JP2004160938A - 液体噴射装置およびそれに用いる液体容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体をノズル開口7bから噴射する液体噴射ヘッド7と、それに連なる複数の液体容器8B,8C等とを備え、上記液体容器の液体消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段44が設けられ、液体量が変更されていない第1の液体容器8C,8M等の液体量と、液体量が変更された第2の液体容器8Bの液体量との差に相当する補正計数値Hが、上記液体消費計数値に算入されることにより、第1の液体容器の液体と第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界H1,H2等が、上記両液体について共通した閾値を基準にして判定されるように構成した。
【選択図】図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧された液体をノズル開口から液滴として吐出させる液体噴射装置およびそれに用いる液体容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加圧された液体をノズル開口から液滴として吐出させる液体噴射装置は、種々な液体を対象にしたものが知られているが、そのなかでも代表的なものとして、インクジェット式記録装置をあげることができる。そこで、従来の技術を上記インクジェット式記録装置を例にとって説明する。
【0003】
インクジェット式記録装置には、通常、ノズル開口が形成された記録ヘッドがキャリッジに搭載され、このキャリッジが主走査方向に往復移動するときに、印刷データに基づいて上記ノズル開口からインク滴を吐出して、記録媒体に文字や図形等を印刷するようになっている。上記ノズル開口は、ノズル形成面を有するノズルプレートに多数のノズル開口が列状に配列された複数のノズル列として配置され、各ノズル列からは異なった種類のインクが吐出される。これらの異なった種類のインクは、それぞれインクカートリッジに貯留され、インクカートリッジから記録ヘッドに通じる流路をへてノズル開口から吐出される。
【0004】
上記複数のインクカートリッジには、一般に、ブラック,シアン,ライトシアン,マゼンタ,ライトマゼンタ,イエロー等の6色のインクがそれぞれ貯留されている。これらのインクカートリッジのうち消費量の少ない、例えば、ライトシアンのインクカートリッジが空になった場合には、ユーザは当初から装着されていた上記ライトシアンの標準カートリッジよりもインク量が少なくされた小容量カートリッジを別途に買い求めて装着している。これは、ユーザが作成する印刷物の特徴により、各色の消費インク量にばらつきがあるので、全インクカートリッジの消費バランスをとるために、このような小容量カートリッジが使用される。
【0005】
また、インクジェット式記録装置のある機種に装着されている小容量のインクカートリッジを、標準容量のインクカートリッジが装着されている他の機種に便宜的に装着することがある。
【0006】
そして、インクジェット式記録装置には、各インクカートリッジの残量すなわち消費量を表示する表示手段が設けられている。これは、各インクカートリッジに貯留されたインクの消費量を演算して表示するもので、そのために各インクカートリッジのインク消費計数値をそれぞれ求めるインク消費量計数手段が設けられている。このインク消費量計数手段から得たインク消費データをあらかじめ設定した閾値を基準にして、インクエンド(そのカートリッジの全インクの使用終了)あるいはニアインクエンド(そのカートリッジの残量があとわずかである)等であるかどうかが判定され、その判定結果が上記表示手段に表示されている。
【0007】
具体的には、各インクカートリッジごとにインク滴が吐出された回数をカウントし、このカウント値を1吐出当りのインク質量等に乗じるとともに、クリーニング吸引で消費されたインク質量に加算することにより、インクの消費質量を演算し、この演算値と上記閾値とを比較してインク消費量の判定を行っている。このようにして求められたインク消費量が、インクジェット式記録装置の外側部等に配置された表示部にインクカートリッジごとのインク消費量として表示されるようになっている。
【0008】
また、上記閾値は、全インクカートリッジについて共通した判定基準とされている。
【0009】
このような液体噴射装置に関して出願人が把握している先行技術文献は、つぎのとおりである。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−71469号公報
【特許文献2】
特開2001−322290号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記閾値は、標準カートリッジのインクエンドあるいはニアインクエンドを目安にして設定されているので、小容量カートリッジのインクの計測を標準カートリッジと同じ計数点からカウントし始めると、小容量カートリッジがインクエンドのカウント値になっても、そのカウント値は上記閾値を大幅に下回ることになる。したがって、小容量カートリッジが空になっているのにもかかわらず、ノズル開口からの吐出動作が継続されることとなり、空になった小容量カートリッジのインク色が欠如したまま印刷が続行され、不良印刷の原因になるおそれがある。さらに、上記小容量カートリッジに連通したインク通路やノズル開口は乾燥しきった状態になるので、その後回復措置に大きな手間がかかることとなる。
【0012】
また、上記の場合とは逆に、小容量カートリッジに代えて、標準カートリッジよりも大容量の大容量カートリッジの使用要求もある。これは、ユーザの印刷物の種類によるもので、ワープロでドキュメント印刷を主に行う場合には、例えば、ブラックのインク容量が、標準のものよりも多いものが望まれる。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、標準液体容器と異なる容量の液体容器を装着した際に、この液体容器の液体消費量を標準液体容器との関係において適正に把握できる液体噴射装置およびそれに用いる液体容器の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の液体噴射装置は、噴射動作データに対応して液体をノズル開口から噴射する液体噴射ヘッドと、上記液体噴射ヘッドに上記液体を供給するとともに着脱可能な状態で配置されている複数の液体容器とを備えた液体噴射装置であって、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体量と上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体量との差に相当する補正計数値が、上記液体消費計数値に算入されることにより、上記第1の液体容器の液体と上記第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の液体について共通した閾値を基準にして判定されるように構成したことを第1の要旨とする。
【0015】
すなわち、本発明の液体噴射装置は、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体量と上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体量との差に相当する補正計数値が、上記液体消費計数値に算入されることにより、上記第1の液体容器の液体と上記第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の液体について共通した閾値を基準にして判定されるように構成されている。
【0016】
このため、上記第1の液体容器の液体量と上記第2の液体容器の液体量との差に相当する補正計数値が、上記液体消費計数値に算入されるので、第2の液体容器の液体消費量のカウント開始値が上記補正計数値によって補正されることとなり、第2の液体容器の液体使用可能限界と第1の液体容器の液体使用可能限界を、共通した上記閾値を基準にして判定することができる。すなわち、第2の液体容器の液体消費量のカウント開始値を上記補正計数値であらかじめ補正しておくことにより、第1,第2の両液体容器の液体消費量が、例えば、液体の全ての量の使用終了や使用終了に近づいたことを、単一の閾値で判定することができる。したがって、前述のように第2の液体容器が空になっているのにもかかわらず液体噴射の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0017】
さらに、上記の目的を達成するため、本発明の液体噴射装置は、噴射動作データに対応して液体をノズル開口から噴射する液体噴射ヘッドと、上記液体噴射ヘッドに上記液体を供給するとともに着脱可能な状態で配置されている複数の液体容器とを備えた液体噴射装置であって、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体と上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の各液体について個別に設定した閾値を基準にして判定されるように構成したことを第2の要旨とする。
【0018】
すなわち、本発明の液体噴射装置は、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体と上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の各液体について個別に設定した閾値を基準にして判定されるように構成されている。
【0019】
このため、上記第1の液体容器の液体と上記第2の液体容器の液体の各々について個別に閾値が設定されているので、第1,第2両液体容器の液体量に差があっても、個々の閾値により第1,第2両液体容器の液体使用可能限界が判定される。したがって、前述のように第2の液体容器が空になっているのにもかかわらず液体噴射の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0020】
さらに、上記の目的を達成するため、本発明の液体噴射装置は、噴射動作データに対応して液体をノズル開口から噴射する液体噴射ヘッドと、上記液体噴射ヘッドに上記液体を供給するとともに着脱可能な状態で配置されている複数の液体容器とを備えた液体噴射装置であって、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体消費量計数手段による単位液体噴射にともなう液体消費計数の1計数値を、上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体量に対する上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体量の比を、上記第1の液体容器の液体の液体消費計数を行う1計数値に乗じた値とすることにより、上記第1の液体容器の液体と上記第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の液体について共通した閾値を基準にして判定されるように構成したことを第3の要旨とする。
【0021】
すなわち、本発明の液体噴射装置は、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体消費量計数手段による単位液体噴射にともなう液体消費計数の1計数値を、上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体量に対する上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体量の比を、上記第1の液体容器の液体の液体消費計数を行う1計数値に乗じた値とすることにより、上記第1の液体容器の液体と上記第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の液体について共通した閾値を基準にして判定されるように構成されている。
【0022】
このため、上記液体消費量計数手段による単位液体噴射にともなう液体消費計数の1計数値が、上記第1の液体容器の液体の液体消費計数を行う1計数値に、第2の液体容器の液体量に対する第1の液体容器の液体量の比を乗じることにより求められることになる。すなわち、第1の液体容器における液体消費計数を行う1計数値に対する第2の液体容器における液体消費計数を行う1計数値が、上記両液体容器の容量比で補正されたこととなる。したがって、第2の液体容器の液体消費計数の累積消費値と第1の液体容器の液体消費計数の累積消費値とが、略同じ累積上昇値として積算されて行くことになる。このように、上記の略同じ累積上昇値であるために、共通した閾値を基準にすることが可能となり、上記第1,第2両液体容器の液体について、両液体の液体使用可能限界が上記共通の閾値で判定される。換言すると、第1の液体容器の1噴射当たりの液体量を上記の「比」で補正することにより、第1,第2各液体容器の液体使用可能限界が共通の閾値で判定でき、前述のように第2の液体容器が空になっているのにもかかわらず液体噴射の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0023】
本発明の液体噴射装置において、上記第2の液体容器の液体が、減量されたものである場合には、第2の液体容器の液体消費計数値に補正計数値を算入して第2の液体容器と第1の液体容器の液体使用可能限界を共通した閾値を基準にして判定したり、第1,第2の液体容器の各液体について個別の閾値を設定したり、あるいは第2の液体容器の液体の1計数値を上記の「比」で補正し第1,第2の液体容器の両液体累積消費値を略同じ累積上昇値にして、共通した閾値を基準にして判定したりしている。このため、減量された上記第2の液体容器の液体の消費量が適正に把握され、上記の各閾値を基準にして減量された液体量の実態に即した液体使用可能限界が判定される。
【0024】
本発明の液体噴射装置において、上記第2の液体容器の液体が、増量されたものである場合には、第2の液体容器の液体消費計数値に補正計数値を算入して第2の液体容器と第1の液体容器の液体使用可能限界を共通した閾値を基準にして判定したり、第1,第2の液体容器の各液体について個別の閾値を設定したり、あるいは第2の液体容器の液体の1噴射量を上記の「比」で補正し第1,第2の液体容器の両液体累積消費値を略同じ累積上昇値にして、共通した閾値を基準にして判定したりしている。このため、増量された上記第2の液体容器の液体の消費量が適正に把握され、上記の各閾値を基準にして増量された液体量の実態に即した液体使用可能限界が判定される。
【0025】
本発明の液体噴射装置において、上記減量に相当する上記補正計数値が、上記液体消費計数値に加算される場合には、第2の液体容器の液体消費計数のカウント開始値に上記補正計数値が加算されているので、補正計数値のつぎの計数値が上記カウント開始値となり、第1,第2の液体容器の各液体使用可能限界を共通した閾値を基準にして判定できる。
【0026】
本発明の液体噴射装置において、上記増量に相当する上記補正計数値が、上記液体消費計数値から減算される場合には、第2の液体容器の液体消費計数のカウント開始値に上記補正計数値が減算されているので、第1の液体容器の液体消費計数のカウント開始値から上記補正計数値を差引いた(下回った)計数値が、第2の液体容器の液体消費計数のカウント開始値となり、第1,第2の液体容器の各液体使用可能限界を共通した閾値を基準にして判定できる。
【0027】
本発明の液体噴射装置において、上記第2の液体容器に上記変更された液体量に対応する数値を記憶する記憶手段が配置されている場合には、上記第2の液体容器における液体容量変更データが上記記憶手段に入力されているので、第2の液体容器を上記液体噴射ヘッドを備えた装置に装着することにより、例えば、直ちに上述のような補正計数値等に基づく液体使用可能限界の判定が適確に実行できる状態が形成される。すなわち、第2の液体容器自体にその容器の液体の状態が液体容量変更データ等として記憶されているので、第2の液体容器を装着するのと同時に迅速に、かつ適正な液体使用可能限界の判定が可能となるのである。
【0028】
本発明の液体噴射装置において、上記第2の液体容器に少なくとも液体の消費データが入力される記憶手段が配置されている場合には、上記第2の液体容器における液体消費データが上記記憶手段に入力されているので、第2の液体容器を上記液体噴射ヘッドを備えた装置に装着することにより、直ちに液体消費量を反映した上述のような補正計数値等が得られ、液体消費データ(残量データ)に基づく実態に即した液体使用可能限界の判定が適確に実行できる状態となる。すなわち、第2の液体容器自体にその容器の液体の消費状態が液体消費データ等として記憶されているので、第2の液体容器を装着するのと同時に迅速に、かつ適正な液体使用可能限界の判定が可能となるのである。
【0029】
本発明の液体噴射装置において、上記第1の液体容器の液体または上記第2の液体容器の液体の残量が、上記各液体容器を上記液体噴射ヘッドを備えた装置に装着したときに実行される液体吸引による消費量を除去した液体量に対する残量値として算出される場合には、上記第1または第2の液体容器を装置に装着したときに実行される液体吸引による消費量が除去されているので、液体残量を算出するときの基礎とされる液体量として、あらかじめ除去すべきものを差引いた適格性の高い数値とすることができる。そして、このように適格性の高い数値に対する残量値が算出されるので、最終的に算出された残量値は、上記液体吸引という実態に適合した信頼性の高いものとなる。そして、このようにして算出された残量を表示することにより、新品の液体容器を装着したときに、すでに液体がいくらか消費された状態で表示されるのを防ぎ、ユーザの困惑なくすことができる。
【0030】
本発明の液体噴射装置において、上記液体使用可能限界が、液体の全ての量の使用終了を示す値または上記液体の全ての量の使用終了に近づいた値である場合には、液体容器の液体が消費し尽くされた「液体容器空」の状態または残量がわずかになった「液体容器空の直前」の状態が、使用可能限界値として設定されるので、液体容器を最良の時期に交換することができる。また、例えば、ある液体容器が「液体容器空」であり、他のある液体容器が「液体容器空の直前」のような場合には、「液体容器空」の分を新品に交換して液体噴射装置を動作させた直後に、今度は、「液体容器空の直前」であった他の液体容器が直ちに「液体容器空」の状態になるので、引き続いて交換作業を行わなければならない。このような煩わしさを避けるために「液体容器空」と「液体容器空直前」の両者を同時に交換することにより、交換の手間を省いたり、交換直後の液体吸引による無駄も最小化することができる。
【0031】
本発明の液体噴射装置において、上記液体が印字用インクであり、インクジェット式記録装置として用いられる場合には、上記第1のインクカートリッジのインク量と上記第2のインクカートリッジのインク量との差に相当する補正計数値が、上記インク消費計数値に算入されるので、第2のインクカートリッジのインク消費量のカウント開始値が上記補正計数値によって補正されることとなり、第2のインクカートリッジのインク使用可能限界と第1のインクカートリッジのインク使用可能限界を、共通した閾値を基準にして判定することができる。すなわち、第2のインクカートリッジのインク消費量のカウント開始値を上記補正計数値であらかじめ補正しておくことにより、第1,第2の両インクカートリッジのインク量が、例えば、インクの全ての量の使用終了や使用終了に近づいたことを、単一の閾値で判定することができる。したがって、例えば、前述のように第2のインクカートリッジが空になっているのにもかかわらずインク滴吐出の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0032】
さらに、上記第1のインクカートリッジのインクと上記第2のインクカートリッジのインクの各々について個別に閾値が設定されているので、第1,第2両インクカートリッジのインク量に差があっても、個々の閾値により第1,第2両インクカートリッジのインク使用可能限界が判定される。したがって、例えば、前述のように第2のインクカートリッジが空になっているのにもかかわらずインク滴吐出の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0033】
また、上記インク消費量計数手段による単位インク噴射にともなうインク消費計数の1計数値が、上記第1のインクカートリッジのインクのインク消費計数を行う1計数値に、第2のインクカートリッジのインク量に対する第1のインクカートリッジのインク量の比を乗じることにより求められることになる。すなわち、第1のインクカートリッジにおけるインク消費計数を行う1計数値に対する第2のインクカートリッジにおけるインク消費計数を行う1計数値が、上記両インクカートリッジの容量比で補正されたこととなる。したがって、第2のインクカートリッジのインク消費計数の累積消費値と第1のインクカートリッジのインク消費計数の累積消費値とが、略同じ累積上昇値として積算されて行くことになる。このように、上記の略同じ累積上昇値であるために、共通した閾値を基準にすることが可能となり、上記第1,第2両インクカートリッジのインクについて、両インクのインク使用可能限界が上記共通の閾値で判定される。換言すると、第1のインクカートリッジの1噴射当たりのインク量を上記の「比」で補正することにより、第1,第2各インクカートリッジのインク使用可能限界が単一の閾値で判定でき、前述のように第2のインクカートリッジが空になっているのにもかかわらずインク滴吐出の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0034】
また、上記の目的を達成するため、本発明の液体容器は、噴射動作データに対応して液体をノズル開口から噴射する液体噴射ヘッドに上記液体を供給するとともに着脱可能な状態で配置されている複数の液体噴射装置用の液体容器であって、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体量と上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体量との差に相当する補正計数値が、上記液体消費計数値に算入されることにより、上記第1の液体容器の液体と上記第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の液体について共通した閾値を基準にして判定されるように構成したことを第1の要旨とする。
【0035】
すなわち、本発明の液体容器は、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体量と上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体量との差に相当する補正計数値が、上記液体消費計数値に算入されることにより、上記第1の液体容器の液体と上記第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の液体について共通した閾値を基準にして判定されるように構成されている。
【0036】
このため、上記第1の液体容器の液体量と上記第2の液体容器の液体量との差に相当する補正計数値が、上記液体消費計数値に算入されるので、第2の液体容器の液体消費量のカウント開始値が上記補正計数値によって補正されることとなり、第2の液体容器の液体使用可能限界と第1の液体容器の液体使用可能限界を、共通した上記閾値を基準にして判定することができる。すなわち、第2の液体容器の液体消費量のカウント開始値を上記補正計数値であらかじめ補正しておくことにより、第1,第2の両液体容器の液体消費量が、例えば、液体の全ての量の使用終了や使用終了に近づいたことを、単一の閾値で判定することができる。したがって、前述のように第2の液体容器が空になっているのにもかかわらず液体噴射の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0037】
さらに、上記目的を達成するため、本発明の液体容器は、噴射動作データに対応して液体をノズル開口から噴射する液体噴射ヘッドに上記液体を供給するとともに着脱可能な状態で配置されている複数の液体噴射装置用の液体容器であって、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体と上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の各液体について個別に設定した閾値を基準にして判定されるように構成したことを第2の要旨とする。
【0038】
すなわち、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体と上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の各液体について個別に設定した閾値を基準にして判定されるように構成されている。
【0039】
このため、上記第1の液体容器の液体と上記第2の液体容器の液体の各々について個別に閾値が設定されているので、第1,第2両液体容器の液体量に差があっても、個々の閾値により第1,第2両液体容器の液体使用可能限界が判定される。したがって、前述のように第2の液体容器が空になっているのにもかかわらず液体噴射の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0040】
さらに、上記目的を達成するため、本発明の液体容器は、噴射動作データに対応して液体をノズル開口から噴射する液体噴射ヘッドに上記液体を供給するとともに着脱可能な状態で配置されている複数の液体噴射装置用の液体容器であって、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体消費量計数手段による単位液体噴射にともなう液体消費計数の1計数値を、上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体量に対する上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体量の比を、上記第1の液体容器の液体の液体消費計数を行う1計数値に乗じた値とすることにより、上記第1の液体容器の液体と上記第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の液体について共通した閾値を基準にして判定されるように構成したことを第3の要旨とする。
【0041】
すなわち、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体消費量計数手段による単位液体噴射にともなう液体消費計数の1計数値を、上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体量に対する上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体量の比を、上記第1の液体容器の液体の液体消費計数を行う1計数値に乗じた値とすることにより、上記第1の液体容器の液体と上記第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の液体について共通した閾値を基準にして判定されるように構成されている。
【0042】
このため、上記液体消費量計数手段による単位液体噴射にともなう液体消費計数の1計数値が、上記第1の液体容器の液体の液体消費計数を行う1計数値に、第2の液体容器の液体量に対する第1の液体容器の液体量の比を乗じることにより求められることになる。すなわち、第1の液体容器における液体消費計数を行う1計数値に対する第2の液体容器における液体消費計数を行う1計数値が、上記両液体容器の容量比で補正されたこととなる。したがって、第2の液体容器の液体消費計数の累積消費値と第1の液体容器の液体消費計数の累積消費値とが、略同じ累積上昇値として積算されて行くことになる。このように、上記の略同じ累積上昇値であるために、共通した閾値を基準にすることが可能となり、上記第1,第2両液体容器の液体について、両液体の液体使用可能限界が上記共通の閾値で判定される。換言すると、第1の液体容器の1噴射当たりの液体量を上記の「比」で補正することにより、第1,第2各液体容器の液体使用可能限界が共通の閾値で判定でき、前述のように第2の液体容器が空になっているのにもかかわらず液体噴射の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0043】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0044】
図は、本発明の液体噴射装置の一実施の形態を示し、図1〜図3は本発明が適用される装置の基本構成を示している。
【0045】
本発明の液体噴射装置は、上述のように種々な液体を対象にして機能させることができ、図示の実施の形態においてはその代表的な事例として、本液体噴射装置をインクジェット式記録装置に適用した例を示している。
【0046】
図1は、本発明の液体噴射装置が適用されるインクジェット式記録装置の周辺構造の一例を示す図である。また、図2は、インクカートリッジが装着される部分の断面図、図3は、インクカートリッジの斜視図である。
【0047】
以下、この発明の液体噴射装置が適用されるインクジェット式記録装置の基本構成について説明する。符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はステッピングモータ2によって駆動されるタイミングベルト3を介し、ガイド部材4に案内されて紙送り部材5の長手方向に沿って往復運動されるように構成されている。
【0048】
上記紙送り部材5に対向するキャリッジ1の下側面には、液体噴射ヘッドである後述の記録ヘッド7が搭載されており、またキャリッジ1の上面には、記録ヘッド7に対してそれぞれブラック,シアン,ライトシアン,マゼンタ,ライトマゼンタおよびイエローインクを貯留した複数の液体容器であるインクカートリッジ8B,8C,8LC,8M,8LM,8Yが着脱可能に装着されている。これにより、印刷指令を受けた上記記録ヘッド7より、紙送り部材5上を搬送される記録用紙6に対してインク滴が吐出され、印刷が実行されるように構成されている。
【0049】
記録装置の非印刷領域(図1における右側)には、キャリッジ1が当該箇所に移動した時に上昇して、キャリッジ1に搭載された記録ヘッド7のノズル形成面を封止することができるキャッピング手段9が配置されている。このキャッピング手段9は、フラッシング動作時においては、一定の間隙をもって上記記録ヘッド7に対峙し、空吐出によるインク滴を受ける機能を果たし、また装置の休止期間中には記録ヘッド7のノズル形成面を封止する蓋体として機能するようになされている。さらにキャッピング手段9は、クリーニング操作時において、吸引ポンプ10からの負圧を受けて記録ヘッド7よりインクを強制的に吸引排出させることができるように構成されている。
【0050】
また、キャッピング手段9に隣接する印刷領域側には、ゴムなどの弾性素材を短冊状に形成したワイピング部材11が配置されていて、キャリッジ1がキャッピング手段9側に往復移動する際に、記録ヘッドの移動空間に進入して、必要に応じて記録ヘッドのノズル形成面を払拭するワイピング動作がなされるように構成されている。
【0051】
次に図2は、上記キャリッジ1に搭載された記録ヘッド7の上部に、インクカートリッジ8B,8C,8LC,8M,8LM,8Yを装着する状況を断面状態で示したものである。なお、この記録装置においては、上記したように6種類インクカートリッジを用いるようになされているが、図2においてはそのうちの1つのブラックインクを貯留したカートリッジ8Bの構成を代表して示している。また、図2は、後述のヘッドケース7Aをインクカートリッジ3個分に破断して図示してある。
【0052】
上記記録ヘッド7を構成するヘッドケース7Aの下側面には、ノズル形成面を構成するノズルプレート7aが配置されており、このノズルプレート7aには複数のノズル開口7bが形成され、また各ノズル開口7bに対応して圧力室7cが配置されている。そして、ノズル開口7bとその圧力室7c部分から上部に向かってインク連絡流路7dがヘッドケース7A内に形成されている。
【0053】
上記ヘッドケース7Aの上部には、それぞれにインク導入孔21aが形成された6本の中空状のインク導入針21が直立状態に配置されており、上記ヘッドケース7A内に形成された各インク連絡流路7dは、それぞれ各インク導入針21内のインク流路に連通されている。そして、各インク導入針21とヘッドケース7Aとの間には、フィルタ部材22が配置されており、これにより塵埃等の異物が記録ヘッド7側に侵入するのを阻止できるように構成されている。
【0054】
図2における左端のインク導入針21は、ブラックインクを導入するためのものであり、このインク導入針21に向かって、その上部からブラックのインクカートリッジ8Bが、矢印方向から装填することができるように構成されている。このインクカートリッジ8Bは、その上部の大半がインク貯留室8aになされており、このインク貯留室8aには、多孔質部材8bが収納され、且つ多孔質部材8bにブラックインクが含浸された状態でインクが貯留されている。
【0055】
またインク貯留室8aの下側部には開口部8cが形成され、この開口部8c内にはゴム製のシール部材8dが嵌め込まれている。そして、開口部8cの下端部にはフィルム部材8eが粘着されて、カートリッジの保管中において、内部のインク溶媒が揮散しないようにシールされている。
【0056】
上記したカートリッジ8Bを、矢印方向に押し込むことにより、インク導入針21が上記フィルム部材8eを貫通し、インクカートリッジ8Bに装着された上記ゴム製のシール部材8dがインク導入針21の周囲に接合することで、インクカートリッジ8Bは装填状態となされる。そして、インク導入針21の先端部付近に形成されたインク導入孔21aを介してインクカートリッジ8Bから記録ヘッド側にインクが供給されるようになされる。なお、他のシアン,ライトシアン,マゼンタ,ライトマゼンタ,イエローの各カラーインクを個別に収納するそれぞれのカートリッジにおいても、残りのインク導入針21を利用して装着され、それぞれ記録ヘッド7側にインクが供給されるようになされる。
【0057】
液体容器であるインクカートリッジ8は、図3に示すように、インクを貯留するケース本体部81,上記シール部材8d等が収容された流出管部82,インクカートリッジ8をキャリッジ1に装着したときに機能する弾性支持片83等が主な構成部材となっている。そして、ケース本体部81の横側面には記憶手段である集積回路(IC)84が埋め込まれた状態で取付けられている。集積回路84には、インクカートリッジ8をキャリッジ1に装着したときに制御回路に導通して各種のデータを授受する導通端子85が配置されている。
【0058】
上記集積回路84には、一般に、そのインクカートリッジ8の貯留インクの総量やインク色等のデータが記憶されている。また、記録装置に装着され使用されることにより、記録装置のをオンにしたときやインクカートリッジを交換したとき等に実行されるクリーニングによるインク消費量,定期的に実行されるフラッシングによる消費量,通常の印刷動作で消費されたインク量等のデータが供給され記憶されている。そして、本発明においては、後ほど詳しく説明するように、インク容量が変更されていないインクカートリッジ(以下、第1カートリッジという)の貯留容量と、インク容量が変更されたインクカートリッジ(以下、第2カートリッジという)の貯留容量との容量差、およびこの容量差を計数化した値等のデータが供給記憶されている。
【0059】
図4〜図6は、本発明の液体噴射装置の実施の形態を示す図であり、図4は、上記インクジェット式記録装置に搭載された制御回路のシステム構成を示すブロック図、図5は、各インクカートリッジの容量差を示す模式図、図6は、図4の制御システムに基づく制御フロー図である。なお、図4において、すでに説明した図1,図2および図3の部材と同じ機能を果たすものには、同一符号を記載してある。
【0060】
図4に示すように、上記キャッピング手段9には、その内部空間を負圧に吸引する吸引ポンプ(チューブポンプ)10におけるチューブの一端が接続されており、この吸引ポンプ10の排出側は廃液タンク14に接続されている。そして、クリーニング動作等によってキャッピング手段9内に排出されたインク廃液は、廃液タンク14に収納された廃液吸収材15によって、吸収保持されるように構成されている。
【0061】
図4において、符号30はホストコンピュータを示しており、このホストコンピュータ30にはプリンタドライバ31が搭載されており、入力装置32からの指令によって、このプリンタドライバのユーティリティ上で、周知の用紙サイズ、モノクロ/カラ−印刷の選択、記録モードの選択、フォント等のデータおよび印刷指令等が入力できるようになされている。
【0062】
また、上記ホストコンピュータ30には、ディスプレイ33が接続されており、周知のとおり、上記入力装置32による入力状況が確認できると共に、記録装置の状態、例えば装着されている各インクカートリッジのインク残量等の情報も可視的に表示できるよう構成されている。
【0063】
一方、図4に示す印刷制御手段34は、ホストコンピュータ30側から送られる印刷データに基づいてビットマップデータを生成し、このデータに基づいてヘッド駆動手段35により駆動信号を発生させて、記録ヘッド7からインク滴を吐出させることができるように構成されている。上記ヘッド駆動手段35は印刷データに基づくインク滴の吐出作用の他に、フラッシング制御手段36からの指令を受けて、インク滴を空吐出させるようにも作用する。
【0064】
上記フラッシング制御手段36は、印刷タイマ37の計時により印刷動作が一定時間継続した時点で、フラッシング動作(定期フラッシング)が実行されるように構成されており、この場合、キャリッジ1はフラッシング位置、例えばキャッピング手段9の配置位置に移送される。そして、ノズル開口の目詰まりの防止や目詰まり解消のために、上記記録ヘッド7の全てのノズル開口から所定数のインク滴が空吐出されるように制御される。
【0065】
クリーニング制御手段38は、例えばホストコンピュータ30のプリンタドライバ上からの指令を受けて印刷制御手段34を介して制御信号を受けた場合、或いは記録装置の操作パネルに配置されたクリーニングスイッチ41が操作された場合に起動されるように構成されている。そして、記録ヘッド7をキャッピング手段9によって封止した状態で、ポンプ駆動手段39に制御信号を出力し、吸引タイマ40にセットされた時間において吸引ポンプ10を駆動し、これにより記録ヘッド7のノズル開口からインクを吸引排出させるマニュアルクリーニング動作がなされるように作用する。また、クリーニング制御手段38は、他に記録装置ののオン時においてなされる電源オンクリーニング動作、所定時間毎に実行されるタイマークリーニング動作、およびインクカートリッジが交換された時においてなされる交換クリーニング動作等も実行されるように機能する。
【0066】
インク消費量演算手段42は、各インクカートリッジに貯留されたインクの消費量をそれぞれ演算する機能を有しており、このインク消費量演算手段42は印刷動作やフラッシング動作により吐出されたインク滴の数をカウントし、これに係数設定手段43に格納されている1滴当たりのインク質量を乗算して消費インク量を算出するように作用する。また、クリーニング動作時においては、ポンプ駆動手段39に吸引指令が出力された段階で、記録ヘッド7から排出されるインク量も演算するように構成されている。
【0067】
上記係数設定手段43に格納されている1インク滴当りのインク質量は、ホストコンピュータ30からの印字データにより、印刷モード(印刷緻密度等)に応じて、インク色ごとにいくつかのインク滴の大きさの段階、例えば、大,中,小に区分されている。したがって、インク滴の吐出回数を計数した場合には、そのときの吐出状態が上記の大,中,小のどれであるかというデータも添えられて、演算されたインク消費量等の計数精度が適正に維持されている。
【0068】
このインク消費量演算手段42によって演算したインク消費量に関する計数値は、インク消費量計数手段(液体消費量計数手段)を構成するインク消費カウンタ44に送られ、このインク消費カウンタ44において、装着されている各インクカートリッジのインク残量が管理される。このインク消費カウンタ44は演算制御手段45との間で、双方向にデータの交信ができるように構成されている。そして、演算制御手段45には、インクカートリッジ着脱検出手段46からの制御信号が供給されるように構成されている。
【0069】
上記インクカートリッジ着脱検出手段46は、キャリッジ1上に各インクカートリッジが装着されているか否かを検出するものであり、例えばインクカートリッジの交換に伴い、インクカートリッジが取り外されたことを感知した場合においては、インクカートリッジ交換フラグをセットする動作がなされる。
【0070】
上記演算制御手段45の詳細な機能については後述するが、演算制御手段45にはインク消費カウンタ44からのインク消費計数値にかかるデータ、およびカートリッジ着脱検出手段46からのデータ(フラグ)が供給され、インクカートリッジの交換に伴い、当該カートリッジに対応するインク消費計算値をゼロリセットさせると共に、後述するようにインクエンド等の判定動作において所定の計算値を加算させた場合において、インク消費カウンタ44におけるデータを書き換える等の機能も備えている。
【0071】
また、演算制御手段45を介してインク消費カウンタ44からのデータが、検証手段47に供給されるように構成されている。検証手段47には閾値設定手段48からの閾値情報が供給されるように構成されており、検証手段47は閾値設定手段48からの閾値情報と、インク消費カウンタ44からのデータとを比較して、各インクカートリッジの状態を表示手段49に表示させるようにも機能する。この表示手段49は、インクジェット式記録装置本体の見やすい箇所に配置されているが、上記記録装置に接続されたコンピュータの画面に表示することもできる。
【0072】
上記第1,第2カートリッジの各々には、前述のように、記憶手段である集積回路(IC)84が装備されている。各集積回路84には、インク色の種類,新品時点でのインク貯留量,各種のクリーニング動作やフラッシング動作の動作履歴とそれらによるインク消費量,印刷によるインク消費量,消費開始後のインク残量等のデータが入力されている。
【0073】
上記集積回路84へのデータの入力動作を図4にしたがって説明する。図4においては、上記集積回路を「インクカートリッジ記憶手段84」と記載してある。インクカートリッジ8をキャリッジ1に装着すると、キャリッジ1側の端子(図示していない)と上記導通端子85が接触して導通状態になる。この導通状態を示す信号がインクカートリッジ着脱検出手段46に供給され、インクカートリッジ8がキャリッジ1に装着されたことが検出される。この検出信号は上記演算制御手段45に入力される。これと同時に、インクカートリッジ記憶手段84の記憶データが演算制御手段45で読み出せる状態となる。
【0074】
ここで、新品のインクカートリッジ8が、記録装置の電源がオンにされてからキャリッジ1に装着された場合について説明すると、インクカートリッジ8の装着がインクカートリッジ着脱検出手段46に検出されて、その検出信号が演算制御手段45に入力される。一方、インクカートリッジ記憶手段84に記憶されているデータ、例えば、インク色,貯留インク量等が演算制御手段45で読み出される。
【0075】
このインクカートリッジ8は交換されたものなので、印刷制御手段34からクリーニング制御手段38を経由したクリーニング動作指令信号により、交換クリーニングがキャッピング手段9や吸引ポンプ10によって実行され、ポンプ駆動手段39に駆動信号が出力された段階で、記録ヘッド7から吸引されるインク量に応じてテーブル化されて設定されている消費計数値を引用し、上記インク消費カウンタ44にインクリメントされる。その後、演算制御手段45を経てインクカートリッジ記憶手段84に入力される。
【0076】
また、フラッシングでのインク消費量は、フラッシング動作の吐出回数がフラッシング制御手段36でカウントされ、このカウント値を係数設定手段43に格納されている1インク滴当りのインク質量に乗算して、インク消費量演算手段42において算出される。この算出計数値はインク消費カウンタ44,演算制御手段45を経由して、インクカートリッジ記憶手段84に記憶される。
【0077】
図5は、交換したインクカートリッジが、標準容量である複数のインクカートリッジすなわち上記第1カートリッジ(左端図示)の内のいずれか、それとも、小容量カートリッジなのか、大容量カートリッジなのかを示すものである。例えば、ブラック8Bを小容量化されたインクカートリッジすなわち上記第2カートリッジ(中央図示)に交換した場合の模式図であり、同図の符号D1は第1カートリッジに対して第2カートリッジの減量された量、すなわち両カートリッジのインク量の差を質量として示している。
【0078】
上記交換された第2カートリッジである小容量のインクカートリッジ8Bのインクカートリッジ記憶手段84には、インク色,貯留インクの総量,第1カートリッジに対して減量されているインク量,この減量インク量を計数化した補正計数値H等のデータがあらかじめ入力されている。
【0079】
上記減量の量D1に相当する補正計数値Hは、インクカートリッジ記憶手段84に記憶されるように構成されているので、第2カートリッジが装着された時点から減量の量D1は補正計数値Hとして第2カートリッジのインクカートリッジ記憶手段84に記憶されている。
【0080】
図5に示したように、第2カートリッジ8LCのインク消費計数すなわちインク消費カウントは、そのカウント開始値が上記補正計数値H(厳密には、Hのつぎのカウント値)とされている。このようにインク量が減量されている第2カートリッジ8LCについては、補正計数値Hが加算された状態とされている。すなわち、第2カートリッジのインク消費計数値のカウント開始値を上記補正計数値Hであらかじめ補正(嵩上げ)しておくことにより、第2カートリッジ8LCと第1カートリッジ8B,8C等の両消費計数値の累積上昇が略同等に累進される。したがって、第1カートリッジ8B,8Cと第2カートリッジ8LCのインク使用可能限界が共通した限界値すなわち閾値で管理できる。
【0081】
換言すると、第2カートリッジにはあらかじめ差D1に相当する補正計数値Hが加算の形で算入してあるので、第1カートリッジと近似した消費テンポで管理限界値である液体使用可能限界に到達できる。これにより、共通の閾値でインク消費状態を管理できるのである。
【0082】
上記のように閾値を設定するために、インクカートリッジ記憶手段84に記憶されている補正計数値Hが上記閾値設定手段48に供給され、ここで補正計数値Hを加算することにより、共通の閾値を使用することができるようになる。この閾値は、第1,第2各カートリッジの全インク量の使用終了を示すインクエンドH1と、上記使用終了に近づいた値を示すニアインクエンドH2から構成されている。したがって、第1,第2の両カートリッジのインク量が、インクエンドやニアインクエンドに到達したことを、共通の閾値で判定することができる。よって、前述のように第2のインクカートリッジが空になっているのにもかかわらずインク滴吐出の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0083】
上記の共通の閾値を用いるためには、上述のように、主として補正計数値Hによって求められた消費計数を加算あるいは減算すれば良いのであるが、実際には各々のインクカートリッジにおける消費履歴すなわち電源投入時のクリーニング,ユーザが任意に行うクリーニング,カートリッジ交換時のクリーニング,定期的に実行されるフラッシング等で消費されたインク量が、インクカートリッジ記憶手段84に入力され、これらのインク消費量が消費計数の形で補正計数値Hに加算あるいは減算されるのである。
【0084】
上記の本発明の実施の形態で述べた事例は、第2カートリッジのインク量が減量された場合であるが、図5の右側に示されたように、増量されたブラックのインクカートリッジ8Bに交換される場合もある。このように第2カートリッジ8Bが増量されているときには、図示のように、第1カートリッジとの容量差D2に相当する補正計数値Hがインク消費計数値から減算されている。したがって、第2カートリッジのインク消費計数値のカウント開始値を上記補正計数値Hであらかじめ補正(差引き)しておくことにより、第2カートリッジ8Bと第1カートリッジ8C,8M等の両消費計数値の累積上昇が略同等に累進される。したがって、第1カートリッジと第2カートリッジのインク使用可能限界が共通した限界値すなわち閾値で管理できる。
【0085】
図6は、以上に説明した第1カートリッジ,第2カートリッジのインク使用可能限界が共通した閾値で管理される場合のフローチャートである。なお、図6においては、ブラックのインクカートリッジについてのインク消費を認識し管理する例について示しているが、このルーチンはブラックに引続いて,シアン,ライトシアン,マゼンタ,ライトマゼンタ,イエローの各カートリッジの順に、インク消費量を認識し管理する動作が繰り返される。
【0086】
図6に示す制御フローにおけるステップS11においては、ブラックのインクカートリッジ8Bが装着されているか否かが判定される。これは、図4に示すインクカートリッジ着脱検出手段46からのフラグデータが利用され、演算制御手段45によって判定される。このステップS11において、ブラックのインクカートリッジ8Bが装着されていない(No)と判定された場合には、表示手段49において、インクエンド表示がなされる。また、ステップS11において、インクカートリッジ8Bが装着されている(Yes)と判定された場合には、ステップS12に移り、インクカートリッジ8Bがインク量不変とされた第1カートリッジであるか否かが判定される。
【0087】
このステップS12において、第1カートリッジではない(No)と判定された場合には、ステップS13において第1カートリッジと第2カートリッジの容量差D1に相当する消費カウンタ値ssが第2カートリッジの消費カウンタ値Cbに加算(インクリメント)される。上記消費カウンタ値ssは、インクカートリッジ記憶手段84に入力されている補正計数値Hと同等のものである。上記のようにして加算された消費カウンタ値は、同程度にインクが消費された第1カートリッジの消費カウンタ値と略同等の数値であり、このように消費累積値が第1カートリッジ,第2カートリッジがそろって累進することにより、前述のように、第1,第2両カートリッジのインクについての閾値を共通なものとすることができる。
【0088】
ここで、上記のCb=Cb+ssとされた値が、ステップS12で第1カートリッジである(Yes)と判定されたフローに合流してから、ステップS14に移行する。
【0089】
このステップS14においては、ブラックであるインクカートリッジ8B以外のマゼンタ,ライトマゼンタ,イエロー,シアン,ライトシアンの各インクカートリッジが交換されたかどうかが判定される。この判定においても、図4に示すインクカートリッジ着脱検出手段46からのフラグデータが利用される。このステップS14において、マゼンタ,ライトマゼンタ,イエロー,シアン,ライトシアンの各インクカートリッジが、演算制御手段45またはインク消費カウンタ44からの消費量データにより交換状態ではない(No)と判定されると、ステップS15に移る。このステップS15においては、図4に示す演算制御手段45は、インク消費カウンタ44におけるブラックのインクカートリッジ8Bのインク消費計数値Cbのデータを取り込んで、検証手段47に送る動作を実行する。そして、検証手段47は閾値設定手段48において設定された閾値と、インク消費計数値Cbとを比較する操作を実行する。
【0090】
この実施の形態においては、閾値設定手段48においては、インクの消費が最も進んだインクエンドと見なされる第1の所定値としてのレベルC(H1)以上、第1の所定値に満たない第2の所定値としてのレベルA(H2)以上、第2の所定値に満たないA(H2)未満であると検証された場合には、ステップS15に示すように、A(H2)未満をインクステータスを“0”に設定する。また、同じくレベルA(H2)以上であると検証された場合には、インクステータスを“1”に設定する。この場合には、表示手段49に対して“ニアインクエンド”の表示をなすように制御される。なお図においては、これを“ニアエンド”と表記している。
【0091】
さらに、同じくレベルC(H1)以上であると検証された場合には、インクステータスを“3”に設定し、これにより、表示手段49に対してインクカートリッジの交換を促す“インクエンド”の表示をなすように制御される。以上の操作により、ブラックのインクカートリッジ8Bのインク消費の進行状態を把握することができる。
【0092】
一方、上記ステップS14において、マゼンタ,ライトマゼンタ,イエロー,シアン,ライトシアンのいずれかのインクカートリッジが交換状態である(Yes)と判定されると、ステップS16に移る。このステップS16においては、インク消費カウンタ44に格納されているインク消費計数値Cbに対して、交換クリーニングによる消費計数値であるbbと所定量の印刷が可能と見こまれるインク量の計数値AAがインクリメント(ブラック以外の他のカートリッジ、例えば、マゼンタインクの消費計数値CbにbbとAAを加算)される。
【0093】
そして、つぎのステップS17においては、上記した加算操作がなされたマゼンタインクの消費計数値Cbが演算制御手段45から検証手段47に送られ、閾値設定手段48において設定された閾値との比較がなされる。このステップS17において、加算操作がなされたマゼンタインクのインク消費計数値が、レベルA(H2)以上であると検証された場合には、インクステータスが“1”に設定される。この場合には、表示手段49に対して“ニアインクエンド”の表示がなされ、同じく加算操作がなされたインク消費計数値Cbから、上記AAをデクリメントする操作がなされる。つぎに、レベルC(H1)以上であると検証された場合には、インクステータスが“3”に設定され、これにより、表示手段49に対してインクカートリッジの交換を促す“インクエンド”の表示をなすように制御される。
【0094】
上記ステップS16におけるAAのインクリメントは、ステップS14における他のカートリッジの交換にともなう交換クリーニングにより当該カートリッジが直ちにインクエンドになるのを防止するための、いわゆる仮のインクリメントである。したがって、ステップS17においては、そのような目的のAAインクリメントを戻すためにAAデクリメントが行なわれる。
【0095】
以上の判定動作は、上記のように各インクカートリッジに対して、順次循環して実行される。したがって、記録装置に装着されたそれぞれのインクカートリッジにおけるインク消費の進行状況を、表示手段49の表示によって把握することができる。そして、例えば、“インクエンド”の表示がなされた場合には、ユーザは、これに対応するカートリッジを交換する操作が必要であると認識することができる。
【0096】
上記ステップS15またはステップS17が終了すると、今度は、ステップS18に移り、インクカートリッジ8Bがインク量不変とされた第1カートリッジであるか否かが判定される。このステップS18において、第1カートリッジではない(No)と判定された場合には、ステップS19において第1カートリッジと第2カートリッジの容量差D1に相当する消費カウンタ値ssが第2カートリッジの消費カウンタ値Cbから減算(デクリメント)される。この消費カウンタ値ssのデクリメントは、ステップS13で消費カウンタ値ssが毎回インクリメントされているので、これに対応させて毎回行なわれ、標準カートリッジをベースにした状態に復帰させている。その後、上記のCb=Cb−ssとされた値が、ステップS18で第1カートリッジである(Yes)と判定されたフローに合流してから、リターンへ移行する。
【0097】
このリターンの後は、上記ブラック以外の他の色種のインクカートリッジへ順次フロー動作が繰り返される。
【0098】
上記第1カートリッジまたは第2カートリッジのインク残量は、各インクカートリッジを記録装置に装着したときの交換クリーニングによって消費されたインク量が差引かれたインク量をベースにして算出される。すなわち、交換クリーニングによる消費インク量の計数値が、クリーニング制御手段38からインク消費量演算手段42等を経て演算制御手段45に供給され、ここで残量算出の基礎となる計数値が設定される。この基礎となる計数値に対して、実際に印刷やフラッシング等で消費されたインク量を計数値の形で差引いた値が、残量算出手段52において対比されて表示手段49で残量表示がなされる。こうすることにより、残量算出の基礎になる計数値が、残量算出にとって精度の高い数値となるので、算出された残量比は信頼性の高い数値となる。
【0099】
上記残量表示は、つぎの式で表すことができる。すなわち、
(Z−x)/(Z−a)×100%
である。ここで、 Z:全インク量のカウンタ値
a:交換クリーニングによるインク消費量のカウンタ値
x:印刷やフラッシング等によるインク消費量のカウンタ値
なお、上記の計数値aは交換クリーニングのインク消費量を示している。
【0100】
上記残量表示は、インクジェット式記録装置の見やすい箇所に表示させることの外に、図13に示すように、記録装置に接続されているコンピュータの画面に表示することもできる。同図において、“Ink Levels”の表示箇所において、棒グラフのようにして表示される。なお、棒グラフの全高が上記の(Z−a)に相当し、下側に着色されている部分が上記の(Z−x)に相当している。そして、このようにして算出された残量を表示することにより、新品のインクカートリッジを装着したときに、すでにインクがいくらか消費された状態で表示されるのを防ぎ、ユーザの困惑なくすことができる。
【0101】
上述のように、インクカートリッジ記憶手段84に第2カートリッジに対応する数値が各種記憶されているので、第2カートリッジを記録装置に装着することにより、直ちに上述のような補正計数値H等に基づくインク使用可能限界の判定が適確に実行できる状態が形成される。すなわち、第2カートリッジ自体にそのカートリッジのインクの状態がインク容量変更データとして記憶されているので、第2カートリッジを装着するのと同時に迅速に、かつ適正なインク使用可能限界の判定が可能となるのである。そして、上記記憶手段84にはインクの総容量,第1カートリッジとのインク容量の差D1,補正計数値H等のデータが入力されているので、このデータを根拠にして的確なインク消費に関する演算や表示が可能となる。
【0102】
つぎに、図7〜図9は、本発明の液体噴射装置の他の実施の形態を示す図である。先に説明した実施の形態は、上記第1カートリッジと第2カートリッジのインク消費を共通の閾値で管理するものであったが、この実施の形態では上記閾値が第1,第2各カートリッジのインク容量に応じて個別に設定されているものである。
【0103】
図8は、各インクカートリッジの容量差を示す模式図である。第1カートリッジであるインクカートリッジ8C,8M,8LM,8Yにはそれ固有の閾値がインクエンドとしてHS1,ニアインクエンドとしてHS2が設定されている。インクが減量された小容量カートリッジである第2カートリッジ8Bについても、それぞれインクエンドとしてHR1,ニアインクエンドとしてHR2が設定されている。さらに、同様にして、インクが増量された大容量カートリッジである第2カートリッジ8Bについても、それぞれインクエンドとしてHI1,ニアインクエンドとしてHI2が設定されている。
【0104】
図7は、上記インクジェット式記録装置に搭載された制御回路のシステム構成を示すブロック図である。図8に示した3種類のインクカートリッジ8C,8M,8LM,8Yと、大小両容量のカートリッジ8Bの各々のインク総容量は各インクカートリッジ記憶手段84に計数値として入力されている。上記各計数値が閾値設定手段48に供給されることにより、各インクカートリッジ固有の閾値HS1,HS2,HR1,HR2,HI1,HI2が設定されている。それ以外は、上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0105】
上記構成により、各インクカートリッジ8C,8M,8LM,8Yと、大小両容量のカートリッジ8Bのインク消費量がそれぞれのニアインクエンドやインクエンドに達すると、表示手段49に表示される。このように各インクカートリッジについて閾値が個別に設定されていることにより、第1,第2インクカートリッジのインク量に差があっても、個々の閾値により各インクカートリッジのインク使用可能限界が判定される。したがって、前述のように第2カートリッジ(小容量カートリッジのブラック)が空になっているのにもかかわらずインク滴吐出の動作が継続されるようなことが回避できる。それ以外は、上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0106】
図9は、以上に説明した第1カートリッジ,第2カートリッジのインク使用可能限界が個別に設定された閾値で管理される場合のフローチャートである。なお、図9においては、ブラックのインクカートリッジについてのインク消費を認識し管理する例について示しているが、このルーチンはブラックに引続いてシアン,ライトシアン,マゼンタ,ライトマゼンタ,イエローの各カートリッジの順に、インク消費量を認識し管理する動作が繰り返される。
【0107】
図9に示す制御フローにおけるステップS20においては、ブラックのインクカートリッジ8Bが装着されているか否かが判定される。これは、図7に示すインクカートリッジ着脱検出手段46からのフラグデータが利用され、演算制御手段45によって判定される。このステップS20において、ブラックのインクカートリッジ8Bが装着されていない(No)と判定された場合には、表示手段49において、インクエンド表示がなされる。また、ステップS20において、インクカートリッジ8Bが装着されている(Yes)と判定された場合には、ステップS21に移る。
【0108】
このステップS21においては、ブラックであるインクカートリッジ8B以外のマゼンタ,ライトマゼンタ,イエロー,シアン,ライトシアンの各インクカートリッジが交換されたかどうかが判定される。この判定においても、図7に示すインクカートリッジ着脱検出手段46からのフラグデータが利用される。このステップS21において、マゼンタ,ライトマゼンタ,イエロー,シアン,ライトシアンの各インクカートリッジが、演算制御手段45またはインク消費カウンタ44からの消費量データにより交換状態ではない(No)と判定されると、ステップS22に移る。このステップ22においてインクカートリッジ8Bがインク量不変とされた第1カートリッジであるか否かが判定される。
【0109】
ここで第1カートリッジではない(No)と判定されると、ステップS23へ移行し、インク量が変更された第2カートリッジ8Bのインク消費量がそれ固有の閾値HR1,HR2に対してどのような状態であるかが判定される。すなわち、このステップS23においては、図7に示す演算制御手段45は、インク消費カウンタ44におけるブラックのインクカートリッジ8Bのインク消費計算値Cbのデータを取り込んで、検証手段47に送る動作を実行する。そして、検証手段47は閾値設定手段48において設定されたインクカートリッジ8B固有の閾値HR1,HR2と、インク消費計数値Cbとを比較する操作を実行する。
【0110】
すなわち、閾値設定手段48においては、インクの消費が最も進んだインクエンドと見なされる第1の所定値としてのレベルF(HR1)以上、第1の所定値に満たない第2の所定値としてのレベルD(HR2)以上、第2の所定値に満たないD(HR2)未満であると検証された場合には、ステップS23に示すように、D(HR2)未満をインクステータスを“0”に設定する。また、同じくレベルD(HR2)以上であると検証された場合には、インクステータスを“1”に設定する。この場合には、表示手段49に対して“ニアインクエンド”の表示をなすように制御される。なお図においては、これを“ニアエンド”と表記している。
【0111】
さらに、同じくレベルF(HR1)以上であると検証された場合には、インクステータスを“3”に設定し、これにより、表示手段49に対してインクカートリッジの交換を促す“インクエンド”の表示をなすように制御される。以上の操作により、ブラックのインクカートリッジ8Bのインク消費の進行状態を把握することができる。
【0112】
つぎに、ステップS22において、インクカートリッジのインク量が変更されていない第1カートリッジ8C,8M,8LM,8Yである(Yes)と判定されると、つぎのステップS24において、第1カートリッジ固有の閾値HS1,HS2に対してどのような状態であるかが判定される。すなわち、このステップS24においては、図7に示す演算制御手段45は、動作フローの繰り返し順序で選定されたいずれかのインクカートリッジのインク消費計数値Cbのデータを取り込んで、検証手段47に送る動作を実行する。そして、検証手段47は閾値設定手段48において設定された第1カートリッジ固有の閾値HS1,HS2と、インク消費計算値Cbとを比較する操作を実行する。
【0113】
すなわち、閾値設定手段48においては、インクの消費が最も進んだインクエンドと見なされる第1の所定値としてのレベルC(HS1)以上、第1の所定値に満たない第2の所定値としてのレベルA(HS2)以上、第2の所定値に満たないA(HS2)未満であると検証された場合には、ステップS24に示すように、A(HS2)未満をインクステータスを“0”に設定する。また、同じくレベルA(HS2)以上であると検証された場合には、インクステータスを“1”に設定する。この場合には、表示手段49に対して“ニアインクエンド”の表示をなすように制御される。なお図においては、これを“ニアエンド”と表記している。
【0114】
さらに、同じくレベルC(HS1)以上であると検証された場合には、インクステータスを“3”に設定し、これにより、表示手段49に対してインクカートリッジの交換を促す“インクエンド”の表示をなすように制御される。以上の操作により、順番の巡ってきた第1カートリッジのインク消費の進行状態を把握することができる。
【0115】
一方、上記ステップS21において、マゼンタ,ライトマゼンタ,イエロー,シアン,ライトシアンのいずれかのインクカートリッジが交換状態である(Yes)と判定されると、ステップS25に移る。このステップS25においては、インク消費カウンタ44に格納されているインク消費計数値Cbに対して、交換クリーニングによる消費計数値であるbbと所定量の印刷が可能と見こまれるインク量の計数値AAがインクリメント(ブラック以外の他のカートリッジ、例えば、マゼンタインクの消費計数値CbにbbとAAを加算)される。
【0116】
ついで、上記のインクリメントがなされたインクカートリッジが第1カートリッジであるかどうかがステップS26で判定される。ここで第1カートリッジではない(No)と判定されると、ステップS27へ移行し、インク量が変更された第2カートリッジ8Bのインク消費量が、上記計数値AAと関連付けて、それ固有の閾値HR1,HR2に対してどのような状態であるかが判定される。すなわち、このステップS27においては、図7に示す演算制御手段45は、インク消費カウンタ44におけるブラックのインクカートリッジ8Bのインク消費計算値Cbのデータを取り込んで、検証手段47に送る動作を実行する。そして、検証手段47は閾値設定手段48において設定されたインクカートリッジ8B固有の閾値HR1,HR2と、インク消費計算値Cbとを比較する操作を実行する。
【0117】
すなわち、閾値設定手段48においては、インクの消費が最も進んだインクエンドと見なされる第1の所定値としてのレベルF(HR1)以上、第1の所定値に満たない第2の所定値としてのレベルD(HR2)以上、第2の所定値に満たないD(HR2)未満であると検証された場合には、ステップS27に示すように、D(HR2)未満をインクステータスを“0”に設定する。また、同じくレベルD(HR2)以上であると検証された場合には、インクステータスを“1”に設定する。この場合には、表示手段49に対して“ニアインクエンド”の表示をなすように制御される。図においては、これを“ニアエンド”と表記している。
【0118】
さらに、同じくレベルF(HR1)以上であると検証された場合には、インクステータスを“3”に設定し、これにより、表示手段49に対してインクカートリッジの交換を促す“インクエンド”の表示をなすように制御される。以上の操作により、ブラックのインクカートリッジ8Bのインク消費の進行状態を把握することができる。
【0119】
上記ステップS25におけるAAのインクリメントは、ステップS26における他のカートリッジの交換にともなう交換クリーニングにより当該カートリッジが直ちにインクエンドになるのを防止するための、いわゆる仮のインクリメントである。したがって、ステップS27においては、そのような目的のAAインクリメントを戻すためにAAデクリメントが行なわれる。
【0120】
一方、ステップS26において、インクカートリッジがインク量が変更されていない第1カートリッジ8C,8M,8LM,8Yである(Yes)と判定されると、つぎのステップS28において、第1カートリッジ固有の閾値HS1,HS2に対してどのような状態であるかが判定される。すなわち、このステップS28においては、図7に示す演算制御手段45は、動作フローの繰り返し順序で選定されたいずれかのインクカートリッジのインク消費計数値Cbのデータを取り込んで、検証手段47に送る動作を実行する。そして、検証手段47は閾値設定手段48において設定された第1カートリッジ固有の閾値HS1,HS2と、インク消費計算値Cbとを比較する操作を実行する。
【0121】
すなわち、閾値設定手段48においては、インクの消費が最も進んだインクエンドと見なされる第1の所定値としてのレベルC(HS1)以上、第1の所定値に満たない第2の所定値としてのレベルA(HS2)以上、第2の所定値に満たないA(HS2)未満であると検証された場合には、ステップS28に示すように、A(HS2)未満をインクステータスを“0”に設定する。また、同じくレベルA(HS2)以上であると検証された場合には、インクステータスを“1”に設定する。この場合には、表示手段49に対して“ニアインクエンド”の表示をなすように制御される。なお図においては、これを“ニアエンド”と表記している。
【0122】
さらに、同じくレベルC(HS1)以上であると検証された場合には、インクステータスを“3”に設定し、これにより、表示手段49に対してインクカートリッジの交換を促す“インクエンド”の表示をなすように制御される。以上の操作により、順番の巡ってきた第1カートリッジのインク消費の進行状態を把握することができる。
【0123】
上記ステップS25におけるAAのインクリメントは、ステップS26における他のカートリッジの交換にともなう交換クリーニングにより当該カートリッジが直ちにインクエンドになるのを防止するための、いわゆる仮のインクリメントである。したがって、ステップS28においては、そのような目的のAAインクリメントを戻すためにAAデクリメントが行なわれる。
【0124】
上記ステップS23,S24,S27,S28が終了すると、リターンへ移行する。
【0125】
つぎに、図10〜図12は、本発明の液体噴射装置の他の実施の形態を示す図である。上記実施の形態では閾値が第1カートリッジ,第2カートリッジ各カートリッジのインク消費に対して個別に設定されているものであるが、この実施の形態は、先に説明した実施の形態と同様に、上記第1,第2カートリッジのインク消費を共通の閾値で管理するものである。
【0126】
図11は、各インクカートリッジの容量差を示す模式図である。第1カートリッジであるインクカートリッジ8C,8M,8LM,8Yは、標準のインク容量とされている。小容量カートリッジである第2カートリッジ8Bは、貯留インク量が減量されている。また、他の大容量カートリッジである第2カートリッジ8Bは、貯留インク量が増量されている。
【0127】
この実施の形態は、上記液体消費量計数手段であるインク消費カウンタ44により単位インク噴射にともなうインク消費計数がカウントされるのであるが、このカウントされる1計数値に、第2カートリッジの貯留インク量に対する第1カートリッジのインク容量の比を乗じて、第2カートリッジのインク消費計数の1計数値当りのインク量を補正して求め、この補正されたインク量の累積によって第1カートリッジと共通の閾値でインクエンドやニアインクエンドを判定するものである。
【0128】
図11において、小容量カートリッジである第2カートリッジ8Bのインク貯留量Bを10g、第1カートリッジ8C,8M等のインク容量Aを20gとし、第1カートリッジ8C,8M等の1インク滴当りの質量を50ng(ナノグラム)とすると、第2カートリッジの1インク滴当りの質量dを、
d=50ng×A/Bすなわち100ng・・・(1)
とすることで上記第2カートリッジ8Bと第1カートリッジ8C,8M等を共通の閾値を基準にして判定することができる。
【0129】
図11の右端の増量された第2カートリッジ8Bのインク貯留量を上記式(1)の“B”とすることで、左端の第1カートリッジと共通の閾値で判定することができる。
【0130】
上記の式(1)の補正を実現するために、図10に示した1計数値補正手段53が設けられている。インクカートリッジ記憶手段84から上記1計数値補正手段53に第1カートリッジ8C,8M等のインク容量データと、第2カートリッジ8Bの貯留インク量データが供給されている。さらに、インク消費量演算手段42からインク消費カウンタ44および演算制御手段45を経由して第1カートリッジ8C,8Mの1インク滴当りの1計数値データが1計数値補正手段53に供給される。このように必要なデータが供給された1計数値補正手段53において、上記式(1)に相当する演算がなされて、第2カートリッジ8Bにおける1インク滴当りの補正された液体消費計数の1計数値が設定される。それ以外は、上記各実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0131】
したがって、第2カートリッジ8Bのインク消費計数の累積消費値と第1カートリッジ8C,8M等のインク消費計数の累積消費値とが、略同じ累積上昇値として積算されて行くことになる。このように、上記の略同じ累積上昇値であるために、図11に示すように、共通した閾値H1,H2を基準にすることが可能となり、上記第1,第2両カートリッジのインクについて、両インクのインク使用可能限界が上記閾値H1,H2で判定される。それ以外は、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0132】
上記のようにして設定された補正済みの第2カートリッジの計数値は、インク消費カウンタ44から1計数値補正手段53を経由して、インクカートリッジ記憶手段84に入力される。
【0133】
図12は、上記第1カートリッジ,第2カートリッジのインク量の比を補正要素とした共通の閾値H1,H2で管理される場合のフローチャートである。なお、図12においては、ブラックのインクカートリッジについてのインク消費を認識し管理する例について示しているが、このルーチンはブラックに引続いてシアン,ライトシアン,マゼンタ,ライトマゼンタ,イエローの各カートリッジの順に、インク消費量を認識し管理する動作が繰り返される。
【0134】
図12に示す制御フローにおけるステップS29においては、ブラックのインクカートリッジ8Bが装着されているか否かが判定される。これは、図10に示すインクカートリッジ着脱検出手段46からのフラグデータが利用され、演算制御手段45によって判定される。このステップS29において、ブラックのインクカートリッジ8Bが装着されていない(No)と判定された場合には、表示手段49において、インクエンド表示がなされる。また、ステップS29において、インクカートリッジ8Bが装着されている(Yes)と判定された場合には、ステップS30に移る。
【0135】
ステップS30において、インクカートリッジ8Bがインク量不変とされた第1カートリッジであるか否かが判定される。このステップS30において、第1カートリッジではない(No)と判定された場合には、ステップS31において第1カートリッジと第2カートリッジの有効容量比kを消費カウンタ値(インク消費計数値)Cbに乗じる。このような乗算により、第2カートリッジの補正された1計数値が設定される。
【0136】
ここで、上記のCb=Cb×kとされた値が、ステップS30で第1カートリッジである(Yes)と判定されたフローに合流してから、ステップS32に移行する。
【0137】
このステップS32において、ブラックであるインクカートリッジ8B以外のマゼンタ,ライトマゼンタ,イエロー,シアン,ライトシアンの各インクカートリッジが交換されたかどうかが判定される。この判定においても、図10に示すインクカートリッジ着脱検出手段46からのフラグデータが利用される。このステップS32において、マゼンタ,ライトマゼンタ,イエロー,シアン,ライトシアンの各インクカートリッジが、演算制御手段45またはインク消費カウンタ44からの消費量データにより交換状態ではない(No)と判定されると、ステップS33に移る。このステップS33において第2カートリッジ8Bのインク消費量と閾値H1,H2との比較判定がなされる。
【0138】
すなわち、閾値設定手段48においては、インクの消費が最も進んだインクエンドと見なされる第1の所定値としてのレベルC(H1)以上、第1の所定値に満たない第2の所定値としてのレベルA(H2)以上、第2の所定値に満たないA(H2)未満であると検証された場合には、ステップS33に示すように、A(H2)未満をインクステータスを“0”に設定する。また、同じくレベルA(H2)以上であると検証された場合には、インクステータスを“1”に設定する。この場合には、表示手段49に対して“ニアインクエンド”の表示をなすように制御される。なお、図においては、これを“ニアエンド”と表記している。
【0139】
さらに、同じくレベルC(H1)以上であると検証された場合には、インクステータスを“3”に設定し、これにより、表示手段49に対してインクカートリッジの交換を促す“インクエンド”の表示をなすように制御される。以上の操作により、第2カートリッジ8Bのインク消費の進行状態を把握することができる。
【0140】
一方、上記ステップS32において、マゼンタ,ライトマゼンタ,イエロー,シアン,ライトシアンのいずれかのインクカートリッジが交換状態である(Yes)と判定されると、ステップS34に移る。このステップS34において交換状態であると判定されたインクカートリッジがインク量不変とされた第1カートリッジであるか否かが判定される。
【0141】
ここで交換されたカートリッジが第1カートリッジではない(No)すなわち第2カートリッジであると判定されると、ステップS35へ移行し、交換にともなう消費カウンタ値(bb+AA)×kをインクリメントし、Cb=Cb+(bb+AA)×kの演算が演算制御手段45を主な動作手段にして実行される。
【0142】
その後、ステップS36へ移行して、第2カートリッジ8Bのインク消費量と閾値H1,H2との比較判定がなされる。
【0143】
すなわち、閾値設定手段48においては、インクの消費が最も進んだインクエンドと見なされる第1の所定値としてのレベルC(H1)以上、第1の所定値に満たない第2の所定値としてのレベルA(H2)以上、第2の所定値に満たないA(H2)未満であると検証された場合には、ステップS36に示すように、A(H2)未満をインクステータスを“0”に設定する。また、同じくレベルA(H2)以上であると検証された場合には、インクステータスを“1”に設定する。この場合には、表示手段49に対して“ニアインクエンド”の表示をなすように制御される。なお、図においては、これを“ニアエンド”と表記している。
【0144】
さらに、同じくレベルC(H1)以上であると検証された場合には、インクステータスを“3”に設定し、これにより、表示手段49に対してインクカートリッジの交換を促す“インクエンド”の表示をなすように制御される。以上の操作により、第2カートリッジ8Bのインク消費の進行状態を把握することができる。
【0145】
上記ステップS35におけるAAのインクリメントは、あるカートリッジを交換して交換クリーニングを行なったときに、その交換クリーニングによって他のカートリッジが直ちにインクエンドになるのを防止するための、いわゆる仮のインクリメントである。したがって、ステップS36においては、そのような目的のAAインクリメントを戻すためにAAデクリメントが行なわれる。この場合に、計数値AAにも第1カートリッジのインク容量と第2カートリッジの貯留インク量の比を乗じている。このような乗算の処理を行うことにより、計数値AAについても計数値上の補正が行われたことになり、共通の閾値を正確に設定することが可能となる。
【0146】
一方、ステップS34において、交換されたインクカートリッジが第1カートリッジである(Yes)と判定されて場合には、ステップS37に移行し、交換にともなう消費カウンタ値(bb+AA)をインクリメントし、Cb=Cb+bb+AAの演算が演算制御手段45を主な動作手段にして実行される。
【0147】
その後、ステップS38へ移行して、第1カートリッジ8C,8M等のインク消費量と閾値H1,H2との比較判定がなされる。
【0148】
すなわち、閾値設定手段48においては、インクの消費が最も進んだインクエンドと見なされる第1の所定値としてのレベルC(H1)以上、第1の所定値に満たない第2の所定値としてのレベルA(H2)以上、第2の所定値に満たないA(H2)未満であると検証された場合には、ステップS38に示すように、A(H2)未満をインクステータスを“0”に設定する。また、同じくレベルA(H2)以上であると検証された場合には、インクステータスを“1”に設定する。この場合には、表示手段49に対して“ニアインクエンド”の表示をなすように制御される。なお、図においては、これを“ニアエンド”と表記している。
【0149】
さらに、同じくレベルC(H1)以上であると検証された場合には、インクステータスを“3”に設定し、これにより、表示手段49に対してインクカートリッジの交換を促す“インクエンド”の表示をなすように制御される。以上の操作により、第1カートリッジ8C,8M等のインク消費の進行状態を把握することができる。
【0150】
上記ステップS37におけるAAのインクリメントは、ステップS34における他のカートリッジの交換にともなう交換クリーニングにより当該カートリッジが直ちにインクエンドになるのを防止するための、いわゆる仮のインクリメントである。したがって、ステップS38においては、そのような目的のAAインクリメントを戻すためにAAデクリメントが行なわれる。
【0151】
上記のステップS33,S36,S38における判定動作が終了すると、ステップS39へ移行し、インクカートリッジが第1カートリッジであるかどうかが判定される。第1カートリッジではない(No)と判定された場合には、ステップS40において第1カートリッジと第2カートリッジの有効容量比kを消費カウンタ値(インク消費計数値)Cbに除する。上記有効容量比kを除するのは、ステップS31で有効容量比kが毎回乗じられているので、これに対応して毎回有効容量比kを除しているのであり、これによって、標準カートリッジをベースにした状態に復帰させている。
【0152】
ここで、上記のCb=Cb÷kとされた値が、ステップS39で第1カートリッジである(Yes)と判定されたフローに合流してから、リターンへ移行する。
【0153】
以上に説明した実施の形態の効果を列記すると、以下のとおりである。
【0154】
上記第2カートリッジ8Bの貯留インク量が第1カートリッジのインク量に対して減量されたものであっても、あるいは増量されたものであっても、上記の補正計数値の採用による共通の閾値の設定、第1,第2カートリッジごとの個別の閾値の設定、第2カートリッジに対する第1カートリッジの容量比で補正して設定された共通の閾値等により、上記のインク増減いずれであっても、正確な閾値の設定ができて、第2カートリッジ8B(減量あるいは増量の場合)に対する適確な消費量管理ないしは表示ができる。
【0155】
上記第1カートリッジ8C,8M等のインク量と上記第2カートリッジ8Bのインク量との差に相当する補正計数値Hが、上記インク消費計数値に算入されるので、第2カートリッジ8Bのインク消費量のカウント開始値が上記補正計数値によって補正されることとなり、第2カートリッジ8Bのインク使用可能限界と第1カートリッジ8C,8M等のインク使用可能限界を、共通した上記閾値H1,H2を基準にして判定することができる。すなわち、第2カートリッジ8Bのインク消費量のカウント開始値を上記補正計数値であらかじめ補正しておくことにより、第1,第2の両カートリッジのインク量が、例えば、インクの全ての量の使用終了(インクエンド)や使用終了に近づいた(ニアインクエンド)ことを、単一の閾値で判定することができる。したがって、例えば、前述のように第2カートリッジ8Bが空になっているのにもかかわらずインク滴吐出の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0156】
上記第1カートリッジ8C,8M等のインクと上記第2カートリッジ8Bのインクの各々について個別に閾値HS1,HS2,HR1,HR2,HI1,HI2等が設定されているので、第1,第2両カートリッジのインク量に差があっても、個々の閾値により第1,第2両カートリッジのインク使用可能限界が判定される。したがって、前述のように第2カートリッジ8Bが空になっているのにもかかわらずインク滴吐出の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0157】
上記インク消費量計数手段による単位インク噴射にともなうインク消費計数の1計数値が、上記第1のインクカートリッジのインクのインク消費計数を行う1計数値に、第2のインクカートリッジのインク量に対する第1のインクカートリッジのインク量の比を乗じることにより求められることになる。すなわち、第1のインクカートリッジにおけるインク消費計数を行う1計数値に対する第2のインクカートリッジにおけるインク消費計数を行う1計数値が、上記両インクカートリッジの容量比で補正されたこととなる。したがって、第2のインクカートリッジのインク消費計数の累積消費値と第1のインクカートリッジのインク消費計数の累積消費値とが、略同じ累積上昇値として積算されて行くことになる。このように、上記の略同じ累積上昇値であるために、共通した閾値を基準にすることが可能となり、上記第1,第2両インクカートリッジのインクについて、両インクのインク使用可能限界が上記共通の閾値で判定される。換言すると、第1のインクカートリッジの1噴射当たりのインク量を上記の「比」で補正することにより、第1,第2各インクカートリッジのインク使用可能限界が共通の閾値で判定でき、前述のように第2のインクカートリッジが空になっているのにもかかわらずインク滴吐出の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0158】
上記インクジェット式記録装置において、上記第2カートリッジ8Bのインクが、減量されたものである場合には、第2カートリッジ8Bのインク消費計数値に補正計数値を算入して第2カートリッジ8Bと第1カートリッジ8C,8M等のインク使用可能限界を共通した閾値を基準にして判定したり、第1,第2のカートリッジの各インクについて個別の閾値を設定したり、あるいは第2カートリッジ8Bのインクの1噴射量を上記の「比」で補正して第1,第2のカートリッジの両インク累積消費値を略同じ累積上昇値にして、共通した閾値を基準にして判定したりしている。このため、減量された上記第2カートリッジのインクの消費量が適正に把握され、上記の各閾値を基準にして減量されたインク量の実態に即したインク使用可能限界が判定される。また、第2カートリッジのインクが増量された場合においても,上記減量の場合と同様の効果がえられる。
【0159】
上記記録装置において、上記第2カートリッジ8Bに上記減量または増量されたインク量に対応する数値を記憶する記憶手段が配置されている場合には、上記第2カートリッジ8Bにおけるインク容量変更データが上記記憶手段に入力されているので、第2カートリッジ8Bを上記記録ヘッド7を備えた装置に装着することにより、直ちに上述のような補正計数値H等に基づくインク使用可能限界の判定が的確に実行できる状態が形成される。すなわち、第2カートリッジ8B自体にその容器のインクの状態がインク容量変更データ等として記憶されているので、第2カートリッジ8Bを装着するのと同時に迅速に、かつ適正なインク使用可能限界の判定が可能となるのである。
【0160】
上記記録装置において、上記第2カートリッジ8Bに少なくともインクの消費データが入力される記憶手段が配置されている場合には、上記第2カートリッジ8Bにおけるインク消費データが上記記憶手段に入力されているので、第2カートリッジ8Bを上記記録ヘッド7を備えた装置に装着することにより、直ちにインク消費量を反映した上述のような補正計数値H等が得られ、インク消費データ(残量データ)に基づく実態に即したインク使用可能限界の判定が適確に実行できる状態となる。すなわち、第2カートリッジ8B自体にその容器の液体の消費状態がインク消費データ等として記憶されているので、第2カートリッジ8Bを装着するのと同時に迅速に、かつ適正なインク使用可能限界の判定が可能となるのである。
【0161】
上記記録装置において、上記第1カートリッジ8C,8M等のインクまたは上記第2カートリッジ8Bのインクの残量が、上記各カートリッジを上記記録ヘッド7を備えた装置に装着したときに実行されるクリーニング動作のインク吸引による消費量を除去したインク量に対する残量値として算出される場合には、上記第1または第2のカートリッジを装置に装着したときに実行されるインク吸引による消費量が除去されているので、インク残量を算出するときの基礎とされるインク量として、あらかじめ除去すべきものを差引いた的確性の高い数値とすることができる。そして、このように的確性の高い数値に対する残量値が算出されるので、最終的に算出された残量値は、上記インク吸引という実態に適合した信頼性の高いものとなる。
【0162】
上記記録装置において、上記インク使用可能限界が、インクの全ての量の使用終了を示す値または上記インクの全ての量の使用終了に近づいた値である場合には、インクカートリッジのインクが消費し尽くされた「カートリッジ空」の状態または残量がわずかになった「カートリッジ空の直前」の状態が、使用可能限界値として設定されるので、インクカートリッジを最良の時期に交換することができる。また、例えば、あるインクカートリッジが「カートリッジ空」であり、他のあるインクカートリッジが「カートリッジ空の直前」のような場合には、「カートリッジ空」の分を新品に交換して記録装置を動作させた直後に、今度は、「カートリッジ空の直前」であった他のインクカートリッジが直ちに「カートリッジ空」の状態になるので、再びつぎの交換作業を行わなければならない。このような煩わしさを避けるために「カートリッジ空」と「カートリッジ空直前」の両者を同時に交換することにより、交換の手間を省いたり、交換直後のインク吸引による無駄も最小化することができる。
【0163】
上述の実施の形態では、インクカートリッジ8B,8C等がキャリッジ1に搭載されるオンキャリッジを例にあげているが、これをインクカートリッジ8B,8C等がキャリッジ1以外の静止部材に装着されたオフキャリッジ方式において実施することもできる。
【0164】
また、上記実施の形態のうち先の2つについては、インクの容量で補正計数値H等を求めてインク使用可能限界H1,H2等の判定を行っているが、これらを最後の実施の形態のように、インクの質量に基づいて判定を行うようにしても良い。
【0165】
さらに、上記実施の形態においては、インクジェット式記録装置に装着されているインクカートリッジ8B,8C等のうち、あるインクカートリッジがインクエンドまたはニアインクエンドの消費量になったら、他の容量の異なる交換用インクカートリッジを装着する形式とされているが、上記交換用インクカートリッジが直ちに入手できないときには、他の記録装置に装着されているインクカートリッジを抜き取って臨時的に移管して使用することも可能である。したがって、上記第2カートリッジ8Bについては「現実に貯留されているインクの量」と認識するのが妥当である。
【0166】
上述の実施の形態は、インクジェット式記録装置に使用される記録ヘッドであるが、本発明による液体噴射ヘッドは、インクジェット式記録装置用のインクだけを対象にするのではなく、グルー,マニキュア,導電性液体(液体金属)等を噴射することができる。
【0167】
【発明の効果】
以上のように、本発明の液体噴射装置によれば、上記第1の液体容器の液体量と上記第2の液体容器の液体量との差に相当する補正計数値が、上記液体消費計数値に算入されるので、第2の液体容器の液体消費量のカウント開始値が上記補正計数値によって補正されることとなり、第2の液体容器の液体使用可能限界と第1の液体容器の液体使用可能限界を、共通した上記閾値を基準にして判定することができる。すなわち、第2の液体容器の液体消費量のカウント開始値を上記補正計数値であらかじめ補正しておくことにより、第1,第2の両液体容器の液体量が、例えば、液体の全ての量の使用終了や使用終了に近づいたことを、単一の閾値で判定することができる。したがって、例えば、前述のように第2の液体容器が空になっているのにもかかわらず液体噴射の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0168】
上記第1の液体容器の液体と上記第2の液体容器の液体の各々について個別に閾値が設定されているので、第1,第2両液体容器の液体量に差があっても、個々の閾値により第1,第2両液体容器の液体使用可能限界が判定される。したがって、例えば、前述のように第2の液体容器が空になっているのにもかかわらず液体噴射の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0169】
上記液体消費量計数手段による単位液体噴射にともなう液体消費計数の1計数値が、上記第1の液体容器の液体の液体消費計数を行う1計数値に、第2の液体容器の液体量に対する第1の液体容器の液体量の比を乗じることにより求められることになる。すなわち、第1の液体容器における液体消費計数を行う1計数値に対する第2の液体容器における液体消費計数を行う1計数値が、上記両液体容器の容量比で補正されたこととなる。したがって、第2の液体容器の液体消費計数の累積消費値と第1の液体容器の液体消費計数の累積消費値とが、略同じ累積上昇値として積算されて行くことになる。このように、上記の略同じ累積上昇値であるために、共通した閾値を基準にすることが可能となり、上記第1,第2両液体容器の液体について、両液体の液体使用可能限界が上記共通の閾値で判定される。換言すると、第1の液体容器の1噴射当たりの液体量を上記の「比」で補正することにより、第1,第2各液体容器の液体使用可能限界が共通の閾値で判定でき、前述のように第2の液体容器が空になっているのにもかかわらず液体噴射の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0170】
また、以上のように、本発明の液体容器によれば、上記第1の液体容器の液体量と上記第2の液体容器の液体量との差に相当する補正計数値が、上記液体消費計数値に算入されるので、第2の液体容器の液体消費量のカウント開始値が上記補正計数値によって補正されることとなり、第2の液体容器の液体使用可能限界と第1の液体容器の液体使用可能限界を、共通した上記閾値を基準にして判定することができる。すなわち、第2の液体容器の液体消費量のカウント開始値を上記補正計数値であらかじめ補正しておくことにより、第1,第2の両液体容器の液体消費量が、例えば、液体の全ての量の使用終了や使用終了に近づいたことを、単一の閾値で判定することができる。したがって、前述のように第2の液体容器が空になっているのにもかかわらず液体噴射の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0171】
上記第1の液体容器の液体と上記第2の液体容器の液体の各々について個別に閾値が設定されているので、第1,第2両液体容器の液体量に差があっても、個々の閾値により第1,第2両液体容器の液体使用可能限界が判定される。したがって、前述のように第2の液体容器が空になっているのにもかかわらず液体噴射の動作が継続されるようなことが回避できる。
【0172】
上記液体消費量計数手段による単位液体噴射にともなう液体消費計数の1計数値が、上記第1の液体容器の液体の液体消費計数を行う1計数値に、第2の液体容器の液体量に対する第1の液体容器の液体量の比を乗じることにより求められることになる。すなわち、第1の液体容器における液体消費計数を行う1計数値に対する第2の液体容器における液体消費計数を行う1計数値が、上記両液体容器の容量比で補正されたこととなる。したがって、第2の液体容器の液体消費計数の累積消費値と第1の液体容器の液体消費計数の累積消費値とが、略同じ累積上昇値として積算されて行くことになる。このように、上記の略同じ累積上昇値であるために、共通した閾値を基準にすることが可能となり、上記第1,第2両液体容器の液体について、両液体の液体使用可能限界が上記共通の閾値で判定される。換言すると、第1の液体容器の1噴射当たりの液体量を上記の「比」で補正することにより、第1,第2各液体容器の液体使用可能限界が共通の閾値で判定でき、前述のように第2の液体容器が空になっているのにもかかわらず液体噴射の動作が継続されるようなことが回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるインクジェット式記録装置の一例を示す斜視図である。
【図2】記録ヘッドにインクカートリッジを装着する部分の断面図である。
【図3】インクカートリッジの斜視図である。
【図4】本発明が適用されるインクジェット式記録装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図5】第1カートリッジ,第2カートリッジのインク容量を示す模式図である。
【図6】上記システム構成の動作順序を示すフローチャートである。
【図7】本発明が適用されるインクジェット式記録装置の他のシステム構成を示すブロック図である。
【図8】第1カートリッジ,第2カートリッジのインク容量を示す他の模式図である。
【図9】上記システム構成の動作順序を示す他のフローチャートである。
【図10】本発明が適用されるインクジェット式記録装置の他のシステム構成を示すブロック図である。
【図11】第1カートリッジ,第2カートリッジのインク容量を示す他の模式図である。
【図12】上記システム構成の動作順序を示す他のフローチャートである。
【図13】表示手段の一例を示す画面図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
2 ステッピングモータ
3 タイミングベルト
4 ガイド部材
5 紙送り部材
6 記録用紙
7 記録ヘッド
7A ヘッドケース
7a ノズルプレート
7b ノズル開口
7c 圧力室
7d インク連絡流路
8C,8LC,8M,8LM,8Y インクカートリッジ
8a インク貯留室
8b 多孔質部材
8c 開口部
8d シール部材
8e フィルム部材
9 キャッピング手段
10 吸引ポンプ
11 ワイピング部材
14 廃液タンク
15 廃液吸収材
21 インク導入針
21a インク導入孔
22 フィルタ部材
30 ホストコンピュータ
31 プリンタドライバ
32 入力装置
33 ディスプレイ
34 印刷制御手段
35 ヘッド駆動手段
36 フラッシング制御手段
37 印刷タイマ
38 クリーニング制御装置
39 ポンプ駆動手段
40 吸引タイマ
41 クリーニングスイッチ
42 インク消費量演算手段
43 係数設定手段
44 インク消費カウンタ
45 演算制御手段
46 インクカートリッジ着脱検出手段
47 検証手段
48 閾値設定手段
49 表示手段
52 残量算出手段
53 1計数値補正手段
81 ケース本体部
82 流出管部
83 弾性支持片
84 インクカートリッジ記憶手段,集積回路
85 導通端子
D1 第1カートリッジと第2カートリッジとのインク容量差
D2 第1カートリッジと第2カートリッジとのインク容量差
H 補正計数値
H1 閾値(インクエンド)
H2 閾値(ニアインクエンド)
HS1 第1カートリッジの閾値(インクエンド)
HS2 第1カートリッジの閾値(ニアインクエンド)
HR1 第2カートリッジの閾値(インクエンド)
HR2 第2カートリッジの閾値(ニアインクエンド)
HI1 第2カートリッジの閾値(インクエンド)
HI2 第2カートリッジの閾値(ニアインクエンド)
Cb インク消費計数値
Claims (15)
- 噴射動作データに対応して液体をノズル開口から噴射する液体噴射ヘッドと、上記液体噴射ヘッドに上記液体を供給するとともに着脱可能な状態で配置されている複数の液体容器とを備えた液体噴射装置であって、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体量と上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体量との差に相当する補正計数値が、上記液体消費計数値に算入されることにより、上記第1の液体容器の液体と上記第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の液体について共通した閾値を基準にして判定されるように構成したことを特徴とする液体噴射装置。
- 噴射動作データに対応して液体をノズル開口から噴射する液体噴射ヘッドと、上記液体噴射ヘッドに上記液体を供給するとともに着脱可能な状態で配置されている複数の液体容器とを備えた液体噴射装置であって、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体と上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の各液体について個別に設定した閾値を基準にして判定されるように構成したことを特徴とする液体噴射装置。
- 噴射動作データに対応して液体をノズル開口から噴射する液体噴射ヘッドと、上記液体噴射ヘッドに上記液体を供給するとともに着脱可能な状態で配置されている複数の液体容器とを備えた液体噴射装置であって、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体消費量計数手段による単位液体噴射にともなう液体消費計数の1計数値を、上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体量に対する上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体量の比を、上記第1の液体容器の液体の液体消費計数を行う1計数値に乗じた値とすることにより、上記第1の液体容器の液体と上記第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の液体について共通した閾値を基準にして判定されるように構成したことを特徴とする液体噴射装置。
- 上記第2の液体容器の液体は、減量されたものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 上記第2の液体容器の液体は、増量されたものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 上記減量に相当する上記補正計数値は、上記液体消費計数値に加算される請求項1記載の液体噴射装置。
- 上記増量に相当する上記補正計数値は、上記液体消費計数値から減算される請求項1記載の液体噴射装置。
- 上記第2の液体容器に上記変更された液体量に対応する数値を記憶する記憶手段が配置されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 上記第2の液体容器に少なくとも液体の消費データが入力される記憶手段が配置されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 上記第1の液体容器の液体または上記第2の液体容器の液体の残量は、上記各液体容器を上記液体噴射ヘッドを備えた装置に装着したときに実行される液体吸引による消費量を除去した液体量に対する残量値として算出される請求項1〜9のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 上記液体使用可能限界は、液体の全ての量の使用終了を示す値または上記液体の全ての量の使用終了に近づいた値である請求項1〜10のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 上記液体が印字用インクであり、インクジェット式記録装置として用いられる請求項1〜11のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 噴射動作データに対応して液体をノズル開口から噴射する液体噴射ヘッドに上記液体を供給するとともに着脱可能な状態で配置されている複数の液体噴射装置用の液体容器であって、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体量と上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体量との差に相当する補正計数値が、上記液体消費計数値に算入されることにより、上記第1の液体容器の液体と上記第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の液体について共通した閾値を基準にして判定されるように構成した液体噴射装置に用いられることを特徴とする液体容器。
- 噴射動作データに対応して液体をノズル開口から噴射する液体噴射ヘッドに上記液体を供給するとともに着脱可能な状態で配置されている複数の液体噴射装置用の液体容器であって、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体と上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の各液体について個別に設定した閾値を基準にして判定されるように構成した液体噴射装置に用いられることを特徴とする液体容器。
- 噴射動作データに対応して液体をノズル開口から噴射する液体噴射ヘッドに上記液体を供給するとともに着脱可能な状態で配置されている複数の液体噴射装置用の液体容器であって、上記液体容器に貯留された液体の消費量を演算することにより、各液体容器の液体消費計数値をそれぞれ求める液体消費量計数手段が設けられ、上記液体消費量計数手段による単位液体噴射にともなう液体消費計数の1計数値を、上記液体容器のうち液体量が変更された第2の液体容器の液体量に対する上記液体容器のうち液体量が変更されていない第1の液体容器の液体量の比を、上記第1の液体容器の液体の液体消費計数を行う1計数値に乗じた値とすることにより、上記第1の液体容器の液体と上記第2の液体容器の液体の各々の液体使用可能限界が、上記第1,第2両液体容器の液体について共通した閾値を基準にして判定されるように構成した液体噴射装置に用いられることを特徴とする液体容器。
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JP2019162836A (ja) * | 2018-03-20 | 2019-09-26 | ブラザー工業株式会社 | 情報処理装置、および、コンピュータプログラム |
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-
2002
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7025699B2 (ja) | 2018-03-20 | 2022-02-25 | ブラザー工業株式会社 | 情報処理装置、および、コンピュータプログラム |
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