JP2004158060A - 光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ディスクに対して、サーボ外れによってトラック間に誤記録された記録マークを消去することができ、それ以降のサーボ外れの発生を防止・軽減することができる光ディスク装置を提供する。
【解決手段】トラック2を有する光ディスク1を対象とする装置であって、光スポット3を照射する光ピックアップ4と、サーボコントローラ5と、記録再生制御手段6と、光ディスク装置全体の制御を行うコントローラ7と、を含んで構成されている。サーボコントローラ5は、トラッキング制御極性切替手段51を含んでいる。トラッキング制御極性切替手段51は、コントローラ7からの指示に従って光スポット3をトラック2の上とトラック2の間とのいずれに追従させるかに応じて、トラッキング制御の極性を切替える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク装置に関し、特に、誤記録した光ディスクの修復ができる光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高密度記録メディアとしては、CD−RWやDVD−RWなどの光ディスクメディアが用いられている。図6は、一般的な光ディスク装置の構成例を示す図である。図6に示すように、光ディスク装置は、光ディスク101を記録・再生対象とし、光ディスク101の表面上にトラック102が形成されている。光ディスク装置は、光ピックアップ104と、サーボコントローラ105と、記録再生制御装置106と、コントローラ107と、サーボ外れ検出手段108と、信号処理手段110と、を有している。コントローラ107は、例えばホストコンピュータである外部制御手段100と関連付けされている。
【0003】
符号103は光スポットであって、光ピックアップ104からトラック102に照射される。サーボコントローラ105は、光ピックアップ104から与えられる信号に基づき、信号処理手段110が生成する光スポット103とトラック102との位置ずれを示す誤差信号に基づいて、光スポット103をトラック102上に照射・追従させるように、光ピックアップ104の制御を行う。記録再生制御手段106は、光ピックアップ104への制御信号によって光スポット103の光強度を変調することにより、トラック102に情報の記録を行い、また、記録された情報を読み出して再生する。
【0004】
光スポット103の光強度は、情報の再生に際しては低い一定値に保たれるとともに、記録の際には後述する記録マークを形成したい箇所で高く、その他の場所では低く、と変調させ、かつ、高い場合の強度は再生時よりもかなり高く設定するのが一般的である。サーボ外れ検出手段108は、サーボ外れの時に生じるトラッキング制御信号の乱れ(所定レベルからの逸脱)を検出し、コントローラ107やサーボコントローラ105、記録再生制御手段106などに、サーボ制御の中断や記録を中止する旨の指令を通知する。信号処理手段110は、光ピックアップ104からの信号に基づき、再生RF信号やアドレス情報信号、サーボ制御のための信号、反射光量信号などを生成するとともに、RF信号やアドレス情報信号などをデコードし、コントローラ107やサーボコントローラ105、記録再生制御手段106などに信号を供給する。
【0005】
外部制御手段100は、例えばこの光ディスク装置に接続されたホストコンピュータである。光スポット103をトラック102に追従させる際は、光スポット103の焦点制御の他に、追従制御(トラッキング制御)が必要である。これは、光スポット103をトラック102に照射した際の反射光量のうち、トラック102の長手方向に対して左右の強度分布の差が略ゼロとなるように光スポット103の左右の位置を制御すれば良い。
【0006】
そのためには、上記強度分布、或いは、その差を求めて電気信号を生成する図示しない光学系・電気系が、光ピックアップ104内に設けられており、その電気信号(トラッキング誤差信号)に基づいて、サーボコントローラ105は光スポット103をトラック102のほぼ真上を追従するように、光ピックアップ104に制御信号を与える。光スポット103のトラック102からの外れをサーボ外れ検出手段108が検出すると、記録再生制御手段106に対して記録の停止を指示するとともに、コントローラ107にサーボ外れの発生を通知する。
【0007】
ところで、光ディスクの種類には色々あるが、記録の性質により分類すると、相変化(PC)、一回記録・多数回読出し(WORM)、光磁気(MO)などに分類される。またトラックへの情報の記録形態により分類すると、トラック上(或いはグルーブ内)記録、トラック間(ランド)記録、そしてトラック上・トラック間(ランド・グルーブ)記録がある。いずれのタイプの光ディスクも、情報を記録し、それを再生するという動作が基本である。しかしながら、相変化(PC)や光磁気(MO)タイプの光ディスクでは、さらに記録済の情報を消去したり、その上に別の情報を上書きしたりすることも可能である。
【0008】
最近、相変化(PC)タイプであって、トラック上記録の光ディスクの普及が著しい。図6に示す装置が、このタイプの光ディスクを用いる光ディスク装置であると仮定して、さらに説明を続ける(CD−RWやDVD−RWディスクとして多用されているのがこのタイプのものである)。
【0009】
図7は、上記タイプの光ディスクのトラックに情報を記録する際の様子を示す模式的な図である。なお同時に図6も参照して説明を続ける。前述した相変化(PC)・トラック上記録タイプの光ディスクは、光スポット103の強度変調に伴い、トラック112上に記録マーク122が形成され、その記録マーク122は、反射率が他の部分と相違する(一般には低い)という物理特性を有する。
【0010】
情報を再生する際には、この情報を記録したトラック112に、比較的低光量(低光パワー)の光スポットを照射し追従させると、記録マーク122の形成された領域は、前述の通り光反射率が他の領域よりも低いため、反射光量の変化を情報として読み取ることが出来る。また情報を消去する際には、再生時よりは高く、かつ、記録時の記録マーク形成のための光強度よりは低い一定値(DCパワー)に光スポットの光強度を保つ場合が多い。
【0011】
尚、光スポット103をトラック112に追従させる際には、焦点制御の他に追従制御(トラッキング制御)が必要である。これは、光スポット103をトラック112に照射した際の反射光量のうちトラック112の長手方向に対して左右の強度分布の差が略ゼロとなるように光スポット103の左右位置を制御すれば良いことは既に述べた。記録マーク122がトラック112上に存在する場合には反射光量が変化するが、記録マーク122がトラック112上に存在する限りは、反射光量の左右の強度はほぼ同時かつ同等に変化するため、追従制御(トラッキング制御)への影響は小さい。従って、記録済、すなわち記録マークが存在するトラックへ再度光スポットを照射しても、光スポットはトラックを正確に追従し、記録済の情報の再生や消去、上書き等も支障無く行える。
【0012】
ところで、光ディスク装置に振動や衝撃等の外乱が加わった場合を想定すると、光スポット103はトラック112上を追従できずに外れてしまう、いわゆるサーボ外れ又はトラック飛びが生じる場合がある。特にそれが情報の記録中に起こると、記録マーク122を形成するために必要な光スポット103の光強度制御が行われているため、そのままでは目的とするトラック112以外の領域に意図しない記録・上書きなどが生じ、記録済の情報を破壊してしまう場合もありうる。
【0013】
そこで、通常はサーボ外れを出来るだけ早期に検出し、検出した時点で記録動作を中断させるようにしている。例えば、トラッキング誤差信号と所定の基準値とを比較し、トラッキング誤差信号が基準値を所定時間以上逸脱した場合には、サーボ外れが発生したものと判断するように先のサーボ外れ検出手段を構成している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の光ディスク装置では、出来るだけ早期にサーボ外れを検出して記録を停止するように構成されているが、瞬時に記録を停止することが難しい。例えば、サーボ外れ検出手段108において、「トラッキング誤差信号が基準値を所定の時間以上逸脱した場合にサーボが外れたものと判断する」としたが、この基準値を小さくして極端な場合これをゼロとしたり、「所定時間以上」との条件を外せば判断のタイミングを早め、瞬時の記録停止を図ることは出来るものの、基準値を小さくすると光スポットが僅かにトラック上をふらついた程度でもこれをサーボ外れと誤検出してしまう。また、時間の条件を外すとトラッキング誤差信号に瞬発的な誤信号が混入した場合にも鋭敏に反応してしまうという問題がある。光スポットのトラックへの追従誤差をゼロにすることは困難であり、記録中に光スポットの強度変調のパルス的な影響がトラッキング制御信号に漏れ込む現象を完全には防止することも難しい。
【0015】
従って、サーボ外れの検出は、ある程度の基準値と検出時間との双方の条件を以って行うことになる。サーボ外れ検出系にローパスフィルタを入れて応答を遅くする技術もあるが、この技術は、同じくパルス的な影響を排除するためのものであり、ある程度の時間幅以下の信号を除去するのと等価であり問題の解決にはなりにくい。
【0016】
このように、一般的には、記録中のサーボ外れを瞬時に検出して記録を即時停止することは困難である。出来るだけ早期の検出と記録停止とを行い、隣接するトラック或いは近傍のトラックへの誤記録による記録済情報の破壊を回避するようにサーボ外れ検出系を設計・設定したとしても、誤記録の問題が生じるのは隣接或いは近傍のトラックだけではなく、トラック間に誤記録がなされることも十分想定される。こうなるとその部位で以後サーボ外れが続いて発生したり、再生時のエラーが増大してしまう。以下その点をより詳細に説明する。
【0017】
光ディスク装置に振動や衝撃等の外乱が加わり、前述のように記録中にサーボ外れが生じた場合を考える。その際に光スポットは必ずトラック間を通過するが、印加された振動や衝撃の大きさによっては光スポットがトラック間を暫く照射し、記録マークをここに形成してしまう可能性がある。
【0018】
図8は、その様子を示す局部的な模式図である。図8に示すように、光スポット103は、外乱によりサーボ外れを起こしているが、その際に、光スポット103はトラック112上からトラック間領域123に移動し、暫くはこのトラック間領域123を、図で破線で示した軌跡L上を移動したものとする。何らかの手段・手法により記録停止の措置がとられるまでの間は、光スポット103は記録マーク122を形成するための強度変調が行われ続けている。従って、トラック102上だけではなくトラック間123にも記録マーク122が形成されてしまう。
【0019】
記録中にサーボ外れを生じた場合、その部位の修復作業を行い、その後に情報の再度の記録を試みることが多い。例えば、消去可能な相変化(PC)や光磁気(MO)タイプの光ディスクであれば、一旦そこを消去した後に、或いは、そのままの状態で、同一の部位(セクタ)に上書きを行うことがこの修復作業となる。
【0020】
しかしながら、この修復を行ったとしても問題が残る。その点について図9を参照して説明する。図9は、サーボ外れの部位を説明した図8において、そのサーボ外れの部位を消去することにより修復作業を行おうとした際の様子を示す模式的な図である。サーボ外れの結果、光スポット103が、トラック間123に記録マーク122が誤記録された区間Xに入ると、反射光の強度はトラック112の長手方向(光スポット103の進行方向)に対する左右方向で大きく差を生じる。トラッキング制御が反射光の左右の強度が等しく(強度差がゼロ)になるように光スポット103のトラック112に対する相対位置を制御することを考えると、光スポット103は区間Xにおいて次第にトラック112から外れてその進行方向の左右何れかのトラック間123へと移動し、遂にはサーボ外れを生じてしまう。これは消去で無く上書きを試みた場合でも同様である。
【0021】
この時、トラック間123の記録マーク122は残存しているので、光スポット103がこの部位に差し掛かる度に同様の理由によりサーボ外れが再発する可能性が高く、この部位の消去や上書きを失敗する確率が高まる。その結果、修復作業のための処理時間の増大とともに、修復失敗からその光ディスクがそれ以上利用出来なくなる事態にも繋がり易い。
【0022】
たとえ、修復作業に成功しサーボ外れを生じたトラックに別のデータを記録し直すことが出来たとしても、再生時に、まだ問題は残る。図10はその場合を説明するための模式図である。トラック間123に記録マーク122aが誤記録されてしまった領域Yの傍のトラック112上に、記録マーク122を記録することが出来たとする。しかしトラック上112に記録した記録マーク122を再生しようとすると、すぐ傍に隣接するトラック間123に残存する記録マーク122aからのクロストークの影響を受けるため、再生データのエラーレートが増大してしまう。
【0023】
さらに、1つの「トラック間」は2つのトラックの間にあるから、これらの問題点は全て、サーボ外れを生じて記録マークが誤記録されてしまったトラック間123を挟む、もう1つのトラック112でも生じる。尚、これらの消去や上書きに代えて、記録中にサーボ外れを生じた部位はそのまま(記録途中のままで)放置しておき、全く別の部位に記録をやり直す、言わば代替処理を行うことも考えられる。しかしこのような代替処理を行うことは、トラックが情報の記録単位で物理的に区切られている構造のDVD−RAMのような光ディスクであれば容易であるが、既に大量に流布しているCD−RWやDVD−RWのようにトラックが連続した形状の光ディスクでは行い難い。無論、論理的な代替処理、即ち記録中にサーボ外れを生じた部位の位置情報を登録し集約したものをテーブルあるいはマップの形で保有し、それに登録された位置には以降情報の記録や再生を行わないようにすることは、どの光ディスクでも理論上は可能である。しかしながら、この手法には従来の光ディスクでは互換性の面で以下の様な別の問題が生じてしまう。
【0024】
第1の問題点は、未記録の部分が残ったままで代替処理を行うと、記録済の光ディスクのみを想定している再生専用の装置(プレーヤ)では、未記録の記録マークの存在を頼りにトラッキング制御を行うのが一般的であるため、これらの再生専用装置に未記録部分が存在する光ディスクを装着した場合には、サーボ引き込みを含めトラッキング制御に支障が生じる。即ち光ディスクに未記録の領域を残したまま論理的な代替処理を行うと、従来の再生専用装置との間で、まず物理的な互換性が失われる。
【0025】
また、記録中にサーボ外れを生じた位置をテーブルあるいはマップとして保有するということは、専用の記録領域を光ディスク上に確保し、記録再生に際しては事前にそのテーブルやマップを参照する、と言うことである。光ディスクには、それぞれ、情報の記録再生の際の論理的な手順やルールを定め、その際に登録し参照するファイルシステムがそれぞれ定義されているのが普通であるが、その中に、上記テーブルやマップが定義されていない場合には新たな定義が必要となる。即ち、これが定義される以前に流布している光ディスクでは論理的な互換性も損なわれることになり、従来の光ディスクには必ずしも適用出来るものでは無い。
本発明は、サーボ外れによってトラック間に誤記録された記録マークを消去する技術を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、トラック領域と該トラック領域間に設けられたトラック間領域とを有する光ディスクであって、前記トラック領域に光スポットを照射することにより形成された記録マークにより情報を記録し、前記記録マークに対して前記光スポットを照射することにより記録した情報を消去することが可能な光ディスクに対して、第1の条件下において前記光スポットを前記トラック間に照射して前記トラック間に誤記録された情報の消去を行うことができるトラック間誤記録情報消去手段を有している光ディスク装置が提供される。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する前に、まず、発明のポイントについて説明する。上記一般的な技術を用いると、既に大量に流布しているフォーマットを有する光ディスクに対して、サーボ外れによる誤記録の防止を図ることが出来ず、またトラック間に記録マークが誤記録されるとそれが残存してしまうためにその光ディスクへの以降の動作が大きく妨げられる。発明者は、トラック間に誤まって記録された記録マークを消去することにより問題を回避又は軽減することができると考えた。このトラック間の消去は、記録中にサーボ外れが生じた部位で再度のサーボ外れの発生を防止軽減するものであるから、未記録の領域を残したままの代替を行う必要もなく、ファイルシステムに新たな定義を行う必要も無いので、物理的・論理的双方の互換性も維持される。
以下に、本発明の第1の実施の形態による光ディスク装置について、図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、本実施の形態による光ディスク装置の構成例を示す図である。本実施の形態による光ディスク装置は、トラック2を有する光ディスク1を対象とする装置であって、光スポット3を照射する光ピックアップ4と、サーボコントローラ5と、記録再生制御手段6と、光ディスク装置全体の制御を行うコントローラ7と、を含んで構成されている。サーボコントローラ5は、トラッキング制御極性切替手段51を含んでいる。トラッキング制御極性切替手段51は、コントローラ7からの指示に従って光スポット3をトラック2の上とトラック2の間とのいずれに追従させるかに応じて、トラッキング制御の極性を切替える。サーボ外れ検出手段8は、サーボ外れの時に生じるトラッキング制御信号の乱れ(所定レベルからの逸脱)を検出し、コントローラ7、サーボコントローラ5及び記録再生制御手段6などに対して、サーボ制御の中断や記録を中止する旨を通知する。信号処理手段10は、光ピックアップ4からの信号に基づき、再生RF信号やアドレス情報信号、サーボ制御のための信号、反射光量信号などを生成するとともに、RF信号やアドレス情報信号はデコードして、コントローラ7やサーボコントローラ5、記録再生制御手段6などに供給する。外部制御手段30は、例えばこの光ディスク装置に接続されたホストコンピュータである。
【0029】
光ディスク1が、CD−RWやDVD−RWの様な相変化(PC)タイプのものであるとする。トラック間に記録マークが誤記録されている可能性がある場合に、コントローラ7は、まずサーボコントローラ5を通じて光ピックアップ4を制御し、光スポット3を目的のトラックに移動させ、サーボ制御を開始させる。この目的のトラックとは、記録マークが誤記録されている可能性のあるトラック間に隣接するトラックか近傍のトラックである。これらのトラック上に光スポット3がサーボ制御されている間に、そのアドレス情報を読み取ることができるため、目的のトラックから離れすぎている場合には再度光スポット3の移動が行われる。
【0030】
続いて、コントローラ7はサーボコントローラ5内のトラッキング制御極性切替手段51に指示を出し、光スポット3がトラック上ではなくトラック間に追従するようにサーボ制御極性の切替を行わせる。さらに、コントローラ7は記録再生制御手段6に指示を与え、記録マーク消去のためのDCパワー光の照射を光ピックアップ4に行わせる。これによりトラック間に誤記録された記録マークの消去が実行され、所定の時間が経過した後、或いは、トラック間やトラック上のプリピット情報等からアドレスが読み取れるのであれば所定のセクタ数を経過した後に、コントローラ7は記録再生制御手段6に対して消去のためのDCパワー光の照射停止指示を与える。コントローラ7は、トラッキング制御極性切替手段51に対して光スポット3がトラック上に追従するようにサーボ制御極性を再度切替えさせることにより、一連のトラック間の消去処理を終える。
【0031】
図2は、上記過程におけるトラック近傍の模式的な図である。図2に示すように、トラック2に記録された記録マーク22は残ったままである。一方、トラック間23に誤記録された記録マーク22aは消去される。上記所定の時間あるいはセクタ数に関しては、それほど正確に定義する必要はない。トラック間に記録マークを誤記録してしまう可能性のある時間の最大値は、その光ディスクに対して記録を行う光ディスク装置においてサーボ外れが生じてから記録停止がなされるまでの時間である。従って、それ以上である程度の余裕を加味した時間(若しくはそれに相当するセクタ数)とすれば良い。もし複数の光ディスク装置で同一の光ディスクへ記録が行われる可能性があれば、この余裕は大きめに設定しておくのが好ましい。特に、トラック間領域に誤記録が行われた個所の特定が難しい場合には、所定の時間をさらに長期間にわたって設定しておくことになる。
【0032】
上記の構成と動作とにより、サーボ外れによってトラック間に誤記録された記録マークを消去することが可能である。その結果、同一部位でそれ以降のサーボ外れが発生するのを防止・軽減することができ、その光ディスクに対して所望の処理を行うことができる。また未記録の領域を残したままの代替をする必要も無く、ファイルシステムに新たな定義を行う必要も無いので、物理的互換性と論理的互換性の両者が維持できる。
【0033】
上記光ディスク装置では、既に大量に流布しているフォーマットの光ディスクに対して、サーボ外れによってトラック間に誤記録された記録マークを消去することが可能である。その結果、同一部位でそれ以降のサーボ外れが発生するのを防止・軽減することができ、その光ディスクへの以降の動作が大きく妨げられることを回避できる。また未記録の領域を残したままの代替をする必要も無く、ファイルシステムに新たな定義を行う必要も無いので、物理的・論理的双方の互換性も維持される。
【0034】
次に、本発明の第2の実施の形態による光ディスク装置について図1及び図3を参照して説明する。本実施の形態による光ディスク装置は、トラック間23にアドレス情報がプリピット24として形成される光ディスクを対象とする装置である。
【0035】
例えば、DVD−RWディスクでは、アドレス情報をトラック間23にプリピット24として形成しており、トラック2上で情報の記録・再生・消去を行う際には、これを光スポット3の反射光の左右の強度分布の差として読み取る。しかしトラック間23に光スポット3を追従させる際には、プリピット24の真上を光スポット3が通過することになるため、これを反射光の光量変化としていわゆるRF信号の場合と同様な形で読み取れば、光スポット3がトラック間23に照射されていることを簡単に知ることができる。また、光スポット3がトラック間23を追従する際にもアドレス情報を利用することが出来る。従って、消去処理を行う時間或いは区間を、さらに簡単かつ正確に決定することが可能となる。
【0036】
すなわち、消去処理を行う時間或いは区間を、光ディスク上の絶対的なアドレスとして把握することができ、トラック間の所望の部位だけを正確に消去することが可能であり、消去処理に要する時間も短縮することができる。
【0037】
尚、トラック間23に記録マークが誤記録されている区間では、その影響を受けてプリピット24によるアドレス情報が読取れなくなる可能性もあるが、アドレス情報が読取れない区間は誤記録されていると判断し、その前後を含む区間を少し余分に消去すれば良い。
【0038】
上記光ディスク装置では、トラック間の消去処理を行う時間あるいは区間を光ディスク上の絶対的なアドレスとして把握することができ、トラック間の所望の部位だけを正確に消去することが可能であり、消去に要する時間も短縮出来る。
【0039】
次に、本発明の第3の実施の形態による光ディスク装置について、先の第1の実施の形態と同じく図1及び図2を参照して説明する。本実施の形態による光ディスク装置は、トラック間23に誤記録されている記録マークの消去を行う時間或いは区間を決定する際に、消去を行う前に実際にそのトラック間23に光スポット3を追従させることを特徴とする。追従させたトラック間に記録マークが形成されていれば、これもRF信号の形で反射光量の変動が生じるため、その振幅あるいは復調(デコード)結果などの再生状況を、信号処理手段10を介してコントローラ7で読み取れば良い。これがある所定値を超えていれば、或いは、それが信号処理手段10により部分的にでも復調出来れば、その区間は光スポット3が追従しているトラック間23に記録マークが誤記録されている区間であると判断することができる。
【0040】
トラック間23にプリピットが形成されている光ディスクでは、トラック間23に光スポット3を追従させている場合、誤記録された記録マークとプリピットとRF信号からでは区別しにくい場合もあるが、プリピット情報は所定のタイミングで記録されており、そのタイミングは信号処理手段10が把握し同期して読み出すことができるのが一般的であるため、そのタイミングで読み出される信号を除いて振幅の測定や復調を行わせれば、誤記録された記録マークのみを抽出することが可能である。
【0041】
本実施の形態による光ディスク装置では、トラック間23に記録マークが誤記録されている区間を把握し、その区間のみを対象として消去することができるため、消去を行うべき区間を的確に把握することができ、消去処理に要する時間を短縮出来る。
【0042】
上記光ディスク装置では、トラック間に記録マークが誤記録されている区間を把握し、その区間だけの記録マークを消去出来るので、消去処理に要する時間を短縮できる。
【0043】
次に、本発明の第4の実施の形態による光ディスク装置について説明する。トラック間に記録マークが誤記録されている可能性があるか否かの判定について考える。例えば、光ディスク1上に記録された情報の整合性をコントローラ7或いは外部制御手段30により確認することで判定を行うことができる。光ディスクには、一般的に、どの範囲にいかなる情報が記録されているかを示す、いわゆるディスク管理情報又はファイルシステム情報が記録されている。これを読み出すことによりユーザデータの記録を行うことができ、どのアドレスが記録の終端であるかを判別することができる。従って、その記録の終端であるはずのアドレス近傍でデータの読み出しを試みる。その結果、その記録の終端であるはずのアドレスで、ユーザデータ記録が物理的に終わっているか、或いは、物理的には終わっていなくてもデータの論理的な構造がひと区切りついた形でまとまっていれば、この光ディスクへの前回の情報の記録は正常に終わっていると判断できる。
【0044】
そうでなければ、ディスク管理情報あるいはファイルシステム情報中か、あるいはユーザデータの記録中かの、いずれかの記録中にエラーが発生して修復処理が行われていない可能性が高い。その時は、ディスク管理情報或いはファイルシステム情報が記録されている領域と、ユーザデータの実際の記録終端位置の前後と、の少なくとも一方でトラック間の消去動作を行えば良い。
【0045】
光ディスクに記録されるユーザデータがビデオデータである場合は、記録されるデータの論理的なフォーマットが統一されているととともに、そのデータをビデオ記録再生に適した形にするための論理レベル又はアプリケーションレベルの制御情報も併せて記録されるのが一般的であり、その情報も参照すれば、さらに確実あるいは精度良くサーボ外れの位置を特定してトラック間の消去を行う事が出来る。この場合には、記録が正常に終わっていれば、その記録終端は論理的にビデオデータの区切りの形式でまとまっているはずであり、以前に記録されたことのあるディスクを再利用して上書きしている場合でも、その記録が正しく終結したか否かの判断がしやすく、従って、サーボ外れの位置の特定が容易になる。
【0046】
これら情報の整合性に基づいてサーボ外れ位置を特定する場合、アプリケーションレベルの管理情報やファイルシステム情報等の論理レベルの管理制御情報の論理的な記録内容については、光ディスク装置の物理的な動作や制御の管理を行うコントローラ7では掌握しきれないことが多い。従って、この様な時には、より上位レベルの判断として、上記論理あるいはアプリケーションレベルでの判断をホストコンピュータなどの外部制御手段30において行った後に、その外部制御手段30からの指示があった時点でトラック間23の記録の消去を行うのが好ましい。
【0047】
光ディスク装置がコンピュータの外部記憶装置として用いられる場合には、データは、通常ホストコンピュータから送られてくる。従って、サーボ外れによる記録エラーが発生すると、コントローラ7がエラー発生個所を把握し、ホストコンピュータである外部制御手段30に記録エラーが発生した旨を通告させるとともに、外部制御手段30から光ディスク装置のコントローラ7に対してトラック間23の記録消去を指示させても良い。この方法はより単純ではあるが、トラック間の消去の判断と指示を外部の制御手段30に委ね、その指示があった時点で消去処理を行う形式であって、消去処理を行うか否かの主導権は、外部の、より上位の制御手段が掌握することになる。
【0048】
そのため、サーボ外れのために記録エラーが生じた場合においても、外部制御手段30が、光ディスク装置に対して、より優先させたい作業処理がある場合には、トラック間の消去処理を後に回すなど処理のスケジューリングを行い、外部制御手段30と光ディスク装置とを含めた全体の処理効率を上げるようにすることもできる。
【0049】
上記光ディスク装置では、外部制御手段が光ディスク装置に対してより優先させたい作業処理がある場合には、トラック間の消去処理を後に回すなど処理のスケジューリングを行い、外部制御手段と光ディスク装置を含めた全体の処理効率を上げることが出来る。
【0050】
次に、本発明の第5の実施の形態による光ディスク装置について説明する。上記各実施の形態においては、トラック間に誤記録されている記録マークの消去を行う消去処理を外部の制御手段からの指示に基づいて行う技術について説明した。これらの技術は、既に記録が行われている光ディスクにおいて、その記録されている情報の整合性を、論理レベル或いはアプリケーションのレベルで調べた結果から必要である場合に、若しくは、外部制御手段30が処理のスケジューリングを行って全体の処理効率を高めたい場合に実施されるのが好ましい例であった。
【0051】
一方、記録中にサーボ外れが発生した場合、修復動作は不可欠と考えて良い。そこで、サーボ外れを現場で認識した時点で、光ディスク装置側で自動的にトラック間の消去動作を行う方が好ましい場合もある。この場合には、記録中のサーボ外れを認識した時点で、トラック間の消去動作をコントローラ7が外部からの指示無しに自動的に実行するようにコントローラ7にプログラムしておけば良い。
【0052】
次に、本発明の第6の実施の形態による光ディスク装置について説明する。光ディスク1に記録を行う際には、現在記録中のアドレス或いはどこまで記録を行ったかに関しては、記録再生制御手段6やコントローラ7が把握しているため、サーボ外れを生じた位置(アドレス)は記録を停止した位置として直ちに認識し確定することが出来る。従って、サーボ外れを生じた位置(アドレス)のトラック2に隣接するトラック間領域23の消去動作に即時取り掛かることは容易であり、ホストコンピュータなどの外部制御手段30から見た場合には、サーボ外れによる記録エラーに対する光ディスク装置側のインテリジェンシが高め、外部制御手段30側の負荷(オーバーヘッド)が低減することができる。
【0053】
上記光ディスク装置では、サーボ外れによる記録エラーに対する、光ディスク装置のインテリジェンシが高めることにより、外部の制御手段側の負荷(オーバーヘッド)が少なく出来る。
【0054】
次に、本発明の第7の実施の形態による光ディスク装置について説明する。これまでに説明した各実施の形態では、トラック間23の記録消去は、サーボ外れを生じた可能性がある部位のうちトラック2の片側のトラック間23のみを消去する例であった。ところで、サーボ外れを生じた結果、そのサーボ外れが生じたトラックの左右いずれの側のトラック間に記録マークが誤記録されたかを特定できない場合もある。このような場合には、トラック2の片側ではなく両側のトラック間23を消去するようにしても良い。トラック2が渦巻状に形成されている通常の光ディスク1では、トラック間23に光スポットを追従させ、光ディスク1の2回転分以上を消去すれば良い。一方、同心円状にトラックが形成されている光ディスク1では、トラック間23で光スポット3の移動(ジャンプ)を行ってトラック間23の消去動作を繰り返せば良い。いずれの場合も、トラック間23の消去動作自体は簡単であり、サーボ外れの方向を判別するための手段・手法が必要ないため、それに関するコストの増大が抑えることができる。
上記光ディスク装置では、トラック間の消去を行う際に、サーボ外れの方向を判別する手段・手法が必要無くコストの増大を抑えることができる。
【0055】
次に、本発明の第8の実施の形態による光ディスク装置について説明する。トラック間23に誤記録された部位では、以降、隣接するトラック2上でサーボ外れが生じやすくなることは前述の通りであるが、これと同じ原理で、今度はトラック間23の消去動作中に光スポットがそこからずれたり、或いは「逆サーボ外れ」のような現象が生じる可能性もある。「逆サーボ外れ」の状況について、図4を参照して説明する。図4に示すように、区間A1ではトラック間23を追従している光スポット3の進行方向両側のトラック2a、2b上に記録マーク22が形成されているのに対して、区間A2では進行方向右側(ディスク内周側)のトラック2bのみに記録マーク22が形成されている。光ディスクの内周側から記録を行い、進行方向左側のトラック2bの、区間A1と区間A2との境界で記録を終了した場合などにこの様な状態が発生しやすい。
【0056】
区間A1では、トラック間23から見て左右のトラック上に記録マークが形成されているので、光スポット3をトラック間23に照射した際の反射光量の左右の強度分布も等しく、光スポット3はトラック間23のほぼ中央を追従する。しかしながら、区間A2では記録マークが左右のトラックで異なるように形成されているため、光スポット3は軌跡L2で示されるようにトラック間23からずれ、トラック間23の消去を正常に行えなくなる可能性もある。
【0057】
この光スポット3の軌跡のトラック間23からのずれは、左右のトラック2a、2b上の記録マークの有無による反射光量の左右の強度分布差がトラッキング制御信号として現れ、これに基づき、図1のサーボコントローラ5が、光ピックアップ4を介して光スポット3の位置をトラッキング制御信号がほぼゼロとなるように移動させる制御を行うために生じる。換言すれば、記録マークの有無によってトラッキング制御信号にオフセット成分が生じるのが原因である。
【0058】
従って、トラック間の消去を行う際に、その左右にあるトラック上の記録マークの有無に応じてこのトラッキング制御信号に生じるオフセット成分を減少させる方向に別のオフセット信号を与えれば、光スポット3のトラック間23からのずれを低減することができる。
【0059】
図5は、上記の考え方による光ディスク装置の構成例を示すブロック図である。図1との相違点は、サーボコントローラ5にオフセット調整手段52が設けられており、コントローラ7からサーボコントローラ5に対してオフセット変化が指示されると、オフセット調整手段52からオフセット信号が発生される。このオフセット信号により、記録マークの有無に起因するトラッキング制御信号のオフセット成分を減少させる方向に働く。上記光ディスク装置によれば、トラック上の記録マークの有無に起因するトラック間からの光スポットのずれを抑圧することが可能となる。
【0060】
次に、本発明の第8の実施の形態の変形例による光ディスク装置について説明する。左右のトラック上の記録マークの有無に伴う光スポット3のトラック間23からのずれを抑える技術としては、サーボ制御のオフセットを変化させる以外の技術も考えられる。光スポット3の移動量は、サーボコントローラ5がトラッキング制御信号をどれだけゼロに近付けようとするかの指標であるサーボ制御のゲインが高い程大きく、また、どれだけ素早くゼロに近付けようとするかの指標であるサーボ制御の応答が高い程急激に変化する。従って、サーボ制御のゲインや応答が高いほど、隣接トラック上の記録マークの有無によるトラック間23からの光スポット3のずれは大きく、かつ、急激になる。
【0061】
このため、トラック間23の記録マークの消去に際しては、図1、図5において示した光ディスク装置において、コントローラ7はサーボコントローラ5に対してサーボ制御のゲインや応答を変化させる(より具体的には低下させる)設定又は指示を行えば、記録マークの有無による光スポット3のずれを抑え、追従の安定性を増大させることが出来る。
【0062】
サーボ制御のゲインや応答を低下させると、光スポット3のトラック間23への追従誤差は増加するが、トラック間23に誤記録された記録マークを消去する程度であれば、追従誤差は緩くても問題とはなりにくい。それに比べて、左右のトラック2上の記録マークの有無による光スポット3の隣接トラック2へのずれを抑制する方が重要であることが多いので、そのような場合には、上記の構成・動作が有効となる。
【0063】
上記光ディスク装置では、トラック間の消去を行う際に、隣接するトラック上の記録マークの有無に起因する、トラック間からの光スポットのずれを抑圧し、追従の安定性を増大させることが可能となる。
【0064】
次に、本発明の第9の実施の形態による光ディスク装置について説明する。トラック間23の左右のトラック2上における記録マークの有無の判断は、ほとんどの場合、その光ディスク1のどこまでが既に記録済であるかが判れば判断できる。すなわち、図4を参照して説明すると、記録マークの有無の境界は記録済領域と未記録領域との境界であるから、既に説明したディスク管理情報或いはファイルシステム情報を参照し、消去しようとするトラック間23の左右のトラック2が記録済の領域に相当するのか否かを調べれば良い。
【0065】
これらの情報に基づき、トラック間23の消去中に左右のトラック2が記録済と未記録との間で変化することが想定出来るのであれば、消去開始からの時間をコントローラ7により計測し、左右のトラックが記録済と未記録との間で変化すると予測されるタイミングでサーボコントローラ5に指示を与え、サーボ制御のゲインや応答、或いはオフセットを変化させれば良い。無論変化させる必要が無いと判断されれば指示を与えなければ良い。
【0066】
このように、光ディスク1上の管理情報に基づいて記録済の領域と未記録の領域とを判定すれば、トラック間の消去を行う際におけるサーボ制御のゲインと、応答と、オフセットと、の少なくとも1つを変化させるタイミングを容易に決めることができる。
【0067】
上記光ディスク装置では、トラック間の消去を行う際における、サーボ制御のゲイン、応答、オフセットの少なくとも1つを変化させるタイミングが簡単に決定することができる。
【0068】
次に、本発明の第9の実施の形態の第1変形例による光ディスク装置について説明する。第1変形例によれば、トラック間23にプリピットとしてアドレス情報が形成されている光ディスク1では、光スポット3がトラック間23に追従している状態でもそのアドレス情報を読み取ることが既に説明したように可能である。このアドレス情報を参照すれば、ディスク管理情報或いはファイルシステム情報から想定される記録済・未記録の領域の境界を、実際の光ディスク1上で、より正確に判断することが可能である。この場合、記録済・未記録のそれぞれの領域におけるサーボ制御のゲインと、応答と、オフセットと、の変化タイミングをより正確に把握し、適切に対応することができるため、トラック間23の記録情報の消去に際して、光スポット3のトラック間23からのずれをより効果的に抑えることができる。
【0069】
上記光ディスク装置では、トラック間を消去する際における、サーボ制御のゲイン、応答、オフセットの変化タイミングをより正確に判断して変化を適切に行えるため、トラック間の消去に際して光スポットのトラック間からのずれを抑える効果がより高くなる。
【0070】
次に、本発明の第9の実施の形態の第2変形例による光ディスク装置について説明する。第2変形例は、トラック間23に光スポット3を追従させる際のサーボ制御のゲインと、応答と、オフセットと、を変化させるタイミングを、隣接するトラック2が記録済であるか未記録であるかに応じてより正確に判断し、また、その変化させる量も決定することにより、消去に先立って、実際にその消去対象となるトラック間23に光スポット3を予備的に追従させてみることを特徴とする。
【0071】
この際、光スポット3は情報の再生を行うための弱い光強度のままであって、消去動作は行わない。この状態で、光スポット3がトラック間23からずれてしまった場合には、光スポット3が、隣接するトラック2上に記録されている記録マーク(即ち記録済の情報)22を明確に、かつ、トラック間23に誤記録されたものとは考えられない程度の長い時間が再生に必要であったり、或いは、左右のトラック2a、2bのうちいずれか一方が未記録であって、未記録トラック側に光スポット3がずれた場合には、全く再生出来なかったりする。またトラック間23にプリピットが形成されている光ディスク1では、光スポット3がトラック間23からずれると、本来、反射光量の変化としても再生出来るその情報が再生出来なくなることもある。
【0072】
従って、あるトラック間23に光スポット3を追従させた場合のRF信号の振幅やその継続時間、プリピット信号の再生状況を、信号処理手段を介して観測し、トラック間23のほぼ中央を光スポット3が追従した場合と比較すれば、そのトラック間23への光スポット3の追従が行いにくい状況にあるか否かとともに、どの程度光スポット3がトラック間23からずれているかを判断する材料が得られることになる。また、その観測結果が変化すれば、その変化のタイミングは隣接するトラックの記録済と未記録との領域の境界であるとの判断材料にもなる。
【0073】
これらの判断材料に基づいて、サーボ制御のゲインや応答、オフセットを変化させるタイミングのみではなく、変化させる量も決定すれば、光スポットのトラック間への追従の安定性を向上させることができる。
【0074】
上記光ディスク装置では、トラック間を消去する際における、サーボ制御のゲイン、応答、オフセットを変化させるタイミングだけではなく、変化させる量も決定出来るので、トラック間の消去に際して光スポットのトラック間への追従の安定性を向上出来る。
【0075】
次に、本発明の第9の実施の形態の第3変形例による光ディスク装置について説明する。第3変形例は、トラック間23に光スポット3を追従させる際のサーボ制御のゲイン、応答、あるいはオフセットを変化させるタイミングを、隣接するトラック2が記録済であるか未記録であるかに応じて決定する手法として、消去に先立って、実際にその消去の対象となるトラック間23に光スポット3を追従させ、光スポット3のトラック間23からのサーボ外れのタイミングに基づきタイミングを決定することも可能である。
【0076】
光スポット3のトラック間23からの逸脱は、サーボ外れと同様にサーボ外れ検出手段8において検出されることになるため、サーボ制御のゲイン、応答、オフセットの少なくとも1つを変化させるタイミングを決定すれば、これを用いてタイミングを決定することことが簡単にできる。
上記光ディスク装置では、サーボ制御のゲイン、応答、オフセットの少なくとも1つを変化させるタイミングの決定が簡便で容易に行える。
【0077】
次に、本発明の第9の実施の形態の第4変形例による光ディスク装置について説明する。第4変形例では、処理時間が長くなるが、同一のトラック間23に何度かこの追従を行わせて、サーボ制御のゲイン、応答、オフセットを変化させるタイミングや変化量を細かく調整し直す。この場合、変化タイミングや変化量の最適化ができるため、追従の安定性がより一層向上する。また前述の光スポット3のトラック間23からのサーボ外れタイミングに基づき、サーボ制御のゲインや応答、オフセットを変化させるタイミングを決定する場合においても、その変化させる量をサーボ外れが生じなくなるまで調整し直すことができるため、変化させるタイミングのみを求める場合に比べて、光スポット3のトラック間23への追従の安定性が一層向上する。
【0078】
上記光ディスク装置では、トラック間を消去する際における、サーボ制御のゲイン、応答、オフセットの変化タイミングをより正確に判断して変化タイミングや変化量が最適なものへと調整出来るので、トラック間への光スポットの追従の安定性がなお一層向上する。また光スポットのトラック間からのサーボ外れタイミングに基づきサーボ制御のゲインや応答、オフセットを変化させるタイミングを決定する場合においても、その変化させる量をサーボ外れが生じなくなるまで調整し直す事が出来るので、変化させるタイミングだけを求める場合より光スポットのトラック間への追従の安定性を向上させることが出来る。
【0079】
尚、上記説明では、光ディスク装置について説明したが、光ディスク媒体を用いるCDレコーダーやDVDレコーダーなどにも適用可能である。
以上、本実施の形態に沿って説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【0080】
【発明の効果】
本発明の光ディスク装置では、光ディスクに対して、サーボ外れによってトラック間に誤記録された記録マークを消去することができ、それ以降のサーボ外れの発生を防止・軽減することができ、その光ディスクに関するそれ以降の動作がスムーズになる。また未記録の領域を残したままで光ディスクを代替する必要がなく、ファイルシステムに新たな定義を行う必要もないため、物理的・論理的双方の互換性も維持できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による光ディスク装置の構成例を示す図である。
【図2】トラック間領域における記録マークの消去処理を説明するための模式的な図である。
【図3】トラック間領域における記録マークの消去処理を説明するためのまた別の模式的な図である。
【図4】トラック間を光スポットが追従している際のずれを説明する模式的な図である。
【図5】本発明の他の実施の形態による光ディスク装置の構成例を示す図である。
【図6】一般的な光ディスク装置の構成例を示す図である。
【図7】一般的な光ディスク装置を用いて光ディスクのトラックに情報を記録する際の処理を示す模式的な図である。
【図8】サーボ外れの様子を示す模式的な図である。
【図9】サーボ外れ部位の修復作業の様子を示す模式的な図である。
【図10】修復作業を終えたトラックに別のデータを記録した場合の様子を示す模式的な図である。
【符号の説明】
1…光ディスク、2、2a、2b…トラック、3…光スポット、4…光ピックアップ、5…サーボコントローラ、6…記録再生制御手段、7…コントローラ(マイクロコンピュータ)、8…サーボ外れ検出手段、10…信号処理手段、22、22a…記録マーク、23…トラック間、24…プリピット、30…外部制御手段(ホストコンピュータ)、51…トラッキング極性切替手段、52…オフセット調整手段。

Claims (14)

  1. トラック領域と該トラック領域間に設けられたトラック間領域とを有する光ディスクであって、前記トラック領域に光スポットを照射することにより形成された記録マークにより情報を記録し、前記記録マークに対して前記光スポットを照射することにより記録した情報を消去することが可能な光ディスクに対して、第1の条件下において前記光スポットを前記トラック間に照射して前記トラック間に誤記録された情報の消去を行うことができるトラック間誤記録情報消去手段を有している光ディスク装置。
  2. 前記第1の条件は、前記光ディスク上に記録された情報の整合性に異常があると判断された場合と、前記トラック間の誤記録情報を消去する指示が与えられた場合と、の少なくともいずれか一方である請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記第1の条件は、情報の記録中に前記光スポットが前記トラック領域から外れた場合である請求項1又は2に記載の光ディスク装置。
  4. 消去動作の対象となるトラック間領域は、サーボ外れが生じたトラック領域又はサーボ外れが生じた可能性があるトラック領域に隣接する両側のトラック間領域である請求項1から3までのいずれか1項に記載の光ディスク装置。
  5. 前記トラック間領域における誤記録情報の消去動作を行う際に、サーボ制御系のゲインと、応答と、オフセットと、のうちから選択される少なくとも1つを変化させることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の光ディスク装置。
  6. 前記トラック間領域の誤記録情報の消去を行う際に、消去を行う時間又は区間を、前記トラック間領域に形成されたプリピット情報に基づいて決定することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  7. 前記トラック間領域の誤記録情報の消去を行う際に、消去を行う時間又は区間を、前記トラック間領域に誤記録された記録マークの再生状況に基づいて決定することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  8. 前記サーボ制御系のゲインと、前記応答と、前記オフセットと、から選択される少なくとも1つを変化させるタイミングを、前記光ディスク上の管理情報に基づいて決定することを特徴とする請求項5に記載の光ディスク装置。
  9. 前記サーボ制御系のゲインと、前記応答と、前記オフセットと、のうちから選択される少なくとも1つを変化させるタイミングを、前記光ディスク上の前記トラック間領域に形成されるプリピット情報に基づいて決定することを特徴とする請求項5に記載の光ディスク装置。
  10. 前記トラック間領域に形成された誤記録情報の消去を行う前に、前記トラック間領域に前記光スポットを追従させ、該トラック間領域に形成されているプリピット又は該トラック間領域に隣接するトラック領域に記録されている記録マークの振幅又は再生状況に基づいて、前記サーボ制御系のゲインと、前記応答と、前記オフセットと、から選択される少なくとも1つを変化させるタイミング又は変化させる量を決定することを特徴とする請求項5に記載の光ディスク装置。
  11. 前記トラック間領域に形成された誤記録情報の消去を行う前に、前記トラック間領域に前記光スポットを追従させ、該光スポットが前記トラック間領域から逸脱するタイミングに基づいて、前記サーボ制御系のゲインと、前記応答と、前記オフセットと、のうちから選択される少なくとも1つを変化させるタイミングを決定することを特徴とする請求項5に記載の光ディスク装置。
  12. 前記トラック間領域に形成された誤記録情報の消去を行う前に、前記トラック間領域に前記光スポットを複数回追従させ、前記サーボ制御系のゲインと、前記応答と、前記オフセットと、のうちから選択される少なくとも1つを変化させるタイミング又は変化させる量を調整することを特徴とする請求項10又は11に記載の光ディスク装置。
  13. 前記トラック間誤記録情報消去手段は、
    サーボ外れ時に生じるトラッキング制御信号の乱れを検出するサーボ外れ検出手段と、
    前記光スポットを前記トラック領域と前記トラック間領域とのいずれの領域に追従させるかに応じてトラッキング制御の極性を切り替えるトラッキング制御極性切替手段と
    を含む請求項1に記載の光ディスク装置。
  14. さらに、前記トラッキング制御信号に生じるオフセット成分を検出するオフセット検出手段と、
    該オフセット検出手段により検出されたオフセットを調整するオフセット調整手段と
    を有することを特徴とする請求項13に記載の光ディスク装置。
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