JP2004150746A - スクリュ冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造の単純化、小型化、メンテナンスの負担軽減等を可能としたスクリュ冷凍装置を提供する。
【解決手段】スクリュ冷凍装置1は、スクリュ圧縮機11、凝縮器12、主膨張弁13及び蒸発器14を含む冷媒循環流路Iと、凝縮器12を通過した冷媒を冷却手段の一例としてエコノマイザ15Aにより冷却した後、スクリュ圧縮機11内の少なくとも中間圧力部に導くバイパス流路IIIとを備えた構成となっている。
【選択図】 図1
【解決手段】スクリュ冷凍装置1は、スクリュ圧縮機11、凝縮器12、主膨張弁13及び蒸発器14を含む冷媒循環流路Iと、凝縮器12を通過した冷媒を冷却手段の一例としてエコノマイザ15Aにより冷却した後、スクリュ圧縮機11内の少なくとも中間圧力部に導くバイパス流路IIIとを備えた構成となっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクリュ圧縮機を用いたスクリュ冷凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スクリュ圧縮機を用いたスクリュ冷凍装置は公知である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平1−273894号公報(第2頁、左下段第4−15行、第1
図)
【0004】
スクリュ圧縮機は、ロータ間、ロータとロータ室の内壁面との間のシール、圧縮に伴う昇温部の冷却、潤滑等の目的でロータ室内に油を注入する油冷式のスクリュ圧縮機と、ロータ室内に油を注入せず、軸受部がロータ室からシールにより完全に遮断され、雌雄ロータ間の回転駆動力伝達のために同期歯車が用いられる無給油式のスクリュ圧縮機とに大別される。圧縮機本体自体の構造は油冷式のスクリュ圧縮機に比して、無給油式のスクリュ圧縮機の方がかなり複雑であり、同一吐出風量とした場合、油冷式のスクリュ圧縮機に比して無給油式のスクリュ圧縮機の方が複雑化した分だけ高価となる。また、油冷式のスクリュ圧縮機に比して無給油式のスクリュ圧縮機の方が、ロータ間の隙間、及びロータとロータ室の内壁面との間の隙間は大きく、この隙間を介して漏れるガス量も多い。それ故に、圧縮ガス中に潤滑油が含まれるのが許されず、クリーンな圧縮ガスのみが要求される特別な用途以外では、一般的に、油冷式のスクリュ圧縮機が用いられ、無給油式のスクリュ圧縮機が用いられることはない。
【0005】
上記特許文献1に記載のスクリュ冷凍装置では、油冷式のスクリュ圧縮機が用いられ、スクリュ圧縮機に吸込まれた冷媒ガスは、ロータ室にて油の注入を受けつつ圧縮された後、油を伴ってスクリュ圧縮機から吐出される。このため、このスクリュ圧縮機からの圧縮された冷媒ガスから油を分離、回収する油分離回収器(オイルセパレータ)、回収された油を冷却する油冷却器(オイルクーラ)、そしてこの油を清浄化する油フィルタ(オイルストレーナ)、及びこれらを経由した油を再度上記ロータ室に導き、繰返し循環させる油流路が設けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のスクリュ冷凍装置の場合、油分離回収器、油冷却器、油フィルタ及び油流路のための油用配管を要し、これらが装置全体の容積に占める割合は大きく、装置が嵩高となり、その設置スペースが大きくなるとともに、装置が複雑な構造になり、それだけ高コストのものになるのに加えて、メンテナンスに多大な負担が強いられる等の問題があった。
本発明は、斯る従来の問題をなくすことを課題としてなされたもので、構造の単純化、小型化、メンテナンスの負担軽減等を可能としたスクリュ冷凍装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1発明は、スクリュ圧縮機、凝縮器、主膨張弁及び蒸発器を含む冷媒循環流路と、上記凝縮器を通過した冷媒を冷却手段により冷却した後、上記スクリュ圧縮機内の少なくとも中間圧力部に導くバイパス流路とを備えた構成とした。
【0008】
第2発明は、第1の構成に加えて、上記冷却手段が、上記凝縮器と上記主膨張弁との間に設けられたエコノマイザである構成とした。
【0009】
第3発明は、第1の構成に加えて、上記冷却手段が、上記凝縮器と上記主膨張弁との間に設けられたエコノマイザと上記蒸発器である構成とした。
【0010】
第4発明は、第1の構成に加えて、上記冷却手段が、上記蒸発器である構成とした。
【0011】
第5発明は、第1の構成に加えて、上記冷却手段が、上記冷媒循環流路とは別個に設けられ、この冷媒循環流路を循環する冷媒を利用しない冷却器である構成とした。
【0012】
第6発明は、第1〜第4発明のいずれかの構成に加えて、上記冷却手段が、上記冷媒循環流路とは別個に設けられ、この冷媒循環流路を循環する冷媒を利用しない冷却器をも含む構成とした。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係るスクリュ冷凍装置1を示し、このスクリュ冷凍装置1には、互いに噛合う雌雄一対のスクリュロータを回転可能に収容した図示しないロータ室を有するスクリュ圧縮機11、凝縮器12、主膨張弁13及び蒸発器14を含む冷媒循環流路Iが設けられている。また、このスクリュ冷凍装置1は、凝縮器12と主膨張弁13との間に、凝縮器12を通過した冷媒を冷却するためのエコノマイザ15Aを備えている。
【0014】
エコノマイザ15Aは、主膨張弁13との間にて冷媒循環流路Iから分岐したエコノマイザ流路IIに介在する補助膨張弁16と熱交換部17とを有し、このエコノマイザ流路IIは、スクリュ圧縮機11内の中間圧力部、即ち吸込圧力と吐出圧力との間の圧力状態にあるロータ室に通じている。さらに、このスクリュ冷凍装置1には、エコノマイザ15Aと主膨張弁13との間にて冷媒循環流路Iから分岐し、スクリュ圧縮機11内の中間圧力部に至るバイパス流路IIIが設けられている。
【0015】
斯かる構成により、スクリュ圧縮機11により吸込まれたガス状態の冷媒は、エコノマイザ流路II及びバイパス流路IIIから注入された冷媒とともに圧縮され、スクリュ圧縮機11から凝縮器12に吐出され、ここで熱交換により外部に熱を奪われ、冷却されて凝縮し、液状態となってエコノマイザ15Aを通過し、この冷媒の一部が冷媒循環流路Iからエコノマイザ流路IIとバイパス流路IIIに分流する。
【0016】
後述するように、エコノマイザ15Aの二次側における冷媒は過冷却されており、分流することなく冷媒循環流路Iに残った冷媒は、主膨張弁13を通過し、この過程で断熱膨張により一部を残して気化して、気液混合状態で蒸発器14に至る。さらに、この冷媒は蒸発器14を通過する過程で熱交換により外部から熱を奪い、これにより液状態の冷媒も蒸発し、ガス状態になった冷媒が蒸発器14からスクリュ圧縮機11に送り出され、吸込まれる。
【0017】
エコノマイザ流路IIに分流した液状態の冷媒は、補助膨張弁16にて断熱膨張して温度を下げるとともに、部分的に気化し、気液混合状態となって熱交換部17を通過する過程で、冷媒循環流路I内の液状態の冷媒を過冷却し、その後、スクリュ圧縮機11内の中間圧力部に注入される。
【0018】
バイパス流路IIIに分流した液状態の冷媒は、エコノマイザ15Aにて過冷却されており、この状態でスクリュ圧縮機11内の中間圧力部に導かれる。そして、この過冷却された液状態の冷媒により、ロータ間、ロータとロータ室の内壁面との間のシール及び潤滑を行うとともに、冷却された液状態の冷媒により、特に、液状態の冷媒が気化する際に周囲から気化熱を奪う作用によりロータ室内での圧縮作用に伴う昇温部を冷却する。やがて、バイパス流路IIIからの冷媒はロータ室内にて完全にガス状態になり、蒸発器14からスクリュ圧縮機11に吸込まれた冷媒及びエコノマイザ流路IIからの冷媒とともに圧縮されて凝縮器12に送り出され、この一旦一緒になったガス状態の冷媒は再度凝縮器12を経て液状態になった後、エコノマイザ15Aに導かれ、以後、上記同様にして繰返し循環する。
【0019】
このように、スクリュ冷凍装置1では、ロータ室内での上述したシール、潤滑及び冷却のために、従来のように潤滑油が用いられるのではなく、バイパス流路IIIからの冷却された液状態の冷媒が用いられている。このため、スクリュ冷凍装置1では、従来潤滑油を用いていた場合には、構造が複雑化するという面において、さらに装置全体の容積、設置面積の増大及びコスト上昇という面においてかなり大きな比重を占めていた油分離回収器、油冷却器、油フィルタ、これらの潤滑油用機器を含む潤滑油循環のための油用配管が一切不要となり、極めて単純なバイパス流路IIIがこれらにとって代わり、この結果潤滑油を用いた場合に負担となっていた潤滑油関連のメンテナンスも不要となっている。
【0020】
なお、バイパス流路IIIの始点である分岐位置は、図1に示す例に限定するものでなく、エコノマイザ15Aと主膨張弁13との間における冷媒循環流路Iの部分、及び補助膨張弁16の一次側におけるエコノマイザ流路IIの部分のいずれかの位置にあればよい。
また、エコノマイザ流路IIがスクリュ圧縮機11内の中間圧力部に通じる位置、及びバイパス流路IIIが上記中間圧力部に通じる位置についても、図1に示す例に限定するものでなく、両者が同じ位置であってもよく、エコノマイザ流路IIよりもバイパス流路IIIの方がより吐出側にて上記中間圧力部に通じるようにしてもよい。
【0021】
図2は、本発明の第2実施形態に係るスクリュ冷凍装置2を示し、図1に示すスクリュ冷凍装置1と互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
このスクリュ冷凍装置2では、バイパス流路IIIは凝縮器12とエコノマイザ15Aとの間にて冷媒循環流路Iから分岐しており、蒸発器14を熱交換可能に通過して、上記中間圧力部に至っている。
【0022】
斯かる構成により、凝縮器12を通過した液状態の冷媒の内、主膨張弁13に向かう冷媒はエコノマイザ15Aで冷却され、バイパス流路IIIに分流した冷媒は蒸発器14にて冷媒循環流路I内の冷媒の気化熱として熱を奪われ、冷却されて上記中間圧力部に注入される。即ち、バイパス流路III用の冷却手段としてエコノマイザ15Aに代えて、蒸発器14が利用されている。そして上記同様に、この場合も、冷媒が液状態で注入されることによりロータ室内での潤滑及びシールがなされ、冷却された液状態の冷媒によりロータ室内における加熱部の冷却が効率よく行われ、潤滑油及びその使用のために要していた種々の構成、メンテナンス等が一切不要となる。
【0023】
また、このスクリュ冷凍装置2においても、エコノマイザ流路IIがスクリュ圧縮機11内の中間圧力部に通じる位置、及びバイパス流路IIIが上記中間圧力部に通じる位置についても、図2に示す例に限定するものでなく、両者が同じ位置であってもよく、エコノマイザ流路IIよりもバイパス流路IIIの方がより吐出側にて上記中間圧力部に通じるようにしてもよい。
【0024】
図3は、本発明の第3実施形態に係るスクリュ冷凍装置3を示し、図1に示すスクリュ冷凍装置1と互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
このスクリュ冷凍装置3では、バイパス流路IIIはエコノマイザ15Aと主膨張弁13との間にて、冷媒循環流路Iから分岐し、蒸発器14を熱交換可能に通過した後、上記中間圧力部に至っており、バイパス流路IIIにおける冷媒を冷却するためにエコノマイザ15Aと蒸発器14とが利用されている。
【0025】
斯かる構成により、上記中間圧力部に注入される液状態の冷媒はより一層冷却され、ロータ室内で上述した潤滑及びシールの他、より一層効率よくロータ室内での加熱部の冷却がなされる。そして、潤滑油が不要となることによる上述した種々の利点がもたらされる。
【0026】
なお、この場合も、バイパス流路IIIの始点である分岐位置は、図3に示す例に限定するものでなく、エコノマイザ15Aと主膨張弁13との間における冷媒循環流路Iの部分、及び補助膨張弁16の一次側におけるエコノマイザ流路IIの部分のいずれかの位置にあればよい。
また、上記同様に、エコノマイザ流路IIがスクリュ圧縮機11内の中間圧力部に通じる位置、及びバイパス流路IIIが上記中間圧力部に通じる位置についても、図3に示す例に限定するものでなく、両者が同じ位置であってもよく、エコノマイザ流路IIよりもバイパス流路IIIの方がより吐出側にて上記中間圧力部に通じるようにしてもよい。
【0027】
図4は、本発明の第4実施形態に係るスクリュ冷凍装置4を示し、図1に示すスクリュ冷凍装置1とは、エコノマイザ15Aに代えてエコノマイザ15Bを採用した点を除き、他は実質的に同一であり、互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
このスクリュ冷凍装置4では、エコノマイザ流路IIは凝縮器12とエコノマイザ15Bとの間にて冷媒循環流路Iから分岐し、補助膨張弁16を経て、熱交換部17を通過し、スクリュ圧縮機11内の中間圧力部に至っている。
【0028】
このエコノマイザ15Bとエコノマイザ15Aとは、エコノマイザ流路IIの冷媒循環流路Iからの分岐位置が異なるだけで、機能的には実質的に同じであり、バイパス流路IIIにはエコノマイザ15Bで冷却された液状態の冷媒が冷媒循環流路Iから分流してくる。
そして、斯かる構成により、このスクリュ冷凍装置4についても、スクリュ冷凍装置1について上述した種々の利点がもたらされる。
【0029】
図5は、本発明の第5実施形態に係るスクリュ冷凍装置5を示し、図2に示すスクリュ冷凍装置2とは、エコノマイザ15Aに代えてエコノマイザ15Bを採用した点を除き、他は実質的に同一であり、互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
このスクリュ冷凍装置5についても、上述したように、機能的には実質的にエコノマイザ15Aと同じエコノマイザ15Bを用いているだけで、スクリュ冷凍装置2について上述した種々の利点がもたらされる。
【0030】
図6は、本発明の第6実施形態に係るスクリュ冷凍装置6を示し、図3に示すスクリュ冷凍装置3とは、エコノマイザ15Aに代えてエコノマイザ15Bを採用した点を除き、他は実質的に同一であり、互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
このスクリュ冷凍装置6についても、上述したように、機能的には実質的にエコノマイザ15Aと同じエコノマイザ15Bを用いているだけで、スクリュ冷凍装置3について上述した種々の利点がもたらされる。
【0031】
図7は、本発明の第7実施形態に係るスクリュ冷凍装置7を示し、図2に示すスクリュ冷凍装置2と互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
このスクリュ冷凍装置7では、エコノマイザ15Aおよび15Bは省かれており、凝縮器12を通過した液状態の冷媒の一部を冷媒循環流路Iからバイパス流路IIIに分流させ、残りの冷媒を主膨張弁13に導き、分流させた冷媒を蒸発器14にて冷却するようになっている。
斯かる構成によっても、スクリュ圧縮機11内の中間圧力部に冷却された液状態の冷媒が注入され、ロータ室内での潤滑及びシールがなされるとともに、ロータ室内における加熱部の冷却が行われ、潤滑油が不要となる。そして、この結果、潤滑油を使用しないことによる上述した種々の利点がもたらされる。
【0032】
図8は、本発明の第8実施形態に係るスクリュ冷凍装置8を示し、図7に示すスクリュ冷凍装置7と互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
このスクリュ冷凍装置8でも、エコノマイザ15Aおよび15Bは省かれており、凝縮器12を通過した液状態の冷媒の一部を冷媒循環流路Iからバイパス流路IIIに分流させ、残りの冷媒を主膨張弁13に導いている。そして、分流させた冷媒を、蒸発器14に代えて、冷媒循環流路I中の冷媒を利用しない冷却器18により冷却するようになっている。なお、図8では、冷却器18は冷却用ファン19を用いた空冷式のものを例示しているが、本発明はこれに限定するものでなく、冷却器18は冷却水を用いた水冷式のものであってもよい。
斯かる構成によっても、スクリュ冷凍装置7の場合と同様、潤滑油を使用しないことによる上述した種々の利点がもたらされる。
【0033】
なお、上述したスクリュ冷凍装置1及び4のバイパス流路IIIに冷却器18を適用してもよく、上述したスクリュ冷凍装置2,3,5及び6のバイパス流路IIIに冷却器18を、蒸発器14に代えて、或いは蒸発器14に加えて適用してもよく、本発明はこれらの各実施形態に冷却器18を適用した装置も含むものである。言うまでもなく、冷却器18は空冷式、水冷式のいずれのタイプであってもよい。
【0034】
ところで、スクリュ圧縮機11における軸受・軸封部については、潤滑及びシールのために要する液体の量は上記ロータ室に導く冷媒の量に比してはるかに少なく、この軸受・軸封部用にバイパス流路IIIからの冷媒の一部を導くようにしてもよく、潤滑を必要としない軸受を用いてもよい。特に、吸込み側の軸受・軸封部に冷却された冷媒を供給することは、これによりこの軸受・軸封部からスクリュ圧縮機11の吸込口に漏出した冷媒による吸込み効率の低下を極力抑えることができるという点で好ましい。本発明が上述したように、バイパス流路IIIからの冷媒の一部を導くようにした装置をも含むことは言うまでもない。
【0035】
さらに、スクリュ圧縮機11は、一段の圧縮機本体だけを備えたものに限定するものでなく、直列配置された複数段の圧縮機本体を備えたものも含み、吸込圧力と吐出圧力との間の中間圧力という場合における吸込圧力は一段目の圧縮機本体の吸込圧力を意味し、吐出圧力は最終段の圧縮機本体の吐出圧力を意味している。即ち、この複数段の圧縮機本体については、バイパス流路IIIからの冷媒を蒸発器14を経由してきた冷媒に合流させる位置は、一段目の圧縮機本体の吸込口と最終段の圧縮機本体の吐出口との間であればよい。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、スクリュ圧縮機、凝縮器、主膨張弁及び蒸発器を含む冷媒循環流路と、上記凝縮器を通過した冷媒をエコノマイザ、蒸発器、或いは循環冷媒を利用しない冷却器等の冷却手段により冷却した後、上記スクリュ圧縮機内の少なくとも中間圧力部に導くバイパス流路とを備えた構成としてある。
【0037】
このように、ロータ室内での上述したシール、潤滑及び冷却のために、従来のように潤滑油ではなく、バイパス流路からの冷却された液状態の冷媒が用いられているため、従来潤滑油を用いていた場合には、構造の複雑化、及び装置全体の容積、設置面積の増大及びコスト上昇という面においてかなり大きな比重を占めていた油分離回収器、油冷却器、油フィルタ、これらの潤滑油用機器を含む潤滑油循環のための油用配管が一切不要となり、極めて単純なバイパス流路がこれらにとって代わり、装置全体の構造が簡素化され、かつコンパクトになるとともに、潤滑油を用いた場合に負担となっていた潤滑油関連のメンテナンスも不要となる等、種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスクリュ冷凍装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るスクリュ冷凍装置の全体構成を示す図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係るスクリュ冷凍装置の全体構成を示す図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係るスクリュ冷凍装置の全体構成を示す図である。
【図5】本発明の第5実施形態に係るスクリュ冷凍装置の全体構成を示す図である。
【図6】本発明の第6実施形態に係るスクリュ冷凍装置の全体構成を示す図である。
【図7】本発明の第7実施形態に係るスクリュ冷凍装置の全体構成を示す図である。
【図8】本発明の第8実施形態に係るスクリュ冷凍装置の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
1〜8 スクリュ冷凍装置
11 スクリュ圧縮機
12 凝縮器
13 主膨張弁
14 蒸発器
15A,15B エコノマイザ
16 補助膨張弁
17 熱交換部
18 冷却器
19 冷却用ファン
I 冷媒循環流路
II エコノマイザ流路
III バイパス流路
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクリュ圧縮機を用いたスクリュ冷凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スクリュ圧縮機を用いたスクリュ冷凍装置は公知である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平1−273894号公報(第2頁、左下段第4−15行、第1
図)
【0004】
スクリュ圧縮機は、ロータ間、ロータとロータ室の内壁面との間のシール、圧縮に伴う昇温部の冷却、潤滑等の目的でロータ室内に油を注入する油冷式のスクリュ圧縮機と、ロータ室内に油を注入せず、軸受部がロータ室からシールにより完全に遮断され、雌雄ロータ間の回転駆動力伝達のために同期歯車が用いられる無給油式のスクリュ圧縮機とに大別される。圧縮機本体自体の構造は油冷式のスクリュ圧縮機に比して、無給油式のスクリュ圧縮機の方がかなり複雑であり、同一吐出風量とした場合、油冷式のスクリュ圧縮機に比して無給油式のスクリュ圧縮機の方が複雑化した分だけ高価となる。また、油冷式のスクリュ圧縮機に比して無給油式のスクリュ圧縮機の方が、ロータ間の隙間、及びロータとロータ室の内壁面との間の隙間は大きく、この隙間を介して漏れるガス量も多い。それ故に、圧縮ガス中に潤滑油が含まれるのが許されず、クリーンな圧縮ガスのみが要求される特別な用途以外では、一般的に、油冷式のスクリュ圧縮機が用いられ、無給油式のスクリュ圧縮機が用いられることはない。
【0005】
上記特許文献1に記載のスクリュ冷凍装置では、油冷式のスクリュ圧縮機が用いられ、スクリュ圧縮機に吸込まれた冷媒ガスは、ロータ室にて油の注入を受けつつ圧縮された後、油を伴ってスクリュ圧縮機から吐出される。このため、このスクリュ圧縮機からの圧縮された冷媒ガスから油を分離、回収する油分離回収器(オイルセパレータ)、回収された油を冷却する油冷却器(オイルクーラ)、そしてこの油を清浄化する油フィルタ(オイルストレーナ)、及びこれらを経由した油を再度上記ロータ室に導き、繰返し循環させる油流路が設けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のスクリュ冷凍装置の場合、油分離回収器、油冷却器、油フィルタ及び油流路のための油用配管を要し、これらが装置全体の容積に占める割合は大きく、装置が嵩高となり、その設置スペースが大きくなるとともに、装置が複雑な構造になり、それだけ高コストのものになるのに加えて、メンテナンスに多大な負担が強いられる等の問題があった。
本発明は、斯る従来の問題をなくすことを課題としてなされたもので、構造の単純化、小型化、メンテナンスの負担軽減等を可能としたスクリュ冷凍装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1発明は、スクリュ圧縮機、凝縮器、主膨張弁及び蒸発器を含む冷媒循環流路と、上記凝縮器を通過した冷媒を冷却手段により冷却した後、上記スクリュ圧縮機内の少なくとも中間圧力部に導くバイパス流路とを備えた構成とした。
【0008】
第2発明は、第1の構成に加えて、上記冷却手段が、上記凝縮器と上記主膨張弁との間に設けられたエコノマイザである構成とした。
【0009】
第3発明は、第1の構成に加えて、上記冷却手段が、上記凝縮器と上記主膨張弁との間に設けられたエコノマイザと上記蒸発器である構成とした。
【0010】
第4発明は、第1の構成に加えて、上記冷却手段が、上記蒸発器である構成とした。
【0011】
第5発明は、第1の構成に加えて、上記冷却手段が、上記冷媒循環流路とは別個に設けられ、この冷媒循環流路を循環する冷媒を利用しない冷却器である構成とした。
【0012】
第6発明は、第1〜第4発明のいずれかの構成に加えて、上記冷却手段が、上記冷媒循環流路とは別個に設けられ、この冷媒循環流路を循環する冷媒を利用しない冷却器をも含む構成とした。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係るスクリュ冷凍装置1を示し、このスクリュ冷凍装置1には、互いに噛合う雌雄一対のスクリュロータを回転可能に収容した図示しないロータ室を有するスクリュ圧縮機11、凝縮器12、主膨張弁13及び蒸発器14を含む冷媒循環流路Iが設けられている。また、このスクリュ冷凍装置1は、凝縮器12と主膨張弁13との間に、凝縮器12を通過した冷媒を冷却するためのエコノマイザ15Aを備えている。
【0014】
エコノマイザ15Aは、主膨張弁13との間にて冷媒循環流路Iから分岐したエコノマイザ流路IIに介在する補助膨張弁16と熱交換部17とを有し、このエコノマイザ流路IIは、スクリュ圧縮機11内の中間圧力部、即ち吸込圧力と吐出圧力との間の圧力状態にあるロータ室に通じている。さらに、このスクリュ冷凍装置1には、エコノマイザ15Aと主膨張弁13との間にて冷媒循環流路Iから分岐し、スクリュ圧縮機11内の中間圧力部に至るバイパス流路IIIが設けられている。
【0015】
斯かる構成により、スクリュ圧縮機11により吸込まれたガス状態の冷媒は、エコノマイザ流路II及びバイパス流路IIIから注入された冷媒とともに圧縮され、スクリュ圧縮機11から凝縮器12に吐出され、ここで熱交換により外部に熱を奪われ、冷却されて凝縮し、液状態となってエコノマイザ15Aを通過し、この冷媒の一部が冷媒循環流路Iからエコノマイザ流路IIとバイパス流路IIIに分流する。
【0016】
後述するように、エコノマイザ15Aの二次側における冷媒は過冷却されており、分流することなく冷媒循環流路Iに残った冷媒は、主膨張弁13を通過し、この過程で断熱膨張により一部を残して気化して、気液混合状態で蒸発器14に至る。さらに、この冷媒は蒸発器14を通過する過程で熱交換により外部から熱を奪い、これにより液状態の冷媒も蒸発し、ガス状態になった冷媒が蒸発器14からスクリュ圧縮機11に送り出され、吸込まれる。
【0017】
エコノマイザ流路IIに分流した液状態の冷媒は、補助膨張弁16にて断熱膨張して温度を下げるとともに、部分的に気化し、気液混合状態となって熱交換部17を通過する過程で、冷媒循環流路I内の液状態の冷媒を過冷却し、その後、スクリュ圧縮機11内の中間圧力部に注入される。
【0018】
バイパス流路IIIに分流した液状態の冷媒は、エコノマイザ15Aにて過冷却されており、この状態でスクリュ圧縮機11内の中間圧力部に導かれる。そして、この過冷却された液状態の冷媒により、ロータ間、ロータとロータ室の内壁面との間のシール及び潤滑を行うとともに、冷却された液状態の冷媒により、特に、液状態の冷媒が気化する際に周囲から気化熱を奪う作用によりロータ室内での圧縮作用に伴う昇温部を冷却する。やがて、バイパス流路IIIからの冷媒はロータ室内にて完全にガス状態になり、蒸発器14からスクリュ圧縮機11に吸込まれた冷媒及びエコノマイザ流路IIからの冷媒とともに圧縮されて凝縮器12に送り出され、この一旦一緒になったガス状態の冷媒は再度凝縮器12を経て液状態になった後、エコノマイザ15Aに導かれ、以後、上記同様にして繰返し循環する。
【0019】
このように、スクリュ冷凍装置1では、ロータ室内での上述したシール、潤滑及び冷却のために、従来のように潤滑油が用いられるのではなく、バイパス流路IIIからの冷却された液状態の冷媒が用いられている。このため、スクリュ冷凍装置1では、従来潤滑油を用いていた場合には、構造が複雑化するという面において、さらに装置全体の容積、設置面積の増大及びコスト上昇という面においてかなり大きな比重を占めていた油分離回収器、油冷却器、油フィルタ、これらの潤滑油用機器を含む潤滑油循環のための油用配管が一切不要となり、極めて単純なバイパス流路IIIがこれらにとって代わり、この結果潤滑油を用いた場合に負担となっていた潤滑油関連のメンテナンスも不要となっている。
【0020】
なお、バイパス流路IIIの始点である分岐位置は、図1に示す例に限定するものでなく、エコノマイザ15Aと主膨張弁13との間における冷媒循環流路Iの部分、及び補助膨張弁16の一次側におけるエコノマイザ流路IIの部分のいずれかの位置にあればよい。
また、エコノマイザ流路IIがスクリュ圧縮機11内の中間圧力部に通じる位置、及びバイパス流路IIIが上記中間圧力部に通じる位置についても、図1に示す例に限定するものでなく、両者が同じ位置であってもよく、エコノマイザ流路IIよりもバイパス流路IIIの方がより吐出側にて上記中間圧力部に通じるようにしてもよい。
【0021】
図2は、本発明の第2実施形態に係るスクリュ冷凍装置2を示し、図1に示すスクリュ冷凍装置1と互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
このスクリュ冷凍装置2では、バイパス流路IIIは凝縮器12とエコノマイザ15Aとの間にて冷媒循環流路Iから分岐しており、蒸発器14を熱交換可能に通過して、上記中間圧力部に至っている。
【0022】
斯かる構成により、凝縮器12を通過した液状態の冷媒の内、主膨張弁13に向かう冷媒はエコノマイザ15Aで冷却され、バイパス流路IIIに分流した冷媒は蒸発器14にて冷媒循環流路I内の冷媒の気化熱として熱を奪われ、冷却されて上記中間圧力部に注入される。即ち、バイパス流路III用の冷却手段としてエコノマイザ15Aに代えて、蒸発器14が利用されている。そして上記同様に、この場合も、冷媒が液状態で注入されることによりロータ室内での潤滑及びシールがなされ、冷却された液状態の冷媒によりロータ室内における加熱部の冷却が効率よく行われ、潤滑油及びその使用のために要していた種々の構成、メンテナンス等が一切不要となる。
【0023】
また、このスクリュ冷凍装置2においても、エコノマイザ流路IIがスクリュ圧縮機11内の中間圧力部に通じる位置、及びバイパス流路IIIが上記中間圧力部に通じる位置についても、図2に示す例に限定するものでなく、両者が同じ位置であってもよく、エコノマイザ流路IIよりもバイパス流路IIIの方がより吐出側にて上記中間圧力部に通じるようにしてもよい。
【0024】
図3は、本発明の第3実施形態に係るスクリュ冷凍装置3を示し、図1に示すスクリュ冷凍装置1と互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
このスクリュ冷凍装置3では、バイパス流路IIIはエコノマイザ15Aと主膨張弁13との間にて、冷媒循環流路Iから分岐し、蒸発器14を熱交換可能に通過した後、上記中間圧力部に至っており、バイパス流路IIIにおける冷媒を冷却するためにエコノマイザ15Aと蒸発器14とが利用されている。
【0025】
斯かる構成により、上記中間圧力部に注入される液状態の冷媒はより一層冷却され、ロータ室内で上述した潤滑及びシールの他、より一層効率よくロータ室内での加熱部の冷却がなされる。そして、潤滑油が不要となることによる上述した種々の利点がもたらされる。
【0026】
なお、この場合も、バイパス流路IIIの始点である分岐位置は、図3に示す例に限定するものでなく、エコノマイザ15Aと主膨張弁13との間における冷媒循環流路Iの部分、及び補助膨張弁16の一次側におけるエコノマイザ流路IIの部分のいずれかの位置にあればよい。
また、上記同様に、エコノマイザ流路IIがスクリュ圧縮機11内の中間圧力部に通じる位置、及びバイパス流路IIIが上記中間圧力部に通じる位置についても、図3に示す例に限定するものでなく、両者が同じ位置であってもよく、エコノマイザ流路IIよりもバイパス流路IIIの方がより吐出側にて上記中間圧力部に通じるようにしてもよい。
【0027】
図4は、本発明の第4実施形態に係るスクリュ冷凍装置4を示し、図1に示すスクリュ冷凍装置1とは、エコノマイザ15Aに代えてエコノマイザ15Bを採用した点を除き、他は実質的に同一であり、互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
このスクリュ冷凍装置4では、エコノマイザ流路IIは凝縮器12とエコノマイザ15Bとの間にて冷媒循環流路Iから分岐し、補助膨張弁16を経て、熱交換部17を通過し、スクリュ圧縮機11内の中間圧力部に至っている。
【0028】
このエコノマイザ15Bとエコノマイザ15Aとは、エコノマイザ流路IIの冷媒循環流路Iからの分岐位置が異なるだけで、機能的には実質的に同じであり、バイパス流路IIIにはエコノマイザ15Bで冷却された液状態の冷媒が冷媒循環流路Iから分流してくる。
そして、斯かる構成により、このスクリュ冷凍装置4についても、スクリュ冷凍装置1について上述した種々の利点がもたらされる。
【0029】
図5は、本発明の第5実施形態に係るスクリュ冷凍装置5を示し、図2に示すスクリュ冷凍装置2とは、エコノマイザ15Aに代えてエコノマイザ15Bを採用した点を除き、他は実質的に同一であり、互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
このスクリュ冷凍装置5についても、上述したように、機能的には実質的にエコノマイザ15Aと同じエコノマイザ15Bを用いているだけで、スクリュ冷凍装置2について上述した種々の利点がもたらされる。
【0030】
図6は、本発明の第6実施形態に係るスクリュ冷凍装置6を示し、図3に示すスクリュ冷凍装置3とは、エコノマイザ15Aに代えてエコノマイザ15Bを採用した点を除き、他は実質的に同一であり、互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
このスクリュ冷凍装置6についても、上述したように、機能的には実質的にエコノマイザ15Aと同じエコノマイザ15Bを用いているだけで、スクリュ冷凍装置3について上述した種々の利点がもたらされる。
【0031】
図7は、本発明の第7実施形態に係るスクリュ冷凍装置7を示し、図2に示すスクリュ冷凍装置2と互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
このスクリュ冷凍装置7では、エコノマイザ15Aおよび15Bは省かれており、凝縮器12を通過した液状態の冷媒の一部を冷媒循環流路Iからバイパス流路IIIに分流させ、残りの冷媒を主膨張弁13に導き、分流させた冷媒を蒸発器14にて冷却するようになっている。
斯かる構成によっても、スクリュ圧縮機11内の中間圧力部に冷却された液状態の冷媒が注入され、ロータ室内での潤滑及びシールがなされるとともに、ロータ室内における加熱部の冷却が行われ、潤滑油が不要となる。そして、この結果、潤滑油を使用しないことによる上述した種々の利点がもたらされる。
【0032】
図8は、本発明の第8実施形態に係るスクリュ冷凍装置8を示し、図7に示すスクリュ冷凍装置7と互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
このスクリュ冷凍装置8でも、エコノマイザ15Aおよび15Bは省かれており、凝縮器12を通過した液状態の冷媒の一部を冷媒循環流路Iからバイパス流路IIIに分流させ、残りの冷媒を主膨張弁13に導いている。そして、分流させた冷媒を、蒸発器14に代えて、冷媒循環流路I中の冷媒を利用しない冷却器18により冷却するようになっている。なお、図8では、冷却器18は冷却用ファン19を用いた空冷式のものを例示しているが、本発明はこれに限定するものでなく、冷却器18は冷却水を用いた水冷式のものであってもよい。
斯かる構成によっても、スクリュ冷凍装置7の場合と同様、潤滑油を使用しないことによる上述した種々の利点がもたらされる。
【0033】
なお、上述したスクリュ冷凍装置1及び4のバイパス流路IIIに冷却器18を適用してもよく、上述したスクリュ冷凍装置2,3,5及び6のバイパス流路IIIに冷却器18を、蒸発器14に代えて、或いは蒸発器14に加えて適用してもよく、本発明はこれらの各実施形態に冷却器18を適用した装置も含むものである。言うまでもなく、冷却器18は空冷式、水冷式のいずれのタイプであってもよい。
【0034】
ところで、スクリュ圧縮機11における軸受・軸封部については、潤滑及びシールのために要する液体の量は上記ロータ室に導く冷媒の量に比してはるかに少なく、この軸受・軸封部用にバイパス流路IIIからの冷媒の一部を導くようにしてもよく、潤滑を必要としない軸受を用いてもよい。特に、吸込み側の軸受・軸封部に冷却された冷媒を供給することは、これによりこの軸受・軸封部からスクリュ圧縮機11の吸込口に漏出した冷媒による吸込み効率の低下を極力抑えることができるという点で好ましい。本発明が上述したように、バイパス流路IIIからの冷媒の一部を導くようにした装置をも含むことは言うまでもない。
【0035】
さらに、スクリュ圧縮機11は、一段の圧縮機本体だけを備えたものに限定するものでなく、直列配置された複数段の圧縮機本体を備えたものも含み、吸込圧力と吐出圧力との間の中間圧力という場合における吸込圧力は一段目の圧縮機本体の吸込圧力を意味し、吐出圧力は最終段の圧縮機本体の吐出圧力を意味している。即ち、この複数段の圧縮機本体については、バイパス流路IIIからの冷媒を蒸発器14を経由してきた冷媒に合流させる位置は、一段目の圧縮機本体の吸込口と最終段の圧縮機本体の吐出口との間であればよい。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、スクリュ圧縮機、凝縮器、主膨張弁及び蒸発器を含む冷媒循環流路と、上記凝縮器を通過した冷媒をエコノマイザ、蒸発器、或いは循環冷媒を利用しない冷却器等の冷却手段により冷却した後、上記スクリュ圧縮機内の少なくとも中間圧力部に導くバイパス流路とを備えた構成としてある。
【0037】
このように、ロータ室内での上述したシール、潤滑及び冷却のために、従来のように潤滑油ではなく、バイパス流路からの冷却された液状態の冷媒が用いられているため、従来潤滑油を用いていた場合には、構造の複雑化、及び装置全体の容積、設置面積の増大及びコスト上昇という面においてかなり大きな比重を占めていた油分離回収器、油冷却器、油フィルタ、これらの潤滑油用機器を含む潤滑油循環のための油用配管が一切不要となり、極めて単純なバイパス流路がこれらにとって代わり、装置全体の構造が簡素化され、かつコンパクトになるとともに、潤滑油を用いた場合に負担となっていた潤滑油関連のメンテナンスも不要となる等、種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスクリュ冷凍装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るスクリュ冷凍装置の全体構成を示す図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係るスクリュ冷凍装置の全体構成を示す図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係るスクリュ冷凍装置の全体構成を示す図である。
【図5】本発明の第5実施形態に係るスクリュ冷凍装置の全体構成を示す図である。
【図6】本発明の第6実施形態に係るスクリュ冷凍装置の全体構成を示す図である。
【図7】本発明の第7実施形態に係るスクリュ冷凍装置の全体構成を示す図である。
【図8】本発明の第8実施形態に係るスクリュ冷凍装置の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
1〜8 スクリュ冷凍装置
11 スクリュ圧縮機
12 凝縮器
13 主膨張弁
14 蒸発器
15A,15B エコノマイザ
16 補助膨張弁
17 熱交換部
18 冷却器
19 冷却用ファン
I 冷媒循環流路
II エコノマイザ流路
III バイパス流路
Claims (6)
- スクリュ圧縮機、凝縮器、主膨張弁及び蒸発器を含む冷媒循環流路と、上記凝縮器を通過した冷媒を冷却手段により冷却した後、上記スクリュ圧縮機内の少なくとも中間圧力部に導くバイパス流路とを備えたことを特徴とするスクリュ冷凍装置。
- 上記冷却手段が、上記凝縮器と上記主膨張弁との間に設けられたエコノマイザであることを特徴とする請求項1に記載のスクリュ冷凍装置。
- 上記冷却手段が、上記凝縮器と上記主膨張弁との間に設けられたエコノマイザと上記蒸発器であることを特徴とする請求項1に記載のスクリュ冷凍装置。
- 上記冷却手段が、上記蒸発器であることを特徴とする請求項1に記載のスクリュ冷凍装置。
- 上記冷却手段が、上記冷媒循環流路とは別個に設けられ、この冷媒循環流路を循環する冷媒を利用しない冷却器であることを特徴とする請求項1に記載のスクリュ冷凍装置。
- 上記冷却手段が、上記冷媒循環流路とは別個に設けられ、この冷媒循環流路を循環する冷媒を利用しない冷却器をも含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスクリュ冷凍装置。
Priority Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008112568A2 (en) * | 2007-03-09 | 2008-09-18 | Johnson Controls Technology Company | Compressor with multiple inlets |
JPWO2010086954A1 (ja) * | 2009-01-27 | 2012-07-26 | 三菱電機株式会社 | 空気調和装置及び冷凍機油の返油方法 |
-
2002
- 2002-10-31 JP JP2002318056A patent/JP2004150746A/ja active Pending
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