JP2004160608A - ピーニング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被加工物を液体中に配置した後被加工物表面上にパルスレーザー光を照射し、続いて、パルスレーザー光を照射した被加工物表面上にショットを投射して被加工物表面に圧縮残留応力を付与することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加工物の表面に圧縮残留応力を付与するピーニング方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、代表的なピーニング方法として、被加工物を液体中に配設し、前記被加工物表面上で照射位置を変えながらパルスレーザー光を照射して前記被加工物の表面に圧縮残留応力を付与するようにしたもの(特許文献1参照)や、被加工物表面上にショットを投射して被加工物の表面に圧縮残留応力を付与するようにしたものがある。
【0003】
【 特許文献1 】
特開平7−246483号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者のようにパルスレーザー光を照射してピーニングを行う方法では、被加工物の表面付近に十分に大きい圧縮残留応力を付与することができず、また、後者のようにショットを投射してピーニングを行う方法では、圧縮残留応力の層を被加工物表面に十分に厚く生成することができないなどの問題があった。
【0005】
加えて、一般に、ショットの投射によるピーニング方法では、被加工物表面に形成できる圧縮残留応力の層の厚さには限界があって、図4に示すように、粒径0.6mmのショットを投射した場合に形成される厚さ200〜300μm程度が最大である。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みて成なされたもので、その目的は、被加工物表面付近の圧縮残留応力が十分に大きくかつ圧縮残留応力の層を被加工物表面に厚く形成することができるピーニング方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明におけるピーニング方法は被加工物の表面に圧縮残留応力を付与する方法であって、被加工物を液体中に配置した後前記被加工物表面上にパルスレーザー光を照射し、続いて、パルスレーザー光を照射した前記被加工物表面上にショットを投射して前記被加工物表面に圧縮残留応力を付与することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
なお、本発明において「液体中に配置」とは、パルスレーザー光を照射した被加工物表面に液体が接触していればよい状態であって、例えば、液体を満たした水槽に被加工物を沈めた状態や、被加工物に液体を供給した状態を言う。
【0009】
またなお、本発明においては粒径が0.6mm以下で硬度が580Hv以上のショットを投射することが望ましい。 ショットの粒径が大きくなると被加工物表面に生成される圧縮残留応力が大きくなる傾向にあるが、圧縮残留応力のピーク値が被加工物表面付近から離れた深い個所に生じるため、圧縮残留応力のピーク値を被加工物の表面に近づけるべくショットは粒径0.6mm以下が望ましい。 また、ショットの硬度を高くすると圧縮残留応力のピーク値が大きくなる傾向にあるが、ショットの硬度は所望の圧縮残留応力が生成する580Hv以上が望ましい。
【0010】
【実施例】
鋼SCM415を浸炭焼入れ焼戻しして表面硬度を762.7Hv、焼入れ深さを0.80mmにして成る試験片を液体中に配置し、続いて、この試験片表面上に、パルスエネルギー270mJ、照射回数13,500/cm2、スポット径0.8mmの条件でパルスレーザー光を照射する。次いで、パルスレーザー光を照射した試験片表面上に、平均粒径100μm、硬度700Hvのスチールショット(SBM100)を、噴射圧0.20Mpa、噴射量12.0kg/minの条件で12秒間投射して、試験片表面に圧縮残留応力を付与したところ、図1に示すように、試験片においては、圧縮残留応力が試験片表面に形成する層は厚さが1000μmと厚く、しかも圧縮残留応力のピーク値が約1,500MPaと大きく、さらにそのピーク値は試験片の表面近くである深さ15μm付近に生成されていた。
【0011】
ちなみに、本発明と比較するために、上述の試験片の表面上に、パルスエネルギー270mJ、照射回数13,500/cm2、スポット径0.8mmの条件でパルスレーザー光だけを照射した場合には、図2に示すように、本試験片には、圧縮残留応力の層が厚さ1000μmに形成されていたが、試験片の表面近くである深さ18μm付近では圧縮残留応力のピーク値が1,095MPaあった。
このことから、パルスレーザー光だけを照射した場合は、圧縮残留応力の層の厚さは本発明の場合と同等であるが、試験片の表面付近における圧縮残留応力のピーク値が本発明による場合よりも小さいことが分かる。
【0012】
さらに、本発明と比較するために、上述の試験片の表面上に、平均粒径77μm、硬度700Hvのスチールショット(SBM100)を、噴射圧0.20Mpa、噴射量12.0kg/minの条件で12秒間投射しただけの場合には、図3に示すように、本試験片には圧縮残留応力のピーク値の1,496MPaが試験片の表面近くの深さ14μm付近に生成していたが、圧縮残留応力の層の厚さは100μmと極めて薄かった。
このことから、ショットだけを投射した場合は、圧縮残留応力のピーク値は本発明の場合と同等であるが、圧縮残留応力の層は本発明による場合よりも薄いことが分かる。
【0013】
【効果】
上記の説明から明らかなように本発明は、被加工物の表面に圧縮残留応力を付与する方法であって、被加工物を液体中に配置した後前記被加工物表面上にパルスレーザー光を照射し、続いて、パルスレーザー光を照射した前記被加工物表面上にショットを投射して前記被加工物表面に圧縮残留応力を付与するから、被加工物の表面付近の圧縮残留応力を十分に大きくすることが可能な上に、圧縮残留応力の層を被加工物表面に厚く形成することができるなどの優れた実用的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の結果を示すグラフである。
【図2】パルスレーザー光をだけを照射した場合の結果を示すグラフである。
【図3】ショットだけを投射した場合の結果を示すグラフである。
【図4】粒径0.6mmのショットだけを投射した場合の結果を示すグラフである。
Claims (2)
- 被加工物の表面に圧縮残留応力を付与する方法であって、
被加工物を液体中に配置した後前記被加工物表面上にパルスレーザー光を照射し、続いて、パルスレーザー光を照射した前記被加工物表面上にショットを投射して前記被加工物表面に圧縮残留応力を付与することを特徴とするピーニング方法。 - 請求項1に記載のピーニング方法において、
パルスレーザー光を照射した前記被加工物表面上に、粒径が0.6mm以下で硬度が580Hv以上のショットを投射することを特徴とするピーニング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002330421A JP2004160608A (ja) | 2002-11-14 | 2002-11-14 | ピーニング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002330421A JP2004160608A (ja) | 2002-11-14 | 2002-11-14 | ピーニング方法 |
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JP2004160608A true JP2004160608A (ja) | 2004-06-10 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007050504A (ja) * | 2005-08-12 | 2007-03-01 | Snecma | 副層を圧縮することにより処理された金属部品、および、このような部品を得る方法 |
JP2022016906A (ja) * | 2020-07-13 | 2022-01-25 | 新東工業株式会社 | 表面処理方法 |
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2002
- 2002-11-14 JP JP2002330421A patent/JP2004160608A/ja active Pending
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