JP2004149833A - Stainless steel excellent in corrosion resistance, weldability, and surface properties and its production method - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐食性、溶接性および表面性状に優れるステンレス鋼とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
Fe−Ni−Cr系のステンレス鋼は、高耐食性合金として厨房機器をはじめ、化学プラントなどに広く利用されている。しかしながら、このステンレス鋼の表面に存在する非金属介在物は、錆などの腐食の起点となり、その腐食の速さは、非金属介在物の組成や量によって変化することが知られている。また、非金属介在物は、その組成によっては表面疵を発生させることがあり、とくにその組成がアルミナの場合に顕著となる。
【0003】
この問題に対し、例えば、特許文献1には、溶鋼中に少量のAlまたはSiを添加して予備脱酸を行った後、Tiを添加して脱酸を行うことにより介在物の形態を制御し、さらに適量のCaを添加することによって、表面疵を引き起こさず、耐食性にも悪影響を与えない介在物に制御する技術が開示されている(特許文献1参照。)。しかし、この従来技術の方法では、添加したTiがNと結合して硬質のTiNを形成し、ストリンガーと呼ばれる表面疵を発生し易いという問題があった。また、AlおよびCaの添加は、溶接性に悪影響を与えるという問題もあった。
【0004】
【特許文献1】特開2000−1759号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、鋼中に含まれる非金属介在物の量や組成によっては、十分な耐食性や溶接性が得られないことがある。また、介在物組成がアルミナとなると、クラスターに起因した表面庇を発生させてしまう。さらに、Tiを添加してこれらの問題を回避しようとすると、ストリンガーを発生し易いという問題点があった。
【0006】
本発明の目的は、耐食性、溶接性および表面性状に優れたステンレス鋼を提供するとともに、該ステンレス鋼を汎用の生産設備を用いて安価に製造する方法を提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記従来技術の抱える問題点を解決するため、とくにステンレス鋼に含まれる非金属介在物の量および組成が、ステンレス鋼の耐食性、溶接性および表面性状に与える影響について、以下の検討を行った。
【0008】
まず、実験室にてマグネシアるつぼあるいはアルミナるつぼを用いて、Fe−18wt%Cr−8wt%Ni合金を溶解し、この溶鋼中に、CaO−SiO2−Al2O3−MgO−F系スラグを添加した後、Si,Mn,Al,CaおよびMgのうちのいずれか1種または2種以上を添加して脱酸を行った後、鋳造し、種々の介在物組成を有する鋼塊を得た。この鋼塊を鍛造し、熱間圧延した後、さらに冷間圧延し、板厚3mmの鋼板とした。この鋼板から試験片を採取し、耐食性および溶接性を調査した。
【0009】
耐食性は、上記試験片を、#600研磨仕上げした後、脱脂し、JIS Z2371に準拠した条件(50℃)で塩水噴霧試験(SST)を4時間行い、発錆の有無を調べた。
【0010】
また、溶接性は、上記試験片を電流値:120A、溶接速度:200mm/分の条件でTIG溶接を行い、ビード上に発生した黒点の有無により溶接性を評価した。この黒点は、ビード上に生成した酸化物欠陥であり、この欠陥が存在すると、その部位の耐食性を劣化させたり、外観不良を引き起こしたりする。また、この試験と同時に、目視により表面疵の発生有無も調査した。
【0011】
上記試験の結果、発明者らは、非金属介在物が、MgO・Al2O3(スピネル)、MgO(マグネシア)、CaO−Al2O3系酸化物(カルシウムアルミネート)およびCaO−SiO2−Al2O3−MgO−MnO系酸化物(シリケート)のうちの1種または2種以上からなる組成である場合には、耐食性、溶接性および表面性状が共に優れるステンレス鋼が得られることを知見した。
【0012】
また、Caの含有量が0.01wt%を超えると、介在物の組成がCaO単体となり、耐食性が劣化すると同時に、溶接時に黒点が発生することがわかった。その原因は、耐食性については、CaOが水溶性で不安定であるため、また、溶接性については、CaO系介在物が溶融池で浮上して集中するためと考えられた。さらに、鋼中のCa濃度は、O濃度とも関連があり、Oが0.0001wt%未満と低くなると、Caが0.01wt%を超えてしまうこともわかった。
【0013】
また、鋼中のAl濃度が0.1wt%を超えると、介在物の組成がAl2O3(アルミナ)となってクラスターを形成し、表面欠陥を発生すると共に、溶接時に黒点を発生させることがわかった。
【0014】
さらに、O濃度が0.01wt%を超えて高くなると、JIS G0555に規定された清浄度が0.05を超えてしまうため、鋼板表面の介在物量が多くなって耐食性を劣化させることがわかった。また、Sを0.0002wt%未満に下げ過ぎると、溶接時の溶け込み性を悪くすることもわかった。
【0015】
本発明は、上記知見に基づいて開発されたものであって、
C≦0.1wt%、Si:0.01〜2.0wt%、
Mn:0.01〜3.0wt%、Cr:13.0〜26.0wt%、
Ni:2.0〜30.0wt%、Al:0.001〜0.1wt%、
S:0.0002〜0.02wt%、Mg:0.00005〜0.01wt%、
Ca:0.00005〜0.01wt%、O:0.0001〜0.01wt%、
残部がFeおよび不可避的不純物からなるステンレス鋼において、該ステンレス鋼中に含まれる非金属介在物が、MgO・Al2O3,CaO−Al2O3系酸化物,MgOおよびCaO−SiO2−Al2O3−MgO−MnO系酸化物のうちの1種または2種以上からなることを特徴とする耐食性、溶接性および表面性状に優れるステンレス鋼である。
【0016】
なお、本発明は、前記非金属介在物において、MgO・Al2O3の組成が、MgO≧5wt%かつAl2O3≦95wt%、CaO−Al2O3系酸化物の組成が、CaO:30〜60wt%かつAl2O3:40〜70wt%であること、また、CaO−SiO2−Al2O3−MgO−MnO系酸化物が、鋳造後のスラブ中または鋼塊中にガラス質として存在することが好ましい。
【0017】
また、本発明の鋼は、鋼中の非金属介在物が、JIS G0555に規定されたB系およびC系の形態であり、かつ、JIS G0555に規定された清浄度が0.05以下であることが好ましい。
【0018】
また、本発明は、電気炉に原料を装入して溶解し、AODおよび/またはVODにおいてArまたは窒素と酸素とを吹精して脱炭し、その後、石灰石および蛍石を投入してスラグを形成し、さらにAlまたはAlおよびフェロシリコンを投入してクロム還元、脱酸および脱硫を行った後、連続鋳造法または普通造塊法によりスラブとすることを特徴とする耐食性、溶接性および表面性状に優れるステンレス鋼の製造方法を提案する。
【0019】
なお、本発明の前記普通造塊法は、鋳造して得た鋼塊を熱間鍛造してスラブとする方法であることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に係るステンレス鋼の各成分組成を、上記範囲に限定した理由について説明する。
【0021】
C≦0.1wt%
Cは、オーステナイト安定化元素であるが、多量に存在すると、CrおよびMo等と結合して炭化物を形成し、母材に含まれる固溶CrおよびMo量を低下させ、耐食性を劣化させる。そのため、C含有量は0.1wt%以下とした。なお、好ましくは0.08wt%以下であり、より好ましくは0.07wt%以下である。
【0022】
Si:0.01〜2.0wt%
Siは、耐酸性ならびに耐孔食性の向上に有効であると共に、脱酸にも有効な元素である。しかしながら、Si含有量が0.01wt%未満では、その効果が十分に得られず、一方、2.0wt%を超えて存在すると、Fe,Cr,(Mo)から構成されるシグマ相の生成を促し、脆化を引き起こすほか、溶接性を低下させる。そのため、Si含有量は、0.01〜2.0wt%と規定した。なお、好ましくは0.02〜1.8wt%であり、より好ましくは0.03〜1.7wt%である。
【0023】
Mn:0.01〜3.0wt%
Mnは、脱酸に有効な元素である。Mn含有量が0.01wt%未満では、その効果が十分に得られず、逆に、3.0wt%を超えて存在すると、Siと同様にシグマ相の生成を促進し、脆化を招く。そのため、Mn含有量は0.01〜3.0wt%と規定した。なお、好ましくは0.02〜2.5wt%であり、より好ましくは0.03〜2.0wt%である。
【0024】
Cr:13.0〜26.0wt%
Crは、耐食性を確保するために必要不可欠な不動態皮膜を、鋼板表面に形成させる元素であり、耐酸性、耐孔食性、耐隙間腐食性ならびに耐応力腐食割れ性を改善するための母材の構成成分として、最も重要な元素である。しかしながら、Cr含有量が、13.0wt%未満では十分な耐食性が得られない。逆に、含有量が25wt%を超えると、シグマ相を生成し脆化を招く。以上の理由から、Cr含有量は13.0〜26.0wt%と規定した。なお、好ましくは15.0〜25.5wt%であり、より好ましくは16.0〜25.0wt%である。
【0025】
Ni:2.0〜30.0wt%
Niは、塩化物を含む溶液環境における耐孔食性、耐隙間腐食性ならびに耐応力腐食割れ性を改善する効果を有する。その効果を得るためには、2.0wt%以上が必要である。しかし、その効果は、30.0wt%以下の添加で十分であり、それ以上ではコスト上昇を招くため好ましくない。そこで、Ni含有量は、2.0〜30.0wt%と規定した。なお、好ましくは3.0〜25.0wt%であり、より好ましくは4.0〜23.0wt%である。
【0026】
S:0.0002〜0.02wt%
Sは、溶接時の溶け込み性を向上させる有効な元素である。しかし、含有量が多すぎると、Mnと結合してMnSを生成し、耐食性および熱間加工性を低下させる。そのため、S含有量は0.0002〜0.02wt%の範囲内とした。なお、好ましくは0.0005〜0.015wt%であり、より好ましくは0.001〜0.01wt%である。
【0027】
Al:0.001〜0.1wt%
Alは、脱酸に必要不可欠な元素である。Al含有量が0.001wt%未満では、酸素濃度の上昇を招き(O>0.01wt%)、JIS G0555に規定された清浄度が0.05を超えて高くなり、耐食性とくに耐孔食性を低下させる。しかし、0.1wt%を超えて含有すると、黒点を発生して溶接性を低下させるばかりか、介在物の組成がアルミナとなり、クラスター起因の表面庇を発生させる。そのため、Alの含有量は0.001〜0.1wt%と規定した。なお、好ましくは0.003〜0.08wt%であり、より好ましくは0.005〜0.05wt%である。
【0028】
Mg:0.00005〜0.01wt%
Mgは、鋼中の非金属介在物の組成を、耐食性に悪影響のない成分系、すなわちMgO・Al2O3、MgOあるいはCaO−SiO2−Al2O3−MgO−MnO系酸化物に制御するために有用な元素である。その効果は、含有量が0.00005wt%未満では得られず、逆に、0.01wt%を超えて含有させると、連続鋳造機のノズル閉塞を引き起こし、操業を阻害する。さらに、鋼中にMg起因の気泡欠陥をもたらすという問題もある。そのため、Mg含有量は0.00005〜0.01wt%と規定した。好ましくは0.0001〜0.005wt%であり、より好ましくは0.0001〜0.002wt%である。さらに好ましくは0.0002〜0.002wt%である。
【0029】
Ca:0.00005〜0.01wt%
Caは、Mgと同様、鋼中の非金属介在物の組成を、耐食性に悪影響を与えない成分系、すなわちCaO−Al2O3系酸化物あるいはCaO−SiO2−Al2O3−MgO−MnO系酸化物に制御するために必要な元素である。その効果は、含有量が0.00005wt%未満では得られず、逆に0.01wt%を超えて存在すると、CaO単体からなる介在物を生成し、耐食性および溶接性を劣化させる。そのため、Ca含有量は0.00005〜0.01wt%の範囲内と規定した。好ましくは0.0001〜0.005wt%、より好ましくは0.0001〜0.002wt%である。さらに好ましくは0.0002〜0.002wt%である。
【0030】
O:0.0001〜0.01wt%
Oは、鋼中に0.01wt%を超えて存在すると、非金属介在物の量が著しく増加し、JIS G0555に規定された清浄度が0.05を超え、耐孔食性を低下させる。逆に、含有量が0.0001wt%未満になると、スラグ中に存在するCaOが還元されて溶鋼中のCa濃度が0.01wt%を超えるため、CaO介在物が形成されて耐食性および溶接性に悪影響を及ぼす。そのため、O濃度は適正値に制御しなければならず、本発明では0.0001〜0.01wt%の範囲内と規定した。好ましくは0.0002〜0.008wt%であり、より好ましくは0.0003〜0.005wt%である。さらに好ましくは0.0005〜0.005wt%である。
【0031】
なお、本発明においては、上記必須成分の他に、Moおよび/またはNを、鋼板の耐食性の改善を目的として添加しても良い。その際の各添加量は、以下の範囲内とすることが好ましい。
【0032】
Mo:0.01〜5.0wt%
Moは、耐酸性、耐応力腐食割れ性、耐隙間腐食性ならびに耐孔食性といった耐食性を確保するために重要な元素であるため、鋼中に0.01wt%以上含有されていることが好ましい。しかしながら、Mo含有量が高すぎると、シグマ相の生成を促進させ、母材の脆化を招く。そのため、Mo含有量は、0.01〜5.0wt%と規定した。好ましくは0.01〜4.8wt%であり、より好ましくは0.02〜4.5wt%である。
【0033】
N:0.01〜0.3wt%
Nは、耐食性の向上に有効な成分であり、0.01wt%以上含有させた場合に、その効果が得られる。しかし、0.3wt%を超えて含有させることは、Nの溶鋼への溶解限に近づくことから精錬時間が著しく長くなり、コストの上昇を招く。そのため、N含有量は0.01〜0.3wt%と規定した。なお、好ましくは0.01〜0.25wt%であり、より好ましくは0.02〜0.20wt%である。
【0034】
また、本発明においては、Pおよび/またはTiを含有することができる。しかし、これらの含有量は低いほどよく、下記の範囲内で添加することができる。
【0035】
P≦0.05wt% Pは、耐食性を低下させるほか、熱間加工性も低下させる有害元素である。このため、P含有量は低いほど好ましく、0.05wt%以下することが好ましい。なお、より好ましくは0.04wt%以下であり、さらに好ましくは0.035wt%以下である。
【0036】
Ti:0.015wt%未満
Tiは、Cと結合してTiCを形成し、耐食性を改善する元素である。しかしながら、TiはNと結合して硬質のTiNを形成し、ストリンガーと呼ばれる表面欠陥を発生しやすい。そのため、Ti含有量は0.015wt%未満とすることが好ましい。
【0037】
さらに、本発明においては、熱間加工性を改善する目的で、B、CeおよびLaのうちの1種または2種以上を0.01wt%以下の範囲で添加しても構わない。
【0038】
また、本発明では、非金属介在物を、耐食性、溶接性および表面性状に悪影響を与えないものとするために、該非金属介在物が、MgO・Al2O3、CaO−Al2O3系酸化物、MgOおよびCaO−SiO2−Al2O3−MgO−MnO系酸化物のうちの1種または2種以上から構成されていることを必須の要件としている。これらの介在物は、基本的に、アルミナのような大型のクラスターを形成しないため、鋼板の表面性状には悪影響を与えることがなく、また、これらの介在物は、腐食水溶液に対し、不溶性で安定であるため、局部電池を形成しないかあるいは介在物から腐食物質を発生しないことから耐食性を劣化させることもない。
【0039】
上記非金属介在物が上記特性を有するためには、MgO・Al2O3およびCaO−Al2O3系酸化物の組成、およびCaO−SiO2−Al2O3−MgO−MnO系酸化物の性状は、以下の条件を満たすことが好ましい。
【0040】
MgO・Al2O3
MgO・Al2O3中のMgO濃度が5wt%未満と低い場合(Al2O3濃度が95wt%超えの場合)、介在物の特性が急激にアルミナ質に変化し、鋼板表面にクラスター起因の表面庇を発生させたり、溶接性を劣化させたりする。そのため、MgO・Al2O3の組成は、MgO≧5wt%およびAl2O3≦95wt%であることが好ましい。
【0041】
CaO−Al2O3系酸化物
CaO−Al2O3系酸化物中のAl2O3濃度が70wt%を超えて高い場合、介在物の特性が急激にアルミナ質に変化するため、鋼板表面にクラスター起因の表面庇を発生させたり、溶接性を低下させたりする。一方、CaO−Al2O3系酸化物中のCaO濃度が60wt%を超えて高い場合には、CaO単体の介在物が急激に晶出し、耐食性が低下してしまう。そのため、CaO−Al2O3系酸化物の組成は、CaO:30〜60wt%かつAl2O3:40〜70wt%の範囲内であることが好ましい。なお、MgOは、本願が対象としている水溶液環境に対して安定であるため、CaO−Al2O3系介在物中に20wt%程度以下含有していても構わない。
【0042】
CaO−SiO2−Al2O3−MgO−MnO系酸化物
CaO−SiO2−Al2O3−MgO−MnO系酸化物は、結晶化するとCaO単体を晶出し、耐食性を劣化させるため、その性状は、ガラス質であることが望ましい。そのためには、CaO−SiO2−Al2O3−MgO−MnO系酸化物の組成は、連続鋳造後のスラブあるいは普通造塊工程で得られる鋼塊の冷却速度(0.1〜10,000℃/sec)で、ガラス化する組成であることが好ましい。この条件を満たすためには、上記介在物を構成する各酸化物の組成は、CaO:1〜40wt%、SiO2:10〜70wt%、Al2O3:5〜40wt%、MgO:0.1〜25wt%およびMnO:0.1〜40wt%の範囲内にあることが好ましい。また、この複合酸化物には、Cr2O3とFeOが合計で20wt%程度以下含まれていてもガラス化には影響しない。
【0043】
また、本発明の鋼が耐食性、溶接性および表面性状に優れた特性を有するためには、板厚10mm程度以下に圧延された鋼板中に存在する介在物は、JIS G0555に規定されたB系およびC系の形態から構成されており、かつJIS G0555に規定された鋼板の清浄度は0.05以下であることが好ましい。以下に、その理由を示す。
【0044】
介在物形態
熱間圧延または冷間圧延された鋼板中に存在する非金属介在物は、MnSのように、JIS G0555に規定されたA系介在物として存在すると、耐食性に悪影響を及ぼす。そのため、本発明では、鋼中の非金属介在物は、JIS G0555に規定されたB系あるいはC系の形態を示すものに限定する。
【0045】
清浄度:0.05以下
JIS G0555に規定された鋼の清浄度は、0.05を超えて高くなると、孔食の起点を著しく増加させ、耐孔食性を低下させる要因となる。そのため、本発明にかかるステンレス鋼においては、清浄度を0.05以下、好ましくは0.045以下、より好ましくは0.04以下と規定した。
【0046】
次に、本発明にかかるステンレス鋼の製造方法について説明する。
基本的に、上記の通り規定した成分からなるステンレス鋼の製造方法であり、原料を電気炉に装入して溶解し、AODおよび/またはVODにおいて、Arまたは窒素と酸素とを吹精して脱炭精錬した後、石灰石および蛍石を添加してスラグを形成し、さらにAlまたはAlおよびフェロシリコンを投入してクロム還元、脱酸および脱硫した後、連続鋳造法または普通造塊法によりスラブとすることを特徴とする耐食性、溶接性および表面性状に優れたステンレス鋼の製造方法である。なお、本発明では、普通鋳造法において、鋳塊からスラブを得る方法は、熱間鍛造法を用いる。また、上記スラブを、熱間圧延し、あるいはさらに冷間圧延することにより、所望の板厚の耐食性、溶接性および表面性状に優れたステンレス鋼板を得ることができる。以下、具体的に説明する。
【0047】
溶解原料は、とくに限定はしないが、例えばフェロニッケル、純ニッケル、フェロクロム、クロム、鉄屑、ステンレス屑、Fe−Ni合金屑から、適宜選択することが好ましい。とくに、Ni源(フェロニッケル、ステンレス屑、Fe−Ni合金屑、純ニッケル)は、Coを含有していることが多いが、CoはNiとほぼ等価であるので、本発明では、3%程度以下であれば、含有していても構わない。このように、本発明では、比較的安価なNi源を使用することが可能であるため、コスト的に有利である。一方、Pは、精錬過程で除去が困難であるため、本発明で規定した範囲となるように、上記溶解原料を選択することが好ましい。
【0048】
原料を電気炉等で溶解した後は、AODおよび/またはVODにおいて、Arまたは窒素と酸素とを吹精して脱炭精錬を行い、Cを0.03wt%以下とする。ここで、AOD炉、VOD鍋あるいは取鍋に使用する耐火物は、スラグ中に適正なMgO濃度を供給し、介在物を先述した組成に制御するため、さらには、形成するスラグに対して十分な耐溶損性を付与するという観点から、MgO−C、Al2O3−MgO−C、ドロマイトおよびマグネシアクロムれんがから適宜選択することが好ましい。
【0049】
その後、スラグ相に移行した有価金属であるCrの酸化物を、AlまたはAlおよびフェロシリコンを投入することにより、クロム還元して回収する。なお、AlまたはAlおよびフェロシリコンは、石灰石および螢石を投入してスラグ形成した際に、AlおよびSiがそれぞれ、Al:0.001〜0.1wt%、Si:0.01〜1.5wt%の範囲内となるように投入することが好ましい。この理由は、これらの脱酸剤(AlまたはSi)が、前記のとおりCr酸化物の脱酸剤として働くと共に、スラグ中に存在するCaOあるいはMgOを還元し、CaあるいはMgとして溶鋼中に回収するためであり、この時、スラグ上に脱酸剤を投入することで、CaおよびMgの還元をより容易にすることができるからである。なお、CaまたはMgの含有量が、本発明に規定する範囲内に満たない場合には、Ca−Si、Ca−AlおよびNi−Mg等の副原料を適宜添加しても構わない。
【0050】
また、前記スラグ組成は、CaO−SiO2−Al2O3−MgO−F系であることが好ましく、その組成範囲は、溶鋼中のAl,CaおよびMgを本発明において規定する濃度範囲内に制御するのに好適な組成、例えば、CaO:30〜80wt%、SiO2≦20wt%、Al2O3:5〜40wt%、MgO:1〜30wt%およびF≦20wt%であることが好ましい。その他の成分として、FeO,S,PおよびTiO2を合計で5%以下の範囲で含んでもよい。また、耐火物はマグネシア系であるので、耐火物保護のために、スラグ中にマグネシア煉瓦屑を適宜添加しても構わない。
【0051】
その後、ArあるいはNガスを吹きこみ、攪拌することによって、脱酸および脱硫を行い、O濃度を0.0001〜0.01wt%の範囲内に、S濃度を0.0002〜0.02wt%の範囲内に制御する。なお、O濃度が0.0001wt%未満に低下すると、前記のとおりCaO介在物が生成し、耐食性および溶接性に悪影響を与える。そのため、O濃度は、スラグ中のCaO濃度が80wt%を超えないように制御することが好ましい。この方法によれば、スラグ塩基度が高くなり過ぎて、脱酸が進行し過ぎることも抑制することができる。また、S濃度については、基本的にスラグを使って脱硫し、0.02wt%以下まで低下させる。しかしながら、前記のとおりS濃度が0.0002wt%未満に低下してしまうと、溶接時の溶け込み性を悪化させるため、FeSなどのS源を適量添加して調整することが好ましい。
【0052】
このようにして成分および非金属介在物組成を制御した溶鋼を、連続鋳造法あるいは普通造塊法により鋳造する。なお、連続鋳造法の場合、縦型連続鋳造機にて鋳込むことが好ましい。これは、本鋼種は、高温強度が比較的高いため、湾曲部を含むタイプの連続鋳造機では、スラブ割れを起こす危険性があるからである。また、この際の溶鋼の過熱度は、その製造性を考慮し、連続鋳造法の場合は10〜60℃、普通造塊法の場合は30〜150℃とすることが好ましい。また、連続鋳造法におけるタンディッシュ内および普通造塊法におけるインゴット内は、Al,MgおよびCaといった溶鋼中の活性成分の酸化を防止するため、ArあるいはNガスでシールすることが好ましい。なお、普通造塊法の場合には、鋳造して得た鋼塊を熱間鍛造してスラブとすることが好ましい。また、スラブから鋼板を得るために行う熱間圧延および冷間圧延は、常法により行うことができる。
【0053】
【実施例】容量60トンの電気炉により、フェロニッケル、純ニッケル、フェロクロム、鉄屑、ステンレス屑、Fe−Ni合金屑を原料として溶解後、AODにて酸化精錬を行った後、石灰石および螢石を投入し、CaO−SiO2−Al2O3−MgO−F系スラグを生成させ、さらに、アルミニウムおよび/またはフェロシリコンを投入し、クロム還元、脱酸および脱硫を行った後、連続鋳造により、あるいは普通造塊法にて得た鋳塊を熱間鍛造することによりスラブとした。なお、一部のチャージでは、VODのみで精錬を行った。その後、このスラブを熱間圧延し、冷間圧延して板厚3mmの鋼板とした。
【0054】
このようにして得られた冷延鋼板について、以下の評価を行った。
▲1▼化学成分:鋼板から切り出したサンプル中のOおよびNについては、酸素・窒素同時分析装置(不活性ガス−インパルス加熱溶融法:堀場製作所製 EMGA−520)を用いて、また、CおよびSについては、炭素・硫黄同時分析装置(酸素気流中燃焼−赤外線吸収法:堀場製作所製 EMIA−520)を用いて、その他の元素については、蛍光X線分析装置を用いて分析を行った。
【0055】
▲2▼非金属介在物組成:鋼板から切り出したサンプルを鏡面研磨し、EDSを用いて介在物をランダムに20点定量分析した。
【0056】
▲3▼介在物の形態および清浄度:光学顕微鏡によって圧延方向に平行な断面を400倍で60視野の観察し、「JIS G0555」に準拠して測定した。
【0057】
▲4▼表面性状:コイルの表裏面の全長を目視により観察し、表面欠陥数をカウントした。
【0058】
▲5▼耐食性試験:試験片を#600研磨仕上後、脱脂し、「JIS Z 2371」に準拠した条件(50℃)で塩水噴霧試験(SST)を4時間行い、発錆の有無を調査した。
【0059】
▲6▼溶接性:電流120A、溶接速度200mm/分の条件でTIG溶接し、ビード上に発生した黒点の有無を目視により評価した。
【0060】
鋼板成分の分析結果を表1に、非金属介在物組成および介在物の形態、清浄度の測定結果を表2に、そして、表面性状、耐食性試験、溶接性の調査結果を表3に示す。表1〜3の結果によれば、本発明例No.1〜11は、すべて本発明の規定した組成範囲を満足しており、表面性状、耐食性および溶接性ともに問題はなかった。一方、比較例では、いずれか1項以上が規定した組成範囲を外れていたため、表面疵が多数発生したり、要求される耐食性が得られなかったり、あるいは溶接時に黒点の発生が認められた。さらに、一部では製造性が著しく悪く、製品が得られないチャージ(No.17)もあった。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、優れた耐食性を有すると共に、溶接性および表面性状にも優れた特性を有するステンレス鋼を、汎用の製造設備を用いて安価に製造することができ、産業上極めて有効な効果が期待できる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a stainless steel having excellent corrosion resistance, weldability and surface properties, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Fe-Ni-Cr stainless steel is widely used as a highly corrosion-resistant alloy in kitchen equipment, chemical plants, and the like. However, it is known that non-metallic inclusions present on the surface of the stainless steel become a starting point of corrosion such as rust, and the speed of the corrosion varies depending on the composition and amount of the non-metallic inclusions. In addition, nonmetallic inclusions may cause surface flaws depending on the composition thereof, particularly when the composition is alumina.
[0003]
To cope with this problem, for example, Patent Document 1 discloses that a small amount of Al or Si is added to molten steel to perform preliminary deoxidation, and then Ti is added to perform deoxidation to control the form of inclusions. In addition, there is disclosed a technique of adding an appropriate amount of Ca to control inclusions that do not cause surface flaws and do not adversely affect corrosion resistance (see Patent Document 1). However, this conventional technique has a problem in that the added Ti bonds with N to form hard TiN, and a surface defect called a stringer is easily generated. There is also a problem that the addition of Al and Ca adversely affects weldability.
[0004]
[Patent Document 1] Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-1759
[Problems to be solved by the invention]
As described above, depending on the amount and composition of the nonmetallic inclusions contained in the steel, sufficient corrosion resistance and weldability may not be obtained. Further, when the inclusion composition is alumina, surface eaves due to clusters are generated. Furthermore, when these problems are avoided by adding Ti, there is a problem that stringers are easily generated.
[0006]
An object of the present invention is to provide a stainless steel excellent in corrosion resistance, weldability, and surface properties, and to propose a method of manufacturing the stainless steel at low cost using a general-purpose production facility.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors, in order to solve the problems of the above prior art, in particular, the amount and composition of nonmetallic inclusions contained in stainless steel, the corrosion resistance of stainless steel, the effect on the weldability and surface properties, the following, Study was carried out.
[0008]
First, a Fe-18 wt% Cr-8 wt% Ni alloy is melted in a laboratory using a magnesia crucible or an alumina crucible, and CaO—SiO 2 —Al 2 O 3 —MgO—F slag is added to the molten steel. After the addition, any one or more of Si, Mn, Al, Ca and Mg were added to perform deoxidation, and then cast to obtain steel ingots having various inclusion compositions. . This ingot was forged, hot rolled, and then cold rolled to obtain a steel plate having a thickness of 3 mm. Specimens were collected from the steel sheet and examined for corrosion resistance and weldability.
[0009]
For the corrosion resistance, the test piece was polished to # 600, degreased, and subjected to a salt spray test (SST) for 4 hours under conditions (50 ° C.) in accordance with JIS Z2371 to check for rusting.
[0010]
The weldability was evaluated by performing TIG welding on the test piece under the conditions of a current value of 120 A and a welding speed of 200 mm / min, and evaluating the weldability by the presence or absence of black spots generated on the beads. The black spots are oxide defects generated on the beads, and when these defects are present, the corrosion resistance of the site is deteriorated or the appearance is deteriorated. Simultaneously with this test, the presence or absence of surface flaws was visually examined.
[0011]
As a result of the above test, the inventors found that the nonmetallic inclusions were MgO.Al 2 O 3 (spinel), MgO (magnesia), CaO—Al 2 O 3 -based oxide (calcium aluminate) and CaO—SiO 2 In the case where the composition is composed of one or more of —Al 2 O 3 —MgO—MnO-based oxide (silicate), it is possible to obtain a stainless steel having excellent corrosion resistance, weldability and surface properties. I learned.
[0012]
Further, it was found that when the Ca content exceeds 0.01 wt%, the composition of the inclusions becomes CaO alone, the corrosion resistance is deteriorated, and a black spot is generated at the time of welding. It is considered that the cause is that CaO is water-soluble and unstable with respect to corrosion resistance, and that the CaO-based inclusions float and concentrate in the molten pool with respect to weldability. Furthermore, it was also found that the Ca concentration in the steel is related to the O concentration, and that when the O content is lower than 0.0001 wt%, the Ca content exceeds 0.01 wt%.
[0013]
Also, when the Al concentration in the steel exceeds 0.1 wt%, the composition of the inclusions becomes Al 2 O 3 (alumina) to form clusters, which causes surface defects and black spots during welding. I understood.
[0014]
Furthermore, when the O concentration is higher than 0.01 wt%, the cleanliness specified in JIS G0555 exceeds 0.05, so that the amount of inclusions on the surface of the steel sheet is increased and the corrosion resistance is deteriorated. . In addition, it was also found that if S was excessively reduced to less than 0.0002 wt%, the penetration property during welding was deteriorated.
[0015]
The present invention has been developed based on the above findings,
C ≦ 0.1 wt%, Si: 0.01 to 2.0 wt%,
Mn: 0.01 to 3.0 wt%, Cr: 13.0 to 26.0 wt%,
Ni: 2.0 to 30.0 wt%, Al: 0.001 to 0.1 wt%,
S: 0.0002-0.02 wt%, Mg: 0.00005-0.01 wt%,
Ca: 0.00005 to 0.01 wt%, O: 0.0001 to 0.01 wt%,
In stainless steel balance of Fe and unavoidable impurities, non-metallic inclusions contained in the stainless steel is, MgO · Al 2 O 3, CaO-Al 2 O 3 based oxide, MgO and CaO-SiO 2 - one or corrosion resistance, characterized in that it consists of two or more of al 2 O 3 -MgO-MnO based oxide, a stainless steel having excellent weldability and surface properties.
[0016]
According to the present invention, in the non-metallic inclusion, the composition of MgO.Al 2 O 3 is MgO ≧ 5 wt% and Al 2 O 3 ≦ 95 wt%, and the composition of CaO—Al 2 O 3 based oxide is CaO : 30 to 60 wt% and Al 2 O 3 : 40 to 70 wt%, and the CaO—SiO 2 —Al 2 O 3 —MgO—MnO-based oxide contains glass in the slab or the steel ingot after casting. Preferably it is present as a quality.
[0017]
Further, in the steel of the present invention, the nonmetallic inclusions in the steel are in the form of B-based and C-based specified in JIS G0555, and the cleanliness specified in JIS G0555 is 0.05 or less. Is preferred.
[0018]
The present invention also relates to a method in which a raw material is charged into an electric furnace to be melted, Ar or nitrogen and oxygen are blown out in an AOD and / or a VOD to decarburize, and then limestone and fluorite are charged and slag is introduced. Corrosion resistance, weldability and surface characterized by forming slab by continuous casting method or ordinary ingot making method after forming chromium, further reducing chromium, deoxidizing and desulfurizing by adding Al or Al and ferrosilicon. We propose a method for producing stainless steel with excellent properties.
[0019]
The ordinary ingot making method of the present invention is preferably a method in which a steel ingot obtained by casting is hot forged into a slab.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
First, the reasons for limiting the respective component compositions of the stainless steel according to the present invention to the above ranges will be described.
[0021]
C ≦ 0.1wt%
C is an austenite stabilizing element, but when present in a large amount, combines with Cr and Mo to form carbides, lowering the amounts of solid-dissolved Cr and Mo contained in the base material and deteriorating corrosion resistance. Therefore, the C content is set to 0.1 wt% or less. In addition, it is preferably 0.08 wt% or less, more preferably 0.07 wt% or less.
[0022]
Si: 0.01 to 2.0 wt%
Si is an element that is effective for improving acid resistance and pitting corrosion resistance and also effective for deoxidation. However, if the Si content is less than 0.01% by weight, the effect cannot be sufficiently obtained. On the other hand, if the Si content is more than 2.0% by weight, the generation of a sigma phase composed of Fe, Cr, (Mo) may not occur. Promotes brittleness and reduces weldability. Therefore, the Si content is specified to be 0.01 to 2.0 wt%. In addition, Preferably it is 0.02-1.8 wt%, More preferably, it is 0.03-1.7 wt%.
[0023]
Mn: 0.01 to 3.0 wt%
Mn is an element effective for deoxidation. If the Mn content is less than 0.01 wt%, the effect cannot be sufficiently obtained. Conversely, if the Mn content exceeds 3.0 wt%, the formation of a sigma phase is promoted similarly to Si, resulting in embrittlement. Therefore, the Mn content is specified as 0.01 to 3.0 wt%. In addition, Preferably it is 0.02-2.5 wt%, More preferably, it is 0.03-2.0 wt%.
[0024]
Cr: 13.0 to 26.0 wt%
Cr is an element that forms a passivation film, which is indispensable for ensuring corrosion resistance, on the steel sheet surface. A base material for improving acid resistance, pitting corrosion resistance, crevice corrosion resistance, and stress corrosion cracking resistance Is the most important element as a component of. However, if the Cr content is less than 13.0 wt%, sufficient corrosion resistance cannot be obtained. Conversely, if the content exceeds 25% by weight, a sigma phase is formed and embrittlement is caused. For the above reasons, the Cr content is specified to be 13.0 to 26.0 wt%. In addition, Preferably it is 15.0-25.5 wt%, More preferably, it is 16.0-25.0 wt%.
[0025]
Ni: 2.0 to 30.0 wt%
Ni has an effect of improving pitting corrosion resistance, crevice corrosion resistance and stress corrosion cracking resistance in a chloride-containing solution environment. To obtain the effect, 2.0 wt% or more is required. However, the effect is sufficient if 30.0 wt% or less is added, and if it is more than 30.0 wt%, the cost is increased, which is not preferable. Therefore, the Ni content is specified to be 2.0 to 30.0 wt%. In addition, Preferably it is 3.0-25.0 wt%, More preferably, it is 4.0-23.0 wt%.
[0026]
S: 0.0002 to 0.02 wt%
S is an effective element for improving the penetration during welding. However, when the content is too large, it combines with Mn to form MnS, and deteriorates corrosion resistance and hot workability. Therefore, the S content is set in the range of 0.0002 to 0.02 wt%. In addition, it is preferably 0.0005 to 0.015 wt%, and more preferably 0.001 to 0.01 wt%.
[0027]
Al: 0.001 to 0.1 wt%
Al is an element indispensable for deoxidation. When the Al content is less than 0.001 wt%, the oxygen concentration increases (O> 0.01 wt%), and the cleanliness specified in JIS G0555 exceeds 0.05, and the corrosion resistance, especially the pitting corrosion resistance, is increased. Lower. However, if the content exceeds 0.1 wt%, not only black spots are generated and weldability is reduced, but also the composition of the inclusions becomes alumina, and surface eaves due to clusters are generated. Therefore, the content of Al is specified to be 0.001 to 0.1 wt%. In addition, it is preferably 0.003 to 0.08 wt%, and more preferably 0.005 to 0.05 wt%.
[0028]
Mg: 0.00005 to 0.01 wt%
Mg controls the composition of nonmetallic inclusions in steel to a component system that does not adversely affect corrosion resistance, that is, MgO.Al 2 O 3 , MgO or CaO—SiO 2 —Al 2 O 3 —MgO—MnO-based oxide. Is a useful element for The effect is not obtained when the content is less than 0.00005 wt%, and conversely, when the content exceeds 0.01 wt%, the nozzle of the continuous casting machine is clogged and the operation is hindered. Further, there is a problem that a bubble defect caused by Mg is caused in the steel. Therefore, the Mg content is specified to be 0.00005 to 0.01 wt%. Preferably it is 0.0001-0.005 wt%, More preferably, it is 0.0001-0.002 wt%. More preferably, it is 0.0002 to 0.002 wt%.
[0029]
Ca: 0.00005 to 0.01 wt%
Ca is, Mg and similar, the composition of nonmetallic inclusions in the steel, component which does not adversely affect the corrosion resistance, i.e. CaO-Al 2 O 3 based oxide or CaO-SiO 2 -Al 2 O 3 -MgO- This is an element necessary for controlling the MnO-based oxide. The effect cannot be obtained if the content is less than 0.00005% by weight, and if it exceeds 0.01% by weight, inclusions consisting of CaO alone are generated, thereby deteriorating corrosion resistance and weldability. Therefore, the Ca content is specified to be in the range of 0.00005 to 0.01 wt%. Preferably it is 0.0001-0.005 wt%, more preferably 0.0001-0.002 wt%. More preferably, it is 0.0002 to 0.002 wt%.
[0030]
O: 0.0001 to 0.01 wt%
If O is present in the steel in an amount exceeding 0.01 wt%, the amount of nonmetallic inclusions will increase significantly, the cleanliness specified in JIS G0555 will exceed 0.05, and the pitting corrosion resistance will decrease. Conversely, if the content is less than 0.0001 wt%, CaO present in the slag is reduced and the Ca concentration in the molten steel exceeds 0.01 wt%, so CaO inclusions are formed and corrosion resistance and weldability are reduced. Adversely affect. Therefore, the O concentration must be controlled to an appropriate value, and in the present invention, the O concentration is specified to be in the range of 0.0001 to 0.01 wt%. Preferably it is 0.0002 to 0.008 wt%, more preferably 0.0003 to 0.005 wt%. More preferably, it is 0.0005 to 0.005 wt%.
[0031]
In the present invention, in addition to the above essential components, Mo and / or N may be added for the purpose of improving the corrosion resistance of the steel sheet. It is preferable that the amount of each addition at that time be within the following range.
[0032]
Mo: 0.01 to 5.0 wt%
Mo is an important element for ensuring corrosion resistance such as acid resistance, stress corrosion cracking resistance, crevice corrosion resistance, and pitting corrosion resistance, and therefore, is preferably contained in steel at 0.01 wt% or more. However, if the Mo content is too high, the formation of a sigma phase is promoted, and the base material is embrittled. Therefore, the Mo content is specified to be 0.01 to 5.0 wt%. Preferably it is 0.01-4.8 wt%, More preferably, it is 0.02-4.5 wt%.
[0033]
N: 0.01 to 0.3 wt%
N is a component effective for improving corrosion resistance, and its effect is obtained when it is contained at 0.01 wt% or more. However, when the content exceeds 0.3 wt%, the refining time becomes extremely long since the melting limit of N in the molten steel is approached, and the cost is increased. Therefore, the N content is specified to be 0.01 to 0.3 wt%. In addition, Preferably it is 0.01 to 0.25 wt%, More preferably, it is 0.02 to 0.20 wt%.
[0034]
Further, in the present invention, P and / or Ti can be contained. However, the lower the content, the better, and they can be added within the following range.
[0035]
P ≦ 0.05 wt% P is a harmful element that lowers corrosion resistance and also lowers hot workability. Therefore, the P content is preferably as low as possible, and is preferably 0.05 wt% or less. Note that the content is more preferably 0.04 wt% or less, and still more preferably 0.035 wt% or less.
[0036]
Ti: less than 0.015 wt% Ti is an element that combines with C to form TiC and improves corrosion resistance. However, Ti combines with N to form hard TiN, and is likely to cause surface defects called stringers. Therefore, the Ti content is preferably less than 0.015 wt%.
[0037]
Further, in the present invention, one or more of B, Ce and La may be added in the range of 0.01 wt% or less for the purpose of improving hot workability.
[0038]
Further, in the present invention, in order to prevent the non-metallic inclusions from adversely affecting the corrosion resistance, the weldability, and the surface properties, the non-metallic inclusions are made of MgO.Al 2 O 3 or CaO-Al 2 O 3. oxide, is an essential requirement to be composed of one or more of MgO and CaO-SiO 2 -Al 2 O 3 -MgO-MnO based oxide. Since these inclusions do not basically form large clusters such as alumina, they do not adversely affect the surface properties of the steel sheet, and these inclusions are insoluble in a corrosive aqueous solution. Since it is stable, no local battery is formed or no corrosive substance is generated from inclusions, so that corrosion resistance is not deteriorated.
[0039]
In order for the non-metallic inclusions to have the above properties, the composition of MgO.Al 2 O 3 and CaO—Al 2 O 3 based oxides, and CaO—SiO 2 —Al 2 O 3 —MgO—MnO based oxides Preferably satisfies the following conditions.
[0040]
MgO · Al 2 O 3
(If the concentration of Al 2 O 3 is more than 95 wt%) when the MgO concentration in the MgO · Al 2 O 3 less than 5 wt% and lower, the characteristics of the inclusions sharply changes in alumina, the clusters due to the steel sheet surface It generates surface eaves and deteriorates weldability. Therefore, the composition of MgO · Al 2 O 3 is preferably MgO ≧ 5 wt% and Al 2 O 3 ≦ 95wt%.
[0041]
If concentration of Al 2 O 3 CaO-Al 2 O 3 based oxide CaO-Al 2 O 3 based oxide is higher than the 70 wt%, since the characteristics of the inclusions varies abruptly alumina, the surface of the steel sheet In this case, surface eaves due to clusters are generated, and weldability is reduced. On the other hand, when the CaO concentration in the CaO—Al 2 O 3 -based oxide is higher than 60 wt%, inclusions of CaO alone crystallize rapidly, and the corrosion resistance is reduced. Therefore, the composition of the CaO-Al 2 O 3 based oxide, CaO: 30 to 60 wt% and Al 2 O 3: is preferably in the range of 40~70wt%. Incidentally, MgO is present because it is stable to aqueous environments of interest, it may be contained more than about 20 wt% in the CaO-Al 2 O 3 inclusions.
[0042]
CaO—SiO 2 —Al 2 O 3 —MgO—MnO-based oxide CaO—SiO 2 —Al 2 O 3 —MgO—MnO-based oxide crystallizes CaO alone when crystallized and deteriorates corrosion resistance. The properties are desirably glassy. For this purpose, the composition of the CaO—SiO 2 —Al 2 O 3 —MgO—MnO-based oxide depends on the cooling rate (0.1 to 10,000) of a slab after continuous casting or a steel ingot obtained in a normal ingot making process. (° C./sec). To satisfy this condition, the composition of the oxides forming the above inclusions, CaO: 1~40wt%, SiO 2 : 10~70wt%, Al 2 O 3: 5~40wt%, MgO: 0. Preferably, it is in the range of 1 to 25 wt% and MnO: 0.1 to 40 wt%. Further, even if this composite oxide contains Cr 2 O 3 and FeO in a total amount of about 20 wt% or less, it does not affect vitrification.
[0043]
Further, in order for the steel of the present invention to have excellent properties in corrosion resistance, weldability and surface properties, inclusions present in a steel sheet rolled to a thickness of about 10 mm or less must be a B-based steel specified in JIS G0555. It is preferable that the cleanliness of the steel sheet which is constituted of the type of C and C is specified as JIS G0555 and is not more than 0.05. The reason will be described below.
[0044]
Inclusion Form Non-metallic inclusions present in a hot-rolled or cold-rolled steel sheet, such as MnS, adversely affect corrosion resistance when present as A-based inclusions specified in JIS G0555. Therefore, in the present invention, the nonmetallic inclusions in the steel are limited to those having a B-based or C-based form defined in JIS G0555.
[0045]
Cleanliness: 0.05 or less If the cleanliness of steel specified in JIS G0555 exceeds 0.05, the starting point of pitting corrosion is remarkably increased, which is a factor of reducing pitting corrosion resistance. Therefore, in the stainless steel according to the present invention, the cleanliness is specified as 0.05 or less, preferably 0.045 or less, and more preferably 0.04 or less.
[0046]
Next, a method for producing stainless steel according to the present invention will be described.
Basically, it is a method for producing stainless steel comprising the components specified as described above. The raw material is charged into an electric furnace and melted, and Ar or nitrogen and oxygen are sparged in AOD and / or VOD. After decarburizing and refining, limestone and fluorite are added to form a slag, and further, Al or Al and ferrosilicon are charged to reduce chromium, deoxidize and desulfurize, and then slab by a continuous casting method or an ordinary ingot-making method. This is a method for producing stainless steel having excellent corrosion resistance, weldability and surface properties. In the present invention, in the ordinary casting method, a hot forging method is used as a method for obtaining a slab from an ingot. Further, by subjecting the slab to hot rolling or cold rolling, a stainless steel plate having a desired thickness and excellent in corrosion resistance, weldability and surface properties can be obtained. This will be specifically described below.
[0047]
The melting raw material is not particularly limited, but is preferably selected as appropriate from, for example, ferronickel, pure nickel, ferrochrome, chromium, iron scrap, stainless steel scrap, and Fe-Ni alloy scrap. In particular, Ni sources (ferronickel, stainless steel scrap, Fe-Ni alloy scrap, pure nickel) often contain Co, but since Co is almost equivalent to Ni, in the present invention, about 3% is used. If it is the following, it may be contained. As described above, in the present invention, a relatively inexpensive Ni source can be used, which is advantageous in cost. On the other hand, since P is difficult to remove during the refining process, it is preferable to select the above-mentioned dissolved raw material so as to fall within the range specified in the present invention.
[0048]
After the raw materials are melted in an electric furnace or the like, decarburization refining is performed by blowing Ar or nitrogen and oxygen in AOD and / or VOD to reduce C to 0.03 wt% or less. Here, the refractory used in the AOD furnace, the VOD pan or the ladle supplies an appropriate MgO concentration in the slag and controls the inclusions to the composition described above. From the viewpoint of imparting good erosion resistance, it is preferable to appropriately select from MgO—C, Al 2 O 3 —MgO—C, dolomite, and magnesia chrome brick.
[0049]
After that, the oxide of Cr, which is a valuable metal transferred to the slag phase, is reduced by chromium by adding Al or Al and ferrosilicon, and is recovered. When slag is formed by adding limestone and fluorite to Al or Al and ferrosilicon, Al and Si are Al: 0.001 to 0.1 wt% and Si: 0.01 to 1.5 wt%, respectively. % Is preferably added. The reason is that as described above, these deoxidizing agents (Al or Si) act as deoxidizing agents for Cr oxide, reduce CaO or MgO present in the slag, and recover them as molten Ca or Mg in the molten steel. At this time, by adding a deoxidizing agent onto the slag, the reduction of Ca and Mg can be made easier. In addition, when the content of Ca or Mg is less than the range specified in the present invention, auxiliary materials such as Ca-Si, Ca-Al, and Ni-Mg may be appropriately added.
[0050]
Further, the slag composition is preferably a CaO—SiO 2 —Al 2 O 3 —MgO—F system, and the composition range is such that Al, Ca and Mg in molten steel fall within the concentration range specified in the present invention. Preferably, the composition is suitable for controlling, for example, CaO: 30 to 80 wt%, SiO 2 ≦ 20 wt%, Al 2 O 3 : 5 to 40 wt%, MgO: 1 to 30 wt%, and F ≦ 20 wt%. As other components, FeO, S, P and TiO 2 may be contained in a range of 5% or less in total. Further, since the refractory is of magnesia type, magnesia brick waste may be appropriately added to the slag for protection of the refractory.
[0051]
After that, deoxidation and desulfurization are performed by blowing in Ar or N gas and stirring, so that the O concentration is in the range of 0.0001 to 0.01 wt% and the S concentration is in the range of 0.0002 to 0.02 wt%. Control within the range. When the O concentration is reduced to less than 0.0001 wt%, CaO inclusions are generated as described above, which adversely affects corrosion resistance and weldability. Therefore, it is preferable to control the O concentration so that the CaO concentration in the slag does not exceed 80 wt%. According to this method, the slag basicity becomes too high and the deoxidation can be prevented from progressing too much. In addition, the S concentration is basically desulfurized using slag and reduced to 0.02 wt% or less. However, if the S concentration is reduced to less than 0.0002 wt% as described above, the meltability at the time of welding is deteriorated. Therefore, it is preferable to adjust by adding an appropriate amount of an S source such as FeS.
[0052]
The molten steel whose components and the composition of the nonmetallic inclusions are controlled in this way is cast by a continuous casting method or a normal ingot casting method. In the case of the continuous casting method, it is preferable to perform casting by a vertical continuous casting machine. This is because the steel type has a relatively high high-temperature strength, and there is a risk of causing slab cracking in a continuous caster of a type including a curved portion. In this case, the degree of superheating of the molten steel is preferably 10 to 60 ° C in the case of the continuous casting method, and 30 to 150 ° C in the case of the ordinary ingot-making method, in consideration of its manufacturability. Further, the inside of the tundish in the continuous casting method and the inside of the ingot in the ordinary ingot casting method are preferably sealed with Ar or N gas in order to prevent oxidation of active components in molten steel such as Al, Mg and Ca. In the case of the ordinary ingot making method, it is preferable that a steel ingot obtained by casting is hot forged into a slab. Further, hot rolling and cold rolling performed to obtain a steel sheet from a slab can be performed by a conventional method.
[0053]
EXAMPLE In a 60 ton capacity electric furnace, ferro nickel, pure nickel, ferrochrome, iron scrap, stainless steel scrap, and Fe-Ni alloy scrap were melted as raw materials, oxidized and refined by AOD, limestone and fluorite. Stone is added, CaO—SiO 2 —Al 2 O 3 —MgO—F-based slag is generated, and further, aluminum and / or ferrosilicon is added, chromium reduction, deoxidation, and desulfurization are performed, and then continuous casting is performed. Or a slab obtained by hot forging the ingot obtained by the ordinary ingot making method. In addition, in some charges, refining was performed only with VOD. Thereafter, the slab was hot-rolled and cold-rolled to obtain a steel sheet having a thickness of 3 mm.
[0054]
The following evaluation was performed about the cold rolled steel sheet obtained in this way.
{Circle around (1)} Chemical composition: O and N in a sample cut from a steel sheet were measured using an oxygen / nitrogen simultaneous analyzer (inert gas-impulse heating / melting method: EMGA-520 manufactured by Horiba, Ltd.). S was analyzed using a simultaneous carbon / sulfur analyzer (combustion in oxygen stream-infrared absorption method: EMIA-520 manufactured by HORIBA, Ltd.), and other elements were analyzed using a fluorescent X-ray analyzer.
[0055]
{Circle around (2)} Nonmetallic inclusion composition: A sample cut from a steel plate was mirror-polished, and 20 inclusions were quantitatively analyzed at random using EDS.
[0056]
{Circle around (3)} Form and cleanliness of inclusions: A cross section parallel to the rolling direction was observed with an optical microscope at 400 magnifications in 60 fields of view, and measured in accordance with "JIS G0555".
[0057]
(4) Surface properties: The total length of the front and back surfaces of the coil was visually observed, and the number of surface defects was counted.
[0058]
{Circle around (5)} Corrosion resistance test: After the test piece was polished to # 600 and degreased, a salt spray test (SST) was performed for 4 hours under conditions (50 ° C.) in accordance with “JIS Z 2371” to check for rusting. .
[0059]
(6) Weldability: TIG welding was performed under the conditions of a current of 120 A and a welding speed of 200 mm / min, and the presence or absence of black spots generated on the beads was visually evaluated.
[0060]
Table 1 shows the analysis results of the components of the steel sheet, Table 2 shows the results of measuring the composition of the nonmetallic inclusions and the form and the cleanliness of the inclusions, and Table 3 shows the results of the investigation of the surface properties, corrosion resistance test, and weldability. According to the results of Tables 1 to 3, the present invention example No. Nos. 1 to 11 all satisfied the composition range specified in the present invention, and there were no problems in surface properties, corrosion resistance and weldability. On the other hand, in the comparative examples, since any one or more of the compositions were out of the specified composition range, many surface flaws were generated, required corrosion resistance was not obtained, or black spots were observed during welding. In addition, there was a charge (No. 17) in which the manufacturability was extremely poor in some parts and no product was obtained.
[0061]
[Table 1]
[0062]
[Table 2]
[0063]
[Table 3]
[0064]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to produce stainless steel having excellent corrosion resistance and excellent properties in weldability and surface properties at low cost using general-purpose production equipment, An extremely effective effect in industry can be expected.
Claims (6)
Mn:0.01〜3.0wt%、Cr:13.0〜26.0wt%、
Ni:2.0〜30.0wt%、Al:0.001〜0.1wt%、
S:0.0002〜0.02wt%、Mg:0.00005〜0.01wt%、
Ca:0.00005〜0.01wt%、O:0.0001〜0.01wt%、
残部がFeおよび不可避的不純物からなるステンレス鋼において、該ステンレス鋼中に含まれる非金属介在物が、MgO・Al2O3,CaO−Al2O3系酸化物,MgOおよびCaO−SiO2−Al2O3−MgO−MnO系酸化物のうちの1種または2種以上からなることを特徴とする耐食性、溶接性および表面性状に優れるステンレス鋼。C ≦ 0.1 wt%, Si: 0.01 to 2.0 wt%,
Mn: 0.01 to 3.0 wt%, Cr: 13.0 to 26.0 wt%,
Ni: 2.0 to 30.0 wt%, Al: 0.001 to 0.1 wt%,
S: 0.0002 to 0.02 wt%, Mg: 0.00005 to 0.01 wt%,
Ca: 0.00005 to 0.01 wt%, O: 0.0001 to 0.01 wt%,
In stainless steel balance of Fe and unavoidable impurities, non-metallic inclusions contained in the stainless steel is, MgO · Al 2 O 3, CaO-Al 2 O 3 based oxide, MgO and CaO-SiO 2 - al 2 O 3 -MgO-MnO system corrosion, characterized in that it consists of one or more of oxides, weldability and stainless steel having excellent surface quality.
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