フィルム、即ち、緩衝機能性フィルムFa は、その製膜時の流れ方向(MD)と、該流れ方向に直交する方向(TD)の伸び率の比率(MDの伸び率/TDの伸び率)が0.8〜1.2の範囲で両者のバランスのよいこと、即ち、伸び率の比率が1に近いことが、様々な形状の内容物に対してフィットしやすく内容物を安定して固定できる点で好ましい。
このような緩衝機能性フィルムFa は、多層(少なくとも2層)共押し出しインフレーション成形法により容易に製造することができる。
【0027】
前記のような構成を採ることにより、緩衝機能性フィルムFa は、主体層である柔軟性と弾力性に優れた前記エチレン・α−オレフィン共重合体層1により、主に緩衝機能性が付与され、その一方の面に積層された表面層の前記線状低密度ポリエチレン層2a により、アンチブロッキング性、滑り性などが付与される。
従って、セパレートフィルムなどを用いることなく、良好に製膜して巻き取ることができ、取り扱いも容易で、様々な形状の内容物に対して適応性がよく、内容物を安定して固定することができ、緩衝機能性および経済性に優れた緩衝機能性フィルムを生産性よく提供することができる。
【0028】
図2は、本発明の緩衝機能付き容器に用いる緩衝機能性フィルムの第2の例の構成を示す模式断面図であり、図2に示した緩衝機能性フィルムFb は、前記図1に示した緩衝機能性フィルムFa の構成において、シングルサイト系触媒を用いて重合した密度が0.860〜0.900g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体層1の一方の面に積層した密度が0.910〜0.930g/cmの線状低密度ポリエチレン層2a を、もう一方の面にも密度が0.910〜0.930g/cmの線状低密度ポリエチレン層2b として追加積層して構成したものである。
【0029】
この場合も、上記の積層フィルム、即ち、緩衝機能性フィルムFb は、その総厚みは20〜300μmの範囲であることが好ましく、また、その総厚みに対して前記エチレン・α−オレフィン共重合体層1の占める厚み比率は、75〜95%の範囲であることが前記と同じ意味で好ましい。
【0030】
この場合も、緩衝機能性フィルムFb は、その製膜時の流れ方向(MD)と、該流れ方向に直交する方向(TD)の伸び率の比率(MDの伸び率/TDの伸び率)が0.8〜1.2の範囲で1に近く、両者のバランスのよいことが様々な形状の内容物に対してフィットしやすく、内容物を安定して固定できる点で一層好ましい。
このような緩衝機能性フィルムFb は、多層(少なくとも3層)共押し出しインフレーション成形法により容易に製造することができる。
【0031】
前記のような構成を採ることにより、緩衝機能性フィルムFb は、シングルサイト系触媒を用いて重合した密度が0.860〜0.900g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体層1を主体層として、その両方の面に密度が0.910〜0.930g/cmの線状低密度ポリエチレン層2a 、2b が積層されているので、その両方の面がアンチブロッキング性と滑り性に優れたものとなる。
従って、前記図1に示した緩衝機能性フィルムFa で説明した作用、効果に加えて、その製膜、巻取りが一層容易で、且つ、ハンドリング適性にも一層優れた緩衝機能性フィルムを提供することができる。
【0032】
図3は、本発明の緩衝機能付き容器に用いる緩衝材の一例の構成を示す展開図で、図4は、図3に示した緩衝材の組み立て後の形状を示す立体図である。
尚、図3の展開図において、破線は、全て押し罫などによる折り曲げ線10を示し、実線は、緩衝機能性フィルムFのハッチングを除いて、全て切り目線11を示すものである。
図3に示した緩衝材50は、図において中間部に示した矩形状枠形の天板3の周囲四辺に、それぞれ折り曲げ線10を介して、外側壁板4a 〜4d 、側壁下面板5a 〜5d 、内側壁板6a 〜6d を順に連設すると共に、図において上下の内側壁板6a 、6c の外辺には、差し込み突起7a 、7b または差し込み突起7c 、7d を設け、外側壁板4a 、4c 、側壁下面板5a 、5c 、内側壁板6a 、6c をそれぞれ順に90°ずつ折り曲げ線10を山折りして天板3の下側に二重壁構造を形成した時、天板3の前記差し込み突起7a 、7b 、7c 、7d に対応する位置に、スリット状切り欠き部8a 、8b 、8c 、8d を設け、また、図において左右の外側壁板4b 、4d と内側壁板6b 、6d の両端には、それぞれ折り曲げ線を介して差し込み片(9a 、9c )または(9e 、9g )、または差し込み片(9b 、9d )または(9f 、9h )を設け、更に、天板3の内側四辺には、それぞれ折り曲げ線10を介して連設され、切り目線11で四つに分割されたフィルム支持板12a 、12b 、12c 、12d が設けられて、緩衝材50の基体となるブランク板が形成され、このブランク板の天板3の上に窓貼りするように緩衝機能性フィルムFが貼着されて構成されている。
【0033】
尚、前記フィルム支持板12a 、12b 、12c 、12d は、図ではその台形の部分の高さに相当する長さが、外側壁板4a 〜4d や内側壁板6a 〜6d の高さよりも大きくなるように設定したが、略同一長さとなるように設定してもよい。前記台形部分の長さを、外側壁板4a 〜4d や内側壁板6a 〜6d の高さよりも大きくなるように設定した場合は、緩衝材50の緩衝機能性フィルムF面に内容物が押し込まれた時、傾斜板としてクッション性をもって緩衝機能性フィルムFを支持することができる。また、前記台形部分の長さを、外側壁板4a 〜4d や内側壁板6a 〜6d の高さと略同じ長さとした場合は、新たな側壁板として天板3の内側の四辺を支える効果を得ることができる。
このような緩衝材50は、単独の板紙または複数の板紙を貼り合わせた積層紙、或いは段ボールなどを打ち抜いて基体となるブランク板を作製し、その天板3の上に、緩衝機能性フィルムFを窓貼り状に貼着することにより容易に作製することができる。
上記緩衝機能性フィルムFには、前記図1、図2に示した構成の緩衝機能性フィルムFa 、Fb のいずれかを用いることができ、その厚みは包装する内容物の重量などにより20〜300μmの範囲で適宜に設定することができる。
【0034】
このような構成の緩衝材50は、例えば、天板3の両側の外側壁板4b 、4d 、側壁下面板5b 、5d 、内側壁板6b 、6d を、それぞれの間の折り曲げ線10で順次90°ずつ山折りして天板3の背面に二重壁構造を形成した後、それぞれの両端で対向する差し込み片(9a 、9b )、(9c 、9d )、(9e 、9f )、(9g 、9h )をそれぞれ折り曲げ線10で内側に90°折り曲げ、次いで、この差し込み片(9a 、9b )、(9g 、9h )と差し込み片(9c 、9d )、(9e 、9f )を包み込むように天板3の上下の外側壁板4a 、4c 、側壁下面板5a 、5c 、内側壁板6a 、6c を、それぞれの間の折り曲げ線10で順次90°ずつ山折りし、内側壁板6a に設けられた差し込み突起7a 、7b と内側壁板6c に設けられた差し込み突起7c 、7d を、それぞれ天板3に設けられたスリット状切り欠き部8a 、8b 、またはスリット状切り欠き部8c 、8d に差し込むことにより、天板3の上下の背面にも二重壁構造を形成して側壁全体を固定することができ、図4に示したような天板3の周囲の下側に二重壁構造の側壁を有し、且つ、天板3の上に緩衝機能性フィルムFが窓貼り状に貼着された台状の緩衝材50を容易に組み立てることができる。
【0035】
図5は、本発明の緩衝機能付き容器に用いる緩衝材の別の一例の構成を示す展開図であり、図6は、図5に示した緩衝材の組み立て後の形状を示す立体図である。
図5の展開図において、破線は、全て押し罫などによる折り曲げ線10を示し、実線は、緩衝機能性フィルムFのハッチングを除いて、全て切り目線11を示すものである。
図5に示した緩衝材60は、図において中間部に示した矩形状枠形の天板3の周囲四辺のうち、上下の二辺には、それぞれ折り曲げ線10を介して、外側壁板4a 、側壁下面板5a 、内側壁板6a 、接着片13a 、または外側壁板4c 、側壁下面板5c 、内側壁板6c 、接着片13b を順に連設し、側壁下面板5a と内側壁板6a の間の折り曲げ線10と、側壁下面板5c と内側壁板6c の間の折り曲げ線10の両端には、それぞれ差し込み係止用のカギ形の切り目線11を設け、また、左右の二辺には、外側壁板4b 、側壁下面板5b 、または外側壁板4d 、側壁下面板5d を順に連設し、天板3の内側左右の二辺には、それぞれ折り曲げ線10を介して、内側壁板6b または内側壁板6d を連設すると共に、前記側壁下面板5b 、5d には、それぞれ内側壁板6b 、6d を90°下方に折り曲げた時、これを係止する係止片(14a 、14b )、(14c 、14d )を設け、更に、側壁下面板5b 、5d の上下両側の端部には、それぞれ上下の側壁下面板5a 、5c の上に接するように差し込んで側壁下面板5b 、5d を係止するための差し込み片(9a 、9b )、(9c 、9d )が、スリット状の切り欠き部により設けられて緩衝材60の基体となるブランク板が形成され、このブランク板の天板3の上に、窓貼りするように緩衝機能性フィルムFが貼着されて構成されている。
【0036】
このような緩衝材60は、前記図3に示した緩衝材50と同様に、単独の板紙または複数の板紙を貼り合わせた積層紙、或いは、段ボールなどを打ち抜いてブランク板を作製し、その天板3の上に、緩衝機能性フィルムFを窓貼り状に貼着することにより容易に作製することができる。
この場合も、上記緩衝機能性フィルムFには、前記図1、図2に示した構成の緩衝機能性フィルムFa 、Fb のいずれかを用いることができ、その厚みは包装する内容物の重量などにより20〜300μmの範囲で適宜に設定することができる。
【0037】
このような緩衝材60は、予め、製函機を使用して、天板3の上下にそれぞれ折り曲げ線10を介して連設された外側壁板4a 、4c 、側壁下面板5a 、5c 、内側壁板6a 、6c 、接着片13a 、13b の間の折り曲げ線10をそれぞれクセ折りすると共に、接着片13a 、13b をそれぞれ外側壁板4a 、4c と側壁下面板5a 、5c の間の折り曲げ線10および内側壁板6a 、6c と接着片13a 、13b の間の折り曲げ線10をそれぞれ山折りして、接着片13a 、13b を天板3の背面に糊貼りして偏平に折り畳まれた状態で保管し、使用時には、上下の外側壁板4a と内側壁板6a 、および外側壁板4c と内側壁板6c を起立させて、上下に角筒形二重壁構造の側壁を形成し、次いで、天板3の内側左右の内側壁板6b 、6d をそれぞれ背面側に90°折り曲げて起立させると共に、左右両側の外側壁板4b 、4d と側壁下面板5b 、5d を、それぞれ折り曲げ線10を90°山折りして差し込み片(9a 、9b )、(9c 、9d )を前記側壁下面板5a 、5c の上に接するように差し込んでカギ形の切り目線11で係止させると同時に、側壁下面板5b 、5d に設けられた係止片(14a 、14b )、(14c 、14d )をそれぞれ起立させて、背面側に90°折り曲げて起立された内側壁板6b 、6d の下端を係止して、天板3の左右の側部にも二重壁構造の側壁を形成し、図6に示したような天板3の周囲の下側に二重壁構造の側壁を有し、且つ、天板3の上に緩衝機能性フィルムFが窓貼り状に貼着された台状の緩衝材60を容易に組み立てることができる。
【0038】
次に、図7は、本発明の緩衝機能付き容器に用いる外箱の一例の構成を示す展開図である。また、図7において、破線は全て押し罫などによる折り曲げ線10を示し、実線は全て切り目線11を示すものである。
図7の展開図に示した外箱Bは、使用時に直方体の箱に組み立てられるものであり、図において、中段に左側から右側に向けて、胴板17a 、17b 、17c 、17d 、接着片13a が、それぞれ折り曲げ線10を介してこの順に連設され、胴板17a 、17b 、17c 、17d の下側には、底面形成部23a 、23b 、23c 、23d が、同様に折り曲げ線10を介してこの順に連設され、また、胴板17a 、17b 、17c 、17d の上側には、サイドフラップ18a 、外側フラップ20、サイドフラップ18b 、内側フラップ19が折り曲げ線10を介して順に連設され、更に、外側フラップ20の上側中央部には、外側差し込み片22が折り曲げ線10を介して連設されると共に、その基部の中央部には、両端が僅かに下方に曲がり差し込みスリットを形成する切り目線11と、その下側中央部に外箱Bの開封時に指を掛けるための半円形の切り目線11による切り欠き部が設けられ、また、内側フラップ19と胴板17d の間の中央部には、内側差し込み片21と、その両側に前記外側差し込み片22を差し込むスリットを形成する切り目線11が設けられて構成されている。
【0039】
このような外箱Bは、単独の板紙または複数の板紙を貼り合わせた積層紙、或いは、段ボールなどを打ち抜いて図示した形状のブランク板を作製し、通常の折り畳み箱と同様に、製函機を用いて縦方向の折り曲げ線10をクセ折りし、接着片13a に接着剤を塗布し、胴板17a の端縁部に重ねて圧着することにより、筒状に胴貼りされ、折り畳まれた形状の外箱Bを作製することができる。
また、折り畳まれた外箱Bを使用する際には、胴部を角筒状に起こし、底面形成部23a 、23c を折り曲げ線10で内側に90°折り曲げ、その上に底面形成部23b を折り曲げ線10で内側に90°折り曲げて被せた後、底面形成部23d を折り曲げ線10で内側に90°以上折り曲げて、両側の凸部を底面形成部23d の両側の凹部に差し込むだけで、底面形成部23a 〜23d 全体がフラットな状態に固定され、フラットな底面を形成することができる。
【0040】
そして、上部の開口部から、前記図4または図6に示した緩衝材50、60で両側から挟み込まれ、緩衝機能性フィルムFの間に宙吊りするように保持された内容物や、別に箱詰されたその他の添付物などを挿入した後、上部のサイドフラップ18a 、18b と内側フラップ19を順に折り曲げ線10で内側に90°折り曲げ、その上に外側フラップ20を折り曲げ線10で内側に90°折り曲げて重ね、外側差し込み片22を内側フラップ19の基部の切り目線11で形成されたスリットに差し込み、更に、内側フラップ19の基部の中央部に設けられた内側差し込み片21を、外側フラップ20の上辺中央部に設けられた切り目線11で形成されたスリットに差し込むことにより、外箱Bの開口部を固定性よく閉鎖することができる。
このような構成を採ることにより、胴部の接着以外には接着剤を使用する必要がなく、底部の形成および上部の閉鎖は、折り曲げや差し込みなどの組み立て方式で行えるため、内容物の包装作業を簡便に行うことができる。
尚、本発明において、外箱の構成は、特に限定はされず、前記の構成の他に、例えば、JIS Z1507 段ボール箱の形式 表2〜表7などに示されるものはいずれも適宜選択して使用することができる。
【0041】
図8は、本発明の緩衝機能付き容器において、緩衝材で両側から挟み込むように保持された内容物を外箱に収納する際、付属部品、取扱説明書などを同時に収納するために用いる付属品収納容器の一例の構成を示す展開図である。
このような付属品収納容器は、収納される内容物によっては不要な場合もあるが、例えば、内容物がノート型パソコン、その他精密電気製品などの場合は、通常、付属部品やマニュアルなどが内容物と共に収納されるため、参考までに挙げたものである。
尚、この場合も、図8の展開図において、破線は全て押し罫などによる折り曲げ線10を示し、実線は全て切り目線11を示すものである。
【0042】
図8に示した付属品収納容器Cは、単独の板紙または複数の板紙を貼り合わせた積層紙、或いは段ボールなどを打ち抜いてブランク板を作製し、そのブランク板を組み立てて形成されるヒンジ蓋を備えた組み立て箱形式の容器であり、図8の展開図において、中央部に上側から、外側壁板4b 、天板3、側壁板24、底板23、内側壁板6b が、順に折り曲げ線10を介して連設され、また、外側壁板4b の左右には、差し込み片9a 、9b が折り曲げ線10を介して連設され、天板3の左右には差し込み片9h 、9c が折り曲げ線10を介して連設され、側壁板24の左右には差し込み片9g 、9d が折り曲げ線10を介して連設され、底板23の左右には外側壁板4c および内側壁板6c 、外側壁板4a および内側壁板6a が折り曲げ線10を介して連設され、内側壁板6b の左右には差し込み片9f 、9e が折り曲げ線10を介して連設され、更に、前記内側壁板6c 、6a の外側端部には、それぞれを内側に180°折り返して底板23の端部に設けられたスリット状切り欠き部(8d 、8c )、(8a 、8b )に差し込んで係止するための差し込み突起(7d 、7c )、(7a 、7b )が設けられて構成されている。
尚、前記外側壁板4c と内側壁板6c の間、および外側壁板4a と内側壁板6a の間には、それぞれ近接する2本の折り曲げ線10を設けたが、これは、この部分の折り曲げ角度が180°であり、ブランク板の基材が段ボールのように厚みのある場合に、その折り曲げを容易にするためのものである。従って、基材が単独の板紙など比較的薄い場合には、1本の折り曲げ線としてもよい。
【0043】
このような付属品収納容器Cは、使用前は偏平なブランク板の状態で保管し、使用時に、以下のように組み立ててヒンジ蓋を備えた組み立て箱形式の容器を容易に作製することができる。
即ち、付属品収納容器Cの組み立ては、底板23の周囲の折り曲げ線10をそれぞれ90°谷折りして、側壁板24、外側壁板4a 、内側壁板6b 、外側壁板4c を起立させると共に、差し込み片(9f 、9g )、(9d 、9e )をそれぞれ内側に90°折り曲げた後、左右の内側壁板6c 、6a を内側に180°折り曲げて、その差し込み突起(7c 、7d )、(7a 、7b )を対応するスリット状切り欠き部(8c 、8d )、(8a 、8b )に差し込んで係止することにより、上部全体が開口する容器本体を組み立てることができる。
【0044】
そして、上部の開口部から、付属部品やマニュアルなどの内容物を収納した後、天板3をその左右の差し込み片9h 、9c を内側に90°折り曲げて、下側の折り曲げ線10でヒンジ形式に折り曲げて容器本体に被せると共に、左右の差し込み片9h 、9c は容器本体の内側に差し込み、次いで、天板3の上側に示した外側壁板4b を折り曲げて容器本体の内側壁板6b の外側に重ねると共に、外側壁板4b の左右の差し込み片9a 、9b を内側に折り曲げて、外側壁板4c と内側壁板6c の間、および外側壁板4a と内側壁板6a の間に差し込むことにより、ヒンジ形式の蓋を係止して付属品収納容器Cを閉じることができる。
このような構成を採ることにより、付属品収納容器Cの少なくとも周囲の三方の側面を二重壁構造に形成できるので圧縮強度に優れると共に、上部全体を開口できるので、複数の内容物を詰め合わせる場合でも、その収納作業を一層容易に行うことができる。
【0045】
図9は、本発明の緩衝機能付き容器で内容物を包装する際の包装手順の一例を示す説明図であり、この場合、緩衝材には図3、4に示した構成の緩衝材50を内容物Aの両側に用いて、内容物Aをその緩衝機能性フィルムFの間に挟み込むように保持させ、外箱には図7に示した構成の外箱Bを用いて、その中に図8に示した付属品収納容器Cと共に、緩衝材50、50の間に保持させた内容物Aを収納する例を示したものである。
【0046】
先ず、図9の(イ)に示すように、例えば、内容物Aの上下両側に、図3、4に示した構成の緩衝材50を、その緩衝機能性フィルムF同士が対向するように配置し、内容物Aに向けて押圧することにより、上下の緩衝機能性フィルムFが内容物Aの形状にフィットして伸ばされ、内容物Aは、上下の緩衝機能性フィルムFの間に宙吊りされるように保持され、衝撃から保護されるようになる。
次いで、図9の(ロ)に示すように、内容物Aを両側から挟み込んで保持した緩衝材50、50の外側にスリーブDを取り付けて固定した後、図9の(ハ)に示すように、図7に示した構成の外箱Bを用いて、その胴部を起こして底部を組み立て、上部が開口する外箱Bを形成し、上部の開口部から、図8に示した構成の付属品収納容器C(付属部品、マニュアルなどの内容物を収納したもの)と共に、両側から緩衝材50、50で挟み込まれ、スリーブDで固定された内容物Aを挿入し、外箱Bのサイドフラップおよび内側フラップ19、外側フラップ20を順に折り込んで、外側差し込み片22と内側差し込み片21とを、それぞれの対応する切り目線11、11によるスリットに差し込むことにより、外箱Bが固定性よく閉鎖され、本発明の緩衝機能付き容器を完成させることができる。
【0047】
尚、上記の例では、外箱Bとして図7に示した構成の外箱Bを用いたが、前述したように、外箱Bは、特に限定はされず、例えば、JIS Z1507 段ボール箱の形式 表2〜表7などに示される構成の箱は、いずれも適宜選択して使用することができる。
また、内容物Aの両側に用いる緩衝材は、前記図3、4に示した構成の緩衝材50のほか、図5、6に示した構成の緩衝材60も、同様に好適に使用することができる。
また、内容物Aの上下に緩衝材を用いる場合、例えば、同一構成の緩衝材50を上下に用いてもよいが、通常、下側に用いる緩衝材50の方がより大きな荷重を受けるため、必要に応じて、緩衝機能性フィルムFの厚みを厚くし、また、緩衝材の基体にも強度の強い材料を用い、更に、緩衝材(台状体)の高さを、上側よりも下側の緩衝材を高くするなどの調整をすることができる。
【0048】
また、緩衝機能付き容器に収納する内容物Aが、特に紙粉などの異物の混入を嫌う場合は、外箱Bおよび緩衝材50、60などの基体に用いる単独の板紙または複数の板紙を貼り合わせた積層紙、或いは段ボールなど、全ての紙材に、AA級もしくはA級の段ボール用ライナを用いることにより、比較的低コストで強度に優れると共に、紙粉の殆どない緩衝機能付き容器を提供することができる。
また、前記外箱Bおよび緩衝材50、60などには、必要に応じて、印刷加工や耐水加工、耐油加工などの表面加工を施すことができる。
【0049】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
ノート型パソコンを内容物として、図9の(イ)、(ロ)、(ハ)に示した材料と包装手順で本発明の緩衝機能付き容器を作製することとし、図3、4に示した構成の緩衝材50の基体を段ボールを用いて、組み立て後の外形寸法が310mm(縦)×360mm(横)×30mm(高さ)となるように作製し、その天板3の上に、以下の構成の緩衝機能性フィルムFを窓貼り状に接着して緩衝材50を作製した。
緩衝機能性フィルムFは、図2に示した構成で、密度が0.875g/cmのシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン・α−オレフィン共重合体層を中心層とし、その両面に密度が0.917g/cmの線状低密度ポリエチレン層が積層された3層構成の積層フィルムを、共押し出しインフレーション成形法により、総厚みが110μmで、中心層の厚みが90μm、両側の線状低密度ポリエチレン層の厚みが各10μmとなるように製膜して緩衝機能性フィルムFを作製した。
【0050】
上記緩衝機能性フィルムFは、その総厚み(110μm)に対する前記エチレン・α−オレフィン共重合体層(厚み90μm)の厚み比率は略82%であり、柔軟性、弾力性に優れ、また、製膜時にそのまま巻き取ってもブロッキングを発生することはなく、加工性、取り扱い性に優れていた。
また、製膜時のフィルムの流れ方向(MD)と、該流れ方向に直交する方向(TD)の伸び率の比率(MDの伸び率/TDの伸び率)は略0.9で両者のバランスは良好であった。
【0051】
尚、内容物のノート型パソコンを上下両側から緩衝材50で挟み込んで保持させた後、それを固定するスリーブDとしては、米坪量160g/mの板紙を二枚合紙した積層紙を打ち抜いてブランク板を作製し、端縁部を接着して130mm幅の角筒形のスリーブDを作製した。
付属品収納容器Cは、基材に段ボールを用いて、図8に示した構成の組み立て箱を、組み立て後の外形寸法が、310mm(縦)×360mm(横)×50mm(高さ)となるように作製し、電源コード、マウス、集合アダプター、プログラムを記録したCDなどの付属部品およびマニュアルを収納して、付属品収納容器Cとした。
また、外箱Bは、段ボールを用いて図7に示した構成の箱を、組み立て後の内寸が113mm(縦)×362mm(横)×312mm(高さ)となるように作製した。
尚、上記緩衝材50の基体の段ボール、スリーブDの積層紙、付属品収納容器Cの段ボール、外箱Bの段ボールは、全てその紙材に前記A級の段ボール用ライナを使用して作製したものである。
以上のように作製した緩衝材50、スリーブD、付属品収納容器C、外箱Bを用いて、図9に示した包装手順で内容物のノート型パソコンを包装し、実施例1の緩衝機能付き容器を作製した。
【0052】
上記緩衝機能付き容器において、内容物のノート型パソコンに対する緩衝機能性フィルムFのフィット性はよく、両側の緩衝材50、50の緩衝機能性フィルムFの間に宙吊り状態に安全にノート型パソコンを保持させることができ、外観、緩衝機能性とも良好に包装することができた。
また、緩衝材50、スリーブD、付属品収納容器C、外箱Bは、いずれも偏平に折り畳み可能であるため嵩張らず、保管スペースも少なくすることができた。
【0053】
(実施例2)
前記実施例1の緩衝機能付き容器の構成において、緩衝材50を、図5、6に示した構成の緩衝材60に変え、また、その天板に接着した緩衝機能性フィルムFについても、中心層と両側の線状低密度ポリエチレン層の厚み比率のみを、中心層の前記エチレン・α−オレフィン共重合体層の厚みを100μmとし、両側の線状低密度ポリエチレン層の厚みをそれぞれ5μmとなるように変更したほかは、全て実施例1と同様に加工して実施例2の緩衝機能付き容器を作製した。
尚、上記緩衝機能性フィルムの総厚み(110μm)に対する中心層の前記エチレン・α−オレフィン共重合体層(厚み100μm)の厚み比率は略91%である。また、この緩衝機能性フィルムも、製膜時のフィルムの流れ方向(MD)と、該流れ方向に直交する方向(TD)の伸び率の比率(MDの伸び率/TDの伸び率)は略0.9で両者のバランスは良好であった。
この場合も、緩衝機能性フィルムFの製膜性および取り扱い性は良好であり、また、内容物のノート型パソコンに対する緩衝機能性フィルムFのフィット性もよく、両側の緩衝材60、60の緩衝機能性フィルムFの間に宙吊り状態に安全にノート型パソコンを保持させることができ、外観、緩衝機能性とも良好に包装することができた。
また、緩衝材60、スリーブD、付属品収納容器C、外箱Bは、いずれも偏平に折り畳み可能であるため嵩張らず、保管スペースも少なくすることができた。
【0054】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、緩衝材に緩衝機能性フィルムを利用した緩衝機能付き容器であって、包装作業が簡単で、緩衝機能性に優れると共に、緩衝材が折り畳み可能で嵩張らず、保管や輸送の効率がよく、低コストで生産性よく製造でき、また、紙粉などの発生も防止することができ、更に、使用後の廃棄処理の際には、焼却しても有害ガスを発生せず、緩衝機能性および使用適性と共に、廃棄処理適性にも優れた緩衝機能付き容器を生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緩衝機能付き容器に用いる緩衝機能性フィルムの第1の例の構成を示す模式断面図である。
【図2】本発明の緩衝機能付き容器に用いる緩衝機能性フィルムの第2の例の構成を示す模式断面図である。
【図3】本発明の緩衝機能付き容器に用いる緩衝材の一例の構成を示す展開図である。
【図4】図3に示した緩衝材の組み立て後の形状を示す立体図である。
【図5】本発明の緩衝機能付き容器に用いる緩衝材の別の一例の構成を示す展開図である。
【図6】図5に示した緩衝材の組み立て後の形状を示す立体図である。
【図7】本発明の緩衝機能付き容器に用いる外箱の一例の構成を示す展開図である。
【図8】本発明の緩衝機能付き容器において、緩衝材で両側から挟み込むように保持された内容物を外箱に収納する際、付属部品、取扱説明書などを同時に収納するために用いる付属品収納容器の一例の構成を示す展開図である。
【図9】本発明の緩衝機能付き容器で内容物を包装する際の包装手順の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 シングルサイト系触媒を用いて重合した密度が0.86〜0.900g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体層
2a 、2b 密度が0.910〜0.930g/cmの線状低密度ポリエチレン層
3 天板
4a 、4b 、4c 、4d 外側壁板
5a 、5b 、5c 、5d 側壁下面板
6a 、6b 、6c 、6d 内側壁板
7a 、7b 、7c 、7d 差し込み突起
8a 、8b 、8c 、8d スリット状切り欠き部
9a 〜9h 差し込み片
10 折り曲げ線
11 切り目線
12a 、12b 、12c 、12d フィルム支持板
13a 、13b 接着片
14a 、14b 、14c 、14d 係止片
15a 、15b 、15c 、15d スリット状切り欠き
16 打ち抜き部
17a 、17b 、17c 、17d 胴板
18a 、18b サイドフラップ
19 内側フラップ
20 外側フラップ
21 内側差し込み片
22 外側差し込み片
23 底板
23a 、23b 、23c 、23d 底面形成部
24 側壁板
Fa 、Fb 緩衝機能性フィルム
F 緩衝機能性フィルム
A 内容物
B 外箱
C 付属品収納容器
D スリーブ
50、60 緩衝材

Claims (3)

  1. 少なくとも外箱と、該外箱の内部に収納され、内容物を上下または左右の両側から挟むように保持して緩衝性を付与する緩衝材とで形成される緩衝機能付き容器であって、該緩衝材が、板紙または段ボールを基材とし、少なくとも矩形状枠形の天板と、該天板の下に折り曲げ線を介して連設された外側壁板と内側壁板とを有する二重壁構造の立体枠形状に形成され、該天板の上に緩衝機能性フィルムが窓貼り状に貼着されて形成されると共に、該緩衝機能性フィルムが、シングルサイト系触媒を用いて重合した密度が0.860〜0.900g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体層と、少なくともその一方の面に積層された密度が0.910〜0.930g/cmの線状低密度ポリエチレン層との積層フィルムで形成され、且つ、該積層フィルムの総厚みに対する前記エチレン・α−オレフィン共重合体層の厚み比率が75〜95%であることを特徴とする緩衝機能付き容器。
  2. 前記積層フィルムが、共押し出しインフレーション成形法で製膜された積層フィルムであって、該積層フィルムの製膜時の流れ方向(MD)と、該流れ方向に直交する方向(TD)の伸び率の比率(MDの伸び率/TDの伸び率)が0.8〜1.2の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の緩衝機能付き容器。
  3. 前記緩衝材と外箱のうち、緩衝材、または緩衝材と外箱の両方が、単独の板紙もしくは複数の板紙の積層紙、または段ボールを基材として形成され、且つ、それぞれの紙材に、AA級もしくはA級の段ボール用ライナが用いられていることを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝機能付き容器。
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JP2010195454A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Yamato Packing Technology Institute Co Ltd 物品配送用梱包箱
CN102673856A (zh) * 2011-03-11 2012-09-19 永硕联合国际股份有限公司 双层缓冲箱体
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