JP2004156065A - 電解研磨装置および電解研磨液のリサイクル方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解研磨処理液の特性を安定化でき、ランニングコストも低減できる電解研磨装置および電解研磨液のリサイクル方法を提供する。
【解決手段】電解研磨処理部1において被加工層に電解研磨液を接触させて電界研磨を施し、電解研磨液リサイクル部2において電解研磨処理部1で電解研磨処理したときに出される疲労液を回収し、不純物除去部3や疲労液を再生処理するための再生薬品を供給する再生薬品供給部(4,5,6,)が設けられていて、これらにより再生処理する。ここで、上記のように電解研磨液リサイクル部2において再生された電解研磨液を電解研磨処理部1に戻して再利用する構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】電解研磨処理部1において被加工層に電解研磨液を接触させて電界研磨を施し、電解研磨液リサイクル部2において電解研磨処理部1で電解研磨処理したときに出される疲労液を回収し、不純物除去部3や疲労液を再生処理するための再生薬品を供給する再生薬品供給部(4,5,6,)が設けられていて、これらにより再生処理する。ここで、上記のように電解研磨液リサイクル部2において再生された電解研磨液を電解研磨処理部1に戻して再利用する構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解研磨装置および電解研磨液のリサイクル方法に関し、特に半導体装置の製造方法において、基板上に形成された銅などの被加工層を電解研磨して埋め込み配線部をパターン形成する工程に用いる電解研磨装置および電解研磨液のリサイクル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、最先端の半導体素子においては、デザインルールで言うと0.1μm世代からその次の世代へ以降しつつある状況である。
このように微細化された半導体装置の製造プロセスにおいては、これまでの微細化に伴い、露光側のDOF(焦点深度)の限界から露光表面の平坦化が必要となり、CMP(Chemical Mechanical Polishing)プロセスが脚光を浴び、広く用いられてきている。
【0003】
例えば、デュアルダマシンプロセスに代表される、配線用溝に金属膜を埋め込み、表層に余剰に成膜された部分をCMPプロセスで除去し、配線用溝内に埋め込み配線を形成する方法が広く用いられるようになってきている。
【0004】
配線を構成する材料としては、微細化によって動作遅延に占める割合が無視できないレベルになった配線遅延を減少させるため、0.1μm世代以降で加速して、従来用いられてきたアルミニウム配線から、電気抵抗の低い銅配線へと移行している。
【0005】
さらに次世代である0.07μm世代においては、シリコン酸化膜系絶縁膜と銅配線の組み合わせでは、動作遅延に占める割合として、素子トランジスタ遅延よりも配線遅延の方が大きくなってしまい、配線を取り囲んでいる絶縁膜の誘電率を小さくすることが必須となってきている。
【0006】
今後のさらなる半導体装置の高速化、低消費電力化、および信号遅延の低減を実現するため、銅配線の採用とともに、誘電率2以下のポーラスシリカのような超低誘電率材料の採用が検討されている。
【0007】
しかし、これら超低誘電率材料は、そのいずれもがポーラス状などの機械的強度の低い材料となっており、これらの脆弱な超低誘電率材料膜に例えば4〜6PSI(1PSI=70g/cm2 )程度の高い圧力が印加され、その表層を押圧摺動する必要があるCMPプロセスにおいては、圧壊、クラック、剥離などが発生し、良好な配線の形成を行うことができない。
【0008】
また、これらの超低誘電率材料膜が機械的に耐えられる圧力である1.5PSI以下程度までCMPの圧力を下げた場合、通常の生産速度に必要な研磨レートを得ることができなくなり、生産性に問題が生じる。
【0009】
上記の問題を解決するため、CMPプロセスに代わる技術として、高い圧力を印加せずに行うことができる電解研磨プロセスが開発されている(非特許文献1参照)。
【0010】
【非特許文献1】
アイディーイーエム(IDEM)、(米国)、2001年、p.84〜87
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の電解研磨プロセスにおいては、電解研磨処理中の電解作用により電解研磨液中に電解研磨処理の生成物、スラブ、スラッジなどの不純物が発生し、ウェーハに作用する電解研磨液の組成やpH、成分濃度などが変動し、そのために電解特性が安定しないという問題がある。
また、電解研磨液の特性の安定性を重視して電解研磨液を使い捨てにするとランニングコストが非常に高くなるという問題が発生する。
【0012】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、従って本発明の目的は、電解研磨処理液の特性を安定化でき、ランニングコストも低減できる電解研磨装置および電解研磨液のリサイクル方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の電解研磨装置は、電解研磨液を用いた電解研磨処理により被加工層を電界研磨する電解研磨装置であって、前記被加工層に電解研磨液を接触させて電界研磨を施す電解研磨処理部と、前記電解研磨処理部で電解研磨処理したときに出される疲労液を回収し、再生処理する電解研磨液リサイクル部とを有し、前記電解研磨液リサイクル部において再生された電解研磨液を前記電解研磨処理部に戻して再利用する。
【0014】
上記の本発明の電解研磨装置は、電解研磨処理部において被加工層に電解研磨液を接触させて電界研磨を施し、電解研磨液リサイクル部において電解研磨処理部で電解研磨処理したときに出される疲労液を回収し、再生処理する。
ここで、上記のように電解研磨液リサイクル部において再生された電解研磨液が電解研磨処理部に戻されて再利用される。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、本発明の電解研磨液のリサイクル方法は、被加工層に電解研磨液を接触させて電界研磨処理したときに出される疲労液を回収する工程と、前記疲労液を再生処理する工程と、再生処理された前記疲労液を前記電解研磨液として再利用し、被加工層に接触させて電界研磨処理を行う工程とを有する。
【0016】
上記の本発明の電解研磨液のリサイクル方法は、被加工層に電解研磨液を接触させて電界研磨処理したときに出される疲労液を回収する。次に、疲労液を再生処理する。次に、電解研磨液リサイクル部を経て再生された液を電解研磨処理部に戻して前記電解研磨液として再利用する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の電解研磨装置および電解研磨液のリサイクル方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
第1実施形態
図1は本実施形態に係る電解研磨装置の構成を示す模式図である。
本実施形態に係る電解研磨装置は、電解研磨液を用いた電解研磨処理により被加工層を電界研磨する電解研磨装置である。
被加工層に電解研磨液を接触させて電界研磨を施す電解研磨処理部1と、電解研磨処理部で電解研磨処理したときに出される疲労液を回収し、再生処理する電解研磨液リサイクル部2とを有する。
【0019】
上記の本実施形態に係る電解研磨装置においては、配管P1により電解研磨液リサイクル部2から電解研磨処理部1へ未使用の電解研磨液が移液されて電解研磨処理に供される。ここで、使用済の電解研磨液をリサイクルするには、配管P2により電解研磨処理部1において被加工層に電解研磨液を接触させて電界研磨処理したときに出される疲労液を電解研磨液リサイクル部2へ回収し、電解研磨液リサイクル部2において疲労液を再生処理する。次に、再生処理された疲労液を再び配管P1により電解研磨処理部1に戻して電解研磨液として再利用し、被加工層に接触させて電界研磨処理を行う。
【0020】
本実施形態の電解研磨装置は、電解研磨処理部で使用した電解研磨液に含有される、電解研磨処理の生成物、スラブ、スラッジ、ゴミなどの不純物を除去する不純物除去部3を有する。電解研磨処理の生成物は、例えば、電解研磨液がキレート剤を含有する場合、被研磨層を構成する銅などの金属イオンのキレート化物などを含む。例えば、電解研磨処理中に発生した銅のキナルジン酸錯体を除去する場合、フィルタプレス法を用いて濾過する。
ここで、疲労液を電解研磨処理部1から電解研磨液リサイクル部2へ回収する配管P2に分岐点が設けられており、不純物除去部3としては、例えば、この分岐点を有する配管P2に対して、並列に、フィルタF1 およびバルブ(V1 ,V2 )から構成される不純物除去ユニット(不純物除去手段)と、フィルタF2 およびバルブ(V3 ,V4 )から構成される不純物除去ユニットが接続されて構成されている。
このように、不純物除去ユニットが複数並列に接続されて構成されている構成では、一方の不純物除去ユニットについてフィルタ交換などのメンテナンスを行っても、他方の不純物除去ユニットを動かし続けることができ、装置全体を停止しないでメンテナンスを実施することができる。
【0021】
また、電解研磨液リサイクル部2に、疲労液を再生処理するための再生薬品を供給する再生薬品供給部が設けられている。
再生薬品供給部は、例えば電解研磨液の新液供給部4、pH調整部5、添加剤供給部6などからなる。
また、電解研磨液リサイクル部2に疲労液の化学特性をモニタするモニタ部7が設けられており、モニタ部7により測定された疲労液の化学特性に応じて、電解研磨液の新液供給部4、pH調整部5、添加剤供給部6などの再生薬品供給部から電解研磨液リサイクル部2に再生薬品が供給される構成である。
【0022】
疲労液の化学特性をモニタした結果、例えば、電解研磨液の新液を供給する他、例えば、比色法を用いて疲労液の透過率をモニタし、銅イオンの濃度を測定して、規定範囲外になった場合、銅イオンを供給する。
また、疲労液のpHおよび導電率を測定し、規定範囲外になった場合、所定の電解質を供給する。
また、疲労液の比重を測定し、規定範囲外になった場合、砥粒を供給して砥粒濃度を調整する。
疲労液は必ずしも全部再利用する必要はなく、一部廃却処分してもよい。
【0023】
あるいは、モニタ部によりモニタせず、電解研磨液の使用量に応じて添加すべき再生薬品の量を予め調べておき、使用料に応じた量の再生薬品を添加する構成とすることもできる。
【0024】
上記のように本実施形態の電解研磨装置によれば、電解研磨処理部で電解研磨処理したときに出される疲労液を回収し、再生処理する電解研磨液リサイクル部を設けることにより、電解研磨処理液の特性を安定化でき、ランニングコストも低減できる。
【0025】
本実施形態の電解研磨装置において使用する電解研磨液は、例えば、基板に設けられた研磨対象である金属層を平坦化するための電解研磨に用いられる電解研磨液であり、水に溶解して電離し、水溶液に導電性を付与する電解質と、金属層の金属と反応して金属よりも機械的強度が弱く水に難溶性である金属錯体を形成する、水溶性のキレート剤と、金属に対して表面に保護膜を形成する防食剤とを含む水溶液である。
【0026】
上記の電解研磨液は、好ましくは、電解質が、第1電解質と、第1電解質と同程度以上の解離度を有し、キレート剤による錯体形成反応を補助して、金属層の表面の光沢を維持する第2電解質とを含む。
また、上記の電解研磨液の研磨対象である金属層は、好ましくは銅を含む。
【0027】
上記の電解研磨液は、好ましくはキレート剤として有機酸を含む。
上記の有機酸としては、例えば、キナルジン酸、2−ピリジンカルボン酸、2,6−ピリジンカルボン酸、キノン、アントラニル酸およびフェニルアラニンなどを用いることができる。
【0028】
上記の有機酸は、電解研磨液中に0.5重量%以上の含有量で含有されることが望ましい。
有機酸の含有量を0.5重量%未満にすると銅または銅系金属などの金属表面に、銅などの金属の錯体を充分に形成することが困難になる。その結果、電解研磨時において、その電解研磨速度を充分に高めることが困難になる。
【0029】
上記の第1電解質は、電解研磨のための銅などの金属表面を陽極酸化させるために必要な電解電流を通電するときに電解研磨液の抵抗を低くする作用を有する。
かかる第1電解質としては、例えば、硝酸およびその化合物、硫酸およびその化合物を挙げることができ、これらは1種または2種以上の混合物の形態で用いることができる。
特に、第1電解質として硝酸を用いることが望ましい。
【0030】
第1電解質は、電解研磨液中に1.5重量%以上の含有量で含有されることが望ましい。
第1電解質の含有量を1.5重量%未満にすると電解研磨のための銅などの金属表面を陽極酸化させるために必要な電解電流を通電することが困難になる。その結果、電解研磨時においてその電解研磨速度を充分に高めることが困難になる。
【0031】
第1電解質は、電解研磨液中に12重量%以下の含有量で含有されることが望ましい。
第1電解質の含有量が12重量%を越えると、銅などの金属表面の電気化学的溶出により平坦化が困難になる。さらには、電解研磨のための錯体拭取りを行うためのパッド材を溶解あるいは変質させ、銅などの金属表面に形成される錯体を拭取るために必要な機械的摺動作用をおこなうことが困難になる。その結果、電解研磨時においてその電解研磨速度を充分に高めることが困難になる。
より好ましい第1電解質の含有量は、6重量%程度である。
【0032】
第2電解質としては、第1電解質と同程度以上の解離度を有し、キレート剤による錯体形成反応を補助して銅などの金属層の表面の光沢を維持する作用を有する。
第2電解質は、第1電解質と同程度以上の解離度を有するため、緩衝なく第1電解質の解離を妨げることがない。
かかる第2電解質としては、たとえば、リン酸、酒石酸、クエン酸およびそれらの化合物を挙げることができ、これらは1種または2種以上の混合物の形態で用いることができる。
特に、第2電解質としてはリン酸を用いることが望ましい。
【0033】
第2電解質は、電解研磨液中に2重量%以上の含有量で含有されることが望ましい。
第2電解質の含有量を2重量%未満にすると、キレート剤による錯体形成反応を補助して銅などの金属層の表面の光沢を維持することが困難になる。その結果、電解研磨時においてその良好な配線表面品質を維持した状態で、かつ、電解研磨速度を充分に高めることが困難になる。
【0034】
第2電解質は、電解研磨液中に10重量%以下の含有量で含有されることが望ましい。
第2電解質の含有量を10重量%を越える濃度とすると銅などの金属表面の電気化学的溶出により平坦化が困難になる。さらには、電解研磨のための錯体拭取りを行う為のパッド材を溶解あるいは変質させ、銅などの金属表面に形成される錯体を拭取るために必要な機械的摺動作用をおこなうことが困難になる。その結果、電解研磨時においてその電解研磨速度を充分に高めることが困難になる。
より好ましい第2電解質の含有量は、5重量%程度である。
【0035】
防食剤は、銅などの金属層に対して表面に強固な保護膜を形成することで電解研磨中の電解電流通電時に第1電解質および第2電解質による銅などの金属層の一様な溶出を防止し、凸部の選択除去による充分な平坦化を行う為に必要な防食作用を有する。
防食剤としては、たとえばベンゾトリアゾール(BTA)およびその誘導体として、例えばトリルトリアゾール(TTA)、ベンゾトリアゾールカルボン酸(BTA−COOH)を挙げることができる。これらは、1種または2種以上の混合物の形態で用いることができる。
防食剤としては、特にベンゾトリアゾールカルボン酸(BTA−COOH)をもちいることが好ましい。
【0036】
防食剤は電解研磨液中に、50〜200ppmの含有量で含有されることが好ましい。
防食剤の含有量を50ppm未満にすると、電解研磨中の電解電流通電時に第1電解質および第2電解質による銅などの金属層の溶出を防止することができず一様に化学溶出し、充分な平坦化を行うことが困難になる。
一方、その含有量が200ppmを越えると、強固な保護膜を過剰に形成し、その結果、電解研磨時においてその電解研磨速度を充分に高めることが困難になる。
より好ましい防食剤の含有量は75ppm程度である。
【0037】
上記の電解研磨液は、研磨砥粒をさらに含有することが好ましい。
研磨砥粒は、電解研磨による電解電流の通電時の銅などの金属表面において、キレート剤と銅の反応により形成される銅などの金属錯体と、防食剤により形成される保護膜とを機械的に研磨除去する作用を有する。
研磨砥粒を含有することにより、電解研磨時においてその電解研磨速度を充分に高めることができる。
【0038】
研磨砥粒としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化セリウム、マンガン酸化物を挙げることができ、これらは、1種または2種以上の混合物の形態で用いることができる。
研磨砥粒としては、特にアルミナをもちいることが好ましい。
【0039】
研磨砥粒は電解研磨液中に1〜20重量%の含有量で含有されることが好ましい。
研磨砥粒の含有量を1重量%未満にすると、キレート剤と銅などの金属の反応により形成される銅などの金属錯体と、防食剤により形成される保護膜とを機械的に研磨除去することが困難になる。
一方、その含有量が20重量%を越えると、電解研磨による電解電流の通電時における銅などの金属表面において、部分的に絶縁される箇所が多数形成されてしまい、その結果、電解研磨時において、良好な電解研磨表面を得ることが困難になる。
より好ましい砥粒含有量は1.5重量%程度である。
【0040】
上記の電解研磨液は、砥粒分散剤をさらに含有することが好ましい。
また、上記の電解研磨液は、界面活性剤をさらに含有することが好ましい。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテルあるいはアルキルベンゼンスルホン酸塩などを用いることができる。
【0041】
また、上記の電解研磨液は、酸化剤をさらに含有することが好ましい。
酸化剤としては、例えばH2 O2 、HClO、SO3 、SO2 、N2 O、NO、NO2 、O3 、F2 、Cl2 、Br2 、O2 などを用いることができる。
【0042】
上記の電解研磨液は、例えば、アルミナなどの砥粒、ポリビニルピロリドンなどの界面活性剤、キナルジン酸などの錯体形成剤、およびその他の添加剤を含み、pHが1.6に調製された銅CMP用のスラリー(例えば芝浦メカトロニクス社製スラリー原液)に、有機酸、第1電解質、第2電解質、防食剤、酸化剤、砥粒、界面活性剤などを順次添加し、KOH、キノリンあるいは硝酸、リン酸などでpHを0.8程度に調製して得ることができる。
【0043】
次に、本実施形態に係る電解研磨装置において、上記の電解研磨液を用い、半導体装置の製造工程においてデュアルダマシン法による銅配線を形成する方法について説明する。
【0044】
まず、図2(a)に示すように、例えば不図示の不純物拡散領域が適宜形成されている、例えばシリコン等の半導体基板10上に、例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜11を、例えば反応源としてTEOS(tetraethylorthosilicate)を用いて減圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成する。
【0045】
次に、図2(b)に示すように、半導体基板10の不純物拡散領域に通じるコンタクトホール11aおよび配線用溝11bを、例えば公知のフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて形成する。なお、配線用溝11bの深さは、例えば、800nm程度である。
【0046】
次に、図2(c)に示すように、バリアメタル膜12を層間絶縁膜11の表面、コンタクトホール11aおよび配線用溝11b内に形成する。このバリアメタル膜12は、例えば、Ta、Ti、W、Co、TaN、TiN、WN、CoWもしくはCoWP等の材料をスパッタリング装置、真空蒸着装置等をもちいたPVD(Physical Vapor Deposition)法により、例えば25nm程度の膜厚で形成する。
バリアメタル膜12は、配線を構成する材料が層間絶縁膜11中に拡散するのを防止するため、および、層間絶縁膜11との密着性を上げるために設けられる。
【0047】
次に、図3(d)に示すように、バリアメタル膜12上に、配線形成材料と同じ材料の銅からなるシード膜13を公知のスパッタリング法により、例えば150nm程度の膜厚で形成する。シード膜13は、銅を配線用溝11bおよびコンタクトホール11a内に埋め込んだ際に、銅グレインの成長を促すために形成する。
【0048】
次に、図3(e)に示すように、コンタクトホール11aおよび配線用溝11bを埋め込むように、バリアメタル膜12上に銅からなる銅膜14を銅のシード膜13と一体化して、例えば1600nm程度の膜厚で形成する。銅膜14は、好ましくは、電解メッキ法または無電解メッキ法によって形成するが、CVD法、スパッタリング法などによって形成してもよい。
銅膜14の表面には、コンタクトホール11aおよび配線用溝11bの埋め込みによって生じた、例えば、800nm程度の高さの凹凸が形成されている。
【0049】
次に、図4(f)に示すように、陰極部材20を銅膜14に平行に配置し、本実施形態に係る電解研磨液(以下電解液と称する)ELを陰極部材20と銅膜14との間に介在させる。
次に、陰極部材20を陰極として、銅膜14およびバリアメタル膜12を陽極として、電圧を印加する。
この電解研磨時の被処理基板への陽極通電により、電解液EL中に予め調整された解離しやすく導電性の良い第1電解質の作用により、水の存在下で容易に陽極通電される銅が陽極酸化されて銅の酸化物が形成され、それが電解液ELの水により水和されて水和物となる。
この時、電解液EL中に予め調整された水溶性のキレート剤(有機酸)の作用により、キレート剤が銅の水和物と反応して、図4(g)に示すように、銅膜14の表面に脆弱な不溶性銅錯体からなるキレート膜15が生成される。キレート剤は、銅と反応して銅よりも機械的強度が弱く水に難溶性である銅錯体を形成する機能を有する。
キレート膜15は脆弱であるため、ワイピングなどにより容易に除去することが可能である。
【0050】
上記の反応において、銅膜14の表面には、第1電解質による通電時に電流の通過の妨げとなる電気化学的不働態皮膜(不図示)が銅膜14の表層に形成されると、不働態皮膜の存在下では陽極酸化反応が進まないためにキレート化されなくなるが、電解液EL中に予め調整された第2電解質の作用により、電気化学的不働態皮膜が溶解され、銅の水和物の生成反応を促進することができる。第2電解質は、第1電解質と同程度以上の解離度を有し、キレート剤による錯体形成反応を補助して、金属層の表面の光沢を維持する機能を有する。
即ち、電気化学的不働態皮膜まで溶解して速やかに第2電解質による銅錯体が形成され、エネルギー的にさらに安定なキレート剤の銅錯体へと反応が速やかに進む。
【0051】
次に、図5(h)に示すように、研磨パッドによるワイピングなどによって、銅膜14の表面に形成されたキレート膜15の凸部を選択的に除去する。
当該キレート膜15の機械的強度は非常に小さいため、研磨パッドによるワイピングなどによって、凸部のキレート膜15から容易かつ優先的に研磨除去される。研磨パッドによるワイピング時の圧力は、例えば35〜105g/cm2 とすることが望ましい。
このとき、電気抵抗の低い銅膜14の凸部が電解液中に露出し、再び陽極酸化およびキレート化が進んで図5(i)に示す状態となる。
なお、図5(h)以降は、陰極部材Eおよび電解液ELの図中への記載を省略してある。
【0052】
ここで、銅膜の陽極酸化、キレート化およびワイピングの各工程において、第1電解質の作用である陽極酸化反応による銅の酸化物を形成、および、第2電解質の作用である電気化学的不働態皮膜の溶解が過剰に進んでしまうと、銅膜の表面の凹凸が平坦化されることなく銅の陽極酸化およびキレート化が進み、除去されてしまうことになる。
しかし、キレート膜15が形成されたときのキレート膜15の近傍を拡大した断面図である図6に示すように、電解液EL中に予め調整された防食剤の作用により、キレート膜15がワイピングなどで拭取り除去されずに残存する銅膜14の表面において、防食剤と銅が結合して得られる強固な保護膜17が形成される。防食剤は、銅に対して表面に強固な保護膜17を形成する機能を有し、保護膜17は銅膜14に形成された酸化銅膜16とキレート膜15の界面に形成される。
この結果、保護膜17の存在する部分では、過剰な第1電解質の作用である陽極酸化反応による銅の酸化物を形成、および、第2電解質の作用である電気化学的不働態皮膜の溶解が抑制されることになる。
また、保護膜17はワイピングなどで除去することができるため、上記のキレート膜15を除去するためのワイピング処理において、保護膜17も同時に凸部から除去され、この結果、キレート膜15が除去された銅膜14の凸部においては保護膜17も除去され、この凸部から再び陽極酸化およびキレート化が進んで図5(i)に示す状態へとなる。
このようにして、良好な研磨表面を維持した状態で、凹凸を平坦化しながら電解研磨を進行することができる。
【0053】
その後、上述のようにワイピングなどによりキレート膜15の凸部を選択的に除去し、露出した銅膜14の表面を集中的に陽極酸化し、再びキレート化する工程を繰り返す。
この結果、図7(j)に示すように、銅膜14の表面が平坦化される。
【0054】
さらに、図7(k)に示すように、バリアメタル膜12上の余分な銅膜14がなくなるまで、ワイピングなどによりキレート膜15の凸部を選択的に除去し、露出した銅膜14の表面を集中的に陽極酸化し、再びキレート化する工程を繰り返す。
この結果、図7(l)に示すように、コンタクトホール11aおよび配線用溝11b内を除いた部分の銅膜14を除去でき、コンタクトホール11aおよび配線用溝11bに埋め込まれた埋め込み配線14aを形成することができる。
【0055】
本実施形態に係る電解研磨装置において、電解研磨処理部1は、例えば、図8の模式図に示す横型の電解研磨浴を有する構成とする。
図示しないウェーハ搬送機構により搬送された被研磨対象であるウェーハWFは、ウェーハWFの研磨面が下向きとなるようにウェーハチャックCHに保持され、ウェーハチャックCHを支持するウェーハ回転軸WRがウェーハ移動方向DRWFに移動することで、電解研磨浴BAに供給された本実施形態に係る電解研磨液(電解液)EL中に浸漬され、固定またはウェーハ回転軸WRの回転により回転駆動される。
電解液ELは電解研磨浴BAに溜められた状態であり、液面を保持しながら随時循環される。即ち、使用済の電解液は不図示の電解研磨液リサイクル部に回収され、適宜必要な再生処理を施されたのち、再び電解研磨浴BAに戻されてくる。
ウェーハWFへの給電は、電解液EL中に配置された陽極部材ANとウェーハWFの外周部とを接触させて行う。あるいは、ウェーハチャックCH側からウェーハWFのエッジへ陽極接地してもよい。
円盤状の陰極部材CAは、電解研磨浴BAの電解液EL中にウェーハWFの表面に対向する位置に配置され、電源から電圧が印加される。
【0056】
電解研磨を行うには、陽極部材ANから通電されるウェーハWFの表面を陽極、対向する陰極部材CAを陰極として、電解液ELを介して電解電流を通電する。これにより、陽極であるウェーハWFの表面が陽極電解作用を受け、陽極酸化され、さらには電解液EL中のキレート剤によりキレート化されて、ウェーハWFの表面の金属膜が平坦化されながら除去される。
陽極部材ANとウェーハWFの外周部表面は摺動可能となっており、ウェーハWFの外周部と陽極部材ANを接触させたままでウェーハWFを回転駆動することができる。
【0057】
第2実施形態
図9は本実施形態に係る電解研磨装置の構成を示す模式図である。
実質的に第1実施形態に係る電解研磨装置と同様であるが、電解研磨液の貯蔵部8をさらに有し、電解研磨液リサイクル部2で再生処理された液が貯蔵部8で貯蔵され、貯蔵部8から必要量の電解研磨液が電解研磨処理部1に供給され、電解研磨処理部1から出される疲労液が電解研磨液リサイクル部2へ回収される構成となっていることが異なる。
電解研磨液は第1実施形態と同様の組成のものを用いることができる。
【0058】
上記のように本実施形態の電解研磨装置によれば、電解研磨処理部で電解研磨処理したときに出される疲労液を回収し、再生処理する電解研磨液リサイクル部を設けることにより、電解研磨処理液の特性を安定化でき、ランニングコストも低減できる。
さらに、再生処理を施された電解研磨液を貯蔵する貯蔵部を設けることで、例えば電解研磨液リサイクル部において化学特性を確保するために添加剤を添加して調製している間も、常に電解研磨処理部に対して電解研磨液の新液を供給することが可能で処理の安定性を高めることができ、電解研磨液リサイクル部でのリサイクル処理も容易に行うことができる。
【0059】
本実施形態に係る電解研磨装置において、電解研磨処理部1は、例えば、図10の模式図に示すいわゆるカップ型の電解研磨槽を有する構成とする。
図示しないウェーハ搬送機構により搬送された被研磨対象であるウェーハWFは、ウェーハWFの研磨面が上向きとなるようにウェーハチャックCHに保持され、固定される。
カップCPを支持するカップ移動軸CMがカップ移動方向DRCPに移動させ、ウェーハWFのエッジに接した状態で停止させ、ウェーハWFとカップCPとから電解研磨浴を構成する。ウェーハWHの研磨面が電解研磨浴の底面となる。
このように構成された電解研磨浴に、本実施形態に係る電解液ELが供給され、ウェーハWFの研磨面が電解液ELと接する状態となり、電解液ELは液面を保持しながら随時循環される。即ち、使用済の電解液は不図示の電解研磨液リサイクル部に回収され、適宜必要な再生処理を施されたのち、貯蔵部で貯蔵され、この貯蔵部から、ウェーハWFとカップCPとから構成される電解研磨浴に戻されてくる。
ウェーハWFへの給電は、ウェーハWFの外周部に保持されたリング状の陽極部材ANとウェーハWFの外周部とを接触させて行う。あるいは、ウェーハチャックCH側からウェーハWFのエッジへ陽極接地してもよい。
円盤状の陰極部材CAは、カップCPの奥側である電解研磨浴の電解液EL中にウェーハWFの表面に対向する位置のウェーハWFの上方に配置され、電源から電圧が印加される。
【0060】
電解研磨を行うには、陽極部材ANから通電されるウェーハWFの表面を陽極、対向する陰極部材CAを陰極として、電解液ELを介して電解電流を通電する。これにより、陽極であるウェーハWFの表面が陽極電解作用を受け、陽極酸化され、さらには電解液EL中のキレート剤によりキレート化されて、ウェーハWFの表面の金属膜が平坦化されながら除去される。
【0061】
本発明は上記の実施の形態に限定されない。
例えば、電解研磨処理部の構成を各実施形態において1つずつ説明しているが、これに限定されず、種々の形態の電解研磨処理部を採用することができる。また、各形態において、電解研磨処理部が研磨パッドを有してキレート層をワイピングする構成とすることも可能である。
また、本発明の電解研磨装置の研磨対象となる金属層は銅に限定されず、その他の金属材料を用いることができる。
また、キレート剤の種類や陰極部材あるいは陽極部材などの材質は特に限定されない。
さらに、本発明は半導体装置の製造工程以外の工程における銅膜などの研磨方法や研磨装置として適用できる。
また、実施形態における半導体装置の製造に限定されず、銅膜の平坦化以外の工程であるコンタクトホールあるいは配線用溝の形成工程やバリアメタル層の形成工程などは適宜変更可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0062】
【発明の効果】
本発明の電解研磨装置によれば、電解研磨処理液の特性を安定化でき、さらに、ランニングコストを低減できる。
また、本発明の電解研磨液のリサイクル方法によれば、ランニングコストを低減しながら、電解研磨処理液の特性を安定化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態に係る電解研磨装置の構成を示す模式図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係る電解研磨液を用いた半導体装置の製造工程を示す断面図であり、(a)は半導体基板への絶縁膜形成工程まで、(b)はコンタクトホールおよび配線用溝の形成工程まで、(c)はバリアメタル膜の形成工程までを示す。
【図3】図3は、図2の続きの工程の断面図であり、(d)はシード膜としての銅膜の形成工程まで、(e)は銅膜の形成工程までを示す。
【図4】図4は、図3の続きの工程の断面図であり、(f)は銅膜の陽極酸化の工程まで、(g)はキレート膜の形成工程までを示す。
【図5】図5は、図4の続きの工程の断面図であり、(h)は凸部のキレート膜の除去工程まで、(i)はキレート膜の再形成工程までを示す。
【図6】図6は本発明の実施形態に係る電解研磨液を用いた半導体装置の製造工程においてキレート膜が形成されたときのキレート膜近傍を拡大した断面図である。
【図7】図7は、図5の続きの工程の断面図であり、(j)は銅膜の平坦化工程まで、(k)は余分な銅膜の除去工程まで、(l)はバリアメタル膜の露出工程までを示す。
【図8】図8は横型の電解研磨浴を有する電解研磨装置の構成を示す模式図である。
【図9】図9は第2実施形態に係る電解研磨装置の構成を示す模式図である。
【図10】図10はいわゆるカップ型の電解研磨装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1…電解研磨処理部、2…電解研磨液リサイクル部、3…不純物除去部、4…電解研磨液の新液供給部、5…pH調整部、6…添加剤供給部、7…モニタ部、8…貯蔵部、10…半導体基板、11…層間絶縁膜、11a…配線用溝、11b…コンタクトホール、12…バリアメタル膜、13…シード膜、14…銅膜、14a…埋め込み配線、15…キレート膜、16…酸化銅膜、17…保護膜、20…陰極部材、P1,P2…配管、F1 ,F2 …フィルタ、V1 〜V4 …バルブ、BA…電解研磨浴、EL…電解研磨液(電解液)、WF…ウェーハ、AN…陽極部材、CA…陰極部材、CH…ウェーハチャック、WR…ウェーハ回転軸、CP…カップ、CM…カップ移動軸、DRCP…カップ移動方向。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解研磨装置および電解研磨液のリサイクル方法に関し、特に半導体装置の製造方法において、基板上に形成された銅などの被加工層を電解研磨して埋め込み配線部をパターン形成する工程に用いる電解研磨装置および電解研磨液のリサイクル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、最先端の半導体素子においては、デザインルールで言うと0.1μm世代からその次の世代へ以降しつつある状況である。
このように微細化された半導体装置の製造プロセスにおいては、これまでの微細化に伴い、露光側のDOF(焦点深度)の限界から露光表面の平坦化が必要となり、CMP(Chemical Mechanical Polishing)プロセスが脚光を浴び、広く用いられてきている。
【0003】
例えば、デュアルダマシンプロセスに代表される、配線用溝に金属膜を埋め込み、表層に余剰に成膜された部分をCMPプロセスで除去し、配線用溝内に埋め込み配線を形成する方法が広く用いられるようになってきている。
【0004】
配線を構成する材料としては、微細化によって動作遅延に占める割合が無視できないレベルになった配線遅延を減少させるため、0.1μm世代以降で加速して、従来用いられてきたアルミニウム配線から、電気抵抗の低い銅配線へと移行している。
【0005】
さらに次世代である0.07μm世代においては、シリコン酸化膜系絶縁膜と銅配線の組み合わせでは、動作遅延に占める割合として、素子トランジスタ遅延よりも配線遅延の方が大きくなってしまい、配線を取り囲んでいる絶縁膜の誘電率を小さくすることが必須となってきている。
【0006】
今後のさらなる半導体装置の高速化、低消費電力化、および信号遅延の低減を実現するため、銅配線の採用とともに、誘電率2以下のポーラスシリカのような超低誘電率材料の採用が検討されている。
【0007】
しかし、これら超低誘電率材料は、そのいずれもがポーラス状などの機械的強度の低い材料となっており、これらの脆弱な超低誘電率材料膜に例えば4〜6PSI(1PSI=70g/cm2 )程度の高い圧力が印加され、その表層を押圧摺動する必要があるCMPプロセスにおいては、圧壊、クラック、剥離などが発生し、良好な配線の形成を行うことができない。
【0008】
また、これらの超低誘電率材料膜が機械的に耐えられる圧力である1.5PSI以下程度までCMPの圧力を下げた場合、通常の生産速度に必要な研磨レートを得ることができなくなり、生産性に問題が生じる。
【0009】
上記の問題を解決するため、CMPプロセスに代わる技術として、高い圧力を印加せずに行うことができる電解研磨プロセスが開発されている(非特許文献1参照)。
【0010】
【非特許文献1】
アイディーイーエム(IDEM)、(米国)、2001年、p.84〜87
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の電解研磨プロセスにおいては、電解研磨処理中の電解作用により電解研磨液中に電解研磨処理の生成物、スラブ、スラッジなどの不純物が発生し、ウェーハに作用する電解研磨液の組成やpH、成分濃度などが変動し、そのために電解特性が安定しないという問題がある。
また、電解研磨液の特性の安定性を重視して電解研磨液を使い捨てにするとランニングコストが非常に高くなるという問題が発生する。
【0012】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、従って本発明の目的は、電解研磨処理液の特性を安定化でき、ランニングコストも低減できる電解研磨装置および電解研磨液のリサイクル方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の電解研磨装置は、電解研磨液を用いた電解研磨処理により被加工層を電界研磨する電解研磨装置であって、前記被加工層に電解研磨液を接触させて電界研磨を施す電解研磨処理部と、前記電解研磨処理部で電解研磨処理したときに出される疲労液を回収し、再生処理する電解研磨液リサイクル部とを有し、前記電解研磨液リサイクル部において再生された電解研磨液を前記電解研磨処理部に戻して再利用する。
【0014】
上記の本発明の電解研磨装置は、電解研磨処理部において被加工層に電解研磨液を接触させて電界研磨を施し、電解研磨液リサイクル部において電解研磨処理部で電解研磨処理したときに出される疲労液を回収し、再生処理する。
ここで、上記のように電解研磨液リサイクル部において再生された電解研磨液が電解研磨処理部に戻されて再利用される。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、本発明の電解研磨液のリサイクル方法は、被加工層に電解研磨液を接触させて電界研磨処理したときに出される疲労液を回収する工程と、前記疲労液を再生処理する工程と、再生処理された前記疲労液を前記電解研磨液として再利用し、被加工層に接触させて電界研磨処理を行う工程とを有する。
【0016】
上記の本発明の電解研磨液のリサイクル方法は、被加工層に電解研磨液を接触させて電界研磨処理したときに出される疲労液を回収する。次に、疲労液を再生処理する。次に、電解研磨液リサイクル部を経て再生された液を電解研磨処理部に戻して前記電解研磨液として再利用する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の電解研磨装置および電解研磨液のリサイクル方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
第1実施形態
図1は本実施形態に係る電解研磨装置の構成を示す模式図である。
本実施形態に係る電解研磨装置は、電解研磨液を用いた電解研磨処理により被加工層を電界研磨する電解研磨装置である。
被加工層に電解研磨液を接触させて電界研磨を施す電解研磨処理部1と、電解研磨処理部で電解研磨処理したときに出される疲労液を回収し、再生処理する電解研磨液リサイクル部2とを有する。
【0019】
上記の本実施形態に係る電解研磨装置においては、配管P1により電解研磨液リサイクル部2から電解研磨処理部1へ未使用の電解研磨液が移液されて電解研磨処理に供される。ここで、使用済の電解研磨液をリサイクルするには、配管P2により電解研磨処理部1において被加工層に電解研磨液を接触させて電界研磨処理したときに出される疲労液を電解研磨液リサイクル部2へ回収し、電解研磨液リサイクル部2において疲労液を再生処理する。次に、再生処理された疲労液を再び配管P1により電解研磨処理部1に戻して電解研磨液として再利用し、被加工層に接触させて電界研磨処理を行う。
【0020】
本実施形態の電解研磨装置は、電解研磨処理部で使用した電解研磨液に含有される、電解研磨処理の生成物、スラブ、スラッジ、ゴミなどの不純物を除去する不純物除去部3を有する。電解研磨処理の生成物は、例えば、電解研磨液がキレート剤を含有する場合、被研磨層を構成する銅などの金属イオンのキレート化物などを含む。例えば、電解研磨処理中に発生した銅のキナルジン酸錯体を除去する場合、フィルタプレス法を用いて濾過する。
ここで、疲労液を電解研磨処理部1から電解研磨液リサイクル部2へ回収する配管P2に分岐点が設けられており、不純物除去部3としては、例えば、この分岐点を有する配管P2に対して、並列に、フィルタF1 およびバルブ(V1 ,V2 )から構成される不純物除去ユニット(不純物除去手段)と、フィルタF2 およびバルブ(V3 ,V4 )から構成される不純物除去ユニットが接続されて構成されている。
このように、不純物除去ユニットが複数並列に接続されて構成されている構成では、一方の不純物除去ユニットについてフィルタ交換などのメンテナンスを行っても、他方の不純物除去ユニットを動かし続けることができ、装置全体を停止しないでメンテナンスを実施することができる。
【0021】
また、電解研磨液リサイクル部2に、疲労液を再生処理するための再生薬品を供給する再生薬品供給部が設けられている。
再生薬品供給部は、例えば電解研磨液の新液供給部4、pH調整部5、添加剤供給部6などからなる。
また、電解研磨液リサイクル部2に疲労液の化学特性をモニタするモニタ部7が設けられており、モニタ部7により測定された疲労液の化学特性に応じて、電解研磨液の新液供給部4、pH調整部5、添加剤供給部6などの再生薬品供給部から電解研磨液リサイクル部2に再生薬品が供給される構成である。
【0022】
疲労液の化学特性をモニタした結果、例えば、電解研磨液の新液を供給する他、例えば、比色法を用いて疲労液の透過率をモニタし、銅イオンの濃度を測定して、規定範囲外になった場合、銅イオンを供給する。
また、疲労液のpHおよび導電率を測定し、規定範囲外になった場合、所定の電解質を供給する。
また、疲労液の比重を測定し、規定範囲外になった場合、砥粒を供給して砥粒濃度を調整する。
疲労液は必ずしも全部再利用する必要はなく、一部廃却処分してもよい。
【0023】
あるいは、モニタ部によりモニタせず、電解研磨液の使用量に応じて添加すべき再生薬品の量を予め調べておき、使用料に応じた量の再生薬品を添加する構成とすることもできる。
【0024】
上記のように本実施形態の電解研磨装置によれば、電解研磨処理部で電解研磨処理したときに出される疲労液を回収し、再生処理する電解研磨液リサイクル部を設けることにより、電解研磨処理液の特性を安定化でき、ランニングコストも低減できる。
【0025】
本実施形態の電解研磨装置において使用する電解研磨液は、例えば、基板に設けられた研磨対象である金属層を平坦化するための電解研磨に用いられる電解研磨液であり、水に溶解して電離し、水溶液に導電性を付与する電解質と、金属層の金属と反応して金属よりも機械的強度が弱く水に難溶性である金属錯体を形成する、水溶性のキレート剤と、金属に対して表面に保護膜を形成する防食剤とを含む水溶液である。
【0026】
上記の電解研磨液は、好ましくは、電解質が、第1電解質と、第1電解質と同程度以上の解離度を有し、キレート剤による錯体形成反応を補助して、金属層の表面の光沢を維持する第2電解質とを含む。
また、上記の電解研磨液の研磨対象である金属層は、好ましくは銅を含む。
【0027】
上記の電解研磨液は、好ましくはキレート剤として有機酸を含む。
上記の有機酸としては、例えば、キナルジン酸、2−ピリジンカルボン酸、2,6−ピリジンカルボン酸、キノン、アントラニル酸およびフェニルアラニンなどを用いることができる。
【0028】
上記の有機酸は、電解研磨液中に0.5重量%以上の含有量で含有されることが望ましい。
有機酸の含有量を0.5重量%未満にすると銅または銅系金属などの金属表面に、銅などの金属の錯体を充分に形成することが困難になる。その結果、電解研磨時において、その電解研磨速度を充分に高めることが困難になる。
【0029】
上記の第1電解質は、電解研磨のための銅などの金属表面を陽極酸化させるために必要な電解電流を通電するときに電解研磨液の抵抗を低くする作用を有する。
かかる第1電解質としては、例えば、硝酸およびその化合物、硫酸およびその化合物を挙げることができ、これらは1種または2種以上の混合物の形態で用いることができる。
特に、第1電解質として硝酸を用いることが望ましい。
【0030】
第1電解質は、電解研磨液中に1.5重量%以上の含有量で含有されることが望ましい。
第1電解質の含有量を1.5重量%未満にすると電解研磨のための銅などの金属表面を陽極酸化させるために必要な電解電流を通電することが困難になる。その結果、電解研磨時においてその電解研磨速度を充分に高めることが困難になる。
【0031】
第1電解質は、電解研磨液中に12重量%以下の含有量で含有されることが望ましい。
第1電解質の含有量が12重量%を越えると、銅などの金属表面の電気化学的溶出により平坦化が困難になる。さらには、電解研磨のための錯体拭取りを行うためのパッド材を溶解あるいは変質させ、銅などの金属表面に形成される錯体を拭取るために必要な機械的摺動作用をおこなうことが困難になる。その結果、電解研磨時においてその電解研磨速度を充分に高めることが困難になる。
より好ましい第1電解質の含有量は、6重量%程度である。
【0032】
第2電解質としては、第1電解質と同程度以上の解離度を有し、キレート剤による錯体形成反応を補助して銅などの金属層の表面の光沢を維持する作用を有する。
第2電解質は、第1電解質と同程度以上の解離度を有するため、緩衝なく第1電解質の解離を妨げることがない。
かかる第2電解質としては、たとえば、リン酸、酒石酸、クエン酸およびそれらの化合物を挙げることができ、これらは1種または2種以上の混合物の形態で用いることができる。
特に、第2電解質としてはリン酸を用いることが望ましい。
【0033】
第2電解質は、電解研磨液中に2重量%以上の含有量で含有されることが望ましい。
第2電解質の含有量を2重量%未満にすると、キレート剤による錯体形成反応を補助して銅などの金属層の表面の光沢を維持することが困難になる。その結果、電解研磨時においてその良好な配線表面品質を維持した状態で、かつ、電解研磨速度を充分に高めることが困難になる。
【0034】
第2電解質は、電解研磨液中に10重量%以下の含有量で含有されることが望ましい。
第2電解質の含有量を10重量%を越える濃度とすると銅などの金属表面の電気化学的溶出により平坦化が困難になる。さらには、電解研磨のための錯体拭取りを行う為のパッド材を溶解あるいは変質させ、銅などの金属表面に形成される錯体を拭取るために必要な機械的摺動作用をおこなうことが困難になる。その結果、電解研磨時においてその電解研磨速度を充分に高めることが困難になる。
より好ましい第2電解質の含有量は、5重量%程度である。
【0035】
防食剤は、銅などの金属層に対して表面に強固な保護膜を形成することで電解研磨中の電解電流通電時に第1電解質および第2電解質による銅などの金属層の一様な溶出を防止し、凸部の選択除去による充分な平坦化を行う為に必要な防食作用を有する。
防食剤としては、たとえばベンゾトリアゾール(BTA)およびその誘導体として、例えばトリルトリアゾール(TTA)、ベンゾトリアゾールカルボン酸(BTA−COOH)を挙げることができる。これらは、1種または2種以上の混合物の形態で用いることができる。
防食剤としては、特にベンゾトリアゾールカルボン酸(BTA−COOH)をもちいることが好ましい。
【0036】
防食剤は電解研磨液中に、50〜200ppmの含有量で含有されることが好ましい。
防食剤の含有量を50ppm未満にすると、電解研磨中の電解電流通電時に第1電解質および第2電解質による銅などの金属層の溶出を防止することができず一様に化学溶出し、充分な平坦化を行うことが困難になる。
一方、その含有量が200ppmを越えると、強固な保護膜を過剰に形成し、その結果、電解研磨時においてその電解研磨速度を充分に高めることが困難になる。
より好ましい防食剤の含有量は75ppm程度である。
【0037】
上記の電解研磨液は、研磨砥粒をさらに含有することが好ましい。
研磨砥粒は、電解研磨による電解電流の通電時の銅などの金属表面において、キレート剤と銅の反応により形成される銅などの金属錯体と、防食剤により形成される保護膜とを機械的に研磨除去する作用を有する。
研磨砥粒を含有することにより、電解研磨時においてその電解研磨速度を充分に高めることができる。
【0038】
研磨砥粒としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化セリウム、マンガン酸化物を挙げることができ、これらは、1種または2種以上の混合物の形態で用いることができる。
研磨砥粒としては、特にアルミナをもちいることが好ましい。
【0039】
研磨砥粒は電解研磨液中に1〜20重量%の含有量で含有されることが好ましい。
研磨砥粒の含有量を1重量%未満にすると、キレート剤と銅などの金属の反応により形成される銅などの金属錯体と、防食剤により形成される保護膜とを機械的に研磨除去することが困難になる。
一方、その含有量が20重量%を越えると、電解研磨による電解電流の通電時における銅などの金属表面において、部分的に絶縁される箇所が多数形成されてしまい、その結果、電解研磨時において、良好な電解研磨表面を得ることが困難になる。
より好ましい砥粒含有量は1.5重量%程度である。
【0040】
上記の電解研磨液は、砥粒分散剤をさらに含有することが好ましい。
また、上記の電解研磨液は、界面活性剤をさらに含有することが好ましい。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテルあるいはアルキルベンゼンスルホン酸塩などを用いることができる。
【0041】
また、上記の電解研磨液は、酸化剤をさらに含有することが好ましい。
酸化剤としては、例えばH2 O2 、HClO、SO3 、SO2 、N2 O、NO、NO2 、O3 、F2 、Cl2 、Br2 、O2 などを用いることができる。
【0042】
上記の電解研磨液は、例えば、アルミナなどの砥粒、ポリビニルピロリドンなどの界面活性剤、キナルジン酸などの錯体形成剤、およびその他の添加剤を含み、pHが1.6に調製された銅CMP用のスラリー(例えば芝浦メカトロニクス社製スラリー原液)に、有機酸、第1電解質、第2電解質、防食剤、酸化剤、砥粒、界面活性剤などを順次添加し、KOH、キノリンあるいは硝酸、リン酸などでpHを0.8程度に調製して得ることができる。
【0043】
次に、本実施形態に係る電解研磨装置において、上記の電解研磨液を用い、半導体装置の製造工程においてデュアルダマシン法による銅配線を形成する方法について説明する。
【0044】
まず、図2(a)に示すように、例えば不図示の不純物拡散領域が適宜形成されている、例えばシリコン等の半導体基板10上に、例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜11を、例えば反応源としてTEOS(tetraethylorthosilicate)を用いて減圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成する。
【0045】
次に、図2(b)に示すように、半導体基板10の不純物拡散領域に通じるコンタクトホール11aおよび配線用溝11bを、例えば公知のフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて形成する。なお、配線用溝11bの深さは、例えば、800nm程度である。
【0046】
次に、図2(c)に示すように、バリアメタル膜12を層間絶縁膜11の表面、コンタクトホール11aおよび配線用溝11b内に形成する。このバリアメタル膜12は、例えば、Ta、Ti、W、Co、TaN、TiN、WN、CoWもしくはCoWP等の材料をスパッタリング装置、真空蒸着装置等をもちいたPVD(Physical Vapor Deposition)法により、例えば25nm程度の膜厚で形成する。
バリアメタル膜12は、配線を構成する材料が層間絶縁膜11中に拡散するのを防止するため、および、層間絶縁膜11との密着性を上げるために設けられる。
【0047】
次に、図3(d)に示すように、バリアメタル膜12上に、配線形成材料と同じ材料の銅からなるシード膜13を公知のスパッタリング法により、例えば150nm程度の膜厚で形成する。シード膜13は、銅を配線用溝11bおよびコンタクトホール11a内に埋め込んだ際に、銅グレインの成長を促すために形成する。
【0048】
次に、図3(e)に示すように、コンタクトホール11aおよび配線用溝11bを埋め込むように、バリアメタル膜12上に銅からなる銅膜14を銅のシード膜13と一体化して、例えば1600nm程度の膜厚で形成する。銅膜14は、好ましくは、電解メッキ法または無電解メッキ法によって形成するが、CVD法、スパッタリング法などによって形成してもよい。
銅膜14の表面には、コンタクトホール11aおよび配線用溝11bの埋め込みによって生じた、例えば、800nm程度の高さの凹凸が形成されている。
【0049】
次に、図4(f)に示すように、陰極部材20を銅膜14に平行に配置し、本実施形態に係る電解研磨液(以下電解液と称する)ELを陰極部材20と銅膜14との間に介在させる。
次に、陰極部材20を陰極として、銅膜14およびバリアメタル膜12を陽極として、電圧を印加する。
この電解研磨時の被処理基板への陽極通電により、電解液EL中に予め調整された解離しやすく導電性の良い第1電解質の作用により、水の存在下で容易に陽極通電される銅が陽極酸化されて銅の酸化物が形成され、それが電解液ELの水により水和されて水和物となる。
この時、電解液EL中に予め調整された水溶性のキレート剤(有機酸)の作用により、キレート剤が銅の水和物と反応して、図4(g)に示すように、銅膜14の表面に脆弱な不溶性銅錯体からなるキレート膜15が生成される。キレート剤は、銅と反応して銅よりも機械的強度が弱く水に難溶性である銅錯体を形成する機能を有する。
キレート膜15は脆弱であるため、ワイピングなどにより容易に除去することが可能である。
【0050】
上記の反応において、銅膜14の表面には、第1電解質による通電時に電流の通過の妨げとなる電気化学的不働態皮膜(不図示)が銅膜14の表層に形成されると、不働態皮膜の存在下では陽極酸化反応が進まないためにキレート化されなくなるが、電解液EL中に予め調整された第2電解質の作用により、電気化学的不働態皮膜が溶解され、銅の水和物の生成反応を促進することができる。第2電解質は、第1電解質と同程度以上の解離度を有し、キレート剤による錯体形成反応を補助して、金属層の表面の光沢を維持する機能を有する。
即ち、電気化学的不働態皮膜まで溶解して速やかに第2電解質による銅錯体が形成され、エネルギー的にさらに安定なキレート剤の銅錯体へと反応が速やかに進む。
【0051】
次に、図5(h)に示すように、研磨パッドによるワイピングなどによって、銅膜14の表面に形成されたキレート膜15の凸部を選択的に除去する。
当該キレート膜15の機械的強度は非常に小さいため、研磨パッドによるワイピングなどによって、凸部のキレート膜15から容易かつ優先的に研磨除去される。研磨パッドによるワイピング時の圧力は、例えば35〜105g/cm2 とすることが望ましい。
このとき、電気抵抗の低い銅膜14の凸部が電解液中に露出し、再び陽極酸化およびキレート化が進んで図5(i)に示す状態となる。
なお、図5(h)以降は、陰極部材Eおよび電解液ELの図中への記載を省略してある。
【0052】
ここで、銅膜の陽極酸化、キレート化およびワイピングの各工程において、第1電解質の作用である陽極酸化反応による銅の酸化物を形成、および、第2電解質の作用である電気化学的不働態皮膜の溶解が過剰に進んでしまうと、銅膜の表面の凹凸が平坦化されることなく銅の陽極酸化およびキレート化が進み、除去されてしまうことになる。
しかし、キレート膜15が形成されたときのキレート膜15の近傍を拡大した断面図である図6に示すように、電解液EL中に予め調整された防食剤の作用により、キレート膜15がワイピングなどで拭取り除去されずに残存する銅膜14の表面において、防食剤と銅が結合して得られる強固な保護膜17が形成される。防食剤は、銅に対して表面に強固な保護膜17を形成する機能を有し、保護膜17は銅膜14に形成された酸化銅膜16とキレート膜15の界面に形成される。
この結果、保護膜17の存在する部分では、過剰な第1電解質の作用である陽極酸化反応による銅の酸化物を形成、および、第2電解質の作用である電気化学的不働態皮膜の溶解が抑制されることになる。
また、保護膜17はワイピングなどで除去することができるため、上記のキレート膜15を除去するためのワイピング処理において、保護膜17も同時に凸部から除去され、この結果、キレート膜15が除去された銅膜14の凸部においては保護膜17も除去され、この凸部から再び陽極酸化およびキレート化が進んで図5(i)に示す状態へとなる。
このようにして、良好な研磨表面を維持した状態で、凹凸を平坦化しながら電解研磨を進行することができる。
【0053】
その後、上述のようにワイピングなどによりキレート膜15の凸部を選択的に除去し、露出した銅膜14の表面を集中的に陽極酸化し、再びキレート化する工程を繰り返す。
この結果、図7(j)に示すように、銅膜14の表面が平坦化される。
【0054】
さらに、図7(k)に示すように、バリアメタル膜12上の余分な銅膜14がなくなるまで、ワイピングなどによりキレート膜15の凸部を選択的に除去し、露出した銅膜14の表面を集中的に陽極酸化し、再びキレート化する工程を繰り返す。
この結果、図7(l)に示すように、コンタクトホール11aおよび配線用溝11b内を除いた部分の銅膜14を除去でき、コンタクトホール11aおよび配線用溝11bに埋め込まれた埋め込み配線14aを形成することができる。
【0055】
本実施形態に係る電解研磨装置において、電解研磨処理部1は、例えば、図8の模式図に示す横型の電解研磨浴を有する構成とする。
図示しないウェーハ搬送機構により搬送された被研磨対象であるウェーハWFは、ウェーハWFの研磨面が下向きとなるようにウェーハチャックCHに保持され、ウェーハチャックCHを支持するウェーハ回転軸WRがウェーハ移動方向DRWFに移動することで、電解研磨浴BAに供給された本実施形態に係る電解研磨液(電解液)EL中に浸漬され、固定またはウェーハ回転軸WRの回転により回転駆動される。
電解液ELは電解研磨浴BAに溜められた状態であり、液面を保持しながら随時循環される。即ち、使用済の電解液は不図示の電解研磨液リサイクル部に回収され、適宜必要な再生処理を施されたのち、再び電解研磨浴BAに戻されてくる。
ウェーハWFへの給電は、電解液EL中に配置された陽極部材ANとウェーハWFの外周部とを接触させて行う。あるいは、ウェーハチャックCH側からウェーハWFのエッジへ陽極接地してもよい。
円盤状の陰極部材CAは、電解研磨浴BAの電解液EL中にウェーハWFの表面に対向する位置に配置され、電源から電圧が印加される。
【0056】
電解研磨を行うには、陽極部材ANから通電されるウェーハWFの表面を陽極、対向する陰極部材CAを陰極として、電解液ELを介して電解電流を通電する。これにより、陽極であるウェーハWFの表面が陽極電解作用を受け、陽極酸化され、さらには電解液EL中のキレート剤によりキレート化されて、ウェーハWFの表面の金属膜が平坦化されながら除去される。
陽極部材ANとウェーハWFの外周部表面は摺動可能となっており、ウェーハWFの外周部と陽極部材ANを接触させたままでウェーハWFを回転駆動することができる。
【0057】
第2実施形態
図9は本実施形態に係る電解研磨装置の構成を示す模式図である。
実質的に第1実施形態に係る電解研磨装置と同様であるが、電解研磨液の貯蔵部8をさらに有し、電解研磨液リサイクル部2で再生処理された液が貯蔵部8で貯蔵され、貯蔵部8から必要量の電解研磨液が電解研磨処理部1に供給され、電解研磨処理部1から出される疲労液が電解研磨液リサイクル部2へ回収される構成となっていることが異なる。
電解研磨液は第1実施形態と同様の組成のものを用いることができる。
【0058】
上記のように本実施形態の電解研磨装置によれば、電解研磨処理部で電解研磨処理したときに出される疲労液を回収し、再生処理する電解研磨液リサイクル部を設けることにより、電解研磨処理液の特性を安定化でき、ランニングコストも低減できる。
さらに、再生処理を施された電解研磨液を貯蔵する貯蔵部を設けることで、例えば電解研磨液リサイクル部において化学特性を確保するために添加剤を添加して調製している間も、常に電解研磨処理部に対して電解研磨液の新液を供給することが可能で処理の安定性を高めることができ、電解研磨液リサイクル部でのリサイクル処理も容易に行うことができる。
【0059】
本実施形態に係る電解研磨装置において、電解研磨処理部1は、例えば、図10の模式図に示すいわゆるカップ型の電解研磨槽を有する構成とする。
図示しないウェーハ搬送機構により搬送された被研磨対象であるウェーハWFは、ウェーハWFの研磨面が上向きとなるようにウェーハチャックCHに保持され、固定される。
カップCPを支持するカップ移動軸CMがカップ移動方向DRCPに移動させ、ウェーハWFのエッジに接した状態で停止させ、ウェーハWFとカップCPとから電解研磨浴を構成する。ウェーハWHの研磨面が電解研磨浴の底面となる。
このように構成された電解研磨浴に、本実施形態に係る電解液ELが供給され、ウェーハWFの研磨面が電解液ELと接する状態となり、電解液ELは液面を保持しながら随時循環される。即ち、使用済の電解液は不図示の電解研磨液リサイクル部に回収され、適宜必要な再生処理を施されたのち、貯蔵部で貯蔵され、この貯蔵部から、ウェーハWFとカップCPとから構成される電解研磨浴に戻されてくる。
ウェーハWFへの給電は、ウェーハWFの外周部に保持されたリング状の陽極部材ANとウェーハWFの外周部とを接触させて行う。あるいは、ウェーハチャックCH側からウェーハWFのエッジへ陽極接地してもよい。
円盤状の陰極部材CAは、カップCPの奥側である電解研磨浴の電解液EL中にウェーハWFの表面に対向する位置のウェーハWFの上方に配置され、電源から電圧が印加される。
【0060】
電解研磨を行うには、陽極部材ANから通電されるウェーハWFの表面を陽極、対向する陰極部材CAを陰極として、電解液ELを介して電解電流を通電する。これにより、陽極であるウェーハWFの表面が陽極電解作用を受け、陽極酸化され、さらには電解液EL中のキレート剤によりキレート化されて、ウェーハWFの表面の金属膜が平坦化されながら除去される。
【0061】
本発明は上記の実施の形態に限定されない。
例えば、電解研磨処理部の構成を各実施形態において1つずつ説明しているが、これに限定されず、種々の形態の電解研磨処理部を採用することができる。また、各形態において、電解研磨処理部が研磨パッドを有してキレート層をワイピングする構成とすることも可能である。
また、本発明の電解研磨装置の研磨対象となる金属層は銅に限定されず、その他の金属材料を用いることができる。
また、キレート剤の種類や陰極部材あるいは陽極部材などの材質は特に限定されない。
さらに、本発明は半導体装置の製造工程以外の工程における銅膜などの研磨方法や研磨装置として適用できる。
また、実施形態における半導体装置の製造に限定されず、銅膜の平坦化以外の工程であるコンタクトホールあるいは配線用溝の形成工程やバリアメタル層の形成工程などは適宜変更可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0062】
【発明の効果】
本発明の電解研磨装置によれば、電解研磨処理液の特性を安定化でき、さらに、ランニングコストを低減できる。
また、本発明の電解研磨液のリサイクル方法によれば、ランニングコストを低減しながら、電解研磨処理液の特性を安定化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態に係る電解研磨装置の構成を示す模式図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係る電解研磨液を用いた半導体装置の製造工程を示す断面図であり、(a)は半導体基板への絶縁膜形成工程まで、(b)はコンタクトホールおよび配線用溝の形成工程まで、(c)はバリアメタル膜の形成工程までを示す。
【図3】図3は、図2の続きの工程の断面図であり、(d)はシード膜としての銅膜の形成工程まで、(e)は銅膜の形成工程までを示す。
【図4】図4は、図3の続きの工程の断面図であり、(f)は銅膜の陽極酸化の工程まで、(g)はキレート膜の形成工程までを示す。
【図5】図5は、図4の続きの工程の断面図であり、(h)は凸部のキレート膜の除去工程まで、(i)はキレート膜の再形成工程までを示す。
【図6】図6は本発明の実施形態に係る電解研磨液を用いた半導体装置の製造工程においてキレート膜が形成されたときのキレート膜近傍を拡大した断面図である。
【図7】図7は、図5の続きの工程の断面図であり、(j)は銅膜の平坦化工程まで、(k)は余分な銅膜の除去工程まで、(l)はバリアメタル膜の露出工程までを示す。
【図8】図8は横型の電解研磨浴を有する電解研磨装置の構成を示す模式図である。
【図9】図9は第2実施形態に係る電解研磨装置の構成を示す模式図である。
【図10】図10はいわゆるカップ型の電解研磨装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1…電解研磨処理部、2…電解研磨液リサイクル部、3…不純物除去部、4…電解研磨液の新液供給部、5…pH調整部、6…添加剤供給部、7…モニタ部、8…貯蔵部、10…半導体基板、11…層間絶縁膜、11a…配線用溝、11b…コンタクトホール、12…バリアメタル膜、13…シード膜、14…銅膜、14a…埋め込み配線、15…キレート膜、16…酸化銅膜、17…保護膜、20…陰極部材、P1,P2…配管、F1 ,F2 …フィルタ、V1 〜V4 …バルブ、BA…電解研磨浴、EL…電解研磨液(電解液)、WF…ウェーハ、AN…陽極部材、CA…陰極部材、CH…ウェーハチャック、WR…ウェーハ回転軸、CP…カップ、CM…カップ移動軸、DRCP…カップ移動方向。
Claims (10)
- 電解研磨液を用いた電解研磨処理により被加工層を電界研磨する電解研磨装置であって、
前記被加工層に電解研磨液を接触させて電界研磨を施す電解研磨処理部と、
前記電解研磨処理部で電解研磨処理したときに出される疲労液を回収し、再生処理する電解研磨液リサイクル部と
を有し、
前記電解研磨液リサイクル部において再生された電解研磨液を前記電解研磨処理部に戻して再利用する
電解研磨装置。 - 前記電解研磨処理部で使用した電解研磨液に含有される不純物を除去する不純物除去部をさらに有する
請求項1に記載の電解研磨装置。 - 前記疲労液を前記電解研磨処理部から電解研磨液リサイクル部へ回収する配管に分岐点が設けられており、
前記不純物除去部は、複数の不純物除去手段が前記分岐点を有する配管に対して並列に接続されて構成されている
請求項2に記載の電解研磨装置。 - 前記電解研磨液リサイクル部に、前記疲労液を再生処理するための再生薬品を供給する再生薬品供給部が設けられている
請求項1に記載の電解研磨装置。 - 前記電解研磨液リサイクル部に、前記疲労液の化学特性をモニタするモニタ部が設けられており、
前記モニタ部により測定された前記疲労液の化学特性に応じて、前記再生薬品供給部から前記電解研磨液リサイクル部に前記再生薬品が供給される
請求項4に記載の電解研磨装置。 - 前記電解研磨液の貯蔵部をさらに有し、
前記電解研磨液リサイクル部で再生処理された液が前記貯蔵部で貯蔵され、
前記貯蔵部から必要量の電解研磨液が前記電解研磨処理部に供給され、
前記電解研磨処理部から出される疲労液が前記電解研磨液リサイクル部へ回収される
請求項1に記載の電解研磨装置。 - 前記電解研磨液が、
水に溶解して電離し、水溶液に導電性を付与する電解質と、
前記金属層の金属と反応して前記金属よりも機械的強度が弱く水に難溶性である金属錯体を形成する、水溶性のキレート剤と、
前記金属に対して表面に保護膜を形成する防食剤と
を含む水溶液である
請求項1に記載の電解研磨装置。 - 前記電解質が、第1電解質と、前記第1電解質と同程度以上の解離度を有し、前記キレート剤による錯体形成反応を補助して、金属層の表面の光沢を維持する第2電解質とを含む
請求項7に記載の電解研磨装置。 - 前記キレート剤が有機酸を含む
請求項8に記載の電解研磨装置。 - 被加工層に電解研磨液を接触させて電界研磨処理したときに出される疲労液を回収する工程と、
前記疲労液を再生処理する工程と、
再生処理された前記疲労液を前記電解研磨液として再利用し、被加工層に接触させて電界研磨処理を行う工程と
を有する電解研磨液のリサイクル方法。
Priority Applications (1)
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JP2002319989A JP2004156065A (ja) | 2002-11-01 | 2002-11-01 | 電解研磨装置および電解研磨液のリサイクル方法 |
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JP2002319989A Abandoned JP2004156065A (ja) | 2002-11-01 | 2002-11-01 | 電解研磨装置および電解研磨液のリサイクル方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101972663B1 (ko) * | 2017-10-27 | 2019-08-16 | 인하대학교 산학협력단 | 침지식 전해 연마 장치 |
WO2022039116A1 (ja) * | 2020-08-21 | 2022-02-24 | ファナック株式会社 | 監視装置および監視方法 |
-
2002
- 2002-11-01 JP JP2002319989A patent/JP2004156065A/ja not_active Abandoned
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