JP2004153959A - インバータ駆動型モータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機出力を向上しつつ、制御部分の小型化及び低価格化が可能なインバータ駆動型モータ装置を提供する。
【解決手段】インバータ回路から電力を供給して電動機の巻線に任意の一方向の磁界を発生させる場合は、例えばインバータ回路のIGBT11aが、巻線の一方の端子と巻線の中央に備えられた中央端子aとの間に電圧を印加し、直流電源10の正極端子から、巻線の一方の端子と直流電源10の負極端子に接続された共通端子COMを介して、巻線1Xへ電流を流す。それとは逆方向の磁界を発生させる場合は、例えばIGBT11bが、巻線のもう一方の端子と中央端子aとの間に電圧を印加し、直流電源10の正極端子から、巻線のもう一方の端子と共通端子COMを介して、巻線1Yへ電流を流す。そして、電動機の複数の相に対応する2個1組のIGBT11a〜11fを順次切り替えて、各巻線に電流を流し、電動機を回転させる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータ回路によって駆動される電動機を備えたインバータ駆動型モータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の相に供給された交流電力により回転する電動機と、該電動機の複数の相の各巻線に交流電力を供給するインバータ回路とを備えた装置には、電動機への印加電圧を高くして強力な出力を得るために、電動機の各巻線を従来のY結線による構成から独立結線による構成へ変更し、共通の接点を有する結線において複数の相の巻線にまたがって印加されていた電圧を、1つの相の巻線に全て印加するものがある。
【0003】
具体的には、例えば互いに分離独立した3個の巻線により3相制御を行う電動機を備えたものでは、各巻線に単独で電圧を印加し、更に印加する電圧の方向を反転させるために、1つの相に独立に接続されると共にブリッジ接続された2組、計4個のスイッチング素子を3相分、すなわち12個のスイッチング素子を設け、このスイッチング素子を順次切り替え制御することにより電動機を回転させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平08−242596号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の独立結線方式の装置では、Y結線方式と比較して電動機に印加する印加電圧の2倍化により、電動機出力の向上が可能となるものの、例えば3相制御の電動機を制御する装置では12個必要となるように、装置の中で最も高価格な部品であるスイッチング素子が多数必要となり、特に制御部分の複雑化と大型化、及び高価格化につながってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、電動機出力を向上しつつ、制御部分の小型化及び低価格化が可能なインバータ駆動型モータ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明に係るインバータ駆動型モータ装置は、供給された電力を磁界に変換するために、複数の相に対応する固定子に巻かれた複数の独立巻線(例えば実施の形態の巻線1、2、3)を具備すると共に、各巻線の中央に設けられた中央端子(例えば実施の形態の中央端子a、b、c)同士を共通配線(例えば実施の形態の共通配線L−COM)によって全て接続した電動機と、電源(例えば実施の形態の直流電源10)の正極端子を前記電動機の各巻線の両端へ独立に接続し、前記電源の負極端子に接続された前記共通配線を介して、前記各巻線の一方の端(例えば実施の形態の接続端子UH、VH、WHのいずれか)と前記中央端子との間、及び前記各巻線のもう一方の端(例えば実施の形態の接続端子UL、VL、WLのいずれか)と前記中央端子との間にそれぞれ電力を供給する2個1組のスイッチング素子(例えば実施の形態のIGBT11a〜11f)を具備するインバータ回路とを備えたことを特徴とする。
【0008】
以上の構成を備えたインバータ駆動型モータ装置は、インバータ回路を構成する2個1組のスイッチング素子を用いて電力を供給し、電動機の巻線に磁界を発生させる際に、任意の一方向の磁界を発生させる場合は、対応する一方のスイッチング素子が、対応する巻線の一方の端子と巻線の中央に備えられた中央端子との間に電圧を印加することで、電源の正極端子から巻線の一方の端子を介して、電源の負極端子に接続された中央端子へ電流を流す。また、それとは逆方向の磁界を発生させる場合は、対応するもう一方のスイッチング素子が、対応する巻線のもう一方の端子と巻線の中央に備えられた中央端子との間に電圧を印加することで、電源の正極端子から巻線のもう一方の端子を介して、電源の負極端子に接続された中央端子へ電流を流す。そして、電動機の複数の相に対応する2個1組のスイッチング素子を、順次切り替えて各巻線に電流を流すことで、電動機を駆動することができる。
【0009】
請求項2の発明に係るインバータ駆動型モータ装置は、供給された電力を磁界に変換するために、複数の相に対応する固定子に巻かれた複数の独立巻線(例えば実施の形態の巻線1、2、3)を具備すると共に、各巻線の中央に設けられた中央端子(例えば実施の形態の中央端子a、b、c)同士を共通配線(例えば実施の形態の共通配線L−COM)によって全て接続した電動機と、電源(例えば実施の形態の直流電源10)の負極端子を前記電動機の各巻線の両端へ独立に接続し、前記電源の正極端子に接続された前記共通配線を介して、前記各巻線の一方の端(例えば実施の形態の接続端子UH、VH、WHのいずれか)と前記中央端子との間、及び前記各巻線のもう一方の端(例えば実施の形態の接続端子UL、VL、WLのいずれか)と前記中央端子との間にそれぞれ電力を供給する2個1組のスイッチング素子(例えば実施の形態のIGBT21a〜21f)を具備するインバータ回路とを備えたことを特徴とする。
【0010】
以上の構成を備えたインバータ駆動型モータ装置は、インバータ回路を構成する2個1組のスイッチング素子を用いて電力を供給し、電動機の巻線に磁界を発生させる際に、任意の一方向の磁界を発生させる場合は、対応する一方のスイッチング素子が、巻線の中央に備えられた中央端子と対応する巻線の一方の端子との間に電圧を印加することで、電源の正極端子から中央端子を介して、電源の負極端子に接続された巻線の一方の端子へ電流を流す。また、それとは逆方向の磁界を発生させる場合は、対応するもう一方のスイッチング素子が、巻線の中央に備えられた中央端子と対応する巻線のもう一方の端子との間に電圧を印加することで、電源の正極端子から中央端子を介して、電源の負極端子に接続された巻線のもう一方の端子へ電流を流す。そして、電動機の複数の相に対応する2個1組のスイッチング素子を、順次切り替えて各巻線に電流を流すことで、電動機を駆動することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態では、説明の簡単化のため、一例として3相制御の電動機を利用したインバータ駆動型モータ装置について説明を行う。
図1は、本発明の一実施の形態のインバータ駆動型モータ装置に利用される電動機の巻線の結線図である。図1において、本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置に利用される電動機の巻線は、互いに分離独立すると共に、同一方向に巻かれた3個の巻線1、2、3から構成されており、各巻線の端子は、それぞれ巻線1の両端の端子を接続端子UH及び接続端子UL、巻線2の両端の端子を接続端子VH及び接続端子VL、巻線3の両端の端子を接続端子WH及び接続端子WLとして電動機の外部に出力されている。
【0012】
また、各巻線1、2、3は、それぞれその中央に中央端子a、b、cが設けられており、中央端子a、b、cは、中央端子同士を全て接続する共通配線により共通端子COMとして電動機の外部に出力されている。なお、それぞれの巻線において、接続端子UHから中央端子aまでの巻線を巻線1X、中央端子aから接続端子ULまでの巻線を巻線1Y、接続端子VHから中央端子bまでの巻線を巻線2X、中央端子bから接続端子VLまでの巻線を巻線2Y、接続端子WHから中央端子cまでの巻線を巻線3X、中央端子cから接続端子WLまでの巻線を巻線3Yとする。
【0013】
次に、この電動機の固定子巻線構造について説明する。
図2は、本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置に利用される電動機の固定子巻線構造を示す平面図である。図2に示すように、本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置に利用される電動機は、固定子5に、巻線1、2、3をそれぞれ接続端子UL、接続端子VL、接続端子WLを回転子側、接続端子UH、接続端子VH、接続端子WHを外側(回転子と逆側)に配置して順番に巻くことにより、U相、V相、W相の3相からなる3相構造の電動機を構成する。
また、それぞれの巻線を接続する配線は、配線L−UHが各巻線の接続端子UHを、配線L−ULが各巻線の接続端子ULをそれぞれ共通配線として接続し、接続端子UH及び接続端子ULとして電動機の外部に出力する。
【0014】
同様に、配線L−VHが各巻線の接続端子VHを、配線L−VLが各巻線の接続端子VLをそれぞれ共通配線として接続し、接続端子VH及び接続端子VLとして電動機の外部に出力すると共に、配線L−WHが各巻線の接続端子WHを、配線L−WLが各巻線の接続端子WLをそれぞれ共通配線として接続し、接続端子WH及び接続端子WLとして電動機の外部に出力する。
また、共通配線L−COMが、全ての巻線1、2、3の中央端子a、b、cを共通配線として接続し、共通端子COMとして電動機の外部に出力する。
【0015】
次に、本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置に利用されるインバータ回路の構成について説明する。
図3は、本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置に利用されるインバータ回路の回路図である。図3に示すように、本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置に利用されるインバータ回路は、直流電源10の正極端子を電動機の各巻線へ接続し、負極端子に接続された共通端子COMを介して、電動機の各巻線の両端にそれぞれ交流電力を供給する2個1組のスイッチング素子としてIGBT11a〜11fを備えている。
具体的には、IGBT11a〜11fのそれぞれのエミッタ端子とコレクタ端子間には、カソード端子をコレクタ端子に、アノード端子をエミッタ端子にそれぞれ接続したフライホイールダイオード(Free Wheeling Diode:転流ダイオード)12a〜12fが備えられ、直流電源10の正極端子と負極端子との間には、平滑コンデンサ13が接続されている。
【0016】
また、IGBT11a〜11fには、それぞれのエミッタ端子にカソード端子を接続し、直流電源10の負極端子にアノード端子を接続したフライホイールダイオード14a〜14fが設けられると共に、IGBT11aのエミッタ端子が電動機の接続端子UHに、IGBT11bのエミッタ端子が電動機の接続端子ULに、IGBT11cのエミッタ端子が電動機の接続端子VHに、IGBT11dのエミッタ端子が電動機の接続端子VLに、IGBT11eのエミッタ端子が電動機の接続端子WHに、IGBT11fのエミッタ端子が電動機の接続端子WLにそれぞれ接続されている。
更に、フライホイールダイオード14a〜14fのアノード端子、すなわち直流電源10の負極端子が、電動機の共通端子COMに接続されている。
【0017】
なお、インバータ回路は、図6に示すように、直流電源10の負極端子にそれぞれのエミッタ端子が接続されたIGBT21a〜21fと、IGBT21a〜21fのそれぞれのエミッタ端子とコレクタ端子間に接続されたフライホイールダイオード22a〜22fと、IGBT21a〜21fのコレクタ端子にアノード端子を接続し、直流電源10の正極端子にカソード端子を接続したフライホイールダイオード23a〜23fを設けた構成としても良い。
【0018】
この場合、IGBT21aのコレクタ端子を電動機の入力端子UHに、IGBT21bのコレクタ端子を電動機の入力端子ULに、IGBT21cのコレクタ端子を電動機の入力端子VHに、IGBT21dのコレクタ端子を電動機の入力端子VLに、IGBT21eのコレクタ端子を電動機の入力端子WHに、IGBT21fのコレクタ端子を電動機の入力端子WLにそれぞれ接続すると共に、フライホイールダイオード23a〜23fのカソード端子、すなわち直流電源10の正極端子を、電動機の共通端子COMに接続することで、直流電源10の負極端子を電動機の各巻線へ接続し、正極端子に接続された共通端子COMを介して、電動機の各巻線の両端にそれぞれ交流電力を供給することができる。
【0019】
次に、本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置の動作について説明する。図4は、図3に示すインバータ回路を利用した本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置の等価回路である。なお、図4の等価回路図は、フライホイールダイオード12a〜12f、14a〜14fを省略して記載する。
図4に示すように、本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置では、互いに分離独立する3個の巻線1、2、3をそれぞれ中央端子a、b、cで分割した、等価的に6個の巻線とみなされる各巻線1X、1Y、2X、2Y、3X、3Yへ独立に電圧を印加して磁界を発生させると共に該磁界の方向を反転させるために、1つの相に独立に接続されると共にユニポーラ接続された2個のスイッチング素子を3相分、すなわち図3に示した回路図のIGBT11a〜11fに相当する6個のスイッチング素子を設け、このスイッチング素子を順次切り替え制御することにより電動機を回転させる。
【0020】
具体的には、一例として、電動機の3相を構成する1つの相であるU相の巻線において発生する図5(c)に示すような正負両方向の磁界について説明すると、本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置では、図5(a)に示すように、例えば正方向の磁界を、接続端子UHから中央端子aを介して共通端子COMに流す電流により巻線1Xが発生するとした場合、負方向の磁界は、図5(b)に示すように、接続端子ULから中央端子aを介して共通端子COMに流す電流により巻線1Yが発生することになる。
【0021】
また、電動機の3相を構成する他の2つの相であるV相、W相の巻線においても、同様に、接続端子VHから中央端子bを介して共通端子COMに流す電流、または接続端子WHから中央端子cを介して共通端子COMに流す電流により正方向の磁界を発生し、接続端子VLから中央端子bを介して共通端子COMに流す電流、または接続端子WLから中央端子cを介して共通端子COMに流す電流により負方向の磁界を発生するものとする。
【0022】
従って、3相制御で要求される磁界の方向に合わせて、6個のスイッチング素子(IGBT)11a〜11fにより、巻線1X、1Y、2X、2Y、3X、3Yに流す電流の方向を制御することで、従来の独立結線方式の電動機を制御するインバータ回路の半分の数のスイッチング素子により電動機を制御することができる。
【0023】
また、固定子のスロット面積および占積率が限定される場合において、本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置に利用される電動機の巻線断面積あたりの電流が、従来の独立結線方法に対して2倍化しても、巻線1Xと1Y、あるいは巻線2Xと2Y、あるいは巻線3Xと3Yとが、それぞれ電気角180度分の負担となり、通電時間が半分化するため、電動機発熱は従来の独立結線方式と同等に抑えることが可能となる。
【0024】
なお、本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置に利用される電動機において、従来の独立結線方式の電動機とスロット面積が同一で電流×ターン数(巻線の巻数)を同一にする方法としては、ターン数(線長)を1/2化して電流を増加させる方法と、ターン数を2倍化して線径を減少させる方法がある。以下、表1に両者の特徴をまとめた比較結果を示す。
【0025】
【表1】
Figure 2004153959
【0026】
また、電動機の巻線の巻き方(巻線製法)は、図2に示すような集中巻ではなく、波巻や重ね巻等の他の巻線製法でも良く、集中巻きと同様の効果が得られる。
更に、直流電源10が高電圧の場合、本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置を例えばEV(Electric Vehicles)やHEV(Hybrid Electric Vehicles )等へ実装する際、インバータ回路と電動機の共通端子COMとの接続には、バスバー等の専用の接続用導電部材が必要であるが、直流電源10が低電圧の場合、図7に示すように、共通端子COMをEVやHEVへボディアースされたモータケース30(電動機の筐体)に接続し、図8に示すように、直流電源10の負極端子をEVやHEVのボディアースへ接続することで、専用の接続用導電部材は省略することができる。
【0027】
以上説明したように、本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置は、インバータ回路を構成する2個1組のスイッチング素子であるIGBT11a〜11fを用いて電力を供給し、3相の電動機の巻線1、2、3に磁界を発生させる際に、任意の一方向の磁界を発生させる場合は、インバータ回路の対応する一方のIGBTが、対応する巻線1、2、3のいずれかにおいて、一方の端子と巻線の中央に備えられた中央端子a、b、cそれぞれとの間に電圧を印加することで、直流電源10の正極端子から巻線の一方の端子を介して、直流電源10の負極端子に接続された共通端子COMへ電流を流す。
【0028】
また、それとは逆方向の磁界を発生させる場合は、対応するもう一方のIGBTが、対応する巻線のもう一方の端子と巻線の中央に備えられた中央端子との間に電圧を印加することで、直流電源10の正極端子から巻線のもう一方の端子を介して、直流電源10の負極端子に接続された共通端子COMへ電流を流す。そして、電動機の複数の相に対応する2個1組のIGBTを、順次切り替えて各巻線1、2、3に電流を流すことで、電動機を駆動することができる。
【0029】
従って、従来は、3相の独立結線方式電動機を駆動する場合、互いに分離独立した3個の各巻線に単独で電圧を印加し、更に印加する電圧の方向を反転させるために、1つの相に独立に接続されると共にブリッジ接続された2組、計4個のスイッチング素子を3相分、すなわち12個のスイッチング素子を設け、このスイッチング素子を順次切り替え制御することにより電動機を回転させていたが、本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置は、インバータ回路を構成するスイッチング素子(IGBT)の数を半分の6個に削減し、独立結線方式の電動機と同等の発熱量に抑えつつ電動機出力を向上すると共に、制御部分の小型化及び低価格化されたインバータ駆動型モータ装置を実現することができるという効果が得られる。
【0030】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1に記載のインバータ駆動型モータ装置によれば、インバータ回路を構成する2個1組のスイッチング素子を用いて電力を供給し、電動機の巻線に磁界を発生させる際に、任意の一方向の磁界を発生させる場合は、対応する一方のスイッチング素子が、対応する巻線の一方の端子と巻線の中央に備えられた中央端子との間に電流を流し、それとは逆方向の磁界を発生させる場合は、対応するもう一方のスイッチング素子が、対応する巻線のもう一方の端子と巻線の中央に備えられた中央端子との間に電流を流す。
【0031】
これにより、電動機の複数の相に対応する2個1組のスイッチング素子を、順次切り替えて各巻線に電流を流すことで、電動機を駆動することができる。
従って、従来の独立結線方式の電動機を利用した装置と比較して、インバータ回路を構成するスイッチング素子の数を半分に削減し、独立結線方式の電動機と同等の発熱量に抑えつつ電動機出力を向上すると共に、制御部分の小型化及び低価格化されたインバータ駆動型モータ装置を実現することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のインバータ駆動型モータ装置に利用される電動機の巻線の結線図である。
【図2】本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置に利用される電動機の固定子巻線構造を示す平面図である。
【図3】本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置に利用されるインバータ回路の一構成例を示す回路図である。
【図4】本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置の等価回路である。
【図5】本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置の電動機において発生する磁界の方向と、巻線及び巻線を流れる電流の方向の関係を示す図である。
【図6】本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置に利用されるインバータ回路の別の構成例を示す回路図である。
【図7】本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置に利用される電動機の巻線を実装する場合の結線図である。
【図8】本実施の形態のインバータ駆動型モータ装置に利用されるインバータ回路を実装する場合の結線図である。
【符号の説明】
1、2、3、1X、1Y、2X、2Y、3X、3Y 巻線
5 固定子
10 直流電源(電源)
11a〜11f、21a〜21f IGBT(スイッチング素子)
12a〜12f、14a〜14f、22a〜22f、23a〜23f フライホイールダイオード
13 平滑コンデンサ
UH、UL、VH、VL、WH、WL 接続端子
a、b、c 中央端子
COM 共通端子
L−UH、L−UL、L−VH、L−VL、L−WH、L−WL 配線
L−COM 共通配線

Claims (2)

  1. 供給された電力を磁界に変換するために、複数の相に対応する固定子に巻かれた複数の独立巻線を具備すると共に、各巻線の中央に設けられた中央端子同士を共通配線によって全て接続した電動機と、
    電源の正極端子を前記電動機の各巻線の両端へ独立に接続し、前記電源の負極端子に接続された前記共通配線を介して、前記各巻線の一方の端と前記中央端子との間、及び前記各巻線のもう一方の端と前記中央端子との間にそれぞれ電力を供給する2個1組のスイッチング素子を具備するインバータ回路と
    を備えたことを特徴とするインバータ駆動型モータ装置。
  2. 供給された電力を磁界に変換するために、複数の相に対応する固定子に巻かれた複数の独立巻線を具備すると共に、各巻線の中央に設けられた中央端子同士を共通配線によって全て接続した電動機と、
    電源の負極端子を前記電動機の各巻線の両端へ独立に接続し、前記電源の正極端子に接続された前記共通配線を介して、前記各巻線の一方の端と前記中央端子との間、及び前記各巻線のもう一方の端と前記中央端子との間にそれぞれ電力を供給する2個1組のスイッチング素子を具備するインバータ回路と
    を備えたことを特徴とするインバータ駆動型モータ装置。
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