JP2004154824A - 圧延ロールの切削方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超硬合金からなる圧延ロールの補修に要する時間を短縮すると共に、砥石の保管管理等を不要としてコスト削減を図る。
【解決手段】切削装置10は、ベッド14上に、主軸台20と心押台24とを備える。主軸台20と心押台24との間に、ロールスタンド28が載置されるリフター12が配設される。ベッド14の側方に、主軸台20と心押台24とで切削位置に支持された圧延ロール30における孔型30aを切削するための刃物台34が設けられる。刃物台34に配設される超硬チップ38の硬度H2は、超硬合金からなる圧延ロール30の硬度H1より硬く設定される。そして、主軸台20と心押台24とで切削位置に支持された圧延ロール30に対し、超硬チップ38をX−Y方向に移動することで、前記孔型30aを切削する。
【選択図】 図1
【解決手段】切削装置10は、ベッド14上に、主軸台20と心押台24とを備える。主軸台20と心押台24との間に、ロールスタンド28が載置されるリフター12が配設される。ベッド14の側方に、主軸台20と心押台24とで切削位置に支持された圧延ロール30における孔型30aを切削するための刃物台34が設けられる。刃物台34に配設される超硬チップ38の硬度H2は、超硬合金からなる圧延ロール30の硬度H1より硬く設定される。そして、主軸台20と心押台24とで切削位置に支持された圧延ロール30に対し、超硬チップ38をX−Y方向に移動することで、前記孔型30aを切削する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧延ロールに形成されたカリバーの切削方法およびその装置に関し、更に詳しくは、超硬合金からなる圧延ロールに形成されている孔型を、超硬チップにより切削する圧延ロールの切削方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
棒鋼や線材等を圧延する圧延ラインに設けられる圧延機では、その使用場所に応じて異なる材質の圧延ロールが用いられている。例えば粗列や中間列等の圧延機では、鋳鉄系の圧延ロールが用いられ、それ以後の仕上前を含む仕上列の圧延機(プレフィニッシングミル等)では、耐摩耗性および耐肌あれ性に優れる超硬合金からなる圧延ロールが用いられている。
【0003】
前記圧延機において圧延ロールの孔型が摩耗した場合は、該孔型の形状を修正する補修作業が必要となる。この補修作業は、圧延機を分解してロールスタンドから圧延ロールを取出し、これを大型旋盤にセットして切削加工しているため、非常に手間が掛かって圧延ラインの稼働率を低下させる問題がある。そこで、圧延ロールをロールスタンドに装着した状態のままで、該圧延ロールの孔型を切削する提案がなされている(例えば、特許文献1。)。
【0004】
【特許文献1】
特許第2766982号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記粗列や中間列等の圧延機に用いられている比較的硬度の低い鋳鉄系の圧延ロールとは異なり、仕上列で使用されている硬度の高い超硬合金からなる圧延ロールに関しては、前述したような旋盤による切削補修は採用されておらず、総形砥石による電解研削が行なわれている。そして、この電解研削に際しては、従来と同様に圧延機を分解してロールスタンドから圧延ロールを取外さなければならず、依然として圧延機の分解・組立て作業に時間が掛かる問題がある。しかも、電解研削では1本の圧延ロールの補修に要する時間が長く、従って圧延ラインの稼働率を低下させる原因となっているのが現状である。更に、電解研削では補修しようとする孔型形状に一致する総型砥石を用いるため、各種形状やサイズに対応するためにはその形状やサイズに合った多数の砥石を保管しておかなければならず、その保管管理が煩雑になると共に保管コストが嵩む難点も指摘される。
【0006】
【発明の目的】
この発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、超硬合金からなる圧延ロールの補修に要する時間を短縮すると共に、超硬チップを用いることにより砥石の保管管理等を不要としてコスト削減を図り得る圧延ロールの切削方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係る圧延ロールの切削方法は、
硬度がHRA82〜84の超硬合金からなる一対の圧延ロールをロールスタンドに組み込んだままの状態で、該圧延ロールに形成されている孔型を、前記硬度よりも硬い超硬チップにより切削することを特徴とする。
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係る圧延ロールの切削装置は、
硬度がHRA82〜84の超硬合金からなる圧延ロールに形成されている孔型を切削する装置であって、
一対の前記圧延ロールが夫々回転可能に組み込まれたままの状態のロールスタンドが、両圧延ロールが上下の位置関係となる姿勢で載置されるリフターと、
前記リフターを挟む一方の側に配設されて、前記圧延ロールの一方の軸端部を把持して該ロールを回転させる主軸台と、
前記リフターを挟む他方の側において、前記主軸台に対して近接・離間可能に配設されて、前記圧延ロールにおける他方の軸端部を回転可能に支持する心押台と、
前記主軸台と心押台とにより切削位置において回転可能に支持された前記圧延ロールに対し、該圧延ロールの前記硬度よりも硬い超硬チップを、ロール軸方向および近接・離間方向に移動して前記孔型を切削する刃物台とからなり、
前記リフターによりロールスタンドを昇降移動することで、上下の圧延ロールを前記切削位置に臨ませ得るよう構成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る圧延ロールの切削方法およびその装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【0010】
図1に示す実施例の切削装置10は、既存のNC旋盤にリフター12を付加したものであって、ベッド14上の定位置(リフター12を挟む一方の側)に、駆動手段16により所定方向に回転駆動される主軸18を回転可能に支持した主軸台20が配設されると共に、該主軸台20には、後述する圧延ロール30における一方の軸端部を着脱可能に把持するチャック22が主軸18と一体回転可能に配設されている。またベッド14上におけるリフター12を挟む他方の側に、主軸台20に対して近接・離間可能な心押台24が配設され、該心押台24には、前記圧延ロール30の他方の軸端部に押付けられて該軸端部を回転可能に支持するセンター26が、前記主軸18と軸心を一致するよう配設される。すなわち、心押台24を主軸台20に近接移動することで、主軸18とセンター26とにより、圧延ロール30を切削位置において回転可能に支持し得るよう構成される(図2,図3参照)。
【0011】
前記主軸台20と心押台24との間には、後述する一対の圧延ロール30,30が組み込まれたままの状態のロールスタンド28が載置されるリフター12が配設され、ロールスタンド28を昇降移動することで、該スタンド28に配設されている一対の圧延ロール30,30を、前記主軸18とセンター26とで支持し得る切削位置に選択して位置決めし得るよう構成される(図2,図4参照)。なお、リフター12は、前記心押台24の移動方向と平行なX方向に移動可能に構成され、前記圧延ロール30の長さに応じて、その一方の軸端部を主軸台20のチャック22で把持可能な位置に臨ませ得るようになっている。
【0012】
前記リフター12に載置されるロールスタンド28は、図1に示す如く、一対の圧延ロール30,30をハウジング32に夫々回転可能に配設したものであって、両圧延ロール30,30の外周面には、軸方向に離間して複数の孔型30aが形成され、両圧延ロール30,30の対向する孔型30a,30aによって、圧延機の断面形状となるようにオーバルや丸が構成される。このロールスタンド28は、図示しない圧延機のベースに設置された状態で使用される。また圧延ロール30は、棒鋼や線材等の仕上前の圧延を行なうプレフィニッシングミルに用いられるものであって、超硬合金を材質として、HRA82〜84の硬度H1に設定されている。
【0013】
前記切削装置10には、前記ベッド14の一側方に、前記主軸台20と心押台24とで切削位置において回転可能に支持された圧延ロール30における孔型30aを切削するための刃物台34が設けられている。この刃物台34は、図3に示す如く、圧延ロール30に向けて延出するホルダ36の先端に超硬チップ38が配設されると共に、圧延ロール30の軸方向(X方向)と径方向(圧延ロール30に対する近接・離間方向=Y方向)に移動可能に構成され、前記孔型30aに対応するNCデータに基づいて図示しない移動手段によって刃物台34、すなわち超硬チップ38をX−Y方向に移動することで、該孔型30aを切削するよう構成される。なお、この超硬チップ38としては、例えばCBN焼結体、ダイヤモンド焼結体あるいはダイヤモンドコーティングされたチップ等が用いられ、その硬度H2は、前記圧延ロール30の硬度H1より硬く設定される(H1<H2)。
【0014】
【実施例の作用】
次に、実施例に係る切削装置の作用につき、切削方法との関係で説明する。前記圧延機での圧延作業により圧延ロール30の孔型30aが摩耗すると補修が必要となる。この場合は、一対の圧延ロール30,30が夫々回転可能に組み込まれたままの前記ロールスタンド28を圧延機のベースから取外し、該スタンド28をクレーン等により前記切削装置10のリフター12に載置する。このとき、ロールスタンド28に配設されている一対の圧延ロール30,30が、組み込まれたままの状態で上下の位置関係となるようにする。
【0015】
前記リフター12を昇降移動して、先ず上側に位置する圧延ロール30の軸心が、前記主軸18の軸心と一致するようロールスタンド28の高さ位置を調整する。そして、前記心押台24を主軸台20に近接移動することで、切削位置に臨む上側の圧延ロール30の両軸端部を前記主軸18とセンター26とにより支持した後、前記チャック22により圧延ロール30の一方の軸端部を把持する(図2,図3参照)。これにより、上側の圧延ロール30は、切削位置において水平姿勢で回転可能に支持される。
【0016】
また前記刃物台34の超硬チップ38を、図3に示す如く、切削位置に臨む圧延ロール30の切削対象となる孔型30aに近接する位置に臨ませると共に、前記主軸台20の主軸18を駆動手段16により回転駆動することで、当該圧延ロール30を回転させる。次に、前記超硬チップ38をNCデータに基づいてX−Y方向に移動することで、圧延ロール30の孔型30aは該超硬チップ38により切削される。
【0017】
前記上側の圧延ロール30の切削が完了したら、前記チャック22による把持を解除すると共に心押台24を離間移動したもとで、前記リフター12を上昇させて、下側の圧延ロール30の軸心を、前記主軸18の軸心と一致させる(図4参照)。以後は、前記した上側の圧延ロール30の場合と同様の手順により孔型30aが切削される。
【0018】
すなわち、実施例の切削装置10では、超硬合金からなる圧延ロール30における孔型30aの補修を、該圧延ロール30の硬度H1より硬い超硬チップ38により切削して行なうよう構成したから、前記ロールスタンド28から圧延ロール30を取外すことなく補修作業を行なうことができ、作業工数を低減して圧延機の稼働率を向上し得る。また超硬チップ38を用いることで、電解研削のように多数の総形砥石を用意することなく各種の形状やサイズの孔型30aに対応でき、砥石の保管管理を不要として、これに掛かるコストを削減できる。ちなみに、超硬チップ38を丸駒チップ形状とすることにより、超硬チップ先端の曲率と同じか、その曲率より大きな形状の孔型30aを加工することができるので、一つの超硬チップ38で何種類もの孔型30aの切削が可能となる。従って、工具としての種類を、より少なくし得る。
【0019】
ここで、実施例に係る切削装置10による補修作業と、従来の電解研削盤による補修作業とを対比した場合、従来の補修作業では、その前工程としてロールスタンド28の分解、また後工程としてロールスタンド28の組立てが必要となるが、実施例の補修作業では、ロールスタンド28の分解・組立は必要なく、その作業時間を全て省略することができる。また従来の補修作業では、圧延ロール1本当たりに要する研削時間が8.3hであったのが、実施例の補修作業によれば2.5hとなり、補修作業に要する時間を極めて低減し得ることが確認されている。
【0020】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る圧延ロールの切削方法およびその装置によれば、超硬合金からなる圧延ロールにおける孔型の補修を、該圧延ロールの硬度H1より硬い超硬チップで切削して行なうので、圧延ロール1本当たりに要する作業時間を短縮することができる。しかも、ロールスタンドに圧延ロールを組み込んだままの状態で補修作業を行なうことが可能で、作業工数を低減して圧延機の稼働率を向上し得る。また超硬チップを用いることで、電解研削のように多数の総形砥石を用意することなく各種の形状やサイズの孔型に対応でき、砥石の保管管理を不要として、これに掛かるコストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る切削装置を示す概略側面図である。
【図2】実施例に係る切削装置において上側の圧延ロールを切削する状態で示す概略側面図である。
【図3】実施例に係る切削装置を示す要部概略平面図である。
【図4】実施例に係る切削装置において下側の圧延ロールを切削する状態で示す要部概略側面図である。
【符号の説明】
12 リフター,20 主軸台,24 心押台,28 ロールスタンド
30 圧延ロール,30a 孔型,34 刃物台,38 超硬チップ
H1 圧延ロールの硬度,H2 超硬チップの硬度
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧延ロールに形成されたカリバーの切削方法およびその装置に関し、更に詳しくは、超硬合金からなる圧延ロールに形成されている孔型を、超硬チップにより切削する圧延ロールの切削方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
棒鋼や線材等を圧延する圧延ラインに設けられる圧延機では、その使用場所に応じて異なる材質の圧延ロールが用いられている。例えば粗列や中間列等の圧延機では、鋳鉄系の圧延ロールが用いられ、それ以後の仕上前を含む仕上列の圧延機(プレフィニッシングミル等)では、耐摩耗性および耐肌あれ性に優れる超硬合金からなる圧延ロールが用いられている。
【0003】
前記圧延機において圧延ロールの孔型が摩耗した場合は、該孔型の形状を修正する補修作業が必要となる。この補修作業は、圧延機を分解してロールスタンドから圧延ロールを取出し、これを大型旋盤にセットして切削加工しているため、非常に手間が掛かって圧延ラインの稼働率を低下させる問題がある。そこで、圧延ロールをロールスタンドに装着した状態のままで、該圧延ロールの孔型を切削する提案がなされている(例えば、特許文献1。)。
【0004】
【特許文献1】
特許第2766982号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記粗列や中間列等の圧延機に用いられている比較的硬度の低い鋳鉄系の圧延ロールとは異なり、仕上列で使用されている硬度の高い超硬合金からなる圧延ロールに関しては、前述したような旋盤による切削補修は採用されておらず、総形砥石による電解研削が行なわれている。そして、この電解研削に際しては、従来と同様に圧延機を分解してロールスタンドから圧延ロールを取外さなければならず、依然として圧延機の分解・組立て作業に時間が掛かる問題がある。しかも、電解研削では1本の圧延ロールの補修に要する時間が長く、従って圧延ラインの稼働率を低下させる原因となっているのが現状である。更に、電解研削では補修しようとする孔型形状に一致する総型砥石を用いるため、各種形状やサイズに対応するためにはその形状やサイズに合った多数の砥石を保管しておかなければならず、その保管管理が煩雑になると共に保管コストが嵩む難点も指摘される。
【0006】
【発明の目的】
この発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、超硬合金からなる圧延ロールの補修に要する時間を短縮すると共に、超硬チップを用いることにより砥石の保管管理等を不要としてコスト削減を図り得る圧延ロールの切削方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係る圧延ロールの切削方法は、
硬度がHRA82〜84の超硬合金からなる一対の圧延ロールをロールスタンドに組み込んだままの状態で、該圧延ロールに形成されている孔型を、前記硬度よりも硬い超硬チップにより切削することを特徴とする。
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係る圧延ロールの切削装置は、
硬度がHRA82〜84の超硬合金からなる圧延ロールに形成されている孔型を切削する装置であって、
一対の前記圧延ロールが夫々回転可能に組み込まれたままの状態のロールスタンドが、両圧延ロールが上下の位置関係となる姿勢で載置されるリフターと、
前記リフターを挟む一方の側に配設されて、前記圧延ロールの一方の軸端部を把持して該ロールを回転させる主軸台と、
前記リフターを挟む他方の側において、前記主軸台に対して近接・離間可能に配設されて、前記圧延ロールにおける他方の軸端部を回転可能に支持する心押台と、
前記主軸台と心押台とにより切削位置において回転可能に支持された前記圧延ロールに対し、該圧延ロールの前記硬度よりも硬い超硬チップを、ロール軸方向および近接・離間方向に移動して前記孔型を切削する刃物台とからなり、
前記リフターによりロールスタンドを昇降移動することで、上下の圧延ロールを前記切削位置に臨ませ得るよう構成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る圧延ロールの切削方法およびその装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【0010】
図1に示す実施例の切削装置10は、既存のNC旋盤にリフター12を付加したものであって、ベッド14上の定位置(リフター12を挟む一方の側)に、駆動手段16により所定方向に回転駆動される主軸18を回転可能に支持した主軸台20が配設されると共に、該主軸台20には、後述する圧延ロール30における一方の軸端部を着脱可能に把持するチャック22が主軸18と一体回転可能に配設されている。またベッド14上におけるリフター12を挟む他方の側に、主軸台20に対して近接・離間可能な心押台24が配設され、該心押台24には、前記圧延ロール30の他方の軸端部に押付けられて該軸端部を回転可能に支持するセンター26が、前記主軸18と軸心を一致するよう配設される。すなわち、心押台24を主軸台20に近接移動することで、主軸18とセンター26とにより、圧延ロール30を切削位置において回転可能に支持し得るよう構成される(図2,図3参照)。
【0011】
前記主軸台20と心押台24との間には、後述する一対の圧延ロール30,30が組み込まれたままの状態のロールスタンド28が載置されるリフター12が配設され、ロールスタンド28を昇降移動することで、該スタンド28に配設されている一対の圧延ロール30,30を、前記主軸18とセンター26とで支持し得る切削位置に選択して位置決めし得るよう構成される(図2,図4参照)。なお、リフター12は、前記心押台24の移動方向と平行なX方向に移動可能に構成され、前記圧延ロール30の長さに応じて、その一方の軸端部を主軸台20のチャック22で把持可能な位置に臨ませ得るようになっている。
【0012】
前記リフター12に載置されるロールスタンド28は、図1に示す如く、一対の圧延ロール30,30をハウジング32に夫々回転可能に配設したものであって、両圧延ロール30,30の外周面には、軸方向に離間して複数の孔型30aが形成され、両圧延ロール30,30の対向する孔型30a,30aによって、圧延機の断面形状となるようにオーバルや丸が構成される。このロールスタンド28は、図示しない圧延機のベースに設置された状態で使用される。また圧延ロール30は、棒鋼や線材等の仕上前の圧延を行なうプレフィニッシングミルに用いられるものであって、超硬合金を材質として、HRA82〜84の硬度H1に設定されている。
【0013】
前記切削装置10には、前記ベッド14の一側方に、前記主軸台20と心押台24とで切削位置において回転可能に支持された圧延ロール30における孔型30aを切削するための刃物台34が設けられている。この刃物台34は、図3に示す如く、圧延ロール30に向けて延出するホルダ36の先端に超硬チップ38が配設されると共に、圧延ロール30の軸方向(X方向)と径方向(圧延ロール30に対する近接・離間方向=Y方向)に移動可能に構成され、前記孔型30aに対応するNCデータに基づいて図示しない移動手段によって刃物台34、すなわち超硬チップ38をX−Y方向に移動することで、該孔型30aを切削するよう構成される。なお、この超硬チップ38としては、例えばCBN焼結体、ダイヤモンド焼結体あるいはダイヤモンドコーティングされたチップ等が用いられ、その硬度H2は、前記圧延ロール30の硬度H1より硬く設定される(H1<H2)。
【0014】
【実施例の作用】
次に、実施例に係る切削装置の作用につき、切削方法との関係で説明する。前記圧延機での圧延作業により圧延ロール30の孔型30aが摩耗すると補修が必要となる。この場合は、一対の圧延ロール30,30が夫々回転可能に組み込まれたままの前記ロールスタンド28を圧延機のベースから取外し、該スタンド28をクレーン等により前記切削装置10のリフター12に載置する。このとき、ロールスタンド28に配設されている一対の圧延ロール30,30が、組み込まれたままの状態で上下の位置関係となるようにする。
【0015】
前記リフター12を昇降移動して、先ず上側に位置する圧延ロール30の軸心が、前記主軸18の軸心と一致するようロールスタンド28の高さ位置を調整する。そして、前記心押台24を主軸台20に近接移動することで、切削位置に臨む上側の圧延ロール30の両軸端部を前記主軸18とセンター26とにより支持した後、前記チャック22により圧延ロール30の一方の軸端部を把持する(図2,図3参照)。これにより、上側の圧延ロール30は、切削位置において水平姿勢で回転可能に支持される。
【0016】
また前記刃物台34の超硬チップ38を、図3に示す如く、切削位置に臨む圧延ロール30の切削対象となる孔型30aに近接する位置に臨ませると共に、前記主軸台20の主軸18を駆動手段16により回転駆動することで、当該圧延ロール30を回転させる。次に、前記超硬チップ38をNCデータに基づいてX−Y方向に移動することで、圧延ロール30の孔型30aは該超硬チップ38により切削される。
【0017】
前記上側の圧延ロール30の切削が完了したら、前記チャック22による把持を解除すると共に心押台24を離間移動したもとで、前記リフター12を上昇させて、下側の圧延ロール30の軸心を、前記主軸18の軸心と一致させる(図4参照)。以後は、前記した上側の圧延ロール30の場合と同様の手順により孔型30aが切削される。
【0018】
すなわち、実施例の切削装置10では、超硬合金からなる圧延ロール30における孔型30aの補修を、該圧延ロール30の硬度H1より硬い超硬チップ38により切削して行なうよう構成したから、前記ロールスタンド28から圧延ロール30を取外すことなく補修作業を行なうことができ、作業工数を低減して圧延機の稼働率を向上し得る。また超硬チップ38を用いることで、電解研削のように多数の総形砥石を用意することなく各種の形状やサイズの孔型30aに対応でき、砥石の保管管理を不要として、これに掛かるコストを削減できる。ちなみに、超硬チップ38を丸駒チップ形状とすることにより、超硬チップ先端の曲率と同じか、その曲率より大きな形状の孔型30aを加工することができるので、一つの超硬チップ38で何種類もの孔型30aの切削が可能となる。従って、工具としての種類を、より少なくし得る。
【0019】
ここで、実施例に係る切削装置10による補修作業と、従来の電解研削盤による補修作業とを対比した場合、従来の補修作業では、その前工程としてロールスタンド28の分解、また後工程としてロールスタンド28の組立てが必要となるが、実施例の補修作業では、ロールスタンド28の分解・組立は必要なく、その作業時間を全て省略することができる。また従来の補修作業では、圧延ロール1本当たりに要する研削時間が8.3hであったのが、実施例の補修作業によれば2.5hとなり、補修作業に要する時間を極めて低減し得ることが確認されている。
【0020】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る圧延ロールの切削方法およびその装置によれば、超硬合金からなる圧延ロールにおける孔型の補修を、該圧延ロールの硬度H1より硬い超硬チップで切削して行なうので、圧延ロール1本当たりに要する作業時間を短縮することができる。しかも、ロールスタンドに圧延ロールを組み込んだままの状態で補修作業を行なうことが可能で、作業工数を低減して圧延機の稼働率を向上し得る。また超硬チップを用いることで、電解研削のように多数の総形砥石を用意することなく各種の形状やサイズの孔型に対応でき、砥石の保管管理を不要として、これに掛かるコストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る切削装置を示す概略側面図である。
【図2】実施例に係る切削装置において上側の圧延ロールを切削する状態で示す概略側面図である。
【図3】実施例に係る切削装置を示す要部概略平面図である。
【図4】実施例に係る切削装置において下側の圧延ロールを切削する状態で示す要部概略側面図である。
【符号の説明】
12 リフター,20 主軸台,24 心押台,28 ロールスタンド
30 圧延ロール,30a 孔型,34 刃物台,38 超硬チップ
H1 圧延ロールの硬度,H2 超硬チップの硬度
Claims (2)
- 硬度(H1)がHRA82〜84の超硬合金からなる一対の圧延ロール(30,30)をロールスタンド(28)に組み込んだままの状態で、該圧延ロール(30)に形成されている孔型(30a)を、前記硬度(H1)よりも硬い超硬チップ(38)により切削する
ことを特徴とする圧延ロールの切削方法。 - 硬度(H1)がHRA82〜84の超硬合金からなる圧延ロール(30)に形成されている孔型(30a)を切削する装置であって、
一対の前記圧延ロール(30,30)が夫々回転可能に組み込まれたままの状態のロールスタンド(28)が、両圧延ロール(30,30)が上下の位置関係となる姿勢で載置されるリフター(12)と、
前記リフター(12)を挟む一方の側に配設されて、前記圧延ロール(30)の一方の軸端部を把持して該ロール(30)を回転させる主軸台(20)と、
前記リフター(12)を挟む他方の側において、前記主軸台(20)に対して近接・離間可能に配設されて、前記圧延ロール(30)における他方の軸端部を回転可能に支持する心押台(24)と、
前記主軸台(20)と心押台(24)とにより切削位置において回転可能に支持された前記圧延ロール(30)に対し、該圧延ロール(30)の前記硬度(H1)よりも硬い超硬チップ(38)を、ロール軸方向および近接・離間方向に移動して前記孔型(30a)を切削する刃物台(34)とからなり、
前記リフター(12)によりロールスタンド(28)を昇降移動することで、上下の圧延ロール(30,30)を前記切削位置に臨ませ得るよう構成した
ことを特徴とする圧延ロールの切削装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002322954A JP2004154824A (ja) | 2002-11-06 | 2002-11-06 | 圧延ロールの切削方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002322954A JP2004154824A (ja) | 2002-11-06 | 2002-11-06 | 圧延ロールの切削方法およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004154824A true JP2004154824A (ja) | 2004-06-03 |
Family
ID=32802989
Family Applications (1)
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JP2002322954A Pending JP2004154824A (ja) | 2002-11-06 | 2002-11-06 | 圧延ロールの切削方法およびその装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004154824A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009241220A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Jfe Steel Corp | 鋼帯の熱間圧延方法 |
JP2010523333A (ja) * | 2007-03-09 | 2010-07-15 | エスエムエス・インセ・エス.ピー.エー. | 圧延機のローラー戻り装置 |
-
2002
- 2002-11-06 JP JP2002322954A patent/JP2004154824A/ja active Pending
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