JP2004158551A - 酸化物半導体ペースト、多孔質酸化物半導体薄膜、光電変換素子および太陽電池 - Google Patents
酸化物半導体ペースト、多孔質酸化物半導体薄膜、光電変換素子および太陽電池 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】簡便且つより安価な手法により半導体微粒子薄膜の製造とかかる薄膜を用いることにより高い光電変換効率を有する光電変換素子ならびこの光電変換素子からなる光化学電池を提供する。
【解決手段】酸化物半導体微粒子ペーストを攪拌中に超音波を加えることにより製造されたことを特徴とする酸化物半導体高分散微粒子ペースト、それを用いることを特徴とした多孔質酸化物半導体薄膜、光電変換素子ならびに太陽電池。
【選択図】 なし
【解決手段】酸化物半導体微粒子ペーストを攪拌中に超音波を加えることにより製造されたことを特徴とする酸化物半導体高分散微粒子ペースト、それを用いることを特徴とした多孔質酸化物半導体薄膜、光電変換素子ならびに太陽電池。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は酸化半導体分散ペースト、多孔質酸化物半導体薄膜光電変換素子、および光化学電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池はクリーンな再生型エネルギー源として大きく期待されており、単結晶シリコン系、多結晶シリコン系、アモルファスシリコン系の太陽電池やテルル化カドミウム、セレン化インジウム銅などの化合物からなる太陽電池の実用化をめざした研究がなされているが、家庭用電源として普及させるためにはいずれの電池も製造コストが高いことや原材料の確保が困難なことやリサイクルの問題、また大面積化が困難であるなど克服しなければならない多くの問題を抱えている。大面積化や低価格化を目指し有機材料をを用いた太陽電池が提案されてきたがいずれも変換効率が1%程度と実用化にはほど遠いものであった。(例えば、非特許文献1 Nature第261巻、402頁、1976年)。
【0003】
こうした状況の中、1991年にグレッツェルらにより色素によって増感された半導体微粒子を用いた光電変換素子および太陽電池、ならびにこの太陽電池の作製に必要な材料および製造技術が開示された。(非特許文献2(Nature第353巻、737頁、1991年)、特許文献1(特開平1−220380))
この電池はルテニウム色素によって増感された多孔質チタニア薄膜を作用電極とする湿式太陽電池である。この太陽電池の利点は安価な材料を高純度に精製する必要なく用いれるため、安価な光電変換素子として提供であること、さらに用いられる色素の吸収がブロードであり、広い可視光の波長域にわたって太陽光を電気に変換できることである。しかしながら実用化のためにはさらなる変換効率の向上が必要であり、微粒子の凝集を防ぎ、より大量の増感色素を吸着する能力を有する半導体微粒子薄膜が必要とされている。
【0004】
【特許文献1】
特開平1−220380号公報
【非特許文献1】
Nature第261巻、402頁、1976年
【非特許文献2】
Nature第353巻、737頁、1991年
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は簡便且つより安価な手法により半導体微粒子分散ペーストおよび半導体微粒子薄膜、並びに該薄膜を用いることにより高い光電変換効率を有する光電変換素子及び該光電変換素子からなる太陽電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、酸化物半導体微粒子ペーストを攪拌中に超音波を加えることにより製造されたことを特徴とする酸化物半導体高分散微粒子ペーストに関する。
【0007】
また、本発明は、上記のペーストを用いることを特徴とした多孔質酸化物半導体薄膜に関する。
【0008】
また、本発明は、上記の多孔質酸化物半導体を用いることを特徴とする光電変換素子に関する。
【0009】
また、本発明は、上記の光電変換素子を用いることを特徴とする太陽電池に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における酸化物半導体微粒子としては、たとえばチタン、ニオブ、亜鉛、すず、インジウム、ジルコニウム、イットリウム、ランタン、タンタルなどの酸化物やSrTiO3 やCaTiO3 などのペロブスカイト系酸化物の半導体が好適に使用される。具体的には、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化錫(SnO2)またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化インジウム(In2O3)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化イットリウム(Y2O3)などを用いることができる。中でも、酸化チタン(チタニア)が好ましい。、
【0011】
酸化物半導体微粒子の粒径は、5〜200nmのものが好適に用いることができる。好ましくは10〜100nm、さらに好ましくは10〜100nmのものが用いられる。
【0012】
酸化物半導体微粒子を分散させたペースト(分散液)を調製する。ペーストの溶媒としては、水、有機溶媒などを用いることができる。
【0013】
有機溶媒としては、酸化物半導体微粒子を分散できるものであれが、特に限定はない。例えば、エタノール、メタノールなどのアルコールやアセトニトリル、アセチルアセトン、アセトンなどを用いることができる。中でも、エタノールが好適に用いることができる。
【0014】
分散液の成分として、上記の溶媒以外に、酸、界面活性剤、増粘剤、解膠剤、キレート剤などを含んでもよい。
【0015】
酸としては、硝酸、塩酸、酢酸、燐酸、蟻酸、硫酸などを用いることができる。中でも、硝酸が好ましい。
【0016】
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ステアリン酸ナトリウム、オレオアミドエチルメチルジエチルヨウ化アンモニウム、ポリグリセリルエステルなどを用いることができる。中でも、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルが好ましい。ペースト中の界面活性剤の割合としては、0.001〜10wt%が用いられる。好ましくは0.005〜0.1wt%、更に好ましくは0.01〜0.05wt%が用いられる。
【0017】
増粘剤としては、ポリアルキレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピリジン、ポリアクリル酸などを用いることができる。中でもポリアルキレングリコールが好ましい。ポリアルキレングリコールの分子量は、200〜4000000が通常用いられる。さらに分子量は20000から500000であることが好ましい。増粘剤の量は酸化物半導体に対して1〜50wt%、好ましくは10〜40wt%、さらに好ましくは20〜40wt%が用いられる。
【0018】
キレート化剤としてはアセチルアセトン、ベンジルアセトン、酢酸などが用いらる。好ましくはアセチルアセトンが用いられる。
【0019】
ペースト中の酸化物半導体微粒子の割合としては、5〜50wt%、好ましくは20〜30wt%が用いられる。
【0020】
本発明においては、上記のペーストを攪拌しながら、超音波を加えることにより、酸化物半導体微粒子高分散ペーストを製造することができる。攪拌および超音波を加える時間は、5分〜5時間が用いられる。好ましくは1〜2時間が用いられる。
【0021】
本発明においては、上記の酸化物半導体微粒子高分散ペーストを流延して膜を作成する。
【0022】
ペーストを流延する方法としては、ドクターブレード法、スキージ法、スクリーン印刷法、スピンコート法などが挙げられる。
【0023】
上記の得られた膜を焼成し、多孔質酸化物半導体薄膜を作製する。
【0024】
上記の流延膜の焼成温度は、250〜600℃が用いられる。
好ましくは400〜500℃が用いられる。
焼成温度が、上記の範囲よりも低いと良好な焼結状態が得られないため作製した膜が高抵抗な膜であり好ましくない。
焼成温度が、上記の範囲よりも高いと結晶子の成長が顕著であり比表面積が低下するため好ましくない。
【0025】
薄膜の厚みとしては、1〜50μmが用いられる。好ましくは5〜30μmが用いられる。
膜厚が上記の範囲よりも小さいと、色素の吸着量が少なく光電変換効率が低くましくない。
膜厚が上記の範囲よりも大きいと、入射した太陽光が有効利用できず好ましくない。
【0026】
本発明においては、上記の多孔質酸化物半導体薄膜に色素を吸着させて、光電変換素子を製造することができる。
【0027】
色素としては、 金属錯体、有機色素などが好ましく用いられる。具体的には、ローズベンガルなどの有機色素、ルテニウム、オスミウム、鉄、または亜鉛錯体などの金属錯体色素などが挙げられ、特に ルテニウム錯体色素が好ましい。また、(N3dye)を好適に用いることができる。
【0028】
色素を吸着させる方法としては、色素溶液に多孔質酸化物半導体薄膜を浸漬する方法がある。
【0029】
本発明においては、上記の光電変換素子を用いて、光化学電池を製造することができる。
【0030】
上記の光化学電池は、通常の方法で製造することができる。
例えば、光電変換素子と対極として白金あるいは炭素を蒸着した透明電極を合わせその間に電解質溶液を入れることにより製造することが出来る。
【0031】
透明電極としては、酸化すず、インジウム・ すず酸化物(ITO)などの金属酸化物が好適である。
【0032】
電解質としては、例えば、3−メトキシプロピオニトリル、アセトニトリル、炭酸プロピレン、エチレンカ−ボネ−トなどの電気化学的に不活性な溶媒に、例えば、ヨウ化リチウム、ヨウ素、t−ブチルピリジン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドなどを溶解したものを用いることができる。
【0033】
【実施例】
(比較例1)
チタニア微粒子3gをpH0.7の硝酸7mlに混合、この混合物にアセチルアセトン0.2ml、10wt%のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル水溶液0.2ml、更に分子量20000のポリエチレングリコールを加え攪拌を1時間後超音波洗浄機に1時間かけ、チタニアペーストを作製した。このペーストを50μmのスペーサーを用い流延し膜を作製し、この膜を450℃30分間焼成し、多孔質チタニア薄膜を作製した。
【0034】
(比較例2)チタニア微粒子3.0012gをpH0.7の硝酸7mlに混合、この混合物にアセチルアセトン0.2ml、10wt%のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル水溶液0.2ml、更に分子量20000のポリエチレングリコールを加え、3mmφのYSZ球を加え、超音波洗浄機に1時間かけた。ここからYSZを取り除くためエタノールで洗浄分離後、洗浄用のエタノールを取り除くため、ロータリーエバポレーターで濃縮し、チタニアペーストを作製した。このペーストを50μmのスペーサーを用い流延し膜を作製し、この膜を450℃30分間焼成し、多孔質チタニア薄膜を作製した。
【0035】
(比較例3)
チタニア微粒子3.0002gをpH0.7の硝酸7mlに混合、この混合物にアセチルアセトン0.2ml、10wt%のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル水溶液0.2ml、更に分子量20000のポリエチレングリコールを加え、3mmφのYSZ球を加え、ポットミルミキサーに5時間かけた。ここからYSZ球を取り除くためエタノールで洗浄分離後、洗浄用のエタノールを取り除くため、ロータリーエバポレーターで濃縮し、チタニアペーストを作製した。このペーストを50μmのスペーサーを用い流延し膜を作製し、この膜を450℃30分間焼成し、多孔質チタニア薄膜を作製した。
【0036】
(実施例2)
チタニア微粒子2.9997gをpH0.7の硝酸7mlに混合、この混合物にアセチルアセトン0.2ml、10wt%のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル水溶液0.2ml、更に分子量20000のポリエチレングリコールを加え、攪拌と超音波を1時間加え、チタニアペーストを作製した。このペーストを50μmのスペーサーを用い流延し膜を作製し、この膜を450℃30分間焼成し、多孔質チタニア薄膜を作製した。
【0037】
(実施例3)
実施例1により作成したチタニア膜を0.3mmolのN3dye溶液に浸漬子25℃で24時間請置し色素を吸着させ光電変換素子を得た。対極に白金を用い、電解質として3−メトキシプロピオニトリルにヨウ化リチウム、ヨウ素、t‐ブチルピリジン、1.2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドをそれぞれ0.1、0.05、0.5、0.6mol/lとなるように溶解、調整いたものを用い、セルを作製した。太陽電池の評価はAM1.5、100mA/cm2の擬似太陽光を照射し行った。
【0038】
(比較例4)比較例1により作成したチタニア膜を用いた以外は、実施例2と同様に太陽電池としての評価を行なった。
【0039】
(比較例5)比較例2により作成したチタニア膜を用いた以外は、実施例2と同様に太陽電池としての評価を行なった。
【0040】
(比較例6)比較例3により作成したチタニア膜を用いた以外は、実施例2と同様に太陽電池としての評価を行なった。
【0041】
実施例2、比較例4〜6の太陽電池としての評価を表1にまとめた。
表中、Jscは、短絡電流を示す。Vocは、開放電圧を示す。FFは、フィルファクターを示す。ηは、光電変換効率を示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば短時間で容易かつ安価な手法で高分散な酸化物半導体ペーストおよび多孔質酸化物半導体薄膜を作製することが可能でありかつ、高効率の光電変換効率を示す光化学電池を提供できる可能性がある。
【発明の属する技術分野】
本発明は酸化半導体分散ペースト、多孔質酸化物半導体薄膜光電変換素子、および光化学電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池はクリーンな再生型エネルギー源として大きく期待されており、単結晶シリコン系、多結晶シリコン系、アモルファスシリコン系の太陽電池やテルル化カドミウム、セレン化インジウム銅などの化合物からなる太陽電池の実用化をめざした研究がなされているが、家庭用電源として普及させるためにはいずれの電池も製造コストが高いことや原材料の確保が困難なことやリサイクルの問題、また大面積化が困難であるなど克服しなければならない多くの問題を抱えている。大面積化や低価格化を目指し有機材料をを用いた太陽電池が提案されてきたがいずれも変換効率が1%程度と実用化にはほど遠いものであった。(例えば、非特許文献1 Nature第261巻、402頁、1976年)。
【0003】
こうした状況の中、1991年にグレッツェルらにより色素によって増感された半導体微粒子を用いた光電変換素子および太陽電池、ならびにこの太陽電池の作製に必要な材料および製造技術が開示された。(非特許文献2(Nature第353巻、737頁、1991年)、特許文献1(特開平1−220380))
この電池はルテニウム色素によって増感された多孔質チタニア薄膜を作用電極とする湿式太陽電池である。この太陽電池の利点は安価な材料を高純度に精製する必要なく用いれるため、安価な光電変換素子として提供であること、さらに用いられる色素の吸収がブロードであり、広い可視光の波長域にわたって太陽光を電気に変換できることである。しかしながら実用化のためにはさらなる変換効率の向上が必要であり、微粒子の凝集を防ぎ、より大量の増感色素を吸着する能力を有する半導体微粒子薄膜が必要とされている。
【0004】
【特許文献1】
特開平1−220380号公報
【非特許文献1】
Nature第261巻、402頁、1976年
【非特許文献2】
Nature第353巻、737頁、1991年
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は簡便且つより安価な手法により半導体微粒子分散ペーストおよび半導体微粒子薄膜、並びに該薄膜を用いることにより高い光電変換効率を有する光電変換素子及び該光電変換素子からなる太陽電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、酸化物半導体微粒子ペーストを攪拌中に超音波を加えることにより製造されたことを特徴とする酸化物半導体高分散微粒子ペーストに関する。
【0007】
また、本発明は、上記のペーストを用いることを特徴とした多孔質酸化物半導体薄膜に関する。
【0008】
また、本発明は、上記の多孔質酸化物半導体を用いることを特徴とする光電変換素子に関する。
【0009】
また、本発明は、上記の光電変換素子を用いることを特徴とする太陽電池に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における酸化物半導体微粒子としては、たとえばチタン、ニオブ、亜鉛、すず、インジウム、ジルコニウム、イットリウム、ランタン、タンタルなどの酸化物やSrTiO3 やCaTiO3 などのペロブスカイト系酸化物の半導体が好適に使用される。具体的には、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化錫(SnO2)またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化インジウム(In2O3)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化イットリウム(Y2O3)などを用いることができる。中でも、酸化チタン(チタニア)が好ましい。、
【0011】
酸化物半導体微粒子の粒径は、5〜200nmのものが好適に用いることができる。好ましくは10〜100nm、さらに好ましくは10〜100nmのものが用いられる。
【0012】
酸化物半導体微粒子を分散させたペースト(分散液)を調製する。ペーストの溶媒としては、水、有機溶媒などを用いることができる。
【0013】
有機溶媒としては、酸化物半導体微粒子を分散できるものであれが、特に限定はない。例えば、エタノール、メタノールなどのアルコールやアセトニトリル、アセチルアセトン、アセトンなどを用いることができる。中でも、エタノールが好適に用いることができる。
【0014】
分散液の成分として、上記の溶媒以外に、酸、界面活性剤、増粘剤、解膠剤、キレート剤などを含んでもよい。
【0015】
酸としては、硝酸、塩酸、酢酸、燐酸、蟻酸、硫酸などを用いることができる。中でも、硝酸が好ましい。
【0016】
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ステアリン酸ナトリウム、オレオアミドエチルメチルジエチルヨウ化アンモニウム、ポリグリセリルエステルなどを用いることができる。中でも、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルが好ましい。ペースト中の界面活性剤の割合としては、0.001〜10wt%が用いられる。好ましくは0.005〜0.1wt%、更に好ましくは0.01〜0.05wt%が用いられる。
【0017】
増粘剤としては、ポリアルキレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピリジン、ポリアクリル酸などを用いることができる。中でもポリアルキレングリコールが好ましい。ポリアルキレングリコールの分子量は、200〜4000000が通常用いられる。さらに分子量は20000から500000であることが好ましい。増粘剤の量は酸化物半導体に対して1〜50wt%、好ましくは10〜40wt%、さらに好ましくは20〜40wt%が用いられる。
【0018】
キレート化剤としてはアセチルアセトン、ベンジルアセトン、酢酸などが用いらる。好ましくはアセチルアセトンが用いられる。
【0019】
ペースト中の酸化物半導体微粒子の割合としては、5〜50wt%、好ましくは20〜30wt%が用いられる。
【0020】
本発明においては、上記のペーストを攪拌しながら、超音波を加えることにより、酸化物半導体微粒子高分散ペーストを製造することができる。攪拌および超音波を加える時間は、5分〜5時間が用いられる。好ましくは1〜2時間が用いられる。
【0021】
本発明においては、上記の酸化物半導体微粒子高分散ペーストを流延して膜を作成する。
【0022】
ペーストを流延する方法としては、ドクターブレード法、スキージ法、スクリーン印刷法、スピンコート法などが挙げられる。
【0023】
上記の得られた膜を焼成し、多孔質酸化物半導体薄膜を作製する。
【0024】
上記の流延膜の焼成温度は、250〜600℃が用いられる。
好ましくは400〜500℃が用いられる。
焼成温度が、上記の範囲よりも低いと良好な焼結状態が得られないため作製した膜が高抵抗な膜であり好ましくない。
焼成温度が、上記の範囲よりも高いと結晶子の成長が顕著であり比表面積が低下するため好ましくない。
【0025】
薄膜の厚みとしては、1〜50μmが用いられる。好ましくは5〜30μmが用いられる。
膜厚が上記の範囲よりも小さいと、色素の吸着量が少なく光電変換効率が低くましくない。
膜厚が上記の範囲よりも大きいと、入射した太陽光が有効利用できず好ましくない。
【0026】
本発明においては、上記の多孔質酸化物半導体薄膜に色素を吸着させて、光電変換素子を製造することができる。
【0027】
色素としては、 金属錯体、有機色素などが好ましく用いられる。具体的には、ローズベンガルなどの有機色素、ルテニウム、オスミウム、鉄、または亜鉛錯体などの金属錯体色素などが挙げられ、特に ルテニウム錯体色素が好ましい。また、(N3dye)を好適に用いることができる。
【0028】
色素を吸着させる方法としては、色素溶液に多孔質酸化物半導体薄膜を浸漬する方法がある。
【0029】
本発明においては、上記の光電変換素子を用いて、光化学電池を製造することができる。
【0030】
上記の光化学電池は、通常の方法で製造することができる。
例えば、光電変換素子と対極として白金あるいは炭素を蒸着した透明電極を合わせその間に電解質溶液を入れることにより製造することが出来る。
【0031】
透明電極としては、酸化すず、インジウム・ すず酸化物(ITO)などの金属酸化物が好適である。
【0032】
電解質としては、例えば、3−メトキシプロピオニトリル、アセトニトリル、炭酸プロピレン、エチレンカ−ボネ−トなどの電気化学的に不活性な溶媒に、例えば、ヨウ化リチウム、ヨウ素、t−ブチルピリジン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドなどを溶解したものを用いることができる。
【0033】
【実施例】
(比較例1)
チタニア微粒子3gをpH0.7の硝酸7mlに混合、この混合物にアセチルアセトン0.2ml、10wt%のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル水溶液0.2ml、更に分子量20000のポリエチレングリコールを加え攪拌を1時間後超音波洗浄機に1時間かけ、チタニアペーストを作製した。このペーストを50μmのスペーサーを用い流延し膜を作製し、この膜を450℃30分間焼成し、多孔質チタニア薄膜を作製した。
【0034】
(比較例2)チタニア微粒子3.0012gをpH0.7の硝酸7mlに混合、この混合物にアセチルアセトン0.2ml、10wt%のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル水溶液0.2ml、更に分子量20000のポリエチレングリコールを加え、3mmφのYSZ球を加え、超音波洗浄機に1時間かけた。ここからYSZを取り除くためエタノールで洗浄分離後、洗浄用のエタノールを取り除くため、ロータリーエバポレーターで濃縮し、チタニアペーストを作製した。このペーストを50μmのスペーサーを用い流延し膜を作製し、この膜を450℃30分間焼成し、多孔質チタニア薄膜を作製した。
【0035】
(比較例3)
チタニア微粒子3.0002gをpH0.7の硝酸7mlに混合、この混合物にアセチルアセトン0.2ml、10wt%のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル水溶液0.2ml、更に分子量20000のポリエチレングリコールを加え、3mmφのYSZ球を加え、ポットミルミキサーに5時間かけた。ここからYSZ球を取り除くためエタノールで洗浄分離後、洗浄用のエタノールを取り除くため、ロータリーエバポレーターで濃縮し、チタニアペーストを作製した。このペーストを50μmのスペーサーを用い流延し膜を作製し、この膜を450℃30分間焼成し、多孔質チタニア薄膜を作製した。
【0036】
(実施例2)
チタニア微粒子2.9997gをpH0.7の硝酸7mlに混合、この混合物にアセチルアセトン0.2ml、10wt%のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル水溶液0.2ml、更に分子量20000のポリエチレングリコールを加え、攪拌と超音波を1時間加え、チタニアペーストを作製した。このペーストを50μmのスペーサーを用い流延し膜を作製し、この膜を450℃30分間焼成し、多孔質チタニア薄膜を作製した。
【0037】
(実施例3)
実施例1により作成したチタニア膜を0.3mmolのN3dye溶液に浸漬子25℃で24時間請置し色素を吸着させ光電変換素子を得た。対極に白金を用い、電解質として3−メトキシプロピオニトリルにヨウ化リチウム、ヨウ素、t‐ブチルピリジン、1.2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドをそれぞれ0.1、0.05、0.5、0.6mol/lとなるように溶解、調整いたものを用い、セルを作製した。太陽電池の評価はAM1.5、100mA/cm2の擬似太陽光を照射し行った。
【0038】
(比較例4)比較例1により作成したチタニア膜を用いた以外は、実施例2と同様に太陽電池としての評価を行なった。
【0039】
(比較例5)比較例2により作成したチタニア膜を用いた以外は、実施例2と同様に太陽電池としての評価を行なった。
【0040】
(比較例6)比較例3により作成したチタニア膜を用いた以外は、実施例2と同様に太陽電池としての評価を行なった。
【0041】
実施例2、比較例4〜6の太陽電池としての評価を表1にまとめた。
表中、Jscは、短絡電流を示す。Vocは、開放電圧を示す。FFは、フィルファクターを示す。ηは、光電変換効率を示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば短時間で容易かつ安価な手法で高分散な酸化物半導体ペーストおよび多孔質酸化物半導体薄膜を作製することが可能でありかつ、高効率の光電変換効率を示す光化学電池を提供できる可能性がある。
Claims (4)
- 酸化物半導体微粒子ペーストを攪拌中に超音波を加えることにより製造されたことを特徴とする酸化物半導体高分散微粒子ペースト。
- 請求項1記載のペーストを用いることを特徴とした多孔質酸化物半導体薄膜
- 請求項3記載の多孔質酸化物半導体を用いることを特徴とする光電変換素子
- 請求項4記載の光電変換素子を用いることを特徴とする太陽電池
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