JP2004157671A - 座標出力装置 - Google Patents

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Hidenori Sekiguchi
英紀 関口
Soichi Hama
壮一 浜
Akira Fujii
彰 藤井
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Abstract

【課題】筆記具の位置に関わらず、その座標を高い精度で出力可能な座標出力装置を提供すること。
【解決手段】ディスプレイ1に超音波受信器11,12,13を配設し、ペン2に超音波素子22を設ける。超音波素子22が発信した超音波信号が超音波受信器11,12に到達するまでの伝達時間D1,D2からペン先23のX座標を算出する。また、超音波素子22が発信した超音波信号が超音波受信器11,13に到達するまでの伝達時間D1,D3からペン先23のY座標を算出する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、筆記具を用いて用紙上に文字や図形を手書きした場合の軌跡をコンピュータに文字データ、あるいは図形データとして入力するために筆記具の位置座標を出力する座標出力装置に関し、特に、筆記具のペン先の座標を正確に出力可能な座標出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のコンピュータの普及に伴い、鉛筆などの筆記具を使用して用紙に文字を手書きするよりもキーボードを使用して電子文書を作成することが多くなってきている。しかし、簡単なメモ書きをおこなう場合には、キーボード入力するよりも実際に文字などを用紙に手書きする方が簡便である。
【0003】
このため、会議などをおこなう場合には各自メモ帳などを持参し、鉛筆などを使ってメモ帳などに手書き入力するのが依然として一般的であるが、作成したメモの配布や管理を考えると、かかるメモは電子化されていることが望ましい。特に、手書き文字をイメージスキャナなどで読み取ることとすると電子化に要する処理が煩雑であり、タッチパネルやタブレットなどを利用すると持ち運びに不便であるので、簡易に手書き文字を電子データとして入力することが望まれている。
【0004】
これらのことから、従来、一対の超音波受信器を用紙上に配設し、筆記具から発信する超音波をこれらの超音波受信器によって受信して、その超音波の伝播時間から三角測量を用いて筆記具の位置を算出し、座標の出力をおこなう座標出力装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−59424号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の座標出力装置では、2つの超音波受信器を結ぶ直線の近傍では、出力する座標の精度が劣化するという問題があった。図17に、従来の座標出力装置における三角測量を示す。図17では、ディスプレイ101aの外縁部104aに超音波受信器111aおよび超音波受信器112aを配設している。この超音波受信器111a,112aによって筆記具が送信する超音波を受信し、表示部103aにおけるペン先102の座標を算出することができる。しかしながら、図17に示すように、ペン先102が超音波受信器111a,112aのなす直線の近傍にある場合、ペン先102と超音波受信器111a,112aによって形成される三角形が極端に鈍角になる。この結果、ペン先102の座標、特に図17に示したY座標の値の精度が低下する。
【0007】
この問題を回避するためには、図18に示すように、ディスプレイ101bの表示部103bから超音波受信器111bおよび超音波受信器112bを離して配設する必要があるが、この場合、外縁部104bが大きくなるという問題点が発生する。
【0008】
つまり、従来の座標出力装置では、筆記具の位置に依存した精度劣化が発生するという問題点があり、この問題を回避するためには、ディスプレイの外縁部を大きくしなければならなかった。
【0009】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、筆記具の位置に関わらず、座標を高い精度で出力可能な座標出力装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る座標出力装置は、超音波素子を設けた筆記具の所定の座標平面上における平面座標を出力する座標出力装置であって、前記座標平面上に固定された第1の固定超音波素子および第2の固定超音波素子と、前記座標平面上に固定され、前記第1の超音波素子と前記第2の超音波素子とがなす直線から距離をもって設けられた第3の固定超音波素子と、前記超音波素子と前記第1の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間と、前記超音波素子と前記第2の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間とをもちいて前記筆記具の平面座標を算出する第1の平面座標算出手段と、前記超音波素子と前記第1の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間と、前記超音波素子と前記第3の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間とをもちいて前記筆記具の平面座標を算出する第2の平面座標算出手段と、前記第1の平面座標算出手段が算出した第1の平面座標と、前記第2の平面座標算出手段が算出した第2の平面座標とをもとに、前記筆記具の平面座標を出力する平面座標出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、座標出力装置は、筆記面に第1の固定超音波素子、第2の固定超音波素子および第3の固定超音波素子を配設し、第1の固定超音波素子と第2の固定超音波素子との組合せから算出した第1の平面座標と、第1の固定超音波素子と第3の固定超音波素子との組合せから算出した第2座標とをもとに、筆記具の座標を出力する。
【0012】
また、本発明に係る座標出力装置は、上記の発明において、前記座標平面は、第1の座標軸と第2の座標軸とを備え、前記平面座標出力手段は、前記第1の平面座標における前記第1の座標軸の値と、前記第2の平面座標における前記第2の座標軸の値とを前記筆記具の平面座標として出力することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、座標出力装置は、第1の平面座標から第1の座標軸の値を決定し、第2の平面座標から第2の座標軸の値を決定する。
【0014】
また、本発明に係る座標出力装置は、上記の発明において、前記第1の平面座標をもとに、前記第1の平面座標を前記筆記具の平面座標として出力するか、前記第2の平面座標を前記筆記具の平面座標として出力するか、もしくは前記第1の平面座標および前記第2の平面座標から前記筆記具の平面座標の算出をするかを選択する選択手段をさらに備え、前記平面座標出力手段は、前記選択手段の選択結果に基づいて前記筆記具の平面座標を出力することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、座標出力装置は、第1の平面座標から筆記面における筆記具の位置を概算し、その位置をもとに筆記具の平面座標を再計算する。
【0016】
また、本発明に係る座標出力装置は、上記の発明において、前記超音波素子と前記第1の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間、前記超音波素子と前記第2の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間および前記超音波素子と前記第3の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間から前記筆記具の前記所定の座標平面に対する高さを算出し、該算出した高度値が所定の高度値に比して小さい場合に、前記平面座標出力手段による座標の出力を開始させる高度算出手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、座標出力装置は、筆記具の空間座標から筆記具の座標平面に対する高さを算出し、筆記具の高さが所定の高度値に比して小さい場合に筆記具の平面座標の算出をおこなう。
【0018】
また、本発明に係る座標出力装置は、上記の発明において、前記平面座標出力手段は、前記第3の固定超音波素子に異常がある場合に前記第1の平面座標を前記筆記具の平面座標として出力し、前記第2の固定超音波素子に異常がある場合に前記第2の平面座標を前記筆記具の平面座標として出力することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、座標出力装置は、超音波受信器のいずれかに異常がある場合に、正常な超音波受信器の組み合わせをもちいて筆記具の座標を算出する。
【0020】
また、本発明に係る座標出力装置は、上記の発明において、前記所定の座標平面は、コンピュータシステムのディスプレイ面であることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、座標出力装置は、コンピュータシステムのディスプレイ面に設置した超音波受信器をもちいて筆記具の座標を算出する。
【0022】
また、本発明に係る座標出力装置は、上記の発明において、前記第2の固定超音波素子を第1の固定部材に配設し、前記第3の固定超音波素子を第2の固定部材に配設し、前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とを略直角に接合した接合部近傍に前記第1の固定超音波素子を設けたことを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、座標出力装置は、固定部材に配設した超音波受信器をもちいて筆記具の座標を算出する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る座標出力装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る座標出力装置の概要構成を示す図である。図1において、座標出力装置は、ディスプレイ1とペン2とを接続コード3によって接続している。また、ディスレプレイ1には、ペン先位置算出部4が接続されている。
【0026】
ここで、ディスプレイ1は、超音波受信器11、超音波受信器12および超音波受信器13を備えており、各超音波受信器11,12,13は、ペン2に設けた超音波素子22が発信する超音波を受信する。また、ペン先位置算出部4は、超音波素子22と超音波受信器11との間の距離D1を算出する距離算出部41、超音波素子22と超音波受信器12との間の距離D2を算出する距離算出部42、超音波素子22と超音波受信器13との間の距離D3を算出する距離算出部43を備えている。
【0027】
距離算出部41は、超音波素子22から発信された超音波が超音波受信器11に到達するまでに要した時間を測定し、この伝達時間から超音波素子22と超音波受信器11との距離D1を算出する。同様に、距離算出部42,43は、超音波素子22から発信された超音波が超音波受信器12,13に到達するまでに要した時間をそれぞれ測定し、これらの伝達時間から超音波素子と超音波受信器12,13との距離D2,D3を算出する。
【0028】
さらに、ペン先位置算出部4は、距離D1と距離とD2をもとに超音波素子22のX座標を算出するX座標算出部44、距離D1と距離D3とをもとに超音波素子22のY座標を算出するY座標算出部45、およびX座標算出部44が算出したX座標とY座標算出部45が算出したY座標とをペン先23の平面座標として出力するペン先位置出力部46とを備えている。
【0029】
ここで、X座標算出部44は、距離D1と距離D2とを用いた三角測量により、超音波素子22のX座標とY座標とを算出することができる。しかしながら、超音波受信器11と超音波受信器12とを結ぶ直線の近傍では、算出するY座標の値の精度が低下する。したがって、ペン先位置出力部46は、この計算結果のうち、X座標のみを採用する。同様に、Y座標算出部45は、距離D1と距離D3とを用いた三角測量により、超音波素子22のX座標とY座標とを算出することができる。しかしながら、超音波受信器11と超音波受信器13とを結ぶ直線の近傍では、算出するX座標の精度が低下する。したがって、ペン先位置出力部46は、この計算結果のうち、Y座標のみを採用する。
【0030】
このように、ディスプレイ1に3つの超音波受信器11,12,13を設置し、平面座標を算出する場合に、座標軸ごとに異なる超音波受信器の組み合わせを使用することで、ペン2がディスプレイ1のどこにある場合であっても高い精度で平面座標を算出することができる。
【0031】
つぎに、ペン2およびペン先位置算出部4の構成についてさらに具体的に説明する。図2は、ペン2およびペン先位置算出部4の構成を説明する説明図である。上述の距離算出部41,42,43による距離の算出や、X座標算出部44、Y座標算出部45、およびペン位置出力部46による座標の算出は、図2に示したディスプレイ側回路50の演算処理部60による演算処理によって実現される。
【0032】
ディスプレイ側回路50には、この演算処理部60に加え、入力アンプ51,52,53、コンパレータ54,55,56およびタイマ57,58,59を備えている。また、ペン2は、その内部にペン内部回路70を備えている。このペン内部回路70は、図1に示した超音波素子22および指スイッチ21に加え、ペンタッチスイッチ23aおよび超音波駆動回路7によって構成される。
【0033】
ペンタッチスイッチ23aはペン先23と連動し、ペン先23がディスプレイ1の表面に接触した場合にオン状態となる。指スイッチ21は、使用者がペン2を手に持った場合にオン状態となるスイッチである。この指スイッチ21は、使用者がペン2を持った場合に、その指の接触による抵抗変化を感知することで実現できる。また、指の接触による容量変化を検知してもよいし、機械的なスイッチや、傾斜を検知する方式でもよい。
【0034】
この座標出力装置によってペン先の位置を算出する場合、まず、使用者が、ペン2を持った時点で指スイッチ21がオンとなる。指スイッチ21は接続ケーブル3を介して演算処理部60に接続されており、演算処理部60は、指スイッチ21がオンとなった場合に、超音波発信信号W0を出力する。この超音波発信信号W0は、タイマ57,58,59および超音波駆動回路7に入力される。タイマ57,58,59は、超音波発信信号W0を受信した場合に、時間の計測をスタートする。また、超音波駆動回路7は、超音波発信信号W0を受信した場合に超音波素子22から超音波を発信する。
【0035】
超音波素子22から発信された超音波は、超音波受信器11,12,13によってそれぞれ受信される。ここで、超音波受信器11,12,13が超音波を受信するタイミングは、超音波受信器11,12,13と超音波素子22との位置関係によって異なる。図3は、各超音波素子11,12,13が超音波を受信するタイミングを説明する説明図である。図3において、受信波W1は、超音波受信器11によって受信された超音波信号であり、受信波W2は、超音波受信器12によって受信された超音波信号であり、受信波W3は、超音波受信器13によって受信された超音波信号である。
【0036】
超音波受信器11は、受信した超音波信号である受信波W1を入力アンプ51に送出する。入力アンプ51は、受信波W1を適度な大きさに増幅し、コンパレータ54に出力する。コンパレータ54は、増幅された受信波W1と閾値rt1とを比較し、受信波W1が閾値rt1を超えた場合にタイマ57による時間の計測をストップする。タイマ57は、この測定した伝達時間T1を演算処理部60に送出する。
【0037】
同様に、超音波受信器12は、受信した超音波信号である受信波W2を入力アンプ52にそれぞれ送出する。入力アンプ52は、受信波W2を適度な大きさに増幅し、コンパレータ55に出力する。コンパレータ55は、増幅された受信波W2と閾値rt2とを比較し、受信波W2が閾値rt2を超えた場合にタイマ58による時間の計測をストップする。タイマ58は、この測定した伝達時間T2を演算処理部60に送出する。
【0038】
また、超音波受信器13は、受信した超音波信号である受信波W3を入力アンプ53にそれぞれ送出する。入力アンプ53は、受信波W3を適度な大きさに増幅し、コンパレータ56に出力する。コンパレータ56は、増幅された受信波W3と閾値rt3とを比較し、受信波W3が閾値rt3を超えた場合にタイマ59による時間の計測をストップする。タイマ59は、この測定した伝達時間T3を演算処理部60に送出する。
【0039】
演算処理部60は、これらの伝達時間T1,T2,T3から距離D1,D2,D3を算出する。これらの距離は、超音波の伝達速度、すなわち音速をVとすると、
D1=V×T1
D2=V×T2
D3=V×T3
によって算出できる。さらに、超音波受信器11の座標を原点とし、超音波受信器12の座標を(X2,0)、超音波受信器13の座標を(0,Y3)とすると、超音波素子22の座標(x,y)は、
+y=D1
(x−X2)+y=D2
+(y−Y3)=D3
が成立する。
【0040】
演算処理部60は、このx+y=D1 および(x−X2)+y=D2から x=(D1−D2+X2)/2×X2 としてxの値を算出する。また、 x+y=D1 およびx+(y−Y3)=D3 からy=(L1−L3+Y3)/2×Y3 としてyの値を算出する。
【0041】
このように、超音波受信器11および超音波受信器12を使用してペン2のX座標を算出し、超音波受信器11および超音波受信器13を使用してペン2のY座標を算出することでペン2の座標を高精度に算出する。また、この超音波信号の発信からペン2の座標の算出までの処理動作は、指スイッチ21がオフ状態となるまで、すなわち使用者がペン2から手を離すまで所定の時間間隔をおいて繰り返す。この所定間隔を例えば10msとすることで、ペン先23の動きの軌跡を十分な分解能で検出することができる。
【0042】
一方、3つの超音波受信器を用いることは、座標算出のエラー低減にも有効である。従来のように2つの超音波受信器を用いる構成では、その一方が正常に超音波を受信できなかった場合に、座標の算出が全く不可能となる。しかし、本実施の形態1に示した座標出力装置では、3つの超音波受信装置によって座標算出をおこなうことで精度を向上させる一方、超音波受信器11と超音波受信器12との組み合わせのみ、または超音波受信器11と超音波受信器13との組み合わせのみでも座標の算出が可能である。
【0043】
したがって、超音波受信器12または超音波受信器13の一方に異常がある場合には、正常な超音波受信器を使用して座標を算出すればよい。図4は、超音波受信器に異常がある場合において使用する超音波受信器の組み合わせを説明する説明図である。図4では、各超音波受信器が正常であるか否かの判断を、超音波信号の伝達時間によって判断している。すなわち、タイマ57〜58による時間の計測に上限をつけておき、超音波信号の発信から所定時間の間に受信信号が得られなかった場合にエラーと判定している。
【0044】
図4に示すように、まず、伝達時間T1,T2,T3が全て正常である場合、上述したように超音波素子22のx座標の値を伝達時間T1とT2から算出し、y座標の値を伝達時間T2とT3から算出する。一方、伝達時間伝達時間T1,T2が正常で、伝達時間T3が異常である場合、x座標の値およびy座標の値は、ともに伝達時間T1,T2から算出した値を使用する。この場合、y座標の値は、 x+y=D1 および (x−X2)+y=D2 から
y=(D1−x1/2
として算出される。
【0045】
また、伝達時間伝達時間T1,T3が正常で、伝達時間T2が異常である場合、x座標の値およびy座標の値は、ともに伝達時間T1,T3から算出した値を使用する。この場合、x座標の値は、 x+y=D1 および x+(y−Y3)=D3 から
x=(D1−y1/2
として算出される。
【0046】
ところで、図4では伝達時間T1の値が異常である場合は全てエラーとしている。これは、超音波受信器の異常はなんらかの遮蔽物によるものであることが多く、超音波受信器11の位置は、遮蔽物の影響を受け難いためである。また、伝達時間T2とT3とを用いて座標を算出した場合、超音波受信器12と超音波受信器13とを結ぶ直線をはさんで2つの座標が解として与えられることとなり、どちらの解を採用するかの峻別が難しい点も理由の一つとして挙げられる。
【0047】
上述してきたように、本実施の形態1では、ディスプレイ1に3つの超音波受信器11,12,13を設置し、超音波受信器11と超音波受信器12とを用いてペン先23のX座標を算出し、超音波受信器11と超音波受信器13とを用いてペン先23のY座標を算出しているので、ペン2の位置に関わらず、ペン先23の座標を高精度に算出することができる。
【0048】
また、超音波受信器12または超音波受信器13による超音波の受信が正常に行われなかった場合であっても、正常な超音波受信器と超音波受信器11とを用いてペン先23の座標を算出することができるので、座標検出のエラーを減少させることができる。
【0049】
なお、超音波受信器11,12,13が全て正常に機能している時には、上述の計算式において、音速Vを算出することができる。空気中における超音波の伝達速度は、気温などによって変化するため、3つの超音波受信器が正常に機能している場合には、超音波の伝達速度を計算によって求めることで、座標の精度をさらに向上することができる。
【0050】
(実施の形態2)
上述した実施の形態1では、使用する超音波受信器の組合せを座標軸ごとに切り替えて平面座標の算出をおこなっていたが、本実施の形態2では、ペン先の座標を概算し、この算出結果をもとに再度座標の算出をおこなうことで算出の精度を向上した座標出力装置について説明する。また、実施の形態1では、ディスプレイ1とペン2とを接続ケーブルで接続していたが、この実施の形態2では、ディスプレイ1とペン2とを赤外線通信させている。
【0051】
図5は、本実施の形態2に係る座標出力装置の概要構成を説明する説明図である。図5に示すように、この実施の形態2では、ペン2に赤外線放射部24を設け、ディスプレイ1に赤外線受信部14を設けている。また、ペン先位置算出部4aは、第1座標算出部47および第2座標算出部48を備えている。その他の構成は実施の形態1に示した座標出力装置と同一であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
この座標出力装置では、ペン2からディスプレイ1への通信は、赤外線放射部24が出力する赤外線信号によっておこなう。図6に、赤外線放射部24を設けたペン2の概要構成を示す。また、図7に、赤外線放射部24を設けたペン2の回路構成を示す。図6に示したように、ペン2は表面に指スイッチ21、赤外線放射部24、超音波素子22、ペン先23を備え、さらにペン2の内部に電池2a、駆動回路71、ペンタッチスイッチ23aを有している。
【0053】
赤外線24は、ペン2を中心に全方位に赤外線を放射する。具体的には、指向性120°の発光ダイオードを3個配置する。駆動回路71は、図7に示すように、その内部にタイマ72、赤外線駆動回路73および超音波駆動回路7を備えている。タイマ72は、指タッチスイッチ21がオン状態である場合に、一定の間隔で周期信号を出力する。赤外線駆動回路73は、この周期信号に基づき、赤外線放射部24から周期的に赤外線信号を出力する。同時に、超音波駆動回路7は、タイマ72から出力する周期信号に基づき、超音波素子22から周期的に超音波信号を出力する。
【0054】
ここで、タイマ72が出力する周期信号の周期は、ペンタッチスイッチ23aの状態によって決定される。ここでは、タイマ72はペンタッチスイッチ23aがオン状態である場合に、10ms間隔の周期信号を出力し、ペンタッチスイッチ23aがオフ状態である場合に、30ms間隔の周期信号を出力する。ペンタッチスイッチ3aがオンである状態は、ペン先23が筆記面に接触している状態であり、使用者が文字データなどを入力していると考えられる。したがって、十分に短い周期の信号を出力することで分解能を確保することが必要である。一方、ペンタッチスイッチ23aがオフである状態は、ペン先23が筆記面に接触していない状態である。したがって、データの入力中に比して分解能を確保する必要性が低くなる。このような状態では、周期信号の周期を長くすることで、消費電力を低減することが好ましい。
【0055】
つぎに、図8を参照し、ディスプレイ側の回路構成について説明する。図8は、実施の形態2におけるディスプレイ側回路50aの構成を説明する図である。ディスプレイ側回路50aは、赤外線受信器14および周期タイマ62を有する点が、実施の形態1に示したディスプレイ側回路50と異なる。また、それに対応して演算処理部61の処理動作も異なる。その他の構成要素およびその動作はディスプレイ回路50と同様であるので、同一の符号を付してここでは説明を省略する。
【0056】
赤外線受信器14は、赤外線放射部24が送信した赤外線信号を受信した場合にタイマ57,58,59による時間の計測をスタートさせる。同時に、周期タイマ62による周期の計測をおこなう。この周期タイマ62は、赤外線受信器14が出力する信号の周期、すなわち、赤外線信号の周期を計測し、周期信号Tsとして演算処理部61に入力する。この周期信号Tsによって演算処理部61はペンタッチスイッチ23aの状態を検知することができる。
【0057】
つぎに、本実施の形態2における平面座標の算出について説明する。この実施の形態2では、ディスプレイ1の座標平面、すなわち筆記面を複数の領域に分割し、超音波素子1の位置に応じて使用する超音波受信器の組合せを切り替えるようにしている。すなわち、一旦超音波素子22の座標を概算し、この概算結果をもとに使用する超音波受信器の組合せを決定して、再度座標の算出をおこなう。
【0058】
最初の座標算出、すなわち概算時の座標算出は、第1座標算出部47によっておこなう。この時、使用する超音波受信器は、超音波受信器11および超音波受信器12である。一方、次の座標算出は、第2座標算出部48によっておこなう。この第2座標算出部による座標算出では、第1座標算出部47による算出結果である概算座標をもとに、使用する超音波受信器の組合せを決定する。
【0059】
ここで、図9および図10を参照し、第2座標検出部48による座標算出を具体的に説明する。図9は、ディスプレイ1の筆記面の領域の区分を説明する説明図であり、図10は、各領域で使用する超音波受信器の組合せを説明する説明図である。図9に示すように、この実施の形態2では、超音波受信器13と超音波受信器12とを結んだ直線にX軸を取り、筆記面上でこのX軸に直行する方向にY座標を取っている。また、領域の分割には、任意に定めたパラメータU1,U2,V1,V2を用いる。このパラメータと領域R1〜R11との関係を図11に示す。
【0060】
また、この座標平面において、超音波受信器11と超音波受信器12とを用いて算出した超音波素子22の座標を(x12,y12)、超音波受信器11と超音波受信器13とを用いて算出した超音波素子22の座標を(x13,y13)、超音波受信器12と超音波受信器13とを用いて算出した超音波素子22の座標を(x23,y23)とする。
【0061】
第2座標算出部48は、第1座標算出部47によって算出された概算座標が領域R5にある場合、図10に示したように、超音波受信器11と超音波受信器13とを用いて算出した座標である(x13,y13)を超音波素子22の座標として出力する。また、第2座標算出部48は、概算座標が領域R7にある場合、超音波受信器11と超音波受信器12とを用いて算出した座標である(x12,y12)を超音波素子22の座標として出力する。したがって、この場合に第2座標算出部が出力する座標は、概算座標と同一となる。
【0062】
一方、概算座標が領域R5と領域R7に挟まれた領域R6にある場合、第2座標算出部48は、座標(x12,y12)と座標(x13,y13)とを用いて座標の算出をおこなう。ここで、第2座標算出部48が算出する座標は、領域R5の近傍では(x13,y13)に近い値をとり、領域R7の近傍では(x12,y12)に近い値をとることが望ましい。このように、複数の座標から超音波素子22の座標を算出する場合に、領域の境界線近傍ではその隣接領域における座標に近い値を出力することで、超音波素子が領域の境界線を越えて移動した時に座標値が大きく変化するギャップの発生を防ぐことができる。
【0063】
したがって、第2座標算出部48は、超音波素子22が領域R5との境界から領域R7との境界まで移動した場合に、出力する座標の値が(x13,y13)から(x12,y12)まで連続的に変化するようにしている。具体的には、パラメータU1,U2を使用し、
α=(x12−U1)/(U2−U1)
x=αx13+(1−α)x12
y=αy13+(1−α)y12
として超音波素子22の座標を算出する。
【0064】
また、概算座標が領域R1にある場合、第2座標算出部48は、超音波受信器12と超音波受信器13とを用いて算出した座標である(x23,y23)を超音波素子22の座標として出力する。さらに、領域R1と領域R5には挟まれた領域R2に概算座標がある場合、第2座標算出部48は、パラメータV1,V2を使用し、
β=(y12−V1)/(V2−V1)
x=βx23+(1−β)x12
y=βy23+(1−β)y12
として超音波素子22の座標を算出する。
【0065】
また、領域R6と領域R1に挟まれた領域R3概算座標がある場合、第2座標算出部48は、
x=βx23+α(1−β)x13+(1−α)(1−β)x12
y=βy23+α(1−β)y13+(1−α)(1−β)y12
として超音波素子2の座標を算出する。さらに、第2座標算出部48は、領域R4,R8,R9,R10,R11についても同様に座標の算出をおこなう。
【0066】
このように、筆記面を複数の領域に分割し、領域ごとに使用する超音波受信器の組合せを切り替えることで、超音波素子22の座標を高い精度で算出することができる。さらに、領域の境界部分におけるギャップの発生を防止しているので、ペン2による座標の入力を正確かつ簡易におこなうことができる。
【0067】
つぎに、ペンタッチスイッチ23aがオフの場合における座標算出について説明する。ペンタッチスイッチ23aがオフの場合、ペン先が筆記面に接触しておらず、使用者が図形や文字などのデータを入力している状態ではないと考えられる。しかしながら、ペン先で指示した位置にディスプレイで線等を表示する場合に、視差等の誤差でペン先と表示がずれる場合がある。このため、ペンをディスプレイに接近させるだけで、ディスプレイ上のカーソルがペン先に追従すると、人間がこのずれを補正しながらペンを操作することが可能となる。この機能は近接入力と呼ばれている。近接入力を行うためには、ペン先が筆記面に接触していなくてもペン座標を出力する必要がある。
【0068】
この座標出力装置は、ディスプレイ1に3つの超音波受信器を備えているため、超音波素子22の空間座標を算出し、超音波素子22と筆記面との距離を算出することができる。この実施の形態では、座標出力装置は超音波素子22の筆記面に対する距離(以下、超音波素子22の高度値と称する)が所定の高度値に比して小さい場合に平面座標の算出を開始する。したがって、ペン先23が筆記面の近傍にある場合に、超音波素子22の平面座標を算出して近接入力をおこなうことができると共に、ペン先23が筆記面の近傍に無い場合に平面座標の算出を停止することができる。
【0069】
この座標出力装置の具体的な処理動作を、図12を参照して説明する。図12は、この座標出力装置における座標算出の処理動作を説明するフローチャートである。図12において、座標出力装置は指スイッチ21がオンになった場合に動作を開始し、超音波素子22から超音波を発信する(ステップS101)。つぎに、演算処理部61が、タイマ57,58,59から伝達時間T1,T2,T3を読み込む(ステップS102)。さらに、演算処理部61は、周期信号Tsを読み込んでペンタッチスイッチ23aがオン状態か否かを判定する(ステップS103)。
【0070】
ペンタッチスイッチ23aがオン状態である場合(ステップS103,Yes)、伝達時間T1,T2を使用し、第1座標算出部47による概算座標の算出をおこなう(ステップS104)。つぎに、この概算座標を用いて第2座標算出部による座標算出を実行し、ペン先23の座標を更新する(ステップS105)。その後、超音波の発信から所定時間Ts1が経過した場合(ステップS106)に、指スイッチがオンか否かを判定する(ステップS107)。なお、ここで所定時間Ts1としては、上述したように10msを用いる。
【0071】
一方、ペンタッチスイッチ23aがオフ状態である場合(ステップS103,No)、演算処理部61は、伝達時間T1,T2,T3から超音波素子の空間座標を算出する(ステップS111)。この空間座標から、超音波素子22の高度値Zを算出し、高度値と閾値Z1とを比較する(ステップS112)。
【0072】
高度値が閾値Z1に比して小さい場合(ステップS112,Yes)伝達時間T1,T2を使用し、第1座標算出部47による概算座標の算出をおこなう(ステップS113)。つぎに、この概算座標を用いて第2座標算出部による座標算出を実行し、ペン先23の座標を更新する(ステップS114)。ステップS114終了後、または高度値が閾値Z1以上である場合(ステップS112,No)、演算処理部61は、超音波の発信から所定時間Ts2の経過を待って(ステップS115)、指スイッチがオンか否かを判定する(ステップS107)。なお、ここで所定時間Ts2としては、上述したように30msを用いる。
【0073】
ステップ107の判定の結果、指スイッチ23aがオン状態である場合(ステップS107,Yes)、座標算出処理部61は、ステップS101からステップS107までの処理を繰り返し、ペン先23の動きを検出する。この指スイッチ23aがオフ状態となった場合に座標出力装置は、処理動作を終了する。
【0074】
このように、ペン2の空間座標を算出し、筆記面の近傍にある場合に平面座標の算出をおこなうことで、近接入力を行うことができる。また、平面座標の算出を、ペンタッチスイッチ23aがオン状態である場合と同様におこなうことで、ペン先23が筆記面に接触した場合に、表示位置におけるギャップの発生を防止することができる。
【0075】
上述してきたように、本実施の形態2では、筆記面を複数の領域に分割し、領域ごとに使用する超音波受信器の組合せを切り替えることで、超音波素子22の座標を高い精度で算出することができる。
【0076】
また、ペン先23の接触と被接触の切り替え時や、筆記面上の領域の切り替え時にギャップが発生することを防止しているので、ペン先23の位置を示す座標が常に連続して推移することとなり、データ入力を簡易におこなうことができる。
【0077】
なお、本実施の形態2に示した超音波素子22の高度値による平面座標算出のオンオフ制御は、実施の形態1に示した座標出力装置においても適用することができる。この場合、超音波素子2の空間座標を算出し、その高度値が閾値より小さい時に、超音波受信器11と超音波受信器12との組合せでX座標を算出し、超音波受信器11と超音波受信器13との組合せでY座標を算出すればよい。
【0078】
また、本実施の形態2では、筆記面を複数の領域に分割し、この領域に応じて使用する超音波受信器の組合せを決定していたが、必ずしも筆記面を複数の領域に分割する必要はなく、筆記面上の各位置において適切な組合せを指定できる方法であれば、任意の方法をもちいることができる。
【0079】
(実施の形態3)
この実施の形態3では、ディスプレイ1に4つの超音波受信器を配設した座標出力装置について説明する。実施の形態1および実施の形態2に示した座標出力装置では、筆記面の左上方に超音波受信器1を配設し、筆記面の右上方に超音波受信器12を配設し、筆記面の左下方に超音波受信器13を配設することを想定している。
【0080】
右利きの利用者がペン2を持つ場合、利用者の手はペン2の右側に来る。したがって、各超音波受信器11,12,13による超音波信号の受信が利用者の手によって阻害される可能性は低い。しかしながら、左利きの利用者がペン2を持つ場合、利用者の手はペン2の左側に位置する。したがって、左下方に位置する超音波受信器13による超音波信号の受信が阻害される可能性がある。
【0081】
本実施の形態3では、図13に示すように、超音波受信器11,12,13に加え、筆記面の右下方に超音波受信器15を備えている。この座標出力装置の回路構成を図14に示す。実施の形態1に示した座標出力装置では、入力アンプ53には常に超音波受信器13が受信した受信波が入力されていたが、この実施の形態3では、入力アンプ53に入力する受信波を、超音波受信器13と超音波受信器15とのいずれかで受信したものとし、この切り替えおこなうスイッチ16を設けている。また、それに応じて演算処理部63の動作も異なる。その他の構成要素およびその動作は実施の形態1と同様であるので、同一の符号を付してここでは説明を省略する。
【0082】
この座標出力装置では、スイッチ16によって使用する超音波受信器の組合せを切り替える。すなわち、利用者が右利きである場合には、超音波受信器11,12,13によって超音波素子22の座標を算出し、利用者が左利きである場合には、超音波受信器12,15,11によって超音波素子22の座標を算出する。
【0083】
超音波受信器11,12,13によって超音波素子22の座標を算出する場合、演算処理部63は、超音波受信器11および超音波受信器12をもちいて超音波素子22のX座標を算出し、超音波素子11および超音波受信器13をもちいて超音波素子22のY座標を算出する。この処理動作は、実施の形態1に示した演算処理部60と同様である。
【0084】
一方、超音波受信器12,15,11によって超音波素子22の座標を算出する場合、演算処理部63は、超音波受信器12および超音波受信器11をもちいて超音波素子22のX座標を算出し、超音波受信器12および超音波受信器15をもちいて超音波素子22のY座標を算出する。
【0085】
このように、ディスプレイ1に4つの超音波受信器を配設し、使用する超音波受信器の組合せを切り替えることで、利用者が左利きである場合であっても高精度で座標の算出をおこなうことができる。
【0086】
なお、本実施の形態3では、座標の算出を実施の形態1と同様におこなう場合について説明したが、実施の形態2に示した座標算出方法を用いるようにしてもよい。
【0087】
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4について説明する。上述の実施の形態1,2および3では、ディスプレイ上に超音波受信器を配設していたが、この実施の形態4では、ディスプレイに対して着脱可能な受信装置に各超音波受信器を設置している。
【0088】
図15は、本実施の形態4にかかる座標出力装置の概要構成を説明する説明図である。図15において、座標出力装置は、ペン2および受信装置80によって構成される。また、受信装置80は、固定部材80aと固定部材80bとをL字形状に接続して形成される。固定部材80aはその端部に超音波受信器82を備えている。また、固定部材80bは、その端部に超音波受信器83を備えている。さらに、固定部材80aと固定部材80bとの接続部の近傍に超音波受信器81および赤外線受信器84を備えている。
【0089】
この受信装置80を任意の筆記面に設置することで、その筆記面における超音波素子22の座標を算出することができる。たとえば、ディスプレイ86に受信装置80を置くことで、ディスプレイ86を筆記面とすることができる。
【0090】
さらに、この受信装置80は、配置場所を選択することで利用者が右利きの場合であっても、左利きの場合であっても高精度に座標の算出をおこなうことができる。図16に、ペン2を左手で持つ場合の受信装置80の配置場所を示す。
【0091】
このように、本実施の形態4では、超音波受信器81,82,83を受信装置に組み付けた場合、任意の平面を筆記面として利用可能な座標出力装置を実現することができる。また、この座標出力装置は、受信装置を小型化することで座標出力装置を簡易に持ち運び可能としている。さらに、受信装置80の配置場所を変更することで、利用者の利き手に関わらず、高精度で座標の算出をおこなうことができる。
【0092】
なお、実施の形態1〜4では、筆記具に設けた超音波素子から超音波を発信し、座標平面に固定した超音波受信器で受信するように構成しているが、超音波素子は同一の構成で超音波の送信と受信とを行うことができるので、座標平面から超音波を発信し、筆記具に設けた超音波素子で受信するように構成してもよい。
【0093】
(付記1)超音波素子を設けた筆記具の所定の座標平面上における平面座標を出力する座標出力装置であって、
前記座標平面上に固定された第1の固定超音波素子および第2の固定超音波素子と、
前記座標平面上に固定され、前記第1の固定超音波素子と前記第2の固定超音波素子とがなす直線から距離をもって設けられた第3の固定超音波素子と、
前記超音波素子と前記第1の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間と、前記超音波素子と前記第2の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間とをもちいて前記筆記具の平面座標を算出する第1の平面座標算出手段と、
前記超音波素子と前記第1の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間と、前記超音波素子と前記第3の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間とをもちいて前記筆記具の平面座標を算出する第2の平面座標算出手段と、
前記第1の平面座標算出手段が算出した第1の平面座標と、前記第2の平面座標算出手段が算出した第2の平面座標とをもとに、前記筆記具の平面座標を出力する平面座標出力手段と、
を備えたことを特徴とする座標出力装置。
【0094】
(付記2)前記座標平面は、第1の座標軸と第2の座標軸とを備え、前記平面座標出力手段は、前記第1の平面座標における前記第1の座標軸の値と、前記第2の平面座標における前記第2の座標軸の値とを前記筆記具の平面座標として出力することを特徴とする付記1に記載の座標出力装置。
【0095】
(付記3)前記第1の平面座標をもとに、前記第1の平面座標を前記筆記具の平面座標として出力するか、前記第2の平面座標を前記筆記具の平面座標として出力するか、もしくは前記第1の平面座標および前記第2の平面座標から前記筆記具の平面座標の算出をするかを選択する選択手段をさらに備え、前記平面座標出力手段は、前記選択手段の選択結果に基づいて前記筆記具の平面座標を出力することを特徴とする付記1に記載の座標出力装置。
【0096】
(付記4)前記超音波素子と前記第1の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間、前記超音波素子と前記第2の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間および前記超音波素子と前記第3の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間から前記筆記具の前記所定の座標平面に対する高さを算出し、該算出した高度値が所定の高度値に比して小さい場合に、前記平面座標出力手段による座標の出力を開始させる高度算出手段をさらに備えたことを特徴とする付記1,2または3に記載の座標出力装置。
【0097】
(付記5)前記平面座標出力手段は、前記第3の固定超音波素子に異常がある場合に前記第1の平面座標を前記筆記具の平面座標として出力し、前記第2の固定超音波素子に異常がある場合に前記第2の平面座標を前記筆記具の平面座標として出力することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の座標出力装置。
【0098】
(付記6)前記所定の座標平面は、コンピュータシステムのディスプレイ面であることを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の座標出力装置。
【0099】
(付記7)前記第2の固定超音波素子を第1の固定部材に配設し、前記第3の固定超音波素子を第2の固定部材に配設し、前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とを略直角に接合した接合部近傍に前記第1の固定超音波素子を設けたことを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の座標出力装置。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、座標出力装置は、筆記面に第1の固定超音波素子、第2の固定超音波素子および第3の固定超音波素子を配設し、第1の固定超音波素子と第2の固定超音波素子との組合せから算出した第1の平面座標と、第1の固定超音波素子と第3の固定超音波素子との組合せから算出した第2座標とをもとに、筆記具の座標を出力するので、筆記具の位置に関わらずその座標を高い精度で算出可能な座標出力装置を提供することができるという効果を奏する。
【0101】
また、本発明によれば、座標出力装置は、第1の平面座標から第1の座標軸の値を決定し、第2の平面座標から第2の座標軸の値を決定するので、筆記具の座標を高い精度で算出可能な座標出力装置を提供することができるという効果を奏する。
【0102】
また、本発明によれば、座標出力装置は、第1の平面座標から筆記面における筆記具の位置を概算し、その位置をもとに筆記具の平面座標を再計算するので、筆記具の座標を高い精度で算出可能な座標出力装置を提供することができるという効果を奏する。
【0103】
また、本発明によれば、座標出力装置は、筆記具の空間座標から筆記具の座標平面に対する高さを算出し、筆記具の高さが所定の高度値に比して小さい場合に筆記具の平面座標の算出をおこなうので、ペン先が筆記面に接触していなくてもペン座標を出力することが可能となり、人間がペン先とディスプレイ表示とのずれを補正できるため、操作性が向上するという効果を奏する。
【0104】
また、本発明によれば、座標出力装置は、超音波受信器のいずれかに異常がある場合に、正常な超音波受信器の組み合わせをもちいて筆記具の座標を算出するので、筆記具の座標を高い精度で算出し、かつ座標算出のエラーの少ない座標出力装置を提供することができるという効果を奏する。
【0105】
また、本発明によれば、座標出力装置は、コンピュータシステムのディスプレイ面に設置した超音波受信器をもちいて筆記具の座標を算出するので、ディスプレイ面における筆記具の座標を高い精度で算出可能な座標出力装置を提供することができるという効果を奏する。
【0106】
また、本発明によれば、座標出力装置は、固定部材に配設した超音波受信器をもちいて筆記具の座標を算出するので、任意の筆記面における筆記具の座標を高い精度で算出可能な座標出力装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態1に係る座標出力装置の概要構成を示す図である。
【図2】図1に示したペン2およびペン先位置算出部の構成を説明する説明図である。
【図3】図1に示した各超音波素子が超音波を受信するタイミングを説明する説明図である。
【図4】超音波受信器に異常がある場合において使用する超音波受信器の組み合わせを説明する説明図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る座標出力装置の概要構成を説明する説明図である。
【図6】赤外線放射部を設けたペンの概要構成を示す図である。
【図7】赤外線放射部を設けたペンの回路構成を示す図である。
【図8】実施の形態2におけるディスプレイ側回路の構成を説明する図である。
【図9】ディスプレイの筆記面における領域の区分を説明する説明図である。
【図10】各領域で使用する超音波受信器の組合せを説明する説明図である。
【図11】パラメータと領域R1〜R11との関係を説明する説明図である。
【図12】座標算出の処理動作を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態3に係る座標出力装置の概要構成を説明する説明図である。
【図14】実施の形態3におけるディスプレイ側回路の構成を説明する図である。
【図15】本発明の実施の形態4に係る座標出力装置の概要構成を説明する説明図である。
【図16】ペンを左手で持つ場合の受信装置の配置場所を説明する説明図である。
【図17】従来の座標出力装置における三角測量を説明する説明図である。
【図18】従来の座標出力装置の外縁部と座標精度を説明する説明図である。
【符号の説明】
1,86 ディスプレイ
2 ペン
2a 電池
3 接続コード
4 ペン先位置算出部
7 超音波駆動回路
11,12,13,15,81,82,83 超音波受信器
14 赤外線受信部
16 スイッチ
21 指スイッチ
22 超音波素子
23 ペン先
23a ペンタッチスイッチ
24 赤外線放射部
41,42,43 距離算出部
44 X座標算出部
45 Y座標算出部
46 ペン先位置出力部
47 第1座標算出部
48 第2座標算出部
50,50a ディスプレイ側回路
51,52,53 入力アンプ
54,55,56 コンパレータ
57,58,59,72 タイマ
60,61,63 演算処理部
62 周期タイマ
70 ペン内部回路
71 駆動回路
73 赤外線駆動回路
80 受信装置
80a,80b 固定部材

Claims (5)

  1. 超音波素子を設けた筆記具の所定の座標平面上における平面座標を出力する座標出力装置であって、
    前記座標平面上に固定された第1の固定超音波素子および第2の固定超音波素子と、
    前記座標平面上に固定され、前記第1の固定超音波素子と前記第2の固定超音波素子とがなす直線から距離をもって設けられた第3の固定超音波素子と、
    前記超音波素子と前記第1の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間と、前記超音波素子と前記第2の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間とをもちいて前記筆記具の平面座標を算出する第1の平面座標算出手段と、
    前記超音波素子と前記第1の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間と、前記超音波素子と前記第3の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間とをもちいて前記筆記具の平面座標を算出する第2の平面座標算出手段と、
    前記第1の平面座標算出手段が算出した第1の平面座標と、前記第2の平面座標算出手段が算出した第2の平面座標とをもとに、前記筆記具の平面座標を出力する平面座標出力手段と、
    を備えたことを特徴とする座標出力装置。
  2. 前記座標平面は、第1の座標軸と第2の座標軸とを備え、前記平面座標出力手段は、前記第1の平面座標における前記第1の座標軸の値と、前記第2の平面座標における前記第2の座標軸の値とを前記筆記具の平面座標として出力することを特徴とする請求項1に記載の座標出力装置。
  3. 前記第1の平面座標をもとに、前記第1の平面座標を前記筆記具の平面座標として出力するか、前記第2の平面座標を前記筆記具の平面座標として出力するか、もしくは前記第1の平面座標および前記第2の平面座標から前記筆記具の平面座標の算出をするかを選択する選択手段をさらに備え、前記平面座標出力手段は、前記選択手段の選択結果に基づいて前記筆記具の平面座標を出力することを特徴とする請求項1に記載の座標出力装置。
  4. 前記超音波素子と前記第1の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間、前記超音波素子と前記第2の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間および前記超音波素子と前記第3の固定超音波素子との間における超音波の伝達時間から前記筆記具の前記所定の座標平面に対する高さを算出し、該算出した高度値が所定の高度値に比して小さい場合に、前記平面座標出力手段による座標の出力を開始させる高度算出手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1,2または3に記載の座標出力装置。
  5. 前記平面座標出力手段は、前記第3の固定超音波素子に異常がある場合に前記第1の平面座標を前記筆記具の平面座標として出力し、前記第2の固定超音波素子に異常がある場合に前記第2の平面座標を前記筆記具の平面座標として出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の座標出力装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010176341A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Pentel Corp 筆跡入力システム
JP2015176472A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 株式会社リコー 座標検知システム、座標検知方法、情報処理装置及びプログラム

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