JP2004154807A - 構造物の溶接方法および溶接支援システム - Google Patents

構造物の溶接方法および溶接支援システム Download PDF

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達也 久保
Mikiro Ito
幹郎 伊藤
Masaaki Kikuchi
正明 菊池
Norihiko Tanaka
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Abstract

【課題】き裂先端部における応力拡大係数またはその単位き裂増分に対する増分量を一定値以下に制御することにより、環境助長割れによる損傷を未然に防ぐことができ、ひいては溶接構造物の長寿命化に寄与することができるようにする。
【解決手段】環境助長割れを誘起し得る環境にて使用される構造物1を溶接する際に、構造物1を使用した場合における環境助長割れき裂12の発生または進展を事前に抑止する工程として、き裂12の先端部12aが構造物1の板幅方向に沿っていずれかの長さまで進展し、もしくは板厚方向に沿っていずれかの深さまで進展した場合における、き裂寸法と残留応力分布とに対応して求められる応力拡大係数Kが、しきい値もしくはそれ以下となる応力分布を付与する工程を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば原子力プラントや化学プラントなど、溶接構造物が腐食性環境にて使用され、環境助長割れによるき裂が構造物に損傷を与えることが懸念されるような場合について、その損傷可能性を予め溶接段階において低減することにより構造物の健全性を保つ予防保全技術としての構造物の溶接方法および溶接支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、溶接接合は多くの構造物において用いられており、たとえば、原子力プラントの炉内構造物である炉心シュラウドは、溶接によって原子炉内に固定されたシュラウドサポートレグと、その上に固定されたシュラウドサポートシリンダの上に、溶接によって固定して形成されている。
【0003】
ここでは、溶接部の特性と環境助長割れの関係およびその抑制に関する従来技術について、原子炉内におけるオーステナイトステンレス鋼の応力腐食割れ(以下SCCと略す)について例に挙げ、以下説明する。
【0004】
オーステナイトステンレス鋼は、高温水中に置かれて使用された場合、その溶接部またはその近傍において環境助長割れの一種である粒界型応力腐食割れ(以下、IGSCCと略す)が発生する可能性を有することが一般的に知られている。
【0005】
IGSCCは発生要因として材料,応力,環境の因子が重畳した条件下で生ずるとされている。材料因子としてはCr炭化物が結晶粒界へ析出してその周囲に耐食性の劣るCr欠乏層が形成されることによる鋭敏化が挙げられ、また応力因子としては溶接や加工によって材料内部に残留する引張残留応力が挙げられ、環境因子としては高温水中の溶存酸素量などが挙げられる。IGSCCは、これらの3因子が重畳した条件下で発生することから、これらの3因子の中から1つの因子を取り除くことにより防止することが可能である。
【0006】
このような溶接部のIGSCCの発生を防止するための材料要因に関する対策として、高エネルギビームの照射により部材表面の鋭敏化部を溶体化温度以上に加熱する表面改質処理によって腐食に関係する部分の表面部のみを脱鋭敏化する方法が開発されている。この場合のエネルギ源としては、急熱急冷の熱サイクルにより冷却過程での炭化物の析出の抑止が可能であるレーザビームが有力視されている。
【0007】
このような技術の公知例には以下のような方法が挙げられる。例えばオーステナイト系ステンレス鋼の脱鋭敏化処理法(特許文献1参照)、およびステンレス鋼の粒界腐食防止方法(特許文献2参照)。
【0008】
これらの公知技術では、ステンレス鋼等の溶接熱影響部近傍表面にレーザビーム若しくは電子ビームを照射して表面を溶体化温度以上まで急速に加熱し、鋭敏化部材の表面部に析出している炭化物を溶融させ、その後急冷して炭化物の析出を抑制することにより脱鋭敏化を図っている。
【0009】
一方、環境要因に関する対策としては、起動時の脱気による低酸素運転の他、割れの多発したバイパス回路等、水の停留部の除去または弁の開放策がとられている(非特許文献1参照)。
【0010】
また、応力要因を除去する方法、すなわち溶接熱影響部の表面残留応力を改善することにより、IGSCCの発生を防止する方法も検討されてきている。表面残留応力を改善する方法の公知例として、次のものがある。
【0011】
応力因子の影響によるIGSCCを防止するために、引張応力の発生の原因となる材料表面の残留応力を改善する公知例として、例えばオーステナイト系ステンレス鋼管の外周にコイルを設けて加熱した後、管内面に冷却水を噴出して急冷することにより、管内表面の引張残留応力を圧縮残留応力に転化するものがある(特許文献3参照)。
【0012】
また、金属材料の表面に低温の小球等を高速で吹き付けてショットピーニングを行うことにより、材料表面の引張残留応力を圧縮残留応力に転化するものがある(特許文献4参照)。
【0013】
また、表面残留応力改善方法としては上記の方法のほかにも熱処理による方法、例えば、当該部材の板厚方向に温度勾配をもたせるように加熱し、冷却後に加熱時の低温側に圧縮の残留応力を発生させる方法や水冷溶接による方法等がある。
【0014】
【特許文献1】
特開昭61−52315号公報
【0015】
【特許文献2】
特開平3−17234号公報
【0016】
【特許文献3】
特開昭53−21021号公報
【0017】
【特許文献4】
特開昭60−258409号公報
【0018】
【非特許文献1】
(株)オーム社『新版原子力ハンドブック』1989.p694〜695
【0019】
【非特許文献2】
第48回材料と環境討論会講演集,135(2001)
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上記公知技術は、環境助長割れ発生の抑制効果を有することを特徴としているものがほとんどである。ただし、構造物の寿命は一般的に割れ発生までの潜伏期間と、割れ発生後の破断寸法に至るまでのき裂進展期間の総和で表わすことができるため、従来対策が検討されてきた割れ発生寿命に加えて、進展寿命についても改善することにより構造物の総寿命をさらに延長できるものと考えられる。
【0021】
環境助長割れにおけるき裂の進展速度は、応力拡大係数の関数と、腐食環境を表わすパラメータの関数の積として、以下の式のように表わせることが報告されている。
【0022】
【数1】
Figure 2004154807
【0023】
また、個々のき裂に対応する応力拡大係数は、Raju−Newmanの解や、白鳥の影響係数法等を用いて計算することができるが、その解はき裂寸法と、構造物内部の残留応力分布に支配されている。
【0024】
以上の関係から、環境助長割れの進展速度は、間接的に残留応力分布に支配されると考えられる。したがって構造物の表面および内部の残留応力分布を任意に制御し、応力拡大係数がある値以下となるよう制御することによって、環境助長割れの進展速度を積極的に低減させることが可能と考えられる。
【0025】
また、生田目らは、高温純水中のK値減少条件下におけるSCC進展特性について検討し、K減少領域では、従来データと比較してSCC進展速度が著しく減少する傾向があることを報告している(非特許文献2参照)。
【0026】
したがって構造物の表面および内部の残留応力分布を任意に制御し、単位長さのき裂進展量に対応する応力拡大係数の増分がある値以下となるよう制御することによっても、環境助長割れの進展速度を積極的に低減させることが可能と考えられる。
【0027】
しかし、残留応力を積極的に制御することによってき裂の進展に対応した応力拡大係数またはその単位き裂増分に対応する増分を制御し、環境助長割れによるき裂発生・進展を積極的に抑制する溶接技術は報告されていない。
【0028】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、き裂先端部における応力拡大係数またはその単位き裂増分に対する増分量を一定値以下に制御することにより、環境助長割れによる損傷を未然に防ぐことができ、ひいては溶接構造物の長寿命化に寄与することができる構造物の溶接方法および溶接支援システムを提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に係る発明では、環境助長割れを誘起し得る環境にて使用される構造物を溶接する際に、前記構造物を前記環境にて使用した場合における環境助長割れき裂の発生または進展を事前に抑止する工程として、当該き裂の先端部が前記構造物の板幅方向に沿っていずれかの長さまで進展し、もしくは板厚方向に沿っていずれかの深さまで進展した場合における、き裂寸法と残留応力分布とに対応して求められる応力拡大係数が、しきい値もしくはそれ以下となる応力分布を付与する工程を備えることを特徴とする構造物の溶接方法を提供する。
【0030】
請求項2に係る発明では、環境助長割れを誘起し得る環境にて使用される構造物を溶接する際に、前記構造物を前記環境にて使用した場合における環境助長割れき裂の発生または進展を事前に抑止する工程として、当該き裂の先端部が前記構造物の板幅方向に沿っていずれかの長さまで進展し、もしくは板厚方向に沿っていずれかの深さまで進展した場合における、き裂寸法と残留応力分布とに対応して求められる応力拡大係数の単位き裂長さの進展に対応する増分がしきい値もしくはそれ以下となる応力分布を付与する工程を備えることを特徴とする構造物の溶接方法を提供する。
【0031】
請求項3に係る発明では、構造物の溶接条件、それに対応する溶接部の表面残留応力値および目標とする応力拡大係数を入力する入力手段と、これらの入力パラメータに基づいて前記目標とする応力拡大係数を得るために必要な残留応力分布を求める演算手段と、この演算手段における演算結果を出力する出力手段とを備え、前記演算手段により、前記構造物を環境助長割れを誘起し得る環境にて使用した場合における環境助長割れき裂の発生または進展を事前に抑止するための応力拡大係数が、しきい値もしくはそれ以下となる応力分布を求め、前記出力手段により当該応力分布を提示することを特徴とする溶接支援システムを提供する。
【0032】
請求項4に係る発明では、構造物の溶接条件、それに対応する溶接部の表面残留応力値および目標とする応力拡大係数を入力する入力手段と、これらの入力パラメータに基づいて前記目標とする応力拡大係数の増分を得るために必要な残留応力分布を求める演算手段と、この演算手段における演算結果を出力する出力手段とを備え、前記演算手段により、前記構造物を環境助長割れを誘起し得る環境にて使用した場合における環境助長割れき裂の発生または進展を事前に抑止するための応力拡大係数の増分がしきい値もしくはそれ以下となる応力分布を求め、前記出力手段により当該応力分布の増分を提示することを特徴とする溶接支援システムを提供する。
【0033】
請求項5に係る発明では、前記入力手段により入力する溶接条件として、溶接部の母材鋼種、溶接継手の幾何学形状、溶接方法、およびワイヤの種類を指定し、前記演算手段および出力手段により提示する情報を、溶接条件因子である電流、電圧、溶接速度、溶接手順についての最適な条件範囲の推定情報とする請求項3または4記載の溶接支援システムを提供する。
【0034】
請求項6に係る発明では、環境助長割れによるき裂の発生または進展を事前に抑止するために必要な分布応力を付与できる溶接条件および溶接手順について、溶接条件を決定する因子とその適正な範囲を前記演算手段により選択または推定し、この選択または推定結果を出力手段により提示する請求項5記載の溶接支援システムを提供する。
【0035】
請求項7に係る発明では、環境助長割れによるき裂の発生または進展の事前抑止に必要な応力分布を付与できる溶接条件および溶接手順を、少なくとも一度以上実施した応力分布の数値解析結果データベースの情報に基づいて出力手段により提示する請求項6記載の溶接支援システムを提供する。
【0036】
請求項8に係る発明では、環境助長割れによるき裂の発生または進展の事前抑止に必要な応力分布を付与できる溶接条件および溶接手順を推定するための応力分布の数値解析を、予め解析手段によって行なう請求項7記載の溶接支援システムを提供する。
【0037】
請求項9に係る発明では、環境助長割れによるき裂の発生または進展の事前抑止に必要な応力分布を付与できる溶接条件および溶接手順を、予め構築しておいた溶接継手形状と溶接条件および応力分布の実測値のデータベースの情報に基づいて設定する請求項6記載の溶接支援システムを提供する。
【0038】
請求項10に係る発明では、表示手段を有線または無線を用いた専用通信回線または商用インターネット通信回線によりユーザ端末に接続可能とし、環境助長割れによるき裂の発生または進展の事前抑止に必要な応力分布を付与できる溶接条件、溶接手順および残留応力改善方法の前記ユーザ端末への提示を可能とした請求項3〜9のいずれかに記載の溶接支援システムを提供する。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、第1実施形態および第2実施形態では構造物の溶接方法について説明し、第3〜第6実施形態では溶接支援システムについて説明する。
【0040】
第1実施形態(図1)
図1は本発明に係る構造物の溶接方法の第1実施形態を示す説明図である。同図(A)は構造物の溶接部を示す断面図である。同図(B)はき裂および残留応力分布を示す説明図であり、同図(C)は応力拡大係数の分布を示す説明図である。
【0041】
本実施形態の溶接方法においては、構造物に生じたき裂において、き裂先端部が板幅方向にいずれかの長さまで進展するか、または板厚内いずれかの深さまで進展することを想定している。
【0042】
図1(A)に示すように、本実施形態の構造物1は板状のものであり、溶接部(溶接継手部)11を有する。この構造物1は、溶接後において、図示のように例えば一面(A表面)が腐蝕性環境2に接した状態で使用される。なお、両面(A表面およびB表面)とも腐蝕性環境2に接した状態で使用される場合もある。
【0043】
図1(B)の上部には、一例として構造物1のA表面側から環境助長割れによるき裂12が発生した様子を示すとともに、図1(B)の下部には、き裂12に対応する残留応力分布の特性線13を示している。この残留応力分布においては、き裂12の基端側である構造物1のA表面側に引張り応力が発生し、き裂12の先端側部分には圧縮応力が発生し、さらにB表面側に向って引張り応力が発生する様子が示されている。本実施形態では、このような残留応力分布のデータを経験値として蓄積し、または解析により予め求めて、溶接時に残留応力分布を溶接情報として与えるようにする。
【0044】
図1(C)には、図1(B)に対応して応力拡大係数(K)の分布を示している。この図1(C)に示すように、本実施形態の構造物1の適用材料においては、応力拡大係数(K)が、き裂発生時点からき裂の進展に従って漸増するが、き裂がさらに進展すると、ある時点(例えば図1(B)の圧縮応力が再び引張り応力に転じるとき)から減少に転じている。このように、応力拡大係数(K)は、例えば放物線状に変化し、き裂12の拡大速度が極めて小さくなる値(環境助長割れ進展におけるしきい応力拡大係数値(KIEAC))となったり、また0(零)となるなど、環境助長割れのメカニズム解釈によってさまざまな値をとりうる。
【0045】
本実施形態においては、このように、応力拡大係数(K)が、しきい応力拡大係数値(KIEAC)、あるいは0(零)となる応力分布を溶接に際して予め構造物1の溶接部11に与えるものである。
【0046】
すなわち、環境助長割れを誘起し得る環境にて使用される構造物1の溶接に際し、この構造物1を環境助長割れを誘起し得る環境にて使用した場合におけるき裂12の発生または進展を事前に抑止する工程として、き裂12の先端部が構造物1の板幅方向に沿っていずれかの長さまで進展し、もしくは板厚方向に沿っていずれかの深さまで進展した場合における、き裂寸法と残留応力分布とに対応して求められる応力拡大係数(K)がしきい値もしくはそれ以下となる応力分布を付与するものである。
【0047】
このように、き裂先端近傍の応力分布を、応力拡大係数(K)がある値以下となるような分布としておくことによって、当該部が環境助長割れを誘起し得る環境に接する場合においても、き裂進展速度を著しく低減し、割れの発生または進展を抑止することが可能となり、ひいては溶接構造物の長寿命化が図れる。
【0048】
特に、き裂12が微視き裂サイズ(き裂深さ<50μm)のみで停留し、これ以上進展しない場合には、割れ発生段階においてその発生を抑止することが可能である。
【0049】
なお、本実施形態では、き裂12が板厚方向にいずれかの深さまで進展した場合について説明したが、板幅方向にいずれかの長さまで進展する場合についても同様である。
【0050】
第2実施形態(図2)
図2は本発明に係る構造物の溶接方法の第2実施形態を示す説明図である。同図(A)は構造物の溶接部を示す断面図である。同図(B)はき裂および残留応力分布を示す説明図であり、同図(C)は応力拡大係数の分布を示す説明図である。なお、図2(A),(B)に示した内容は第1実施形態のものと同様であるから、図1(A),(B)と同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
本実施形態の溶接方法が第1実施形態と異なる点は、溶接時に構造物1に与えるき裂12の先端近傍の応力分布を、単位長さのき裂進展に対応する応力拡大係数(K)の増分が、あるしきい値以下となるようにしておく点にある。これにより、構造物1が環境助長割れを誘起し得る環境に接する場合においても、き裂進展速度を著しく低下させ、割れの発生または進展を抑止することが可能である。
【0052】
すなわち、図2(C)に示すように、構造物溶接部21に対し、き裂先端部22が板幅方向にいずれかの長さまで進展するか、または板厚方向にいずれかの深さまで進展した場合、き裂寸法と残留応力分布に対応して求められる応力拡大係数(A)の単位き裂長さの進展に対応する増分23は、応力拡大係数(K)の変化傾向を示すものであるから、単位き裂長さの進展に対応する増分2が、任意のしきい値24以下となるような応力分布25を予め付与しておくことにより、当該部が環境助長割れを誘起し得る環境にて使用される場合においても、環境助長割れの発生または進展を抑止することができる。
【0053】
第3実施形態(図3)
図3は本発明の第3実施形態として、溶接支援システムを説明するための機能ブロック図である。本実施形態では、第1、第2の実施形態における応力拡大係数(K)またはその増分(K値変化率)を得るのに十分な応力分布について提示する溶接支援システムについて説明する。
【0054】
本実施形態では、構造物1の溶接条件、例えば溶接部11の仕上がり寸法31、溶接部11の外形寸法32およびそれに対応する溶接部11の表面残留応力値33、目標とする応力拡大係数(K)の分布34、およびき裂停留位置35を入力する入力手段としての入力装置3を備える。また、これらの入力パラメータに基づいて目標とする応力拡大係数(K)を得るために必要な残留応力分布38を求める演算手段としての演算装置36を備える。さらに、演算手段36における演算結果を出力する出力手段としての表示装置37とを備える。
【0055】
そして、演算装置36により、構造物1を環境助長割れを誘起し得る環境にて使用した場合における、き裂の発生または進展を事前に抑止するための応力拡大係数(K)が、しきい値もしくはそれ以下となる応力分布を求め、表示装置37により当該応力分布を提示する。
【0056】
本実施形態によれば、各入力パラメータに基づいて演算が行われ、目標とするK値分布または停留深さを得るために必要となる応力分布38について提示を行うことができる。
【0057】
以上のシステム利用により、目標とするK値分布または停留深さを得るために必要な応力分布が明らかとなるため、これを支援システムとして第1実施形態または第2実施形態で述べた溶接方法を実施することができる。
【0058】
第4実施形態(図4)
図4は本発明の第4実施形態として、溶接支援システムを説明するための機能ブロック図である。なお、基本的な構成は第3実施形態と同様である。
【0059】
本実施形態では、溶接部の母材鋼種41、溶接継手の幾何学形状42、溶接方法43、ワイヤの種類を指定する装置44と、これら選択結果45に基づいて溶接条件因子である電流、電圧、溶接速度について最適な条件範囲を演算または推定し、画面により提示する出力装置46とを備えている。
【0060】
本実施形態によれば、溶接対象に応じて適切な溶接条件下で適切な溶接条件を選定し、溶接を実施することにより、良質の溶質継手を作成することができる。
【0061】
第5実施形態(図5)
図5は本発明の第4実施形態として、溶接支援システムを説明するための機能ブロック図である。なお、基本的な構成は第3実施形態と同様である。
【0062】
本実施形態のシステムは、溶接部の母材鋼種41、溶接継手の幾何学形状42、溶接方法43、ワイヤの種類を指定する装置44と、これら選択結果45に基づいて溶接条件因子である電流、電圧、溶接速度について最適な条件範囲を演算・推定し、画面により提示する出力装置46とを備える点では第4実施形態と同様である。
【0063】
本実施形態が第4実施形態と異なる点は、さらに加えて、必要な分布応力を付与できる溶接条件および溶接手順を、各溶接条件因子の条件範囲内から、選択または推定して提示する提示装置51を備えた点である。
【0064】
最適な条件範囲を演算する手段としては、数値計算による予測を行う応力分布解析ツール52が適用される。また、最適な条件範囲を推定する手段としては、経験的データを蓄積したデータベース(DB)に基づいて推定を行う応力分布推定ツール53が適用される。
【0065】
本実施形態によれば、出力される溶接条件因子の範囲から、第1実施形態または第2実施形態の方法を実施するのに必要な分布応力を付与できる溶接条件および溶接手順または、溶接後の応力改善方法を推定し、き裂進展を停留させうる溶接条件・手順を提示することができる。
【0066】
第6実施形態(図5)
本実施形態は、第5実施形態に機能を付加したものである。本実施形態においては、第5実施形態の溶接支援システムにおいて、溶接条件および溶接手順を選定する場合、溶接プロセスにおける応力分布解析を応力分布解析ツール52を用いて少なくとも一度以上実施し、その結果のデータベースに基づいて第1実施形態または第2実施形態の方法の実施に必要な応力分布を付与できる溶接条件および溶接手順を推定して提示するものである。
【0067】
ここで応力分布の解析を行なう応力分布解析ツール52は、演算装置36の外部または内臓の応力解析装置61によって行うことができる。FEM解析結果に基いて溶接条件・手順を推定することにより、任意形状を有する溶接継手に対して適切な溶接残留応力分布を付与するための溶接条件を提示することができる。
【0068】
第7実施形態(図5)
本実施形態は、第5実施形態に第6実施形態と異なる機能を付加したものである。
【0069】
本実施形態においては、第5実施形態の溶接支援システムにおいて、溶接条件および溶接手順を選定する場合、応力分布推定ツール53に予め構築しておいた溶接継手形状と溶接条件、および応力分布の実測値のデータベース(DB)を適用する。そして、第1実施形態または第2実施形態の方法の実施に必要な応力分布を付与できる溶接条件および溶接手順を推定して提示するものである。
【0070】
ここで、溶接継手の深さ方向における残留応力分布は、ひずみゲージ法、X線法、中性子回折法、穿孔法などいずれを用いても良い。
【0071】
いずれにおいても、残留応力分布の実測値に基づいて溶接条件を選定することができ、より信頼性の高い応力分布と溶接施工条件の関係に基づいて、適切な溶接条件を提示することができる。
【0072】
第8実施形態(図6)
図6は本発明における第8実施形態を示す機能ブロック図である。本実施形態は、第3〜第7実施形態における各システムのシステム本体81と、遠隔地等において溶接条件の選定を行う各ユーザ(A,B,C)の端末82とを、有線または無線を用いた専用通信回線または商用インターネット通信回線83により接続して構成されている。
【0073】
本実施形態によれば、このように各システムを遠隔接続することによって、第1実施形態または第2実施形態の方法の実施に必要な応力分布を付与できる溶接条件、溶接手順および残留応力改善方法を、溶接支援システムと遠隔の位置における表示装置において提示さすることが可能となる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、き裂先端部における応力拡大係数またはその単位き裂増分に対する増分量を一定値以下に制御することにより、環境助長割れによる損傷を未然に防ぐことができ、ひいては溶接構造物の長寿命化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A),(B),(C)は本発明の第1実施形態を示す説明図。
【図2】(A),(B),(C)は本発明の第2実施形態を示す説明図。
【図3】本発明の第3実施形態を示す機能ブロック図。
【図4】本発明の第4実施形態を示す機能ブロック図。
【図5】本発明の第5,6,7実施形態を示す機能ブロック図。
【図6】本発明の第8実施形態を示す機能ブロック図。
【符号の説明】
1 構造物
2 腐蝕性環境
11 構造物溶接部
12 き裂先端部
13 残留応力分布
14 応力拡大係数分布
15 き裂進展を停留させ得る応力拡大係数(KIEAC
21 溶接部
22 き裂先端部
23 単位き裂長さ進展に対応する応力拡大係数の増分(△K/△a)
24 き裂進展を停留させ得る応力拡大係数(KIEAC
25 き裂進展を停留させ得る△K/△a
31 溶接部の仕上がり寸法
32 溶接部の外形寸法
33 表面残留応力値
34 目標K値分布
35 き裂進展停留位置
36 演算装置
37 応力分布の表示装置
38 目標となる応力分布
41 溶接部の母材鋼種入力装置
42 溶接継手の幾何学形状入力装置
43 溶接方法入力装置
44 ワイヤの種類の入力装置
45 溶接条件選定溶データの入力装置
46 提示装置
51 提示装置
52 応力分布解析ツール
53 応力分布推定ツール
81 溶接条件・手順の選定システム
82 ユーザ端末
83 通信回線

Claims (10)

  1. 環境助長割れを誘起し得る環境にて使用される構造物を溶接する際に、前記構造物を前記環境にて使用した場合における環境助長割れき裂の発生または進展を事前に抑止する工程として、当該き裂の先端部が前記構造物の板幅方向に沿っていずれかの長さまで進展し、もしくは板厚方向に沿っていずれかの深さまで進展した場合における、き裂寸法と残留応力分布とに対応して求められる応力拡大係数が、しきい値もしくはそれ以下となる応力分布を付与する工程を備えることを特徴とする構造物の溶接方法。
  2. 環境助長割れを誘起し得る環境にて使用される構造物を溶接する際に、前記構造物を前記環境にて使用した場合における環境助長割れき裂の発生または進展を事前に抑止する工程として、当該き裂の先端部が前記構造物の板幅方向に沿っていずれかの長さまで進展し、もしくは板厚方向に沿っていずれかの深さまで進展した場合における、き裂寸法と残留応力分布とに対応して求められる応力拡大係数の単位き裂長さの進展に対応する増分がしきい値もしくはそれ以下となる応力分布を付与する工程を備えることを特徴とする構造物の溶接方法。
  3. 構造物の溶接条件、それに対応する溶接部の表面残留応力値および目標とする応力拡大係数を入力する入力手段と、これらの入力パラメータに基づいて前記目標とする応力拡大係数を得るために必要な残留応力分布を求める演算手段と、この演算手段における演算結果を出力する出力手段とを備え、前記演算手段により、前記構造物を環境助長割れを誘起し得る環境にて使用した場合における環境助長割れき裂の発生または進展を事前に抑止するための応力拡大係数が、しきい値もしくはそれ以下となる応力分布を求め、前記出力手段により当該応力分布を提示することを特徴とする溶接支援システム。
  4. 構造物の溶接条件、それに対応する溶接部の表面残留応力値および目標とする応力拡大係数を入力する入力手段と、これらの入力パラメータに基づいて前記目標とする応力拡大係数の増分を得るために必要な残留応力分布を求める演算手段と、この演算手段における演算結果を出力する出力手段とを備え、前記演算手段により、前記構造物を環境助長割れを誘起し得る環境にて使用した場合における環境助長割れき裂の発生または進展を事前に抑止するための応力拡大係数の増分がしきい値もしくはそれ以下となる応力分布を求め、前記出力手段により当該応力分布の増分を提示することを特徴とする溶接支援システム。
  5. 前記入力手段により入力する溶接条件として、溶接部の母材鋼種、溶接継手の幾何学形状、溶接方法、およびワイヤの種類を指定し、前記演算手段および出力手段により提示する情報を、溶接条件因子である電流、電圧、溶接速度、溶接手順についての最適な条件範囲の推定情報とする請求項3または4記載の溶接支援システム。
  6. 環境助長割れによるき裂の発生または進展を事前に抑止するために必要な分布応力を付与できる溶接条件および溶接手順について、溶接条件を決定する因子とその適正な範囲を前記演算手段により選択または推定し、この選択または推定結果を出力手段により提示する請求項5記載の溶接支援システム。
  7. 環境助長割れによるき裂の発生または進展の事前抑止に必要な応力分布を付与できる溶接条件および溶接手順を、少なくとも一度以上実施した応力分布の数値解析結果データベースの情報に基づいて出力手段により提示する請求項6記載の溶接支援システム。
  8. 環境助長割れによるき裂の発生または進展の事前抑止に必要な応力分布を付与できる溶接条件および溶接手順を推定するための応力分布の数値解析を、予め解析手段によって行なう請求項7記載の溶接支援システム。
  9. 環境助長割れによるき裂の発生または進展の事前抑止に必要な応力分布を付与できる溶接条件および溶接手順を、予め構築しておいた溶接継手形状と溶接条件および応力分布の実測値のデータベースの情報に基づいて設定する請求項6記載の溶接支援システム。
  10. 表示手段を有線または無線を用いた専用通信回線または商用インターネット通信回線によりユーザ端末に接続可能とし、環境助長割れによるき裂の発生または進展の事前抑止に必要な応力分布を付与できる溶接条件、溶接手順および残留応力改善方法の前記ユーザ端末への提示を可能とした請求項3〜9のいずれかに記載の溶接支援システム。
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