JP2004154196A - 櫛 - Google Patents
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Abstract
【課題】毛髪を梳く櫛、毛髪をカールする櫛、毛染め用櫛、養毛剤を供給可能にした櫛等に付着した雑菌、汗、頭皮脂、フケ等の汚染物質を分解し、防カビ、防臭、防汚、殺菌機能を櫛に付与し、櫛梳き性をよくする。
【解決手段】二酸化チタン粒子等の光触媒を数重量%〜5重量%程度混合した液状体を櫛1の歯2と基台3とに塗布、乾燥させる構成、または櫛1を構成する樹脂部材内に光触媒粒子を数重量%〜5重量%程度混合し、所望の形状に射出成形またはブロー成形等する構成。
【選択図】 図1
【解決手段】二酸化チタン粒子等の光触媒を数重量%〜5重量%程度混合した液状体を櫛1の歯2と基台3とに塗布、乾燥させる構成、または櫛1を構成する樹脂部材内に光触媒粒子を数重量%〜5重量%程度混合し、所望の形状に射出成形またはブロー成形等する構成。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪を梳く櫛に関し、詳しくは櫛に光触媒を組合わせ、防臭、防カビ、細菌・汗等の分解性を付与し、常に表面を初期の清潔な状態に保つ櫛に関する。
【0002】
【従来の技術】
理美容時の調髪や整髪等に際し、毛髪を梳く櫛1は例えば図1に示すように、複数の梳き歯2と,該歯2を植設する基台3とから構成され、柘植などの木材、金属、または樹脂部材を所望に成形してなる。前記樹脂部材はポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、ABS樹脂、ナイロン等が用いられている。
【0003】
毛髪には頭皮脂、フケ、埃、汗等が付着しており、毛髪を梳くことにより櫛の歯、基台、柄等にそれらが付着する。フケ、頭皮脂等を長時間放置しておくと雑菌が繁殖し、カビや悪臭、皮膚病の原因となり不衛生になる。従って、櫛は適当な使用間隔で洗浄し、付着した頭皮脂、フケ、埃、汗等の汚染物質を取り除き、常に清潔に保つ必要がある。
【0004】
【特許文献1】
ゼオライトとシリコーン系物質を配合し抗菌・防カビ・防臭機能を備えた櫛として特開平05−237013号公報が提案されている。
【0005】
【特許文献2】
養毛剤・髪油・芳香油を内蔵し、にじみ出させる機能を備えた櫛として特開2002−101944号公報が提案されている。
【0006】
【特許文献3】
櫛歯の先端に毛髪をすくい取る凹部を形成し毛染めを可能にする構成の毛染め用櫛が特開平11−332636号公報により提案されている。
【特許文献4】
細長い溝からなるカラス口部と、フック部とを備えたヘアカラー用櫛が特開平10−276829号公報により提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の特開平05−237013号公報、特開平10−276829号公報、特開平11−332636号公報、特開2002−101944号公報等においては、光触媒機能により防臭、防カビ、細菌・汗等の分解性を備える構成を開示していない。
本発明は、櫛や基台、柄等に付着した雑菌、汗、頭皮脂、フケ等の汚染物質を酸化・分解し、防カビ、防臭、防汚、殺菌機能を櫛に付与することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明における毛髪用櫛は、
(1) 二酸化チタン粒子等の光触媒を混合した液状体を、櫛の表面に塗布する構成とした。
(2) 櫛が樹脂部材からなる場合、この樹脂部材内に二酸化チタン粒子等の光触媒を混入し、所望の形状に成形する構成とした。(成形方法は射出成形、押出し成形、ブロー成形等)
上記構成により本発明の毛髪用櫛は、表面に付着した汚れ物質(頭皮脂、フケ、汗)、細菌等を分解し防臭、防カビ、防汚、殺菌を図れる。また、櫛梳き性が向上する。
前述のごとく本発明における櫛は、光触媒を固定する第1の方法として、光触媒を液状体に混合し塗布、乾燥させる構成とした。
例えば、光触媒をアナターゼ結晶形の二酸化チタン粒子とし、該二酸化チタン粒子を水および/または有機溶媒に懸濁させたもの,あるいはスラリーにしたものを塗布する構成とした。
前記有機溶媒としてはプロパノール、アルコール、エステル、エーテル、アミン、炭化水素、またはそれらの混合物、または水に塩酸や硝酸などを加えた部材等とした。チタニアゾル液にシランカップリング剤、チタンカップリング剤を加えたり、溶媒に界面活性剤を加えること等は任意に実施してよい。
【0009】
光触媒を混合するもう一つの液状体としては、アクリル系樹脂、アルキッドメラミン樹脂、酢酸ビニール系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シロキサン樹脂、UV樹脂(紫外線硬化樹脂)、天然ゴム、ブチルゴム、塩化ビニール系樹脂、フェノール樹脂、ABS樹脂、PS樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、無機ガラス(釉薬)PVA(ポリビニールアルコール/ポバール)等から選んだ一つとした。液状体の粘度調整は一般的な有機溶媒、例えば、アルコール、シンナー、アセトン、キシレン等を用い所望に調製すればよい。
光触媒を含んだ液状体の塗布方法は、浸漬法、スプレー法、印刷法(スクリーン印刷、グラビヤ印刷、静電印刷、インクジェット、タンポ印刷等)等から選んだ一つとした。勿論、光触媒を気相コーティング法たとえばスパッタ、蒸着等のPVD(フィジカル・ベーパ・ディポジション)またはCVD(ケミカル・ベーパ・ディポジション)、溶射などの手段により配設するようにしてもよい。
二酸化チタンの粒子径は数nm〜数百nm、液状体への混入量は0.5重量%〜5重量%程度の範囲とした。光触媒を含んだ液状体の塗布膜厚は0.1μm〜10μm程度の範囲とした。
なお、光触媒を混合する前記液状体は近紫外線を受光するため透光性を有していることが望ましい。ただし、光触媒が水またはアニリン等を含浸している場合はこの限りでない。
櫛に光触媒を配設する第2の方法は、樹脂部材内に二酸化チタン粒子等の光触媒を数重量%〜10重量%程度配合し、所望の部品形状に成形する構成とした。櫛を構成する樹脂部材はポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、ABS樹脂、ポリアミド等任意の部材としてよい。
前記光触媒は、二酸化チタン、または二酸化チタンと活性炭との混合物等からなる微粉末粒子、可視光応答型酸化チタン光触媒などとした。
二酸化チタンはアナターゼ型のものが好ましいが、銅、銀、白金、その他の金属でメタライズされたルチル型二酸化チタンとしてもよい。
また、WO2,Cds,CdSe,SrTiO3,MoS2のような半導体で光触媒を形成するようにしてもよい。
光触媒が担体や塗布対象物を分解する恐れがある場合は、光触媒に不活性な(分解されない)物質で酸化チタン粒子表面の一部を覆う構成、または光不活性物質からなる多孔質膜で二酸化チタン粒子の表面を覆う構成としてよい。
前記光不活性物質としては、シリカ、アルミナ、ジルコニウム、カルシウム、バリウム、スチロンチウム、マグネシウム、亜鉛、ニオブ、セラミックスのアパタイト等から選んだいずれか一つ、またはその組み合わせとした。
さらに、光触媒と吸着部材(セラミックスのアパタイト、ゼイライト、セピオライト等)とを併用する構成、光触媒粒子の一部を吸着部材で包み込む構成など任意に実施してよい。
さらに、水または有機溶剤(アニリン等)を含浸させた光触媒を液状体に混合し、対象部位に塗布するようにしてもよい。液状体の加熱、乾燥過程で水または有機溶剤が蒸発し、光触媒の保持膜に気孔を形成し、光触媒に近紫外線を直接照射可能にする。
上述のごとく、光触媒を櫛に配設することにより、表面の各種汚れを分解したり,表面の細菌を殺したり,付着した臭いを取る。即ち、太陽光や蛍光灯など300nm〜400nmの近紫外線を受けた光触媒は活性化して有機物(アセトアルデヒドやアンモニア等)等を酸化・分解する。分解した汚染物質はティッシュ、布等で容易に拭き取れる。水洗によっても除去できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における第1の発明は、毛髪を梳く歯と前記歯を植設する基台とに光触媒を配設したことを特徴とする櫛としたもので、櫛に付着した汗、脂、フケ、細菌等を酸化・分解し、防カビ、防臭、防汚殺菌等の機能を発揮する。櫛梳き性をよくする。
【0011】
本発明における第2の発明は、光触媒に分解されない多孔質部材で光触媒粒子を被覆したことを特徴とする第1の発明に記載の櫛としたもので、光触媒の担体や光触媒を塗布した基材の分解を防止する。
本発明における第3の発明は、毛髪を梳く歯と前記歯を植設する基台とに、光触媒に分解されない部材で下地層を形成し、前記下地層に重ねて光触媒を配設したことを特徴とする櫛としたもので、光触媒を塗布した基材の分解を防止する。
【0012】
本発明における第4の発明は、光触媒粒子を混入した樹脂部材により成形してなることを特徴とする櫛としたもので、櫛に付着した汗、脂、フケ、細菌等を酸化・分解し、防カビ、防臭、防汚、殺菌等の機能を発揮する。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例における毛髪用櫛について図面とともに説明する。
【0014】
(実施例1)
図1は本発明の一実施の形態における櫛の平面図を示す。符号2は櫛の歯、3は歯2を植設する基台3を示す。櫛1は歯2と基台3とを一体に熱可塑性のABS樹脂を射出成形してなる。
また、櫛1は、光触媒の二酸化チタン粒子を含んだ液状体に櫛を浸漬し、乾燥させることにより光触媒を櫛の表面全体に均一に配設する構成とした。
詳しくは、フッ素系樹脂をアルコール、シンナー等の溶剤で希釈し粘度調製した液状体に、二酸化チタン粒子(粒子径は数nm〜50nm)を0.5重量%〜5重量%程度混入し分散させる。次に、前記液状体に櫛を浸漬し、ついでゆっくりと引き上げ2μm〜10μm程度の塗布膜を得た。余分な液状体の滴を取り除き、ついで摂氏40度〜50度の乾燥機内で15〜20分間乾燥させた。これにより櫛の表面全体に光触媒が配設される。なお、櫛に液状体を塗布した後、天日で乾燥させてもよい。
【0015】
上記実施例1において、櫛に光触媒を含んだ液状体を塗布する手段として、上記浸漬法の他に、スプレー方式、印刷方式等任意の手段を用いてよいことは言うまでもない。
また、櫛表面に第一層として、光触媒に不活性なSiO2下地層を形成した後、重ねて光触媒を含んだ液状体たとえばシリコン樹脂を数μm〜10μm程度の厚さに塗布、乾燥して光触媒機能を備える構成としてよい。
さらに、液状体に含ませる光触媒粒子を無機物たとえば多孔質シリカ、多孔質アルミナ、セラミックスのアパタイト等から選んだ一つで内包させる構成としてもよい。なお、櫛の構成材料は樹脂部材、木材、金属部材等任意としてよい。
【0016】
本発明における櫛は、上記構成により殺菌性、防臭性、防カビ性、汚染物質の分解性を備え、汗・頭皮脂・フケ・細菌等を分解する。櫛梳き性をよくする。
【0017】
(実施例2)
本発明の実施の形態2における櫛は、歯、基台、把持する柄をポリアミド樹脂で一体的に射出成形してなる。(図示せず。)
そして、櫛を形成するポリアミド樹脂内に二酸化チタン粒子等の光触媒を混入する構成とした。即ち、櫛を構成するポリアミド樹脂のペレット内に、多孔質シリカまたは多孔質アルミナ、アパタイト等の光不活性物質から選んだ一つで被覆した二酸化チタン粒子を混合し、所望の櫛形状に成形する構成とした。
前記二酸化チタン粒子の外形は数nm〜数百nm程度、混入量を0.5重量%〜5重量%程度とした。
【0018】
この場合の櫛も表面に露出した光触媒粒子により殺菌性、防臭性、防カビ性、付着した汚染物質の分解性を備え、汗・頭皮脂・フケ・細菌等を分解する。櫛梳き性をよくする。
【0019】
なお、上記実施例1〜2において、毛髪を梳く複数の歯と,該歯を植設する基台とからなる櫛の例について述べたが、櫛の形状や材質については任意に実施してよい。例えば、毛染用櫛、ヘアカラー用櫛、養毛剤・芳香剤・髪油等を供給可能に構成した櫛、髪の毛をカットするレザー部を備えた櫛等に実施してよいことは言うまでもない。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明の櫛は、光触媒を配設することにより、殺菌性、防臭性、防カビ性、付着した汚染物質の分解性を備える。櫛梳き性をよくする。その結果、用具は水洗等により初期の清浄な状態を常に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る櫛の平面図
【符号の説明】
1 櫛
2 歯
3 基台
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪を梳く櫛に関し、詳しくは櫛に光触媒を組合わせ、防臭、防カビ、細菌・汗等の分解性を付与し、常に表面を初期の清潔な状態に保つ櫛に関する。
【0002】
【従来の技術】
理美容時の調髪や整髪等に際し、毛髪を梳く櫛1は例えば図1に示すように、複数の梳き歯2と,該歯2を植設する基台3とから構成され、柘植などの木材、金属、または樹脂部材を所望に成形してなる。前記樹脂部材はポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、ABS樹脂、ナイロン等が用いられている。
【0003】
毛髪には頭皮脂、フケ、埃、汗等が付着しており、毛髪を梳くことにより櫛の歯、基台、柄等にそれらが付着する。フケ、頭皮脂等を長時間放置しておくと雑菌が繁殖し、カビや悪臭、皮膚病の原因となり不衛生になる。従って、櫛は適当な使用間隔で洗浄し、付着した頭皮脂、フケ、埃、汗等の汚染物質を取り除き、常に清潔に保つ必要がある。
【0004】
【特許文献1】
ゼオライトとシリコーン系物質を配合し抗菌・防カビ・防臭機能を備えた櫛として特開平05−237013号公報が提案されている。
【0005】
【特許文献2】
養毛剤・髪油・芳香油を内蔵し、にじみ出させる機能を備えた櫛として特開2002−101944号公報が提案されている。
【0006】
【特許文献3】
櫛歯の先端に毛髪をすくい取る凹部を形成し毛染めを可能にする構成の毛染め用櫛が特開平11−332636号公報により提案されている。
【特許文献4】
細長い溝からなるカラス口部と、フック部とを備えたヘアカラー用櫛が特開平10−276829号公報により提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の特開平05−237013号公報、特開平10−276829号公報、特開平11−332636号公報、特開2002−101944号公報等においては、光触媒機能により防臭、防カビ、細菌・汗等の分解性を備える構成を開示していない。
本発明は、櫛や基台、柄等に付着した雑菌、汗、頭皮脂、フケ等の汚染物質を酸化・分解し、防カビ、防臭、防汚、殺菌機能を櫛に付与することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明における毛髪用櫛は、
(1) 二酸化チタン粒子等の光触媒を混合した液状体を、櫛の表面に塗布する構成とした。
(2) 櫛が樹脂部材からなる場合、この樹脂部材内に二酸化チタン粒子等の光触媒を混入し、所望の形状に成形する構成とした。(成形方法は射出成形、押出し成形、ブロー成形等)
上記構成により本発明の毛髪用櫛は、表面に付着した汚れ物質(頭皮脂、フケ、汗)、細菌等を分解し防臭、防カビ、防汚、殺菌を図れる。また、櫛梳き性が向上する。
前述のごとく本発明における櫛は、光触媒を固定する第1の方法として、光触媒を液状体に混合し塗布、乾燥させる構成とした。
例えば、光触媒をアナターゼ結晶形の二酸化チタン粒子とし、該二酸化チタン粒子を水および/または有機溶媒に懸濁させたもの,あるいはスラリーにしたものを塗布する構成とした。
前記有機溶媒としてはプロパノール、アルコール、エステル、エーテル、アミン、炭化水素、またはそれらの混合物、または水に塩酸や硝酸などを加えた部材等とした。チタニアゾル液にシランカップリング剤、チタンカップリング剤を加えたり、溶媒に界面活性剤を加えること等は任意に実施してよい。
【0009】
光触媒を混合するもう一つの液状体としては、アクリル系樹脂、アルキッドメラミン樹脂、酢酸ビニール系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シロキサン樹脂、UV樹脂(紫外線硬化樹脂)、天然ゴム、ブチルゴム、塩化ビニール系樹脂、フェノール樹脂、ABS樹脂、PS樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、無機ガラス(釉薬)PVA(ポリビニールアルコール/ポバール)等から選んだ一つとした。液状体の粘度調整は一般的な有機溶媒、例えば、アルコール、シンナー、アセトン、キシレン等を用い所望に調製すればよい。
光触媒を含んだ液状体の塗布方法は、浸漬法、スプレー法、印刷法(スクリーン印刷、グラビヤ印刷、静電印刷、インクジェット、タンポ印刷等)等から選んだ一つとした。勿論、光触媒を気相コーティング法たとえばスパッタ、蒸着等のPVD(フィジカル・ベーパ・ディポジション)またはCVD(ケミカル・ベーパ・ディポジション)、溶射などの手段により配設するようにしてもよい。
二酸化チタンの粒子径は数nm〜数百nm、液状体への混入量は0.5重量%〜5重量%程度の範囲とした。光触媒を含んだ液状体の塗布膜厚は0.1μm〜10μm程度の範囲とした。
なお、光触媒を混合する前記液状体は近紫外線を受光するため透光性を有していることが望ましい。ただし、光触媒が水またはアニリン等を含浸している場合はこの限りでない。
櫛に光触媒を配設する第2の方法は、樹脂部材内に二酸化チタン粒子等の光触媒を数重量%〜10重量%程度配合し、所望の部品形状に成形する構成とした。櫛を構成する樹脂部材はポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、ABS樹脂、ポリアミド等任意の部材としてよい。
前記光触媒は、二酸化チタン、または二酸化チタンと活性炭との混合物等からなる微粉末粒子、可視光応答型酸化チタン光触媒などとした。
二酸化チタンはアナターゼ型のものが好ましいが、銅、銀、白金、その他の金属でメタライズされたルチル型二酸化チタンとしてもよい。
また、WO2,Cds,CdSe,SrTiO3,MoS2のような半導体で光触媒を形成するようにしてもよい。
光触媒が担体や塗布対象物を分解する恐れがある場合は、光触媒に不活性な(分解されない)物質で酸化チタン粒子表面の一部を覆う構成、または光不活性物質からなる多孔質膜で二酸化チタン粒子の表面を覆う構成としてよい。
前記光不活性物質としては、シリカ、アルミナ、ジルコニウム、カルシウム、バリウム、スチロンチウム、マグネシウム、亜鉛、ニオブ、セラミックスのアパタイト等から選んだいずれか一つ、またはその組み合わせとした。
さらに、光触媒と吸着部材(セラミックスのアパタイト、ゼイライト、セピオライト等)とを併用する構成、光触媒粒子の一部を吸着部材で包み込む構成など任意に実施してよい。
さらに、水または有機溶剤(アニリン等)を含浸させた光触媒を液状体に混合し、対象部位に塗布するようにしてもよい。液状体の加熱、乾燥過程で水または有機溶剤が蒸発し、光触媒の保持膜に気孔を形成し、光触媒に近紫外線を直接照射可能にする。
上述のごとく、光触媒を櫛に配設することにより、表面の各種汚れを分解したり,表面の細菌を殺したり,付着した臭いを取る。即ち、太陽光や蛍光灯など300nm〜400nmの近紫外線を受けた光触媒は活性化して有機物(アセトアルデヒドやアンモニア等)等を酸化・分解する。分解した汚染物質はティッシュ、布等で容易に拭き取れる。水洗によっても除去できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における第1の発明は、毛髪を梳く歯と前記歯を植設する基台とに光触媒を配設したことを特徴とする櫛としたもので、櫛に付着した汗、脂、フケ、細菌等を酸化・分解し、防カビ、防臭、防汚殺菌等の機能を発揮する。櫛梳き性をよくする。
【0011】
本発明における第2の発明は、光触媒に分解されない多孔質部材で光触媒粒子を被覆したことを特徴とする第1の発明に記載の櫛としたもので、光触媒の担体や光触媒を塗布した基材の分解を防止する。
本発明における第3の発明は、毛髪を梳く歯と前記歯を植設する基台とに、光触媒に分解されない部材で下地層を形成し、前記下地層に重ねて光触媒を配設したことを特徴とする櫛としたもので、光触媒を塗布した基材の分解を防止する。
【0012】
本発明における第4の発明は、光触媒粒子を混入した樹脂部材により成形してなることを特徴とする櫛としたもので、櫛に付着した汗、脂、フケ、細菌等を酸化・分解し、防カビ、防臭、防汚、殺菌等の機能を発揮する。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例における毛髪用櫛について図面とともに説明する。
【0014】
(実施例1)
図1は本発明の一実施の形態における櫛の平面図を示す。符号2は櫛の歯、3は歯2を植設する基台3を示す。櫛1は歯2と基台3とを一体に熱可塑性のABS樹脂を射出成形してなる。
また、櫛1は、光触媒の二酸化チタン粒子を含んだ液状体に櫛を浸漬し、乾燥させることにより光触媒を櫛の表面全体に均一に配設する構成とした。
詳しくは、フッ素系樹脂をアルコール、シンナー等の溶剤で希釈し粘度調製した液状体に、二酸化チタン粒子(粒子径は数nm〜50nm)を0.5重量%〜5重量%程度混入し分散させる。次に、前記液状体に櫛を浸漬し、ついでゆっくりと引き上げ2μm〜10μm程度の塗布膜を得た。余分な液状体の滴を取り除き、ついで摂氏40度〜50度の乾燥機内で15〜20分間乾燥させた。これにより櫛の表面全体に光触媒が配設される。なお、櫛に液状体を塗布した後、天日で乾燥させてもよい。
【0015】
上記実施例1において、櫛に光触媒を含んだ液状体を塗布する手段として、上記浸漬法の他に、スプレー方式、印刷方式等任意の手段を用いてよいことは言うまでもない。
また、櫛表面に第一層として、光触媒に不活性なSiO2下地層を形成した後、重ねて光触媒を含んだ液状体たとえばシリコン樹脂を数μm〜10μm程度の厚さに塗布、乾燥して光触媒機能を備える構成としてよい。
さらに、液状体に含ませる光触媒粒子を無機物たとえば多孔質シリカ、多孔質アルミナ、セラミックスのアパタイト等から選んだ一つで内包させる構成としてもよい。なお、櫛の構成材料は樹脂部材、木材、金属部材等任意としてよい。
【0016】
本発明における櫛は、上記構成により殺菌性、防臭性、防カビ性、汚染物質の分解性を備え、汗・頭皮脂・フケ・細菌等を分解する。櫛梳き性をよくする。
【0017】
(実施例2)
本発明の実施の形態2における櫛は、歯、基台、把持する柄をポリアミド樹脂で一体的に射出成形してなる。(図示せず。)
そして、櫛を形成するポリアミド樹脂内に二酸化チタン粒子等の光触媒を混入する構成とした。即ち、櫛を構成するポリアミド樹脂のペレット内に、多孔質シリカまたは多孔質アルミナ、アパタイト等の光不活性物質から選んだ一つで被覆した二酸化チタン粒子を混合し、所望の櫛形状に成形する構成とした。
前記二酸化チタン粒子の外形は数nm〜数百nm程度、混入量を0.5重量%〜5重量%程度とした。
【0018】
この場合の櫛も表面に露出した光触媒粒子により殺菌性、防臭性、防カビ性、付着した汚染物質の分解性を備え、汗・頭皮脂・フケ・細菌等を分解する。櫛梳き性をよくする。
【0019】
なお、上記実施例1〜2において、毛髪を梳く複数の歯と,該歯を植設する基台とからなる櫛の例について述べたが、櫛の形状や材質については任意に実施してよい。例えば、毛染用櫛、ヘアカラー用櫛、養毛剤・芳香剤・髪油等を供給可能に構成した櫛、髪の毛をカットするレザー部を備えた櫛等に実施してよいことは言うまでもない。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明の櫛は、光触媒を配設することにより、殺菌性、防臭性、防カビ性、付着した汚染物質の分解性を備える。櫛梳き性をよくする。その結果、用具は水洗等により初期の清浄な状態を常に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る櫛の平面図
【符号の説明】
1 櫛
2 歯
3 基台
Claims (4)
- 毛髪を梳く歯と前記歯を植設する基台とに光触媒を備えたことを特徴とする櫛。
- 光触媒に分解されない多孔質部材で光触媒粒子を被覆したことを特徴とする請求項1記載の櫛。
- 毛髪を梳く歯と前記歯を植設する基台とに光触媒に分解されない部材で下地層を形成し、前記下地層に重ねて光触媒を配設したことを特徴とする櫛。
- 光触媒粒子を混入した樹脂部材により成形してなることを特徴とする毛髪用櫛。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002320608A JP2004154196A (ja) | 2002-11-05 | 2002-11-05 | 櫛 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002320608A JP2004154196A (ja) | 2002-11-05 | 2002-11-05 | 櫛 |
Publications (1)
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JP2004154196A true JP2004154196A (ja) | 2004-06-03 |
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ID=32801402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002320608A Pending JP2004154196A (ja) | 2002-11-05 | 2002-11-05 | 櫛 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004154196A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200461482Y1 (ko) | 2010-12-20 | 2012-07-16 | (주)아모레퍼시픽 | 피지제거용 빗 |
KR200461485Y1 (ko) | 2010-12-20 | 2012-07-20 | (주)아모레퍼시픽 | 피지제거용 빗 |
KR200461483Y1 (ko) | 2010-12-20 | 2012-07-20 | (주)아모레퍼시픽 | 피지제거용 빗 |
KR200464873Y1 (ko) | 2010-12-20 | 2013-01-22 | (주)아모레퍼시픽 | 피지제거용 빗 |
WO2013190484A1 (en) * | 2012-06-20 | 2013-12-27 | Koninklijke Philips N.V. | A comb |
-
2002
- 2002-11-05 JP JP2002320608A patent/JP2004154196A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200461482Y1 (ko) | 2010-12-20 | 2012-07-16 | (주)아모레퍼시픽 | 피지제거용 빗 |
KR200461485Y1 (ko) | 2010-12-20 | 2012-07-20 | (주)아모레퍼시픽 | 피지제거용 빗 |
KR200461483Y1 (ko) | 2010-12-20 | 2012-07-20 | (주)아모레퍼시픽 | 피지제거용 빗 |
KR200464873Y1 (ko) | 2010-12-20 | 2013-01-22 | (주)아모레퍼시픽 | 피지제거용 빗 |
WO2013190484A1 (en) * | 2012-06-20 | 2013-12-27 | Koninklijke Philips N.V. | A comb |
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