JP2004159913A - 異常陰影候補検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被写体を表すCT等による3次元画像データからの異常陰影候補の検出において、読影者の負担を軽減し、コンピュータによる処理をより短時間で効率的に行う。
【解決手段】複数のスライス面を表すCT画像データP0に対して、断面指定手段3により異常陰影候補検出対象の断面を指定するとともに、その断面に垂直な方向で、検出対象の異常陰影候補の大きさより大きい厚さを厚さ指定手段4により指定する。投影画像データ生成手段1は、CT画像データP0から、指定された断面と厚さとにより特定される領域中の画素を、指定された断面に平行な平面に投影した画像データP1を生成する。異常陰影候補検出手段2は投影画像データP1に対して異常陰影候補検出処理を行い、結果データR1を出力する。
【選択図】 図3
【解決手段】複数のスライス面を表すCT画像データP0に対して、断面指定手段3により異常陰影候補検出対象の断面を指定するとともに、その断面に垂直な方向で、検出対象の異常陰影候補の大きさより大きい厚さを厚さ指定手段4により指定する。投影画像データ生成手段1は、CT画像データP0から、指定された断面と厚さとにより特定される領域中の画素を、指定された断面に平行な平面に投影した画像データP1を生成する。異常陰影候補検出手段2は投影画像データP1に対して異常陰影候補検出処理を行い、結果データR1を出力する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異常陰影候補検出装置に関し、より詳細には、CT等による3次元画像データに基づいて異常陰影候補を検出する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CT(Computerized Tomography;コンピュータ断層撮影)等により取得された複数のスライス画像データの集合体として構成される3次元画像データに基づいて生成される断面画像や3次元表示画像から、病変部を発見し、またその病変部の状態を観察して、疾病の有無や進行状況の診断を行うことが行われている。この3次元画像データは、従来の2次元の放射線画像データと比較して、被写体についてより多くの情報を有しているため、精度の高い診断が可能となってきている。
【0003】
しかし、3次元画像データに基づいて生成される断面画像の読影による診断は、読影量が膨大になり、診断者の負担が非常に大きいという問題がある。
【0004】
この問題を解決するものとして、CTによる被写体の断層像内の異常陰影候補領域の有無を判断する手段を備えたコンピュータ断層撮影装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
一方、従来の2次元の放射線画像中の異常陰影候補を、診断者の経験や画像読影能力に左右されることなく、計算機を用いて客観的かつ自動的に検出する異常陰影候補検出処理システム(計算機支援画像診断装置)が提案されている(例えば、特許文献2、3)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−88109号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平8−294479号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平8−287230号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
3次元画像データの読影による診断において、ある断面画像から異常陰影候補領域を発見した場合には、診断者は、その画像の前後の位置でスライスした状態を表す断面画像についても読影し、その領域が真の異常陰影候補かどうか判断している。これに対して、特許文献1に記載の発明では、このような診断者による読影や判断をコンピュータによる演算でそのまま実現しようとしており、異常陰影候補の形状等についての基準データと断面画像データとの照合により、ある断面画像から異常陰影候補となりうる領域が検出された場合に、その画像の前後の位置でスライスした断面画像でも同様の異常陰影候補検出処理を繰り返すことによって、その領域が異常陰影候補であるかどうかを判断しようとするものである。
【0010】
したがって、特許文献1に記載の発明を実施するためには、上記のようなCT画像データ独自の異常陰影候補検出アルゴリズムを開発しなければならない点が問題となる。さらに、このアルゴリズムに基づけば、大量の断面画像データに対して処理する必要があり、コンピュータの処理時間、負荷、効率の面でも問題となる。
【0011】
一方、特許文献2、3に記載の異常陰影候補検出処理システムをCT等による3次元画像データに基づく任意の断面画像に対して適用することも有効と考えられる。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、被写体を表すCT等による3次元画像データからの異常陰影候補の検出において、従来の2次元の画像からの異常陰影候補の検出と同様のアルゴリズムを利用可能にし、さらに、コンピュータによる処理時間を短縮し、処理負荷を低減した異常陰影候補検出装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による異常陰影候補検出装置は、断面画像に垂直な方向の厚さを有する画像データから異常陰影候補の検出を行う機能を備えたものである。すなわち、被写体を表す3次元画像データの断面を指定する断面指定手段と、指定された断面に垂直な方向で、検出対象の異常陰影候補の大きさより大きい厚さを指定する厚さ指定手段と、指定された断面と厚さとにより特定される領域内の画素を、指定された断面に平行な平面に投影することにより投影画像データを生成する投影画像データ生成手段と、生成された投影画像データ中の異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで、「3次元画像データ」とは、所定の軸に沿って、軸に垂直な断面で被写体を順次スライスした状態を表す複数の断面画像データの集合体として構成されることによって、各画素の位置が3次元空間に定義される画像データをいう。具体例としては、CTやMRI(Magnetic Resonance Imaging;磁気共鳴映像法)による画像データが考えられる。
【0015】
断面指定手段では、CT等によるスライスの面と平行な断面を指定してもよいし、そのような断面に限らず、任意の方向の断面を指定してもよい。
【0016】
厚さ指定手段では、断面指定手段により指定された断面を中心として、その断面に垂直な方向の厚さを指定することが望ましいが(図1参照)、指定された断面が一方の端となるように厚さを指定するものであってもよい。また、指定された断面に平行な2つの平面を両端として指示することによって、その2平面に挟まれた部分の厚さを指定するものであってもよい。
【0017】
「検出対象の異常陰影候補の大きさより大きい厚さ」は、具体例としては、腫瘤陰影の検出では30mm程度、微小石灰化陰影では10mm程度より大きい厚さが考えられる。また、被写体の厚み程度の厚さであってもよい。
【0018】
断面指定手段や厚さ指定手段は、診断者が、キーボード、マウス等の入力装置を用いて、投影画像データ生成の度に断面や厚さを指定し、その断面や厚さを投影画像データ生成手段に与えるものであってもよいし、予め設定ファイル等に設定された断面や厚さを投影画像データ生成手段に与えるものであってもよい。例えば、胸部CT画像の場合、「胸部の正面側から見た、被写体中央部の断面」、「被写体の全ての厚さ」と予め設定しておけば、投影画像データ生成時に、断面や厚さを何ら指定することなく、従来の放射線画像に近似した投影画像データを生成することができる。
【0019】
「指定された断面と厚さとにより特定される領域内の画素を、指定された断面に平行な平面に投影することにより投影画像データを生成する」とは、まず断面指定手段によって指定された断面と、厚さ指定手段によって指定された厚さとにより、投影対象となる領域(異常陰影候補検出対象領域)を特定し、次に、断面に平行な平面(投影面)と垂直な線上で、かつ異常陰影候補検出対象領域内にある画素について画素値の平均値を求めることをいう。なお、投影面と垂直な線上の画素値は、CT撮影等によりその線の近傍で取得した画素値に基づく補間処理によって求めてもよい。
【0020】
異常陰影候補検出手段が行う処理は、例えば、アイリスフィルタやモフォロジーフィルタ等による異常陰影候補検出処理が考えられる。
【0021】
「異常陰影」とは、例えば、アイリスフィルタ処理により検出される腫瘤陰影や、モフォロジーフィルタ処理により検出される微小石灰化陰影等が考えられる。
【0022】
なお、本発明による異常陰影候補検出装置は、3次元画像データに基づき、異常陰影候補検出手段によって検出された異常陰影候補を通り、断面指定手段で指定した断面と交差する断面の断面画像データを生成する検証用画像データ生成手段をさらに備えることも考えられる。
【0023】
ここで、「断面指定手段で指定した断面と交差する断面」は、診断者が、検出結果に基づいて、キーボード、マウス等の入力装置によって個別に設定してもよいし、同装置に予め設定された断面、例えば、「断面指定手段によって指定した断面に垂直で被写体の上下方向の断面」等であってもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明の異常陰影候補検出装置によれば、断面指定手段で指定した断面と厚さ指定手段で指定した厚さとによって特定される領域中の画素を、投影画像データ生成手段が断面と平行な平面に投影することによって生成した1つの投影画像データのみに対して、異常陰影候補検出手段が処理を行い、異常陰影候補の検出が可能になる。この投影画像データは、従来の2次元の放射線画像と同様の画像となり、異常陰影候補検出手段では、従来の2次元の放射線画像からの異常陰影候補検出処理と同様のアルゴリズムを使用することができるため、効果的である。また、1つの投影画像データのみに対して異常陰影候補検出処理を行うだけで、前記領域中の異常陰影候補の検出ができるため、多数の断面画像データの各々をコンピュータで処理する必要がなくなり、コンピュータによる処理時間を短縮し、処理負荷を低減することができる。
【0025】
さらに、本発明によれば、厚さ指定手段が断面に垂直な方向の厚さを指定することによって、1つの断面画像データとその近傍の断面画像データの情報が投影画像データ生成手段によって1つの投影画像データに統合されることになり、この投影画像データから異常陰影候補の検出を行うため、検出精度の向上、特に誤検出の低減にも寄与すると考えられる。例えば、図2のように、断面に対して斜めの方向に位置する血管がある場合、スライスした各々の断面画像では別の位置に血管の断面が存在するため、診断者の読影では各々の断面画像を立体的に再構成して捉えることが困難であり、また、コンピュータによる異常陰影候補検出処理ではこの血管の断面を異常陰影候補と誤認する可能性がある(図2(A))。これに対して、各々の断面画像中の画素を投影画像データ生成手段によって1つの平面に投影すると、この血管は線上の形態として投影されるため、血管であると判断される可能性が高くなり、異常陰影候補の誤検出が回避される(図2(B))。
【0026】
なお、検証用画像データ生成手段をさらに備えた場合には、異常陰影候補検出手段によって検出された異常陰影候補領域を通り、投影画像データの投影面とは異なる視点から見た断面による検証用画像データを生成することが可能になり、このような断面画像を用いて異常陰影候補を他の方向から検証することによって、さらに検出精度を向上させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
本発明の第1の実施の形態となる異常陰影候補検出装置Xは、断面画像に垂直な方向の厚さを有する画像データから異常陰影候補の検出を行う機能を備えたものであり、図3は同装置Xの構成を示すブロック図である。図3において、同装置Xは、投影画像データ生成手段1と、同手段1に断面と厚さを特定するための情報を与える断面指定手段3と厚さ指定手段4、さらに、生成された投影画像データの中から異常陰影候補の検出を行う異常陰影候補検出手段2を備えている。
【0029】
診断者は、同装置Xへの入力データとして、CT画像データP0を準備しておく必要がある。
【0030】
また、設定ファイル(断面指定手段3と厚さ指定手段4に該当)に、断面については「胸部の正面側から見た、被写体中央部の断面」を、厚さについては「被写体の厚み程度の厚さ」を予め設定しておく。これにより、被写体内部の略全体の画素値が平均化された投影画像データが生成され、この投影画像は従来の2次元の放射線画像に近いものとなる。
【0031】
投影画像データ生成手段1は、指定された断面、厚さに基づき、CT画像データP0から投影画像データP1を生成する。具体的には以下のような手順となる(図1参照)。
【0032】
まず、CT画像データP0における指定された断面の位置を特定する。次に、指定された断面から等距離にあり、指定された厚さの分だけ離れた平行な2平面を求める。この2平面に挟まれた領域が、指定された断面と厚さとによって特定される被写体の異常陰影候補検出対象領域である。さらに、指定された断面に垂直な線上で、かつ異常陰影候補検出対象領域内にある画素について画素値の平均値を求めることによって、指定された断面に平行な投影面に投影した投影画像データP1が生成される(図1参照)。なお、指定された断面に垂直な線上の画素値は、CT撮影等によりその線の近傍で取得した画素値に基づく補間処理によって求めてもよい。
【0033】
異常陰影候補検出手段2は、投影画像データP1を読み込み、アイリスフィルタによる異常陰影候補検出処理を行い、検出結果データR1を出力する。アイリスフィルタによる異常陰影候補検出処理の詳細については、前記特許文献2または3等に開示されている。この異常陰影候補検出処理はモフォロジーフィルタによるもの等であってもよい(特許文献2、3参照)。
【0034】
検出結果データR1は、アイリスフィルタ処理の場合、アイリスフィルタの出力値(特許文献2、3参照)だけでなく、検出された異常陰影候補領域の形状の特徴を表す円形度等(特開2002−109510号公報参照)や、異常陰影候補領域内部の濃度ヒストグラムの特徴を表す分散値、コントラスト、角モーメント等(特開平9−167238号公報、特開2002−109510号公報参照)、異常陰影候補領域辺縁の特徴を表す分散値、偏り、相関値、モーメント、エントロピー等(特開平9−167238号公報、特開2002−109510号公報参照)の特徴量、さらにこれらの特徴量から算出されるマハラノビス距離等(特開平9−167238号公報、特開2002−109510号公報参照)、種々の副次的指標値が考えられる。モフォロジーフィルタ処理の場合においても同様であり、モフォロジーフィルタの出力値(特許文献2、3参照)だけでなく、石灰化密度等(特開2002−133396号公報参照)の副次的指標値が考えられる。なお、検出結果データR1は、これらの出力値や副次的指標値と所定の閾値とを比較判断した結果、すなわち、その異常陰影と疑われる領域が真の異常陰影候補であるかどうかの判断結果であってもよい。
【0035】
また、検出結果データR1が上記の出力値や副次的指標値を含むものである場合には、この検出結果データR1と投影画像データP1を入力データとする検出結果出力手段をさらに設け、異常陰影候補を含む局所領域の画像を投影画像データP1とは別個に表示したり(特許文献2参照)、投影画像中の異常陰影候補領域を強調表示したり、異常陰影候補領域の特徴量等の副次的指標値を表示したり(特開2002−109510号公報参照)することが望ましい。
【0036】
このように本発明の第1の実施形態となる異常陰影候補検出装置Xによれば、断面指定手段3で指定した断面と厚さ指定手段4で指定した厚さとによって特定される領域中の画素を、投影画像データ生成手段1が断面に平行な平面に投影することによって生成した1つの投影画像データP1のみに対して、異常陰影候補検出手段2が処理を行い、異常陰影候補の検出が可能になる。この投影画像データP1は、CT画像データP0から生成されたものであるから、従来の2次元の放射線画像と同様の画像となり、異常陰影候補検出手段2では、従来の2次元の放射線画像からの異常陰影候補検出処理と同様のアルゴリズムを使用することができるため、効果的である。また、1つの投影画像データP1のみに対して異常陰影候補検出処理を行うだけで、前記領域中の異常陰影候補の検出ができるため、多数の断面画像データの各々をコンピュータで処理する必要がなくなり、コンピュータによる処理時間を短縮し、処理負荷を低減することができる。
【0037】
この他、同装置Xで、厚さ指定手段4において断面に垂直な方向の厚さを指定することによって、1つの断面画像データとその近傍の断面画像データの情報が投影画像データ生成手段1によって1つの投影画像データP1に統合されることになり、この投影画像データから異常陰影候補の検出を行うため、検出精度の向上、特に誤検出の低減にも寄与すると考えられる。
【0038】
本発明の第2の実施の形態となる異常陰影候補検出装置Yは、同装置Xの機能に加え、検出された異常陰影候補を他の方向から検証する機能を備えたものであり、図4は同装置Yの構成を示すブロック図である。図4において、同装置Yは、検出結果データR2とCT画像データP0とに基づき検証用画像データQ2を生成する検証用画像データ生成手段5を同装置Xに付加した構成となっている。以下、同装置Xとの相違点を中心に同装置Yを使用した診断の流れを説明する。
【0039】
診断者は、同装置Xの場合と同様に、CT画像データP0を準備し、設定ファイル(断面指定手段3と厚さ指定手段4に該当)に、断面と厚さを予め設定しておく必要がある。
【0040】
投影画像データ生成手段1は、指定された断面と厚さに基づき、CT画像データP0から投影画像データP2を生成する(図5(a)、(b)参照)。
【0041】
異常陰影候補検出手段2は、投影画像データP2を読み込み、同装置Xと同様に異常陰影候補検出処理を行い、検出結果データR2を出力する(図5(b)参照)。
【0042】
検証用画像データ生成手段5が、検出された異常陰影候補を通り、投影画像データP2の投影面とは異なる視点から見た断面による検証用画像データQ2を生成する。ここで、検証用画像データQ2の断面は、設定ファイルに予め設定されており、これに基づいて指定される(図5(c)、(d)参照)。なお、検証用画像データQ2の断面は、診断者が、検出結果データR2の所見に基づき、キーボード、マウス等の入力装置を用いて個別に設定するものであってもよい。
【0043】
診断者は、検証用画像データQ2を読影し、検出結果データR2において検出された異常陰影候補を他の方向から見たときにも異常陰影候補と判断しうるかどうかを検証する。
【0044】
例えば、「胸部の正面側から見た、被写体中央部の断面」と「被写体の厚み程度の厚さ」を指定することによって生成される胸部を正面方向から見た投影画像データP1に対する異常陰影候補検出処理の結果、円形の形状の領域が検出された場合(図5(b)参照)、検出された異常陰影候補領域の重心を通り、胸部を上下方向から見た断面による検証用画像データQ2においても円形の形状が見られれば、その領域は異常陰影候補であると判断される(図5(c)、(d)参照)。これに対して、検証用画像データQ2においては細長い形状が見られれば、その領域は、奥行き方向に走る血管影であり、投影画像データP1では、その血管の断面が円形の形状で現れていたに過ぎないと判断される。なお、検証用画像データQ2の検証は、本実施の形態のように診断者が目視により行ってもよいし、検証用画像データQ2に対して異常陰影候補検出処理を行い、その結果を判断するようにしてもよい。
【0045】
このように本発明の第2の実施形態となる異常陰影候補検出装置Yによれば、同装置Xと同様の効果が得られる他、異常陰影候補を他の方向から見た断面画像を用いて検出結果を検証することによって、さらに検出精度を向上させることができる。
【0046】
本発明の第3の実施の形態となる異常陰影候補検出装置Zは、断面画像に垂直な方向の厚さを有する画像データから異常陰影候補の検出を行い、検出された異常陰影候補を通り、他の方向から見た、厚さを有する画像データに対してもさらに異常陰影候補の検出を行う機能を備えたものである。図6は同装置Zの構成を示すブロック図である。図6において、構成自体は同装置Xと同じであるが、各指定や処理が2回繰り返される点が異なる。以下、同装置Zを使用した診断の流れを説明する。
【0047】
診断者は、同装置Xの場合と同様に、CT画像データP0を準備し、設定ファイル(断面指定手段3と厚さ指定手段4に該当)に、断面と厚さを予め設定しておく必要がある。
【0048】
投影画像データ生成手段1は、指定された断面と厚さに基づき、CT画像データP0から投影画像データP3を生成する(図7(a)、(b)参照)。
【0049】
異常陰影候補検出手段2は、投影画像データP3を読み込み、同装置Xと同様に異常陰影候補検出処理を行い、検出結果データR3を出力する(図7(b)参照)。
【0050】
診断者は、別の方向から見た断面画像データに基づく異常陰影候補検出処理を行うために、検出された異常陰影候補を通り、異なる方向から見た断面を断面指定手段3により指定し、検出された異常陰影候補の大きさよりも大きい厚さを厚さ指定手段4により指定する。これらの指定はキーボードやマウス等の入力装置(図示なし)を用いて行う。
【0051】
投影画像データ生成手段1は、診断者により指定された断面と厚さに基づき、CT画像データP0から投影画像データP4を生成する(図7(d)参照)。
【0052】
異常陰影候補検出手段2は、投影画像データP4を読み込み、異常陰影候補検出処理を行い、検出結果データR4を出力する(図7(d)参照)。
【0053】
例えば、「胸部の正面側から見た、被写体中央部の断面」と「被写体の厚み程度の厚さ」を指定することによって生成される胸部を正面方向から見た投影画像データP3に対する異常陰影候補検出処理の結果、円形の形状の領域が検出された場合(図7(b)参照)、その領域の中心辺りを通り胸部を上下方向から見た断面と検出された異常陰影候補より大きい厚さ(例えば、腫瘤陰影の検出では30mm程度、微小石灰化陰影では10mm程度)による投影画像データP4からも異常陰影候補が検出されれば、その領域は異常陰影候補であると判断される(図7(c)、(d)参照)。
【0054】
このように本発明の第3の実施形態となる異常陰影候補検出装置Zによれば、同装置Xと同様の効果が得られる他、異常陰影候補を他の方向から見た断面画像による検証を、従来の2次元の放射線画像からの異常陰影候補検出処理と同様のアルゴリズムを使用して自動的に行うことができるため、効果的である。また、異常陰影候補を他の方向から見た断面画像による検証を、診断者が目視により行うのではなく、コンピュータによって行うため、客観的な検証が可能になり、診断精度の向上にも資する。
【図面の簡単な説明】
【図1】被写体の断面、厚さと投影画像データの関係を示す模式図。
【図2】断面に対して斜めの方向に位置する血管を複数枚にスライスした場合(A)と、1つの断面に投影した場合(B)を示す模式図。
【図3】本発明の第1の実施の形態による異常陰影候補検出装置Xの構成を示すブロック図。
【図4】本発明の第2の実施の形態による異常陰影候補検出装置Yの構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第2の実施の形態による異常陰影候補検出装置Yによる処理の流れを示す模式図。
【図6】本発明の第3の実施の形態による異常陰影候補検出装置Zの構成を示すブロック図。
【図7】本発明の第3の実施の形態による異常陰影候補検出装置Zによる処理の流れを示す模式図。
【符号の説明】
1 投影画像データ生成手段
2 異常陰影候補検出手段
3 断面指定手段
4 厚さ指定手段
5 検証用画像データ生成手段
X 本発明の第1の実施の形態による異常陰影候補検出装置
Y 本発明の第2の実施の形態による異常陰影候補検出装置
Z 本発明の第3の実施の形態による異常陰影候補検出装置
P0 CT画像データ
P1 本発明の第1の実施の形態で生成される投影画像データ
P2 本発明の第2の実施の形態で生成される投影画像データ
P3 本発明の第3の実施の形態で1回目に生成される投影画像データ
P4 本発明の第3の実施の形態で2回目に生成される投影画像データ
Q2 本発明の第2の実施の形態で生成される検証用画像データ
R1 P1について異常陰影候補検出処理を行った検出結果データ
R2 P2について異常陰影候補検出処理を行った検出結果データ
R3 P3について異常陰影候補検出処理を行った検出結果データ
R4 P4について異常陰影候補検出処理を行った検出結果データ
【発明の属する技術分野】
本発明は、異常陰影候補検出装置に関し、より詳細には、CT等による3次元画像データに基づいて異常陰影候補を検出する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CT(Computerized Tomography;コンピュータ断層撮影)等により取得された複数のスライス画像データの集合体として構成される3次元画像データに基づいて生成される断面画像や3次元表示画像から、病変部を発見し、またその病変部の状態を観察して、疾病の有無や進行状況の診断を行うことが行われている。この3次元画像データは、従来の2次元の放射線画像データと比較して、被写体についてより多くの情報を有しているため、精度の高い診断が可能となってきている。
【0003】
しかし、3次元画像データに基づいて生成される断面画像の読影による診断は、読影量が膨大になり、診断者の負担が非常に大きいという問題がある。
【0004】
この問題を解決するものとして、CTによる被写体の断層像内の異常陰影候補領域の有無を判断する手段を備えたコンピュータ断層撮影装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
一方、従来の2次元の放射線画像中の異常陰影候補を、診断者の経験や画像読影能力に左右されることなく、計算機を用いて客観的かつ自動的に検出する異常陰影候補検出処理システム(計算機支援画像診断装置)が提案されている(例えば、特許文献2、3)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−88109号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平8−294479号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平8−287230号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
3次元画像データの読影による診断において、ある断面画像から異常陰影候補領域を発見した場合には、診断者は、その画像の前後の位置でスライスした状態を表す断面画像についても読影し、その領域が真の異常陰影候補かどうか判断している。これに対して、特許文献1に記載の発明では、このような診断者による読影や判断をコンピュータによる演算でそのまま実現しようとしており、異常陰影候補の形状等についての基準データと断面画像データとの照合により、ある断面画像から異常陰影候補となりうる領域が検出された場合に、その画像の前後の位置でスライスした断面画像でも同様の異常陰影候補検出処理を繰り返すことによって、その領域が異常陰影候補であるかどうかを判断しようとするものである。
【0010】
したがって、特許文献1に記載の発明を実施するためには、上記のようなCT画像データ独自の異常陰影候補検出アルゴリズムを開発しなければならない点が問題となる。さらに、このアルゴリズムに基づけば、大量の断面画像データに対して処理する必要があり、コンピュータの処理時間、負荷、効率の面でも問題となる。
【0011】
一方、特許文献2、3に記載の異常陰影候補検出処理システムをCT等による3次元画像データに基づく任意の断面画像に対して適用することも有効と考えられる。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、被写体を表すCT等による3次元画像データからの異常陰影候補の検出において、従来の2次元の画像からの異常陰影候補の検出と同様のアルゴリズムを利用可能にし、さらに、コンピュータによる処理時間を短縮し、処理負荷を低減した異常陰影候補検出装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による異常陰影候補検出装置は、断面画像に垂直な方向の厚さを有する画像データから異常陰影候補の検出を行う機能を備えたものである。すなわち、被写体を表す3次元画像データの断面を指定する断面指定手段と、指定された断面に垂直な方向で、検出対象の異常陰影候補の大きさより大きい厚さを指定する厚さ指定手段と、指定された断面と厚さとにより特定される領域内の画素を、指定された断面に平行な平面に投影することにより投影画像データを生成する投影画像データ生成手段と、生成された投影画像データ中の異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで、「3次元画像データ」とは、所定の軸に沿って、軸に垂直な断面で被写体を順次スライスした状態を表す複数の断面画像データの集合体として構成されることによって、各画素の位置が3次元空間に定義される画像データをいう。具体例としては、CTやMRI(Magnetic Resonance Imaging;磁気共鳴映像法)による画像データが考えられる。
【0015】
断面指定手段では、CT等によるスライスの面と平行な断面を指定してもよいし、そのような断面に限らず、任意の方向の断面を指定してもよい。
【0016】
厚さ指定手段では、断面指定手段により指定された断面を中心として、その断面に垂直な方向の厚さを指定することが望ましいが(図1参照)、指定された断面が一方の端となるように厚さを指定するものであってもよい。また、指定された断面に平行な2つの平面を両端として指示することによって、その2平面に挟まれた部分の厚さを指定するものであってもよい。
【0017】
「検出対象の異常陰影候補の大きさより大きい厚さ」は、具体例としては、腫瘤陰影の検出では30mm程度、微小石灰化陰影では10mm程度より大きい厚さが考えられる。また、被写体の厚み程度の厚さであってもよい。
【0018】
断面指定手段や厚さ指定手段は、診断者が、キーボード、マウス等の入力装置を用いて、投影画像データ生成の度に断面や厚さを指定し、その断面や厚さを投影画像データ生成手段に与えるものであってもよいし、予め設定ファイル等に設定された断面や厚さを投影画像データ生成手段に与えるものであってもよい。例えば、胸部CT画像の場合、「胸部の正面側から見た、被写体中央部の断面」、「被写体の全ての厚さ」と予め設定しておけば、投影画像データ生成時に、断面や厚さを何ら指定することなく、従来の放射線画像に近似した投影画像データを生成することができる。
【0019】
「指定された断面と厚さとにより特定される領域内の画素を、指定された断面に平行な平面に投影することにより投影画像データを生成する」とは、まず断面指定手段によって指定された断面と、厚さ指定手段によって指定された厚さとにより、投影対象となる領域(異常陰影候補検出対象領域)を特定し、次に、断面に平行な平面(投影面)と垂直な線上で、かつ異常陰影候補検出対象領域内にある画素について画素値の平均値を求めることをいう。なお、投影面と垂直な線上の画素値は、CT撮影等によりその線の近傍で取得した画素値に基づく補間処理によって求めてもよい。
【0020】
異常陰影候補検出手段が行う処理は、例えば、アイリスフィルタやモフォロジーフィルタ等による異常陰影候補検出処理が考えられる。
【0021】
「異常陰影」とは、例えば、アイリスフィルタ処理により検出される腫瘤陰影や、モフォロジーフィルタ処理により検出される微小石灰化陰影等が考えられる。
【0022】
なお、本発明による異常陰影候補検出装置は、3次元画像データに基づき、異常陰影候補検出手段によって検出された異常陰影候補を通り、断面指定手段で指定した断面と交差する断面の断面画像データを生成する検証用画像データ生成手段をさらに備えることも考えられる。
【0023】
ここで、「断面指定手段で指定した断面と交差する断面」は、診断者が、検出結果に基づいて、キーボード、マウス等の入力装置によって個別に設定してもよいし、同装置に予め設定された断面、例えば、「断面指定手段によって指定した断面に垂直で被写体の上下方向の断面」等であってもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明の異常陰影候補検出装置によれば、断面指定手段で指定した断面と厚さ指定手段で指定した厚さとによって特定される領域中の画素を、投影画像データ生成手段が断面と平行な平面に投影することによって生成した1つの投影画像データのみに対して、異常陰影候補検出手段が処理を行い、異常陰影候補の検出が可能になる。この投影画像データは、従来の2次元の放射線画像と同様の画像となり、異常陰影候補検出手段では、従来の2次元の放射線画像からの異常陰影候補検出処理と同様のアルゴリズムを使用することができるため、効果的である。また、1つの投影画像データのみに対して異常陰影候補検出処理を行うだけで、前記領域中の異常陰影候補の検出ができるため、多数の断面画像データの各々をコンピュータで処理する必要がなくなり、コンピュータによる処理時間を短縮し、処理負荷を低減することができる。
【0025】
さらに、本発明によれば、厚さ指定手段が断面に垂直な方向の厚さを指定することによって、1つの断面画像データとその近傍の断面画像データの情報が投影画像データ生成手段によって1つの投影画像データに統合されることになり、この投影画像データから異常陰影候補の検出を行うため、検出精度の向上、特に誤検出の低減にも寄与すると考えられる。例えば、図2のように、断面に対して斜めの方向に位置する血管がある場合、スライスした各々の断面画像では別の位置に血管の断面が存在するため、診断者の読影では各々の断面画像を立体的に再構成して捉えることが困難であり、また、コンピュータによる異常陰影候補検出処理ではこの血管の断面を異常陰影候補と誤認する可能性がある(図2(A))。これに対して、各々の断面画像中の画素を投影画像データ生成手段によって1つの平面に投影すると、この血管は線上の形態として投影されるため、血管であると判断される可能性が高くなり、異常陰影候補の誤検出が回避される(図2(B))。
【0026】
なお、検証用画像データ生成手段をさらに備えた場合には、異常陰影候補検出手段によって検出された異常陰影候補領域を通り、投影画像データの投影面とは異なる視点から見た断面による検証用画像データを生成することが可能になり、このような断面画像を用いて異常陰影候補を他の方向から検証することによって、さらに検出精度を向上させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
本発明の第1の実施の形態となる異常陰影候補検出装置Xは、断面画像に垂直な方向の厚さを有する画像データから異常陰影候補の検出を行う機能を備えたものであり、図3は同装置Xの構成を示すブロック図である。図3において、同装置Xは、投影画像データ生成手段1と、同手段1に断面と厚さを特定するための情報を与える断面指定手段3と厚さ指定手段4、さらに、生成された投影画像データの中から異常陰影候補の検出を行う異常陰影候補検出手段2を備えている。
【0029】
診断者は、同装置Xへの入力データとして、CT画像データP0を準備しておく必要がある。
【0030】
また、設定ファイル(断面指定手段3と厚さ指定手段4に該当)に、断面については「胸部の正面側から見た、被写体中央部の断面」を、厚さについては「被写体の厚み程度の厚さ」を予め設定しておく。これにより、被写体内部の略全体の画素値が平均化された投影画像データが生成され、この投影画像は従来の2次元の放射線画像に近いものとなる。
【0031】
投影画像データ生成手段1は、指定された断面、厚さに基づき、CT画像データP0から投影画像データP1を生成する。具体的には以下のような手順となる(図1参照)。
【0032】
まず、CT画像データP0における指定された断面の位置を特定する。次に、指定された断面から等距離にあり、指定された厚さの分だけ離れた平行な2平面を求める。この2平面に挟まれた領域が、指定された断面と厚さとによって特定される被写体の異常陰影候補検出対象領域である。さらに、指定された断面に垂直な線上で、かつ異常陰影候補検出対象領域内にある画素について画素値の平均値を求めることによって、指定された断面に平行な投影面に投影した投影画像データP1が生成される(図1参照)。なお、指定された断面に垂直な線上の画素値は、CT撮影等によりその線の近傍で取得した画素値に基づく補間処理によって求めてもよい。
【0033】
異常陰影候補検出手段2は、投影画像データP1を読み込み、アイリスフィルタによる異常陰影候補検出処理を行い、検出結果データR1を出力する。アイリスフィルタによる異常陰影候補検出処理の詳細については、前記特許文献2または3等に開示されている。この異常陰影候補検出処理はモフォロジーフィルタによるもの等であってもよい(特許文献2、3参照)。
【0034】
検出結果データR1は、アイリスフィルタ処理の場合、アイリスフィルタの出力値(特許文献2、3参照)だけでなく、検出された異常陰影候補領域の形状の特徴を表す円形度等(特開2002−109510号公報参照)や、異常陰影候補領域内部の濃度ヒストグラムの特徴を表す分散値、コントラスト、角モーメント等(特開平9−167238号公報、特開2002−109510号公報参照)、異常陰影候補領域辺縁の特徴を表す分散値、偏り、相関値、モーメント、エントロピー等(特開平9−167238号公報、特開2002−109510号公報参照)の特徴量、さらにこれらの特徴量から算出されるマハラノビス距離等(特開平9−167238号公報、特開2002−109510号公報参照)、種々の副次的指標値が考えられる。モフォロジーフィルタ処理の場合においても同様であり、モフォロジーフィルタの出力値(特許文献2、3参照)だけでなく、石灰化密度等(特開2002−133396号公報参照)の副次的指標値が考えられる。なお、検出結果データR1は、これらの出力値や副次的指標値と所定の閾値とを比較判断した結果、すなわち、その異常陰影と疑われる領域が真の異常陰影候補であるかどうかの判断結果であってもよい。
【0035】
また、検出結果データR1が上記の出力値や副次的指標値を含むものである場合には、この検出結果データR1と投影画像データP1を入力データとする検出結果出力手段をさらに設け、異常陰影候補を含む局所領域の画像を投影画像データP1とは別個に表示したり(特許文献2参照)、投影画像中の異常陰影候補領域を強調表示したり、異常陰影候補領域の特徴量等の副次的指標値を表示したり(特開2002−109510号公報参照)することが望ましい。
【0036】
このように本発明の第1の実施形態となる異常陰影候補検出装置Xによれば、断面指定手段3で指定した断面と厚さ指定手段4で指定した厚さとによって特定される領域中の画素を、投影画像データ生成手段1が断面に平行な平面に投影することによって生成した1つの投影画像データP1のみに対して、異常陰影候補検出手段2が処理を行い、異常陰影候補の検出が可能になる。この投影画像データP1は、CT画像データP0から生成されたものであるから、従来の2次元の放射線画像と同様の画像となり、異常陰影候補検出手段2では、従来の2次元の放射線画像からの異常陰影候補検出処理と同様のアルゴリズムを使用することができるため、効果的である。また、1つの投影画像データP1のみに対して異常陰影候補検出処理を行うだけで、前記領域中の異常陰影候補の検出ができるため、多数の断面画像データの各々をコンピュータで処理する必要がなくなり、コンピュータによる処理時間を短縮し、処理負荷を低減することができる。
【0037】
この他、同装置Xで、厚さ指定手段4において断面に垂直な方向の厚さを指定することによって、1つの断面画像データとその近傍の断面画像データの情報が投影画像データ生成手段1によって1つの投影画像データP1に統合されることになり、この投影画像データから異常陰影候補の検出を行うため、検出精度の向上、特に誤検出の低減にも寄与すると考えられる。
【0038】
本発明の第2の実施の形態となる異常陰影候補検出装置Yは、同装置Xの機能に加え、検出された異常陰影候補を他の方向から検証する機能を備えたものであり、図4は同装置Yの構成を示すブロック図である。図4において、同装置Yは、検出結果データR2とCT画像データP0とに基づき検証用画像データQ2を生成する検証用画像データ生成手段5を同装置Xに付加した構成となっている。以下、同装置Xとの相違点を中心に同装置Yを使用した診断の流れを説明する。
【0039】
診断者は、同装置Xの場合と同様に、CT画像データP0を準備し、設定ファイル(断面指定手段3と厚さ指定手段4に該当)に、断面と厚さを予め設定しておく必要がある。
【0040】
投影画像データ生成手段1は、指定された断面と厚さに基づき、CT画像データP0から投影画像データP2を生成する(図5(a)、(b)参照)。
【0041】
異常陰影候補検出手段2は、投影画像データP2を読み込み、同装置Xと同様に異常陰影候補検出処理を行い、検出結果データR2を出力する(図5(b)参照)。
【0042】
検証用画像データ生成手段5が、検出された異常陰影候補を通り、投影画像データP2の投影面とは異なる視点から見た断面による検証用画像データQ2を生成する。ここで、検証用画像データQ2の断面は、設定ファイルに予め設定されており、これに基づいて指定される(図5(c)、(d)参照)。なお、検証用画像データQ2の断面は、診断者が、検出結果データR2の所見に基づき、キーボード、マウス等の入力装置を用いて個別に設定するものであってもよい。
【0043】
診断者は、検証用画像データQ2を読影し、検出結果データR2において検出された異常陰影候補を他の方向から見たときにも異常陰影候補と判断しうるかどうかを検証する。
【0044】
例えば、「胸部の正面側から見た、被写体中央部の断面」と「被写体の厚み程度の厚さ」を指定することによって生成される胸部を正面方向から見た投影画像データP1に対する異常陰影候補検出処理の結果、円形の形状の領域が検出された場合(図5(b)参照)、検出された異常陰影候補領域の重心を通り、胸部を上下方向から見た断面による検証用画像データQ2においても円形の形状が見られれば、その領域は異常陰影候補であると判断される(図5(c)、(d)参照)。これに対して、検証用画像データQ2においては細長い形状が見られれば、その領域は、奥行き方向に走る血管影であり、投影画像データP1では、その血管の断面が円形の形状で現れていたに過ぎないと判断される。なお、検証用画像データQ2の検証は、本実施の形態のように診断者が目視により行ってもよいし、検証用画像データQ2に対して異常陰影候補検出処理を行い、その結果を判断するようにしてもよい。
【0045】
このように本発明の第2の実施形態となる異常陰影候補検出装置Yによれば、同装置Xと同様の効果が得られる他、異常陰影候補を他の方向から見た断面画像を用いて検出結果を検証することによって、さらに検出精度を向上させることができる。
【0046】
本発明の第3の実施の形態となる異常陰影候補検出装置Zは、断面画像に垂直な方向の厚さを有する画像データから異常陰影候補の検出を行い、検出された異常陰影候補を通り、他の方向から見た、厚さを有する画像データに対してもさらに異常陰影候補の検出を行う機能を備えたものである。図6は同装置Zの構成を示すブロック図である。図6において、構成自体は同装置Xと同じであるが、各指定や処理が2回繰り返される点が異なる。以下、同装置Zを使用した診断の流れを説明する。
【0047】
診断者は、同装置Xの場合と同様に、CT画像データP0を準備し、設定ファイル(断面指定手段3と厚さ指定手段4に該当)に、断面と厚さを予め設定しておく必要がある。
【0048】
投影画像データ生成手段1は、指定された断面と厚さに基づき、CT画像データP0から投影画像データP3を生成する(図7(a)、(b)参照)。
【0049】
異常陰影候補検出手段2は、投影画像データP3を読み込み、同装置Xと同様に異常陰影候補検出処理を行い、検出結果データR3を出力する(図7(b)参照)。
【0050】
診断者は、別の方向から見た断面画像データに基づく異常陰影候補検出処理を行うために、検出された異常陰影候補を通り、異なる方向から見た断面を断面指定手段3により指定し、検出された異常陰影候補の大きさよりも大きい厚さを厚さ指定手段4により指定する。これらの指定はキーボードやマウス等の入力装置(図示なし)を用いて行う。
【0051】
投影画像データ生成手段1は、診断者により指定された断面と厚さに基づき、CT画像データP0から投影画像データP4を生成する(図7(d)参照)。
【0052】
異常陰影候補検出手段2は、投影画像データP4を読み込み、異常陰影候補検出処理を行い、検出結果データR4を出力する(図7(d)参照)。
【0053】
例えば、「胸部の正面側から見た、被写体中央部の断面」と「被写体の厚み程度の厚さ」を指定することによって生成される胸部を正面方向から見た投影画像データP3に対する異常陰影候補検出処理の結果、円形の形状の領域が検出された場合(図7(b)参照)、その領域の中心辺りを通り胸部を上下方向から見た断面と検出された異常陰影候補より大きい厚さ(例えば、腫瘤陰影の検出では30mm程度、微小石灰化陰影では10mm程度)による投影画像データP4からも異常陰影候補が検出されれば、その領域は異常陰影候補であると判断される(図7(c)、(d)参照)。
【0054】
このように本発明の第3の実施形態となる異常陰影候補検出装置Zによれば、同装置Xと同様の効果が得られる他、異常陰影候補を他の方向から見た断面画像による検証を、従来の2次元の放射線画像からの異常陰影候補検出処理と同様のアルゴリズムを使用して自動的に行うことができるため、効果的である。また、異常陰影候補を他の方向から見た断面画像による検証を、診断者が目視により行うのではなく、コンピュータによって行うため、客観的な検証が可能になり、診断精度の向上にも資する。
【図面の簡単な説明】
【図1】被写体の断面、厚さと投影画像データの関係を示す模式図。
【図2】断面に対して斜めの方向に位置する血管を複数枚にスライスした場合(A)と、1つの断面に投影した場合(B)を示す模式図。
【図3】本発明の第1の実施の形態による異常陰影候補検出装置Xの構成を示すブロック図。
【図4】本発明の第2の実施の形態による異常陰影候補検出装置Yの構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第2の実施の形態による異常陰影候補検出装置Yによる処理の流れを示す模式図。
【図6】本発明の第3の実施の形態による異常陰影候補検出装置Zの構成を示すブロック図。
【図7】本発明の第3の実施の形態による異常陰影候補検出装置Zによる処理の流れを示す模式図。
【符号の説明】
1 投影画像データ生成手段
2 異常陰影候補検出手段
3 断面指定手段
4 厚さ指定手段
5 検証用画像データ生成手段
X 本発明の第1の実施の形態による異常陰影候補検出装置
Y 本発明の第2の実施の形態による異常陰影候補検出装置
Z 本発明の第3の実施の形態による異常陰影候補検出装置
P0 CT画像データ
P1 本発明の第1の実施の形態で生成される投影画像データ
P2 本発明の第2の実施の形態で生成される投影画像データ
P3 本発明の第3の実施の形態で1回目に生成される投影画像データ
P4 本発明の第3の実施の形態で2回目に生成される投影画像データ
Q2 本発明の第2の実施の形態で生成される検証用画像データ
R1 P1について異常陰影候補検出処理を行った検出結果データ
R2 P2について異常陰影候補検出処理を行った検出結果データ
R3 P3について異常陰影候補検出処理を行った検出結果データ
R4 P4について異常陰影候補検出処理を行った検出結果データ
Claims (3)
- 被写体を表す3次元画像データの断面を指定する断面指定手段と、
該断面に垂直な方向の、検出対象の異常陰影候補の大きさより大きい厚さを指定する厚さ指定手段と、
前記断面と前記厚さとにより特定される領域内の画素を、前記断面に平行な平面に投影することにより投影画像データを生成する投影画像データ生成手段と、
前記投影画像データ中の異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段とを備えたことを特徴とする異常陰影候補検出装置。 - 前記3次元画像データに基づき、前記異常陰影候補検出手段によって検出された異常陰影候補を通り、前記断面と交差する断面の断面画像データを生成する検証用画像データ生成手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の異常陰影候補検出装置。
- 前記3次元画像データがCT画像データであることを特徴とする請求項1または2に記載の異常陰影候補検出装置。
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