JP2004156535A - 排気装置 - Google Patents

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JP2004156535A JP2002323065A JP2002323065A JP2004156535A JP 2004156535 A JP2004156535 A JP 2004156535A JP 2002323065 A JP2002323065 A JP 2002323065A JP 2002323065 A JP2002323065 A JP 2002323065A JP 2004156535 A JP2004156535 A JP 2004156535A
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洋平 豊島
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Abstract

【課題】コストを抑えつつ効果的に放射音を低減させることができる排気チャンバを提供する。
【解決手段】エンジンまたは圧縮機にて発生した排気を大気中に排出するためのチューブ部材1と、このチューブ部材1に接続されるマフラ5とを有する排気装置において、排気の脈動に起因するマフラ5の放射音を減衰させるための排気チャンバ10を、マフラ5における排気上流側に設けるようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等のエンジンまたは圧縮機にて発生した排気を大気中に排出するとともに、前記排気に起因する騒音を低減する排気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような排気装置としては、例えば図15に示すように、エンジンの各シリンダから排出される排気を集めて排気チューブ1へと繋ぐ鋳物エキゾーストマニホールド2と、この排気中の有害な物質(例えばCO、HC、NO等)を触媒反応によって無害な物質(例えばCO、HO、NO等)に変換する触媒コンバータ3と、排気ガスによる騒音を消音するためのプリマフラ4、リアマフラ5とが、それぞれ排気チューブ1によって接続されて構成されるものが一般的である。
【0003】
因みに、図中6はフレキシブルチューブを示し、鋳物エキゾーストマニホールド2に接続される排気チューブ1と、触媒コンバータ3と接続される排気チューブ1との間に設けられ、鋳物エキゾーストマニホールド2と触媒コンバータ3間をフレキシブルに接続可能な状態にしている。
【0004】
ところで、近年、このような排気装置において、背圧低減を図るために排気チューブ1の径を大きくしたり、消音量増加を図るためにプリマフラ4やリアマフラ5の容積を大きくしたりする傾向があり、結果としてマフラ断面積が大きくなってきている。
【0005】
しかしながら、このように排気チューブ1の径が大きくなると圧力損失が低くなり、エンジンから発生される脈動圧が減衰し難くなるため、この脈動圧が場合によっては衝撃波に変化することから脈動により排気装置の一部から放射音が発生しやすくなってしまう。
【0006】
また、消音量を稼ぐためにプリマフラ4やリアマフラ5を大型化すると、車両レイアウトの制限から各マフラ4、5の断面形状を扁平化しなければならず、曲率が大きな面ができることによって剛性が下がり、マフラ表面から放射音が発生しやすくなってしまう。特にリアマフラ5は、通常、プリマフラ4よりも大きな形状をしていることから、放射音の発生がより顕著である。
【0007】
かかる放射音を低減させるために、近年、マフラの剛性を変更して消音効率の向上を図る対策(例えば、特許文献1参照)や、プリマフラ内にグラスウール等からなる吸音材を充填して排気装置全体の消音量向上を図る対策(例えば、特許文献2参照)がなされている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−21594号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平9−49415号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1の技術では、排気装置によって消音レベル差があるとともに、マフラを標準化させることが困難であるため、排気装置毎にリアマフラ5の剛性を適宜変更しなければならないことから、コストアップを招きかねない未だ不十分な問題がある。
【0011】
また、特許文献2の技術では、吸音材を多用することによってコストを増加させるばかりか、この吸音材の飛散によって音性能の劣化現象を発生させたり、環境問題を引き起こす原因となる未だ不十分な問題がある。
【0012】
そもそも吸音材は、凝縮水による含水および固着等が生じることが考えられ、ひいては音劣化に繋がる点や、リサイクル性が低いと考えられ、近年の社会動向から見てもデメリットになる点から、多用を避けたい(なるべく使用を避けたい)材料である。
【0013】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたもので、コストを抑えつつ効果的に放射音を低減させることができる排気装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1にあっては、エンジンまたは圧縮機にて発生した排気を大気中に排出するためのチューブ部材と、このチューブ部材に接続されるマフラとを有する排気装置において、前記排気の脈動に起因するマフラの放射音を減衰させるための排気チャンバを、前記マフラにおける排気上流側に設けるようにした。
【0015】
請求項2にあっては、請求項1に記載の排気チャンバは、一端がチューブ部材に開口するとともに、他端が閉じられてなり、これら一端から他端までの距離が異なる複数のレベル低減部を設けるようにした。
【0016】
請求項3にあっては、請求項1に記載の排気チャンバは、一端がチューブ部材に開口するとともに、他端が閉じられてなり、前記他端が傾斜したレベル低減部を設けるようにした。
【0017】
請求項4にあっては、請求項1に記載の排気チャンバは、両端がチューブ部材に開口したレベル低減部を設けるようにした。
【0018】
請求項5にあっては、請求項1ないし4のいずれかに記載のレベル低減部は、吸音材と、この吸音材が飛散するのを防止する飛散防止部材とを設けるようにした。
【0019】
【発明の効果】
請求項1によれば、マフラの排気上流側に排気の脈動に起因するマフラの放射音を減衰させるための排気チャンバを設け、この排気チャンバにチューブ部材内を流通する排気が入り込むことによって、この排気の脈動による高周波成分が順次共振するため、簡易な構造でマフラの放射音のもとである排気の脈動による高周波成分の周波数レベルを減衰でき、かくしてコストを抑えつつ効果的に放射音を低減させる排気装置を実現することができる。
【0020】
請求項2によれば、一端から他端までの距離が異なる複数のレベル低減部を設けるようにしたことにより、脈動における広い範囲の高周波成分が、このレベル低減部を通過する際に共振し、より効果的に周波数レベルを減衰できる。
【0021】
請求項3によれば、閉じられてなる他端が傾斜したレベル低減部を設けるようにしたことにより、複数設けることなく1つのレベル低減部で脈動における広い範囲の高周波成分を共振させ、より簡易な構造で効果的に周波数レベルを減衰できる。
【0022】
請求項4によれば、両端がチューブ部材に開口したレベル低減部を設けるようにしたことにより、このレベル低減部を排気が流通することによって、この排気の脈動による高周波成分が干渉するため、簡易な構造でマフラの放射音のもとである排気の脈動による高周波成分の周波数レベルを減衰できる。
【0023】
請求項5によれば、吸音材と、この吸音材が飛散するのを防止する飛散防止部材とを設けるようにしたことにより、排気の脈動による高周波成分の周波数レベルの減衰率をより一層向上させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面に基づき詳述する。
【0025】
図1、図2は、本発明にかかる排気装置の第1実施形態を示し、図1は本発明にかかる排気装置の全体構成図、図2は排気チャンバの正面図とそのA−A断面図である。
【0026】
図15との対応部分に同一符号を付した図1において10は、第1実施形態による排気チャンバを示し、この場合、排気装置のプリマフラ4とマフラであるリアマフラ5間を接続するチューブ部材としての排気チューブ1の後方側(すなわちリアマフラ5寄り)に配設されている。
【0027】
具体的にこの排気チャンバ10は、例えば図2に示すように、排気チューブ1の外周面1aからの突出量が所定量異なって突設されたレベル低減部12A、12Bとからなる。
【0028】
これらレベル低減部12A、12Bは、その上面12Aa、12Baが排気チューブ1の外周面1aとほぼ平行に形成されている場合、この外周面1aからレベル低減部12A、12Bの上面12Aa、12Baまでの距離が所定量異なるように、例えば2つ突設される。このとき重要なのは、レベル低減部12A、12Bの突出量の差と、レベル低減部12A、12Bの面積であり、それぞれの突設位置については、排気チューブ1の同一円周上以外であれば排気チューブ1のうちのどこであってもよい。但し、これらレベル低減部12A、12Bの突出方向を統一することにより、排気チャンバ10をより一層コンパクト化することができるのは言うまでもない。
【0029】
かかる排気チャンバ10は、自身からの放射音の原因となる周波数レベルを低減するような形状を基本としており、例えば2枚の板材をプレス等の手法により成形した後、これら2枚の成形された板材を最中合わせで溶接またはかしめ等の手法により接合するようになっている。
【0030】
さて、リアマフラ5において発生する放射音を低減させるには、このリアマフラ5よりも前の段階で対処する、すなわち排気チューブ1を流れるリアマフラ5の放射音の原因となる周波数レベルを抑える必要がある。
【0031】
また、これとともに、放射音において特に問題となるのは、マフラ振動加速度レベルと放射音の周波数分析の関係をグラフで示す図3および放射音レベルと放射音の周波数分析の関係をグラフで示す図4からみてわかるように、放射音の周波数成分のうち、500〔Hz〕〜3000〔Hz〕の高周波数域成分で、この高周波数域成分を有する放射音レベルが特に高くなっている。
【0032】
このような傾向は、ほとんどの排気装置において近似して現れることから、本発明においては、500〔Hz〕〜3000〔Hz〕の周波数成分からなる放射音に着目した。そして、これら高周波数域成分を低減することにより、ほとんどの排気装置においてリアマフラ5からの放射音発生を抑制することができると考えられる。
【0033】
また、図5に示す縦軸に1次減衰中心周波数、横軸にレベル低減部12A、12Bの長手方向の長さ(以下、これをレベル低減部長と称する)をとったレベル低減部長に対する1次減衰中心周波数推移の解析結果を表すグラフによれば、500〔Hz〕〜3000〔Hz〕の周波数成分からなる放射音の原因となる周波数レベルを低減させるには、レベル低減部12A、12Bの突出量(排気チューブ1の外周面1aから上面12Aa、12Baまでの最短距離)を、約30〔mm〕〜150〔mm〕位の範囲で突設させるのがよいことがわかる。
【0034】
さらに、レベル低減部12A、12Bの形状を円筒形とした場合、このレベル低減部径を変化させることによって、共振して減衰する周波数の範囲を変えることが可能となることが、図6に示す縦軸に透過損失レベル、横軸に放射音の周波数をとったレベル低減部径の消音性能へ与える影響の解析結果を表すグラフから見てわかる。
【0035】
この第1実施形態では、前記レベル低減部12A、12Bが例えば円筒形である場合について説明するが、これらレベル低減部12A、12Bの形状はこれに限らず、レベル低減部12A、12Bが角筒形であっても円筒形の場合と同様の効果を示し、等価直径
【数1】
Figure 2004156535
が同一であれば円筒形の場合と同じ結果になる。
【0036】
ここで、このような排気チャンバ10を実際に用いた排気装置による放射音特性の検出結果を以下に説明する。
【0037】
図7は放射音レベルとパルセータ(脈動発生装置)の回転数との関係を、図8は放射音レベルとその周波数の関係を示し、それぞれ排気チャンバ10を排気装置のプリマフラ4とリアマフラ5間を接続する排気チューブ1における前方側(プリマフラ4寄り)、中間部、後方側(リアマフラ5寄り)に配設した場合の検出結果を表すグラフである。
【0038】
これによると、排気チャンバ10はリアマフラ5の排気流れ上流側近傍に配置する方が放射音低減効果が大きく、その理由としては排気チャンバ10のレベル低減部12A、12Bにおいて音響境界となり、排気チューブ1前方へ配置することにより、排気チャンバ10からリアマフラ5間の共振作用が影響してくるためと考えられる。周波数分析の結果、排気チャンバ10を排気チューブ1前方へ配置するほど、放射音における8〔KHz〕以下の高周波成分が増大していることがわかった。
【0039】
次に、この排気チャンバ10を排気装置に装着した場合と、そうでない場合とにおける放射音低減効果は、放射音レベルとパルセータの回転数との関係を表した図9のグラフから見てわかるように、パルセータの回転数が上がり高周波成分が増大するにつれて特に効果が表れており、その効果は10〔dB〕以上を有している。
【0040】
また、同じく排気チャンバ10を排気装置に装着した場合と、そうでない場合とにおける放射音の周波数成分低減効果は、放射音レベルと周波数との関係を表した図10のグラフから見てわかるように、500〔Hz〕〜3000〔Hz〕範囲で特に効果が表れており、これにより、この排気チャンバ10はほとんどの排気装置に適用して好適な放射音低減効果を得られると考えられる。
【0041】
このように排気チャンバ10は、排気チューブ1の外周面1aからの突出量を所定量異なって突設させたレベル低減部12A、12Bからなる簡易な構造であるためレイアウト性に優れるとともにコスト面でも経済的であり、また排気装置に用いられることにより、エンジンにて発生し、排気チューブ1を介して運ばれる排気を排気チューブ1内へと導いて流通させる際、レベル低減部12A、12B内に入り込ませることによって、この排気に起因する放射音のもととなる500〔Hz〕〜3000〔Hz〕付近の周波数域を順次共振させ減衰させるため、リアマフラ5へと吐出する排気の脈動レベルを効果的に低減することができる。よって、放射音を低減させることができる。
【0042】
さらに、排気チャンバ10は、排気装置においてリアマフラ5よりも上流(エンジン)側に配置されるため、僅かな高周波騒音が残留した状態でリアマフラ5へと吐出されたとしても、この高周波騒音をリアマフラ5にて消音されて吐出されるようになっている。
【0043】
さらに、排気チャンバ10によれば、排気装置に装着することにより、放射音の原因となる周波数のレベルを低減することが可能となるため、リアマフラ5を標準化することができ、コストを大幅に削減することができる。
【0044】
なお、本実施形態においては、排気チャンバ10を排気チューブ1にレベル低減部12A、12Bを突設することにより形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、排気チャンバとしては、例えば図2との対応部分に同一符号を付した図11に示すように、レベル低減部12A、12B内にグラスウール、ロックウールまたは熱が低ければウレタン等からなる吸音材Kを充填するとともに、これら吸音材Kの飛散を防止するべく、レベル低減部12A、12Bの入口部分(排気チューブ1の内壁面とほぼ同一平面上)に飛散防止メッシュ21を設けるようにした排気チャンバ20であってもよい。この場合、吸音材Kによって放射音低減効果をより一層増大させることができる利点を得ることができる。
【0045】
図2との対応部分に同一符号を付した図12は、本発明にかかる排気チャンバの第2実施形態を示す正面図とそのC−C断面図である。
【0046】
図12において30は排気チャンバ全体を示し、レベル低減部31の形状が異なる(上面31aが傾斜して設けられている)点と、当該レベル低減部31の突設される数が異なる点を除いて、第1実施形態の排気チャンバ10とほぼ同様に構成されている。
【0047】
具体的に排気チャンバ30は、レベル低減部31が排気チューブ1の長手方向における前方側と後方側とで突出量を所定量(この場合、30〔mm〕〜150〔mm〕程度)異ならせて突設されており、この異なる突出量に応じて上面31aが傾斜して成形されている。
【0048】
そして排気チャンバ30は、排気装置におけるリアマフラ5近傍の排気チューブ1に装着されることにより、エンジンにて発生し、排気チューブ1を介して運ばれる排気をリアマフラ5内へと導いて流通させる際、レベル低減部31内に入り込ませることによって、この排気の脈動に起因する放射音となる周波数のレベルを順次共振させ減衰させる。このとき、レベル低減部31の上面31aは、所定量傾斜させて形成されていることから、チャンバ容量を増加させることなく広い範囲の高周波数域成分のレベルを減衰させるため、リアマフラ5へと吐出する排気の脈動レベルを広域に渡って低減することができる。
【0049】
なお、本実施形態においては、排気チャンバ30を排気チューブ1に、その上面31aを所定量傾斜させたレベル低減部31を突設することにより形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばレベル低減部31内にグラスウール等からなる吸音材を充填するとともに、この吸音材の飛散を防止するべく、レベル低減部31の入口部分(排気チューブ1の内壁面とほぼ同一平面上)に飛散防止メッシュを設けるようにしてもよい。この場合、吸音材によって高周波成分の低減効果をより一層増大させることができる利点を得ることができる。
【0050】
図2との対応部分に同一符号を付した図13は、本発明にかかる排気チャンバの第3実施形態を示す断面図である。図13において40は排気チャンバを示し、レベル低減部41A、41Bの形状および配設位置が異なることを除いて、第1実施形態の排気チャンバ10とほぼ同様の構成でなる。
【0051】
具体的に排気チャンバ40は、排気チューブ1の外周面1aに、例えば2対の開口部1b、1c、開口部1d、1eが設けられるとともに、これら開口部1b、1c、開口部1d、1e間をそれぞれ連結するようにレベル低減部41A、41Bが設けられてなる。
【0052】
また、レベル低減部41A、41Bは、前記排気に起因する放射音のピークレベルに応じて、開口部1b、1c、開口部1d、1e間の間隔をそれぞれ所定の範囲(この場合、50〔mm〕〜200〔mm〕程度)で変化させるとともに、レベル低減部41A、41Bの全長をそれぞれ所定の範囲(この場合、150〔mm〕〜300〔mm〕程度)で変化させて設けられるようになっている。
【0053】
このとき重要なのはレベル低減部41A、41Bの面積であり、これらレベル低減部41A、41Bの配設位置については、開口部1b、1c、開口部1d、1eのうち、それぞれ排気チューブ1の上流側に設けられる開口部1b、1d間が、少なくとも50〔mm〕の間隔をもって、ずらして設けられていれば、排気チューブ1のうちのどこであってもよい。但し、これらレベル低減部41A、41Bの配設方向をほぼ同一の方向とすることにより、排気チャンバ10をより一層コンパクト化することができるのは言うまでもない。
【0054】
本実施形態では、開口部1b、1c、開口部1d、1eおよび前記レベル低減部41A、41Bが例えば円形状である場合について説明するが、これら開口部1b、1c、開口部1d、1eおよびレベル低減部41A、41Bの形状はこれに限らず、角形状であっても円形状の場合と同様の効果を示し、等価直径が同一であれば円形状の場合と同じ結果になる。
【0055】
この排気チャンバ40は、排気チューブ1の外周面1aに、少なくとも2対設けられる開口部1b、1c、開口部1d、1e間をレベル低減部41A、41Bによって連結する簡易な構造でなるため、レイアウト性に優れるとともにコスト面でも経済的であり、また排気装置に用いられることにより、エンジンまたは圧縮機にて発生し、排気チューブ1を介して運ばれる排気をリアマフラ5内へと導いて流通させる際、レベル低減部41A、41B内に入り込ませることによって、この排気の脈動による高周波成分が干渉するため、簡易な構造で放射音のもとである排気の高周波成分の周波数レベルを減衰させるため、リアマフラ5へと吐出する排気の脈動レベルを広域に渡って効果的に低減することができる。
【0056】
さらに、排気チャンバ40は、排気装置においてリアマフラ5よりも上流(エンジン)側に配置されるため、僅かな高周波騒音が残留した状態でリアマフラ5へと吐出されたとしても、この高周波騒音をリアマフラ5にて消音されて吐出されるようになっている。
【0057】
さらに、排気チャンバ40によれば、排気装置に装着することにより、放射音低減が可能となるため、リアマフラ5を標準化することができ、コストを大幅に削減することができる。
【0058】
なお、本実施形態においては、排気チャンバ40を排気チューブ1の外周面1aに、2対設けられる開口部1b、1c、開口部1d、1e間をレベル低減部41A、41Bによって連結することにより構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、排気チャンバとしては、例えば図13との対応部分に同一符号を付した図14に示すように、レベル低減部41A、41B内にグラスウール、ロックウールまたは熱が低ければウレタン等からなる吸音材Kを充填するとともに、これら吸音材Kの飛散を防止するべく、開口部1b、1c、開口部1d、1eに飛散防止メッシュ51を設けるようにした排気チャンバ50であってもよい。この場合、吸音材Kによって放射音低減効果をより一層増大させることができる利点を得ることができる。
【0059】
また、本発明の排気チャンバを前記第1〜第3実施形態に例を取って説明したが、本発明はこれに限ることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種実施形態を採用することができる。
【0060】
例えば、本発明にかかる排気チャンバ10、20、30、40、50の形成方法として、プレス等の手法により成形された2枚の板材を重ね合わせ、これらを溶接またはかしめ等の手法により接合するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、排気チャンバの形成方法としては、この他例えば液圧成形法(ハイドロフォーミング法)等を用いてもよく、この場合、排気チャンバをより一層安価に形成することができる利点を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である排気チャンバを装着した排気装置を示す全体構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態による排気チャンバを示す正面図および断面図である。
【図3】マフラ振動加速度の周波数分析を表すグラフである。
【図4】放射音の周波数分析を表すグラフである。
【図5】レベル低減部長に対する1次減衰中心周波数推移を表すグラフである。
【図6】レベル低減部径の消音性能へ与える影響を表すグラフである。
【図7】パルセータの回転数をもとに排気チャンバ装着位置による放射音特性を表すグラフである。
【図8】周波数をもとに排気チャンバ装着位置による放射音特性を表すグラフである。
【図9】排気チャンバ装着による放射音低減効果を表すグラフである。
【図10】放射音レベルと周波数との関係を表すグラフである。
【図11】本発明の他の実施形態による排気チャンバを示す正面図および断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態による排気チャンバを示す正面図および断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態による排気チャンバを示す断面図である。
【図14】本発明の他の実施形態による排気チャンバを示す断面図である。
【図15】従来の排気装置を示す略全体構成図である。
【符号の説明】
1・・・排気チューブ(チューブ部材)
1a・・・外周面
4・・・プリマフラ
5・・・リアマフラ(マフラ)
10、20、30、40、50・・・排気チャンバ
12A、12B、31、41A、41B・・・レベル低減部
12Aa、12Ba、31a・・・上面
21、51・・・飛散防止メッシュ(飛散防止部材)
K・・・吸音材

Claims (5)

  1. エンジンまたは圧縮機にて発生した排気を大気中に排出するためのチューブ部材(1)と、このチューブ部材(1)に接続されるマフラ(5)とを有する排気装置において、
    上記排気の脈動に起因する上記マフラ(5)の放射音を減衰させるための排気チャンバ(10、20、30、40、50)を、上記マフラ(5)における排気上流側に設けた
    ことを特徴とする排気装置。
  2. 請求項1において、
    上記排気チャンバ(10、20)は、一端が上記チューブ部材(1)に開口するとともに、他端が閉じられてなり、これら一端から他端までの距離が異なる複数のレベル低減部(12A、12B)を有する
    ことを特徴とする排気装置。
  3. 請求項1において、
    上記排気チャンバ(30)は、一端が上記チューブ部材(1)に開口するとともに、他端が閉じられてなり、上記他端が傾斜したレベル低減部(31)を有する
    ことを特徴とする排気装置。
  4. 請求項1において、
    上記排気チャンバ(40、50)は、両端が上記チューブ部材(1)に開口したレベル低減部(41A、41B)を有する
    ことを特徴とする排気装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    上記レベル低減部(12A、12B、31、41A、41B)は、
    吸音材(K)と、
    上記吸音材(K)が飛散するのを防止する飛散防止部材(21、51)と
    を有する
    ことを特徴とする排気装置。
JP2002323065A 2002-11-06 2002-11-06 排気装置 Pending JP2004156535A (ja)

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