しかしながら、前記従来の情報転送装置は、コンピュータネットワーク104、情報検索クライアント101又は情報蓄積サーバ102の各負荷を考慮せずに情報転送を行なっているため、高負荷状態のときに、特に画像情報等の情報量が極めて大きな情報を転送するときに該情報の転送ができなかったり、該情報の転送に著しく時間がかかったりするという問題を有していた。
本発明はこのような現状に鑑み、高負荷状態にあっては短時間で情報の転送を行なうことができると共に、低負荷状態にあっては高品質な情報の転送を行なうことができるようにすることを目的とする。
本発明に係る第1の情報転送装置は、通信媒体を用いて互いに接続される複数のコンピュータが情報の転送を行ない、負荷の大きさに応じて転送する情報の情報量を増減する情報転送手段を備えている。
第1の情報転送装置によると、負荷の大きさに応じて転送する情報の情報量を増減する情報転送手段を備えているため、高負荷の状態にあっては転送する情報の情報量を削減して転送時間の短縮を図ることができると共に、低負荷の状態にあっては転送する情報に負荷に応じた情報を付加することができる。
本発明に係る第2の情報転送装置は、通信媒体を用いて互いに接続され、情報を蓄積し提供するサーバコンピュータと情報を要求するクライアントコンピュータとからなるコンピュータネットーワークにおいて、通信媒体の通信負荷を測定する通信負荷測定手段と、通信負荷の大きさを算出する通信負荷算出手段と、算出した通信負荷が所定の負荷よりも大きい場合には、転送を予定している転送予定情報から通信負荷に応じて情報量を削減して転送情報を作成し、算出した通信負荷が所定の負荷よりも小さい場合には、転送予定情報に通信負荷に応じて情報量を付加して転送情報を作成する転送情報作成手段と、情報を要求したクライアントコンピュータに転送情報作成手段が作成した転送情報を転送する情報転送手段とを備えている。
第2の情報転送装置によると、通信媒体の通信負荷を常に測定しておき、算出した通信負荷が所定の負荷よりも大きい場合には、転送予定情報から通信負荷に応じた情報量を削減して転送情報を作成し、算出した通信負荷が所定の負荷よりも小さい場合には、転送予定情報に通信負荷に応じた情報量を付加して転送情報を作成し、クライアントコンピュータに作成した転送情報を転送するため、高負荷の状態にあっては転送する情報の情報量を削減して転送時間の短縮を図ることができると共に、低負荷の状態にあっては転送する情報に負荷に応じた情報を付加することができる。
第2の情報転送装置において、通信負荷測定手段は、通信負荷を、通信媒体を流れるパケット数、パケットの大きさ、コリジョン数及び回線使用率のうちの少なくとも1つを用いて測定することが好ましい。
本発明に係る第3の情報転送装置は、通信媒体を用いて互いに接続され、情報を蓄積し提供するサーバコンピュータと情報を要求するクライアントコンピュータとからなるコンピュータネットーワークにおいて、サーバ又はクライアントコンピュータのシステム負荷を測定するシステム負荷測定手段と、システム負荷の大きさを算出するシステム負荷算出手段と、算出したシステム負荷が所定の負荷よりも大きい場合には、転送を予定している転送予定情報からシステム負荷に応じて情報量を削減して転送情報を作成し、算出したシステム負荷が所定の負荷よりも小さい場合には、転送予定情報にシステム負荷に応じて情報量を付加して転送情報を作成する転送情報作成手段と、情報を要求したクライアントコンピュータに転送情報作成手段が作成した転送情報を転送する情報転送手段とを備えている。
第3の情報転送装置によると、サーバ又はクライアントコンピュータのシステム負荷を常に測定しておき、算出したシステム負荷が所定の負荷よりも大きい場合には、転送予定情報から通信負荷に応じた情報量を削減して転送情報を作成し、算出したシステム負荷が所定の負荷よりも小さい場合には、転送予定情報にシステム負荷に応じた情報量を付加して転送情報を作成し、クライアントコンピュータに作成した転送情報を転送するため、高負荷の状態にあっては転送する情報の情報量を削減して転送時間の短縮を図ることができると共に、低負荷の状態にあっては転送する情報に負荷に応じた情報を付加することができる。
第3の情報転送装置において、システム負荷測定手段は、システム負荷を、コンピュータのCPU使用率、DiskI/O回数、ページイン・アウト回数、スワップイン・アウト回数、プロセス数、CPUキャッシュのヒット率、Diskキャッシュのヒット率及びシステムバスのデータ転送量のうちの少なくとも1つを用いて測定することが好ましい。
本発明に係る第4の情報転送装置は、通信媒体を用いて互いに接続され、情報を蓄積し提供するサーバコンピュータと情報を要求するクライアントコンピュータとからなるコンピュータネットーワークにおいて、通信媒体の通信負荷、サーバコンピュータのシステム負荷又はクライアントコンピュータのシステム負荷のうちの少なくとも1つを測定する負荷測定手段と、クライアントコンピュータから情報転送の要求を受け、要求を受けた情報を転送予約情報として転送の予約を行なう情報転送予約手段と、負荷測定手段により測定された負荷から転送可能な情報量を算出し、転送可能な情報量が転送予約情報の情報量よりも大きい場合に転送予約情報の転送開始を指示する負荷算出手段と、転送開始の指示によりクライアントコンピュータに転送予約情報を転送する情報転送手段とを備えている。
第4の情報転送装置によると、通信媒体の通信負荷、サーバコンピュータのシステム負荷又はクライアントコンピュータのシステム負荷のうちの少なくとも1つを常に測定しておき、クライアントコンピュータから情報転送の要求を受け、要求を受けた情報を転送予約情報として予約を行なうと共に、測定された負荷から転送可能な情報量を算出し、転送可能な情報量が転送予約情報の情報量よりも大きい場合に転送予約情報の転送開始を指示するため、要求した情報が低負荷時を待ってクライアントコンピュータに転送されることになる。
本発明に係る第5の情報転送装置は、通信媒体を用いて互いに接続され、情報を蓄積し提供するサーバコンピュータと情報を要求するクライアントコンピュータとからなるコンピュータネットーワークにおいて、サーバコンピュータにおける、クライアントコンピュータに対して転送済みの情報に情報量を付加する差分情報を作成する差分情報作成手段と、通信媒体の通信負荷、サーバコンピュータのシステム負荷又はクライアントコンピュータのシステム負荷のうちの少なくとも1つを測定する負荷測定手段と、負荷測定手段により測定された負荷から転送可能な情報量を算出し、転送可能な情報量が差分情報の情報量よりも大きい場合に差分情報の転送開始を指示する負荷算出手段と、転送開始の指示によりクライアントコンピュータに差分情報を転送する差分情報転送手段と、クライアントコンピュータの転送済みの情報に差分情報を付加する差分情報付加手段とを備えている。
第5の情報転送装置によると、通信媒体の通信負荷、サーバコンピュータのシステム負荷又はクライアントコンピュータのシステム負荷のうちの少なくとも1つを常に測定しておき、サーバコンピュータにおける、クライアントコンピュータに対して転送済みの情報に情報量を付加する差分情報を作成すると共に、測定された負荷から転送可能な情報量を算出し、転送可能な情報量が差分情報の情報量よりも大きい場合に差分情報の転送開始を指示するため、要求した情報のうちの未転送情報である差分情報が低負荷時を待ってクライアントコンピュータに転送されることになる。
本発明に係る第6の情報転送装置は、通信媒体を用いて互いに接続され、情報を蓄積し提供するサーバコンピュータと情報を要求するクライアントコンピュータとからなるコンピュータネットーワークにおいて、複数のサーバコンピュータに同一の内容の情報を蓄積する情報蓄積手段と、情報を要求するクライアントコンピュータと複数のサーバコンピュータとの通信媒体の各通信負荷又は少なくとも複数のサーバコンピュータの各システム負荷を測定する負荷測定手段と、複数のサーバコンピュータのうちの負荷が小さなサーバコンピュータに情報の転送開始を指示する負荷算出手段と、転送開始の指示によりクライアントコンピュータに情報を転送する情報転送手段とを備えている。
第6の情報転送装置によると、複数のサーバコンピュータに同一の内容の情報を蓄積すると共に、クライアントコンピュータと複数のサーバコンピュータとの通信媒体の各通信負荷又は少なくとも複数のサーバコンピュータの各システム負荷を常に測定しておき、複数のサーバコンピュータのうちの負荷が小さなサーバコンピュータに情報の転送開始を指示するため、複数のサーバコンピュータのうちの低負荷のサーバコンピュータからクライアントコンピュータに情報転送が行われることになる。
第4〜第6の情報転送装置において、負荷測定手段は、通信負荷を、通信媒体を流れるパケット数、パケットの大きさ、コリジョン数、回線使用率のうちの少なくとも1つを用いて測定すると共に、システム負荷を、コンピュータのCPU使用率、DiskI/O回数、ページイン・アウト回数、スワップイン・アウト回数、プロセス数、CPUキャッシュのヒット率、Diskキャッシュのヒット率及びシステムバスのデータ転送量のうちの少なくとも1つを用いて測定することが好ましい。
本発明に係る第1の情報転送方法は、通信媒体を用いて互いに接続される複数のコンピュータが情報の転送を行なう際に、負荷の大きさに応じて転送する情報の情報量を増減する情報転送工程を備えている。
第1の情報転送方法によると、負荷の大きさに応じて転送する情報の情報量を増減する情報転送工程を備えているため、高負荷の状態にあっては転送する情報の情報量を削減して転送時間の短縮を図ることができると共に、低負荷の状態にあっては転送する情報に負荷に応じた情報を付加することができる。
本発明に係る第2の情報転送方法は、通信媒体を用いて互いに接続され、情報を蓄積し提供するサーバコンピュータと情報を要求するクライアントコンピュータとからなるコンピュータネットーワークにおいて、通信媒体の通信負荷を測定する通信負荷測定工程と、通信負荷の大きさを算出する通信負荷算出工程と、算出した通信負荷が所定の負荷よりも大きい場合には、転送を予定している転送予定情報から通信負荷に応じて情報量を削減して転送情報を作成し、算出した通信負荷が所定の負荷よりも小さい場合には、転送予定情報に通信負荷に応じて情報量を付加して転送情報を作成する転送情報作成工程と、情報を要求したクライアントコンピュータに転送情報作成工程において作成された転送情報を転送する情報転送工程とを備えている。
第2の情報転送方法によると、通信媒体の通信負荷を常に測定しておき、算出した通信負荷が所定の負荷よりも大きい場合には、転送予定情報から通信負荷に応じた情報量を削減して転送情報を作成し、算出した通信負荷が所定の負荷よりも小さい場合には、転送予定情報に通信負荷に応じた情報量を付加して転送情報を作成し、クライアントコンピュータに作成した転送情報を転送するため、高負荷の状態にあっては転送する情報の情報量を削減して転送時間の短縮を図ることができると共に、低負荷の状態にあっては転送する情報に負荷に応じた情報を付加することができる。
第2の情報転送方法において、通信負荷測定工程は、通信負荷を、通信媒体を流れるパケット数、パケットの大きさ、コリジョン数及び回線使用率のうちの少なくとも1つを用いて測定する工程を含むことが好ましい。
本発明に係る第3の情報転送方法は、通信媒体を用いて互いに接続され、情報を蓄積し提供するサーバコンピュータと情報を要求するクライアントコンピュータとからなるコンピュータネットーワークにおける情報転送方法において、サーバ又はクライアントコンピュータのシステム負荷を測定するシステム負荷測定工程と、システム負荷の大きさを算出するシステム負荷算出工程と、算出したシステム負荷が所定の負荷よりも大きい場合には、転送を予定している転送予定情報からシステム負荷に応じて情報量を削減して転送情報を作成し、算出したシステム負荷が所定の負荷よりも小さい場合には、転送予定情報にシステム負荷に応じて情報量を付加して転送情報を作成する転送情報作成工程と、情報を要求したクライアントコンピュータに転送情報作成工程において作成された転送情報を転送する情報転送工程とを備えている。
第3の情報転送方法によると、サーバ又はクライアントコンピュータのシステム負荷を常に測定しておき、算出したシステム負荷が所定の負荷よりも大きい場合には、転送予定情報から通信負荷に応じた情報量を削減して転送情報を作成し、算出したシステム負荷が所定の負荷よりも小さい場合には、転送予定情報にシステム負荷に応じた情報量を付加して転送情報を作成し、クライアントコンピュータに作成した転送情報を転送するため、高負荷の状態にあっては転送する情報の情報量を削減して転送時間の短縮を図ることができると共に、低負荷の状態にあっては転送する情報に負荷に応じた情報を付加することができる。
第3の情報転送方法において、システム負荷測定工程は、システム負荷を、コンピュータのCPU使用率、DiskI/O回数、ページイン・アウト回数、スワップイン・アウト回数、プロセス数、CPUキャッシュのヒット率、Diskキャッシュのヒット率及びシステムバスのデータ転送量のうちの少なくとも1つを用いて測定する工程を含むことが好ましい。
本発明に係る第4の情報転送方法は、通信媒体を用いて互いに接続され、情報を蓄積し提供するサーバコンピュータと情報を要求するクライアントコンピュータとからなるコンピュータネットーワークにおいて、通信媒体の通信負荷、サーバコンピュータのシステム負荷又はクライアントコンピュータのシステム負荷のうちの少なくとも1つを測定する負荷測定工程と、クライアントコンピュータから情報転送の要求を受け、要求を受けた情報を転送予約情報として転送の予約を行なう情報転送予約工程と、負荷測定工程において測定された負荷から転送可能な情報量を算出し、転送可能な情報量が転送予約情報の情報量よりも大きい場合に転送予約情報の転送開始を指示する負荷算出工程と、転送開始の指示によりクライアントコンピュータに転送予約情報を転送する情報転送工程とを備えている。
第4の情報転送方法によると、通信媒体の通信負荷、サーバコンピュータのシステム負荷又はクライアントコンピュータのシステム負荷のうちの少なくとも1つを常に測定しておき、クライアントコンピュータから情報転送の要求を受け、要求を受けた情報を転送予約情報として予約を行なうと共に、測定された負荷から転送可能な情報量を算出し、転送可能な情報量が転送予約情報の情報量よりも大きい場合に転送予約情報の転送開始を指示するため、要求した情報が低負荷時を待ってクライアントコンピュータに転送されることになる。
本発明に係る第5の情報転送方法は、通信媒体を用いて互いに接続され、情報を蓄積し提供するサーバコンピュータと情報を要求するクライアントコンピュータとからなるコンピュータネットーワークにおいて、サーバコンピュータにおける、クライアントコンピュータに対して転送済みの情報に情報量を付加する差分情報を作成する差分情報作成工程と、通信媒体の通信負荷、サーバコンピュータのシステム負荷又はクライアントコンピュータのシステム負荷のうちの少なくとも1つを測定する負荷測定工程と、負荷測定工程において測定された負荷から転送可能な情報量を算出し、転送可能な情報量が差分情報の情報量よりも大きい場合に差分情報の転送開始を指示する負荷算出工程と、転送開始の指示によりクライアントコンピュータに差分情報を転送する差分情報転送工程と、クライアントコンピュータの転送済みの情報に差分情報を付加する差分情報付加工程とを備えている。
第5の情報転送方法によると、通信媒体の通信負荷、サーバコンピュータのシステム負荷又はクライアントコンピュータのシステム負荷のうちの少なくとも1つを常に測定しておき、サーバコンピュータにおける、クライアントコンピュータに対して転送済みの情報に情報量を付加する差分情報を作成すると共に、測定された負荷から転送可能な情報量を算出し、転送可能な情報量が差分情報の情報量よりも大きい場合に差分情報の転送開始を指示するため、要求した情報のうちの未転送情報である差分情報が低負荷時を待ってクライアントコンピュータに転送されることになる。
本発明に係る第6の情報転送方法は、通信媒体を用いて互いに接続され、情報を蓄積し提供するサーバコンピュータと情報を要求するクライアントコンピュータとからなるコンピュータネットーワークにおいて、複数のサーバコンピュータに同一の内容の情報を蓄積する情報蓄積工程と、情報を要求するクライアントコンピュータと複数のサーバコンピュータとの通信媒体の各通信負荷又は少なくとも複数のサーバコンピュータの各システム負荷を測定する負荷測定工程と、複数のサーバコンピュータのうちの負荷が小さなサーバコンピュータに情報の転送開始を指示する負荷算出工程と、転送開始の指示によりクライアントコンピュータに情報を転送する情報転送工程とを備えている。
第6の情報転送方法によると、複数のサーバコンピュータに同一の内容の情報を蓄積すると共に、クライアントコンピュータと複数のサーバコンピュータとの通信媒体の各通信負荷又は少なくとも複数のサーバコンピュータの各システム負荷を常に測定しておき、複数のサーバコンピュータのうちの負荷が小さなサーバコンピュータに情報の転送開始を指示するため、複数のサーバコンピュータのうちの低負荷のサーバコンピュータからクライアントコンピュータに情報転送が行われることになる。
第4〜第6の情報転送方法において、負荷測定工程は、通信負荷を、通信媒体を流れるパケット数、パケットの大きさ、コリジョン数、回線使用率のうちの少なくとも1つを用いて測定すると共に、システム負荷を、コンピュータのCPU使用率、DiskI/O回数、ページイン・アウト回数、スワップイン・アウト回数、プロセス数、CPUキャッシュのヒット率、Diskキャッシュのヒット率及びシステムバスのデータ転送量のうちの少なくとも1つを用いて測定する工程を含むことが好ましい。
本発明に係る第1の情報転送プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、通信媒体を用いて互いに接続され、情報を蓄積し提供するサーバコンピュータと情報を要求するクライアントコンピュータとからなるコンピュータネットーワークにおける情報転送プログラムを記録し、コンピュータを、通信媒体の通信負荷を測定する通信負荷測定手段、通信負荷の大きさを算出する通信負荷算出手段、算出した通信負荷が所定の負荷よりも大きい場合には、転送を予定している転送予定情報から通信負荷に応じて情報量を削減して転送情報を作成し、算出した通信負荷が所定の負荷よりも小さい場合には、転送予定情報に通信負荷に応じて情報量を付加して転送情報を作成する転送情報作成手段、及び情報を要求したクライアントコンピュータに転送情報作成手段において作成された転送情報を転送する情報転送手段として機能させる。
第1の情報転送プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、通信負荷測定手段は、通信負荷を、通信媒体を流れるパケット数、パケットの大きさ、コリジョン数及び回線使用率のうちの少なくとも1つを用いて測定することが好ましい。
本発明に係る第2の情報転送プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、通信媒体を用いて互いに接続され、情報を蓄積し提供するサーバコンピュータと情報を要求するクライアントコンピュータとからなるコンピュータネットーワークにおける情報転送プログラムを記録し、コンピュータを、サーバ又はクライアントコンピュータのシステム負荷を測定するシステム負荷測定手段、システム負荷の大きさを算出するシステム負荷算出手段、算出したシステム負荷が所定の負荷よりも大きい場合には、転送を予定している転送予定情報からシステム負荷に応じて情報量を削減して転送情報を作成し、算出したシステム負荷が所定の負荷よりも小さい場合には、転送予定情報にシステム負荷に応じて情報量を付加して転送情報を作成する転送情報作成手段、及び情報を要求したクライアントコンピュータに転送情報作成手段において作成された転送情報を転送する情報転送手段として機能させる。
第2の情報転送プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、システム負荷測定手段は、システム負荷を、コンピュータのCPU使用率、DiskI/O回数、ページイン・アウト回数、スワップイン・アウト回数、プロセス数、CPUキャッシュのヒット率、Diskキャッシュのヒット率及びシステムバスのデータ転送量のうちの少なくとも1つを用いて測定することが好ましい。
本発明に係る第3の情報転送プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、通信媒体を用いて互いに接続され、情報を蓄積し提供するサーバコンピュータと情報を要求するクライアントコンピュータとからなるコンピュータネットーワークにおける情報転送プログラムを記録し、コンピュータを、通信媒体の通信負荷、サーバコンピュータのシステム負荷又はクライアントコンピュータのシステム負荷のうちの少なくとも1つを測定する負荷測定手段、クライアントコンピュータから情報転送の要求を受け、要求を受けた情報を転送予約情報として転送の予約を行なう情報転送予約手段、負荷測定手段において測定された負荷から転送可能な情報量を算出し、転送可能な情報量が転送予約情報の情報量よりも大きい場合に転送予約情報の転送開始を指示する負荷算出手段、及び転送開始の指示によりクライアントコンピュータに転送予約情報を転送する情報転送手段として機能させる。
本発明に係る第4の情報転送プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、通信媒体を用いて互いに接続され、情報を蓄積し提供するサーバコンピュータと情報を要求するクライアントコンピュータとからなるコンピュータネットーワークにおける情報転送プログラムを記録し、コンピュータを、サーバコンピュータにおける、クライアントコンピュータに対して転送済みの情報に情報量を付加する差分情報を作成する差分情報作成手段、通信媒体の通信負荷、サーバコンピュータのシステム負荷又はクライアントコンピュータのシステム負荷のうちの少なくとも1つを測定する負荷測定手段、負荷測定手段において測定された負荷から転送可能な情報量を算出し、転送可能な情報量が差分情報の情報量よりも大きい場合に差分情報の転送開始を指示する負荷算出手段、転送開始の指示によりクライアントコンピュータに差分情報を転送する差分情報転送手段、及びクライアントコンピュータの転送済みの情報に差分情報を付加する差分情報付加手段として機能させる。
本発明に係る第5の情報転送プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、通信媒体を用いて互いに接続され、情報を蓄積し提供するサーバコンピュータと情報を要求するクライアントコンピュータとからなるコンピュータネットーワークにおける情報転送プログラムを記録し、コンピュータを、複数のサーバコンピュータに同一の内容の情報を蓄積する情報蓄積手段、情報を要求するクライアントコンピュータと複数のサーバコンピュータとの通信媒体の各通信負荷又は少なくとも複数のサーバコンピュータの各システム負荷を測定する負荷測定手段、複数のサーバコンピュータのうちの負荷が小さなサーバコンピュータに情報の転送開始を指示する負荷算出手段、及び転送開始の指示によりクライアントコンピュータに情報を転送する情報転送手段として機能させる。
第3〜第5の情報転送プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、負荷測定手段は、通信負荷を、通信媒体を流れるパケット数、パケットの大きさ、コリジョン数、回線使用率のうちの少なくとも1つを用いて測定すると共に、システム負荷を、コンピュータのCPU使用率、DiskI/O回数、ページイン・アウト回数、スワップイン・アウト回数、プロセス数、CPUキャッシュのヒット率、Diskキャッシュのヒット率及びシステムバスのデータ転送量のうちの少なくとも1つを用いて測定することが好ましい。
本発明に係る第1の情報転送装置又は本発明に係る第1の情報転送方法によると、ネットワークシステムが高負荷の状態にあっては、転送する情報の情報量を削減して転送時間の短縮を図ることができるため、待ち時間を発生させることなく必要な情報を得ることができる。また、低負荷の状態にあっては転送する情報に負荷に応じた情報を付加することができるため、情報の品質を向上させるための情報を付加することができる。
本発明に係る第2の情報転送装置又は本発明に係る第2の情報転送方法によると、通信媒体の通信負荷が高負荷の状態にあっては、転送する情報の情報量を削減して転送時間の短縮を図ることができるため、待ち時間を発生させることなく必要な情報を得ることができる。また、低負荷の状態にあっては転送する情報に負荷に応じた情報を付加することができるため、情報の品質を向上させるための情報を付加することができる。
第2の情報転送装置又は第2の情報転送方法において、通信負荷の測定に、通信媒体を流れるパケット数、パケットの大きさ、コリジョン数及び回線使用率のうちの少なくとも1つを用いると、確実に通信負荷を測定することができる。
本発明に係る第3の情報転送装置又は本発明に係る第3の情報転送方法によると、コンピュータのシステム負荷が高負荷の状態にあっては、転送する情報の情報量を削減して転送時間の短縮を図ることができるため、待ち時間を発生させることなく必要な情報を得ることができる。また、低負荷の状態にあっては転送する情報に負荷に応じた情報を付加することができるため、情報の品質を向上させるための情報を付加することができる。
第3の情報転送装置又は第3の情報転送方法において、システム負荷の測定に、コンピュータのCPU使用率、DiskI/O回数、ページイン・アウト回数、スワップイン・アウト回数、プロセス数、CPUキャッシュのヒット率、Diskキャッシュのヒット率及びシステムバスのデータ転送量のうちの少なくとも1つを用いると、確実にシステム負荷を測定することができる。
本発明に係る第4の情報転送装置又は本発明に係る第4の情報転送方法によると、要求した情報が低負荷時を待ってクライアントコンピュータに転送されるため、クライアントコンピュータに所望するすべての情報を確実に転送することができる。
本発明に係る第5の情報転送装置又は本発明に係る第5の情報転送方法によると、要求した情報のうちの未転送情報である差分情報が低負荷時を待ってクライアントコンピュータに転送されるため、先に転送されていた情報に該差分情報を付加することができるので、先に転送されていた情報の品質を高めることができる。
本発明に係る第6の情報転送装置又は本発明に係る第6の情報転送方法によると、複数のサーバコンピュータのうちの低負荷のサーバコンピュータからクライアントコンピュータに情報転送が行われるため、クライアントコンピュータに待ち時間をほとんど発生させることなく所望する情報を転送することができる。
第4〜第6の情報転送装置又は第4〜第6の情報転送方法によると、通信負荷の測定に、通信媒体を流れるパケット数、パケットの大きさ、コリジョン数、回線使用率のうちの少なくとも1つを用いると共に、システム負荷の測定に、コンピュータのCPU使用率、DiskI/O回数、ページイン・アウト回数、スワップイン・アウト回数、プロセス数、CPUキャッシュのヒット率、Diskキャッシュのヒット率及びシステムバスのデータ転送量のうちの少なくとも1つを用いると、通信負荷又はシステム負荷を確実に測定することができる。
また、本発明に係る情報転送方法のいずれか1つをコンピュータに実現させる情報転送プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によると、該情報転送プログラムをネットワークに接続されたコンピュータに実行させることにより、前記情報転送方法のいずれか1つと同様の効果を得られる。
本発明に係る情報転送装置が想定する情報は、静止画像、動画像、音声情報等であって、コンピュータ上に蓄積すれば膨大な量、例えば最低でも数Mbyte以上のデータ量となる。従って、これらの情報をコンピュータネットワークを介して接続されたコンピュータに転送する場合には数Mbyte以上のデータ量を転送することになり、送受信を行なうコンピュータ及び転送路であるコンピュータネットワークに多大な負荷がかかるため、情報の転送ができなかったり、転送に著しく時間がかかったりする。また、サーバコンピュータやクライアントコンピュータのみならず他の資源にも大きな影響を及ぼすことになり、送受信を行なう他のコンピュータやコンピュータネットワークを利用した他のジョブが完了できない場合もある。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態はクライアントコンピュータからサーバコンピュータに情報の転送の要求があった場合に、あらかじめ蓄積しておいた負荷情報を用いて転送路である通信媒体としてのコンピュータネットワークの通信負荷を算出し、負荷に応じて転送可能な転送情報を新たに作成して、これを短時間(クライアントが所望する時間)のうちに転送する。
例えば、通信負荷が大きい場合には、静止画像情報であるなら情報を表現する画素数・カラー表現色数等の削減、動画像情報であるなら時間成分の削減又は音声情報であるなら高周波成分の削減等によって情報量を減らした転送情報を新たに作成し、所望する時間内に転送する。また、通信負荷が小さい場合には、静止画像情報であるなら情報を表現する画素数・カラー表現色数等の付加、動画像情報であるなら時間成分の付加又は音声情報であるなら高周波成分の付加等によって情報量を増やした転送情報を新たに作成し、品質を高めた情報を転送する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る情報転送装置のシステム構成図である。図1に示すように、情報の検索要求を行なうクライアントコンピュータである情報検索クライアント11と情報を蓄積し該情報を提供するサーバコンピュータである情報蓄積サーバ12とが通信媒体としてのLAN(ローカルエリアネットワーク)等のコンピュータネットワーク13を介して接続されている。
本情報転送装置は、コンピュータネットワーク13に接続され、コンピュータネットワーク13の通信負荷を常時測定し、通信負荷データベース22に測定結果を通信負荷情報として蓄積する通信負荷測定手段21と、情報検索クライアント11が情報蓄積サーバ12に検索要求を依頼したときに通信負荷データベース22からその時点に最も近い過去の通信負荷情報を抽出し、該通信負荷情報に応じて転送が可能な情報量を算出する通信負荷算出手段23と、転送予定データベース12aから抽出された転送予定情報が転送が可能な情報量よりも大きい場合には、転送予定情報から通信負荷に応じて情報量を削減して転送情報を作成した後、転送情報データベース12cに蓄積し、また、転送予定情報が転送が可能な情報量よりも小さい場合には、転送予定情報に通信負荷に応じて情報量を付加して転送情報を作成した後、転送情報データベース12cに蓄積する転送情報作成手段12bと、情報蓄積サーバ12の転送情報データベース12cから転送情報を抽出し、情報検索クライアント11に転送情報を転送する情報転送手段24とを備えている。
以下、前記のように構成された情報転送装置の情報転送方法を図面を参照しながら説明する。
まず、図2の通信負荷測定工程のフローに示すように、図1に示す通信負荷測定手段21は、例えば1分ごとにコンピュータネットワーク13上を流れる一定期間(例えば1秒間)のパケット数とその大きさを測定し、パケット量(パケット量=パケット数×大きさ)を算出して、通信負荷データベース22内の図3に示す通信負荷情報テーブル22aのパケット量を表わす項に測定時刻と共に登録する。また、例えば1分ごとにコンピュータネットワーク13上で発生する一定期間(例えば1分間)のコリジョン数を測定し、通信負荷情報テーブル22aのコリジョン数を表わす項に測定時刻と共に登録する。また、同時刻に測定されたパケット量とコリジョン数とから負荷係数(例えば、負荷係数=パケット量+コリジョン数)を算出し、通信負荷情報テーブル22aの該当する時刻の負荷係数を表わす項に登録する。
なお、パケット数やその大きさ、コリジョン数の測定は既存のネットワークモニタリングツール等を用いて行なえばよく、特に限定はしない。パケット量及びコリジョン数の測定間隔や測定期間も特に限定はしない。
また、負荷係数の算出時には項目ごとに重み付けを行なってから加算してもよい。例えば、通信の状態に応じてパケット量又はコリジョン数のいずれかに加重したり、又は過去に遡るほど重み付けを軽くしたりする方法等が考えられる。さらに、回線使用率を測定し、負荷係数の算出時に用いてもよい。
次に、図4の通信負荷算出工程のフローに示すように、図1に示す通信負荷算出手段23は、情報検索クライアント11が情報蓄積サーバ12に対して情報の検索要求を行なった時点で、コンピュータネットワーク13の通信負荷の算出を始める。
すなわち、図5に示すように、情報蓄積サーバ12から受信したメッセージである情報検索依頼形式50から依頼時刻を抽出し、図3に示す通信負荷情報テーブル22aの測定時刻から情報検索クライアント11が検索依頼を行なった時刻に最も近い過去の時刻を持つレコードを検索して負荷係数を抽出する。その後、図6に示す、負荷係数に応じて1秒当りに転送可能な情報量を算出する指標となる転送可能情報量算出曲線51を用いて抽出した負荷係数から1秒当りの転送可能情報量を求める。
図6に示す転送可能情報量算出曲線51は、例えば、基準となる負荷係数を基準係数L0 とし、基準係数L0 のときの転送可能情報量を基準情報量I0 とすると、通信負荷情報テーブル22aから抽出された負荷係数が基準係数L0 よりも大きい場合は、転送可能情報量が基準情報量I0 よりも小さくなり、基準係数L0 よりも小さい場合は転送可能情報量が基準情報量I0 よりも大きくなるように設定されている。なお、転送可能情報量算出曲線51はネットワーク環境に即したものが望ましく、実際の環境で負荷を変えながら転送可能情報量を測定して作成してもよいが、転送可能情報量算出曲線51の作成方法は特に限定されない。
また、図3に示す通信負荷情報テーブル22aから負荷係数を抽出する際に過去の一定期間(例えば10分間)の負荷係数の重み付けを行なった後に平均値を算出してもよい。
次に、図7の転送情報作成工程のフローに示すように、図1に示す転送情報作成手段12bは、通信負荷算出手段23により求められた1秒当りの転送可能情報量に基づいて情報蓄積サーバ12上の転送予定情報12aから転送情報を作成し転送情報データベース12cに蓄積する。
すなわち、図5に示す情報検索依頼形式50から制限時間を抽出し、制限時間内で転送できる転送情報量(転送情報量=制限時間×1秒当りの転送可能情報量)を1秒当りの転送可能情報量から算出する。
算出した転送情報量が初期の情報量である転送予定情報量よりも小さい場合(転送情報量<転送予定情報量)には転送予定情報の情報量を転送情報量にまで削減し、新たな転送情報を作成する。また、算出した転送情報量が転送予定情報量よりも等しいか大きい場合(転送情報量>=転送予定情報量)には、転送予定情報の情報量に付加情報を転送情報量になるまで付加し、新たな転送情報を作成する。その後、転送情報データベース12cに新たに作成した転送情報を蓄積する。
なお、転送情報は、画素数の増減、高周波成分の増減、カラー表示色の増減、グレイスケール表示色の増減又は時間軸成分の増減などを行なって作成すればよく、特に限定するものではない。また、算出した転送情報量が転送予定情報量よりも等しいか大きい場合(転送情報量>=転送予定情報量)には、新たに情報を付加することなく、転送予定情報をそのまま転送情報としてもよい。
次に、図8の情報転送工程のフローに示すように、図1に示す情報転送手段24は、情報蓄積サーバ12から転送情報を抽出し情報検索クライアント11に転送情報を配送する。
すなわち、情報蓄積サーバ12の転送情報データベース12cから転送情報を抽出すると共に、図5に示す情報検索依頼形式50から依頼元アドレスを抽出し、コンピュータネットワーク13を通して、依頼元アドレスに示された情報検索クライアント11に情報蓄積サーバ12により作成された転送情報を転送し、情報検索クライアント11の記憶装置に蓄積する。
なお、転送方法は、通常提供されているファイル転送等を用いればよく、特に限定されない。
以上のように本実施形態によると、検索依頼時のコンピュータネットワーク13の負荷に応じ、通信負荷が大きい場合には情報量を削減することにより所望の時間内に必要な情報を検索することができると共に、負荷が小さい場合には情報量を付加することによってさらに高品質な情報を情報検索クライアント11に提供することができる。
なお、通信負荷測定手段21、通信負荷データベース22、通信負荷算出手段23、転送情報作成手段12b、転送情報データベース12c及び情報転送手段24の各設置場所は、いずれも本実施形態に限定されるものではなく、ネットワークを通してアクセス可能なコンピュータ上に設けてあればよい。
また、本実施形態に係る情報転送方法を実現する情報転送装置としてのコンピュータは、CPU、主記憶装置、磁気ディスク装置や光ディスク装置等の補助記憶装置、マン・マシン・インタフェースとなる入出力装置、モデム等のデータ回線終端装置を含む構成であればよい。
従って、本実施形態に係る情報転送方法を実現する情報転送プログラムを作成すると共に、前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体に該情報転送プログラムを記録しておけば、該記録媒体を該コンピュータの補助記憶装置に装填することにより、本実施形態に係る情報転送プログラムが前記コンピュータの主記憶装置にロードされ、所定の動作タイミング(=イベント)が発生したときに、該コンピュータのCPUによって各手段の所定機能が実行される。
なお、以下に述べる各実施形態に係る情報転送装置を実現するコンピュータは、本実施形態に係る情報転送装置を実現するコンピュータの構成と同様の構成を有している。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態はクライアントコンピュータからサーバコンピュータに情報の転送の要求があった場合に、あらかじめ蓄積しておいた負荷情報を用いて送受信を行なうコンピュータのシステム負荷を算出し、負荷に応じて転送可能な転送情報を新たに作成し、短時間(クライアントが所望する時間)のうちに転送する。
例えば、システム負荷が大きい場合には、静止画像情報であるなら情報を表現する画素数・カラー表現色数等の削減、動画像情報であるなら時間成分の削減又は音声情報であるなら高周波成分の削減等によって情報量を減らした転送情報を新たに作成し、所望する時間内に転送する。また、システム負荷が小さい場合には、静止画像情報であるなら情報を表現する画素数・カラー表現色数等の付加、動画像情報であるなら時間成分の付加又は音声情報であるなら高周波成分の付加等によって情報量を増やした転送情報を新たに作成し、品質を高めた情報を転送する。
図9は本発明の第2の実施形態に係る情報転送装置のシステム構成図である。図9に示すように、情報の検索要求を行なうクライアントコンピュータである情報検索クライアント11と情報を蓄積し該情報を提供するサーバコンピュータである情報蓄積サーバ12とが通信媒体としてのLAN等のコンピュータネットワーク13を介して接続されている。
本情報転送装置は、情報検索クライアント11及び情報蓄積サーバ12に接続され、両コンピュータ11,12のシステム負荷を常時測定し、システム負荷データベース26に測定結果をシステム負荷情報として蓄積するシステム負荷測定手段25と、情報検索クライアント11が情報蓄積サーバ12に検索要求を依頼したときにシステム負荷データベース26からその時点に最も近い過去のシステム負荷情報を抽出し、該システム負荷情報に応じて転送が可能な情報量を算出するシステム負荷算出手段27と、転送予定データベース12aから抽出された転送予定情報が転送が可能な情報量よりも大きい場合には、転送予定情報からシステム負荷に応じて情報量を削減して転送情報を作成した後、転送情報データベース12cに蓄積し、また、転送予定情報が転送が可能な情報量よりも小さい場合には、転送予定情報にシステム負荷に応じて情報量を付加して転送情報を作成した後、転送情報データベース12cに蓄積する転送情報作成手段12bと、情報蓄積サーバ12の転送情報データベース12cから転送情報を抽出し、情報検索クライアント11に転送情報を転送する情報転送手段24とを備えている。
以下、前記のように構成された情報転送装置の情報転送方法を図面を参照しながら説明する。
まず、図10のシステム負荷測定工程のフローに示すように、図9に示すシステム負荷測定手段25は、例えば1分ごとに一定期間(例えば1秒間)の情報蓄積サーバ12及び情報検索クライアント11のシステム負荷を測定し、システム負荷データベース26内の図11に示すサーバ負荷情報テーブル26a及び図12に示すクライアント負荷情報テーブル26bの該当する各項にCPU使用率、DiskI/O回数及びページイン・アウト回数を測定時刻と共にそれぞれ登録する。また、同時刻に測定されたCPU使用率、DiskI/O回数及びページイン・アウト回数から負荷係数(例えば、=CPU使用率+DiskI/O回数+ページイン・アウト回数)を算出し、サーバ負荷情報テーブル26a及びクライアント負荷情報テーブル26bの該当する時刻の負荷係数を表わす項に算出した負荷係数を登録する。
なお、CPU使用率、DiskI/O回数又はページイン・アウト回数の測定は既存のシステムモニタリングツール等を用いて行なえばよく、その測定方法は特に限定されない。CPU使用率、DiskI/O回数又はページイン・アウト回数の測定間隔や測定期間も特に限定はしない。また、負荷係数の算出時には項目ごとに重み付けを行なってから加算してもよい。例えば、通信の状態に応じてCPU使用率、DiskI/O回数又はページイン・アウト回数のいずれかに加重したり、又は過去に遡るほど同一項目の重み付けを小さくしたりする方法等が考えられる。
また、スワップイン・アウト回数、プロセス数、CPUキャッシュのヒット率、Diskキャッシュのヒット率又はシステムバスのデータ転送量を測定し、負荷係数の算出時に用いてもよい。
次に、図13のシステム負荷算出工程のフローに示すように、図9に示すシステム負荷算出手段27は、情報検索クライアント11が情報蓄積サーバ12に対して情報の検索要求を行なった時点で、情報蓄積サーバ12及び報検索クライアント11の各システム負荷の算出を開始する。
すなわち、図5に示す、情報蓄積サーバ12から受信したメッセージである情報検索依頼形式50から依頼時刻を抽出し、図11に示すサーバ負荷情報テーブル26a及び図12に示すクライアント負荷情報テーブル26bの各測定時刻から情報検索クライアント11が検索依頼を行なった時刻に最も近い過去の時刻を持つレコードをそれぞれ検索して負荷係数を抽出する。その後、図6に示す、負荷係数に応じて1秒当りの転送可能な情報量を算出する指標となる転送可能情報量算出曲線51を用いて抽出した負荷係数から1秒当りの転送可能情報量を求める。
なお、転送可能情報量算出曲線51はシステム環境に即したものが望ましく、実際の環境下で負荷を変えながら転送可能情報量を測定して作成してもよいが、転送可能情報量算出曲線51の作成方法は特に限定されない。
また、図11に示すサーバ負荷情報テーブル26a及び図12に示すクライアント負荷情報テーブル26bから各負荷係数を抽出する際に過去の一定期間(例えば10分間)の各テーブル26a,26b内の各項目ごとに重み付けを行なってから負荷係数の平均値を算出してもよい。さらに、情報蓄積サーバ12及び情報検索クライアント11の各負荷係数の平均値を求める場合に各負荷係数に重み付けを行なった後に平均値を算出してもよい。
図9に示す転送情報作成手段12b及び情報転送手段24は、第1の実施形態における対応する各手段とそれぞれ同様の動作を行なうため説明を省略する。
以上のように本実施形態によると、検索依頼時の情報蓄積サーバ12及び情報検索クライアント11の各システム負荷に応じ、システムの負荷が大きい場合には情報量を削減することによって所望の時間内に必要な情報を検索することができると共に、システムの負荷が小さい場合には情報量を付加することによってさらに高品質な情報を情報検索クライアント11に提供することができる。
なお、システム負荷測定手段25、システム負荷データベース26、システム負荷算出手段27、転送情報作成手段12b、転送情報データベース12c及び情報転送手段24の各設置場所は、いずれも本実施形態に限定されるものではなく、ネットワークを通してアクセス可能なコンピュータ上に設けてあればよい。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態は常に測定し蓄積している負荷情報を用いて、送受信を行なうコンピュータのシステム負荷及び転送路であるコンピュータネットワークの通信負荷を算出し、負荷が小さい場合にのみ要求された情報を転送するように予約しておき、実際に負荷が小さくなったときに該情報を転送する。
すなわち、システム負荷又は通信負荷が小さくなり、所望する時間内に転送が可能になった時点で該情報の転送が行なわれる。
図14は本発明の第3の実施形態に係る情報転送装置のシステム構成図である。図14に示すように、情報の検索要求を行なうクライアントコンピュータである情報検索クライアント11と情報を蓄積し該情報を提供するサーバコンピュータである情報蓄積サーバ12とが通信媒体としてのLAN等のコンピュータネットワーク13を介して接続されている。
本情報転送装置は、コンピュータネットワーク13、情報検索クライアント11及び情報蓄積サーバ12にそれぞれ接続され、コンピュータネットワーク13の通信負荷と両コンピュータ11,12のシステム負荷とを常時測定し、負荷データベース29に測定結果を負荷情報として蓄積する負荷測定手段28と、情報検索クライアント11が情報蓄積サーバ12に検索要求を依頼したときに負荷データベース29からその時点に最も近い過去の負荷情報を抽出し、該負荷情報に応じて転送が可能な情報量を算出すると共に、転送予約データベース12dから抽出された転送予約情報が転送が可能な情報量よりも大きい場合には情報の転送を保留し、また、転送予約情報が転送が可能な情報量よりも小さい場合には情報転送手段24に情報の転送開始を指示する負荷算出手段31と、負荷算出手段31からの開始指示を受けて情報蓄積サーバ12の転送情報データベース12cから要求を受けた転送情報を抽出し、情報検索クライアント11に転送情報を転送する情報転送手段24とを備えている。
以下、前記のように構成された情報転送装置の情報転送方法を図面を参照しながら説明する。
まず、図15の負荷測定工程のフローに示すように、図14に示す負荷測定手段28は、例えば1分ごとにコンピュータネットワーク13上を流れる一定期間(例えば1秒間)のパケット数とその大きさとを測定し、パケット量(パケット量=パケット数×大きさ)を算出して、負荷データベース29内の図3に示す通信負荷情報テーブル29aのパケット量を表わす項に測定時刻と共に登録する。また、例えば1分ごとにコンピュータネットワーク13上で発生する一定期間(例えば1分間)のコリジョン数を測定し、通信負荷情報テーブル29aのコリジョン数を表わす項に測定時刻と共に登録する。また、同時刻に測定されたパケット量とコリジョン数とから負荷係数(例えば、負荷係数=パケット量+コリジョン数)を算出し、通信負荷情報テーブル29aの該当する時刻の負荷係数を表わす項に登録する。
なお、パケット数やその大きさ、コリジョン数の測定は既存のネットワークモニタリングツール等を用いて行なえばよく、特に限定はしない。パケット量及びコリジョン数の測定間隔や測定期間も特に限定はしない。
また、負荷係数算出時には項目ごとに重み付けを行なってから加算してもよい。例えば、通信の状態に応じてパケット量又はコリジョン数のいずれかに加重したり、又は過去に遡るほど重み付けを小さくしたりする方法等が考えられる。さらに、回線使用率を測定し、負荷係数の算出時に用いてもよい。
また、負荷測定手段28は、例えば1分ごとに一定期間(例えば1秒間)の情報蓄積サーバ12及び情報検索クライアント11のシステム負荷を測定し、負荷データベース29内の図11に示すサーバ負荷情報テーブル29b及び図12に示すクライアント負荷情報テーブル29cの該当する各項にCPU使用率、DiskI/O回数及びページイン・アウト回数を測定時刻と共にそれぞれ登録する。また、同時刻に測定されたCPU使用率、DiskI/O回数及びページイン・アウト回数から負荷係数(例えば、負荷係数=CPU使用率+DiskI/O回数+ページイン・アウト回数)を算出し、サーバ負荷情報テーブル29b及びクライアント負荷情報テーブル29cの該当する時刻の負荷係数を表わす項に算出した負荷係数をそれぞれ登録する。
なお、CPU使用率、DiskI/O回数又はページイン・アウト回数の測定は既存のシステムモニタリングツール等を用いて行なえばよく、その測定方法は特に限定されない。CPU使用率、DiskI/O回数又はページイン・アウト回数の測定間隔や測定期間も特に限定はされない。また、負荷係数算出時には項目ごとに重み付けを行なってから加算してもよい。例えば、通信の状態に応じてCPU使用率、DiskI/O回数又はページイン・アウト回数のいずれかに加重したり、又は過去に遡るほど同一項目の重み付けを小さくしたりする方法等が考えられる。
また、スワップイン・アウト回数、プロセス数、CPUキャッシュのヒット率、Diskキャッシュのヒット率又はシステムバスのデータ転送量を測定し、負荷係数の算出時に用いてもよい。
次に、図16の情報転送予約工程のフローに示すように、図14に示す情報転送予約手段30は、情報検索クライアント11が情報蓄積サーバ12に対して情報の検索要求を行なうと同時に、転送予約データベース12d内の図17に示す情報転送予約テーブル120dに情報検索クライアント11のアドレスである依頼元アドレス、情報を識別するための情報ID及び転送所要時間の許容範囲を示す制限時間をそれぞれ登録する。また、情報IDから該情報の情報量を検出し、情報転送予約テーブル120dの該当する情報量の項目に登録する。
次に、図18の負荷算出工程のフローに示すように、図14に示す負荷算出手段31は、情報検索クライアント11が情報蓄積サーバ12に対して情報の検索要求を行なった時点で、例えば1分ごとにコンピュータネットワーク13の通信負荷並びに情報蓄積サーバ12及び情報検索クライアント11の各システム負荷を算出する。
すなわち、転送予約データベース12d内の図17に示す情報転送予約テーブル120dのレコード数を1分ごとに検索し、登録されているレコードがあればすべて抽出し、予約されている情報の情報量を抽出すると共に、図3に示す通信負荷情報テーブル29a並びに図11に示すサーバ負荷情報テーブル29b及び図12に示すクライアント負荷情報テーブル29cの各測定時刻から現時刻に最も近い過去の時刻を持つレコードをそれぞれ検索して負荷係数を抽出し、例えば平均値を求めることによって総合的な負荷係数を算出する。次に、図6に示す1秒当りの転送可能情報量算出曲線51を用いて算出した新たな負荷係数から1秒当りの転送可能情報量を求めた後、図17に示す情報転送予約テーブル120dから該当する情報の制限時間を抽出し、1秒当りの転送可能情報量に該制限時間を乗じて転送可能情報量を算出する。次に、転送予約されている情報の情報量が転送可能情報量より小さければ(転送予約情報量<転送可能情報量)、予約されている情報の転送を開始するように情報転送手段24に指示を送った後、情報転送予約テーブル120dから該当する予約情報のレコードを削除する。
なお、転送可能情報量算出曲線51はネットワーク及びシステム環境に即したものが望ましく、実際の環境で負荷を変えながら転送可能情報量を測定して作成してもよいが、作成方法は特に限定されない。
また、通信負荷情報テーブル29a、サーバ負荷情報テーブル29b及びクライアント負荷情報テーブル29cから各負荷係数をそれぞれ抽出する際に過去の一定期間(例えば10分間)の各テーブル内の項目ごとに重み付けを行なってから負荷係数の平均値を算出してもよい。さらに、通信負荷、サーバ負荷及びクライアント負荷の3つの負荷係数から平均値を算出するときに、各テーブルごとの負荷係数に重み付けを行った後に平均値を算出してもよい。
次に、図19の情報転送工程のフローに示すように、図14に示す情報転送手段24は、負荷算出手段31からの転送開始の指示を受けると、情報蓄積サーバ12の転送情報データベース12cから該当する転送情報を抽出し、コンピュータネットワーク13を通して情報検索クライアント11に該転送情報を転送する。
なお、転送方法は、通常提供されているファイル転送等を用いればよく、特に限定されない。
以上のように本実施形態によると、コンピュータネットワーク13、サーバ及びクライアントコンピュータ12,11の負荷の状態を常時測定しているため、総合的な負荷が小さくなったときに情報蓄積サーバから所望する情報を得ることができる。
なお、本実施形態においては、コンピュータネットワーク13、サーバ及びクライアントコンピュータ12,11のすべての負荷を測定しているが、これらのうちのいずれか1つ又は2つを測定してもよい。
また、負荷測定手段28、負荷データベース29、情報転送予約手段30、負荷算出手段31、転送予約データベース12d及び情報転送手段24の各設置場所は、いずれも本実施形態に限定されるものではなく、ネットワークを通じてアクセス可能なコンピュータ上に設けてあればよい。
(第4の実施形態)
本実施形態は、システム負荷又は通信負荷が高負荷のときに情報量を減らして転送した転送済みの情報に対して、常に測定し蓄積している負荷情報を用いて、送受信を行なうコンピュータのシステム負荷又は転送路であるコンピュータネットワークの通信負荷を算出し、負荷が小さくなったときに、作成しておいた転送済みの情報の差分情報を転送して先の情報に付加することにより、情報の品質を高める。
例えば、負荷が過去1か月の平均値よりも小さくなった時点で、静止画像情報であるなら情報を表現する画素数・カラー表現色数等の付加、動画像情報であるなら時間成分の付加、音声情報であるなら高周波成分の付加をするために作成しておいたこれら差分情報を転送し、転送済みの情報に付加する。
図20は本発明の第4の実施形態に係る情報転送装置のシステム構成図である。図20に示すように、情報の検索要求を行なうクライアントコンピュータである情報検索クライアント11と情報を蓄積し該情報を提供するサーバコンピュータである情報蓄積サーバ12とが通信媒体としてのLAN等のコンピュータネットワーク13を介して接続されている。
本情報転送装置は、コンピュータネットワーク13、情報検索クライアント11及び情報蓄積サーバ12にそれぞれ接続され、コンピュータネットワーク13の通信負荷と両コンピュータ11,12のシステム負荷とを常時測定し、負荷データベース29に測定結果を負荷情報として蓄積する負荷測定手段28と、情報蓄積サーバ12から情報検索クライアント11に対して既に転送した情報に情報量を付加する差分情報を作成し、サーバ側差分情報データベース12fに蓄積する差分情報作成手段12eと、サーバ側差分情報データベース12fを一定の周期で検索し、差分情報のレコードがあれば、負荷データベース29からその時点に最も近い過去の負荷情報を抽出し、該負荷情報に応じて転送が可能な情報量を算出すると共に、サーバ側差分情報データベース12fから抽出された差分情報が転送が可能な情報量よりも大きい場合には差分情報の転送を保留し、また、差分情報が転送が可能な情報量よりも小さい場合には差分情報転送手段32に情報の転送開始を指示する負荷算出手段31と、負荷算出手段31からの開始指示を受けて情報蓄積サーバ12のサーバ側差分情報データベース12fから該当する差分情報を抽出し、情報検索クライアント11に差分情報を転送する差分情報転送手段32とを備えている。さらに、情報検索クライアント11は、転送された差分情報をクライアント側差分情報データベース11cから抽出すると共に、データベース11aから先に転送されている転送情報を抽出し、該転送情報に該差分情報を付加する差分情報付加手段11bを有している。
以下、前記のように構成された情報転送装置の情報転送方法を図面を参照しながら説明する。
まず、図20に示す負荷測定手段28は、常時、コンピュータネットワーク13の通信負荷並びに情報蓄積サーバ12及び情報検索クライアント11の各システム負荷を測定している。その動作の詳細は前記の第3の実施形態の負荷測定手段28と同様であるので、説明を省略する。
次に、図21の差分情報作成工程のフローに示すように、図20に示す差分情報作成手段12eは、先に情報検索クライアント11に転送した転送情報の情報量を負荷するための差分情報を作成する。
すなわち、情報蓄積サーバ12から情報検索クライアント11に、コンピュータネットワーク13の通信負荷、情報蓄積サーバ12又は情報検索クライアント11のシステム負荷が大きなために情報量を削減した情報を転送する時点で、転送情報の情報量を増加させるための差分情報を作成し、情報蓄積サーバ12のサーバ側差分情報データベース12fに蓄積すると共に、図22に示す差分情報管理テーブル120fの各項に、情報を要求する情報検索クライアント11のアドレスである依頼元アドレス、情報を識別するための情報ID及び差分情報を識別するための差分情報IDをそれぞれ登録する。
なお、差分情報は、画素数の増加、高周波成分の増加、カラー表示色の増加、グレイスケール表示色の増加及び時間軸成分の増加等が行なえるように作成すればよく、特に限定はされない。また、差分情報の作成時期は情報の転送と同時に行なっているが、特に制限を設けるものではなくいつ作成してもよい。
次に、図23の負荷算出工程のフローに示すように、図20に示す負荷算出手段31は、図3に示す通信負荷情報テーブル29a、図11に示すサーバ負荷情報テーブル29b及び図12に示すクライアント負荷情報テーブル29cの各測定時刻から、例えば、1分ごとに現時刻に最も近い過去の時刻を持つレコードをそれぞれ検索して各負荷係数を抽出し、各負荷係数の平均値を求めることによって新たな負荷係数を算出する。図6に示す転送可能情報量算出曲線51を用いて新たな負荷係数から1秒当りの転送可能情報量を求める。次に、求めた転送可能情報量が過去の特定期間(例えば、1ヶ月)の特定値(例えば、平均値)よりも大きければ、サーバ側差分情報データベース12f内の図22に示す差分情報管理テーブル120fに登録されている差分管理情報を抽出し、依頼元アドレスに示される情報検索クライアント11に差分情報の転送を開始するように差分情報転送手段32に転送開始の指示を送出する。
なお、転送可能情報量算出曲線51はネットワーク及びシステム環境に即したものが望ましく、実際の環境下で負荷を変えながら転送可能情報量を測定して作成してもよいが、転送可能情報量算出曲線51の作成方法は特に限定されない。
また、図3に示す通信負荷情報テーブル29a、図11に示すサーバ負荷情報テーブル29b及び図12に示すクライアント負荷情報テーブル29cから各負荷係数を抽出する際に各テーブル29a,29b,29c内の過去の一定期間(例えば10分間)の負荷係数ごとに重み付けを行ってから平均値を算出してもよい。また、3つの負荷係数から平均値を算出する際に、各テーブル29a,29b,29cごとの負荷係数に重み付けを行なった後に平均値を算出してもよい。
次に、図24の差分情報転送工程のフローに示すように、図20に示す差分情報転送手段32は、負荷算出手段31からの転送開始の指示を受けて情報蓄積サーバ12から情報検索クライアント11に差分情報を配送する。
すなわち、負荷算出手段31から差分情報の転送指示を受けると、情報蓄積サーバ12のサーバ側差分情報データベース12fから該当する差分情報を抽出し、コンピュータネットワーク13を通して情報検索クライアント11に該差分情報を転送する。
なお、転送方法は、通常提供されているファイル転送等を用いればよく、特に限定されない。
次に、図25の差分情報付加工程のフローに示すように、図20に示す差分情報付加手段11bは、情報検索クライアント11の転送情報データベース11aに蓄積された先の転送情報及びクライアント側差分情報データベース11cに蓄積された差分情報を差分情報IDを用いて抽出し、先の転送情報に該差分情報を付加することにより、さらに高品質な情報を作成する。
以上のように本実施形態によると、コンピュータネットワーク13並びに情報蓄積サーバ12及び情報検索クライアント11のいずれかの負荷が小さいときに情報蓄積サーバ12から差分情報を抽出し、先に転送された情報に該差分情報を付加するため、情報の品質を高めることができる。
なお、本実施形態においては、コンピュータネットワーク13、サーバ及びクライアントコンピュータ12,11のすべての負荷を測定しているが、これらのうちのいずれか1つ又は2つを測定してもよい。
また、クライアント側差分情報データベース11c、差分情報作成手段12e、サーバ側差分情報データベース12f、負荷測定手段28、負荷データベース29、負荷算出手段31及び差分情報転送手段32の設置場所は、いずれも本実施形態に限定されるものではなく、ネットワークを通してアクセス可能なコンピュータ上に設けてあればよい。
(第5の実施形態)
本実施形態は、複数のサーバコンピュータにあらかじめ同一の内容の情報を蓄積しておき、クライアントコンピュータからサーバコンピュータに情報の転送要求があった場合に、常に測定し蓄積している負荷情報を用いて、送信を行なうことが可能な複数のサーバコンピュータのシステム負荷又は転送路であるコンピュータネットワークの通信負荷を算出しておき、最も負荷の小さなサーバコンピュータからクライアントコンピュータに所望の情報を転送させる。
図26は本発明の第5の実施形態に係る情報転送装置のシステム構成図である。図26に示すように、情報の検索要求を行なうクライアントコンピュータである情報検索クライアント11と情報を蓄積し該情報を提供するサーバコンピュータである情報蓄積サーバ12とが通信媒体としてのLAN等のコンピュータネットワーク13を介して接続されている。
本情報転送装置は、第1の情報蓄積サーバ2A及び第2の情報蓄積サーバ2Bに同一の転送情報を蓄積する情報蓄積手段33と、コンピュータネットワーク13、第1の情報蓄積サーバ2A及び第2の情報蓄積サーバ2Bにそれぞれ接続され、コンピュータネットワーク13の通信負荷と両サーバコンピュータ2A,2Bのシステム負荷とを常時測定し、負荷データベース35に測定結果を負荷情報として蓄積する負荷測定手段34と、一定の周期で負荷データベース35をポーリングし、負荷データベース35から、情報の依頼を受けた時点に最も近い過去の負荷情報を抽出し、該負荷情報に応じて転送が可能な情報量を算出すると共に、負荷が小さく転送が可能な情報量が大きいサーバが蓄積している情報を転送するよう情報転送手段37に該情報の転送開始を指示する負荷算出手段36と、転送開始の指示を受けた第1の情報蓄積サーバ2A又は第2の情報蓄積サーバ2Bのいずれかのデータベースから該当する転送情報を抽出し、情報検索クライアント11に該転送情報を転送する情報転送手段37とを備えている。
以下、前記のように構成された情報転送装置の情報転送方法を図面を参照しながら説明する。
まず、図27の情報蓄積工程のフローに示すように、図26に示す情報蓄積手段33は、第1の情報蓄積サーバ2A及び第2の情報蓄積サーバ2Bに同一の転送情報を蓄積する。なお、転送情報の蓄積は2つのサーバに限らず、3つ以上のサーバに対して行なってもよい。
次に、図28の負荷測定工程のフローに示すように、図26に示す負荷測定手段34は、コンピュータネットワーク13の通信負荷並びに第1の情報蓄積サーバ2A及び第2の情報蓄積サーバ2Bの各システム負荷をそれぞれ測定し蓄積する。
すなわち、例えば1分ごとに第1の情報蓄積サーバ2A及び情報検索クライアント11間のコンピュータネットワーク13を流れる一定期間(例えば1秒間)のパケット数とその大きさとを測定してパケット量(パケット量=パケット数×大きさ)を算出し、負荷データベース35における、図29に示す通信負荷情報テーブル35aのパケット量を表わす項に、算出したパケット量を対象サーバ及び測定時刻と共に登録する。また、例えば1分ごとにネットワーク内で発生する一定期間(例えば1分間)のコリジョン数を測定し、同じく通信負荷情報テーブル35aのコリジョン数を表わす項に該コリジョン数を対象サーバ及び測定時刻と共に登録する。さらに、同時刻に測定されたパケット量とコリジョン数とから負荷係数(例えば、負荷係数=パケット量+コリジョン数)を算出し、通信負荷情報テーブル35aの該当する時刻の負荷係数を表わす項に登録する。
同様に、第2の情報蓄積サーバ2B及び情報検索クライアント11間のコンピュータネットワーク13を流れるパケット数とその大きさ、コリジョン数をそれぞれ測定し、負荷係数を算出して、図29に示す通信負荷情報テーブル35aに登録する。
なお、パケット数やその大きさ、コリジョン数の測定には既存のネットワークモニタリングツール等を用いて行なえばよく、その測定方法は特に限定されない。パケット量やコリジョン数の測定間隔や測定期間も特に限定しない。
また、負荷係数の算出時には項目ごとに重み付けを行なってから加算してもよく、回線使用率を測定し、負荷係数の算出時に用いてもよい。
さらに、例えば1分ごとに一定期間(例えば1秒間)の第1の情報蓄積サーバ2A及び第2の情報蓄積サーバ2Bのシステム負荷をそれぞれ測定し、負荷データベース35における、図30に示すサーバ負荷情報テーブル35bの対応する項に各CPU使用率、各DiskI/O回数及び各ページイン・アウト回数を対象サーバ及び測定時刻と共にそれぞれ登録する。その後、同時刻に測定されたCPU使用率、DiskI/O回数及びページイン・アウト回数から各負荷係数(例えば、=CPU使用率+DiskI/O回数+ページイン・アウト回数)を算出し、サーバ負荷情報テーブル35bの該当する時刻の負荷係数を表わす項に登録する。
なお、CPU使用率、DiskI/O回数及びページイン・アウト回数の測定は既存のシステムモニタリングツールなどを用いて行なえばよく、その測定方法は特に限定されない。CPU使用率、DiskI/O回数及びページイン・アウト回数の測定間隔や測定期間も特に限定はしない。
また、負荷係数の算出時には項目ごとに重み付けを行なってから加算してもよく、スワップイン・アウト回数、プロセス数、CPUキャッシュのヒット率、Diskキャッシュのヒット率又はシステムバスのデータ転送量を測定し、負荷係数の算出時に用いてもよい。
次に、図31の負荷算出工程のフローに示すように、図26に示す負荷算出手段36は、情報検索クライアント11が各情報蓄積サーバ2A,2Bに情報の検索依頼を行なった時点で、コンピュータネットワーク13の通信負荷並びに第1の情報蓄積サーバ2A及び第2の情報蓄積サーバ2Bの各システム負荷を算出する。
すなわち、図5に示す情報検索を依頼するメッセージである情報検索依頼形式50から依頼時刻を抽出し、図29に示す通信負荷情報テーブル35a及び図30に示すサーバ負荷情報テーブル35bの各測定時刻のなかから情報検索クライアント11が検索依頼を行なった時刻に最も近い過去の時刻を持つレコードをそれぞれ検索して通信負荷及びサーバ負荷の2つの負荷係数を抽出し、その平均値を求めることによって新たな負荷係数を算出する。図6に示す転送可能情報量算出曲線51を用いて新たに算出した負荷係数から1秒当りの転送可能情報量を求める。この処理を対象とするサーバごとに行なってサーバごとの1秒当りの転送可能情報量を求め、サーバごとの1秒当りの転送可能情報量の大きさを比較し、転送可能情報量が大きいサーバから情報転送を行なうことを決定して情報転送手段37に転送開始の指示を送出する。
なお、転送可能情報量算出曲線51はネットワーク及びシステム環境に即したものが望ましく、実際の環境下で負荷を変えながら転送可能な情報量を測定して作成してもよいが、転送可能情報量算出曲線51の作成方法は特に限定されない。
また、図29に示す通信負荷情報テーブル35a及び図30に示すサーバ負荷情報テーブル35bから各負荷係数を抽出する際に過去の一定期間(例えば10分間)の各テーブル35a,35b内の負荷係数に重み付けを行なってから平均値を算出してもよく、また、2つの負荷係数から平均値を算出する際に、各テーブル35a,35bごとに負荷係数に重み付けを行なってから平均値を算出してもよい。
次に、図32の情報転送工程のフローに示すように、図26に示すように情報転送手段37は、負荷算出手段36から転送開始の指示を受け、コンピュータネットワーク13を通して第1の情報蓄積サーバ2A又は第2の情報蓄積サーバ2Bのうちの指示されたサーバから情報検索クライアント11に転送情報を転送し、情報検索クライアント11のデータベースに該転送情報を蓄積する。
なお、転送方法は、通常提供されているファイル転送などを用いればよく、特に限定されない。
以上のように本実施形態によると、同一の情報を有する複数の情報蓄積サーバを備え、コンピュータネットワーク及びサーバの負荷が小さい方の情報蓄積サーバから情報の提供を受けるため、情報検索クライアントが所望する制限時間に近い時間で情報を得ることができる。
なお、情報蓄積手段33、負荷測定手段34、負荷データベース35、負荷算出手段36及び情報転送手段37の設置場所は、いずれも本実施形態に限定されるものではなく、ネットワークを通してアクセス可能なコンピュータ上に設けてあればよい。