JP2004152946A - 半導体装置の洗浄方法 - Google Patents

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Naoki Miwa
直樹 三輪
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Abstract

【課題】枚葉式洗浄装置による高アスペクト比の微細孔の洗浄過程において、半導体基板の回転による遠心力の影響と、洗浄薬液と微細孔の側壁との間に作用する表面張力の影響とで薬液が孔内に入り込むことが難しく洗浄が困難である。
【解決手段】枚葉式洗浄装置による半導体基板の洗浄過程において、薬液処理直前に界面活性剤による前処理工程を含むことによって、高アスペクト比の微細孔内部を確実に洗浄し、清浄な半導体基板表面を提供することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子デバイスの洗浄方法に関し、特に製造途中における半導体基板や半導体デバイスなどの半導体装置の洗浄技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の微細化および高集積化に伴い、素子パターンの微細化は高まる一方である。したがって、半導体装置の製造工程では小さな埃やよごれについてもパターン精度の劣化の原因となるため、入念な清浄化処理が必要となる。さらにまた、金属イオンの残留や水分の残留などによって、半導体表面が劣化したりするなどさまざまな領域でさまざまな問題が生じるため、半導体装置の製造工程において、半導体基板の洗浄および乾燥は極めて重要な課題となっている。
【0003】
最近、従来の多槽式洗浄装置の大型化に伴うクリーンルーム内の設置面積増大を抑制し、大口径半導体基板表面を均一に洗浄する方法の一つとして枚葉式洗浄装置が登場してきた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記の枚葉式洗浄装置を用いた洗浄方法について図面を参照して説明する。図3は従来の半導体装置の洗浄方法の概略図である。
【0005】
まず、半導体基板1を回転させながら半導体基板1に洗浄ノズルから薬液3を供給し、洗浄する洗浄過程において、半導体基板表面が疎水性でかつ高アスペクト比の微細孔2を有する場合、図3に示すように、微細孔2の内部は部分的にしか薬液3で満たされず、十分な洗浄が行われない。
【0006】
すなわち、枚葉式洗浄装置による高アスペクト比の微細孔の洗浄工程において、半導体基板の回転による遠心力の影響と、洗浄薬液と微細孔の側壁や底部との間に作用する表面張力の影響とで薬液が孔内に入り込むことが難しく洗浄が困難であった。そこで、界面活性剤が含まれる薬液を使用して表面張力を低減させて洗浄を行っている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−70101号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の洗浄では使用したい薬液に対して、その都度界面活性剤を含有する新薬液を開発する必要に迫られ、使用する薬液が限定される問題点があった。
【0009】
本発明は上記の課題を鑑みて創作されたものであって、その目的は、枚葉式洗浄装置による半導体基板の洗浄方法において、高アスペクト比の微細孔内部を確実に洗浄し、清浄な半導体基板表面を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の半導体装置の洗浄方法は、半導体基板上に形成された半導体装置の洗浄方法において、薬液処理直前に界面活性剤による前処理工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
この構成により、高アスペクト比の微細孔内部を確実に洗浄し、清浄な半導体基板表面を得ることができる。
【0012】
また、上記の前処理工程において、半導体基板の回転数は20rpmから100rpmの範囲であることを特徴とする。
【0013】
この構成により、適度な量の界面活性剤を半導体基板表面に残留させ、その後の薬液への置換をスムーズかつ確実に行なうことができる。
【0014】
上記の半導体装置の洗浄方法において、洗浄方法は枚葉処理で行なうことが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明による第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係わる枚葉式洗浄装置による半導体装置の洗浄方法を示す概略図である。
【0016】
まず、半導体基板1を回転させながら半導体基板1に洗浄ノズルから薬液3を供給し、洗浄する洗浄過程において、半導体基板表面が疎水性でかつ高アスペクト比の微細孔2を有する場合、図1(a)に示すように、薬液処理直前に界面活性剤による前処理工程を施すことによって、半導体基板1表面を覆うように界面活性剤で満たす。
【0017】
その後、図1(b)に示すように、薬液処理を行なうことによって、界面活性剤を薬液3にスムーズに置換し、高アスペクト比の微細孔内部を確実に洗浄し、清浄な半導体基板表面を得ることができる。
【0018】
上記の界面活性剤としては、カルボキシル基、スルホ基、硫酸基を有し、水中で解離して陰イオンとなるアルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸エステル塩などのアニオン系界面活性剤、水中で解離して陽イオンとなるアルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミン化合物などのカチオン系界面活性剤、もしくは、アルキルベタイン、イミダゾニウムベタインなどのノニオン系界面活性剤などを使用する。
【0019】
(第2の実施形態)
本発明による第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図2は本実施形態に係わる界面活性剤の処理時における半導体基板の回転数と半導体基板上の接触角との関係を示す図である。
【0020】
半導体基板の回転数が10rpm以下の範囲では、半導体基板内に均一に界面活性剤を覆わせることは困難である。また、図2に示すように、半導体基板の回転数が150rpm以上の範囲では接触角が急激に大きくなることから、界面活性剤は半導体基板の遠心力により振り切られてしまう可能性がある。
【0021】
一方、回転数が20rpmから100rpmの範囲では、接触角は15°以下とかなり低いことが分かる。これは半導体基板表面に界面活性剤が残っていることを示す。つまり、適度な量の界面活性剤を半導体基板表面に残留させ、その後の薬液への置換をスムーズかつ確実に行なうために、半導体基板の回転数は20rpmから100rpmの範囲であることが好ましい。
【0022】
以上のように、界面活性剤による前処理工程時の半導体基板の回転数を最適化することにより、適度な量の界面活性剤を半導体基板表面に残留させ、その後の薬液への置換をスムーズかつ確実に行なうことができる。
【0023】
なお、第1の実施形態のみでも本発明特有の効果を有するが、第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせた方が良いことは言うまでもない。
【0024】
また、本発明は枚葉式洗浄装置による半導体装置の洗浄方法について説明したが、枚葉処理以外の他の方式による洗浄方法に適用しても本効果は得られる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半導体装置の洗浄方法によれば、枚葉式洗浄装置による半導体基板の洗浄過程において、薬液処理直前に界面活性剤による前処理工程を施すことによって、高アスペクト比の微細孔内部を確実に洗浄し、清浄な半導体基板表面を得ることができる。また、界面活性剤による前処理工程時の半導体基板の回転数を20rpmから100rpmの範囲に設定することにより、適度な量の界面活性剤を半導体基板表面に残留させ、その後の薬液への置換をスムーズかつ確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における半導体装置の洗浄方法を示す概略図
【図2】本発明の第2の実施形態における半導体基板の回転数と半導体基板上の接触角との関係を示す図
【図3】従来の半導体装置の洗浄方法を示す概略図
【符号の説明】
1 半導体基板
2 微細孔
3 薬液
4 界面活性剤

Claims (3)

  1. 半導体基板上に形成された半導体装置の洗浄方法において、
    薬液処理直前に界面活性剤による前処理工程とを含むことを特徴とする半導体装置の洗浄方法。
  2. 前記前処理工程において、前記半導体基板の回転数は20rpmから100rpmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の洗浄方法。
  3. 前記洗浄方法は、枚葉処理で行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の洗浄方法。
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