JP2004150798A - Fbgセンシング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の波長に対して計測可能な高分解能でかつ応答速度の速い波長計を提供することを課題とし、複数の波長を計測する場合でも1つの波長検出手段で行えるFBGセンシング装置を提供することを課題とする。
【解決手段】複数の信号光の波長からから任意の単一波長を選択する可変バンドパスフィルタと透過損失あるいは反射損失に周期的な波長依存性を持たせたエタロンフィルタを波長検出手段とし、FBGからの反射光あるいは透過光の信号光の波長数が、前記波長検出手段の1周期内に1波長以下になるように配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の信号光の波長からから任意の単一波長を選択する可変バンドパスフィルタと透過損失あるいは反射損失に周期的な波長依存性を持たせたエタロンフィルタを波長検出手段とし、FBGからの反射光あるいは透過光の信号光の波長数が、前記波長検出手段の1周期内に1波長以下になるように配置する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、FBGを用いて歪計測を行うFBGセンシング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバセンシング分野において、FBG(ファイバ・ブラッグ・グレーティング)はASE(Amplified Spontaneous Emission)光源と組み合わせて、構造物の歪計測に用いられている。FBGはグレーティング間隔で決まる特定の光を反射する。FBGの反射波長幅(−3dB幅)は約0.1nmで、FBGに応力が加わり延び縮みする(FBGが歪む)ことでFBGの反射波長が変化する。このFBGを構造物の測定ヶ所に取り付けASE光を入射し、反射波長を波長計等で測定すればFBGの歪み、すなわち構造物の歪みが計測できる。
【0003】
上記の光ファイバセンシングでは30Km程遠方まで光ファイバを張り巡らせ、その地点の歪み量測定が可能である。光ファイバの伝送損失、FBG損失があるので、測定距離を伸ばしさらに測定点数を増やすためには、広帯域光源として高出力で広帯域なASE光源を用いられる。また精度良く反射波長を計測することが必要である。
【0004】
広帯域光源であるASE光源としては、特許文献2において波長範囲100nm程度で光パワースペクトラム密度−20dB/nm以上の物が示されている。
【0005】
また波長1550nmで用いられるFBGの場合、反射波長の変化は1.2pm/μストレイン程度である。即ちFBGからの反射波長の変化を1pmの分解能で計測すれば1μストレインの分解能で歪み計測が可能となる。
【0006】
非特許文献1によれば波長計の応答速度は、地震時の振動計測を想定すると100〜200Hzが求められている。
【0007】
図6(a)は特許文献1に示されているFBGセンシング装置の構成図で、特に波長を計測する波長計について詳しく述べたものである。
【0008】
広帯域光源101、光を分岐する2×2カプラ102、歪みセンサーであるFBG103、光を分岐する2×2カプラ104、波長依存性を持つ狭帯域フィルタ105、検出器106で構成されている。
【0009】
広帯域光源101から出力された光は2×2カプラ102を経由しFBG103に導かれる。FBG103では特定の波長が反射され2×2カプラ102に戻り、分岐され2×2カプラ104に導かれてさらにAとBの2つに分岐されて狭帯域フィルタ105を通過し検出器106で電気信号に変換される。
【0010】
狭帯域フィルタ105は図6(b)に示すような波長依存性を持ち、FBG103の反射波長を検出することが出来る。
【0011】
図7は図6のFBGセンシング装置を用いて複数の波長計測をする場合を想定した構成図である。5波の波長計測の場合には分波器20と5つの波長計21〜25で構成されている。分波器20は入力された5つの波長(λ1〜λ5)を波長毎に分岐し、それぞれに波長計用意する。このように従来技術を用いて複数の波長を計測する場合は、複数の波長から1つの波長を切り出すための分波器と波長数に応じた数量の波長計が必要になることが容易に想定できる。
【0012】
図8は特許文献3において示されている波長モニターの構成図である。入射した光源からの光をビームサンプラ211で分岐し、わずかに角度の異なる2つの分岐光を得る。この分岐光をエタロン213に入射し、その出力光に基づいて、波長変化分を求める。ビームサンプラ211の透過光をビームサンプラ212で分岐し、他の分岐光を得る。その分岐光を直接及びスロープフィルタ218を介して受光し入射光の基準波長を得る。そして基準波長と波長変化分とを加算して入射光の正確な波長を得ている。
【0013】
また特許文献3は波長可変光源の出力光の波長を制御することを主目的とした波長計である。波長可変光源における波長制御の実施例で光バンドパスフィルタが使われているが、これは出力光の波形を整形するためのものであって、波長可変光源の出力波長と連動させて使用している。
【0014】
【特許文献1】米国特許第5,319,435号
【特許文献2】特開2001−135880号
【特許文献3】特開2000−223761号
【非特許文献1】三田 彰、第25回光波センシング技術研究会講演論文集、2000年6月、LST25−16,PP111〜116
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特許文献1及び特許文献2を用いた場合FBGが1個の場合に有効であるが、複数のFBGに対する波長計測は出来なかった。そのため複数の波長計測を行うFBGセンシング装置の場合には図7のように構成する必要があり、複数の波長計が必要になってしまうという欠点があった。
【0016】
ここでは複数の波長に対しても計測可能な高分解能でかつ応答速度の速い波長計を提供し、複数の波長を計測する場合でも1つの波長検出手段で行えるFBGセンシング装置を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明はこれらの課題を解決するためのものであり、広帯域光源と、該広帯域光源からの出力光を導出する光ファイバと、該光ファイバに備えられた上記出力光を反射するFBGと前記FBGからの反射光の波長を検出する波長計とから構成されるFBGセンシング装置において、上記、波長計は任意の波長を選択可能な波長可変光フィルと、透過損失あるいは反射損失に波長依存性を持たせた波長検出手段を有することを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記波長検出手段の透過損失あるいは反射損失に周期的な波長依存性を持たせたことを特徴とする。
【0019】
さらに本発明は、前記光フィルタは選択波長を可変可能な波長可変光フィルタであり、前記波長検出手段はエタロンフィルタであることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、FBGからの反射光あるいは透過光の波長は、前記波長検出手段の周期的透過損失あるいは周期的反射損失の最大値と最小値の中間波長付近に配置したことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に実施例として、本発明によるFBGセンシング装置について説明する。
【0022】
本発明のFBGセンシング装置について図1を用いて説明する。高出力ASE光源10、波長計11、光サーキュレータ12、光ファイバ13、FBG14〜FBG18で構成されている。
【0023】
高出力ASE光源から出力されたASE光は光サーキュレータ12を通過し光ファイバ13に接続された各FBG14〜18から特定波長の光が反射される。ここでFBGの反射波長は各々異なるように設計されて、波長計11の透過特性の1周期には1波以下の反射波長が割り付けられていて、反射波長は周期的な透過損失の最大値と最小値のほぼ中間である1/3〜2/3の範囲に配置にした。
【0024】
また反射された光は光サーキュレータ12を介して波長計11に導かれ波長が計測され、計測用コンピュータ24でFBGの歪み量に変換される。
【0025】
図2は本発明の波長計部分の実施形態を示す構成図である。被測定信号光の入力端1、特定の波長を透過させる波長可変光バンドパスフィルタ2、光を2方向に分岐する光分岐器3、周期性を持ち透過損失に波長依存性を持つエタロンフィルタ4、光信号を電気信号に変換する検出器5及び6、電気信号を演算するための演算器7で構成されている。
【0026】
ある波長を有する複数の信号光を信号光入力端子1から入力させ、計測したい特定波長だけを透過させるように波長可変光バンドパスフィルタ2を調整する。透過した光は光分岐器3で2つに分岐され、その一方はエタロンフィルタ4を透過しピンフォトダイオードで構成される検出器5に導かれ電気信号に変換され、他方はピンフォトダイオードで構成される検出器6に導かれる。
【0027】
エタロンとはガラス、または水晶の極めて平面度のよい平行平面板の両面に金属膜または誘電体多層膜を付けて反射率を上げた光学素子、または2枚の極めて平面度のよいガラス板の反射率を上げた面を向かい合わせ平行に保持した光学素子である。エタロンに光が入射すると平行な2つの光反射面(一部透過)で光が多重反射するため多重干渉となる。この結果透過ピークが周期的に現れるためフィルタとして使用されることが多く、エタロンフィルタと呼ばれる。
【0028】
エタロンフィルタ4は先に述べた構成のものであり、エタロンの厚み、屈折率、光の入射角で決まる透過特性を持ち、周期的な波長依存性を持つため検出器5では信号光の波長を電気信号の強度として検出できる。但し検出器5の出力は入力信号光の強度変化があった場合に正しい波長検出が出来なくなってしまう。
【0029】
エタロンフィルタ4の透過特性の周期は測定波長範囲及び測定分解能と大きき関係している。周期を大きくして測定範囲を広げれば測定分解能が下がり、狭めれば分解能を高めることが出来る。信号光ノイズ、検出器5等の電気ノイズ成分は必ず残っているので、測定範囲を広げていくと分解能が低下してしまうのである。
【0030】
ここではその問題を避けるために、本実施形態のようにエタロンフィルタ4を用いて周期を適切に選択し分解能を低下させずに、測定範囲を広げている。
【0031】
また検出器6に導かれた信号光は電気信号に変換され、検出器5の電気信号出力との比を演算器7で演算することによって入力信号光の強度変化の影響を無くして信号光の波長検出が正しく出来る。
【0032】
波長可変光バンドパスフィルタの透過特性は測定信号光だけを取り出せるようなものとし、他の信号光を遮断し計測の誤差にならないような特性が必要である。
【0033】
また波長可変光バンドパスフィルタ2の透過波長をスキャンし、スキャンと同期させて演算器7の出力をモニターして複数の信号光の波長計測もできる。この場合は複数の波長計測が出来るが、スキャン時間の分だけ計測時間が必要になる。
【0034】
【実施例】
図1に示す本発明のFBGセンシング装置を作成した。
【0035】
高出力ASE光源は特許文献2のもので波長範囲100nm程度で光パワースペクトラム密度−20dB/nm以上の広帯域光源である。FBG14〜FBG18の中心反射波長はそれぞれ1535nm、1539nm、1543nm、1547nm、1551nmに設定している。
【0036】
波長可変光バンドパスフィルタ2は1530nm〜1570nmまで電圧制御により可変可能でその分解能は0.1nmである。図3に波長可変光バンドパスフィルタ2の1535nm付近での透過特性を示す。半値幅(±3dB)は±0.8nmで、中心波長から5nm離れたところで18dB落ちである。即ち測定信号光と他の信号光を5nm離せば他の信号光は1/63に圧縮され、他の信号光の影響は1.6%誤差を伴う。
【0037】
この誤差を少なくするためには波長可変光バンドパスフィルタ2の遮断特性をさらに急峻なものにする必要がある。
【0038】
図5はエタロンフィルタ4の透過特性である。4nm周期で同じ透過特性が繰り返されている。図5では1531nm〜1548nmの範囲を示しているが1530nm〜1570nmの範囲まで同じ特性が繰り返されている。
【0039】
図3は図2に示す本実施例における波長検出特性である。1535nmを中心に±0.5nm範囲において検出可能である。図示はしていないが1531nm、1539nm、1543nm、1547nm、1551nm、1555nm、1559nm、1563nm、1567nmの波長を中心とした測定も同じ特性となる。
【0040】
この結果、波長可変光バンドパスフィルタを特定波長に固定すれば、検出器5及び6のピンフォトダイオードと周辺回路の応答速度まで可能な高速応答(ここでは100KHz以上)が可能である。また分解能に関しては、演算回路7の電気出力の1/1000は装置ノイズを含めても容易に実現できる。従ってエタロンフィルタ4での検出範囲を±0.5nmに取っているので、分解能は±0.5pm以下の高分解能が可能となる。
【0041】
また波長可変光バンドパスフィルタ2をスキャンして複数波長を計測する場合は、応答速度はスキャン速度に依存してしまうが、測定分解能は同じく高分解能が可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、波長可変光バンドパスフィルタと周期性のあるエタロンフィルタとしたことによって複数の波長に対しても計測可能な高分解能でかつ応答速度の速い波長計を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるFBGセンシング装置の実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明における波長計の実施形態を示す構成図である。
【図3】本発明における波長計の出力特性を示すグラフである。
【図4】本発明で用いた波長可変光バンドパスフィルタの透過特性を示すグラフである。
【図5】本発明で用いたエタロンフィルタの波長透過特性を示すグラフである。
【図6】(a)(b)は従来のFBGセンシング装置を示す図である。
【図7】従来のFBGセンシング装置を用いて多波長計測する場合を示す図である。
【図8】従来の波長計を示す図である
【符号の説明】
1:入力端
2:波長可変光バンドパスフィルタ
3:分岐器
4:エタロンフィルタ
5: 検出器
6:検出器
7:演算器
10:高出力ASE光源
11:波長計
12:光サーキュレータ
13:光ファイバ
14〜18:FBG
19:計測用コンピュータ
20:分波器
21〜25:波長計
101:広帯域光源
102、104:2×2カプラ
103:FBG
105:狭帯域フィルタ
106:検出器
211〜212:ビームサンプラ
213:エタロン
214〜217:フォトダイオード
218:スロープフィルタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、FBGを用いて歪計測を行うFBGセンシング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバセンシング分野において、FBG(ファイバ・ブラッグ・グレーティング)はASE(Amplified Spontaneous Emission)光源と組み合わせて、構造物の歪計測に用いられている。FBGはグレーティング間隔で決まる特定の光を反射する。FBGの反射波長幅(−3dB幅)は約0.1nmで、FBGに応力が加わり延び縮みする(FBGが歪む)ことでFBGの反射波長が変化する。このFBGを構造物の測定ヶ所に取り付けASE光を入射し、反射波長を波長計等で測定すればFBGの歪み、すなわち構造物の歪みが計測できる。
【0003】
上記の光ファイバセンシングでは30Km程遠方まで光ファイバを張り巡らせ、その地点の歪み量測定が可能である。光ファイバの伝送損失、FBG損失があるので、測定距離を伸ばしさらに測定点数を増やすためには、広帯域光源として高出力で広帯域なASE光源を用いられる。また精度良く反射波長を計測することが必要である。
【0004】
広帯域光源であるASE光源としては、特許文献2において波長範囲100nm程度で光パワースペクトラム密度−20dB/nm以上の物が示されている。
【0005】
また波長1550nmで用いられるFBGの場合、反射波長の変化は1.2pm/μストレイン程度である。即ちFBGからの反射波長の変化を1pmの分解能で計測すれば1μストレインの分解能で歪み計測が可能となる。
【0006】
非特許文献1によれば波長計の応答速度は、地震時の振動計測を想定すると100〜200Hzが求められている。
【0007】
図6(a)は特許文献1に示されているFBGセンシング装置の構成図で、特に波長を計測する波長計について詳しく述べたものである。
【0008】
広帯域光源101、光を分岐する2×2カプラ102、歪みセンサーであるFBG103、光を分岐する2×2カプラ104、波長依存性を持つ狭帯域フィルタ105、検出器106で構成されている。
【0009】
広帯域光源101から出力された光は2×2カプラ102を経由しFBG103に導かれる。FBG103では特定の波長が反射され2×2カプラ102に戻り、分岐され2×2カプラ104に導かれてさらにAとBの2つに分岐されて狭帯域フィルタ105を通過し検出器106で電気信号に変換される。
【0010】
狭帯域フィルタ105は図6(b)に示すような波長依存性を持ち、FBG103の反射波長を検出することが出来る。
【0011】
図7は図6のFBGセンシング装置を用いて複数の波長計測をする場合を想定した構成図である。5波の波長計測の場合には分波器20と5つの波長計21〜25で構成されている。分波器20は入力された5つの波長(λ1〜λ5)を波長毎に分岐し、それぞれに波長計用意する。このように従来技術を用いて複数の波長を計測する場合は、複数の波長から1つの波長を切り出すための分波器と波長数に応じた数量の波長計が必要になることが容易に想定できる。
【0012】
図8は特許文献3において示されている波長モニターの構成図である。入射した光源からの光をビームサンプラ211で分岐し、わずかに角度の異なる2つの分岐光を得る。この分岐光をエタロン213に入射し、その出力光に基づいて、波長変化分を求める。ビームサンプラ211の透過光をビームサンプラ212で分岐し、他の分岐光を得る。その分岐光を直接及びスロープフィルタ218を介して受光し入射光の基準波長を得る。そして基準波長と波長変化分とを加算して入射光の正確な波長を得ている。
【0013】
また特許文献3は波長可変光源の出力光の波長を制御することを主目的とした波長計である。波長可変光源における波長制御の実施例で光バンドパスフィルタが使われているが、これは出力光の波形を整形するためのものであって、波長可変光源の出力波長と連動させて使用している。
【0014】
【特許文献1】米国特許第5,319,435号
【特許文献2】特開2001−135880号
【特許文献3】特開2000−223761号
【非特許文献1】三田 彰、第25回光波センシング技術研究会講演論文集、2000年6月、LST25−16,PP111〜116
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特許文献1及び特許文献2を用いた場合FBGが1個の場合に有効であるが、複数のFBGに対する波長計測は出来なかった。そのため複数の波長計測を行うFBGセンシング装置の場合には図7のように構成する必要があり、複数の波長計が必要になってしまうという欠点があった。
【0016】
ここでは複数の波長に対しても計測可能な高分解能でかつ応答速度の速い波長計を提供し、複数の波長を計測する場合でも1つの波長検出手段で行えるFBGセンシング装置を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明はこれらの課題を解決するためのものであり、広帯域光源と、該広帯域光源からの出力光を導出する光ファイバと、該光ファイバに備えられた上記出力光を反射するFBGと前記FBGからの反射光の波長を検出する波長計とから構成されるFBGセンシング装置において、上記、波長計は任意の波長を選択可能な波長可変光フィルと、透過損失あるいは反射損失に波長依存性を持たせた波長検出手段を有することを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記波長検出手段の透過損失あるいは反射損失に周期的な波長依存性を持たせたことを特徴とする。
【0019】
さらに本発明は、前記光フィルタは選択波長を可変可能な波長可変光フィルタであり、前記波長検出手段はエタロンフィルタであることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、FBGからの反射光あるいは透過光の波長は、前記波長検出手段の周期的透過損失あるいは周期的反射損失の最大値と最小値の中間波長付近に配置したことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に実施例として、本発明によるFBGセンシング装置について説明する。
【0022】
本発明のFBGセンシング装置について図1を用いて説明する。高出力ASE光源10、波長計11、光サーキュレータ12、光ファイバ13、FBG14〜FBG18で構成されている。
【0023】
高出力ASE光源から出力されたASE光は光サーキュレータ12を通過し光ファイバ13に接続された各FBG14〜18から特定波長の光が反射される。ここでFBGの反射波長は各々異なるように設計されて、波長計11の透過特性の1周期には1波以下の反射波長が割り付けられていて、反射波長は周期的な透過損失の最大値と最小値のほぼ中間である1/3〜2/3の範囲に配置にした。
【0024】
また反射された光は光サーキュレータ12を介して波長計11に導かれ波長が計測され、計測用コンピュータ24でFBGの歪み量に変換される。
【0025】
図2は本発明の波長計部分の実施形態を示す構成図である。被測定信号光の入力端1、特定の波長を透過させる波長可変光バンドパスフィルタ2、光を2方向に分岐する光分岐器3、周期性を持ち透過損失に波長依存性を持つエタロンフィルタ4、光信号を電気信号に変換する検出器5及び6、電気信号を演算するための演算器7で構成されている。
【0026】
ある波長を有する複数の信号光を信号光入力端子1から入力させ、計測したい特定波長だけを透過させるように波長可変光バンドパスフィルタ2を調整する。透過した光は光分岐器3で2つに分岐され、その一方はエタロンフィルタ4を透過しピンフォトダイオードで構成される検出器5に導かれ電気信号に変換され、他方はピンフォトダイオードで構成される検出器6に導かれる。
【0027】
エタロンとはガラス、または水晶の極めて平面度のよい平行平面板の両面に金属膜または誘電体多層膜を付けて反射率を上げた光学素子、または2枚の極めて平面度のよいガラス板の反射率を上げた面を向かい合わせ平行に保持した光学素子である。エタロンに光が入射すると平行な2つの光反射面(一部透過)で光が多重反射するため多重干渉となる。この結果透過ピークが周期的に現れるためフィルタとして使用されることが多く、エタロンフィルタと呼ばれる。
【0028】
エタロンフィルタ4は先に述べた構成のものであり、エタロンの厚み、屈折率、光の入射角で決まる透過特性を持ち、周期的な波長依存性を持つため検出器5では信号光の波長を電気信号の強度として検出できる。但し検出器5の出力は入力信号光の強度変化があった場合に正しい波長検出が出来なくなってしまう。
【0029】
エタロンフィルタ4の透過特性の周期は測定波長範囲及び測定分解能と大きき関係している。周期を大きくして測定範囲を広げれば測定分解能が下がり、狭めれば分解能を高めることが出来る。信号光ノイズ、検出器5等の電気ノイズ成分は必ず残っているので、測定範囲を広げていくと分解能が低下してしまうのである。
【0030】
ここではその問題を避けるために、本実施形態のようにエタロンフィルタ4を用いて周期を適切に選択し分解能を低下させずに、測定範囲を広げている。
【0031】
また検出器6に導かれた信号光は電気信号に変換され、検出器5の電気信号出力との比を演算器7で演算することによって入力信号光の強度変化の影響を無くして信号光の波長検出が正しく出来る。
【0032】
波長可変光バンドパスフィルタの透過特性は測定信号光だけを取り出せるようなものとし、他の信号光を遮断し計測の誤差にならないような特性が必要である。
【0033】
また波長可変光バンドパスフィルタ2の透過波長をスキャンし、スキャンと同期させて演算器7の出力をモニターして複数の信号光の波長計測もできる。この場合は複数の波長計測が出来るが、スキャン時間の分だけ計測時間が必要になる。
【0034】
【実施例】
図1に示す本発明のFBGセンシング装置を作成した。
【0035】
高出力ASE光源は特許文献2のもので波長範囲100nm程度で光パワースペクトラム密度−20dB/nm以上の広帯域光源である。FBG14〜FBG18の中心反射波長はそれぞれ1535nm、1539nm、1543nm、1547nm、1551nmに設定している。
【0036】
波長可変光バンドパスフィルタ2は1530nm〜1570nmまで電圧制御により可変可能でその分解能は0.1nmである。図3に波長可変光バンドパスフィルタ2の1535nm付近での透過特性を示す。半値幅(±3dB)は±0.8nmで、中心波長から5nm離れたところで18dB落ちである。即ち測定信号光と他の信号光を5nm離せば他の信号光は1/63に圧縮され、他の信号光の影響は1.6%誤差を伴う。
【0037】
この誤差を少なくするためには波長可変光バンドパスフィルタ2の遮断特性をさらに急峻なものにする必要がある。
【0038】
図5はエタロンフィルタ4の透過特性である。4nm周期で同じ透過特性が繰り返されている。図5では1531nm〜1548nmの範囲を示しているが1530nm〜1570nmの範囲まで同じ特性が繰り返されている。
【0039】
図3は図2に示す本実施例における波長検出特性である。1535nmを中心に±0.5nm範囲において検出可能である。図示はしていないが1531nm、1539nm、1543nm、1547nm、1551nm、1555nm、1559nm、1563nm、1567nmの波長を中心とした測定も同じ特性となる。
【0040】
この結果、波長可変光バンドパスフィルタを特定波長に固定すれば、検出器5及び6のピンフォトダイオードと周辺回路の応答速度まで可能な高速応答(ここでは100KHz以上)が可能である。また分解能に関しては、演算回路7の電気出力の1/1000は装置ノイズを含めても容易に実現できる。従ってエタロンフィルタ4での検出範囲を±0.5nmに取っているので、分解能は±0.5pm以下の高分解能が可能となる。
【0041】
また波長可変光バンドパスフィルタ2をスキャンして複数波長を計測する場合は、応答速度はスキャン速度に依存してしまうが、測定分解能は同じく高分解能が可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、波長可変光バンドパスフィルタと周期性のあるエタロンフィルタとしたことによって複数の波長に対しても計測可能な高分解能でかつ応答速度の速い波長計を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるFBGセンシング装置の実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明における波長計の実施形態を示す構成図である。
【図3】本発明における波長計の出力特性を示すグラフである。
【図4】本発明で用いた波長可変光バンドパスフィルタの透過特性を示すグラフである。
【図5】本発明で用いたエタロンフィルタの波長透過特性を示すグラフである。
【図6】(a)(b)は従来のFBGセンシング装置を示す図である。
【図7】従来のFBGセンシング装置を用いて多波長計測する場合を示す図である。
【図8】従来の波長計を示す図である
【符号の説明】
1:入力端
2:波長可変光バンドパスフィルタ
3:分岐器
4:エタロンフィルタ
5: 検出器
6:検出器
7:演算器
10:高出力ASE光源
11:波長計
12:光サーキュレータ
13:光ファイバ
14〜18:FBG
19:計測用コンピュータ
20:分波器
21〜25:波長計
101:広帯域光源
102、104:2×2カプラ
103:FBG
105:狭帯域フィルタ
106:検出器
211〜212:ビームサンプラ
213:エタロン
214〜217:フォトダイオード
218:スロープフィルタ
Claims (4)
- 広帯域光源と、該広帯域光源からの出力光を導出する光ファイバと、該光ファイバに備えられた上記出力光を反射するFBG(ファイバ・ブラッグ・グレーティング)と、前記FBGからの反射光の波長を検出する波長計とから構成されるFBGセンシング装置において、上記波長計は任意の波長を選択可能な波長可変光フィルタと、透過損失あるいは反射損失に波長依存性を持たせた波長検出手段を有することを特徴とするFBGセンシング装置。
- 前記波長検出手段の透過損失あるいは反射損失に周期的な波長依存性を持たせたことを特徴とする請求項1記載のFBGセンシング装置。
- 前記波長検出手段はエタロンフィルタであることを特徴とする請求項1または2記載のFBGセンシング装置。
- FBGからの反射光の波長を、上記波長検出手段の周期的透過損失あるいは周期的反射損失の最大値と最小値の中間波長付近に配置したことを特徴とする請求項2記載のFBGセンシング装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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