JP2004159628A - モグラ・ネズミの忌避装置。 - Google Patents
モグラ・ネズミの忌避装置。 Download PDFInfo
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Abstract
【目的】従来から知られていながら毒性が強いため活用されずにいたショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンの忌避作用を、簡便な装置により、主にネズミやモグラなど小動物の被害から安全かつ有効に防止する。
【構成】ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを独特な形状を有する容器に入れ、モグラが開けたトンネル内で有効に気化させることにより、生息する、主にモグラやネズミをなどの小動物を追い出す忌避装置に関する。
【効果】ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンは気化し有毒なガスを発することで知られているが、その強い臭気は、数百メートルにも及ぶモグラが開けたトンネル内で有効に作用し、充満し、土中に生息する主にモグラやネズミをなどの小動物を追い出すことによって農作物の被害を最小限に止めるのに有用性がある。
【選択図】 図1
【構成】ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを独特な形状を有する容器に入れ、モグラが開けたトンネル内で有効に気化させることにより、生息する、主にモグラやネズミをなどの小動物を追い出す忌避装置に関する。
【効果】ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンは気化し有毒なガスを発することで知られているが、その強い臭気は、数百メートルにも及ぶモグラが開けたトンネル内で有効に作用し、充満し、土中に生息する主にモグラやネズミをなどの小動物を追い出すことによって農作物の被害を最小限に止めるのに有用性がある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンが気化する際発生するガスの独特な強い臭いと殺菌力を使用して、主にモグラやネズミの開けた穴に仕掛けて、土中に生息する小動物を追い出す忌避機能を有する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者は、ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを使用し、主にモグラやネズミの開けた穴に仕掛けて土中に生息する小動物、主にネズミやモグラあるいはヘビなどの小動物を追い出す機能を有する装置を見出だした。日本の農業や林業では、特にネズミなどの小動物による農作物の食害が深刻である。特に、作る作物が限定されてしまう中山間地や食料が不足する冬季において被害が著しい。これら地域では、これら小動物から植物や農作物を守るため、殺鼠剤や強い毒性のある薬品、あるいは超音波などあらゆる方法を用いているが、その効果は十分ではなかった。
【0003】
従来の忌避装置には、珪藻土を成型し、焼成の後得られた焼成体に、野生動物に忌避作用を与える揮発性成分を含浸させたものがある。登録実用新案公報・実願平8−4590による。殺鼠剤など駆除を目的とする薬剤あるいは装置は存在するが、忌避効果を目的とした技術でこれら以外に同等あるいは類似のものは見当たらない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンは古くから着物の防虫などに使用され毒性がある。またこれらショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンは、ネズミやモグラ避けとして、民家の周辺や物置の内部などでも使用され、高い効果が得られることが知られている。このショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを畑や山林に散布すれば、主にネズミやモグラなどの小動物からの食害による被害が軽減されると考えた。しかしながら、強い臭気と毒性により植物に多大な影響を与えることが心配される。本発明者は、これら臭気や殺菌力が揮発性の成分によるものである事に注目し、農作物などの植物に影響を与えずに、主にネズミやモグラなどの小動物からの農作物に対する食害を軽減する装置を見出だした。この装置によれば、土中の主にモグラやネズミが開けたトンネル内に仕掛け、土中に毒性のある成分を溶解する事なく、揮発する独特の強い臭気だけが活用できる。
【0005】
モグラは日本全国に生息し、本州の箱根を境に概ね2種類に分類されている。地中深くに巣を持ち、主に夜間トンネルを掘り、地上付近のミミズなどを餌として活動する。この活動範囲は1夜で数百メートルにも及ぶと言われる。本発明者は、このモグラの行動に注目し、ごく地上に近い部分に本発明による装置を仕掛けることにより、有効に効果が得られる事を見出だした。
【0006】
すなわち、モグラが開けたトンネルの直径は、そこに生息するモグラのサイズその物であり、トンネルの内部に仕掛けられた装置から発する強烈な臭気は、モグラが移動すると同時に押されて、装置から先に空気と一緒に流れる。装置に行き着いたモグラは、装置から発する強烈な臭気に後戻りするが、その臭気はモグラを追うように一緒に流れる。仮にモグラが1日100メートル移動すると、その2倍の距離のトンネル内に、ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンの揮発成分が充満する。本発明による装置の効果はモグラの行動距離と比例して一層高くなる。
【0007】
これらモグラのトンネルにはネズミが同居している場合が認められる。しかしネズミはモグラと異なり、農作物や木の根を食するためその被害が甚大である。本発明は、モグラと同様にネズミにも有効に効果を示す。
【発明の主たる目的】
従来から知られていながら毒性が強いため活用されずにいたショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンの忌避作用を、簡便な装置により、主にネズミやモグラなど小動物の食害を軽減し、畑や山林を保護することにある。
【0008】
【本発明に係わる課題を解決するための手段】
本発明者は、毒性の強いショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを、独特な装置をモグラの開けたトンネル内に仕掛けることによって、栽培中の農作物や樹木に害を与える事なく、その食害を軽減する方法を見出だし、本発明をなしたものである。
【0009】
本発明に使用するショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンには、古くから家屋あるいは蔵などで食物を保管したり、衣類などを好んで食する虫から守るため使用され、ネズミやモグラなどの小動物も独特の臭気を嫌うことが知られていた。これらネズミやモグラは、栽培中の農作物や山林で植林した樹木を食い荒らすため、これら事業に係わる人にとって長年の悩みでもあった。ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンの毒性は非常に強く、食用にする農作物には有毒成分が残留したり、特有の臭いが付着したり影響がある。本発明は、これらの影響を直接受けることなく忌避効果を短期間で達成することができる。
【0010】
すなわち本発明による忌避装置は、ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを直接地面に散布するのではなく、独特な構造の容器に入れ、モグラやネズミが開けたトンネル内に仕掛け、被害のあった場所だけを選択できる。そのため使用量は最小限で済み、経費も安価である。確実で即効性があり、畑などでは効果を確認後、除去も容易であるため、農作物に与える影響も更に軽減される。
【0011】
次に本発明による装置の構造を示す。本発明に使用するショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンは、ごく一般的に販売をされている防虫剤を使用しても構わない。直径が0.5センチメートルから5センチメートルが良く、望ましくは1センチメートルから5センチメートルの、長さが5センチメートルから50センチメートルが良く、望ましくは10センチメートルから25センチメートルの円筒状が好ましいプラスチック容器を使用する。筒の形状は多角形の筒状でも良く、特別太さや長さにこだわる必要はなく、効果が適切に得られるものであれば良いが、これらによって本発明を妨げるものではない。この容器には中程に直径0.5センチメートル程度の穴が数個開いている。この筒状の容器は、地面に刺さりやすいように、先が尖っている。この中に、ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを粉状あるいは固形のままあらかじめ挿入し本発明による装置となす。
【0012】
この装置を、モグラが掘ったと思われる穴に垂直に刺し込むが、このとき装置の中程に開いている穴の部分が、モグラの掘った穴の空洞部分に当るようにするのが良い。
【0013】
【発明の製造例1】
本発明による製造例を示す。直径が2.7センチメートル、長さが20センチメートルの円筒状のプラスチック製容器を作成した。この容器には中程に直径0.5センチメートル程度の穴が8個開いている。この筒状の容器は、地面に刺さりやすいように、先が尖っている。この中には、あらかじめ一般に防虫剤として市販されているショウノウを固形のまま挿入した。
【0014】
【発明の製造例2】
本発明による製造例ではショウノウを使用するが、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを使用しても良い。本発明の範囲において、ショウノウの代わりに同様の機能を有するナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを使用するのを妨げるものではない。
【0015】
すなわち本発明には、ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンが特徴とする防虫効果と、気化する際発する強烈な臭いの効果を合わせ持っている事が重要である。
【0016】
ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンの特徴を比較した時、ショウノウ、ナフタリン、パラジクロルベンゼンの順に毒性が強く、固形物あるいは粉末状のものが気化する速度は、パラジクロルベンゼン、ナフタリン、ショウノウの順にはやい。しかるに、効果を求める場合はショウノウを、更に即効性を求める場合はパラジクロルベンゼンが良い。
【0017】
前記薬剤についてショウノウは他の薬剤に比較して原料調達がやや困難でありコストもやや高い。このため一般的には、パラジクロルベンゼンが良く使用されており、ショウノウと比較してコストも安い。
【0018】
【発明の実施例1】
本実験に使用するショウノウは、ごく一般的に販売をされている5g程度の防虫剤を使用した。モグラあるいはネズミの食害が著しい畑を選択し、ショウノウを薄い紙などで簡単に包み、モグラあるいはネズミが掘ったと思われる穴に仕掛け、穴がふさがらないように軽く土をかける。望ましくはすべての穴に入れるのが良いが、通常2メートルおきぐらいに穴を選択して入れた。
【0019】
【発明の実施例2】
本実験に使用するショウノウは、ごく一般的に販売をされている5g程度の防虫剤を使用した。直径が1センチメートルから10センチメートルの球状のプラスチックの容器で、好ましくは3センチメートルから6センチメートルが良く、中程に直径0.5センチメートルの穴が数個開いたものに、5g程度のショウノウを2個ほど入れ、実験例1と同様に設置する。
【0020】
【発明の実施例3】
本実験に使用するショウノウは、ごく一般的に販売をされている防虫剤を使用した。直径が2.7センチメートル、長さが20センチメートルの円筒状のプラスチック製容器を作成した。この容器には中程に直径0.5センチメートル程度の穴が8個開いている。この筒状の容器は、地面に刺さりやすいように、先が尖っている。この中には、あらかじめ前記の市販されているショウノウを固形のまま挿入した。この装置を、中程に開いている穴の部分が、モグラの掘った穴の空洞部分に当るように垂直に刺し込んだ。
【0021】
実験例1及び実験例3による効果は明らかで高かった。いずれの場合も、モグラあるいはネズミによる被害は減少し、14日後には皆無となった。
【0022】
実験例1の場合、降雨により水分を吸収し、14日後、土中に溶けて消滅した事が判明したため、農作物への汚染など影響が心配された。
【0023】
実験例2は設置時に穴の開いた部分の方向を適切に定めなければならない事、あるいは忌避効果確認後、必要としなくなった場合の装置の除去の際、設置場所が不明朗になるなどの難があった。
【0024】
しかるに、実験例3は効率の良い忌避効果を生み、他の方法と比較して農作物への影響を考慮しても、明らかに優れている事を示した。
【0025】
【発明の効果】
現代社会において有機農法が望まれる中、地中に毒性成分が浸透し、人間の食する農作物に残留しあるいは影響をもたらすことは決してあってはならない。また、主としてモグラやネズミなど小動物による被害は農家にとって深刻な問題であり、数々の薬剤あるいは超音波など近代機器も確かな効果は得られなかった。本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0026】
本発明による装置は、モグラの穴に直に仕掛けるという発想により功を奏する。
【0027】
ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンの揮発成分だけを有効に活用できる。
【0028】
農作物の安全性と忌避効果の確実性と即効性を兼ね備えている。
【0029】
モグラあるいはネズミを殺すものではなく、忌避のみを目的とし期待通りの効果が得られる。
【0030】
使用量を必要最小限に止めることが可能で、農作物への残留や残臭等まったく弊害を与えない画期的な装置と言える。
【0031】
本発明による装置は、0.5センチメートル程度の数個の穴を残し、密閉状態にあるため、小児の誤食の可能性を低減した安全な装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】モグラ・ネズミの忌避装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 全体容器
2 キャップ
3 ショウノウ
4 開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンが気化する際発生するガスの独特な強い臭いと殺菌力を使用して、主にモグラやネズミの開けた穴に仕掛けて、土中に生息する小動物を追い出す忌避機能を有する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者は、ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを使用し、主にモグラやネズミの開けた穴に仕掛けて土中に生息する小動物、主にネズミやモグラあるいはヘビなどの小動物を追い出す機能を有する装置を見出だした。日本の農業や林業では、特にネズミなどの小動物による農作物の食害が深刻である。特に、作る作物が限定されてしまう中山間地や食料が不足する冬季において被害が著しい。これら地域では、これら小動物から植物や農作物を守るため、殺鼠剤や強い毒性のある薬品、あるいは超音波などあらゆる方法を用いているが、その効果は十分ではなかった。
【0003】
従来の忌避装置には、珪藻土を成型し、焼成の後得られた焼成体に、野生動物に忌避作用を与える揮発性成分を含浸させたものがある。登録実用新案公報・実願平8−4590による。殺鼠剤など駆除を目的とする薬剤あるいは装置は存在するが、忌避効果を目的とした技術でこれら以外に同等あるいは類似のものは見当たらない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンは古くから着物の防虫などに使用され毒性がある。またこれらショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンは、ネズミやモグラ避けとして、民家の周辺や物置の内部などでも使用され、高い効果が得られることが知られている。このショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを畑や山林に散布すれば、主にネズミやモグラなどの小動物からの食害による被害が軽減されると考えた。しかしながら、強い臭気と毒性により植物に多大な影響を与えることが心配される。本発明者は、これら臭気や殺菌力が揮発性の成分によるものである事に注目し、農作物などの植物に影響を与えずに、主にネズミやモグラなどの小動物からの農作物に対する食害を軽減する装置を見出だした。この装置によれば、土中の主にモグラやネズミが開けたトンネル内に仕掛け、土中に毒性のある成分を溶解する事なく、揮発する独特の強い臭気だけが活用できる。
【0005】
モグラは日本全国に生息し、本州の箱根を境に概ね2種類に分類されている。地中深くに巣を持ち、主に夜間トンネルを掘り、地上付近のミミズなどを餌として活動する。この活動範囲は1夜で数百メートルにも及ぶと言われる。本発明者は、このモグラの行動に注目し、ごく地上に近い部分に本発明による装置を仕掛けることにより、有効に効果が得られる事を見出だした。
【0006】
すなわち、モグラが開けたトンネルの直径は、そこに生息するモグラのサイズその物であり、トンネルの内部に仕掛けられた装置から発する強烈な臭気は、モグラが移動すると同時に押されて、装置から先に空気と一緒に流れる。装置に行き着いたモグラは、装置から発する強烈な臭気に後戻りするが、その臭気はモグラを追うように一緒に流れる。仮にモグラが1日100メートル移動すると、その2倍の距離のトンネル内に、ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンの揮発成分が充満する。本発明による装置の効果はモグラの行動距離と比例して一層高くなる。
【0007】
これらモグラのトンネルにはネズミが同居している場合が認められる。しかしネズミはモグラと異なり、農作物や木の根を食するためその被害が甚大である。本発明は、モグラと同様にネズミにも有効に効果を示す。
【発明の主たる目的】
従来から知られていながら毒性が強いため活用されずにいたショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンの忌避作用を、簡便な装置により、主にネズミやモグラなど小動物の食害を軽減し、畑や山林を保護することにある。
【0008】
【本発明に係わる課題を解決するための手段】
本発明者は、毒性の強いショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを、独特な装置をモグラの開けたトンネル内に仕掛けることによって、栽培中の農作物や樹木に害を与える事なく、その食害を軽減する方法を見出だし、本発明をなしたものである。
【0009】
本発明に使用するショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンには、古くから家屋あるいは蔵などで食物を保管したり、衣類などを好んで食する虫から守るため使用され、ネズミやモグラなどの小動物も独特の臭気を嫌うことが知られていた。これらネズミやモグラは、栽培中の農作物や山林で植林した樹木を食い荒らすため、これら事業に係わる人にとって長年の悩みでもあった。ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンの毒性は非常に強く、食用にする農作物には有毒成分が残留したり、特有の臭いが付着したり影響がある。本発明は、これらの影響を直接受けることなく忌避効果を短期間で達成することができる。
【0010】
すなわち本発明による忌避装置は、ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを直接地面に散布するのではなく、独特な構造の容器に入れ、モグラやネズミが開けたトンネル内に仕掛け、被害のあった場所だけを選択できる。そのため使用量は最小限で済み、経費も安価である。確実で即効性があり、畑などでは効果を確認後、除去も容易であるため、農作物に与える影響も更に軽減される。
【0011】
次に本発明による装置の構造を示す。本発明に使用するショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンは、ごく一般的に販売をされている防虫剤を使用しても構わない。直径が0.5センチメートルから5センチメートルが良く、望ましくは1センチメートルから5センチメートルの、長さが5センチメートルから50センチメートルが良く、望ましくは10センチメートルから25センチメートルの円筒状が好ましいプラスチック容器を使用する。筒の形状は多角形の筒状でも良く、特別太さや長さにこだわる必要はなく、効果が適切に得られるものであれば良いが、これらによって本発明を妨げるものではない。この容器には中程に直径0.5センチメートル程度の穴が数個開いている。この筒状の容器は、地面に刺さりやすいように、先が尖っている。この中に、ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを粉状あるいは固形のままあらかじめ挿入し本発明による装置となす。
【0012】
この装置を、モグラが掘ったと思われる穴に垂直に刺し込むが、このとき装置の中程に開いている穴の部分が、モグラの掘った穴の空洞部分に当るようにするのが良い。
【0013】
【発明の製造例1】
本発明による製造例を示す。直径が2.7センチメートル、長さが20センチメートルの円筒状のプラスチック製容器を作成した。この容器には中程に直径0.5センチメートル程度の穴が8個開いている。この筒状の容器は、地面に刺さりやすいように、先が尖っている。この中には、あらかじめ一般に防虫剤として市販されているショウノウを固形のまま挿入した。
【0014】
【発明の製造例2】
本発明による製造例ではショウノウを使用するが、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを使用しても良い。本発明の範囲において、ショウノウの代わりに同様の機能を有するナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを使用するのを妨げるものではない。
【0015】
すなわち本発明には、ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンが特徴とする防虫効果と、気化する際発する強烈な臭いの効果を合わせ持っている事が重要である。
【0016】
ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンの特徴を比較した時、ショウノウ、ナフタリン、パラジクロルベンゼンの順に毒性が強く、固形物あるいは粉末状のものが気化する速度は、パラジクロルベンゼン、ナフタリン、ショウノウの順にはやい。しかるに、効果を求める場合はショウノウを、更に即効性を求める場合はパラジクロルベンゼンが良い。
【0017】
前記薬剤についてショウノウは他の薬剤に比較して原料調達がやや困難でありコストもやや高い。このため一般的には、パラジクロルベンゼンが良く使用されており、ショウノウと比較してコストも安い。
【0018】
【発明の実施例1】
本実験に使用するショウノウは、ごく一般的に販売をされている5g程度の防虫剤を使用した。モグラあるいはネズミの食害が著しい畑を選択し、ショウノウを薄い紙などで簡単に包み、モグラあるいはネズミが掘ったと思われる穴に仕掛け、穴がふさがらないように軽く土をかける。望ましくはすべての穴に入れるのが良いが、通常2メートルおきぐらいに穴を選択して入れた。
【0019】
【発明の実施例2】
本実験に使用するショウノウは、ごく一般的に販売をされている5g程度の防虫剤を使用した。直径が1センチメートルから10センチメートルの球状のプラスチックの容器で、好ましくは3センチメートルから6センチメートルが良く、中程に直径0.5センチメートルの穴が数個開いたものに、5g程度のショウノウを2個ほど入れ、実験例1と同様に設置する。
【0020】
【発明の実施例3】
本実験に使用するショウノウは、ごく一般的に販売をされている防虫剤を使用した。直径が2.7センチメートル、長さが20センチメートルの円筒状のプラスチック製容器を作成した。この容器には中程に直径0.5センチメートル程度の穴が8個開いている。この筒状の容器は、地面に刺さりやすいように、先が尖っている。この中には、あらかじめ前記の市販されているショウノウを固形のまま挿入した。この装置を、中程に開いている穴の部分が、モグラの掘った穴の空洞部分に当るように垂直に刺し込んだ。
【0021】
実験例1及び実験例3による効果は明らかで高かった。いずれの場合も、モグラあるいはネズミによる被害は減少し、14日後には皆無となった。
【0022】
実験例1の場合、降雨により水分を吸収し、14日後、土中に溶けて消滅した事が判明したため、農作物への汚染など影響が心配された。
【0023】
実験例2は設置時に穴の開いた部分の方向を適切に定めなければならない事、あるいは忌避効果確認後、必要としなくなった場合の装置の除去の際、設置場所が不明朗になるなどの難があった。
【0024】
しかるに、実験例3は効率の良い忌避効果を生み、他の方法と比較して農作物への影響を考慮しても、明らかに優れている事を示した。
【0025】
【発明の効果】
現代社会において有機農法が望まれる中、地中に毒性成分が浸透し、人間の食する農作物に残留しあるいは影響をもたらすことは決してあってはならない。また、主としてモグラやネズミなど小動物による被害は農家にとって深刻な問題であり、数々の薬剤あるいは超音波など近代機器も確かな効果は得られなかった。本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0026】
本発明による装置は、モグラの穴に直に仕掛けるという発想により功を奏する。
【0027】
ショウノウ、ナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンの揮発成分だけを有効に活用できる。
【0028】
農作物の安全性と忌避効果の確実性と即効性を兼ね備えている。
【0029】
モグラあるいはネズミを殺すものではなく、忌避のみを目的とし期待通りの効果が得られる。
【0030】
使用量を必要最小限に止めることが可能で、農作物への残留や残臭等まったく弊害を与えない画期的な装置と言える。
【0031】
本発明による装置は、0.5センチメートル程度の数個の穴を残し、密閉状態にあるため、小児の誤食の可能性を低減した安全な装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】モグラ・ネズミの忌避装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 全体容器
2 キャップ
3 ショウノウ
4 開口部
Claims (3)
- ショウノウを使用し、モグラやネズミの開けた穴に仕掛けて土中に生息する小動物を追い出す忌避装置。
- ショウノウの固形物あるいは粉末を充填したプラスチック様製容器を使用し、モグラやネズミの開けた穴に仕掛けて土中に生息する小動物を追い出す忌避装置。
- 上記ショウノウの代わりに同様の機能を有するナフタリンあるいはパラジクロルベンゼンを使用した忌避装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002361511A JP2004159628A (ja) | 2002-11-08 | 2002-11-08 | モグラ・ネズミの忌避装置。 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002361511A JP2004159628A (ja) | 2002-11-08 | 2002-11-08 | モグラ・ネズミの忌避装置。 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004159628A true JP2004159628A (ja) | 2004-06-10 |
Family
ID=32809775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002361511A Pending JP2004159628A (ja) | 2002-11-08 | 2002-11-08 | モグラ・ネズミの忌避装置。 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004159628A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4730856B1 (ja) * | 2010-06-21 | 2011-07-20 | 茂 赤垣 | モグラ忌避具 |
CN105360097A (zh) * | 2015-12-15 | 2016-03-02 | 重庆亘宇园林景观工程有限公司 | 鼠洞填补器 |
-
2002
- 2002-11-08 JP JP2002361511A patent/JP2004159628A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4730856B1 (ja) * | 2010-06-21 | 2011-07-20 | 茂 赤垣 | モグラ忌避具 |
CN105360097A (zh) * | 2015-12-15 | 2016-03-02 | 重庆亘宇园林景观工程有限公司 | 鼠洞填补器 |
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