JP2004146948A - データ放送受信装置、データ放送受信方法、及びプログラム - Google Patents
データ放送受信装置、データ放送受信方法、及びプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】データ・サービスについての対応可否をより早期に判定できるようにする。
【解決手段】サービス用のデータを下位層のプロトコルのデータに変換して伝送することによりデータ・サービスを提供するデータ放送を受信し、サービス用データを取得する受信手段と、受信中の放送に含まれるデータ・サービスについて対応可能か否かを判定する判定手段とを備えたデータ放送受信装置において、判定手段を、判定対象のデータ・サービスに対応する、下位層のプロトコルのデータに基づいて、対応不能である場合にその旨の判定を行う(ステップ61〜69)ものとする。
【選択図】 図6
【解決手段】サービス用のデータを下位層のプロトコルのデータに変換して伝送することによりデータ・サービスを提供するデータ放送を受信し、サービス用データを取得する受信手段と、受信中の放送に含まれるデータ・サービスについて対応可能か否かを判定する判定手段とを備えたデータ放送受信装置において、判定手段を、判定対象のデータ・サービスに対応する、下位層のプロトコルのデータに基づいて、対応不能である場合にその旨の判定を行う(ステップ61〜69)ものとする。
【選択図】 図6
Description
【0001】
本発明は、データ放送受信装置、データ放送受信方法、及びプログラムに関する。
【発明の属する技術分野】
【0002】
【従来の技術】
移動体向けディジタル・オーディオ放送の一方式であるDAB(Digital Audio Broadcasting)によれば、音声放送としてのプログラム・サービスのほか、データ放送としてのデータ・サービスの提供も行うことができる(たとえば、特許文献1及び2参照)。データ・サービスに対応するアプリケーションとしては、たとえば画像を定期的に切り替えるスライド・ショーや、インターネットにおけるようなウェブ・ページを扱うBWS(Broadcasting Web Site)や、交通情報を扱うTMC(Traffic Message Channel)やTPEG(Transport Protocol Expert Group)がある。これらのアプリケーションは多種多様であるため、従来、DABのレシーバは、すべてのアプリケーションに対応することは難しく、いくつかのアプリケーションのみに対応している場合が多い。
【0003】
図10〜12は従来のDABレシーバにおいてユーザにより所望のデータ・サービスが選択される際の動作を示す。図10ではアンサンブルの受信開始からアンサンブルに含まれる全アプリケーションのリストを表示するまでの処理が示されている。図11ではリスト表示に基づいて選択が行われたときの処理が示されている。図12ではこれらの処理に応じた画像表示例が示されている。
【0004】
図10の処理を開始すると、レシーバはまずステップ101において、アンサンブルの受信を開始したか否かを判定する。アンサンブルの受信開始は、レシーバの電源が投入されたときや、受信しているアンサンブルが切り替えられたときに生じる。アンサンブルの受信開始を検出しない場合は処理を終了し、検出した場合はステップ102へ進む。
【0005】
ステップ102では、一定期間が経過するまでFIG(Fast Information Group)のデータの受信を行う。次にステップ103において、FIGデータの受信結果に基づき、データ・サービスが有るか否かを判定する。データ・サービスが存在しないと判定した場合は処理を終了し、存在すると判定した場合はステップ104へ進む。
【0006】
ステップ104では、受信中のアンサンブルが提供する全データ・サービスをリスト化して表示する。その後、処理を終了する。図12(a)はこのときのレシーバの表示画面121を示す。表示画面121中のリスト表示領域124には“DAB Data1”、“DAB Data2”、及び“DAB Data3”というデータ・サービスがリスト表示されている。
【0007】
このリストからユーザが所望のデータ・サービス、たとえば“DAB Data2”を選択すると、レシーバは“DAB Data2”の表示を強調して図11の処理を開始する。まず、ステップ111において、選択されたデータ・サービスのデータに基づくアプリケーションの処理が可能かどうかを判断するのに使用できる最大時間をタイマに設定する。
【0008】
次に、選択されたサービスに関するデータを受信して解析しながら、レシーバが対応しているアプリケーションの処理が可能であると認めるに足るデータ、たとえば当該アプリケーションに適合したファイルや一区切りのフォーマット・データが得られたか否かをステップ112において判定し、かつタイマの設定時間を超えたか否かをテップ113において判定する処理を繰り返す。
【0009】
ステップ112において、アプリケーション処理が可能であると認めるに足るデータが得られたと判定した場合は、ステップ114において、得られたデータを用いて対応するアプリケーションの処理を行い、処理を終了する。図12(b)はこのときの表示画面121を示す。アプリケーション表示領域125では、アプリケーション処理による表示が行われている。
【0010】
ステップ113において、タイマの設定時間を超過したと判定した場合は、ステップ115において、選択されたデータ・サービスには対応できない旨の表示を行い、処理を終了する。図12(c)はこのときの表示画面121を示す。アプリケーション表示領域125では、選択されたデータ・サービスに対応するアプリケーションをサポートしていない旨を示す“Not Support”が表示されている。
【0011】
このようにサポートできない旨の表示が行われた場合、再び同じデータ・サービスを選択することも可能である。同じデータ・サービスが選択された場合は、同様にして図11の処理を繰り返す。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−25432号公報(第4−7頁、図1−7)
【特許文献2】
特開平11−261501号公報(第3−5頁、図1−7)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来技術によれば、ユーザが所望のデータ・サービスを選択してから、そのデータ・サービスにより提供されるデータに基づくアプリケーション処理による表示が行われ、又はそのデータ・サービスに対応するアプリケーションをサポートしていない旨の表示が行われるまでに長い時間を要するという問題がある。
【0014】
また、選択されたデータ・サービスに対応するアプリケーションをサポートしていない旨の表示が行われた場合に再びそのデータ・サービスを選択したとき、ユーザは再び同じように長い時間待たされるので、不快感を覚えるという問題がある。
【0015】
本発明の目的は、このような従来技術の問題点に鑑み、データ放送受信装置において、データ・サービスの選択から対応不能である旨の表示を行うまでに要する時間を短縮することにある。また、対応不能である旨の表示を行ったデータ・サービスが再び選択された場合に、再び長い待ち時間が生じるという不都合を解消することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、第1の発明に係るデータ放送受信装置は、サービス用のデータを下位層のプロトコルのデータに変換して伝送することによりデータ・サービスを提供するデータ放送を受信し、前記サービス用データを取得する受信手段と、受信中の放送に含まれるデータ・サービスについて対応可能か否かを判定する判定手段とを備えたデータ放送受信装置において、前記判定手段は、判定対象のデータ・サービスに対応する、前記下位層のプロトコルのデータに基づいて、対応不能である場合にその旨の判定を行うものであることを特徴とする。
【0017】
ここで、データ放送としては、たとえばDAB形式によるものが該当する。データ・サービスについて対応可能でない場合とは、たとえば装置上のアプリケーションプログラムが、得られるサービス用データに対応していない場合が該当する。サービス用データとしては、たとえばJava(登録商標)アプレット、イメージ・ファイル、Htmlファイル、MPEGオーディオ、MPEGビデオ等が該当する。
【0018】
受信中の放送に含まれるデータ・サービスについて対応可能か否かの判断は、従来は、受信して最終的に得られるサービス用データ、たとえばファイルや一区切りのフォーマットデータに基づいて行っていた。つまり、データ伝送に使用される階層的プロトコルにおける最上位層のデータを得てから、それに基づいて対応可能か否かを判定していた。このため、対応可否の判断に長い時間が必要であった。これに対し、本発明では、下位層のプロトコルのデータに基づいて、対応不能である場合にはその旨の判定を行うようにしたため、対応不能である場合には、上位層のデータを得てから判断する従来の場合よりも早期に、対応不能である旨の判定を行うことができる。
【0019】
第2の発明に係るデータ放送受信装置は、第1発明において、前記判定手段は、前記下位層のプロトコルのデータとして、所定時間内に、対応可能なものを得ることができないことが判明したとき、判定対象のデータ・サービスについて対応不能である旨の判定を行うものであることを特徴とする。ここで、所定時間内に、対応可能な下位層のプロトコルのデータを得ることができない場合としてはたとえば、所定時間内に、装置が処理可能なデータを形成するための下位層のプロトコルに合致しないフォーマットのデータやそのようなプロトコルとは異なるプロトコルのデータが得られた場合や、所定時間内に、装置が処理可能なデータを形成するための下位層のプロトコルに合致したデータが得られない場合が該当する。
【0020】
第3の発明に係るデータ放送受信装置は、第1又は第2発明において、前記下位層のプロトコルとして複数のプロトコルが存在し、前記判定手段は、各下位層のプロトコルのデータとして所定時間内に装置が対応可能なものを得ることができたか否かを最下位層から各下位層毎に順次判定し、対応可能なものが得られなかったと最初に判定した時点で、前記所定データ・サービスについて対応不能である旨の判定を行うものであることを特徴とする。
【0021】
第4の発明に係るデータ放送受信装置は、第1〜第3のいずれかの発明において、前記データ放送はDAB方式によるものであり、前記下位層のプロトコルは、前記サービス用データとして種々の形式のファイルを搬送するためのMOTプロトコル、このプロトコルに従ったMOTデータを分割して搬送するMSCデータ・グループを規定するプロトコル、及びMSCデータ・グループを分割して搬送するパケットを規定するプロトコルを含むことを特徴とする。
【0022】
第5の発明に係るデータ放送受信装置は、第1〜第4のいずれかの発明において、前記データ放送において前記サービス用データに付随して伝送され、そのサービス用データに係るデータ・サービスを特定する情報に基づき、前記データ放送により提供されるデータ・サービスの一覧を表示する手段と、一覧表示されたデータ・サービスのうちからの選択を受け入れる手段とを備え、前記判定手段は、選択されたデータ・サービスについて前記対応可否の判定を行うものであり、前記一覧表示手段は対応不能と判定されたデータ・サービスを一覧から消去するものであることを特徴とする。
【0023】
第6の発明に係るデータ放送受信装置は、第1〜第4のいずれかの発明において、前記データ放送において前記サービス用データに付随して伝送され、そのサービス用データに係るデータ・サービスを特定する情報に基づき、前記データ放送により提供されるデータ・サービスの一覧を表示する手段と、一覧表示されたデータ・サービスのうちからの選択を受け入れる手段とを備え、前記判定手段は、受信中のデータ放送に含まれるすべてのデータ・サービスについて前記対応可否の判定を行うものであり、前記一覧表示手段は、対応可能と判定されたデータ・サービスについてのみその一覧を表示するものであることを特徴とする。
【0024】
第7の発明に係るデータ放送受信方法は、サービス用のデータを下位層のプロトコルのデータに変換して伝送することによりデータ・サービスを提供するデータ放送を受信し、前記サービス用データを取得する受信工程と、受信中の放送に含まれるデータ・サービスについて対応可能か否かを判定する判定工程とを備えたデータ放送受信方法において、前記判定工程では、判定対象のデータ・サービスに対応する、前記下位層のプロトコルのデータに基づいて、対応不能である場合にその旨の判定を行うことを特徴とする。
【0025】
第8の発明に係るプログラムは、サービス用のデータを下位層のプロトコルのデータに変換して伝送することによりデータ・サービスを提供するデータ放送を受信し、前記サービス用データを取得する受信装置のコンピュータを、受信中の放送に含まれるデータ・サービスについて受信装置が対応可能か否かを判定する判定手段として機能させるプログラムにおいて、前記判定手段は、判定対象のデータ・サービスに対応する、前記下位層のプロトコルのデータに基づいて、対応不能である場合にその旨の判定を行うものであることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態に係るDAB放送受信機の構成を示すブロック図である。同図において、1はアンテナに入射する電波から特定周波数のDAB信号を抽出して出力するRF部、2はRF部1からのDAB信号に基づき、DABフレームデータを出力する復調部、3は復調部2からのDABフレームデータをデコードし、オーディオフレーム等を再生して出力するチャンネルデコーダ、4はチャンネルデコーダ3からのオーディオフレームに基づき、ディジタルオーディオデータをスピーカ等に出力するオーディオデーコーダ、5はデータ・サービスに係るデータやその他のDABデータの処理や装置各部の制御を行うDABデータ処理部/制御部である。DABデータ処理部/制御部5には、表示部6、操作部7、メモリ8及び不揮発メモリ9が接続されている。
【0027】
RF部1は、アンテナからの信号のうち特定周波数のDAB信号を同調により抽出するため、局部信号生成用のPLL(Phase Locked Loop)回路を備える。復調部2はアナログディジタル変換器、FFT(Fast Fourier Transform)部、IQ復調部等を備え、RF部1から供給されるDAB信号をDQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)復調して得られるDABフレームデータをチャンネルデコーダ3に供給する。
【0028】
図2はDABフレームデータ(DABトランスミッション・フレーム)の構造を示す。DABフレームデータは、同図に示すように、受信機が番組を復調するのに必要な情報や番組に関する補助情報等からなるファスト・インフォメーション(Fast Information)を含み、受信機によって前もって解析されるFIC(Fast Information Channel)、及び多重化された音声サービスやデータ・サービスのデータを含み、必要な部分が必要に応じてデコード及び解析されるMSC(Main Service Channel)を有する。
【0029】
MSCは、CIF(Common Interleaved Frame)毎にインタリーブされている。CIFの数はトランスミッション・モードに応じて異なる。各CIFはサブチャンネル(Sub Channel)毎の音声データを有し、この音声データがデコードされ、音声出力となる。データ・サービスの場合は、ストリーム・データとしてサブチャンネルを使用することができる。放送局は特定のサブチャンネルを、パケットデータを送信するものとして設定することができる。各パケットは頭からつめて送信されるが、パケット・アドレスにより識別され、管理される。
【0030】
FICは複数のFIB(Fast Information Block)を有し、FIBは複数のFIG(Fast Information Group)を有する。FIBはファスト・インフォメーション(Fast Information)の一塊であるが、その数はトランスミッション・モードに応じて異なる。FIGには複数の種類が存在し、番組に関する補助情報や、MSCのCIF内においてどのようにサブチャンネルが多重化されているかを示すMCI(Multiplex Configuration Information)等の情報が存在する。
【0031】
図1中のチャンネルデコーダ3は、デインタリーブ回路、誤り訂正回路等を備え、復調部2から供給されるDABフレームデータをデコードし、FICをDABデータ処理部/制御部5に供給し、オーディオフレームをオーディオデコーダ4に供給する。DABデータ処理部/制御部5は、CPU(中央処理装置)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)等で構成される。
【0032】
DABデータ処理部/制御部5は、操作部7からの入力信号に応じて受信動作を開始し、表示部6に受信状態を示す表示データを出力する。その際、RF部1にPLL設定データ(同調のためのPLL回路の局部信号の周波数を設定するデータ)を出力し、復調部2を制御してDABフレームデータをチャンネルデコーダ3に供給する。
【0033】
DABデータ処理部/制御部5はさらに、チャンネルデコーダ3を制御してFICを取得し、受信するサービスに対応して再生対象とすべきオーディオフレームをオーディオデコーダ4に供給する。また、FICに基づき、受信中のアンサンブルに含まれる全データ・サービスをリスト化して表示し、リスト中からユーザが選択したデータ・サービスに対応するパケットをチャンネルデコーダ3から取得する。取得したパケットに基づき、後述する図5のプロトコル階層を経て対応するフィルを形成し、対応するアプリケーションの処理を行う。
【0034】
オーディオデコーダ4は、たとえば通常のISO/MPEGオーディオソースデコーダ等で構成され、チャンネルデコーダ3から供給されるオーディオフレームをサブバンド毎に再量子化及びスケーリングし、さらにサブバンド周波数合成及びディジタルオーディオ変換を行ってスピーカ等に出力する。操作部7は押ボタン等を有しており、DABデータ処理部/制御部5に種々の指示、たとえば指定番組の検索指示や、所望のデータ・サービスの選択指示等を入力するために用いられる。表示部6はLCD(液晶ディスプレイ)等を備え、操作部7による操作状況、DABデータ処理部/制御部5での処理状況等を表示する。
【0035】
メモリ8は、RAM等で構成され、チャンネルデコーダ3から供給されるFIC等や、操作部7で入力される指示データや、受信状態を示すデータ等を記憶する。不揮発性メモリ9はフラッシュ・メモリ等で構成され、各サービスの受信に際して得られる各サービスのSId及び各サービスの放送に使用される周波数の情報を記憶し、受信機の電源オフ後も保持する。
【0036】
図3はDAB放送で受信可能なデータ・サービスにより提供し得るアプリケーションの種類を示す。地震や津波等に関する緊急放送を行うEWS、ページング放送、交通情報を扱うTMCやTPEG、ディファレンシャルGPS、画像を定期的に切り替えるスライド・ショー、電子プログラム・ガイドのためのXML(eXtensible Markup Language)等がある。
【0037】
図4は、表示部7の表示画面におけるデータ・サービス選択時の表示状況を示す。同図(a)では、受信中のアンサンブルに含まれる全データ・サービスのリストを表示し、ユーザによるデータ・サービスの選択を受け入れている状態にある表示画面41が示されている。同図(b)では、選択されたデータ・サービスに応じた表示を行っている表示画面41が示されている。同図(c)では、選択されたデータ・サービスが対応できないものであるときの表示画面41が示されている。表示画面41中の42は選択可能なデータ・サービスのリストを表示するためのリスト表示領域、43は選択されたデータ・サービスにより提供されるデータを用いて、対応するアプリケーションの表示を行うためのアプリケーション表示領域である。
【0038】
データ・サービスで提供されるデータは、データ・サービス毎に異なる送信メカニズムや送信のデータ・フォーマットで送信され得る。図5はデータ・サービスで提供されるデータの送信メカニズム及び送信フォーマットの一例を示すレイヤ図である。同図では、BWS(Broadcasting Web Site)やスライド・ショー等のアプリケーションに使用される種々のファイルを送信するためのMOT(Multimedia Object Transfer)プロトコルを用いて送信する場合を示している。
【0039】
この送信メカニズムでは、データ・サービスにより提供される各種ファイルはMOTプロトコルに従い、有効長さ等の情報を含むヘッダを有するMOTデータに変換され、DABシステムにより伝送される。DAB規格によれば、MOTデータは、タイプ3、4、又は5のMSCデータ・グループに分割されて伝送される。タイプ3のデータ・グループはMOTデータのヘッダ情報を含み、タイプ4のデータ・グループは本来のMOTオブジェクトの内容を含む。タイプ5のデータグループは、スクランブル処理されたデータを伝送するために用いられ、スクランブル処理されたデータ及びスクランブル解除のためのパラメータを含む。各MSCデータ・グループは、それぞれ、グループ内で同一アドレスが付された1つ又は複数のパケットに分割して伝送される。グループ内の最初及び最後のパケットはフラグにより区別される。
【0040】
DAB放送局はこのような送信メカニズム及び送信フォーマットにより、各種アプリケーションで使用するJava(登録商標)、各種イメージファイル、Htmlファイル、MPEGオーディオ、MPEGビデオ等のファイルを、MOTプロトコルを介し、DABシステムによるデータ・サービスとして送信することができる。なお、インターネットにおけるようなウェブ・ページを扱うBWS(Broadcasting Web Site)にはHtmlファイルやイメージ・ファイルを使用することができる。スライド・ショーにはイメージ・ファイルを使用することができる。また、他のアプリケーション用のデータも、図5に類似した階層的プロトコル若しくはレイヤ構成に従って変換し、送信することができる。
【0041】
図5のような送信メカニズムは、アプリケーションやそれに使用するファイルによって異なる。このため、選択されたデータ・サービスについて、装置がサポートしているアプリケーションに適合した送信メカニズムやフォーマットに従ったデータが一定期間受信できなかった時点、又はサポートしているアプリケーションに適合しない送信メカニズムやフォーマットによるデータを受信した時点において、そのデータ・サービスについては対応できないことが判明する。本実施形態では、このことを利用し、図5の各レイヤ若しくはプロトコルの階層毎に、装置がサポートしているアプリケーションに適合するフォーマットのデータが所定時間内に生成できたか否かを判定することにより、選択されたデータ・サービスに対する対応可否を早期に判定できるようにしている。
【0042】
図6は選択されたデータ・サービスについての対応可否判定の処理手順を示すフローチャートである。図4(a)のリスト表示領域42に表示されたデータ・サービス中の1つ、たとえば“DAB Data2”がユーザによって選択されると、DABデータ処理部/制御部5は、ステップ61において、“DAB Data2”の表示をハイライトさせ、タイマA〜Dを設定する。すなわち、選択されたデータ・サービスについて、装置が対応可能なパケットが受信できたと判定するまでに要してもよい最大時間をタイマAに設定し、装置が対応可能なMSCデータ・グループが生成できたと判定するまでに要してもよい最大時間をタイマBに設定し、装置が対応可能なMOTデータが生成できたと判定するまでに要してもよい最大時間をタイマCに設定し、そして装置が対応可能なファイルが生成できたと判定するまでに要してもよい最大時間をタイマDに設定する。
【0043】
ここで、装置が対応可能とは、選択されたデータ・サービスについて受信し、解析して得られたパケット、MSCデータ・グループ、MOTデータ及びファイルが、装置がサポートしているアプリケーションに適合したファイル、又はこのファイルを生成するための各プロトコルの形式に合致したものであることを意味する。つまり、パケット、MSCデータ・グループ及びMOTデータの段階では完全に適合していることは決定できず、各プロトコルの段階としては少なくとも適合していることを決定できるのみである。つまり完全に適合していることを決定するためにはファイルの生成を待たなければならない。
【0044】
次にステップ62において、選択されたデータ・サービスについて、装置が対応可能なパケットが受信できたか否かを判定する。受信できたと判定した場合はステップ64へ進み、受信できなかったと判定した場合はステップ63へ進む。ステップ63では、タイマAのカウント値が設定値を超えたか否かを判定する。超えていないと判定した場合はステップ62へ戻り、超えたと判定した場合はステップ71へ進む。
【0045】
ステップ64では、得られたパケットに基づき、対応可能なMSCデータ・グループが生成できたか否かを判定する。生成できたと判定した場合はステップ66へ進む。生成できなかったと判定した場合はステップ65へ進み、タイマBのカウント値が設定値を超えたか否かを判定する。超えていないと判定した場合はステップ62へ戻り、超えたと判定した場合はステップ71へ進む。
【0046】
ステップ66では、生成したMSCデータ・グループに基づき、対応可能なMOTデータが生成できたか否かを判定する。生成できたと判定した場合はステップ68へ進む。生成できなかったと判定した場合はステップ67へ進み、タイマCのカウント値が設定値を超えたか否かを判定する。超えていないと判定した場合はステップ62へ戻り、超えたと判定した場合はステップ71へ進む。
【0047】
ステップ68では、生成したMOTデータに基づき、対応可能なファイルが生成できたか否かを判定する。生成できたと判定した場合はステップ70へ進む。生成できなかったと判定した場合はステップ69へ進み、タイマDのカウント値が設定値を超えたか否かを判定する。超えていないと判定した場合はステップ62へ戻り、超えたと判定した場合はステップ71へ進む。
【0048】
ステップ70では、生成したファイルに基づき、対応するアプリケーションの処理をして、表示を行う。図4(b)はこのときの表示状態を例示している。アプリケーション表示領域43において、選択されたデータ・サービス“DAB Data2”に応じ、対応データに基づく表示が行われている。
【0049】
ステップ71では、選択されたデータ・サービス“DAB Data2”に対応するアプリケーションが提供不能である旨を表示するとともに、提供不能であるデータ・サービス“DAB Data2”の表示を、リスト表示領域42から消去する。図4(c)はこのときの表示状態を例示する。アプリケーション表示領域43には、選択されたデータ・サービスに対応するアプリケーションをサポートしていない旨を示す“Not Support”が表示されている。
【0050】
本実施形態によれば、選択されたデータ・サービスに装置が対応しているか否かを、データ送信プロトコルにおける下位層の段階で判定するようにしたため、対応可能でない場合は、早期にその旨を検出することができる。つまり、最下位層(ネットワーク層)のパケットの段階において、対応できないと判断できる場合は、より上位層のたとえばMSCデータ・グループ(トランスポート層)に変換しても対応不能であることは明らかであり、一方、パケットの段階で対応可能であると判断できるにしても、より上位層では対応可能であるどうかは不明である。そこで、より下位層の段階で対応不能であると判定できるものについては直ちに対応不能であると判断することにより、一律に最上位層のデータに基づいて対応可否を判断していた従来に比べ、対応不能の判定をより早期に行うことができる。
【0051】
図7は本発明の他の実施形態に係るDAB放送受信機における処理を示すフローチャートである。この受信機のハード構成及び以下に述べる動作以外の点については、上述の実施形態の場合と同様である。本実施形態では、アンサンブルの受信を開始したとき、アンサンブルに含まれる全データ・サービスについて対応可否を判定し、対応可能なデータ・サービスのみをリスト表示するようにしている。
【0052】
すなわち図7の処理を開始すると、DABデータ処理部/制御部5は、まずステップ72において、アンサンブルの受信を開始したか否かを判定する。アンサンブルの受信開始は、受信機の電源が投入されたときや、受信しているアンサンブルが切り替えられたときに生じる。アンサンブルの受信開始を検出しない場合は処理を終了し、検出した場合はステップ73へ進む。
【0053】
ステップ73では、一定期間が経過するまでFIG(Fast Information Group)データの受信を行う。次にステップ74において、FIGデータの受信結果に基づき、データ・サービスの有無を判定する。データ・サービスが存在しないと判定した場合は処理を終了し、存在すると判定した場合はステップ75へ進む。
【0054】
ステップ75では、受信中のアンサンブルが提供する全データ・サービスのリストをFIGのタイプ1データに基づいて作成する。次に、ステップ76において、カウンタiに1をセットする。次に、リスト中のi番目のデータ・サービスについて、対応可否を、ステップ77でチェックし、ステップ78でチェック結果に基づき判定する。対応可能と判定した場合はステップ80に進む。対応不能であると判定した場合はステップ79においてi番目のデータ・サービスをリストから削除してからステップ80へ進む。
【0055】
ステップ80では、リスト中の全データ・サービスについてチェックを終了したか否かを判定する。終了していないと判定した場合はステップ81においてカウンタiを1だけインクリメントし、ステップ77へ戻る。終了したと判定した場合はステップ82へ進む。
【0056】
図9(a)はステップ75〜81の処理を行っているときの表示画面41の表示状況を示す。DABデータ処理部/制御部5はアプリケーション表示領域43において、提供可能なデータ・サービスのリスト表示を行うために各データ・サービスについて対応可否をチェックしている旨を示す“Checking”の表示を行っている。
【0057】
ステップ82では、作成したデータ・サービスのリストの内容をリスト表示領域42に表示し、処理を終了する。図9(b)はこのときの表示画面41における表示状況を示している。
【0058】
この後、表示されたデータ・サービスのリスト中から所望のデータ・サービスがユーザによって選択されると、DABデータ処理部/制御部5は、選択されたデータ・サービスに対応するデータに基づき、対応するアプリケーションに従った処理を行い、表示を行う。図9(c)はこのときの表示画面41における表示状況を示している。
【0059】
図8は図7中のステップ77の処理を示すフローチャートである。ステップ83〜91の処理は、図6のステップ61〜69と同様である。ステップ90において、生成したMOTデータに基づき、対応可能なファイルが生成できたと判定した場合は、ステップ92において、i番目のデータ・サービスについてはアプリケーションの対応が可能である旨のチェック結果“OK”を変数Resultに設定して処理を終了する。ステップ85、87、89、又は91において、タイマA、B、C、又はDのカウント値が設定値をオーバしたと判定した場合はステップ93において、i番目のデータ・サービスについてはアプリケーションの対応が不能である旨のチェック結果“NG”を変数Resultに設定し、処理を終了する。処理が終了すると、図7のステップ78へ進む。
【0060】
本実施形態によれば、図9(b)のように、受信中のアンサンブルに含まれるデータ・サービスのうちの対応可能であるもののみがリスト表示領域42上に表示されるため、図9(c)のように、ユーザが選択したデータ・サービスについては必ずアプリケーション表示領域43においてアプリケーション処理による表示が行われることになる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、データ・サービスについての対応可否について、下位層のプロトコルのデータに基づき、対応不能である場合にはその旨の判定を行うようにしたため、対応不能である場合には、早期に、対応不能である旨の判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るDAB放送受信機の構成を示すブロック図である。
【図2】DABフレームデータの構造を示す図である。
【図3】DAB放送で受信可能なデータ・サービスにより提供し得るアプリケーションの種類を示す図である。
【図4】図1の装置の表示部の表示画面におけるデータ・サービス選択時の表示状況を示す図である。
【図5】データ・サービスで提供されるデータの送信メカニズム及び送信フォーマットの一例を示すレイヤ図である。
【図6】図1の装置における、選択されたデータ・サービスについての対応可否判定の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施形態に係るDAB放送受信機における処理を示すフローチャートである。
【図8】図7中のステップ77の処理を示すフローチャートである。
【図9】図7の処理における表示画面の表示状況を示す図である。
【図10】従来のDABレシーバにおいてアンサンブルの受信開始からアンサンブルに含まれる全アプリケーションのリストを表示するまでの処理を示すフローチャートである。
【図11】従来のDABレシーバにおいてリスト表示に基づいて選択が行われたときの処理を示すフローチャートである。
【図12】図11の処理に応じた画像表示例を示す図である。
【符号の説明】
1:RF部、2:復調部、3:チャンネルデコーダ、4:オーディオデコーダ、5:DABデータ処理部/制御部、6:表示部、7:操作部、8:メモリ、9:不揮発メモリ、32:アンテナ、41,121:表示画面、42,124:リスト表示領域、43,125:アプリケーション表示領域。
本発明は、データ放送受信装置、データ放送受信方法、及びプログラムに関する。
【発明の属する技術分野】
【0002】
【従来の技術】
移動体向けディジタル・オーディオ放送の一方式であるDAB(Digital Audio Broadcasting)によれば、音声放送としてのプログラム・サービスのほか、データ放送としてのデータ・サービスの提供も行うことができる(たとえば、特許文献1及び2参照)。データ・サービスに対応するアプリケーションとしては、たとえば画像を定期的に切り替えるスライド・ショーや、インターネットにおけるようなウェブ・ページを扱うBWS(Broadcasting Web Site)や、交通情報を扱うTMC(Traffic Message Channel)やTPEG(Transport Protocol Expert Group)がある。これらのアプリケーションは多種多様であるため、従来、DABのレシーバは、すべてのアプリケーションに対応することは難しく、いくつかのアプリケーションのみに対応している場合が多い。
【0003】
図10〜12は従来のDABレシーバにおいてユーザにより所望のデータ・サービスが選択される際の動作を示す。図10ではアンサンブルの受信開始からアンサンブルに含まれる全アプリケーションのリストを表示するまでの処理が示されている。図11ではリスト表示に基づいて選択が行われたときの処理が示されている。図12ではこれらの処理に応じた画像表示例が示されている。
【0004】
図10の処理を開始すると、レシーバはまずステップ101において、アンサンブルの受信を開始したか否かを判定する。アンサンブルの受信開始は、レシーバの電源が投入されたときや、受信しているアンサンブルが切り替えられたときに生じる。アンサンブルの受信開始を検出しない場合は処理を終了し、検出した場合はステップ102へ進む。
【0005】
ステップ102では、一定期間が経過するまでFIG(Fast Information Group)のデータの受信を行う。次にステップ103において、FIGデータの受信結果に基づき、データ・サービスが有るか否かを判定する。データ・サービスが存在しないと判定した場合は処理を終了し、存在すると判定した場合はステップ104へ進む。
【0006】
ステップ104では、受信中のアンサンブルが提供する全データ・サービスをリスト化して表示する。その後、処理を終了する。図12(a)はこのときのレシーバの表示画面121を示す。表示画面121中のリスト表示領域124には“DAB Data1”、“DAB Data2”、及び“DAB Data3”というデータ・サービスがリスト表示されている。
【0007】
このリストからユーザが所望のデータ・サービス、たとえば“DAB Data2”を選択すると、レシーバは“DAB Data2”の表示を強調して図11の処理を開始する。まず、ステップ111において、選択されたデータ・サービスのデータに基づくアプリケーションの処理が可能かどうかを判断するのに使用できる最大時間をタイマに設定する。
【0008】
次に、選択されたサービスに関するデータを受信して解析しながら、レシーバが対応しているアプリケーションの処理が可能であると認めるに足るデータ、たとえば当該アプリケーションに適合したファイルや一区切りのフォーマット・データが得られたか否かをステップ112において判定し、かつタイマの設定時間を超えたか否かをテップ113において判定する処理を繰り返す。
【0009】
ステップ112において、アプリケーション処理が可能であると認めるに足るデータが得られたと判定した場合は、ステップ114において、得られたデータを用いて対応するアプリケーションの処理を行い、処理を終了する。図12(b)はこのときの表示画面121を示す。アプリケーション表示領域125では、アプリケーション処理による表示が行われている。
【0010】
ステップ113において、タイマの設定時間を超過したと判定した場合は、ステップ115において、選択されたデータ・サービスには対応できない旨の表示を行い、処理を終了する。図12(c)はこのときの表示画面121を示す。アプリケーション表示領域125では、選択されたデータ・サービスに対応するアプリケーションをサポートしていない旨を示す“Not Support”が表示されている。
【0011】
このようにサポートできない旨の表示が行われた場合、再び同じデータ・サービスを選択することも可能である。同じデータ・サービスが選択された場合は、同様にして図11の処理を繰り返す。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−25432号公報(第4−7頁、図1−7)
【特許文献2】
特開平11−261501号公報(第3−5頁、図1−7)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来技術によれば、ユーザが所望のデータ・サービスを選択してから、そのデータ・サービスにより提供されるデータに基づくアプリケーション処理による表示が行われ、又はそのデータ・サービスに対応するアプリケーションをサポートしていない旨の表示が行われるまでに長い時間を要するという問題がある。
【0014】
また、選択されたデータ・サービスに対応するアプリケーションをサポートしていない旨の表示が行われた場合に再びそのデータ・サービスを選択したとき、ユーザは再び同じように長い時間待たされるので、不快感を覚えるという問題がある。
【0015】
本発明の目的は、このような従来技術の問題点に鑑み、データ放送受信装置において、データ・サービスの選択から対応不能である旨の表示を行うまでに要する時間を短縮することにある。また、対応不能である旨の表示を行ったデータ・サービスが再び選択された場合に、再び長い待ち時間が生じるという不都合を解消することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、第1の発明に係るデータ放送受信装置は、サービス用のデータを下位層のプロトコルのデータに変換して伝送することによりデータ・サービスを提供するデータ放送を受信し、前記サービス用データを取得する受信手段と、受信中の放送に含まれるデータ・サービスについて対応可能か否かを判定する判定手段とを備えたデータ放送受信装置において、前記判定手段は、判定対象のデータ・サービスに対応する、前記下位層のプロトコルのデータに基づいて、対応不能である場合にその旨の判定を行うものであることを特徴とする。
【0017】
ここで、データ放送としては、たとえばDAB形式によるものが該当する。データ・サービスについて対応可能でない場合とは、たとえば装置上のアプリケーションプログラムが、得られるサービス用データに対応していない場合が該当する。サービス用データとしては、たとえばJava(登録商標)アプレット、イメージ・ファイル、Htmlファイル、MPEGオーディオ、MPEGビデオ等が該当する。
【0018】
受信中の放送に含まれるデータ・サービスについて対応可能か否かの判断は、従来は、受信して最終的に得られるサービス用データ、たとえばファイルや一区切りのフォーマットデータに基づいて行っていた。つまり、データ伝送に使用される階層的プロトコルにおける最上位層のデータを得てから、それに基づいて対応可能か否かを判定していた。このため、対応可否の判断に長い時間が必要であった。これに対し、本発明では、下位層のプロトコルのデータに基づいて、対応不能である場合にはその旨の判定を行うようにしたため、対応不能である場合には、上位層のデータを得てから判断する従来の場合よりも早期に、対応不能である旨の判定を行うことができる。
【0019】
第2の発明に係るデータ放送受信装置は、第1発明において、前記判定手段は、前記下位層のプロトコルのデータとして、所定時間内に、対応可能なものを得ることができないことが判明したとき、判定対象のデータ・サービスについて対応不能である旨の判定を行うものであることを特徴とする。ここで、所定時間内に、対応可能な下位層のプロトコルのデータを得ることができない場合としてはたとえば、所定時間内に、装置が処理可能なデータを形成するための下位層のプロトコルに合致しないフォーマットのデータやそのようなプロトコルとは異なるプロトコルのデータが得られた場合や、所定時間内に、装置が処理可能なデータを形成するための下位層のプロトコルに合致したデータが得られない場合が該当する。
【0020】
第3の発明に係るデータ放送受信装置は、第1又は第2発明において、前記下位層のプロトコルとして複数のプロトコルが存在し、前記判定手段は、各下位層のプロトコルのデータとして所定時間内に装置が対応可能なものを得ることができたか否かを最下位層から各下位層毎に順次判定し、対応可能なものが得られなかったと最初に判定した時点で、前記所定データ・サービスについて対応不能である旨の判定を行うものであることを特徴とする。
【0021】
第4の発明に係るデータ放送受信装置は、第1〜第3のいずれかの発明において、前記データ放送はDAB方式によるものであり、前記下位層のプロトコルは、前記サービス用データとして種々の形式のファイルを搬送するためのMOTプロトコル、このプロトコルに従ったMOTデータを分割して搬送するMSCデータ・グループを規定するプロトコル、及びMSCデータ・グループを分割して搬送するパケットを規定するプロトコルを含むことを特徴とする。
【0022】
第5の発明に係るデータ放送受信装置は、第1〜第4のいずれかの発明において、前記データ放送において前記サービス用データに付随して伝送され、そのサービス用データに係るデータ・サービスを特定する情報に基づき、前記データ放送により提供されるデータ・サービスの一覧を表示する手段と、一覧表示されたデータ・サービスのうちからの選択を受け入れる手段とを備え、前記判定手段は、選択されたデータ・サービスについて前記対応可否の判定を行うものであり、前記一覧表示手段は対応不能と判定されたデータ・サービスを一覧から消去するものであることを特徴とする。
【0023】
第6の発明に係るデータ放送受信装置は、第1〜第4のいずれかの発明において、前記データ放送において前記サービス用データに付随して伝送され、そのサービス用データに係るデータ・サービスを特定する情報に基づき、前記データ放送により提供されるデータ・サービスの一覧を表示する手段と、一覧表示されたデータ・サービスのうちからの選択を受け入れる手段とを備え、前記判定手段は、受信中のデータ放送に含まれるすべてのデータ・サービスについて前記対応可否の判定を行うものであり、前記一覧表示手段は、対応可能と判定されたデータ・サービスについてのみその一覧を表示するものであることを特徴とする。
【0024】
第7の発明に係るデータ放送受信方法は、サービス用のデータを下位層のプロトコルのデータに変換して伝送することによりデータ・サービスを提供するデータ放送を受信し、前記サービス用データを取得する受信工程と、受信中の放送に含まれるデータ・サービスについて対応可能か否かを判定する判定工程とを備えたデータ放送受信方法において、前記判定工程では、判定対象のデータ・サービスに対応する、前記下位層のプロトコルのデータに基づいて、対応不能である場合にその旨の判定を行うことを特徴とする。
【0025】
第8の発明に係るプログラムは、サービス用のデータを下位層のプロトコルのデータに変換して伝送することによりデータ・サービスを提供するデータ放送を受信し、前記サービス用データを取得する受信装置のコンピュータを、受信中の放送に含まれるデータ・サービスについて受信装置が対応可能か否かを判定する判定手段として機能させるプログラムにおいて、前記判定手段は、判定対象のデータ・サービスに対応する、前記下位層のプロトコルのデータに基づいて、対応不能である場合にその旨の判定を行うものであることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態に係るDAB放送受信機の構成を示すブロック図である。同図において、1はアンテナに入射する電波から特定周波数のDAB信号を抽出して出力するRF部、2はRF部1からのDAB信号に基づき、DABフレームデータを出力する復調部、3は復調部2からのDABフレームデータをデコードし、オーディオフレーム等を再生して出力するチャンネルデコーダ、4はチャンネルデコーダ3からのオーディオフレームに基づき、ディジタルオーディオデータをスピーカ等に出力するオーディオデーコーダ、5はデータ・サービスに係るデータやその他のDABデータの処理や装置各部の制御を行うDABデータ処理部/制御部である。DABデータ処理部/制御部5には、表示部6、操作部7、メモリ8及び不揮発メモリ9が接続されている。
【0027】
RF部1は、アンテナからの信号のうち特定周波数のDAB信号を同調により抽出するため、局部信号生成用のPLL(Phase Locked Loop)回路を備える。復調部2はアナログディジタル変換器、FFT(Fast Fourier Transform)部、IQ復調部等を備え、RF部1から供給されるDAB信号をDQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)復調して得られるDABフレームデータをチャンネルデコーダ3に供給する。
【0028】
図2はDABフレームデータ(DABトランスミッション・フレーム)の構造を示す。DABフレームデータは、同図に示すように、受信機が番組を復調するのに必要な情報や番組に関する補助情報等からなるファスト・インフォメーション(Fast Information)を含み、受信機によって前もって解析されるFIC(Fast Information Channel)、及び多重化された音声サービスやデータ・サービスのデータを含み、必要な部分が必要に応じてデコード及び解析されるMSC(Main Service Channel)を有する。
【0029】
MSCは、CIF(Common Interleaved Frame)毎にインタリーブされている。CIFの数はトランスミッション・モードに応じて異なる。各CIFはサブチャンネル(Sub Channel)毎の音声データを有し、この音声データがデコードされ、音声出力となる。データ・サービスの場合は、ストリーム・データとしてサブチャンネルを使用することができる。放送局は特定のサブチャンネルを、パケットデータを送信するものとして設定することができる。各パケットは頭からつめて送信されるが、パケット・アドレスにより識別され、管理される。
【0030】
FICは複数のFIB(Fast Information Block)を有し、FIBは複数のFIG(Fast Information Group)を有する。FIBはファスト・インフォメーション(Fast Information)の一塊であるが、その数はトランスミッション・モードに応じて異なる。FIGには複数の種類が存在し、番組に関する補助情報や、MSCのCIF内においてどのようにサブチャンネルが多重化されているかを示すMCI(Multiplex Configuration Information)等の情報が存在する。
【0031】
図1中のチャンネルデコーダ3は、デインタリーブ回路、誤り訂正回路等を備え、復調部2から供給されるDABフレームデータをデコードし、FICをDABデータ処理部/制御部5に供給し、オーディオフレームをオーディオデコーダ4に供給する。DABデータ処理部/制御部5は、CPU(中央処理装置)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)等で構成される。
【0032】
DABデータ処理部/制御部5は、操作部7からの入力信号に応じて受信動作を開始し、表示部6に受信状態を示す表示データを出力する。その際、RF部1にPLL設定データ(同調のためのPLL回路の局部信号の周波数を設定するデータ)を出力し、復調部2を制御してDABフレームデータをチャンネルデコーダ3に供給する。
【0033】
DABデータ処理部/制御部5はさらに、チャンネルデコーダ3を制御してFICを取得し、受信するサービスに対応して再生対象とすべきオーディオフレームをオーディオデコーダ4に供給する。また、FICに基づき、受信中のアンサンブルに含まれる全データ・サービスをリスト化して表示し、リスト中からユーザが選択したデータ・サービスに対応するパケットをチャンネルデコーダ3から取得する。取得したパケットに基づき、後述する図5のプロトコル階層を経て対応するフィルを形成し、対応するアプリケーションの処理を行う。
【0034】
オーディオデコーダ4は、たとえば通常のISO/MPEGオーディオソースデコーダ等で構成され、チャンネルデコーダ3から供給されるオーディオフレームをサブバンド毎に再量子化及びスケーリングし、さらにサブバンド周波数合成及びディジタルオーディオ変換を行ってスピーカ等に出力する。操作部7は押ボタン等を有しており、DABデータ処理部/制御部5に種々の指示、たとえば指定番組の検索指示や、所望のデータ・サービスの選択指示等を入力するために用いられる。表示部6はLCD(液晶ディスプレイ)等を備え、操作部7による操作状況、DABデータ処理部/制御部5での処理状況等を表示する。
【0035】
メモリ8は、RAM等で構成され、チャンネルデコーダ3から供給されるFIC等や、操作部7で入力される指示データや、受信状態を示すデータ等を記憶する。不揮発性メモリ9はフラッシュ・メモリ等で構成され、各サービスの受信に際して得られる各サービスのSId及び各サービスの放送に使用される周波数の情報を記憶し、受信機の電源オフ後も保持する。
【0036】
図3はDAB放送で受信可能なデータ・サービスにより提供し得るアプリケーションの種類を示す。地震や津波等に関する緊急放送を行うEWS、ページング放送、交通情報を扱うTMCやTPEG、ディファレンシャルGPS、画像を定期的に切り替えるスライド・ショー、電子プログラム・ガイドのためのXML(eXtensible Markup Language)等がある。
【0037】
図4は、表示部7の表示画面におけるデータ・サービス選択時の表示状況を示す。同図(a)では、受信中のアンサンブルに含まれる全データ・サービスのリストを表示し、ユーザによるデータ・サービスの選択を受け入れている状態にある表示画面41が示されている。同図(b)では、選択されたデータ・サービスに応じた表示を行っている表示画面41が示されている。同図(c)では、選択されたデータ・サービスが対応できないものであるときの表示画面41が示されている。表示画面41中の42は選択可能なデータ・サービスのリストを表示するためのリスト表示領域、43は選択されたデータ・サービスにより提供されるデータを用いて、対応するアプリケーションの表示を行うためのアプリケーション表示領域である。
【0038】
データ・サービスで提供されるデータは、データ・サービス毎に異なる送信メカニズムや送信のデータ・フォーマットで送信され得る。図5はデータ・サービスで提供されるデータの送信メカニズム及び送信フォーマットの一例を示すレイヤ図である。同図では、BWS(Broadcasting Web Site)やスライド・ショー等のアプリケーションに使用される種々のファイルを送信するためのMOT(Multimedia Object Transfer)プロトコルを用いて送信する場合を示している。
【0039】
この送信メカニズムでは、データ・サービスにより提供される各種ファイルはMOTプロトコルに従い、有効長さ等の情報を含むヘッダを有するMOTデータに変換され、DABシステムにより伝送される。DAB規格によれば、MOTデータは、タイプ3、4、又は5のMSCデータ・グループに分割されて伝送される。タイプ3のデータ・グループはMOTデータのヘッダ情報を含み、タイプ4のデータ・グループは本来のMOTオブジェクトの内容を含む。タイプ5のデータグループは、スクランブル処理されたデータを伝送するために用いられ、スクランブル処理されたデータ及びスクランブル解除のためのパラメータを含む。各MSCデータ・グループは、それぞれ、グループ内で同一アドレスが付された1つ又は複数のパケットに分割して伝送される。グループ内の最初及び最後のパケットはフラグにより区別される。
【0040】
DAB放送局はこのような送信メカニズム及び送信フォーマットにより、各種アプリケーションで使用するJava(登録商標)、各種イメージファイル、Htmlファイル、MPEGオーディオ、MPEGビデオ等のファイルを、MOTプロトコルを介し、DABシステムによるデータ・サービスとして送信することができる。なお、インターネットにおけるようなウェブ・ページを扱うBWS(Broadcasting Web Site)にはHtmlファイルやイメージ・ファイルを使用することができる。スライド・ショーにはイメージ・ファイルを使用することができる。また、他のアプリケーション用のデータも、図5に類似した階層的プロトコル若しくはレイヤ構成に従って変換し、送信することができる。
【0041】
図5のような送信メカニズムは、アプリケーションやそれに使用するファイルによって異なる。このため、選択されたデータ・サービスについて、装置がサポートしているアプリケーションに適合した送信メカニズムやフォーマットに従ったデータが一定期間受信できなかった時点、又はサポートしているアプリケーションに適合しない送信メカニズムやフォーマットによるデータを受信した時点において、そのデータ・サービスについては対応できないことが判明する。本実施形態では、このことを利用し、図5の各レイヤ若しくはプロトコルの階層毎に、装置がサポートしているアプリケーションに適合するフォーマットのデータが所定時間内に生成できたか否かを判定することにより、選択されたデータ・サービスに対する対応可否を早期に判定できるようにしている。
【0042】
図6は選択されたデータ・サービスについての対応可否判定の処理手順を示すフローチャートである。図4(a)のリスト表示領域42に表示されたデータ・サービス中の1つ、たとえば“DAB Data2”がユーザによって選択されると、DABデータ処理部/制御部5は、ステップ61において、“DAB Data2”の表示をハイライトさせ、タイマA〜Dを設定する。すなわち、選択されたデータ・サービスについて、装置が対応可能なパケットが受信できたと判定するまでに要してもよい最大時間をタイマAに設定し、装置が対応可能なMSCデータ・グループが生成できたと判定するまでに要してもよい最大時間をタイマBに設定し、装置が対応可能なMOTデータが生成できたと判定するまでに要してもよい最大時間をタイマCに設定し、そして装置が対応可能なファイルが生成できたと判定するまでに要してもよい最大時間をタイマDに設定する。
【0043】
ここで、装置が対応可能とは、選択されたデータ・サービスについて受信し、解析して得られたパケット、MSCデータ・グループ、MOTデータ及びファイルが、装置がサポートしているアプリケーションに適合したファイル、又はこのファイルを生成するための各プロトコルの形式に合致したものであることを意味する。つまり、パケット、MSCデータ・グループ及びMOTデータの段階では完全に適合していることは決定できず、各プロトコルの段階としては少なくとも適合していることを決定できるのみである。つまり完全に適合していることを決定するためにはファイルの生成を待たなければならない。
【0044】
次にステップ62において、選択されたデータ・サービスについて、装置が対応可能なパケットが受信できたか否かを判定する。受信できたと判定した場合はステップ64へ進み、受信できなかったと判定した場合はステップ63へ進む。ステップ63では、タイマAのカウント値が設定値を超えたか否かを判定する。超えていないと判定した場合はステップ62へ戻り、超えたと判定した場合はステップ71へ進む。
【0045】
ステップ64では、得られたパケットに基づき、対応可能なMSCデータ・グループが生成できたか否かを判定する。生成できたと判定した場合はステップ66へ進む。生成できなかったと判定した場合はステップ65へ進み、タイマBのカウント値が設定値を超えたか否かを判定する。超えていないと判定した場合はステップ62へ戻り、超えたと判定した場合はステップ71へ進む。
【0046】
ステップ66では、生成したMSCデータ・グループに基づき、対応可能なMOTデータが生成できたか否かを判定する。生成できたと判定した場合はステップ68へ進む。生成できなかったと判定した場合はステップ67へ進み、タイマCのカウント値が設定値を超えたか否かを判定する。超えていないと判定した場合はステップ62へ戻り、超えたと判定した場合はステップ71へ進む。
【0047】
ステップ68では、生成したMOTデータに基づき、対応可能なファイルが生成できたか否かを判定する。生成できたと判定した場合はステップ70へ進む。生成できなかったと判定した場合はステップ69へ進み、タイマDのカウント値が設定値を超えたか否かを判定する。超えていないと判定した場合はステップ62へ戻り、超えたと判定した場合はステップ71へ進む。
【0048】
ステップ70では、生成したファイルに基づき、対応するアプリケーションの処理をして、表示を行う。図4(b)はこのときの表示状態を例示している。アプリケーション表示領域43において、選択されたデータ・サービス“DAB Data2”に応じ、対応データに基づく表示が行われている。
【0049】
ステップ71では、選択されたデータ・サービス“DAB Data2”に対応するアプリケーションが提供不能である旨を表示するとともに、提供不能であるデータ・サービス“DAB Data2”の表示を、リスト表示領域42から消去する。図4(c)はこのときの表示状態を例示する。アプリケーション表示領域43には、選択されたデータ・サービスに対応するアプリケーションをサポートしていない旨を示す“Not Support”が表示されている。
【0050】
本実施形態によれば、選択されたデータ・サービスに装置が対応しているか否かを、データ送信プロトコルにおける下位層の段階で判定するようにしたため、対応可能でない場合は、早期にその旨を検出することができる。つまり、最下位層(ネットワーク層)のパケットの段階において、対応できないと判断できる場合は、より上位層のたとえばMSCデータ・グループ(トランスポート層)に変換しても対応不能であることは明らかであり、一方、パケットの段階で対応可能であると判断できるにしても、より上位層では対応可能であるどうかは不明である。そこで、より下位層の段階で対応不能であると判定できるものについては直ちに対応不能であると判断することにより、一律に最上位層のデータに基づいて対応可否を判断していた従来に比べ、対応不能の判定をより早期に行うことができる。
【0051】
図7は本発明の他の実施形態に係るDAB放送受信機における処理を示すフローチャートである。この受信機のハード構成及び以下に述べる動作以外の点については、上述の実施形態の場合と同様である。本実施形態では、アンサンブルの受信を開始したとき、アンサンブルに含まれる全データ・サービスについて対応可否を判定し、対応可能なデータ・サービスのみをリスト表示するようにしている。
【0052】
すなわち図7の処理を開始すると、DABデータ処理部/制御部5は、まずステップ72において、アンサンブルの受信を開始したか否かを判定する。アンサンブルの受信開始は、受信機の電源が投入されたときや、受信しているアンサンブルが切り替えられたときに生じる。アンサンブルの受信開始を検出しない場合は処理を終了し、検出した場合はステップ73へ進む。
【0053】
ステップ73では、一定期間が経過するまでFIG(Fast Information Group)データの受信を行う。次にステップ74において、FIGデータの受信結果に基づき、データ・サービスの有無を判定する。データ・サービスが存在しないと判定した場合は処理を終了し、存在すると判定した場合はステップ75へ進む。
【0054】
ステップ75では、受信中のアンサンブルが提供する全データ・サービスのリストをFIGのタイプ1データに基づいて作成する。次に、ステップ76において、カウンタiに1をセットする。次に、リスト中のi番目のデータ・サービスについて、対応可否を、ステップ77でチェックし、ステップ78でチェック結果に基づき判定する。対応可能と判定した場合はステップ80に進む。対応不能であると判定した場合はステップ79においてi番目のデータ・サービスをリストから削除してからステップ80へ進む。
【0055】
ステップ80では、リスト中の全データ・サービスについてチェックを終了したか否かを判定する。終了していないと判定した場合はステップ81においてカウンタiを1だけインクリメントし、ステップ77へ戻る。終了したと判定した場合はステップ82へ進む。
【0056】
図9(a)はステップ75〜81の処理を行っているときの表示画面41の表示状況を示す。DABデータ処理部/制御部5はアプリケーション表示領域43において、提供可能なデータ・サービスのリスト表示を行うために各データ・サービスについて対応可否をチェックしている旨を示す“Checking”の表示を行っている。
【0057】
ステップ82では、作成したデータ・サービスのリストの内容をリスト表示領域42に表示し、処理を終了する。図9(b)はこのときの表示画面41における表示状況を示している。
【0058】
この後、表示されたデータ・サービスのリスト中から所望のデータ・サービスがユーザによって選択されると、DABデータ処理部/制御部5は、選択されたデータ・サービスに対応するデータに基づき、対応するアプリケーションに従った処理を行い、表示を行う。図9(c)はこのときの表示画面41における表示状況を示している。
【0059】
図8は図7中のステップ77の処理を示すフローチャートである。ステップ83〜91の処理は、図6のステップ61〜69と同様である。ステップ90において、生成したMOTデータに基づき、対応可能なファイルが生成できたと判定した場合は、ステップ92において、i番目のデータ・サービスについてはアプリケーションの対応が可能である旨のチェック結果“OK”を変数Resultに設定して処理を終了する。ステップ85、87、89、又は91において、タイマA、B、C、又はDのカウント値が設定値をオーバしたと判定した場合はステップ93において、i番目のデータ・サービスについてはアプリケーションの対応が不能である旨のチェック結果“NG”を変数Resultに設定し、処理を終了する。処理が終了すると、図7のステップ78へ進む。
【0060】
本実施形態によれば、図9(b)のように、受信中のアンサンブルに含まれるデータ・サービスのうちの対応可能であるもののみがリスト表示領域42上に表示されるため、図9(c)のように、ユーザが選択したデータ・サービスについては必ずアプリケーション表示領域43においてアプリケーション処理による表示が行われることになる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、データ・サービスについての対応可否について、下位層のプロトコルのデータに基づき、対応不能である場合にはその旨の判定を行うようにしたため、対応不能である場合には、早期に、対応不能である旨の判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るDAB放送受信機の構成を示すブロック図である。
【図2】DABフレームデータの構造を示す図である。
【図3】DAB放送で受信可能なデータ・サービスにより提供し得るアプリケーションの種類を示す図である。
【図4】図1の装置の表示部の表示画面におけるデータ・サービス選択時の表示状況を示す図である。
【図5】データ・サービスで提供されるデータの送信メカニズム及び送信フォーマットの一例を示すレイヤ図である。
【図6】図1の装置における、選択されたデータ・サービスについての対応可否判定の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施形態に係るDAB放送受信機における処理を示すフローチャートである。
【図8】図7中のステップ77の処理を示すフローチャートである。
【図9】図7の処理における表示画面の表示状況を示す図である。
【図10】従来のDABレシーバにおいてアンサンブルの受信開始からアンサンブルに含まれる全アプリケーションのリストを表示するまでの処理を示すフローチャートである。
【図11】従来のDABレシーバにおいてリスト表示に基づいて選択が行われたときの処理を示すフローチャートである。
【図12】図11の処理に応じた画像表示例を示す図である。
【符号の説明】
1:RF部、2:復調部、3:チャンネルデコーダ、4:オーディオデコーダ、5:DABデータ処理部/制御部、6:表示部、7:操作部、8:メモリ、9:不揮発メモリ、32:アンテナ、41,121:表示画面、42,124:リスト表示領域、43,125:アプリケーション表示領域。
Claims (8)
- サービス用のデータを下位層のプロトコルのデータに変換して伝送することによりデータ・サービスを提供するデータ放送を受信し、前記サービス用データを取得する受信手段と、
受信中の放送に含まれるデータ・サービスについて対応可能か否かを判定する判定手段とを備えたデータ放送受信装置において、
前記判定手段は、判定対象のデータ・サービスに対応する、前記下位層のプロトコルのデータに基づいて、対応不能である場合にその旨の判定を行うものであることを特徴とするデータ放送受信装置。 - 前記判定手段は、前記下位層のプロトコルのデータとして、所定時間内に、対応可能なものを得ることができないことが判明したとき、判定対象のデータ・サービスについて対応不能である旨の判定を行うものであることを特徴とする請求項1に記載のデータ放送受信装置。
- 前記下位層のプロトコルとして複数のプロトコルが存在し、前記判定手段は、各下位層のプロトコルのデータとして所定時間内に装置が対応可能なものを得ることができたか否かを最下位層から各下位層毎に順次判定し、対応可能なものが得られなかったと最初に判定した時点で、判定対象のデータ・サービスについて対応不能である旨の判定を行うものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ放送受信装置。
- 前記データ放送はDAB方式によるものであり、前記下位層のプロトコルは、前記サービス用データとして種々の形式のファイルを搬送するためのMOTプロトコル、このプロトコルに従ったMOTデータを分割して搬送するMSCデータ・グループを規定するプロトコル、及びMSCデータ・グループを分割して搬送するパケットを規定するプロトコルを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のデータ放送受信装置。
- 前記データ放送において前記サービス用データに付随して伝送され、そのサービス用データに係るデータ・サービスを特定する情報に基づき、前記データ放送により提供されるデータ・サービスの一覧を表示する手段と、一覧表示されたデータ・サービスのうちからの選択を受け入れる手段とを備え、前記判定手段は、選択されたデータ・サービスについて前記対応可否の判定を行うものであり、前記一覧表示手段は対応不能と判定されたデータ・サービスを一覧から消去するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のデータ放送受信装置。
- 前記データ放送において前記サービス用データに付随して伝送され、そのサービス用データに係るデータ・サービスを特定する情報に基づき、前記データ放送により提供されるデータ・サービスの一覧を表示する手段と、一覧表示されたデータ・サービスのうちからの選択を受け入れる手段とを備え、前記判定手段は、受信中のデータ放送に含まれるすべてのデータ・サービスについて前記対応可否の判定を行うものであり、前記一覧表示手段は、対応可能と判定されたデータ・サービスについてのみその一覧を表示するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のデータ放送受信装置。
- サービス用のデータを下位層のプロトコルのデータに変換して伝送することによりデータ・サービスを提供するデータ放送を受信し、前記サービス用データを取得する受信工程と、
受信中の放送に含まれるデータ・サービスについて対応可能か否かを判定する判定工程とを備えたデータ放送受信方法において、
前記判定工程では、判定対象のデータ・サービスに対応する、前記下位層のプロトコルのデータに基づいて、対応不能である場合にその旨の判定を行うことを特徴とするデータ放送受信方法。 - サービス用のデータを下位層のプロトコルのデータに変換して伝送することによりデータ・サービスを提供するデータ放送を受信し、前記サービス用データを取得する受信装置のコンピュータを、
受信中の放送に含まれるデータ・サービスについて受信装置が対応可能か否かを判定する判定手段として機能させるプログラムにおいて、
前記判定手段は、判定対象のデータ・サービスに対応する、前記下位層のプロトコルのデータに基づいて、対応不能である場合にその旨の判定を行うものであることを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002307378A JP2004146948A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | データ放送受信装置、データ放送受信方法、及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002307378A JP2004146948A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | データ放送受信装置、データ放送受信方法、及びプログラム |
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ID=32453855
Family Applications (1)
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JP2002307378A Pending JP2004146948A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | データ放送受信装置、データ放送受信方法、及びプログラム |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2007037040A1 (ja) * | 2005-09-28 | 2009-04-02 | 三菱電機株式会社 | 放送受信装置 |
US8125567B2 (en) | 2006-02-24 | 2012-02-28 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Apparatus and method for controlling the screen size of real-time video |
EP1894183B1 (en) * | 2005-06-13 | 2022-03-30 | LG Electronics Inc. | Method and an apparatus for transmitting and receiving traffic information by using file transfer |
-
2002
- 2002-10-22 JP JP2002307378A patent/JP2004146948A/ja active Pending
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JPWO2007037040A1 (ja) * | 2005-09-28 | 2009-04-02 | 三菱電機株式会社 | 放送受信装置 |
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