JP2004152126A - 物品の真偽判定システム - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで、簡便に物品の本物・偽物の判定ができるシステムを提供すること。
【解決手段】▲1▼▲2▼金融カード・▲3▼プリペイドカード・▲4▼各種証明書及びブランド品のような本物・偽物の判定を要する物品に、RF式無線タグを一体化させておく。これらの物品が、真偽判定システムの周波数読取装置を無接触で通過すると、問題の物品と一体化されたRF式無線タグから発信される共振周波数が解析され、それが本物に特有のものか否かを判定することによって物品の真偽が判定される。本発明のシステムは、RF式無線タグと、RF式無線タグから発信される反射波の周波数を読取る周波数読取装置との組合せにより、大量生産によって低コスト化が可能であり、各種カードや証明書等あらゆる物に対応することができ、安全性が高く、真正品と偽造品を瞬時に判定することを可能にする。
【選択図】 図1
【解決手段】▲1▼▲2▼金融カード・▲3▼プリペイドカード・▲4▼各種証明書及びブランド品のような本物・偽物の判定を要する物品に、RF式無線タグを一体化させておく。これらの物品が、真偽判定システムの周波数読取装置を無接触で通過すると、問題の物品と一体化されたRF式無線タグから発信される共振周波数が解析され、それが本物に特有のものか否かを判定することによって物品の真偽が判定される。本発明のシステムは、RF式無線タグと、RF式無線タグから発信される反射波の周波数を読取る周波数読取装置との組合せにより、大量生産によって低コスト化が可能であり、各種カードや証明書等あらゆる物に対応することができ、安全性が高く、真正品と偽造品を瞬時に判定することを可能にする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種証明書、有価証券、カード、ブランド商品等の物品の本物、偽物の判定(以下、「真偽判定」という。)を行なうシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、金融カード(銀行カード、クレジットカード、プリペイドカード等)や、証明書(IDカード、運転免許証、パスポート等)は、何れも、信用性においては最も高いとされている国家機関や各行政府や金融機関(銀行、証券会社、クレジット会社等)や政府系大企業が大多数を発行し、発行者の信用により多くの人の間で広く使用されている。特に、クレジットカードのような金融カードは、非常に便利なものとして今後も多大な成長を続けていくと思われる。しかし、その偽造による被害額も、カードの成長に比例する形で膨張しているのが実情である。これは、特殊な印刷技術、特殊な溶剤や材質を用いた技術、バーコード式管理情報、或いは記憶情報(磁気等)に関する技術に対しては、いとも簡単に偽造品を製造することや、情報をコピーすることが可能であることによる。
【0003】
これはカード自体の理論的欠陥によるものである。すなわち、磁気記録媒体の情報の記憶や記録の書込み及び書換えや再生を、IDナンバーを入力して行う現在のシステムに大きな弱点があるからである。情報を入力できる方式があれば、その方式を利用してコピーすれば、幾らでも同じ情報を作ることが出来る。
【0004】
また、IDナンバー(暗証コード)を盗んだりコピーしたりすれば、情報の盗難及び偽造を簡単に行うことができる。IDナンバーを必要としないプリペードカード(磁気記録方式)は、正式に入力された記録をメモリ読取り機で不正にコピーし、同質の未入力カード及び使用済みカードを改竄した上に再度不正にコピーしたデータを再入力及び新規入力して偽造カードを大量に作り、一般市場に正規カードより安く供給して利用させることが横行している。これらが繰返されることによる損害は多額に上り、発券元(正式発行者)や損害保険会社は多大な損害を蒙っているのが実情である。
【0005】
図6は従来の銀行預金カード作成の過程を示すフローチャートである。図に示すように、クレジットカード及び銀行預金カード等の金融カードは、利用者個々に別々のIDナンバーを持たせて、通帳及び印鑑の代用として、各種の金融機関(銀行及びクレジット会社等々)が個々の利用者と契約を締結した上で、それぞれ独自に発行されている。一般的には、コストが比較的安価なカード接触型の磁気記録方式が多く用いられているが、情報量が大容量で、しかも非接触方式で利用が出来るICメモリ型も、次第に多くなりつつある。
【0006】
金融機関は、カード利用者の情報を非公開にし、個々の秘密情報の第三者への漏洩や窃取を防ぐセキュリティ対策に万全を期している。しかし、いとも簡単に個々の機密情報をコピーされたり窃取されたり、本人の気付かない間に現金を引き出されたり、借りられたりしている事件が頻繁に起きており、現代の一大社会問題になっている。これらによって被害者と金融会社との間で民事損害賠償請求訴訟が頻繁に起きており、解決に時間と費用を要している。
【0007】
次に、図7に、従来の銀行預金カードシステムのブロック図、図11に従来の銀行預金カードの使用手順のフローチャートを示す。図に示すように、従来の方式による情報守秘は、情報の読み書きが出来るカードリーダ(カード内に納められた情報の出し入れが出来る専用機器)により、IDナンバーの照合が合致した時に初めてそのカード内にある情報にアクセス出来る仕組みによって成立っている。しかし、このようなシステムでは、カードの真偽を判定することはできない。
【0008】
図8に、従来のクレジットカードシステムのブロック図、図12に従来のクレジットカードの使用手順のフローチャート、図9に、従来のプリペイドカードシステムのブロック図、図13に従来のプリペイドカードの使用手順のフローチャートをそれぞれ示す。これらのシステムも、銀行預金カードシステムと同様、カードの真偽を判定するようにはなっていない。
【0009】
また、ブランド品といわれる様々な商品については、周知のとおり、偽造品が蔓延している。偽造品の判定は、それらブランド品の情報を知りえた特定の人物以外は殆ど困難な状況にある。そして、ブランド直営販売店の専門担当者でも、正確にそして即座に真偽を判定するのは容易なことではない。
【0010】
図10に、従来のブランド商品の流通経路のブロック図、図14に従来のブランド商品の流れのフローチャートを示す。このような流通形態において、ブランド偽造品を完全に排除するのは困難であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、偽造カード、偽造ブランド品の被害は膨大に額になっているにも拘らず、従来の対策は、偽造カード防止のために、ICカード化が進められている程度であり、ICカードは高価であるため、本発明で考慮しているような大規模な真偽判定システムに使用するにはコスト的に不向きと言わざるを得ない。
【0012】
本発明は、上述の問題に鑑み、低コストで、時間と手間がかからず、正確に物品の真偽判定ができるシステムの提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、真偽の判定を要する物品にRF式無線タグを一体化させておき、反射波の周波数読取装置により、前記RF式無線タグからの反射波が所定の共振周波数のものであるか否かを検知することにより、前記物品の真偽判定を行うことを特徴とする物品の真偽判定システムによって、前記の課題を解決する。
【0014】
【作用】
本発明によれば、RF式無線タグと、RF式無線タグから発信された反射波の周波数を読取る周波数読取装置との組合せにより、大量生産によって低コスト化が可能であり、各種カード(銀行カード、クレジットカード、プリペイドカード等)や証明書(IDカード、運転免許証、パスポート等)等あらゆる物に対応でき、安全性が高く、それぞれが用途や内容により自由に設定でき、真正品と偽造品が瞬時に判定できるシステムの提供が可能となる。物品にRF式無線タグを一体化させるには、印刷、蒸着、エッチング、ラミネーション、ヒートシール、接着等の技術を適宜、用いることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、コード化された周波数に一致反応するRF式無線タグ(以下、単に「無線タグ」ということがある。)と、その電波を送受信するコントロールモジュールとアンテナとリーダとカスタムコントローラからなる反射波の周波数読取装置により、証明書(免許証、パスポート、権利書等)や有価証券(紙幣、株券、小切手、約束手形、債券、商品券等)、カード(クレジットカード、プリペイドカード等)やブランド商品等あらゆる有価物に対し偽造品を確実に判定できるようにしたシステムである。
【0016】
「RF式無線タグ」は、例えば、特開2002−245429に開示されているようなもので、図15(a),(b),(c)に示すように、コイルLと複数のコンデンサC1〜C4からなる電子回路が平面状に構成されたものが無線タグ10となり、コンデンサC1〜C4の設定により複数の共振周波数を設定することができ、周波数読取装置20により、反射波の共振周波数を読取るように構成したものである。その基本原理は既に周知であるから、詳細な説明は省略する。
【0017】
この無線タグより発信される各種の波長をデジタル化し、それぞれの目的・商品・種目・組織・国家等々に数値機密としたチャンネルを分配し、それを大容量のハード受信機器とセットで利用するようにする。このような構成にすれば、これら全てを解析し最新の大規模設備を用意し膨大な投資を行ってさらに大量生産をし、真正品と同等の物をさらに低コストで作らないと偽造コストに経済的価値が無くなるので、偽造防止に多大な貢献をすることができる。
【0018】
RF式無線タグは、RF(radio frequency、すなわち、無線周波数)やRF ID(radio frequency identification chip)を利用し、電磁波発生装置より発生した電磁誘導に対し受信起電力によって起こる共振周波数の反射波を放出する構造体である。この構造体の平面積は出来る限り小さい(最大18cm2、最小4cm2を許容範囲とする。)ことが望ましい。又、厚さは、最小2ミクロン±0.1ミクロン、最大16ミクロン±0.2ミクロンを許容範囲とする。このような構造仕様で無線タグを作れば、プラスチック・フィルム・紙等の中に閉じ込めて一体化することができ、同質の物を作るには高度な技術と大規模な設備を要するので、偽造が大変困難となる。
【0019】
本発明で使用するRF式の無線タグは、現在まで様々な方法で開発されている盗難防止タグとは根本から用途が違い、大掛かりなゲートセンサ装置(電波の届く距離を1スパン当たり最大2メートルと設定している。)を必要としない利点がある。このゲートセンサは、電磁周波数を国際電波法の許容の範囲で設定し使用しており、また出力も周波数と同様に制限されている。本発明では、これらの制限された許容数値に全くとらわれることがない、クローズドサーキット(閉回路)と呼ばれている電波法での特別許容とされる微弱電流を利用するシステム構造で構成することができる。これにより、微弱電波の波長と出力の組合わせによりチャンネルを多数化し利用できるので、これらの数値を未公開とすることで、この数値を全て盗み出し解読するのは非常に困難なものとなるのである。
【0020】
無線タグの構造体には、現在、商品化され量産されている製品では、RF共振タグの場合、米国チェックポイント社製(1992年開発、26mm×23mm×0.025mm)、RFIDの場合、日立製作所製(2001年開発、世界最小粉末状半導体チップ、0.40mm×0.40mm×0.060mm)が知られている。
【0021】
しかし、本発明では、普通紙等に、手で触っても感覚的に感じない厚さに閉じ込めることが必要であるから、無線タグの構造体の厚さを、最大16ミクロン程度に抑えることが望ましい。材料、製法を適切に選定すれば、このような数値は十分に実現可能になっている。
【0022】
反射波周波数読取装置は、それぞれに数値設定された無線タグより発信された波長(一例として、RF波を利用した場合、誘導起電力により反射波として発信された微弱波長。)が予めDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等でデジタル変換してソフト化し文字チャンネルや数値チャンネルに分類し、それぞれの項目に振分けて記号(未公開)化した上で設定される。この時、反射波周波数読取装置(偽造品判定装置)には、既にこれらの波長信号数値を全てメモリ化して組込んで置くものとする。
【0023】
図1に、本発明のシステムの概要図を示す。▲1▼▲2▼金融カード・▲3▼プリペイドカード・▲4▼各種証明書及びブランド品がそれぞれ、アンテナ付帯型リーダライタ(リーダ及びゲート)を無接触で通過すると、リーダライタと接続されているカスタムコントローラ内の周波数コードナンバー解析装置は、問題の物品と一体化された無線タグより発信されているコードナンバー信号(共振周波数)を解析し、デジタル表示する。反射波の周波数は、物品ごとに、コード化され振分けられており、解析は、受信した周波数をデジタル変換してコード化することによって行われる。
【0024】
▲4▼各種証明書及びブランド品は、真正品と偽造品の判定をするのみで終了する。▲3▼プリペイドカード及び▲1▼▲2▼金融カードは、真正品であると判定した場合、従来使用されているATM及び磁気リーダ機器へのアクセスが可能とされ、ATM及び磁気リーダ機器の処理段階に進む。
【0025】
また、▲3▼プリペイドカード及び▲1▼▲2▼金融カードの偽造品がリーダライタ(リーダ及びゲート)上を無接触で通過すると、カスタムコントローラ内の周波数コードナンバー解析装置が働き、「全てのコードに該当せず」と判定して「NO」を表示する。この結果、この物品は「偽造品」と断定されるとともに、全ての機器に対するアクセスを拒絶され、「偽造品」として防犯システムが作動することになる。
【0026】
銀行預金カードにおける、本発明のシステムのフローチャートを図2に示す。ここで、不正カード判定装置が、カードに取付けられた無線タグの波長を検知することで真正品と偽造品の判定を行なう。真正品と判定された場合、従来のATM操作に自動でアクセス(ATMに接続)され、通常と同様の操作へと自動的に切替わる動作を行うものとする。
【0027】
一方、偽造品と判定された場合、その瞬間にATMへのアクセスを自動的に遮断するように構成する。また、偽造品と判定とされた場合のみ、自動的に防犯装置にアクセスして警報が作動し、各防犯担当者及び所轄の警備保障会社や警察署に自動通報されるようにする。
【0028】
また、クレジットカードにおける、本発明のシステムのフローチャートを図3に、プリペイドカードにおける本発明のシステムのフローチャートを図4にそれぞれ示す。これらのシステムも、銀行預金カードと同様に、不正カード判定装置で、偽造品の判定が行なわれる。
【0029】
次に、ブランド商品における、本発明のシステムのフローチャートを図5に示す。ここでは、本発明による偽造品判定装置が、商品に取付けられた無線タグの波長を検知することで偽造品の判定が行なわれる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によると、無線タグと無線タグから発信された反射波を検出する反射波周波数読取装置を用いることにより、比較的低コストで、時間と手間がかからず、正確に偽造品の判定ができるシステムの提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステムの概要図。
【図2】本発明のシステムにおける、銀行預金カードの使用手順のフローチャート。
【図3】本発明のシステムにおける、クレジットカードの使用手順のフローチャート。
【図4】本発明のシステムにおける、プリペイドカードの使用手順のフローチャート。
【図5】本発明のシステムにおける、ブランド商品の流れのフローチャート。
【図6】従来の銀行預金カード作成の過程を示すフローチャート。
【図7】従来の銀行預金カードシステムのブロック図。
【図8】従来のクレジットカードシステムのブロック図。
【図9】従来のプリペイドカードシステムのブロック図。
【図10】従来のブランド商品の流通経路のブロック図。
【図11】従来の銀行預金カードの使用手順のフローチャート。
【図12】従来のクレジットカードの使用手順のフローチャート。
【図13】従来のプリペイドカードの使用手順のフローチャート。
【図14】従来のブランド商品の流れのフローチャート。
【図15】(a),(b),(c)はRF式無線タグの作動原理を説明する図。
【符号の説明】
10 RF式無線タグ
20 周波数読取装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種証明書、有価証券、カード、ブランド商品等の物品の本物、偽物の判定(以下、「真偽判定」という。)を行なうシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、金融カード(銀行カード、クレジットカード、プリペイドカード等)や、証明書(IDカード、運転免許証、パスポート等)は、何れも、信用性においては最も高いとされている国家機関や各行政府や金融機関(銀行、証券会社、クレジット会社等)や政府系大企業が大多数を発行し、発行者の信用により多くの人の間で広く使用されている。特に、クレジットカードのような金融カードは、非常に便利なものとして今後も多大な成長を続けていくと思われる。しかし、その偽造による被害額も、カードの成長に比例する形で膨張しているのが実情である。これは、特殊な印刷技術、特殊な溶剤や材質を用いた技術、バーコード式管理情報、或いは記憶情報(磁気等)に関する技術に対しては、いとも簡単に偽造品を製造することや、情報をコピーすることが可能であることによる。
【0003】
これはカード自体の理論的欠陥によるものである。すなわち、磁気記録媒体の情報の記憶や記録の書込み及び書換えや再生を、IDナンバーを入力して行う現在のシステムに大きな弱点があるからである。情報を入力できる方式があれば、その方式を利用してコピーすれば、幾らでも同じ情報を作ることが出来る。
【0004】
また、IDナンバー(暗証コード)を盗んだりコピーしたりすれば、情報の盗難及び偽造を簡単に行うことができる。IDナンバーを必要としないプリペードカード(磁気記録方式)は、正式に入力された記録をメモリ読取り機で不正にコピーし、同質の未入力カード及び使用済みカードを改竄した上に再度不正にコピーしたデータを再入力及び新規入力して偽造カードを大量に作り、一般市場に正規カードより安く供給して利用させることが横行している。これらが繰返されることによる損害は多額に上り、発券元(正式発行者)や損害保険会社は多大な損害を蒙っているのが実情である。
【0005】
図6は従来の銀行預金カード作成の過程を示すフローチャートである。図に示すように、クレジットカード及び銀行預金カード等の金融カードは、利用者個々に別々のIDナンバーを持たせて、通帳及び印鑑の代用として、各種の金融機関(銀行及びクレジット会社等々)が個々の利用者と契約を締結した上で、それぞれ独自に発行されている。一般的には、コストが比較的安価なカード接触型の磁気記録方式が多く用いられているが、情報量が大容量で、しかも非接触方式で利用が出来るICメモリ型も、次第に多くなりつつある。
【0006】
金融機関は、カード利用者の情報を非公開にし、個々の秘密情報の第三者への漏洩や窃取を防ぐセキュリティ対策に万全を期している。しかし、いとも簡単に個々の機密情報をコピーされたり窃取されたり、本人の気付かない間に現金を引き出されたり、借りられたりしている事件が頻繁に起きており、現代の一大社会問題になっている。これらによって被害者と金融会社との間で民事損害賠償請求訴訟が頻繁に起きており、解決に時間と費用を要している。
【0007】
次に、図7に、従来の銀行預金カードシステムのブロック図、図11に従来の銀行預金カードの使用手順のフローチャートを示す。図に示すように、従来の方式による情報守秘は、情報の読み書きが出来るカードリーダ(カード内に納められた情報の出し入れが出来る専用機器)により、IDナンバーの照合が合致した時に初めてそのカード内にある情報にアクセス出来る仕組みによって成立っている。しかし、このようなシステムでは、カードの真偽を判定することはできない。
【0008】
図8に、従来のクレジットカードシステムのブロック図、図12に従来のクレジットカードの使用手順のフローチャート、図9に、従来のプリペイドカードシステムのブロック図、図13に従来のプリペイドカードの使用手順のフローチャートをそれぞれ示す。これらのシステムも、銀行預金カードシステムと同様、カードの真偽を判定するようにはなっていない。
【0009】
また、ブランド品といわれる様々な商品については、周知のとおり、偽造品が蔓延している。偽造品の判定は、それらブランド品の情報を知りえた特定の人物以外は殆ど困難な状況にある。そして、ブランド直営販売店の専門担当者でも、正確にそして即座に真偽を判定するのは容易なことではない。
【0010】
図10に、従来のブランド商品の流通経路のブロック図、図14に従来のブランド商品の流れのフローチャートを示す。このような流通形態において、ブランド偽造品を完全に排除するのは困難であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、偽造カード、偽造ブランド品の被害は膨大に額になっているにも拘らず、従来の対策は、偽造カード防止のために、ICカード化が進められている程度であり、ICカードは高価であるため、本発明で考慮しているような大規模な真偽判定システムに使用するにはコスト的に不向きと言わざるを得ない。
【0012】
本発明は、上述の問題に鑑み、低コストで、時間と手間がかからず、正確に物品の真偽判定ができるシステムの提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、真偽の判定を要する物品にRF式無線タグを一体化させておき、反射波の周波数読取装置により、前記RF式無線タグからの反射波が所定の共振周波数のものであるか否かを検知することにより、前記物品の真偽判定を行うことを特徴とする物品の真偽判定システムによって、前記の課題を解決する。
【0014】
【作用】
本発明によれば、RF式無線タグと、RF式無線タグから発信された反射波の周波数を読取る周波数読取装置との組合せにより、大量生産によって低コスト化が可能であり、各種カード(銀行カード、クレジットカード、プリペイドカード等)や証明書(IDカード、運転免許証、パスポート等)等あらゆる物に対応でき、安全性が高く、それぞれが用途や内容により自由に設定でき、真正品と偽造品が瞬時に判定できるシステムの提供が可能となる。物品にRF式無線タグを一体化させるには、印刷、蒸着、エッチング、ラミネーション、ヒートシール、接着等の技術を適宜、用いることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、コード化された周波数に一致反応するRF式無線タグ(以下、単に「無線タグ」ということがある。)と、その電波を送受信するコントロールモジュールとアンテナとリーダとカスタムコントローラからなる反射波の周波数読取装置により、証明書(免許証、パスポート、権利書等)や有価証券(紙幣、株券、小切手、約束手形、債券、商品券等)、カード(クレジットカード、プリペイドカード等)やブランド商品等あらゆる有価物に対し偽造品を確実に判定できるようにしたシステムである。
【0016】
「RF式無線タグ」は、例えば、特開2002−245429に開示されているようなもので、図15(a),(b),(c)に示すように、コイルLと複数のコンデンサC1〜C4からなる電子回路が平面状に構成されたものが無線タグ10となり、コンデンサC1〜C4の設定により複数の共振周波数を設定することができ、周波数読取装置20により、反射波の共振周波数を読取るように構成したものである。その基本原理は既に周知であるから、詳細な説明は省略する。
【0017】
この無線タグより発信される各種の波長をデジタル化し、それぞれの目的・商品・種目・組織・国家等々に数値機密としたチャンネルを分配し、それを大容量のハード受信機器とセットで利用するようにする。このような構成にすれば、これら全てを解析し最新の大規模設備を用意し膨大な投資を行ってさらに大量生産をし、真正品と同等の物をさらに低コストで作らないと偽造コストに経済的価値が無くなるので、偽造防止に多大な貢献をすることができる。
【0018】
RF式無線タグは、RF(radio frequency、すなわち、無線周波数)やRF ID(radio frequency identification chip)を利用し、電磁波発生装置より発生した電磁誘導に対し受信起電力によって起こる共振周波数の反射波を放出する構造体である。この構造体の平面積は出来る限り小さい(最大18cm2、最小4cm2を許容範囲とする。)ことが望ましい。又、厚さは、最小2ミクロン±0.1ミクロン、最大16ミクロン±0.2ミクロンを許容範囲とする。このような構造仕様で無線タグを作れば、プラスチック・フィルム・紙等の中に閉じ込めて一体化することができ、同質の物を作るには高度な技術と大規模な設備を要するので、偽造が大変困難となる。
【0019】
本発明で使用するRF式の無線タグは、現在まで様々な方法で開発されている盗難防止タグとは根本から用途が違い、大掛かりなゲートセンサ装置(電波の届く距離を1スパン当たり最大2メートルと設定している。)を必要としない利点がある。このゲートセンサは、電磁周波数を国際電波法の許容の範囲で設定し使用しており、また出力も周波数と同様に制限されている。本発明では、これらの制限された許容数値に全くとらわれることがない、クローズドサーキット(閉回路)と呼ばれている電波法での特別許容とされる微弱電流を利用するシステム構造で構成することができる。これにより、微弱電波の波長と出力の組合わせによりチャンネルを多数化し利用できるので、これらの数値を未公開とすることで、この数値を全て盗み出し解読するのは非常に困難なものとなるのである。
【0020】
無線タグの構造体には、現在、商品化され量産されている製品では、RF共振タグの場合、米国チェックポイント社製(1992年開発、26mm×23mm×0.025mm)、RFIDの場合、日立製作所製(2001年開発、世界最小粉末状半導体チップ、0.40mm×0.40mm×0.060mm)が知られている。
【0021】
しかし、本発明では、普通紙等に、手で触っても感覚的に感じない厚さに閉じ込めることが必要であるから、無線タグの構造体の厚さを、最大16ミクロン程度に抑えることが望ましい。材料、製法を適切に選定すれば、このような数値は十分に実現可能になっている。
【0022】
反射波周波数読取装置は、それぞれに数値設定された無線タグより発信された波長(一例として、RF波を利用した場合、誘導起電力により反射波として発信された微弱波長。)が予めDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等でデジタル変換してソフト化し文字チャンネルや数値チャンネルに分類し、それぞれの項目に振分けて記号(未公開)化した上で設定される。この時、反射波周波数読取装置(偽造品判定装置)には、既にこれらの波長信号数値を全てメモリ化して組込んで置くものとする。
【0023】
図1に、本発明のシステムの概要図を示す。▲1▼▲2▼金融カード・▲3▼プリペイドカード・▲4▼各種証明書及びブランド品がそれぞれ、アンテナ付帯型リーダライタ(リーダ及びゲート)を無接触で通過すると、リーダライタと接続されているカスタムコントローラ内の周波数コードナンバー解析装置は、問題の物品と一体化された無線タグより発信されているコードナンバー信号(共振周波数)を解析し、デジタル表示する。反射波の周波数は、物品ごとに、コード化され振分けられており、解析は、受信した周波数をデジタル変換してコード化することによって行われる。
【0024】
▲4▼各種証明書及びブランド品は、真正品と偽造品の判定をするのみで終了する。▲3▼プリペイドカード及び▲1▼▲2▼金融カードは、真正品であると判定した場合、従来使用されているATM及び磁気リーダ機器へのアクセスが可能とされ、ATM及び磁気リーダ機器の処理段階に進む。
【0025】
また、▲3▼プリペイドカード及び▲1▼▲2▼金融カードの偽造品がリーダライタ(リーダ及びゲート)上を無接触で通過すると、カスタムコントローラ内の周波数コードナンバー解析装置が働き、「全てのコードに該当せず」と判定して「NO」を表示する。この結果、この物品は「偽造品」と断定されるとともに、全ての機器に対するアクセスを拒絶され、「偽造品」として防犯システムが作動することになる。
【0026】
銀行預金カードにおける、本発明のシステムのフローチャートを図2に示す。ここで、不正カード判定装置が、カードに取付けられた無線タグの波長を検知することで真正品と偽造品の判定を行なう。真正品と判定された場合、従来のATM操作に自動でアクセス(ATMに接続)され、通常と同様の操作へと自動的に切替わる動作を行うものとする。
【0027】
一方、偽造品と判定された場合、その瞬間にATMへのアクセスを自動的に遮断するように構成する。また、偽造品と判定とされた場合のみ、自動的に防犯装置にアクセスして警報が作動し、各防犯担当者及び所轄の警備保障会社や警察署に自動通報されるようにする。
【0028】
また、クレジットカードにおける、本発明のシステムのフローチャートを図3に、プリペイドカードにおける本発明のシステムのフローチャートを図4にそれぞれ示す。これらのシステムも、銀行預金カードと同様に、不正カード判定装置で、偽造品の判定が行なわれる。
【0029】
次に、ブランド商品における、本発明のシステムのフローチャートを図5に示す。ここでは、本発明による偽造品判定装置が、商品に取付けられた無線タグの波長を検知することで偽造品の判定が行なわれる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によると、無線タグと無線タグから発信された反射波を検出する反射波周波数読取装置を用いることにより、比較的低コストで、時間と手間がかからず、正確に偽造品の判定ができるシステムの提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステムの概要図。
【図2】本発明のシステムにおける、銀行預金カードの使用手順のフローチャート。
【図3】本発明のシステムにおける、クレジットカードの使用手順のフローチャート。
【図4】本発明のシステムにおける、プリペイドカードの使用手順のフローチャート。
【図5】本発明のシステムにおける、ブランド商品の流れのフローチャート。
【図6】従来の銀行預金カード作成の過程を示すフローチャート。
【図7】従来の銀行預金カードシステムのブロック図。
【図8】従来のクレジットカードシステムのブロック図。
【図9】従来のプリペイドカードシステムのブロック図。
【図10】従来のブランド商品の流通経路のブロック図。
【図11】従来の銀行預金カードの使用手順のフローチャート。
【図12】従来のクレジットカードの使用手順のフローチャート。
【図13】従来のプリペイドカードの使用手順のフローチャート。
【図14】従来のブランド商品の流れのフローチャート。
【図15】(a),(b),(c)はRF式無線タグの作動原理を説明する図。
【符号の説明】
10 RF式無線タグ
20 周波数読取装置
Claims (4)
- 真偽の判定を要する物品にRF式無線タグを一体化させておき、反射波の周波数読取装置により、前記RF式無線タグからの反射波が所定の共振周波数のものであるか否かを検知することにより、前記物品の真偽判定を行うことを特徴とする、物品の真偽判定システム。
- 前記反射波の共振周波数がコード化されている、請求項1の真偽判定システム。
- 前記周波数読取装置が、受信した前記周波数をデジタル変換してコード化する、請求項1又は2の真偽判定システム。
- 前記物品がカードで、該カードが偽物と判定された場合、その後の処理を拒否するシステムをさらに具えた、請求項1から3のいずれかの真偽判定システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002318233A JP2004152126A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 物品の真偽判定システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002318233A JP2004152126A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 物品の真偽判定システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004152126A true JP2004152126A (ja) | 2004-05-27 |
Family
ID=32461407
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002318233A Pending JP2004152126A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 物品の真偽判定システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004152126A (ja) |
-
2002
- 2002-10-31 JP JP2002318233A patent/JP2004152126A/ja active Pending
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