JP2004156838A - 貯湯缶体の熱交換器固定構造 - Google Patents

Abstract

【課題】輸送時の振動によっても破損することがない貯湯缶体への熱交換器の固定構造を提供する。
【解決手段】内部に加熱流体または被加熱流体を流通させる熱交換器５を備えた貯湯缶体３で、前記貯湯缶体３に開口された接続口１３と、この接続口１３に前記熱交換器５の配管接続部６を溶接固定し、更に配管接続部６には外周に押圧部１７を有した継手部材１５を接続し、この継手部材１５の押圧部１７と貯湯缶体３外周面との間には、配管接続部６の揺れを抑制する揺動抑止手段１８を備えたことで、配管接続部６の溶接部分の揺れが揺動抑止手段１８により、抑制されて溶接部分に大きな力が作用しなくなり、輸送時に大きな振動が熱交換器５に作用しても、配管接続部６の溶接部分が破損する心配がなく、常に安心して使用出来るものである。
【選択図】 図２

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内部に加熱流体または被加熱流体を流通させる熱交換器を備えた貯湯缶体の熱交換器固定構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、この種のものに於いては、風呂循環回路に貯湯缶体内に設けられた熱交換器を接続し、貯湯缶体内の温水を利用して電熱ヒータ等を用いなくとも浴槽の追焚きや保温をできるようにしたものであった。（例えば、特許文献１参照）
【０００３】
【特許文献】
特公平７−２６７５５号公報
【０００４】
又図４に示すような貯湯式給湯機１に於いて、ヒートポンプユニット２で加熱した高温の温水を貯湯する貯湯缶体３内に被加熱流体としての風呂４の湯水を流通し加熱する蛇管より成る熱交換器５を配設したものがある。
【０００５】
そしてこれらの熱交換器の固定構造は、該熱交換器５から延びる配管６を貯湯缶体３を貫通して取付ける必要があるが、従来は図５に示すような固定構造であった。即ち、貯湯缶体３に外向きに突出したバーリングを有した接続口７を開口し、配管６端部に設けた継手８の外側端部と接続口７のバーリング端面９とを貯湯缶体３の外側から溶接して水密に固定したものであった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこの従来のものでは、熱交換器５が重く、上下の２点でしか固定していない為、輸送時の振動が熱交換器５では増幅されて、バーリング端面９の溶接部分が大きく上下に揺れることで、バーリング端面９ごと溶接部分が千切れてしまうと言う問題が発生するものであった。
【０００７】
この発明はこの点に着目し、上記欠点を解決する為に請求項１では、内部に加熱流体または被加熱流体を流通させる熱交換器を備えた貯湯缶体に於いて、前記貯湯缶体に開口された接続口と、この接続口に前記熱交換器の配管接続部を溶接固定し、更に配管接続部には外周に押圧部を有した継手部材を接続し、この継手部材の押圧部と貯湯缶体外周面との間には、配管接続部の揺れを抑制する揺動抑止手段を備えたものである。
【０００８】
これによって、配管接続部の溶接部分の揺れが揺動抑止手段により、抑制されて溶接部分に大きな力が作用しなくなり、輸送時に大きな振動が熱交換器に作用しても、配管接続部の溶接部分が破損する心配がなく、常に安心して使用出来るものである。
【０００９】
又請求項２では、前記揺動抑止手段は、貯湯缶体とはフランジ部で面接触した帽子状で、弾性を有しているようにしたので、貯湯缶体との接触面積が広くなり、且つ弾性による反発力も相俟って揺れに対する抑止効果が高まり、より破損を防止出来るものである。
【００１０】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、配管接続部を除く全体の構成は図４に示した従来と同じであるので、その説明を省略するものとする。
【００１１】
貯湯缶体３はステンレス板を深絞り加工により形成した覆椀状で頂部に温水取出し用の開口部１０を有した上部鏡板１１と、ステンレス板を筒状に形成した胴体１２と、ステンレス板を深絞り加工により形成した椀状の下部鏡板１３より構成されているものである。
【００１２】
前記胴体１２には、その側周面に外側へ向けてバーリング加工された接続口１３が２カ所に設けれている。この接続口１３にはステンレス製管材をコイル状に巻いた間接熱交換器としての熱交換器５の配管接続部６が差し込まれて溶接固定されているものである。
【００１３】
そして、この貯湯缶体３の組み立て方を説明すると、先ず、下部鏡板１３と胴体１２をその端面同士を突合わせ、胴体１２の開放端側から入れ込んだ溶接用トーチ（図示せず）により内側から溶接する。次に、胴体１２に熱交換器５を接続して、胴体１２の開放端と上部鏡板１１の下部端面を突合わせ、開口部１０から入れ込んだ溶接用トーチによって内側から溶接することで組み立てられるものである。
【００１４】
ここで、熱交換器５の配管接続部６の固定構造について説明すると、接続口１３に熱交換器５の配管接続部６先端を挿入して、外側から溶接固定した後、この配管接続部６内方に形成された雌ねじ部１４に、継手部材１５の雄ねじ部１６を螺合させて押し込んで行くことで、予め継手部材１５の外周で外方に突出した押圧部１７と貯湯缶体３との間に備えた帽子状の揺動抑止手段１８が、貯湯缶体３側に押し込まれて行って、該貯湯缶体３外周面との接触部である幅広のフランジ部１９が貯湯缶体３外周面に密着するものである。
【００１５】
又揺動抑止手段１８は、鉄製であるが中央に継手部材１５が貫通する貫通孔２０を有することで、弾性を有して更にフランジ部１９の密着を強力にすると共に、その反発力で配管接続部６の揺れを強力に抑制するものである。
更にフランジ部１９の先端部には、上方に立ち上げた立ち上げ部２１を形成して、強度の向上を図っている。
【００１６】
従って、熱交換器５は配管接続部６の溶接部分と、揺動抑止手段１８のフランジ部１９の２点で支持され、強固に固定されるものであり、更に揺動抑止手段１８によって、熱交換器５の揺れが増幅されて配管接続部６に伝わっても、この揺れはフランジ部１９が貯湯缶体３に密着した揺動抑止手段１８によって抑制され、配管接続部６の溶接部分が千切れる等の不具合を確実に防止して、輸送時の振動での破損を回避し常に安心して使用出来るようにしたものである。
【００１７】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項１では、配管接続部の溶接部分の揺れが揺動抑止手段により、抑制されて溶接部分に大きな力が作用しなくなり、輸送時に大きな振動が熱交換器に作用しても、配管接続部の溶接部分が破損する心配がなく、構造簡単で安価でありながら常に安心して使用出来るものである。
【００１８】
又請求項２では、前記揺動抑止手段は、貯湯缶体とはフランジ部で面接触した帽子状で、弾性を有しているようにしたので、貯湯缶体との接触面積が広くなり、且つ弾性による反発力も相俟って揺れに対する抑止効果が高まり、より破損を防止出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の一実施形態の貯湯缶体の要部断面図。
【図２】同一実施形態の固定構造を説明する要部断面図。
【図３】図２の正面図。
【図４】同一実施形態および従来例の貯湯式給湯機の概略構成図。
【図５】従来例の固定構造を説明する要部断面図。
【符号の説明】
３ 貯湯缶体
５ 熱交換器
６ 配管接続部
１３ 接続口
１５ 継手部材
１７ 押圧部
１８ 揺動抑止手段
１９ フランジ部

Claims (2)

1. 内部に加熱流体または被加熱流体を流通させる熱交換器を備えた貯湯缶体に於いて、前記貯湯缶体に開口された接続口と、この接続口に前記熱交換器の配管接続部を溶接固定し、更に配管接続部には外周に押圧部を有した継手部材を接続し、この継手部材の押圧部と貯湯缶体外周面との間には、配管接続部の揺れを抑制する揺動抑止手段を備えた事を特徴とする貯湯缶体の熱交換器固定構造。
2. 前記揺動抑止手段は、貯湯缶体とはフランジ部で面接触した帽子状で、弾性を有している事を特徴とする請求項１記載の貯湯缶体の熱交換器固定構造。

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